スピーカーの上手な鳴らし方 論より実験のオーディオ思考・マルチアンプシステム構築の手引き 初版 平成19年2月 最終更新 令和4年6月 日本語 PCサイト ディスプレイ解像度1920x1200以上推奨


【重要】事実を積み上げる為、掲載写真には、撮影日を掲載、測定結果は、タイムスタンプ付きcsvファイルとして保管しています。特記無き歪率値は、THD+N 80kHzBWで、SN比は、1kHz(A)とします。
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音響設備、防災設備 設計、施工、保守、機器修理、アンプ類製作等、広範な分野に関与しました。田舎では、全てをこなさないと、生活が成り立たず、ネットが普及し、電子部品入手は、便利になりました。

現在、最近の情報を加味した構成に変更中で、一部重複して、読みづらい箇所が有りますがご容赦ください。(令和4年5月よりしばらくの間)

オーディオの主役は、スピーカー

スピーカーは、音の出口で、永久磁石の磁界中に有るボイスコイルに電流を流して、それを動力源に振動板周りの空気を動かし、音に変換します。スピーカーの音は、個性的で多様であり、選択で最も差が出ます。
オーディオは、宗教に非ずで、文系人は、単語の響きに騙されないよう良書を読みましょう。
金かけても良い音は出ません。まずは有る物でやってみる事が大切。格闘する相手は、空気です。

オーディオの頂上と言われるマルチアンプシステムは、構築に、高い技術と、それなりの測定器が必要です。オーディオ販売店では、手に余る分野で、回り道をしないよう、詳しく解説。

マルチアンプシステム概要
マルチアンプシステムは、中高音にホーンSPを使用した場合に真価を発揮します。広指向性で、反射音が大きいドーム型では、期待薄です。ウーハーは、38cmを推奨。ホーンSPは、ウーハーより10dBほど能率が高いので、アンプ出力は、ウーハー用の10%以下が最適。高能率SPなので残留雑音1桁μVのアンプが必要です。高級SPケーブルより、ケーブル抵抗が0.1Ω以下である事を優先。調整は、WaveGeneが動作するPCと、USBインターフェース、無指向性コンデンサマイクとマイクアンプ、オシロスコープと、ピンクノイズ+リアルタイムアナライザーを必要とします。各音が、同時に到着する為のタイムアライメント調整は、単発音が、100Hz〜10kHzまで、正しく伝わる事が目標。レベル調整は、ピンクノイズにて。以上は慣れれば簡単ですが、普段これだけの機材は、目障りであっても、人を頼んで調整しても、自身が納得できるか疑わしく、まずは自ら納得できる調整技術を身につけたいものです。
現在の4WAYマルチアンプシステム 自作純A級DCアンプ 
サブウーハーは、50Hz 24dB/oct リンクウィッツライリーフィルター
   時間が合っていない音と、合っている音 2012/09/25
 ツイーターと、ホーンスコーカーによる、正弦波1波だけを再生し、写真左側が、ツイーター(先に到着)とスコーカー(遅れて到着)の時間がズレた状態で、右側が、時間が合っている状態で、波高が随分大きくなっており、目的の波以外の波は、全て反射波です。ドーム型システムでは、反射波が多くなり、マルチアンプシステム化によるメリットを感じにくくなります。ホーン型では、筒の奥で音が鳴っていると揶揄されますが、生っぽい音も特長とされますのは、音源の指向係数Qが高く、無駄な反射音のエネルギーが小さい事によります。スピーカーのタイムアライメントを整合すると、右の写真のように、くっきり鮮やかに空間に存在するようになります。こうなると、音と音の間の隙間に有るホールトーンも混じりけの無い音で聞こえるようになります。オーケストラのトライアングルが、小さな音でも、刺さるように聞こえるのも、再生音楽で、実に良く再現できるようになります。又、マイク同士の干渉が有れば、滲んで聞こえ、録音の良否にも踏み込めます。

サブウーハーは、2個で

JBL 46cmウーハー JRX118  カタログpdfより
 46cmサブウーハーの特性例ですが、4πと2π空間で判りやすく表示されています。普通は、床置きで2π空間です。4πは、空中に設置した場合で、コンサートではよく目にします。設備でも、アリーナでは、このような形態で設置されていまます。ここで音圧特性を示したのは、どんな大口径でも、低域では、落ちてしまう事を理解する為です。38cm大口径ウーハーでも、46cmサブウーハーを設置したのは、この落ち込みをカバーする為で、38cmはフラットで鳴らし、サブウーハー側にだけLPFを設定しています。周波数は、50Hz、60Hz、70Hzから選択。使用するのは2個で、5.1サラウンドの場合は、サブウーハーchではなく、FL FRそれぞれから、サブウーハーに振り分けますと、超低域と、主要帯域の定位が一致し、正確な臨場感が得られます。超低音は、方向が判りにくいから1本でも良いとした5.1サラウンドの定義より、2chステレオ本来の原理が大切だと考えます。パッシブかアクティブかは、スペースが無い場合は、アクティブウーハーが小型で済みます。スペースが有れば、46cmパッシブウーハーが良いでしょう。

ウーハー低域側のフィルター
 ウーハーとサブウーハーの間は、一般的には、フィルター同士で、帯域を分割します。但し、このようにした場合は、サブウーハーには、相当な電力が必要になります。音圧グラフで4π空間40Hzは、約10dBダウンしていますので、ここを100Hzの音圧と同じにするには、10倍のパワーが必要です。ウーハーを100Wアンプで鳴らした場合、サブウーハー用は、1kWです。ウーハー低域側にフィルターを設定しないで、サブウーハーだけにフィルターを設定した場合、位相が合えば、落ち込みの有る部分を補強するように作用し、少ないパワーでも、音圧が上がります。ウーハー用アンプより、小さい電力で十分です。D級アンプは、100Hz以下では良好に動作しますので、アクティブウーハーの内蔵アンプで十分であり、無理にアナログアンプを持ってくる必要はありません。しかし、高域では、入力に対して位相ズレが有り、D級アンプよりも、良質なアナログアンプが適しています。
4chパワーアンプに組み込んだ 24dB/oct LPF
2018/07/23  2018/08/22
 ユニバーサル基板(タカス)に組み込んだサブウーハー用フィルターです。フィルター用CRは、精密な選別を行いました。多回転半固定ボリュームは、試作時の物で、アンプ実装時は、パネル取付タイプの10回転ポテンショメーターに置き換えています。オーディオ製品で、ボリュームは丁寧に、厳かに回しますが、測定分野の精密調整は、10回転ポテンショメーターを使用して、素早く正確にとなります。1〜10回転数の表示窓と、100目盛りが有り、1000段階まで細かく設定が可能で、設定がズレないよう、ロックレバーが有ります。利得調整では、0.001dBの分解能が得られます。フィルター形式は、プロ音響定番の、リンクウィッツライリー24dB/octで、遮断周波数は、50Hz、60Hz、70Hzを選択。フィルターに入る前に、位相反転を行って、ウーハーと位相を合わせています。
 サブウーハー用リンクウィッツライリーフィルター 24dB/oct 
2022/06/14  0.068μF 2016/05/14
 性能検証用に製作した2WAYチャンネルデバイダーで、サブウーハー出力、ハイパス出力、全帯域出力が有ります。全帯域は、バッファーアンプで、出力し、フィルター回路へは、位相反転して送り出していますが、24dBフィルターと、全帯域では、180°位相が変化しますので、クロスポイントで、正しく合成するには、どちらかを反転させなければなりません。ミューティング付きで、フィルター周波数は、実測で、51.6Hz、62Hz、73Hzで、+4dB出力時のSN比は、104.4dB(80kHzLPF) 歪み0.0011%(THD+N 80kHz) 0.00009%(THD 80kHz)で、ダイナミックレンジは、120dBです。プリント基板を作らなくても、ユニバーサル基板で、これだけの性能が出せます。単芯シールド線は、音響卓用 平河 HC-2L1 オヤイデ電気で入手、工作性が良くお奨めです。2WAYチャンデバは、4組のコンデンサーと、抵抗が必要になりますので、多数を購入して、選別をします。コンデンサは、周波数一定の信号源を用いて、交流電圧を測定すれば、精度の高い選別ができます。このようにすれば、位相が動く回路でも、左右は正確に同じ位相で推移します。自作でも、市販品より遙かに高い完成度です。有名なマークレビンソンプリアンプも、高度に選別された部品を使用した、RIAAイコライザーは、左右で素晴らしい同一性と、低偏差を実現して、工業製品に付き物の誤差をオーディオに持ち込んでいません。

アンプとの接続
アンプとスピーカーをフルレンジ1発鳴らしのように、ネットワークを介さず1対1とするのが、理想的な接続です。起電力が有るスピーカーを鳴らした場合、抵抗には、流れた電流に比例して、電圧降下が発生します。
この実験は、以下の構成で、簡単に行えます。
ATTの3−2に抵抗が有る中間位置は、波形の赤色の部分が出てきますが、MAXなら、3−2は抵抗がゼロで、アンプ支配が効き赤色部分は消えます

 アンプはNFBの作用で、スピーカーのボイスコイルで発電されて逆送してくる電力が消えるように動作します。しかし、間に抵抗成分が有ると、アンプが綺麗な出力でも、スピーカー端子では、入力と、ボイスコイルの発電成分が混在する事になります。無帰還アンプは、雑音が混ざったままで、濃厚な音が聴けるかも知れません。真空管アンプでは、出力トランスという時定数により、低NFB動作で、無帰還に近い濃厚な音となります。スピーカーの音は、反射音と一緒に認知されますので、スピーカー回路の抵抗成分で発生する余分な電力の音は、反射音に混ざり込み、目立たない事もありますが、確かに存在しています。マルチアンプシステムでは、アンプ出力がそのままスピーカーの端子に現れますので、混変調の少ない音が実現できます。もちろんフルレンジ1発でも、同じく混変調が少なくなります。
/ 100Hz 直結   100Hz 8Ω直列 
2009/07/27
2009年に、この現象を認識しましたが、当時は、2波のトーンバースト波で、研究していましたが、1波目の山の高さも変化しており、アンプ直結の有利さが分かります。コンデンサーでは、このような現象は起きず、あくまでも、直流抵抗で起きます。
真空管式プッシュプルアンプ 直結時の1波トーンバースト 出力トランスの巻線抵抗により、盛大に尾ひれが付いています 
2013/07/06
主に直流抵抗について説明しましたが、スピーカーケーブルの直流抵抗分も同じです。音響ホールで良く見掛ける、4芯のカナレ製ケーブル直流抵抗は、4S6 3.7Ω/100m  4S8 1.5Ω/100m  4S11 0.9Ω/100m です。インピーダンスは、片線だけ使用すると、高域で上昇し、音圧が低下します。正規の使用方法ならば、インピーダンスの上昇は無くなりますので、ペア性能も大切な要素です。アンプとの接続は、プロ音響では、スピコン同士となりますが、オーディオアンプでは、バナナプラグが接続しやすく、4S6で、各ch同じ長さとなるようにします。100mリールで、約1万円と割安です。


アンプに求められるものとは
 アンプが、無帰還や、低DFであれば、赤色部分は、アンプの出力にまで回り込み、一般的なNFBのかかった半導体アンプとは、異種の音が出るようになります。趣味としてのオーディオなので、主観優先も結構ですが、音源への正しい依存も大切と考えます。スピーカーを騒音中に置いた時、出力端子の電圧値は、グレードの高いアンプほど小さい値でした。アンプ出力は、一人で聴く場合、1Wも有れば十分で、最大値を1Wとした場合、曲中の大半の電力値は、10mW程度です。1Wという小電力なら、パワーICで簡単にと思いますが、そこが意外や、簡単ではなく、利得が大きすぎたり、歪みや、雑音が多かったりで、苦労します。又、小出力すぎて、アンプというコンポーネントとしての商品価値が見出せず、商業的に成立しなくなります。最終的に自作で解決しましたが、スペックは、0.01W出力時、0.01%以下で、電源電圧、電流が出力で変動しない、A級動作です。信頼性も大切で、20ch動作させて、4年経過し、無事故です。5W出力の為に、100W級アンプの大型放熱器と、立派なアルミケースは、不釣り合いかも知れませんが、商品ではないので、天才バ・・・のように、これでーいいのだー・・・。マルチアンプで、ホーンスピーカーを鳴らすのに、本当に選べるアンプが無いのが実状です。アナログ5Wアンプは、新品でも、1万円以内で入手できますが、SN比が80dB(A)程度で、とてもホーンスピーカーを鳴らせるような代物では有りません。
製作中の純A級アンプ 2017/10/27
 自作純A級アンプAC入力は、フィルター内蔵の3Pインレットで、SP出力は、ノイトリックのスピコン、入力は、不平衡ですが、RCAとXLRを併設しています。電源のリレーは、アンプ過熱時に、パワーステージの電源を遮断しますが、ドライブ回路は、別トランス+3端子レギュレータによる安定化電源です。最大出力5Wとし、OPアンプ+電流ブースターという構成で、0.01W時、THD+N 0.01%を実現し、SN比120dBです。下手なハイエンドアンプより、雑音が少なく、最大出力を抑えて、A級アンプにもかかわらず低消費、低発熱ですが、スピーカーが高能率なので、パワー不足は感じません。
 A級アンプは、出力が変動しても、アンプに流れる電流が一定である事が、最大の利点で、増幅素子の動作点も、直線性の高い部分となり、低歪みとなります。又、真空管A級シングルアンプでは、出力トランスを用いますので、直流磁化で、磁気飽和が起き、直線性が損なわれますが、直結動作の半導体アンプでは、そうした心配は無用です。小型に見える電源コンデンサですが、これでも33000μFありますが、この耐圧が16Vであった事が、高コスパ小出力アンプの構想の原点とも言えます。電源電圧が低ければ、回路抵抗は小さくなるし、ノイズ源も小さくなる、歪みも雑音も小さくなりました。XLRは、オーディオ用途では、大変優秀なコネクタで、接触不良を心配する必要が有りません。不平衡接続であっても、こうした利点で、採用しました。スピコンは、プロ用の定番で、脱着が非常に素早く行えます。

PNPパワートランジスタ  NPNパワートランジスタ  温度で増幅率も変わる!
 使用したサンケンLAPTの特性で、コレクタ損失100Wでコレクタ電流10Aですが、1A前後の直線性が良い事が見て取れます。それより右では、増幅率が下がり、奇数次高調波歪みが増加します。大出力アンプが、この領域を使わないようにするには、並列にする必要があり、パラプッシュ、トリプルプッシュと、写真で見れば、整然と並ぶ姿が立派に見えいるのですが、電子回路的には苦作で、大出力でないと、商品価値が下がるという言い訳で、お茶を濁すことになります。自作したアンプは、出力5Wで、動作電流を決めていますので、0.6Aを中心に電流が変化する事になり、直線部分で動作します。又、
半導体は、温度で増幅率が変化しますので、環境よりも高い温度で熱平衡状態にて動作させると、直線性の高い増幅が可能となります。どこか、車のエンジンに似ていて、A級アンプの動作温度が高い事は、利点で有り、悪いことではありません。放熱器は、サンスイアンプから外した物、ケースは、タカチOSシリーズ、3mm側板、シャーシ2mmのアルミケースです。個別のトランジスタは、PNP側、NPN側それぞれで、ドライブトランジスタを含めて、厳密な電流増幅率の選別を行い、0.1%以内の誤差に収めて、裸特性も重視しました。ホーンスピーカーを最適に駆動できるアンプを自作される場合の参考にしてください。出力を上げると、NPNトランジスタの直線性が劣化した部分を使用しますので、裸特性の悪化と、発熱となり、スピーカーを0.1Wで鳴らすには、得策ではありません。
歪率(VP-7722A) 2017/12/09  2ch仕様 6台製作 消費電力 30W 2017/10/24
製作費は、2ch仕様6台、4ch仕様2台全部の部品代合計30万円ほど、他に、部品取り用中古アンプの購入費用ですが、5台分で10万円ほどで、合計してハイエンドプリメインアンプ1台分ぐらいです。4WAYマルチ+3WAYマルチ+デスクトップモニターの3システム、予備2台として使用。
4chアンプ裏面  
2017/08/07
 入力のRCAは、簡易接続の為で、機器構成が完了次第、接触不良の無いXLRで、本格運用開始。アンプ出力は、プロ音響定番ノイトリック製スピコンで、素早い脱着と、確実な接続が両立。ACは、PCでお馴染みの3Pインレットで、測定器のように、ノイズフィルター内蔵。マークレビンソンのプリアンプも、このようなノイズフィルターを組み込んでいます。脱着時間は、1分もかからず、セットアップも苦になりません。売り物では無いので、見栄えより、信頼性重視です。

