若手社会人の品質管理
既に社会人となった方は実務を通じて品質管理システムについて学ぶ方が実践的です。 良い例が周りにありますし何より無駄がありません。
まずあなたの会社の顧客サービスについて調べてみてください。
サービスが構築され顧客に提供されるまでの流れを整理してみてください。
このサービスが提供される過程で各部門が何処のプロセスに携わっているかを整理してみてください。
サービスと各部門の関わりが認識された所で改めて次の項目を満たしているかチェックしてみてください。
品質管理とは企業が顧客に提供するサービスの維持と改善を行う活動を指しています。 製品や商品の質を維持する事をだけを指しているのではありません。
上記にすべてチェックがつくようであれば経営体質は健全であり顧客満足度も高い会社であると思います。 しかしながら仮にISO9000を取得している会社でも多くはこれらの基本事項が守られていない事でしょう。
全社的に実施するのは会社の体質・社風にも影響する大きな事ですから経営トップの強力な推進力無しには達成は非常に困難なのです。
また製造業の場合に多いのですが製造部は品質を決める要の部門ですから品質管理のシステムが厳格に適用されている傾向があります。 一方設備や建屋の保守点検部門は別扱いされてそれが原因で歩留りや品質、生産効率に影響が出る事も珍しくありません。
設備の保全であれば定期的なメンテナンスの実施だけでなく、設備トラブルや用力異常が発生した場合の製品の出荷停止や流出防止フローも組み込んでいなければなりません。
この様に全社的に品質管理に関わっているかどうかと言えばそうでない会社が95%を超えると思います。
品質管理を意識していない人の仕事は単なる作業であり、顧客に提供するサービス構築の為に仕事をしていると言う認識が希薄になります。
業種を問わず全ての仕事には顧客満足を得て対価を得る目的があり品質管理の考え方は部署に関わらず意識される必要があります。
貴方が仕事を任されると言う事は顧客に提供されるサービス提供のフローの中に参加しているという事になります。 直接顧客と関わる部署で無くてもサービスを提供している部署という意識を持って仕事をしてください。
近年品質保証部門の求人は増える傾向にあります。品質管理と顧客への保証の必要性が強まっていることの表れでしょう。 品質管理に対する経験がある事は今後のあなたのキャリアアップにも大きな貢献をする事は間違いありません。
品質管理について学び実践する事はいわばどの業界にも通用する基礎体力をつける様なものです。 基礎体力があって固有技である個別業務の幅が広がっていくと言えるでしょう。 固有技はそのうち陳腐化しますし違う業界や会社に行けば役に立たないかもしれません。 然しながら基礎体力はどの業界に行っても通用しますし固有技を覚える上でも役に立つ応用力の大きいものだと思います。
既に社会人として仕事をしている方はサービスに瑕疵が生まれないよう注意するだけでなくさらなる改善を考える事を求められているはずです。 その為には現状のデータを分析し改善の方向性を見出す統計的手法が効果的に機能します。
品質管理と統計的手法についての詳細についてはこちら(リンク先)を参照してください。
採用担当の方へ
近年採用した人材を一からじっくり育成する余裕は無くなっていると思います。 出来るだけ自己学習力があり且つ成長ベクトルが大きい方を採用したいのが本音だと思います。
欲しい人材の特徴としては実行力があり即戦力として働いていけるポテンシャルを持った方だと思います。 一方社会に出たばかりの方々は業務内容に意義を見出すことが上手く出来ないのではないかと思います。
以前は理由がわからずとも我武者羅に仕事に取り組む姿勢がありました。 遮二無二やっていれば一生会社が面倒見てくれたからです。
然しながら今はそういう時代ではないのは言うまでも無く彼らも肌で感じています。
採用だけを厳しくしても彼らを活かす体制が整っていなければ効果は半減します。 彼らはこれからお客様に提供するサービスの為に仕事をしていく事になります。
御社の顧客、顧客ニーズ、品質管理システムを明確にして彼らのこれからの仕事の意義を高めて行く必要があります。
モチベーションが高い人を採用し彼らに期待するポテンシャルを発揮してもらうためにも自社の経営方針、品質目標、品質管理については採用する部門の方も十二分に把握している必要があると思います。
その上で新しく入ってきた新入社員に顧客へのサービスと自社業務の関係について認識出来る教育を行うべきです。 自分の業務が顧客へのサービスにどう関わっているかを感じ取れれば彼らの業務へのモチベーションに向上につながるはずです。
このサイトではこれから社会に入る就活生に対して会社に入るための且つ入ってから上手く飛び立つ為のヒントを贈ってきました。 他方で彼らをを採用する方々にも彼らの能力を引出して活かせるよう自社の顧客に対するサービスや品質管理システムに問題が無いのか見つめ直して頂きたいと思います。
業態にもよりますが人材採用の部署の方は自社製品や顧客と接する部署の実態を知らない、若しくは少々無関心な所があるのでは無いでしょうか?
品質管理は然るべき部署がやればよく、自分たちには関係ないと思いがちでは無いでしょうか? もしそうであれば客観的な立場から御社の顧客に対するサービスや品質管理体制を理解する事をお奨めします。
仕事をすると言う事は顧客に提供するサービスの一環をなす業務をする事なのですから。 いかなる業務もサービスの開発・維持・管理・改善のいずれかに関わる事を意識し社員と共有して行かなければならないと思います。
新しく採用した人が力を発揮できず短期間で辞めてしまったら採用にかかった時間とコストは無駄になります。 それは顧客サービスを提供するコストにも影響していると言う事を忘れないでください。