就活者の品質管理
品質管理は企業活動の根底を支えるものという事を述べましたが就活生の皆さんが入社前に学び実践しようと思ったらどうすれば良いでしょうか?
大きな書店に行けば品質管理やQCについての指南本は多数ありますが実例についての記載があるものは殆どありません。 また書いてあることも会社で品質管理関連の仕事をやっている人向けの物が多く身近な例で説明してあるものはあまりありません。
身近な企業の品質管理をチェックしてみる
身近な品質管理を感じてもらうために以下の事を推奨します。
1については例えばファミレス行きます。ファミレスはお客として気軽に行ける場所です。
そこで提供されているメニュー、値段設定、スタッフの接客、店舗の場所、店内雰囲気等顧客満足に繋がる要素を出来うる限り思い浮かべてください。
その中で重要な項目とマイナーな項目があると思いますので5段階に分けます。 それらの項目が顧客である貴方に取って十分であるかを実際に採点してみます。
例としてあるファミレスGの中央通店について採点した結果を記します。
項 目 | 重 要 度 | 採 点 結 果 | 得 点(重要度×採点) | 得 点 率 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
メニュー | 5 | 4 | 20/25 | 80% | |||||
味 | 5 | 3 | 15/25 | 60% | |||||
値段 | 5 | 3 | 15/25 | 60% | |||||
接客 | 4 | 2 | 8/20 | 40% | |||||
設備 | 3 | 3 | 9/15 | 60% | |||||
店内清掃 | 4 | 2 | 8/20 | 40% | |||||
店外清掃 | 2 | 4 | 8/10 | 80% | |||||
店舗の場所 | 3 | 4 | 12/15 | 80% | |||||
店内の雰囲気 | 2 | 4 | 8/10 | 80% | |||||
新商品開発 | 4 | 3 | 12/20 | 60% | |||||
キャンペーン | 3 | 3 | 9/15 | 60% | |||||
総合判定 | 124/200 | 62% | |||||||
各サービス項目の重要度は勝手に決めましたが本来は顧客に来店動機に繋がる点や気にする点としてアンケート等で調査し決定すべきでしょう。
顧客が重要視する項目の得点が高い方がトータルでの高い満足度に繋がります。
一方でマイナーな項目でも採点で2以下がつくようだとリピート率に悪影響を及ぼすと言えるでしょう。
上の採点では接客と店内清掃が低い得点率です。 これらの項目を気にする顧客は周囲に他のファミレスがあればそちらへ行く可能性が高いと言えます。
この様に仕事をしていなくても実際に顧客であるあなた側から企業の品質管理がどの程度機能しているか推し量る事が出来ます。
貴方ならこの結果を受けて顧客満足の為にどういう改善を行いますか?
顧客ニーズをキャッチし継続して改善が続くような工夫をどうやって行いますか?
上記をアンケート形式にして複数店舗の顧客からアンケートを取り店舗の売り上げ結果との相関関係を観ると、各項目の評点の”寄与度”もわかります。
寄与度がわかれば影響度が高い項目を改善すれば効率よく改善する事が可能となると言うわけです。
相関関係や寄与度を算出するには統計的データ解析法を用います。 統計的手法と聞くと難しそうですが上記の様に身近な例から考えて行くと解りやすいと思います。
統計的手法は品質管理を行う上で欠かせないスキルと言えます。
5sを学ぶ
次に身近で実践出来る事で大切なことに5Sの実践があります。 5Sについての説明はこちら(リンク)をご覧ください。家の中で出来る5S活動について言及しています。
5Sは品質管理の基本となるものです。 5Sが出来ていることが品質管理システムを活用できる必要条件と言えるでしょう。 故に5Sの理解がある事は就活でのアピール材料の一つになると思います。
きちんと身の回りの事例で実践しエビデンスを残す事が重要ですので知識だけを仕入れて終わる事が無いようにしてください。
基礎統計手法を学ぶ
統計とは主観では無く、データをもとにして客観的に傾向を観る事です。
あるラーメン屋に来て人が並んでいるのが2回続いたらこのお店は繁盛しているのかな?と主観で判断してしまいます。 きちんとすべての曜日や時間帯でデータを取ってみると混んでいたのはランチタイムのわずかな時間帯だけだったという事も少なくありません。
基礎統計は、上で述べた様なばらつきの概念や母集団、平均値、標準偏差等のデータ解析の前提となる基本を学びます。 今はデータ解析はパソコンの表計算ソフトで処理する事によりかなりスピーディー且つスマートに行えます。表計算ソフトを使えるITスキルがここでも必要になってきます。
各種統計量とQC7つ道具について実例を通して使いこなせるようになっておけば実務に使える能力として遜色ありません。
基礎統計手法に関してはこちら(リンク)を参照してください。