市販アンプから選択する場合
ホーンスピーカー用アンプは、SN比が120dBが一つの基準となります。定格出力は、小さい程安全です。オーディオの足跡で、カタログ値を参考に、入手できる物を探し、サンスイAU-α607XRに辿り着きました。100Wアンプが1W時のSN比は、-20dBした100dBとなり、110dB/WのMidホーンでは、1m離れて10dBの雑音です。環境雑音が30dBなら、10cmで、雑音が聞こえる事となります。コーン型や、ドーム型スピーカーは、能率が低く、SN比はそれほど要求されず、普通の物が使用できます。
 自作アンプ以前のアンプ類
2015/11/30
 SN比120dBアンプの中でも安価ですが、無事に台数を確保できました。XRより後期の、MR NRAは高価で台数を揃えられず、各1台入手して、XRと比較しました。評価の高い、707、907では、金額も高く、重量も重く、もっと入手難です。写真のアンプは、自作A級アンプの、放熱板、パワートランジスタ基板として、現在も活躍中です。他社製品については、オーディオの足跡を参考にして、高SNアンプを探せると思います。古い物ですと、出力リレーの交換、アイドル電流値の確認、中点電位の確認など、一定の整備が必要です。新品では、SN120dBは、ハイエンドの部類なので、相当な出費を強いられます。最近は、特性値が、巧妙に隠され、カタログや、取扱説明書には、見当たらない場合も多く、選択に苦労します。今後こういったDIY的オーディオは、益々難易度が高くなると思います。

アンプが確定したところで

フルレンジ1発にアンプという構成が、マルチアンプシステムの最小構成です。アンプに異種スピーカーを混在させない事で、混変調が少なく、高い解像度や、アンプ性能の良さが引き出せます。

12cmフルレンジスピーカー(連続ピンクノイズ入力40W) 誇張の無い素直な特性で高能率90dB/W サラウンドセンターで使用中
 2015/07/21
マルチアンプシステムが1発でなく、マルチスピーカーとなるのは、ピストンモーション領域を、可聴帯域全体にに広げる為で、アンプとの関係が良好となるよう、ネットワークを排除し、アンプ直結で、複数スピーカーの音を一つにまとめ上げる為に、時間軸を整合したシステムを構築する事が、理想への第一歩です。
マルチアンプシステムでは、副次的に、アンプがスピーカー毎になり、別々の遅延時間が設定でき、奥行きの長いスピーカーを多種使用する場合、音の到達時間を整合する事ができます。

このような条件を満たした場合
静かであるにもかかわらず、出るべく所で、期待通り音が出る、ダイナミックスの表現。
楽器の細かい定位、音量が小さくても刺さるように聞こえるトライアングル、音程が同じでも、楽器の音色が違って聞こえ、木管同士のとろけるような掛け合いや、合間に聞こえる、ホールトーン。
大音量でなくても、はっきり聞こえるので、フォルテ側をもう少し上げて、CDのダイナミックレンジを飛び越えた録音が欲しくなります。PrimeSeatというストリーミングソフトで、東京藝大の定演や他を楽しめます。最近は、PCM96kHz24ビットが多くなりました。
大口径ウーハー+サブウーハー構成で、舞台の圧が再現でき、グランドピアノや、ハープの味わいが深くなります。バスドラも圧の塊でドロドロしません。
歌手の、多彩な歌唱テクニックも、再発見できます。


スピーカーをより良く鳴らす為の、別のアプローチ

 ハイエンドスピーカーは、単体使用を前提として作られています。特殊な材料を使い、豪華な外観で仕上げられ、家具調度品としても、素晴らしい存在感があり、所有欲を十分満たす物です。これを、評価の高いアンプや、プレーヤーで鳴らせば、当然素晴らしい音でしょう。庶民には窺い知れない別世界かも。しかし今は、インターネット動画で、これらの音が紹介され、自身のシステムと比較する事ができるようになりました。高音質として、様々なアプローチが紹介されていますが、スピーカー以外では、真空管アンプ、スピーカーケーブル、インシュレーター、クリーン電源、電源ケーブル、OPアンプ、コンデンサー等々あります。純度6N線の電源ケーブルや、信号ケーブルが1本6万円と、びっくり価格で、これを所有したら、さぞ大満足かと思います。スピーカーも、箱の形式から密閉、バスレフ、バックロード、金属材料では、アルニコ、チタン、ベリリウム等々です。これらを追求すれば、際限なく時間と費用がかかります。無料の空気を相手に、音が変わる程度で、あれこれ変えていれば、こうした無限地獄に突入します。

マルチアンプシステムとマルチWAYとの違い
フルレンジと、マルチアンプシステムがアンプから見たら同一と見なせると申しましたが、一般的なオーディオで用いられるマルチWAYとは、どこが違うのでしょうか。大きく違うのは、1台のアンプで、LCネットワークで帯域分割し、それぞれのスピーカーを鳴らすのが、マルチWAYスピーカーです。
38cm3WAYのネットワーク回路例
 オーディオ界では無名ですが、約40年ほど前のホーンスピーカーを使用した38cm3WAYスピーカーで、一部音響ホールにも導入されていました。12dB/octの典型的なフィルターで、レベル調整も可能です。このフィルターで、直流抵抗は、コイルと、レベル調整用固定抵抗と、可変ATTに存在し、これによって、アンプとスピーカーの関係が怪しくなり、アンプからの電力以外の電力により、スピーカーが鳴ります。クロス周波数は、公称800Hz、8kHzですが、スピーカーのインピーダンスが、公称値の8Ωとは違いますので、とても、電気的に理想とは行かず、試聴等のカットアンドトライでの数値決め要素が有ります。
 2011/01/12
 写真は、1波正弦波をアンプから送出しておいて、フルレンジスピーカーに抵抗を入れ、スピーカー端子に現れる波形です。普通のスピーカーでは、0.5Ω〜2.2Ωあたりの波形で駆動されます。抵抗無しが37mΩというのは、測定時に使用したワニ口付きコードの抵抗で、ゼロにはなってくれません。抵抗値が増すと、元の波形の後ろに妙な物が続きますが、この部分はアンプから送っていない電力で、磁石とコイルの持つスピーカーによる電力です。磁石とコイルが無ければ、このような電力は発生せず、問題にはなりません。こうした観点から、磁気ではなく、静電気の力を利用したスピーカーは、静電型あるいは、コンデンサー型と呼ばれ、現在でも、イヤースピーカーとしてSTAXから発売されていますが、動電型とは違うひと味違う音です。

スピーカー用LCネットワーク

 2017/01/23  2014/12/17  2013/10/24
 コイルは、EIコア、空芯、フェライトと様々ですが、コンデンサは、フィルムコンデンサです。左2個は、2WAYで、右は3WAYです。普通のマルチWAYスピーカーは、このようなパッシブ素子によるフィルターを介して、個々のスピーカーを鳴らします。皆様がお使いのハイエンドクラスのスピーカーを、改造してネットワーク無しで鳴らそうとする事は無いので、直結したウーハーの音は、誰にも判らないと思います。ウーハーは、低音用と思い込みますが、音楽的にはメインスピーカーという、大切な役割です。このコイルを外せば、当然高音も聞こえるようになり、音は変わるのは、素人でも判りますが、そうではなく、チャンネルデバイダーを通して、同じ帯域を鳴らした時の音の違いで、100Hz以下の音が大きく変わります。ネットワークを使った場合は、力強くドーンといつもの低音ですが、チャンネルデバイダー経由では、拍子抜けのような乾いた低音ですが、スピーカーの音しか聴いていなければ、乾いた低音は、支持が少なく、重く響く方に人気が出ます。縁が有って、各種の太鼓を鳴らして見る機会が有り、実物では、そんな迫力有る低音は出てきません。バックロードホーンのような低音に慣れた耳では、実物以上の、スピーカーでしか聴けないような低音を求めるのが、そこは趣味の世界ならでは出来事でしょう。

ハイエンド電源ケーブル
 注目の電気抵抗jは10mΩ以下と大変に優秀で、コンセント側もそれなりに要求されます 
2022/05/01
 高級オーディオ用電源ケーブルです。自分で購入する事は金額的に無理で、実態が良く判りませんでしたが、太さは、5.5SQ相当と考えら結構な重さです。柔軟性は無いので、機械的なストレスが、機器側に及ばないかを考慮する必要があります。普通の3Pインレットへの嵌り具合は、硬くてしっかり感があります。電気抵抗は、10mΩ以下でした。普通の3Pケーブルは、70mΩ〜400mΩまでぐらいでしたので、電気抵抗的には相当に優れた物です。機器とコンセントまでの電気抵抗に考えが及ぶと、こういう手段も用意されているようです。スピーカーケーブルと違い、アンプの電源は、一次側の影響が少なくなるように設計されていますので、スピーカーケーブルについては、0.1Ω以内が適切と考えますが、電源ケーブルについては、安全第一である事が何よりも大切です。自作アンプで使用した、秋月購入の0.75SQ3P-2P電源コード\300は、片側が、70mΩでもう一方が200mΩで、不揃いでした。自作アンプのインレットは、3Pのフィルター付きを使用していますが、その通過抵抗は、両極とも37mΩです。海外製品の電源ヒューズには、5Ωぐらいの抵抗入りも有ります。
 電源に影響されやすいパワーアンプには、こうした高級パーツの出番があるかもしれません。A級アンプは、一度立ち上がれば、電流が一定ですでの、こうしたケーブルのお世話にならずとも、安定動作が可能です。B級や、D級のように、出力で、電流が変化するパワーアンプをお使いで、こうした方向で、攻めたいマニアは、気になるアイテムです。
1本6万円の電源ケーブルや、XLRケーブルが、業界大手から販売されるようになり、オーディオ業界が、これほどの苦境なのかとも思っています。

フィルターの性質
 スピーカーをマルチWAYとして駆動する場合、無くてはならないのが帯域を分割するフィルターです。用途により、ハイパスフィルター、ローパスフィルター、バンドパスフィルターという名称で呼ばれます。ある工房のメールマガジンで、フィルター通過後の成分を合成した音と、以前の音では、明らかに差があるという情報に接しました。今まで気にも留めなかった事で、早速、実験を行いました。元音と、3WAYフィルター通過後の合成音が違うのは、どうやら確かなようです。デジタルフィルターであるとか、安物であるとかの非科学的論理で決めつけるのは、一般受けするには違いないのですが、我がポリシーに反するので、PCソフトにて、1kHz 1波のトーンバースト波を、バタワースフィルターを通し、各帯域を合成し、その波形を比べてみました。バタワース特性のみとしたのは、ソフトの都合上の事で他意はありません。その結果、2WAYで、6dB/octの場合のみ、原音と、フィルター通過後の合成が一致するのみで、他は、一致しませんでした。

 1kHz 1波を、3WAYのフィルターを通して、その合成結果ですが、3WAYのMidレンジの極性は、よく間違えられるますが、バタワースフィルターの場合、奇数次が同相で、偶数次が、隣とは逆相です。PCでの理論的合成なので、違いがはっきりしますが、リスニングルームでは、反射音が有り、それらが混ざり合う事で、実音では、判りにくくなります。12dB/octの場合、Midレンジの極性は、逆相が正解です。
 3WAY 805Hz,4980Hzとした場合の、PCによる合成結果
バタワース6dB/octが、綺麗な合成結果で、コンデンサ1個による、2WAYの好結果が見えてきます。こうしたシステムを組むには、スロープ緩さを考慮し、帯域の広いツイーターで、ウーハーと音色が似ている物が必要であり、コーンスピーカー同士の2WAYも良いかも知れません。

推薦技術書
Multichannel Monitoring Tutorial Booklet 2ndEdition May2005 rev3.5.2 YAMAHA Co. SONA Co.
 2005年は、まだ中級オーディオファンでしたが、同書では、すでに、タイムアライメントにつても、詳しく記述されていました。概念は、理解していたものの、2009年自身がデジタルチャンネルデバイダーを使用するにあたって、初めて真剣に考える事となりました。サブウーハー1個と2個の違いや、コムフィルタリングも詳解され、正攻法でマルチWAYスピーカーシステムを構築する為、非常に役立つ書籍です。
音響工学原論 伊藤毅著
 早稲田大学 基幹理工学部 表現工学科 及川研究室のホームページのpdfを参照しました。音響を専門とする身にとって、非常に有り難い書です。 「スピーカーとは、なんぞや!」 まずはこの書で、理解すると良いでしょう。バブル期以前のメーカーさんの解説も、非常に科学的で、大いに知識を吸収できたのですが、最近は、商業主義優先で、時折、非科学的な論説が混ざっており、正しい情報と判断する基準は、こうした古典的な書に求める事が望ましいです。
デジタル・オーディオの基本と応用 河合一著 誠文堂新光社
 AES/EBU変換を検索して、抜粋を読むことになり、日頃感じていた、デジタルオーディオの不思議部分に光が射しました。発行元は、”無線と実験”で有名ですが、科学と乖離した部分が多いという印象が強くなり、最近は、立ち読みすらしていませんでしたが、これは、読み応えがありました。この書で、ダイナミックレンジとSN比は、Aフィルターでとなっており、今後は、SN比に関して、Aフィルターでの測定値を優先的に表示する事にします。

推薦 YouTubeチャンネル
エンジャー/Engeer
 ノイズ対策の基本、コンデンサの役割等が、エンジニア向けとして、やさしく、詳しく説明されており、迷信から逃れるには、大変に役立ちます。大金をはたく前に、まずは参考にしてください。
創造の館 Technical Report オーディオをお金だけの問題としたくないなら参考になります。あれこれ迷って、高額なアクセサリーに手を出す前にどうぞ。
木凜々子 ヴァイオリンチャンネル クラシック好きなら、ストラディヴァリウスの音を楽しみたい筈。各地のホールでの録画も有り、ホールの音の違いも克明に判ります。

脱炭素の取り組み
 我が家の脱炭素、2013年比の2021年実績は、
28% 排出削減達成しましたが、主に自動車を小型にし、ハイブリッド化した事が要因で、自動車メーカーのお陰でした。これ以上の削減を目指すとしたら、生ものを食べ、空調を諦め、原始生活に戻るしかないでしょう。脱炭素のキャンペーンと、オーディオの高音質が、構造的に似た者同士と、疑いの目を向けています。趣味や道楽で、貴重な資源、時間を浪費しないよう、アンプは、電熱器になりがちな純A級を、小出力化し、8chものアンプを使っても、4K液晶TV1台より少ない消費電力とし、省エネを実現しました。 EV車の普及は、法規制によらず、公正な自由競争によるべきで、電欠での立ち往生を、強制されたくありません。今年の冬は、雪が多く、車が立ち往生したら、EV車の救援はできず、ガソリンなら、多くの車に給油が可能で、凍死者を出さずに済むでしょう。有事に強い、頼もしい車を使う事は、何ら恥では有りません。
 脱炭素より、省エネルギー、高効率化で、これまで日本がやってきた、石炭火力、ハイブリッド車は、地球環境に最も相応しい取り組みであり、使い捨てを助長しない、高品質な物作りは、国際貢献が大であると思います。少子高齢化は、どの国も避けて通れず、高齢者ドライバーの運転過失を責めるより、自動運転車を普及させ、高齢者が、自由に動き回れるような社会が到来する事を願います。

21世紀 第3次世界大戦の危機が進行中
 少年時代に通った、近所の床屋の主人は、シベリア抑留のお話をよくされていました。極寒や、食料の貧しさ等、想像もできない事ばかりでした。満州にいた陸軍さんは大変だったようです。ふーんと思ったのは、ソ連兵が、日本人から競って奪ったのは、腕時計で、一人で、いくつも腕に付けていたというお話です。その頃、李承晩ラインで、日本漁船銃撃事件が有り、世の中には、許し難い暴力が有り、敗戦国は、それに耐えるしか無いのかと。それから歳月が経ち、人生も終盤となったのですが、2022年は、歴史に残る大事件が勃発しました。2011年に起きた、M9地震の津波被害に心痛めていたのですが、更に今世紀最大の事件となるやも知れぬ、核を脅しにした侵略戦争が始まり、核戦争の危機が本当に訪れるとは。狼に背中を見せては襲われるという事に目覚める時が来ました。


