SVO系(目的語をとる<動詞形>)(その3)
【第19型】S+V(+IO)+DO(IOは間接目的語、DOは直接目的語)
【第19型】は、二重目的語をとる文型(動詞型)です。2つの目的語は基本的には間接目的語と直接目的語の2つになりますが、直接目的語を2つとる文型(動詞型)もこの型に含めます。具体的には以下の3つのパターンに分かれています。
- S+V(+IO)+DO【give型】
- S+V(+IO)+DO【buy型】
- S+V+DO+DO【envy型】
1.S+V(+IO)+DO【give型】
【give型】は間接目的語を前置詞付きの表現に変えたとき、前置詞toを使って、S+V+DO+to+IOと表現する動詞です。具体的には以下のような動詞があります。
- allow「~に…を許す」
- award「~に…を授与する・与える」
- cause「~に…(苦痛・損害など)をもたらす・与える」
- deny「~に…を持たせない・使わせない・与えない」
- give「~に…を与える」
- grant「~に…を授ける・授与する・かなえる」
- hand「~に…を手渡す・与える」
- lend「~に…を貸す」
- offer「~に…を提供する・申し出る・与える」
- owe「~に…を負う・…は~のおかげである」
- pass「~に…を手渡す・送る」
- pay「~に…を払う」
- promise「~に…を約束する」
- read「~に…を読んで聞かせる」
- refuse「~に…を断る・拒絶する」
- render「~に…を与える・示す」
- sell「~に…を売る」
- send「~に…を送る」
- show「~に…を示す」
- take「~に…を取る」
- teach「~に…を教える」
- throw「~に…を投げる」
- wish「~に…を祈る」
- write「~に…を書き送る」
【例文】
Did she really give her daughter that dress? 彼女は本当にあのドレスを娘にやったのか。
Will you lend me an umbrella? 傘を貸してもらえませんか。
I owe you my success. 私が成功したのもあなたのおかげです。
2.S+V(+IO)+DO【buy型】
【buy型】は間接目的語を前置詞付きの表現に変えたとき、前置詞forを使って、S+V+DO+for+IOと表現する動詞です。具体的には以下のような動詞があります。
- buy「~に…を買う」
- cash「~に…(手形など)を現金に換える」
- choose「~に…を選ぶ」
- cook「~に…(料理)を作る」
- do「~に…をもたらす・示す」
- find「~に…を見つける」
- get「~に…を手に入れてやる・用意する」
- leave「~に…を残す」
- make「~に…を作ってやる、~に…をする」
- mix「~に…を混ぜて作ってやる・(薬などを)調合する」
- order「~に…を命じる」
- play「~に…を演奏する」
- reach「~に…を取ってやる」
- spare「~に…(時間など)を割く」
【例文】
He bought his daughter a doll. 彼は娘に人形を買ってやった。
He found his parents good seats. 彼は両親にいい席を見つけてあげた。
Will you play me a tune? 私に一曲弾いてくれませんか。
3.S+V+DO+DO【envy型】
【envy型】は直接目的語を2つとる動詞です。具体的には以下のような動詞があります。下記の中でaskだけはS+ask+DO+of+IOと表現することができます。
- ask「~に…を尋ねる」
- envy「~の…をうらやむ・妬む」
- forgive「~の…を許す」(まれな用法)
- grudge「~の…をうらやましく思う」
- pardon「~が…したのを許す」
- save「~の…を節約する・省く」
- strike「~に…(打撃など)を加える・与える」
【例文】
He asked me a difficult question to answer. 彼は私に答えにくい質問をした。
She envied you your luck. 彼女は君の幸運がうらやましかったのだ。
Your help saved me a lot of trouble. 君が助けてくれたおかげで大いに手間が省けたよ。
【第13型】S+複合動詞(前置詞や副詞とともに動詞句を構成する動詞)+O[目的語]
【第13型】の複合動詞とは、単独の動詞ではなく、動詞+副詞や動詞+前置詞などであたかも1つの動詞のように扱う文型(動詞型)です。句動詞(phrease verb)、群動詞(group verb)などと呼ばれることもあります。具体的には以下の5つのパターンに分かれています。複合動詞を文型(動詞型)として含めるのは少し無理があると思いますが、複合動詞を多用するのは、英語の重要な特徴の1つでもあります。
- 自動詞+副詞(常に自動詞扱い)【break out型】
- 自動詞+前置詞(他動詞扱い)【look for型】
- 自動詞+副詞+前置詞(他動詞扱い)【catch up with型】
- 他動詞+副詞(他動詞扱い)【bring up型】
- 他動詞+名詞+前置詞(他動詞扱い)【take care of型】
それぞれのパターンに属する複合動詞は以下の通りです。
1.自動詞+副詞(常に自動詞扱い)【break out型】
【break out型】は常に自動詞として扱われる複合動詞です。以下に挙げたものは一例ですので、これ以外にもあります。
- break down「故障する」
- break out「(戦争などが)急に起こる」
- break up「解散する」
- come about「(事故などが)起こる」
- come off「(ボタンなどが)取れる」
- come out「明るみに出る」
- get away「逃げる」
- get on「暮らしていく」
- give in「降参する」
- go off「行われる」
- look out「気をつける」