聴覚=脳
 聴覚は、脳の主観の影響を強く受け、人それぞれ受取りかたが違います。聞く耳は持って欲しいのですが、「百聞は一見に如かず」で、聴いた話は、それほどあてにならないという事です。業務中、ツイーター断線スピーカーを技術者でも、気付く人とそうでない人が居ますが、RTAでピンクノイズを見れば、一目瞭然です。オーディオは、Edison以来、オカルトや、宗教ではなく、れっきとした科学技術の集大成であり、その成果を、音楽の為にお裾分けして頂くものと考えます。

物性
 電流は、電子が歩行者並にゆっくり移動しているにも関わらず、光速で伝わります。電流があれば、必ず磁気が有り、力も作用(フレミングの左手、右手の法則)。導体が、絶縁物を挟めば、コンデンサになり、交流電流が流れます。直流では、片方が+に帯電すれば、対極は−に帯電。ここで重要なのは、
回路的に閉じていなくても、電流が流れたり、電圧が誘起されるという事です。

アース
 アースは、万能に非ず、下手に、地中からアース線を引いてくると、金属部との間で、結構な電位差が生じ、感電したり、火花が出るレベルなので注意します。時には、アースから絶縁し、
再生系だけで、電位を統一した方が良くなる。すなわち、電線や、金属構造物には、様々な電圧や、誘導電流が流れている事を理解する必要があります。これは、いわゆるノイズの発生源となりますが、これを防止するのが、シールドや平衡伝送です。オーディオで振動がとやかく言われるのは、案外、誘導電流との関連かも知れないと思います。電灯線は、片側がアースで、電柱でもアースされています。電話のメタル回線、CATVの保安器、電子レンジ、洗濯機の家電製品も、アースが施されます。避雷針もアース無くしては成立しません。
 このように、何でもアースで言葉が終端していて、魔法の杖のように見えてしまうのですが、大地は、金属のような良導体ではなく、近くの木の落雷で、地面に立っていれば、感電します。頭で描いているアースでは等電位の筈ですが、実は違います。アースでノイズ減少させる為、地中に銅板を埋め込んで、レコードプレーヤーをアースしても、思ったようなSN向上はみられません。アンプにある、アース端子と、プレーヤーのアース線を結べば、大地との電位差が有っても、アンプとは等電位になるので、これで正常に使用できます。電源トランス内蔵のオーディオ機器の電源の極性を合わせて、アース側を統一しても、電源トランスで、大地アースとはアイソレーションされており、音は変化しません。


言い得て妙!
 『騙せると思うと金になる』 竹田邦彦 論 令和2年6月26日虎ノ門ニュースにて
疑似科学とおぼしきオーディオワード

・胡散臭いと思っているオーディオ用語:ハイエンド、ハイレゾ、フルデジタル、フルバランス、高音質、無帰還、ビンテージ、オイルコンデンサ、管球アンプ、医療用コンセント、クリーン電源 
製品の金額に応じて、音が変わるとは、全く持ってオカルト!
高音質という語さえ入れば、それらしく聞こえる:エージング、スパイク、インシュレーター、ノイズ、ジッター、逆起電力、振動、スピード
科学的に検証でき、音質や製品の品質を向上させる為に重視したい:低雑音、低歪み、クロストーク、解像度、接触不良、安定度、信頼性、定番、高寿命、非磁性

駆動力:箱の飾りや、目方は、パワーではなく、電力が源
 アンプの定格出力が大きいと強くなる ?
 大口径のスピーカーは、駆動力が必要で、貧弱なアンプでは、うまく鳴らせない ?
 電源が強力だから、アンプに馬力が有る ?

 
以上は、全て嘘です。電力は、電圧と電流の積なので、1Ωの抵抗に、1Vの電圧を加えたら、1Aの電流が流れ、1Wの電力が発生するというのは、重要な大原則で、1W出力アンプでも、100W出力アンプでも、1Vを出力すれば、その音量は等しくなります。大口径のスピーカーでも、ボイスコイルに流れる電流で発生する磁界で、振動系が動くのは同じで、ボイスコイルの抵抗が同じであれば、口径に関係なく、電流は同じで、同じ磁界が発生します。そして、振動系が動かす空気量は、大口径が多く、音量が大きくなります。電源が強力というのは、1Ω等の低負荷でも、大電流を供給できるとか、そんな話でしょうが、残念ながら、そんなインピーダンス領域は現れません。故障で、低インピーダンスになっているのなら、それは、無理に鳴らさずユニット交換で対応すべきですし、下手に大電流を流すと、ケーブルから発火して危険です。馬力を感じるとすれば、歪みが多い時もそれで、同じ電力で鳴らしても、純音では、音圧を小さく感じます。電子サイレン音に迫力が無く、モーターサイレンに迫力を感じるのも同じ原理です。

むしろ逆
・大型スピーカーは、大出力アンプでないと、まともな音が出ない → 能率が高いので、小出力アンプで構わず、小型スピーカーこそが能率が低いので大出力アンプが必要 10dBの能率差は、アンプ出力10倍に相当
10万越えの市販小型スピーカーでも、能率が低く、代表値は、80〜84dB/W程度で、高能率SPに慣れていると、故障レベルの音量です。
・バランスだからノイズが出ない → DAC出力後のレベルになれば、数mの伝送なら平衡でも、不平衡でもノイズが目立つ事はありません。平衡では、回路が複雑化し、アンプの雑音指数は理論上も悪化します。
このような主張は、商業的な利益誘導の為と思って良いでしょう。
マネーゲームから一線を画し冷静に物事を考えたいものです。オーディオでもマネーゲームに巻き込まれないよう用心。

アルニコ磁石は音が良いか
 アルニコ磁石の音が良いとする主な主張は、電気抵抗が低く、逆起電力が打ち消されるという事なのだそうです。磁気回路の磁力線に、電気抵抗は無関係で、電子スピンの方向が揃っていれば、強磁性です。古い物を売るための希少性を強調する方便なので、性能と価格で見合うかどうかが決め手です。アルニコは、減磁しますので、定期的に着磁しないと、初期性能を発揮しません。磁性体の電気比抵抗[Ω・m]は、アルニコ 5 ネオジム 1.4 サマリウムコバルト 0.9 鉄 0.1 それぞれ、x10の-6乗となっており、アルニコの比抵抗が一番高いという皮肉な値です。フェライトは、10k[Ω・m]と全く大きな値です。電気抵抗だけなら、ネオジムの方が優秀ですが、不思議にも、アルニコのような宣伝文句が付いていません。励磁型スピーカーでは、磁力を発生しているのが、鉄なので、電気抵抗はアルニコの5%で、もっと音が良くなる筈ですが、オーディオSPの主流ではありません。

短命な、最近のオーディオ機器
 1970年代〜2000年までの、オーディオ機器は、壊れにくく、例え不具合が有っても、汎用部品で修理ができ、修理後の安定度も高い物が多くありました。しかし、海外生産が主流となった昨今のオーディオ製品は、品質面で、不安が多く、時には、修理が出来ないような作りも有りで、昔ながらの品質を保った製品は、高価になりました。
2014年製 2022/02/28  PWMアンプ 10kHz 入力−出力リサージュ 2013/12/21 

 写真は、有名ブランドの、CD+FM+USB+ネットワークにアンプが付いた、多機能な製品ですが、チップ部品で、高集積化され、コンパクトです。しかし、メーカーでは、既に、修理を打ち切っています。8年前の製品なので、法的には問題は有りません。上の製品は、スピーカーを付けた状態で、CDを再生すると、発振するという故障で、CD以外では、普通に動作し、スピーカーの代わりに、8Ωのダミー抵抗や、ヘッドホンならば、CDも動作します。何とか修理できないかと内部を確認しようと試み、その結果は、取り外すネジの種類も、数も多く、やっとの事で、基板が見える所まで辿り着きましたが、動作させながら、故障原因を探るのが、非常に難しいので、修理マニュアルが無いと、無理との判断をしました。

 現在の普及価格帯アンプの定番となっている、デジタルアンプ(正式名PWMアンプ)は、アナログアンプの出力とは全く別物で、耳には聞こえない数100kHzの搬送波が残り、位相ズレも有ります。写真は、10kHz正弦波 入力−出力リサージュですが、アナログアンプでは、綺麗な細い楕円になりますが、デジタルアンプでは、歪んだ楕円で、線が太いのは、搬送波漏れです。又、10kHzで、これほどの位相遅れは、如何な物かと思います。

ハイレゾ
 JEITAによるハイレゾオーディオの定義は、CDスペックと同等か、超える事であり、96kHz24ビット音源は、ハイレゾに分類されます。オーディオ協会は、これに付帯して、アナログ機器は、40kHz以上が可能である事としています。一般的には、超音波に注目されますが、聞こえないない音を再生する事に何の意味もありません。名器とされる録音用マイクは、20kHz止まりで、オーディオ協会の定義に当てはまりません。それでも、普通のコンデンサマイクであれば、30kHzくらいは、収音が可能で、人が対象なら、十分な高周波性能を持っています。最近、大手安売り店で購入した廉価イヤホンは、5〜80000Hzでハイレゾマーク付きです。スピーカーについても、スーパーツイーターや、リボンツイーターで、そのような超音波を再生しようとします。
スーパーツイーター
 2015/07/20    シンバルにスティックが当たった瞬間 2009/04/15
 シンバルにスティックが当たった瞬間の音は、オーディオマニアなら、ツイーターに一番期待する音でしょう。残念ながら主な音は、800Hz付近で、ウーハーとスコーカーが、その音を担っています。ツイーターは、脇役です。クラシック音楽も、最近は、You Tubeで、海外の優秀な演奏が視聴できますが、RTA(
リアルタイムアナライザ)にて、10kHzでは、-40dBで、音の大半は、1kHzまでに集中しており、音楽の主役は、ウーハーという事になります。装飾は、スコーカーで行い、主な倍音はこの辺りです。ツイーターは、たまに鳴るぐらいで、レベルも僅かです。例えば、ウーハーが1Wで鳴ったとしたら、-40dBは、0.1mWです。たかだか0.1mWを出す為に、マルチアンプシステムで、100Wものアンプを用意するという事は、実に滑稽です。0.1mWは、電圧が28.3mVで、高級アンプを指向するなら、このような微少出力が非常に大切で、これに対応するには、増幅しない 0dBのバッファアンプでも、CDプレーヤーでは、既に過大出力となってしまいます。すなわち、20dB台の増幅度を持ったパワーアンプでまともにスピーカーを動かすには、いかに高品質で、音量をダウンさせるかが重要になります。皮肉にも、増幅器より、減衰器が大切なのです。

真空管礼賛物語
には、評価が聴感のみであったり、暖かい音という表現に疑問。DFが低いので、典型的なドンシャリになる事、歪み、雑音が多く、マイクロフォニックノイズを含め、特異な音は出るが、音源の良さを活かしきれない点と、出力管には寿命が有ります。出力管により、音質が違っても、音が違った物同士なので、そこは、五十歩百歩で、深追いは禁物です。真空管アンプは、楽器の音が華美で、重低音感が有り、金物がいつもキンキン、カンカンと鳴るかどうかで聞き分けると良く判ります。
 半導体アンプは、性能が拮抗しており、どれも似たような音ですが、それは、安定的で好ましい事だと考えます。安定した音なら、あとは、スピーカー側で工夫次第です。工夫の極致が、Qの高いホーンスピーカーを鳴らし切るマルチアンプシステムと考えます。PWMアンプも同様に、性能よりも、短絡的に音質を強調していますが、歪み、位相ズレ、搬送波漏れに言及していません。音数の多い音源は、賑やかに良く鳴るが、静まり方では、良質なアナログアンプより劣るという印象です。フルデジタルアンプも、構想は完璧でも、必ず音量調整が伴い、そこでの音質劣化は免れません。フルデジタルは、DACまでの役割と考え、以降は、アナログ処理で、必要十分な音量で音楽を楽しむ事が適切と考えます。

真空管アンプの矩形波応答 8Ω抵抗負荷
1kHz 矩形波 8Ω抵抗負荷   10kHz 矩形波 8Ω抵抗負荷 2020/07/23
よくある安定度試験で、負荷にコンデンサを並列に抱かせる事を行いますが、負荷容量無しで、純抵抗のみで、このような波形です。


1ビットデジタルアンプを検索しててなぜか somann S-75mk2が有り、リンクへ行き
https://procable.jp/setting/14.html において 
■パワーアンプから消えたボリューム・その異常性を大公開!!
 パワーアンプのボリュームに関しての大ウンチクが延々と述べられ、少しは理解してみようと読みました。ボリュームに関して、こだわりのある論調で、プリアンプで上げておいて、パワーアンプのボリュームは絞って使うと良い的な論調で、ニーブや、スチューダーの卓にも触れており、プロ色満載でした。ここで不思議に思ったのは、ボリュームの無いパワーアンプを良くないと決め付け、果ては、メーカーの技術者が、主張が通らないから仕事を辞めたとかです。そんなに大騒ぎする物なのか、性能を調べる為、検索すると、THD+Nの表に行き当たりました。0.01W時、0.01%以下というにはほど遠く、更に、ジーというノイズは、良い音の出ているアンプなら音楽を聴くのに気にならないとまでありました。パワーアンプのボリュームは、無くせるものなら、無くしたいのが技術者の良心だと思います。大出力アンプの為に、高い電圧利得となり、普通なら1Wもあれば済む常用出力に下げる為に、ボリュームが必要なだけです。100W定格なら、常に-20dB必要です。ボリュームは、DACで、0dBが決まり、その時システムの最大音量が得られれば良いので、1箇所あれば事足ります。0dB=最大音が基準で、後は、運用レベルにより、音量制御すれば良く、DAC出力後の音量調整に適していたのが、電子ボリュームでした。理由は、常用音量域が、-40dB〜-20dB範囲が多く、OPアンプが介在する事で、どの音量でも低いインピーダンス出力となり、余計なクロストークや、周波数特性の乱れが無く、-40dB以下でも音が呆けないという結果からです。

デジタルチャンネルデバイダー+マルチアンプシステムを音量制御する為の自作赤外線リモコン対応6連電動ボリューム 2009年製作
今は使用していない100kΩ6連ボリューム 2009/12/15
マルチアンプシステムで困るのは、ボリュームで、アナログチャンネルデバイダーでは、プリアンプで音量をコントロールして、パワーアンプは、個々に入力ボリュームを調整する事になります。アナログチャンネルデバイダーで、遅延回路が付いた物は、CX340が有りますが、Lowにだけ設定できるのみで、いささか不自由です。満足できる遅延を行うに、デジタルチャンネルデバイダーが必要不可欠となりますが、プリアンプのボリュームを絞った音では、ビット落ちで、ギザギザの波形となり、常用音量での品質が低下します。フルビットで動作させる事で、アナログ機と遜色無しで使用できますが、その場合、後段のパワーアンプに対し、とんでも無く過大な信号となり、ここで、かなりボリュームを絞る事になります。

電子VR PGA2311 デジタル音楽の起点DACの能力を100%活かす
 マルチアンプシステムを始めた時、607XRで統一し、音量調整時に、各ボリュームを操作する訳にもいかないので、アルプスの6連VRを入手し、マスターVRとして使用開始しました。その後、システムの精度が向上すると、ギャングエラーや、周波数特性劣化などのロータリーVRの欠点を見直す為に、電子VRに辿り着きました。JRCかテキサスかで迷い、手動か、リモコン対応かでも迷い、結果として、PGA2311で、赤外線リモコン対応、dB直読とし、チップ3個を同時制御して、6連化し、満足できる結果を得られました。この時期にお世話になったMさんは、すでに別分野をやっておられ、同じ物を製作できなくなりました。6連VRは、現在でも3台稼働中で、他にも測定器中のATTとして動作中です。PGA2311を使用したのは、単純に、電源電圧がDACチップと同じ±5Vで、シリーズ中で最も雑音出力が小さかったという理由です。当初はDCX2496の+22dB出力が、パワーアンプには、過大入力である為、13dBのATTを組み込みました。その後、DACチップの電源が±5Vであり、その後段のドライブアンプで所定の出力としている事を知り、DCXのドライブ回路前の不平衡段で、出力を取り出す事となりました。DACチップが主な接続先なので、±5VのPGA2311が電子ボリュームとして、無駄な利得の上げ下げが無く、相性が良いという結論です。

従来の2連ボリュームの特性例で、修理を依頼され、微調整した際のデータ、初期値(青)と、調整後(マゼンタ)で、横軸を回転角とし、角度毎の左右偏差を縦軸にとりました。
海外製品で、20万円以上の価格のプリメインアンプ
 2021/10/18

PGA2311 6連電子ボリューム 2011/09/05
2022/5/4
 現在のシステム構成で、アナログ音源は、AU-α607NRAのセレクターで選択して、SRC2496に送り、アナログ音源を、デジタル変換しますが、アナログの最大音量がデジMAXとなるよう、増幅しています。AU-α607NRAは、LINEレベルの信号は増幅していないで、通電していなくてもセレクターが使用できます。このシステムでは、デジタルチャンネルデバイダーを、0dBで運用する事で、DACの能力を目一杯利用し、アンプの手前で、ボリュームで減衰させ、パワーアンプに入力しています。ここで、電子ボリュームを使用する事で、各chのゲインバランスを安定させ、アンプへの出力インピーダンスも減衰量に無関係に低く送り出しています。SRC2496は、OPT入力が故障しており、RTA用のDEQ2496にて、OPTからXLRに変換しています。チャンネルデバイダーVENU360はお休みして、改造DCX2496を復活させています。
 2016/02/15
 POST-LPFをフィルムコンデンサとした基板を組込、その不平衡出力をそのまま出力のXLRコネクタに接続し、DAC AK4393が、理想動作するようにしました。これにより、0dBFS時の出力を+8.1dBsと低くして、無用なレベルアップを防止し、後段の電子ボリュームで、-5dB時に、アンプが最大出力が得られます。アンプの出力制限が無い場合は、ボリューム0dB時は、30Wほどとなります。改造は、後面のIO基板と、DAC基板を繋いでいるフラットケーブルに、DACの出力6ch分が有りますので、ここから、信号を取り出しています。セラミックコンデンサを、フィルムコンデンサに付け替えるのが、一番スマートなのですが、いざ交換していみると、電極が溶けてうまく行きませんでした。やむを得ず、タカスのユニバーサル基板で、回路を組み込みました。抵抗やコンデンサは、CMRRが上がるように、選別しています。

DACとパワーアンプの整合について 5W出力で狙ったSN120dB
 CDの黎明期、高級カセットデッキが、0.775Vなのに、CDが、2.5Vという高い出力電圧の違いを、大して考える事もなかったのですが、その後、音響設備の保守点検が多くなり、ミキサーへの過大入力という問題点に遭遇しました。それでも0.775Vで統一しなかったのは、CDがDAC出力をそのまま出しているからで、これは大正論です。時代が進み、96kHzPCM再生で、多くの音楽が楽しめる時代となり、YouTube動画でも、良い録音の番組が楽しめるようになりました。PC音源をオーディオシステムで鳴らす機会も増え、DACが重要なオーディオコンポーネントとなりました。DACの出力に注目し、2.5Vが基準レベルとなった現代において、DAC以降を正しく考える事が重要と考えます。2.5Vでそのままスピーカーを鳴らした場合、P=E*E/Rより、約0.8Wです。増幅無しで、インピーダンスだけ変換すれば、十分な音量で、スピーカーが鳴ります。「0dBパワーアンプ」検索ができるので、同じ考え方があるようです。これで、パワーアンプに必要な定格入力は、2.5Vとなり、あとは、十分な音量を得る為の、最大出力値を決定すれば、必要な利得が決まります。5Wなら、8dBです。50Wでは18dBしかし、NFBを深く掛けた場合の不安定さを考えれば、おおむね30dB前後に市販アンプの利得値が集まるようです。高級アンプメーカー製品の例、30Wで、28dBとして、ゲインSWで、-3,-6,-12dBとゲイン切換ができるようになっています。SN比は、-12dB時120dBで、理想的です。逆説的には、(28-12)=16dBのパワーアンプならば、120dBのSNが確保できるということで、さらに、ゲインを落とせば、もっとSNが稼げます。奇しくも、自作した純A級アンプは、16dBで製作しており、SNも120dBとなりました。これが、能率110dBを越えるホーンスピーカーを目一杯鳴らせるアンプを目指し、辿り着いた結論です。幸い使用SPがALTECタイプ38cm能率100dB/Wなので、5Wなら107dBが可能となり、2chが同時に鳴れば、居室内では、6dBアップし、トータル音量113dBとなります。但し、闇雲に利得を下げると、アンプ安定度に問題が出てしまいます。


アンプ選び 純A級アンプ推奨
 オーディオアンプを自作できれば、安上がりには違いないが、一般的にはハードルが高く、メーカー製品を選択しますが、価格と出力、ブランドなどで選択を迷う事になるでしょう。出力は、余程、低能率でない限り、10Wも有れば十分でしょう。今までの流れで、推奨は純A級アンプとなります。オーディオ専門店では、真空管アンプもお奨めにあがるかも知れませんが、特徴的な音は、DFが低く、歪みが多い為です。PWMアンプも同様で、音数は多く感じますが、静まり方で差が有ります。真空管アンプや、PWMアンプは、可聴帯域で位相がズレが有ります。半導体アナログアンプでは、位相問題は起きません。デジタル系のジッタを気にするなら、アンプ位相の不安定さも気にすべきでしょう。
 A級の良さは、スイッチングノイズが無い事だけではありません。最大のメリットは、
音量とは無関係に、電流が一定という事で、クリーン電源無用です。B級、D級では、音量で電源電流が変動し、電源部には、出力とは似ても似つかない波形が載ります。電源がこのように揺さぶられれば、クリーン電源にも話が及ぶし、ケーブルや、コンセントも疑似科学と笑っていられません。
 市販AB級アンプの電源に現れる出力に応じた成分の気になる不連続部分  2020/01/0

高級プリアンプについて
修理中のハイエンドプリアンプ 2022/05/01
 プリメインアンプでスタートしたとしても、グレードアップでプリアンプとメインアンプをセパレートする事にあこがれます。ハイエンドプリアンプの修理完了後の特性で、さすが、ディスクリートアンプで、1kHzより10kHzの歪率が低いのが、最大の特長で、OPアンプでは、10kHzでは、やや悪化する事が普通です。PHONOイコライザーのRIAA偏差の実測で、入力値は-55.5dBmで、0dBm出力時のSN比は、62dBです。なおオーディオの足跡では、SNや歪みの記載は無く、利得値が掲載されています。
 200Hz〜2kHzまでの左右差が少ないのが特筆物で、この精密さはさすがです 2022/05/01
 上段がLch Rchの偏差で、下段が、LR間の偏差です。左右で、ほぼ同じ偏差傾向で、左右間の偏差は、極めて少なく、部品が精密に選別されている事が判ります。AUXの左右のレベル差も少なく、大変に高品質で、製品作りのお手本になります。高品質を狙った性格上、両面スルーホール基板で、パターン面積が広いので、部品交換が難しくなっています。電源部劣化が製品の癖で、後発製品が電源別置きなのは、同社が事態を把握している証拠でしょう。ただ、1Uサイズにこだわらなければ、こうした問題も回避できたのですが、プリアンプへのこだわりが、1Uサイズにその美を求めたとも思え、芸術品とも呼べるでしょう。

 2013/06/21
 真空管式プリアンプで、修理完成テストでTAKE FIVEを演奏しています。ヒーターは、直流点火で、ハムも無く、アナログレコードの音は、直接感を感じる好ましいものでした。カートリッジは、AT15Ea 廉価なVM型で、新品購入しています。映画スウィングガールズで、先生がJBLスピーカーでJAZZを聴いているシーンに登場します。このプリアンプは、ヤフオクで安価な物を探していますが、未だに落札できず、今や高級品の仲間です。

バランス伝送=ハイエンドか?
マイクの場合

 バランス伝送は、主に、長いマイクケーブルを使用する時に用います。マイクは、非常に微弱な信号で、定番のSM-58の感度は、-54.5dBV/Pa(1.85mV)です。ステージでは、AC100V照明電源のレベル差94.5dBものノイズ源が有る所での使用となります。ローインピーダンスマイクといえども、数10mもケーブルを延ばせば、ハム雑音から逃れる事ができません。この時のハム雑音は、マイクケーブルに、等しく加わるコモンモードノイズなので、バランス伝送で、打ち消しが可能になります。家庭用オーディオでは、接続距離が短いので、不平衡伝送が主流です。平衡伝送は、伝送路のコモンモードノイズに圧倒的に有利ですが、アンプの+−の入力端で発生する雑音は、同期の取れないランダムノイズなので、コモンモードノイズのような訳にはならず、SNが悪化します。結論として、伝送路が長い場合は、ややSNの劣る平衡入力アンプでも、総合的なSNが良くなるが、インピーダンスが低く、距離が短い場合は、不平衡の方がSNが良くなります。
レコードプレーヤーの場合

 MMカートリッジは、47kΩのハイインピーダンス接続ですが、プレーヤーのアース線を接続すれば、アンプからハムが出て困る事はありません。MCカートリッジは、数Ω〜数100Ωというローインピーダンスで、元来ノイズに有利。しかし低出力なので、アンプ感度が高くなり、それを原因として、MMよりSNが悪くなります。ホール音響プレーヤー卓は、EQアンプが組み込まれて、平衡で入力パッチ盤に送られています。最近、カートリッジ出力が、バランス伝送可能という事で、PHONOアンプも平衡入力として、これで、ノイズが少なくなり、音質が良くなるという説が有るようです。下は、自家用MCカートリッジですが、出力は、左右独立して、赤、白、青、緑の線で、特にシールド線にはなっていません。レベルが低く、本来なら、シールド線が必要な箇所ですが、こんな配線でも、ノイズで、困ることは有りません。神経質な方は、真空管ヒーター配線のように捻って使用する場合も有ります。原理上、平衡受けが可能で、伝送路の劣化防止できますが、どのくらい改善できるか、データで示されていないのが気になります。製品としては、YAMAHA GT-5000が平衡出力に対応している事を確認しています。中古Technicisプレーヤの場合、改造して、容易に、平衡出力に対応できそうで、トーンアームからの配線が、基板で出力コードに接続されており、シールド心線をHOT、網をCOLD、平衡ケーブルのアースは、出力アース線に接続となります。
 2017/05/2   2017/05/24
上の写真は、プレーヤー出力部 トーンアーム内配線 平衡化は、簡単にできます。

カートリッジ電気特性の例 MM型 4mV 内部抵抗800Ω 負荷抵抗47kΩ MC型 0.4mV 内部抵抗33Ω 負荷抵抗100Ω
MCカートリッジ  2021/02/02   
カートリッジの内部抵抗と同じ値の抵抗を取付て測定 2021/02/22
レコードプレーヤーの信号漏れ量の実測
トーンアーム内は、シールド線ではなく、フラットケーブルが使用されており、ここを不平衡伝送する場合と、平衡伝送する場合と差が出る可能性が考えられます。平衡伝送では、コモンモードノイズに強いのでノイズは無視できると考え、不平衡伝送で、どのくらいのノイズが有るのか、実際に測定してみました。MCを想定して、ヘッドシェルに33Ω、出力測定側100Ωで、Lchに信号を通し、Rch側への漏れを測定し、それをdBで表すと、1kHzで-105.7dB 10kHzで-88.5dB ホワイトノイズで-81.3dBとなりました。MMを想定した場合、ヘッドシェルに800Ω、出力測定側47kΩとして、1kHz -84.8dB 10kHz -71.8dB ホワイトノイズ -62.8dBという結果です。測定に使用したプレーヤーは、名器SL-1200MK2で、参考までに、ヘッドシェルリード線から、RCA先端まで、0.991Ω、シールド側、0.425Ω、容量103pFです。アナログレコードの実際のSNは良くて50dB程度。これらの関係をどう考えるかの参考にしてください。信号送り出しアンプは、OPA1622で、歪率THD+N(80kHz)0.001%で、使用電圧は1Vとして、漏れを検出。ヘッドシェル付属リード線抵抗0.004Ωも測定しておきました。

測定結果について
 信号は、代表値として、1kHzと、周波数が高いと漏れが多くなるという予想で、10kHzと、ホワイトノイズとしました。EQアンプのRIAA特性は、10kHzでは-13.7dB感度が低く、ノイズ耐性は強まります。MC、10kHzの測定結果をRIAA補正すると、102.2dBで、16ビットCDの理論値96dBを上回っています。ホワイトノイズでは、81.3dBなので、悪くなるような感じがしますが、EQアンプのSN比と同じくらいです。この結果で見れば、あえて、平衡化する必要は無いと考えます。MMカートリッジでは、インピーダンスが高いので、影響が大きいようで、平衡にすれば、それなりのメリットが有るかも知れませんが、何が何でもとは思えません。以上により、私的には、平衡化せず、MC型を使い続ける事にしますが、自作したLT推奨EQアンプのLT1010出力直列抵抗を220Ωに下げて、不平衡時のノイズ耐性を少し上げる改良を行いました。


DACは本来バランス出力

 DACチップでは、バランス出力なので、これを使用する、CDプレーヤー、USB DAC等は、バランス出力を得るのに、苦労はしませんが、一部のハイエンド機を除いて、POST-LPF回路で不平衡に変換して、出力しています。DCX2496では、POST-LPF回路出力を、さらに増幅して、平衡出力を得ています。オーディオ的には、増幅段数を多くする事は、音質劣化しやすいので、POST-LPF回路を、そのままパワーアンプに入れる方が良いと思います。ライントランスを入れる手法は、グランドループを切りたい時には、有効ですが、使用最大電圧が制限される事に注意します。しかし、ループノイズが無い場合は、わざわざ音質劣化させるような必要はありません。有名なオールドNEVEの、トランス出力は、30kHz付近に気になる利得上昇ポイントがありますが、これを重宝するか、憂いの無い、別の手段にするかと問われれば、後者にしたいと思います。

パワーアンプまで

 音響ホールでは、調整室と、アンプ室が離れており、時には、階が異なる場合も有り、グランドループで、雑音が発生しますので、こういった場合は、平衡伝送を行います。古いホールでは、調整卓と、電力増幅架は、同室なので、不平衡でも問題は無く、調整卓も、不平衡出しの物もありました。最近のプロ用パワーアンプは、熱容量が小さく、空冷ファンが付き物で、ファンノイズの面からも、別室という設計になっています。

SSM2142 平衡ラインドライバーIC
 600Ω負荷に10V負荷容量0.16μFまで安定的に駆動できます。マイクケーブルが数100m有っても、OKです。平衡出力アンプで大切なのは、平衡度で、高い抵抗精度が求められますが、製造時にレーザートリミングをすることで、所定の性能を得ています。電子回路の実験をしていると、時々平衡信号が欲しい場合が有り、製作してみました。入力は、できるだけ低いインピーダンスで駆動する事が要求されていますので、LME49720のボルテージフォロアで駆動。アナライザーが不平衡なので、測定信号をLME49720+SM2142に入れて平衡出力し、2mのマイクケーブルで、LME49720のシングルエンドコンバーターに入れ、その不平衡出力を測定しました。
残留雑音7.1μV(A) SN(1V) 100.4dB(A) SN(MAX)119.4dB(A)という測定結果です。SM2142の利得が6dBなので、残留雑音が多くなりました。パワーアンプ入力での使用は、1V前後のレベルなので、SNは100dB台となり、16ビット音源再生には、不足有りません。やはり、何でもバランスが良いと単純に考えないで、適材適所で、利用したいものです。家庭用オーディオで、平衡回路が要求される事は稀であるとお伝えしておきます。テスト回路は、±15Vで製作していますが、電源電圧を±18Vにすれば、出力10Vまで使用できます。
THD+Nと、THD特性 2021/01/25
ライントランス
 ライントランスは、巻線比1対1で、10kΩ:10kΩ 600Ω:600Ωなどの表示がされています。マッチングトランスという呼称もあり、インピーダンスを厳密に合わせねばという固定概念に囚われそうですが、送り出し側から見たインピーダンスは、トランスの表示インピーダンスではなく、受信端の入力インピーダンスとなりますので、600Ωで受ければ、600Ωで、ライン入力で多い10kΩなら10kΩと測定されます。周波数特性は、低域、高域が減衰し、高域側でピークを持つ場合が多く、
有名なニーブのアンプでは、30kHzに独特なピークがあります。歪みは、多く、信号レベルが高くなると、アンプの飽和と同じように歪みが多くなり、これには十分注意します。音質が良くなるという表現が多く有りますが、これは単なるキャッチコピーで実態を表してはいません。例えば、デジタルの音がアナログの音に変わるという表現がありますが、むしろ逆で、テープヒスのようなノイズが付加されます。バルクハウゼン効果といわれるもので、磁化が、連続しないで、ブロック磁石毎となっている事で、波形観測をしていると、ギザギザ波よくお目にかかります。効用は、音声帯域のみを通すバンドパスフィルターとしての働きと、アースループを遮断できるので、ループノイズ発生時に、パッシブ素子だけで対応できる事です。監視カメラのアナログ映像伝送時に、電源ノイズの干渉縞が発生した場合の対策に良く出動します。しかし、PWMアンプ高出力時のスイッチングノイズのノイズ妨害には、これでも歯が立たず、配線を遠ざけるか、金属配管中に収容するしか無いようです。