- sit up「寝ずに起きている」
- stay up「寝ずに起きている」
- take off「離陸する」
- turn out「結局~になる」
- turn over「ひっくり返る」
2.自動詞+前置詞(他動詞扱い)【look for型】
【look for型】は他動詞として扱われる複合動詞です。自動詞と前置詞の間に名詞を持ってくることができません。以下に挙げたものは一例ですので、これ以外にもあります。
- account for「~を説明する」
- ask for「~を要求する」
- call for「~を声を上げて求める」
- call on「~(人)を訪問する」
- care for「~の世話をする、~が好きである」
- come across「~に(偶然)出くわす」
- come by「~を(努力の結果)得る・手に入れる」
- deal with「~を扱う」
- decide on「~に決定する」
- do withput「~をなしで済ます」
- look after「~の世話をする」
- look for「~を探す」
- look into「~を研究する・調査する」
- refer to「~に言及する・~を参照する」
- result in「~という結果になる」
- run over「(車が)(人を)轢く」
- see to「~の世話をする、~に気をつける」
- stand for「~を表す、~の略である」
- take after「~(親などに)似る」
- wait for「~を待つ」
3.自動詞+副詞+前置詞(他動詞扱い)【catch up with型】
【catch up with型】は他動詞として扱われる複合動詞です。以下に挙げたものは一例ですので、これ以外にもあります。
- catch up with「~に追いつく」
- come up to「(基準・期待に)添う」
- call for「~を声を上げて求める」
- do away with「~を廃止する」
- end up in「結局~になる」
- keep up with「~に(遅れないで)ついていく、(人と)連絡を取り続ける」
- look down on「~を見下す」
- look forward to「~を楽しみにして待つ」
- look up to「~を見上げる・尊敬する」
- make up for「~を補う、~の埋め合わせをする」
- put up with「~にがまんする」
- run out of「~を使い果たす」
4.他動詞+副詞(他動詞扱い)【bring up型】
【bring up型】は他動詞として扱われる複合動詞です。他動詞と副詞の間に名詞を持ってくることができます。以下に挙げたものは一例ですので、これ以外にもあります。
- break off「~を(途中で)やめる、~(関係・交渉などを)打ち切る・解消する」
- bring about「~(死・失敗など)を(徐々に)引き起こす」
- bring up「~を育てる」
- call up「~(人)に電話をかける」
- carry on「~を続ける」
- carry out「~を遂行する・実行する」
- come by「~を(努力の結果)得る・手に入れる」
- cut down「~を切り倒す、~を減らす」
- cut off「~を切り離す、~(ガス・電気・援助など)を絶つ」
- give up「~をあきらめる、~(悪臭など)をやめる」
- hand down「~(乗り物から)手を貸して下ろす、~(子に)遺伝させる、~(伝統など)を伝える」
- hand in「~を提出する」
- hand over「~を手渡す・引き渡す、~(財産・権限などを)譲り渡す」
- hang up「~(電話)を切る」
- leave out「~(文字など)を省く」
- look up「~(人)を訪ねる・~を(辞典などで)調べる」
- make out「~なんとか認める、~(考えなど)を理解する」
- pick out「~を選び出す」
- put off「~を延期する」
- put on「~(服や靴など)を身につける」
- put out「~(電灯や火など)を消す」
- take over「~(職務など)を引き継ぐ」
- turn off「~(水・ガスなど)を止める」
- work out「~(計画・理論など)を練って作る、~(問題など)を苦労して解く」
5.他動詞+名詞+前置詞(他動詞扱い)【take care of型】
【take care of型】は他動詞として扱われる複合動詞です。他動詞と名詞・前置詞で構成されています。以下に挙げたものは一例ですので、これ以外にもあります。
- catch sight of「~をちらりと見る、~を見かける、~を見つける」
- find falult with「~のあら探しをする」
- give birth to「~を出産する、~を産む」
- give details of「~の詳細を明らかにする、~の詳細を述べる」
- give no regards to「~を考えに入れない、~に目もくれない」
- give rise to「~を引き起こす、~を生じさせる」
- give way to「~に取って代わられる、~に移行する、たまらなくなって~する、~に屈する、自制心を失い~する」
- have fun with「~で楽しく遊ぶ」
- have need of「~を必要とする」
- have problem with「~に問題がある、~に同意できない・納得がいかない」
- make fun of「~を物笑いの種にする、~をからかう」
- make a proposal to「(toの後は名詞等)~に申し入れる、(toはto不定詞)~するという提案を行う」
- make sense of「~の意味を理解する」
- take advantage of「~をうまく利用する、~を活用[駆使]する、~を悪用する、~に便乗する、~の弱み[無知]につけ込む、~をだます」
- take care of「~の世話をする、~の面倒を見る、~を引き受ける、~を処理する、~に対処する、~を大事にする」
- take part in「~に参加する、~に出場する」