ハイレゾは、迫力と静寂の同居こそ最大の利点
 ハイレゾは、定着しましたが、超音波が音楽に必要で、空気感再現に不可欠との主張がよく見られます。再生側の周波数特性が結果として、20kHzを越える事には、何も問題はありません。しかし、聞こえません。100kHzまで音が出たとしても、良い音の保証はありません。良い音の解は、PCMならば、96kHz24ビット音源でしょう。これは、上は48kHzまでですが、20kHz以上の再生は目的ではありません。折り返し雑音を捨てるゴミ箱付き音源と称すると良いでしょう。評価すべきは、マイクや、アンプの能力限界を超える、ビット深度で、可聴限界の-120dB以下の微音域を持っている事です。16ビット音源の限界は、-96dBですが、音を小さくしていった時-90dBあたりから、やや音が大きくなったり、基本周波数以外の音が大半を占めるようになります。すなわち、可聴音として、雑音が出てくるのが最大の欠点で、24ビット音源では、-110dBを越えてもそういった現象はありません。すなわち、静まりきらない16ビットCDは、澄んだ音色に制限が有り、PCM96kHz24ビット音源の澄んだ音が、ハイレゾ最大の効用です。DSDに関して、演奏者に負担が大きく、ヘンな緊張感で録音をすべきではないと思います。編集の容易なPCMでも十分な再生音が出ているし、そうなるように、再生装置を整備をするのが先でしょう。空気感ならば、風のような超低域に鍵が有り、100Hz以下を充実させました。
 アナログレコード ”HEY BRUBECK,TAKE FIVE” CBS SONY SONP 50003 と CD ”TIME OUT” SME SRCS 9631 ← モノラル空気録音ファイルとリンクしていますので、PCでお聞きください 2020/05/05

 古いアナログレコードなので、スクラッチノイズが多くなり、CDで補完しました。同じ曲が数曲有り、比較しやすく、「BLUE RONDO A LA TURK」の冒頭1分間を96kHz24ビットで、4WAYマルチSPシステムの音を空気録音しました。
録音機材 マイクロホン RODE NT2A 単一指向で使用 フィルター無し、ATT 0dB MIXER YAMAHA 01V96V2 USB UA-5 部屋のほぼ中央 高さ1260mm CDプレーヤー Pioneer DV-578A MCカートリッジ DENON DL-301U RIAA-EQ LT1115+LT1010 AD変換 SRC2496
 ステレオ録音では、著作権で危うくなりますので、利用価値の無い、モノラル空気録音としました。アナログレコードの、鳴りっぷりの良さを聴いてください。録音は、1曲丸ごと行い、最大音量を合わせ、双方の冒頭1分間だけを切り出しました。この1分間に、この曲のエッセンスが詰まっています。タイムアライメントの試聴レコードとして、今も頻繁に再生しています。CDも有名で、ブルーベックをお持ちでないなら、お奨め品です。
 上のレコードとCDの同曲同士による音質比較は、シンバルの音が、アナログレコードでは、クリア、CDでは、滲むといった、16ビット音源の限界も聞き取れますので、是非とも実験をして下さい。You Tubeには、リマスター24bit96kHzが有ります。全てを試聴してみて、アナログレコードは、やはり何物にも代え難い、優れた音質です。当時の技術者のレベルが非常に高いとも言えます。

デジタルを過信しない
レコードの話が出たところで、お奨めしたい簡単な実験
 同じ曲のレコードとCDを100dBを越える大音量で再生してみてください。CDではうるさく感じても、レコードならスクラッチノイズ有りでも、聴けます。生音や、24ビット音源も同様で聴けます。ハイエンドCDプレーヤでも、ローコストネットワークオーディオプレヤーの音に負けてしまいます。CDの問題点は、16ビット処理にあり、スクラッチノイズが皆無で、歪みが少ないのは事実です。16ビット音源、-80dB台の音は、奇数次高調波歪みが、聞き取れます。デジタルの良さは、一度デジタル化すれば、音が劣化しない事で、記録メディアや、PCへの伝送を繰り返しても劣化しません。劣化しなくても、16ビットでのデジタル化では、DACが高性能だとしても、カバーできるものではありません。24ビットであれば、-144dBまで処理でき、120dBという、音に必要なレンジを十分にカバーできます。デジタルアンプでは、音源が言葉のデジタル情報であるのに対し、アナログ量をパルス幅に変換するので、デジタル量自体が別物です。

アップサンプリングの意味
 例えば、CDの44.1kHz16ビット音源を、96kHz24ビットに変換して音を聴く事を、アップサンプリングと称し、音が良くなる方向に持っていこうとする手法がありますが、確かに、96kHzのPCMに変換はなされますが、出てくる波形は、44.1kHz16ビットのままです。
下図は、44.1kHz16ビット 1kHz正弦波 -94dB を96kHz24ビットにアップサンプリングしたものです。点の数は増えますが、矩形波のような波形はそのままで、想像した滑らかな正弦波にはならず、変換による音質向上は有りません。アップサンプリング後のGEQ,やチャンネルデバイダにおける、音質劣化を少なくする効果は期待できますが、原音以上の良い音にはなりません。
 正弦波には見えず、どちらかといえば、矩形波に見え、16ビットCDが大音量で、音が破綻する原因

24ビットであれば、-100dBの正弦波でも綺麗な波形となります。



LCネットワークの主役 コイル

 磁界には方向があり、電流が流れる電線には、右ネジの法則により、右回りの磁界が発生します。その磁界は、電流の往路と復路で逆なので、対になったケーブルでは相殺されます。電線のインダクタンスは、1本の時や、往復で不揃いの場合では、インダクタンスが大きくなり、高音が減衰しますが、正しく対にした場合、磁界キャンセルで、インダクタンスが低下し、高音減衰が少なくなります。ネットワークコイルの極性については、合わせるというより、コイル同士の離隔を取るか、直交させて、
相互インダクタンスを小さくする必要があります。直交できるのは、XYZの3軸までで、それ以上の数では、必ずコイル同士の干渉に見舞われる事になります。空芯コイルは、直流抵抗の大きさと、磁束漏れを考慮すれば、あまり良い物ではありません。理想に近いコイルは、3φ電線 Mundorf コアコイル T300 が有りますが、アンプ1台と同額です。3.3mH 0.07ΩでDF100以上を実現できます。3WAY用12dB/octでは、4個使用しますので、STEREO分で、ハイエンドA級プリメインアンプ1台分のコストになります。直流抵抗の大きなコイルでは、低音が、土管のような響きになり、到底アンプ直結の締まった低音(過制動でなく、耳が慣れていないだけ)にはなりません。
45°ずれたコイルの位置に注目 2013/10/24  コイル直交 
2014/02/26
コイル(含まれる抵抗分)や、直流抵抗は、低歪アンプの動作を妨げて、歪みが増えて、歪みの多いアンプと同じ動作

低歪アンプを使用して、スピーカー実負荷で、しかもコイルや、抵抗を間に入れて、歪率特性の変化をみたら、何と、歪みが0.1%と、特性が良かった筈の半導体アンプが、真空管アンプや、PWMアンプと、同列の歪みが多い測定結果となりました。これでは、低歪アンプも、真価が発揮できませんので、スピーカーとアンプは、1対1で直結する事が大切になります。
スピーカーだけなら、純抵抗とほぼ同じでも、800Hz用コイルが入れば、アンプの歪みが増加 低歪アンプが正しく評価されない原因かも

もうひとつの視点
 以下、知人からのメール原文のまま紹介
『SPのボイスコイルの駆動力は電磁力 F=B×I×
lで生まれるので、電流依存であり定電流で駆動すべきように思いがちですが、実際は世の中のSPは定電流駆動ではなく、定電圧駆動で所定の特性が出るよう設計されています。
で、そのボイスコイルに流れる電流波形は、振動系の慣性起因の逆起電流やら、ボイスコイルインダクタンスの影響やらでボイスコイルに印加する電圧波形と同一ではない、即ち電圧波形≠電流波形になってしまうのです。
一方、ボイスコイルの駆動回路に抵抗分があると、電流波形×抵抗値で発生してしまう電圧降下によりボイスコイルに印加される電圧波形は、元の電圧波形から、電流波形×抵抗値を引いたものになり、しかも電圧波形≠電流波形なので、元の波形と異なった電圧波形がSPに印加されてしまう、というわけです。』

マルチアンプシステムの締まった低音は過制動ではない
 大口径ウーハーならば、豊かな低音が再生できるのではと、普通はそう考えるのですが、10cmより、16cm、それより20cmとなり、30cmならもうこれ以上のサイズは持て余すと、そのへんで手を打ったのが、オーディオ最盛期のお話。有名なY社1000モニは、30cm3WAYの典型となりました。その頃、スピーカーを新調するのに、その上をを狙い、38cm3WAYを購入しました。大切に鳴らし、標準原器のようなつもりでいました。十分古くなったので、そろそろ暇をやろうかと考え、最後にマルチアンプ駆動を試験したのが、このような泥沼の入り口となりました。どうせ捨てるのに、大金は掛けられないので、手軽なCX3400で、ウーハーに遅延をかけ、マルチ駆動をしてみたら、思いがけず聴いたことのない、リアルなピアノの響き。これに味をしめ、DCX2496で、タイムアライメントに突っ込み、さらには、その延長で、46cmウーハーを導入しましたが、あれこれやっても、思った低音が出ず、失敗かと思いました。46cmウーハーの結論として、軽い低音が出るだけで、大口径のイメージとは違うとなりました。ところが、30cmでも、アンプ直結では、軽い低音に変化し、これが、直列に入っていたネットワーク用コイルの影響で鈍い低音が出ると判明。口径を大きくしても、低域では、一直線に音圧が低下する状況は同じで、kW級の大入力を利用し、パワーで鳴らし切るのも作戦ですが、エベレストのように、純粋にサブウーハーとして使ってみることに。小パワーでも、結構良い感じの低音が出たので、50Hz以下を46cmのが並列に加わるようにして、現在のシステムとなりました。要するに、一直線に落ちるのを、途中で、ちょい足しで、超低域の音圧を上げるのが、サブウーハーの使い道という事です。

 46cmウーハー音圧特性 緑色LPF=ON 1kHzでもかなりの音量です。 正面1m FL=1250mm 2016/10/25
緑色が、直列にコイルが1個入っている時の音圧特性で、500Hzまでフラットです。マゼンタ色は、ネットワーク無し直結で、50Hzで音圧が大きいのは、コイル直流抵抗の有無による差で100Hzを超えて音圧差が大きくなるのは、フィルターの効きが影響しています。マルチアンプシステムで、今までのネットワーク入りの音に慣れた聴覚では、コイル無しになった音は、500Hz辺りの音圧上昇した所で、音圧レベル調整しますので、相対的に100Hz以下が低下したように聞こえるのは、当然でしょう。46cmもの大口径なら100Hz以下でも、余裕で鳴らし切ると普通は考えますが、口径が大きくても、120Hzから下へは、フィルターが入ったように、音圧低下していきます。20Hzでは、-14dBほどと考えておいて良さそうです。
Beyma 18P1000FeE  JBL JRX118  カタログpdfより
現在でも、しっかりとしたデータを公表しているB社46cmウーハーの特性で、100Hz以下は、フィルターが入ったように、音圧低下しています。上図、JRX118のカタログデータは、(-10dB)38Hz〜300Hzとなっています。ホームシアター用アクティブサブウーハーでは、20Hz〜の再生可能で、超低域再生能力は、アクティブウーハーの方が高いと言えますが、パッシブウーハーは、低歪感があり、好ましい低音という利点があります。上の図で、JBLの場合、2πと4πが表示されています。置き場所で、音圧が変化する事が良くわかります。2πが床置き、4πがフライングと読み替えても良いでしょう。

大口径ウーハーの低域特性を改善する為に、46cmウーハーをちょい足しの4WAY化
 現在の4WAYマルチアンプシステム 音圧特性実測値 
2022/01/25
マゼンタ:46cmサブウーハー
(50Hz 24dB/oct LPF) シアン:38cmウーハー(800Hz 24dB/oct HPF)の音圧特性 緑:総合特性
46cmは、50Hz LR24dB/octフィルターで、38cmは、低域側フラットで、高域側800Hz LR24dB/octフィルターとしています。46cmサブウーハーを-15dBほど加えて、超低域側のみ、特性が少しだけ伸びています。グラフでは、少しだけのように見えますが、50Hz以下がダブルウーハーのように作用するので、音のサイズ感も十分で、重くなくても存在感のある低音になっています。クラシック、JAZZから大砲の音まで、有る時に有るだけしか出ないので、男声が胴間声になる事も有りません。ALTEC系38cmウーハーの音を邪魔しないで、さらに、超低域の存在感が。
50Hzのフィルターは、50Hzが-6dBポイント
で、サブウーハーと、ウーハーを共に鳴らした場合のブーストの中心は、40Hzです。
※フィルター周波数における減衰量は、バタワースフィルターでは、-3dB、リンクウィッツライリーフィルターでは、-6dBです。

現在の4WAYマルチSPシステム 高能率構成 SLF 97dB/W LF 102dB/W MF 109dB/W HF 106dB/W
 令和2年までサブウーハーが上   現在は、オーソドックスな配置 側面図 
2021/10/22

 当初、フロア型SPに46cmウーハーを単純に上置きして直線配置。上置きは、仮実験の為で、成功したら、JBLやEVというブランド物に替える予定でしたので、失敗しても撤収が楽に済むようにというのが主な理由でした。ツイーターは、H-371B-8というアルニコ磁石の2405似がオリジナルでしたが、10kHz以上で、ダラ下がりでしたので、FOSTEX T90Aで鳴らしています。T90Aは30kHzも楽に出る、ワイドレンジなスーパーツイーターです。最下部15インチウーハーの見通しが気になり、試験的に38cm3WAYを上に移動、その下を2インチスロートバイラジアルホーン
2380A+2445Jに。結果は、1kHz〜2kHz間が膨らんだ特性となり、2インチ特有の音色が判明、又、5kHz以上から落ち始めるので、ツイーターとのクロスも低めが必要、歪みが少ないMIDは最良でしたが、より平坦で高域の垂れ込みが少ない、1インチでも構わないという結論となりました。現在は、オーソドックスな配置で、46cmウーハーの上に、38cm3WAYを載せ天板にT90Aを載せています。3WAYは、スピコンを8Pとし、内部のスピーカーを全て接続しました。廉価版の46cmウーハーは、50Hz補助で、音質も分かりにくく、そのまま使用中です。エンクロージャーの奥行き差で、46cmを少し前に置き、音が少しだけ速く到達するようにしています。上に背が高いので、耐震対策として、荷締めベルトで、音響ホールのように、ウーハー同士を連結しています
大口径ウーハーを鳴らすのに、大パワーが必要との説を見かけますが、38cmの下限で音圧低下する帯域を並列で鳴らしますので、必要な電力は、現在の調整値では、38cmウーハーの9分の1。50Hz以下がダブルウーハーとして動作し、1m相当のウーハーと同じです。
システム図  4chA級アンプ ブロック図
3WAYチャンネルデバイダーは、VENU360で、AES/EBU入力で、出力は、OPA2311 6連電子ボリュームへ平衡入力し、4chパワーアンプに。4chパワーアンプは、スペース効率を上げる為と、2台使用で、モノラルアンプと同等の動作となります。
内部は、無用な音を出さないようネットワークを撤去し、全てのSPをスピコンに接続
2021/10/21
ヤフオク価格は、ペアで3万円と、廉価ですが、今どきこれだけの内容のスピーカーなら、相当な価格でしょう。内部は、4S6で、配線し、スパイラルで束ねて、ノイトリックNL8MPRに接続しています。スピコン周りは、木板を加工し、元から有る端子板と交換しています。NL8FCで接続した3本の4S6でアンプまで行き、NL4FX 3個で終端し、必要なスピーカーをアンプに接続しています。本体のツイーターは、使用しないで、手頃な価格にもかかわらず、ワイドレンジなスーパーツイーターを使用中です。

低DFアンプは、スピーカーのインピーダンス特性と同じような出力になる
13cmフルレンジ バスレフ式インピーダンス実測特性
低DFの真空管アンプでは、インピーダンスの山では、かなりの電圧がかかり、元気な低音が聞けると思います。
 真空管式アンプのSP実負荷での周波数特性変化
L社 50CA10 PPアンプで、抵抗負荷と、スピーカー負荷による、周波数特性の変化です。真空管アンプが暖かい音ではなく、ドンシャリで、キンキン音ですが、高DFアンプでは、フラットに近くなり、抑揚のない音となります。

継ぎ足しサブウーハーとの合成音圧特性
マルチアンプ方式で、低音が出ないのが、当然と言われても、それでは困るので、サブウーハーを付ける事になりますが、普通にすれば、フィルターで分割しますが、サブウーハー側は、音圧の低下した周波数なので、その分アンプの電力が必要になります。10dBの音圧差で、ウーハーが100Wのアンプなら、サブウーハーには、1kWのアンプを用意する事になります。しかし。フィルターでクロスしないで、下の方だけ継ぎ足しすれば、驚くほど小パワーで補完できます。JBLエベレストでもそのようなウーハーの使い方をしており、『拡張型2ウェイ方式』として紹介されています。エベレストでは2本目のウーハーが150Hzでの動作となっています。
 『拡張型2ウェイ方式』を電子フィルターで行なった合成結果
サブウーハーは、大パワーの必要なし
 上は、同じ事を、リンクウィッツライリー24dB/octフィルター50Hzでクロスした場合の、振幅特性です。サブウーハー側が-10dBでも、超低域を補完する効果が出ています。フィルタークロスでは、10倍のアンプを用意したのですが、フルレンジに継ぎ足したサブウーハーには、フルレンジの1割の電力で事足ります。

高次フィルターによる遅れ サブウーハーの音が遅れる
 24dB/octフィルターは、4次フィルターとも呼ばれ、次数が高いので、高次フィルターとも言います。欠点として、音が遅れるというものがあります。50Hzの24dB/octフィルターで、検証を行いました。このフィルターの群遅延は、解析ソフトにて43Hzで7.64msecが最大です。連続正弦波では、位相がずれていても合成すると、一つの波にになってしまいます。波を特定しやすい24間隔トーンバースト波で、遅延時間を求めると10msecが得られました。2重に聞こえるのが、音のズレは40msecとされていますので、普通の耳では、10msec遅れは検知できないとされています。拍遅れで演奏に支障があるのかを調べると、プレストで180/分なので、1拍は3分の1秒=333msecで10msecは、32分音符相当です。プレストのテンポで、32分音符ひとつのズレが演奏に影響するとは思えません。ただし、低音の1波目の振幅は小さく、2〜3波で、通常の振幅まで成長すると43Hz1周期が23.25msecで2波経過で、40msecを越え、覚知されるということは有ると思いますが、これは、遅延時間の問題ではなく、ウーハーの立ち上がりの問題です。

スピーカー用LCネットワーク
2017/01/23 2014/12/17 2013/10/24
 上のJBL製品では、コイルの防振が丁寧に行われています。コンデンサは、フィルムコンデンサで、容量合わせで、並列もあるようです。コイルは、積層鉄芯、空芯、フェライト芯等様々です。
JBLスピーカー逆位相説が有りますが、2次バタワースフィルターでは、隣接する帯域は、逆極性で接続するのが正解で、3次バタワースフィルターでは、隣接は正極性となります。マルチアンプ時も同じで、偶数次と奇数次では、隣接する帯域の極性が逆転します。 詳しくは チャンネルデバイダーフィルターの極性理解の為のデータベース を参照してください。

 この関係性が正しく理解されていないから、位相の問題が解決できないでいると考えます。JBLだから逆極性で接続しているのではなく、2次のバタワースフィルターだから、スピーカーが逆相接続されていると考え、それは、どこのメーカーも同じと考えると良いでしょう。マルチアンプの場合、バタワースフィルター6dB/oct 18dB/oct リンクウィッツフィルター24dB/oct は、隣接する極性が同じになり、複雑さから逃れられます。12dB/octフィルター中の逆相接続のスピーカーでも、単体動作では、正しい極性で使用します。ネットワーク経由で使用する時は、逆相接続にしないと、ギャップが発生しますが、聴感では、判別しにくいです。ギャップが聴感で判別し難いことを忘れて、ヒアリングのみで、つながりが・・・云々はヘンな話です。位相測定はチェッカー(NTI ML-1等)で行いますが、もっと詳細に1波トーンバーストを再生して、オシロスコープで波形を観測する方法もあります。最初の山が上に有れば、正相で、逆相では、下が先に来ます。
LFとHFスピーカーが、正しく合成された時の、正相同士の波形 位相チェッカーでは、タイムアライメントまではチェックできません 2013/10/24
 これくらいの波形なら普通に出そうと思わないでください。製品のそのままで、綺麗な波を出せるのは、シングルコーンフルレンジスピーカーのみという、下のような結果となりました。下手なマルチより、フルレンジの方が素直という事は事実のようです。正しくタイムアライメントを合わせれば、4WAYマルチSPシステムでも、上のようなフルレンジと同じ波形が出ます。ホーン型マルチWAYの酷評は、タイムアライメント調整を無視したからで、調整しなければ、ドーム型の方が評価が良くなるのは、当然の事です。しかし、壺にはまった時のホーン型の音を知っているJBL社が今もホーン型SPを販売している事に敬意を表したいと思います。名器A7が2WAYでは、あれだけ鳴るのに、3WAY化でつまずくのは、アナログ時代で、電子的にタイムアライメント調整が出来なかったからとも言えます。


5kHz1波トーンバースト 製品スピーカ 波形例
 製品価格25万円までの、スピーカーから出ている実際のトーンバースト波形ですが、形式的には、シングルコーンフルレンジスピーカー、2WAYスピーカーは、コーン型、ドーム型、ホーン型各種で、ネットワークは、コンデンサのみと、本格的な12dB/octフィルターも含まれ、同軸2WAYも有ります。

 型番非公開
 結果を見ると、実に様々ですが、原波形に近いのは、コンデンサのみの2WAYで、次いでフルレンジです。一番綺麗な2つは、ドーム型とコーン型のコンデンサのみの2WAYです。ドーム型は、現行商品で、オーディオ用でなく、業務用です。色々なスピーカーの波形を見て感じている事は、オーディオ用スピーカーは、柔らかいエッジと、能率を抑えて平坦特性を求め、
音の収束が悪いという印象です。中には、鉛ウェイトを付けて、更に、低音特性を求める物も有ります。トーンバーストだけで、全体を語る事は、適切では有りませんが、複雑な4WAYマルチシステムでも、綺麗なトーンバーストになるという事は、セオリーを間違えていない証明と考えます。コーン型2WAYは、最近では少数派なのですが、口径だけ違っての2WAYは、合理的と思える特性です。SR(Sound Reinforcement)用スピーカー音の収束が良いというのは、低音を欲張らないので、ふらふらで駆動する必要が無く、しっかりとしたダンパーと、寿命の長いエッジによるものでしょう。SRでは、低音が必要ならば、ウーハー単体で求めず、18インチウーハーの数で調整していますが、ここから出る音は、風に近い音、あくまでも、メインウーハーを補完する音です。

JBL 4343 今でも崇拝者が多いことで有名
 4343は、ネットに回路図が有りましたので、それを見る限り、LF、MFは、普通の12dBフィルターですが、HFとUHFは、HPFが18dBで、HFのLPFが6dBフィルターと、複雑です。製品内のLCネットワークについては、このようなセオリー外が多く見られます。YouTube動画を参考にすれば、4343の低音は、LCネットワークによるぼわっとした低音の域を出ず、改善の余地が有ります。ネットワークを取り去り、適切にマルチ化すれば、低歪に低音楽器の個性がはっきりと出てくると思いますが、15インチウーハーだけでは役不足で、18インチサブウーハーを付加した、5WAYにまで発展が必要でしょう。マルチ化時、ホーンSPのHPFは、できるだけ急峻にカットすると、低域の歪みの多い帯域の音が出なくなります。間違っても6dB/octは使用しないで下さい。次数の多いフィルターでは、遅延時間が無視できませんので、フィルター毎に、タイムアライメントを合わせる必要があります。タイムアライメントが合っていれば、アタック音の実在感が増し、トライアングルのような微少な音も、滲むこと無く、埋もれずに到達します。これとは別に、ユニット縦一直線のS4700という現行の3WAYがあり、こちらの方が簡単に良い音が出る筈です。詳しくはYouTube動画で確認して下さい。

JBL4344 マルチアンプ駆動 参考例
 
2022/05/15
予算があれば、DF-65
なのでしょうが、そうは行かない場合、VENU360とCX3400の組合せとなります。Mid-Highは、製造時期によって、機種変更が有りますので、型番なしで作図しました。CX3400は、Lowだけにディレイがかけられ、かけられないHigh側で、振動板が最深部となる、Mid-Highを駆動し、Low側で、遅延設定して、Mid-Lowを鳴らします。CX3400への送りは、VENUのMidで320Hz〜10kHzとします。上図の通り、Delay Hgih,Mid-Low,Lowを設定すれば、調整が完了します。Highのクロスは、7kHz〜8kHzの方が、良いと思います。音量調整VRは、VENU360をフルビット動作させたいので、パワーアンプ手前で、ステレオ全部なら8連ボリュームが必要です。8連ボリュームは、非現実的なので、パワーアンプ入力のボリュームで、30dBほど絞り込んで、バランスしておき、プリアンプのアナログ出力をVENUに入力するのが、現実的でしょう。VENUは、平衡受けした方が動作が安定します。4WAYのチャンネルバランスは、ピンクノイズを出して、VENUのRTA機能で行えます。RTAマイクは、廉価なECM8000でも構いません。ミュートSWで、各帯域をON-OFFしながらチェックします。

スピーカー音の位相 smaartで解析

上は、使用中のマルチアンプシステムの位相ですが、フルレンジと比べて位相変化が大きいのですが、乱れてはいません。どちらも、低域ほど位相が進んでいます。位相がフラットというのは、単なる謳い文句で、ネットワーク無しフルレンジでも、位相が動きます。
 現在、使用中の4WAYマルチアンプシステム 高次フィルターでもそれほど複雑化していません

 13cmフルレンジスピーカーならではの教科書的な位相特性 平坦ではなく、常に傾斜している点に注目

互換ダイヤフラムの位相(極性)
 不幸にしてダイヤフラムの交換に迫られる事がありますが、交換用のダイヤフラムのプラス極に赤のマーキングが有ります。普通は、赤がプラスです。しかし、ミッドドライバーでは、凸面から見てのプラスなら、逆向きで取り付けますので、逆相の可能性も有りで、結果は取付後の測定待ちとなりました。元々の部品であるダイヤフラムのカバーの+刻印と、新規取付のダイヤフラム本体の+は反対側に有り、心配した通り、全く逆でした。トーンバースト波で、位相を確認しましたところ、カバーの刻印が正解でした。
しかし、もしも12dB/octLCフィルターならば、更に位相を逆にしなければなりません。こうなると、理屈や、表示より、空間の波が重要で、やはり波形を直接観測する事が不可欠です。
百聞は一見にしかず!
赤にプラスを加えると、コーンスピーカーと同じように、凸面に動きます 写真JBL2425用互換ダイヤフラム 2020/04/29 ドライバーへの実装状態では、凹面側から前に音が出ます JBL2445 2012/08/21

クロスオーバー周波数の怪
 マルチWAYスピーカーシステムでは、スピーカーを各帯域に分割して音を出しますが、それらが、重なり合う周波数がクロスオーバー周波数となります。例えば、3WAYのローとミッドの間は、500〜1kHzが代表的ですが、コイルの巻き直しができない、LCネットワークの場合は、ボイスコイルインピーダンスに依存するので、クロス周波数が計算と一致せず、同じLCの値を用いても、ユニットのインピーダンスがクロス点で一致しないので、綺麗にクロスしません。マルチアンプでは、インピーダンスの影響は無く、チャンネルデバイダーで周波数が変更でき、それによると、Low-Mid間を700Hz〜1kHZまで動かしても、変化の差を聞き取るのが、難しいです。ミッドホーンを使用した場合、高域限界は、音圧レベルの低下具合で、判断できますが、低い方に問題があり、ホーンのカットオフ周波数と、さらに、その下で、著しく歪む周波数帯があります。この帯域の不都合な音を出さない事が、クロスオーバー周波数を決める第一の要素となります。これには、傾斜の強いフィルターを用いるのが最善です。間違っても、6dB/octフィルターで、自然減衰を組み合わせて、音のつながりを求めようとは思わないでください。ツイーターに関しては、高域で、2つのスピーカーから同時に音が出れば、コーミング現象で、音のディップが規則的に現れます。従って、コンデンサ1個で、ツイーターを鳴らせば、同様の事が起きます。又、並列に鳴らしても、同じです。ステレオの左右では、距離が離れており、干渉は考えません。
 TV放送でよく登場する SX300のインピーダンス特性 公称インピーダンス8Ωですが、100Ωを越える帯域が有ります。低域が2山なのはバスレフである事によります。

LCネットワークの曖昧さを解消する電子フィルター(チャンネルデバイダー或いはクロスオーバー) 最近はスピーカープロセッサーとも呼ばれます
 LCネットワークでは、ネットワーク設計の基本中の基本となる、負荷インピーダンスが、スピーカーでは、目まぐるしく変化する事で、理論に合致する設計ができません。しかも、コイルの直流抵抗や、ATTの抵抗が、逆起電力を、顕在化させ、スピーカーから音として、出てしまいます。これを、パワーアンプの前に、電子フィルターを用いて、帯域分割して、アンプ毎に、専用帯域のスピーカーを鳴らす、マルチアンプシステムが考案されました。アナログ式とデジタル式があります。デジタル式は、スピーカー設定に対して圧倒的な自由度があり、フィルター種別、スロープ、レベル、コンプレッサー、リミッター、PEQ、GEQ、DLY、チャンネルルーティング等、多機能です。

3WAYチャンネルデバイダー
 2008年
CX3400(アナログ)にてマルチアンプSPシステム使用開始。2009年 DCX2496(デジタル)に変更。2016年には、DCX2496内部にフィルムコンデンサ使用の自作POST-LPF回路を追加し、無駄に増幅している平衡出力アンプをバイパスして、不平衡出力し、+22dBuから+8dBuへレベルダウンすることにより、アナログパワーアンプにレベルを最適化。尚、長らく使用してきたDCX2496が、1台が寿命となり、もう1台も、LCDが読めず、PC無しではセットアップができなくなりました。DCX2496は、現行品なのですが、さすがに、新規購入はできず、後継機種を検討しましたが、96kHz24ビット機で性能も良く、価格も手頃な、dbx VENU360を試しました。VENU360マニュアルは、ドライバーアライメントディレイの最小設定単位の記載が無く、オーディオ環境で使用できるのか不安でしたが、0.02m秒(7mm)単位で調整できました。出力ch毎のレベル設定が無いので、分割ch毎の左右のバランスは調整できません。PA環境においては、至れり尽くせりで、RTA機能も有り、オールインワンで優秀です。しかし、○○ハウスのレビュー以外には、その使用感の記事がネットには見当たりませんので、詳細を探求してみました。  VENU360 実践的使用法
 VENU360を使用した感じでは、プロ音響、趣味オーディオどちらの用途にも過不足無く、出力は、平衡受けの方が安定しているようです。VENU360では、残留雑音出力が、平衡で受けると3.7μV(A)と優秀ですが、不平衡受けすると、大きく増加し、15dB(A)もの違いとなり、無視できるレベルでは無く、必ず平衡受けします。プロ用パワーアンプは、平衡受けですので、プロ音響で問題は発生しません。真空管アンプとの組み合わせなどでは、不平衡受けが多いので、OPアンプのシングルエンドコンバータか、ライントランスでの平衡受けでの対応が必要です。
AES/EBU入力で使用する場合、クロックソースは、必ず入力のAESソース側にして下さい。それを間違えると、思わぬ位相の乱れに遭遇します。アナログ入力では、内部96kHzで使用します。音響ラック内での使用が前提で、電源SWは有りません。
現在は、フィルムコンPOST-LPF回路に改造しているDCX2496を復活させて使用しています。

高級プロセッサー 
プロ音響用 LABGRUPPEN LM26(○○ハウス販売価格\560,000) ダイナミックレンジ115dB 歪率0.00037% 民生用 Accphase DF-65( 定価\800,000)ダイナミックレンジ118dBが有ります。

タイムアライメント調整 マルチチャンネルシステムでホーンスピーカーを使用するには必須
調整で使用したのは、遅延掃引ができるアナログオシロスコープです。中古をかなり安価に購入しています。右の実音波形は、100周期間隔で、1波というトーンバースト波形で、これが安定して表示できます。
 50MHz 2現象オシロスコープ 2015/06/17   2013/10/24

振動板の位置合わせより、ホーン開口面を揃える事を優先で ディレイ付きチャンネルデバイダー必須

 何故ホーンスピーカーだとタイムアライメントが問題になるのかは、下の写真で見た通り、中音と高音SPは、奥行きが違い、ダイヤフラムの位置を合わようとすれば、下の様にアジャストする手法があります。フロント面から、ダイヤフラムまでの距離は、およそ3cmと25cmで、その差22cmあります。正面軸上でそれぞれのスピーカーから出た音は、同時に到達しますが、正面以外では、同時になりません。リスニングポイントを1点のみとすれば、このようなレイアウトでも、同時に音が到達しますが、それ以外エリアでは、同時に音が来ません。重ね餅のようなリニアフェイズSPが、後に平面SPに進化したのは、こういった事情でしょう。もしも、フロント面を合わせ、高音側で出る音を22cm分遅くすれば、それらの音は、フロント面から同時に音が出て、空間をそれぞれのホーン特性に従い拡散し、原音が崩れない伝送ができます。22cmのズレは、クロス周波数が5kHzとすれば、約3波に相当します。
ディレイ付きチャンネルデバイダーを使ってまでも、ホーンスピーカーを使用するのは、指向性が強いので、壁反射の影響が少なく、生音に近いというメリットを活かす為です。
 アナログチャンデバ時代に、振動板位置を合わせる実験結果で、その欠点を確認 ホーンフロント面を合わせる事が最良という結論を得る 2011/04/18

 現行デジタルオシロ TEXIO DCS-2072E 4WAYマルチSPシステム 6.3kHz トーンバースト波形(100周期間隔) 
2021/05/17
 当たり前のように見えても、普通のマルチWAYスピーカーでは、このようにくっきりと波形が出ません。市販スピーカーに多いドーム型では、ワイドな指向性の為、細かい波が大きくなります。100周期でも、これだけの反射波がありますので、ホーン型SPで、音の範囲を絞った方が、直接音が大きくなり、従って明瞭に聞こえるという結果につながります。

HF-MF間の調整 トリガーをうまく掛ければ、容易に調整できます 
 PCからWave Geneにて、8〜10kHzぐらいの1波トーンバースト100波間隔を使用。トリガー入力は、USBキャプチャーのアナログ出力。トリガーは、スピーカー入力と同期しており、空間波形は、それより遅れてやって来ます。音が速いといっても、電気信号に比べれば、ずっと遅いので、普通に掃印していれば、空間波形は、スコープの右画面外側になって、表示できませんので、遅延掃引をかけると、下の写真のように、画面中央に空間波形が表示できるようになります。上のデジタルオシロでは、ch1再生音 ch2原信号をトリガーソースとしています。
MFを遅延ゼロとし、HFの遅延時間を調整し、1波トーンバースト波が綺麗に出たところで、H-M間の調整は完了です。ヘンな理屈でなく、アナログチック調整法で、実音を目で見ながら行います。5kHz48波間隔の場合、波長6.8cmの48倍が3.3mで、リスニングルーム内で1個だけとなり、他の波と混同しなくて済みます。チャンネルデバイダーの調整間隔が粗くて、最良点が無い場合でも、ツイーター自身を前後に動かせば、最良点が見つかります。実例として、-7mmという調整値も経験しています。
デジタル機器は、アナログと比べると、必ず遅延が起きますので、この遅延にも注意が必要です。VENU360では、アナログ入力時2.28msec遅くなります。すなわち、トリガーポイントから、2.28msec右にずれた位置が、スピーカー音のスタート位置です。それから空間を伝わって来るので、更に遅れてきます。1mでも、2.9msecなので、合計で、5.2msec遅れる事になりますので、トリガーポイントから更に遅れて掃引する遅延掃引機能が有ると便利です。

LFの調整 極めてアナログ的ですが、波長が長くなると、立ち上がりが不明瞭になるので、2〜4波出して、真ん中を捉える方法です

下側が、上の1波トーンバーストの前後に現れる微分波形 タイミングを合わせる目印として使用 1波では、LFから出る波形が見にくいので、2〜4波とし、波の真ん中を目印にしてLFを調整 

次に、調整された、HFの音を基準にLFとタイミングを調整するために、トーンバーストを2波、周波数は200Hz〜315Hzで24周期にします。LFをミュートし、HFのみ音を出しておき、波形の前後の「チッチ」音を捕まえます。「チッチ」音の中間を画面中央と合わせます。
次に、ミュートを解除し、全ての音を出して「チッチ」音の中間と、2波トーンバーストの中間を合わせる事で、完了です。周波数が下がると、HFだけでは、波が小さくて捕まえられないので、MFも出すと良いでしょう。
315Hz 2波24周期を、先に調整済みとしたHFとMFからの「チッチ」(±3cmの角)音の中央と画面の中央を合わせます 
2021/05/18

 LFのミュート解除して、本来の315Hzを表示し、
2波の中間と、画面の中央が合うように、LFの遅延時間を設定します 2021/05/18
LFの音は、周波数が下がると、最初の山が小さくなり、後続の山が大きかったり、反射音が重なったりで、見にくいので、4波で調整する事も選択肢とします。
 ホーンスピーカーシステムは、この調整を行う事で、従来言われてきた指向性が鋭くキツイ音から逃れられます。明瞭度が高く、ダイナミックさも加わり、臨場感に満ちた音を体現できるようになります。音のフォーカスが合い、空いた余韻の部分の音もしっかりと聞こえ、録音環境へ思いを馳せる事になります。ハイエンドスピーカーを既製品のLCネットワークで鳴らしたぐらいでは、この音には到達できません。例えば、トライアングルの音は、小さいくても、生演奏では、はっきりと聞こえます。真空管アンプでは、この種の音に特別な華が有り、キンキン音に強いのですが、半導体アンプでも、その音をはっきりと出すことができます。CDでは、綺麗な音にならず、滲んだ音として出ますが、アナログレコードや、PCM 96kHz24bitでは期待した音が出ます。

電源ノイズについて

AC100Vの電圧波形 
2018/05/23     充電器へ流れる電流波形 2008/06/05

インバータ蛍光灯の電流 
2013/10/24  テレホンピックアップは、ノイズを敏感に捉える事が可能

 家庭の交流電源の波形ですが、上がつぶれていますので、奇数次高調波が相当に含まれている事がわかります。歪率は、1.3%〜1.6%です。これに対し、充電器や、蛍光灯を使用した時に流れる電流波形を掲載しました。正弦波の一部だけを切り取って利用しており、電源に、ノイズが乗りそうですが、無対策でも、オーディオ装置が雑音で困った事はありません。念の為、電源ディストリビュータや、自作機器には、ラインフィルターを入れていますが、クリーン電源や、絶縁トランスまでエスカレートする事は有りません。

ノイズ発見ツール

黒電話が有った頃、電話を録音するツールとして、テレホンピックが有りました。これが、ノイズセンサーとして活用できます。人体も僅かな電気を出していますが、これもキャッチ可能です。これで、ノイズの存在を確認し、アンプへの影響を調べましたが、スピーカー音への混入は有りません。

ノイズ防止パーツ
2020/02/19 2021/01/12
 アンプの入力に使用されるRCAコネクタで使用する各種パーツですが、Phono入力を使用しない時に使用するショートプラグと、使用しないコネクタの汚れを防止する樹脂キャップです。右は、一つで、二役をこなし、ネジ式のセンターピンを外す事が可能で、通常はショートピンとして使用しますが、出力には、センターピンを外して使用します。RCAコネクタは、そのまま放置すると、表面がザラザラとした白っぽい汚れが付いたり、雨水等で錆びたりし、年数が経って、使用すると、アース浮きで、サラウンドのような変な音になります。これを防止する為に、樹脂キャップをしたり、右の金属キャップを使用します。アンプは、PHONO入力に、ショートピンが付けられて販売されていますが、これは、PHONOを接続しない場合の、大きなオープンノイズを防ぐ為です。オープンノイズは、不平衡入力で発生しやすく、接続機器を通電すると消えます。平衡入力では、オープンノイズが発生せず、マイク用XLRコンセントとして使用されます。未使用RCA入力にショートピンを付けると、クロストークや雑音出力を低減できます。多chパワーアンプの使用していないchへの処置は、特に、大きな効果を発揮します。この現象を捉えると、前段アンプの出力インピーダンスが気になりますが、自作できる場合は、47Ωとしています。市販の機器は、プロ音響機器では、100Ωが一般的で、民生機では、それ以上の値が多く、注意が必要です。高級機のXLR入力では、平衡入力なので、入力がオープンでも支障ありません。


雑学:煩雑なケーブル類をまとめるには
 マルチアンプシステムのように、複雑な構成の場合、ケーブル類も煩雑になって、蜘蛛の巣状態になり、舞台裏は大混乱です。蜘蛛の巣でも、ケーブル同士の離隔が取れて、干渉を防ぐには、都合が良いのですが、やはり、それなりに、何らかの法則に従って、まとめた方が、精神衛生上も好ましいと思います。ケーブルをまとめるに、手っ取り早いのは、製品の電源ケーブル付いている、
ねじりっこの再利用でしょう。開梱と同時に、捨ててしまうより、何か良いことをした気分になります。しかし、ねじりっこには、思わぬ落とし穴が有り、樹脂の中心にある、鉄線が、時間の経過と共に、ケーブルの被覆を締め上げ、凹みができてしまいます。ノイズにうるさい人なら、鉄線に誘起される、電磁ノイズにも注意です。
 
タイバンド(インシュロック)は、手早く締められ、緩まないので、工事でよく使用します。しかし、後で電線を追加する時は、切らないと駄目で、無駄が多くなります。その欠点を無くした、ロックを外せる物もありますが、主流ではありません。タイバンドも、時間が経つと、電線を締め上げるので、電線には跡が残り、その後、バンド自身が切れる事になります。特に屋外では、寿命が短くなります。TVアンテナ等に使用した物は、最後には、脆くなって切れ、同軸ケーブルがダラ下がり状態になります。マジックテープを使用した、ケーブル結束用バンドも最近見かけるようになりましたが、一本物には、それなりに便利ですが、オーディオ環境には、絨毯に絡み付いたりで、それぼど便利ではありません。
 意外に便利なのが、
伝票を綴じる黒い紐です。45cm物が販売されていますが、音響現場でも、マイク、スピーカーケーブルをまとめるのに良く使われています。コクヨやPLUSのうるし先の物が、一番使い易く、緩み無く束ねる事ができます。プラスティック先で、綿紐の物は、緩みやすく、要注意。ケーブル類を蝶結びで束ねておけば、後で、ケーブルを追加しても簡単にやり直しができます。音響的にも、制振効果もあり、しかも、絶縁物とあって、電磁ノイズ皆無です。ケーブルに跡も付かず、経年劣化も無く、高級ケーブルにも安心して使えます。


安定動作ならA級 無駄といわれる発熱は、熱平衡状態での動作に貢献
 電源からは、一定の電流が流れ、音楽信号によって、平均電流が変化しません。これは、温度によって増幅特性が変化する半導体でも、使用温度が一定となる事を意味します。無駄な発熱で、常温より高い温度で動作するA級アンプですが、環境温度より高い動作温度、すなわち熱的な平衡状態で動作が出来ます。
高い周波数安定度のある、水晶発振器でも、さらに安定させる時は、恒温漕で使用しますが、これは、ヒーターで、一定の温度(一例として60℃)で動作させています。パワートランジスタの接合部温度は、最大150℃までなので、下のように、70℃であれば、かなり余裕のある温度条件です。電流が変化する、B級、D級アンプでは、電源電圧が使用電流によって変動、言い換えれば、変調されるので、余計なノイズとして、アンプ回路に流入します。A級アンプでも電源ノイズとして、音と同じ成分が乗りますが、これがミソで、音と同じ成分なので、明らかなノイズではなくなります。
4chA級アンプでのTr接合部温度で、機器内部は、50℃台   1kHz1W時の電源リップル波形
温度保護を67℃としましたので、エアコンを使用しないで、室内が30℃を越えた時、2年間で一回だけ、保護動作しました。SWを切って、エアコン(28℃設定)を動作させ、以後は保護回路は動作しませんでした。6月に入り、晴天につき、保護回路が動作、エアコンONにしましたが、熱中症警報器として活躍とも言えます。保護回路が正常動作しているかの確認が取れる事も重要で、4ch仕様だけ、現在は2℃上げて、69℃設定としています。

4ch純A級パワーアンプ、チャンネルデバイダー、6連マスターボリューム(平衡入力+POST-LPF回路付き)
2021/06/28
 クロス周波数は、LR24 600Hz 6kHzで3WAY+サブウーハー(50Hz以下)46cmウーハーは、38cmウーハーを補完するように、50Hz以下で並列動作し、レベルは、-10dBです。サブウーハー用フィルター LR24 50Hzは、パワーアンプに内臓。chのDLYは、HIGHと、LOWに設定。PEQは、LOWで50Hz、500Hz MID1.25kHzに設定。VENU360は、平衡出力でないと残留雑音多いので、後段のマスターボリュームの入力を、DACチップ直後のPOST-LPF回路と同じ物とし、特有のパルスノイズを除去しています。DCX2496では、通常のノイズだけですので、このような特殊な回路は必要ありません。VENU360についても、通常の残留雑音、SN比、歪率等の測定では、判定できない帯域のノイズで、波形を見るまでは存在すら疑いませんでした。オーディオアナライザーでは、おおむね150kHzぐらいまで帯域を扱い、それ以上は不問ですが、使用しているオシロスコープは、60MHzまでの帯域で、このような高周波雑音を見逃しません。安価で大出力のデジタルアンプも同じく、高周波雑音がしっかりと出ていますので、ご注意ください。
VENU360残留雑音  後続のマスターVR内にPOST-LPF回路設置 
2021/06/26

デジタルパワーアンプの出力リサージュ波形 10kHz アナログアンプなら、細くて綺麗な直線になります 2013/12/23

赤外線リモコンでイージーオペレーション
2011/12/07
 4WAYマルチアンプシステムを簡単に操作する事も、システムアップに重要なので、電源、音量、消音は、赤外線リモコンで操作できるようにしました。電源は、3段階遅延パワーディストリビューターで、音源系、コントロール系、パワーアンプ系と順次電源が入ります。内部は、ノイズフィルターが入っています。尚、自作した6連ボリューム、純A級アンプ、MC用RIAA-EQにも、ノイズフィルター付き3Pインレットを使用し、不用な高周波ノイズを低減しています。何故か市販アンプでは、このようなフィルターが無くて、クリーン電源を別置きせよとなっています。しかし、測定器などでは、ノイズフィルターを入れる事は常識なので、それに自作機器も倣いました。3P電源インレットは、PC用電源コードや、測定器でよく使用されており、オーディオで使用する2Pに比べ、接続が安定しています。
 1Uサイズ電源ディストリビュータ PD-15 受光窓を付けて、赤外線リモコンに対応するよう改造   2013/10/24

TANNOY 12インチベース 3WAYシステム リビングで使用

TANNOY System12 JBL 2425+2370A Fostex T90A 2016/11/28
 TANNOYで、2WAYマルチアンプシステムをやってみましが、思うようにつながらず、JBLのミッドホーンと組合せました。典型的なCDホーン特性で高域でダラ下がりで、5〜6kHzで、ツイーターとつなぐ必要があります。T90Aは、スーパーツイーターという呼称ですが、ワイドレンジで、24dBフィルターであれば、5〜6kHzのクロスオーバー周波数から30kHzまでしっかりと出せます。ホーンツイーターを実際に鳴らすと、高級品でも、ピーキーで、レンジが狭い物もあり、T90Aは、コスパが高く、価格以上の使いやすさがあります。TANNOYのウーハーは、低歪みで、ローエンドもかなり出ますので、こちらは、サブウーハーが不用で、3WAYです。音像がスピーカーの位置を感じさせず、非常にクリアに展開されます。4kTV+AVアンプ→2ch(FL+FR)アナログ信号で、DCX2496+PGA2311PA 6連VR+2ch仕様純A級5Wアンプ3台という構成です。
JBLの1インチドライバーは、隠れ名器で、43シリーズ後期は2425Jが使用されています。JBLの代名詞、金物の音の中核で、上位の2インチドライバーよりも、素直な特性です。


ハイエンドスピーカーの構成
JBL EVEREST DD67000 単なるダブルウーハーと思っていましたが、カタログを熟読すると、片方が150HzLPFで切ってあり、変則的な4WAYシステムであり、奇しくも全く同じ4WAY構成となりました。
FOCAL Grande Utopia EM Evoのデモ動画を見て、価格にびっくりしましたが、これだけのハイエンドスピーカーでも、2mという高い背丈と、40cmウーハーが80Hzで切れている事で、背が高くて異端と思っていた自身の4WAYシステムが肯定されました。

マルチアンプシステムの音量調整
 デジタルと、アナログの音源は、SRC2496で、0dBFSを基準としたAES/EBUデジタル信号で、チャンネルデバイダーに入力。その出力6chは、6連電子ボリュームにより、音量を精密に制御し、4chパワーアンプ2台に入力。アンプ出力は、スピーカーに直結し、アンプスピーカー間の直流抵抗を減らて、スピーカーケーブルに乗る、外来電磁波雑音と、ボイスコイルから来る逆起電力をショーティングしています。SRC2496は、生産中止で、将来的には、別の方法を考える事になります。6連電子ボリュームが、パワーアンプの前に有るのは、フルビットDAC出力を、一旦アナログ展開し、そこから絞り込んで最適音量にする為です。多連ロータリーボリュームと比較し、遙かに音量誤差が少なくなり、マルチアンプシステムでは、必要不可欠な存在です。現在は、国内での入手は、殆ど不可能で、C国製品を、ネット通販で購入し、それをベースに加工する方法が残っています。PGA2311PAを連動化するのは、それほど難しい事はなく、5個ぐらいなら難なく行えます。 6連電子ボリューム製作ページ

SRC2496の不調 DEQ2496で補完
3台使用していましたが、何れも、光入力が動作しなくなりました。最初に購入した物は、アナログ入力が反転します。1台は、デジタル入力で、エラーLEDが点灯するようになり廃棄して、現在2台となり、完動品中古をヤフオクで入手。DEQ2496で、アナログ入力、光デジタル入力からAES/EBU出力がが得られますが、ソフトウェアSWなので、切り替えが煩雑で、ワンタッチで済む、SRC2496の方が便利。DEQ2496では、外付けコンデンサマイクで64バンドのRTAが可能で、本当の音楽信号を正確に分析できます。
 DEQ2496 RTAとは別に、SPLメーターもあり、サラウンド調整時に便利です。VENU360にもRTA機能が有りますが、DEQの方が見やすく実用的


使用している伝送方法
 アンプとスピーカー間は、3m以内に全chが収まっています。長い信号線は、デジタル伝送としました。アナログ伝送箇所は、2m以内に収め、さらに、バランス伝送が不用になるように、ラインレベルで47Ωという低インピーダンス駆動をしています。これにより、不平衡伝送でしか成しえない低雑音性能を、達成しています。ホールでは、バランス伝送が当然行われていますが、これは、マイクレベルを長距離伝送する為に必要だからです。ラインレベルで短距離、低駆動インピーダンスならば、わざわざ、アンプを多くして、バランス伝送する必要は有りません。より繊細な音を逃さないよう、シンプルなアンプ構成で、低雑音を達成し、大口径スピーカーによる、低歪超低音と、高感度な、ホーンスピーカーによるマルチ駆動にて、入力に忠実なシステムが実現しました。
VENU360は、デジMAX時+4dB出力が選択できますが、VENUの平衡出力を不平衡で受けると、歪率値の不安定部分や、残留雑音増加がありましたので、VENU360の出力は平衡で運用しています。

マイクラインには必須ですが、ラインレベルならバランス伝送は万能ではありません

 オーディオでは、ヘンな雑音を受けないように、平衡伝送を押す空気がありますが、ケーブルでの長距離伝送に適しても、機器の内部までも、平衡伝送を唱えるのは、いささか疑問を感じます。ケーブル内部では簡単に平衡伝送が実現しますが、パワーアンプのような、複雑な構成の機器では、パーフェクトシンメトリックなど不可能と思えます。初段アンプで発生するノイズは、ランダム雑音で、コモンモード雑音ではないので、不平衡入力と比較すると、SNが悪化します。ここは、無理をせずに、アースで遮蔽され、SNで有利な不平衡アンプでシンプルに処理する方が、理想ではないかと思います。
D級アンプは、自身がノイズ発生源、A級アンプなら心配無用です。

OKWAVEでの興味深い質問の紹介
 トランス式アッテネーターで検索をしていたら、マッキントッシュMC2250でマルチシステムのミッドホーンを鳴らし、残留雑音が大きいので、トランス式アッテネーター -15dBで使用し、それでアンプが故障、代わりのアンプでも、ピークが表示されるというQ&Aなのですが、MC2250は、半導体式でありながら出力トランスを持った250Wのパワーアンプで、誘導負荷には強いと思っていましたが、意外な事実でした。250Wアンプを-15dBした場合、約8Wのアンプと同じになります。5Wの高品質なA級アンプが妥当であるという証明です。負荷として、スピーカーではなく、トランスのような誘導負荷を接続した場合、アンプからは、低いインピーダンスが接続された状態となります。過去に、200Wマッチングトランスで、インピーダンス変換をするシステムのテスト中で経験しました。数10Hz帯では、定格電力を送れず、保護回路が動作したり、発振したりで、パワーアンプの機種変更をしても同じでした。さらに、BOSE101にトランスを取り付けて、ワンフロアをハイインピーダンス仕様で鳴らした場合、出力に見合わない大量発熱に見舞われました。誘導負荷では、スピーカー回路から大量に電力が送り返されるので、それに見合った負荷耐力が必要となります。理論と乖離した場合、現場に起きている現象が大切で、机上だけで事を構えないというものでした。取り敢えずこの現場は、オーディオ用アンプではなく、設備用の大電力アンプに交換しました。アンプ選択は、一般のマルチアンプユーザーの悩みの一端と思いますが、販売店を鵜呑みにせず、少し、専門性の高い記事を参考にされる事を望みます。


利得が低くて済む小出力アンプは、残留雑音が小さくなる
 大出力アンプは、電力増幅素子をパラ接続しますので、シンプルさを欠き、市販されているパワーアンプの実測結果や、カタログ数値も、それほど高性能ではありません。高利得故に、残留雑音も多くなります。単純に、大出力を求めなければ、利得も少なくでき、その分、残留雑音は激減します。アンプのSNは、初段の増幅素子で決まり、仮に100Wアンプの残留雑音が100μVの場合、同じ構成で1W出力アンプとした場合、利得が10分の1となり、10μVとなります。家庭での、スピーカーへの入力は、およそ0.1W程度なので、1Wでも音量不足にはなりません。能率が110dB/Wもある、ホーンスピーカー直結駆動には、残留雑音が大きいハイエンド大出力アンプよりも、低雑音小出力アンプの方が適しています。
 参考までに、A社のA級アンプは、残留ノイズ対策でゲイン16dB〜28dBまで4段階切替できます。5Wアンプで、21dBと16dBの2タイプを製作した事の妥当性がおわかりいただけるでしょう。21dBは、LT1115の安定性を考慮しての安全策で、こうした制約が無いOPA1611では、16dBとしましたが、さらに、利得を10dBにまで下げた仕様も製作、残留雑音は、2.2μV(A)でした。ただし、これは、少し音が引っ込む感じがして、16dBに戻しました。
 D級アンプが、高効率を謳いますが、有名なKシリーズの無信号時消費電力は、カタログ値で120VA、実測値で、100W以上有りました。自作A級アンプが、33Wなので、3台でマルチアンプとしても、D級アンプ1台よりも、消費電力が小さくなります。しかも、音量を上げても、A級増幅なので、電源電流が変化しません。4WAYマルチシステムでは、合計8chの純A級アンプが稼働し、他の機器を含んでも、消費電力155Wと、高効率です。
 パワー回路の電源整流は、秋月特製 超低損SBRブリッジ(スーパーバリヤーD)で、順方向電圧は、ショットキーバリヤーの半分です。これにより、信号電流に与える影響を少なくしています。平滑コンデンサのリップル電圧を観測すると、そこには、小さい値ですが、アンプ出力と同じ波形が重畳しており、低損失ダイオードは、性能向上に役立つ部品です。特殊部品を使用しないで、全て、ネット通販で入手できる部品で製作し、その主な入手先は、秋月、マルツなどです。LT1115は、どこかのサイトに、ドンシャリと評価が出ていましたが、これを気にする事はありませんでした。DACや、電子ボリュームなどで、性能アップした時、真鍮系の音がどんどん変わってくる事に気が付いていましたので、ドンシャリが悪い傾向では無いと思います。
音質感は、極めて高い分解能と、余韻に安心して浸れるという表現としておき、小音量にめっぽう強いので、音量を落として聴けるようになりました。コネクタ類は、入力がXLR、出力は、ノイトリックのスピコン+カナレ4S6で、完全プロ仕様とし、入力ボリュームも廃しており、接触不良は、皆無です。ケースは、タカチOSシリーズで、厚さ2mm以上のアルミをふんだんに使用しておりますが、決してお安くはなく、アンプ製造コストの半分を占めています。非磁性体にこだわり、、真鍮ネジの取付で、泣かされました。出力リレーは、保護回路成立の為に、必要不可欠で、良否は、歪率測定で判定します。
 民生用パワーアンプのスピーカーターミナルは、手締めのネジ式が圧倒的に多いのですが、どんなに強く締めても、時間が経てば、緩みますので、定期的に締め直すと良いでしょう。プロ音響では、確実にロックするスピコン仕様のアンプやスピーカーが有り、それに倣いました。

アンプ内部電源の実態 負荷抵抗 8Ω(スピーカー実負荷ではない)
   2020/01/05
 上は市販B級アンプのプラス電源とマイナス電源のブリッジ整流直後の平滑コンデンサに乗っている出力に応じた波形です。リップル量は0.1V/cm 0.6Vぐらいです。出力は、1W 1kHzとしています。B級ですので、プラス側と、マイナス側が交互に半波づつ電圧が生じています。コンデンサの容量は、3,300μFです。上下の波形を合成したら、出力に応じた1kHz正弦波が現れます。ほぼ直線上に並び、メーカー製品の電源トランス、センタータップの精度が高い事も証明されます。このアンプの性能は、1W時 THD+N 0.00321%(80kHz BW) SN 102.5dB(A) 残留雑音 16.6μV(A)。

+側  −側  合成 2020/01/05
 自作5WA級アンプの電源回路と、1W 1kHz出力時の電解コンデンサにのリップル波形で、33,000μFで、10倍の容量ですが、リップルも皆無ではなく、出力と同じ波形が乗ります。A級増幅ですので、正弦波1サイクルで、乗っています。合成波形は、電源トランスのセンタータップの精度が悪くプラスとマイナスが矩形波のような感じになります。定格電圧精度は、±5%で、CTと表示されていないので、やむを得ないところです。RSで扱っている2巻線トロイダルトランスなら、もう少し精度が上がるかも知れませんが、出力線が、エナメル線のまま出ていて、配線の収まりが悪く、EIコアの普通品にしました。電源電圧が、+−で対称ではないのですが、この時のTHD 0.00006%(80k) THD+N 0.00071%(80k) SN111dB(A) 残留雑音 4.4μV(A)です。理想的な2電源でなくても、性能は確保できています。
 リップル波形観測時、電源由来のノイズは発見できませんでした。アンプ出力の最上流の平滑コンデンサが、このような波形であっても、アンプは、静寂を保っています。入力にないものを出力から排除するし、出力から返されるノイズも除去できます。やたら謎呼ばわりする物では無いことは確かだと思います。正負で非対称な電源であっても、このような性能を発揮することから、この電源の一次側(商用電源側)の影響は、アンプ回路の仕組みにより、十分に除去されていると考えます。


商用電源の実態と、アンプ電源のクリーン化はこちら

 クリーン電源として、リチウムイオン電池から交流を出力して、ノイズの無い電源を供給するという、クリーン電源の宣伝動画、確かに理想的な電源ではあります。ネットに登場する検索記事は、その効用を謳うものが殆どで、反論めいたものは有りませんでした。その効用は、ノイズフロアが低下し、音がはっきりするとしています。主に、商用電源からのアイソレーションの効用を強調しているのかと思います。CDが基本的に16ビット 96dBのレンジであり、ノイズフロアを下げても、96dB以下は、ディザノイズで埋められています。96dB以下のノイズ領域に含まれる電源由来のノイズが、音にどのように影響するのか不透明です。動画の試聴は、マランツのCDプレーヤー+アンプで行われていますが、逆説的に言えば、マランツ製品が電源の影響を受けるという事になってしまいます。勿論、そんな事は無いのですが、エアコンを使用する時期は、音が悪くなるという他所の解釈にも繋がります。どこかに、人々の活動レベルの高い昼間は音が悪く、深夜は、電源がクリーンになって音が良くなるという説もありました。技術者的には、高価な電源ケーブルと同様の、納得のいかない製品が登場という感です。音響用ケーブルのキャッチコピーで、銅の純度を謳う製品が多く有りますが、例えば、アナログプレーヤーとRIAAイコライザ間のケーブルに使用すると音が良くなるとあります。RIAAイコライザーの入力回路には、信号源インピーダンス整合の為、2.2kΩの直列抵抗が入っています。1mΩ以下のの銅線中で起きる音の劣化と、2,200,000mΩの抵抗で起きる音の劣化どちらが支配的なのか考えさせられます。
 クリーン電源の宣伝動画で、マーチンのアコギが登場しましたが、私も、技術偏重ではなく、愛用しています。
 コロナによる巣籠もりで、ギター練習時間が多くなり、ナイロン弦でないと指が持たないので、クラシックギターを多用し、それに伴い、数が増えました。弦長は、630、640、650、660の4種で、表板も、松、杉それぞれで、弦による違い、ギターの材質による違いなど、音の違いは、オーディオ以上に多様です。

自作アンプといえども、量産しても安定した性能を確認
8台20ch分製作し、製造面での安定度を確認し、低雑音、低歪率性能を実証 LT1115x4台 OPA1611x2台 OPA1612(LF) OPA1611x3chの4ch仕様2台
 アンプは、高抵抗値ボリューム内部で起きる、浮遊容量による、周波数特性の変化を避けて、入力ボリュームは有りません。20ch製作して、均一な性能が得られれば、アマチュア作品としては、大成功と言えます。製作過程で、アースポイントを3mm真鍮ビスで行っていましたが、歪率測定では、ここが大きなポイントで、緩ければ、測定結果が悪化します。最終的に、4mm真鍮ビスとリン青銅歯付きワッシャー、リン青銅スプリングワッシャーに統一しました。ステンレスでも非磁性ですが、電気抵抗が1桁大きく、リン青銅品を、モノタロウ
大阪魂で入手できました。ホームセンターには絶対に無い物ですが、価格も手頃で、助かりました。
 電気性能は大いに向上しましたが、電源トランスの動作音が意外に大きく、汎用品なので、ここは我慢といった所で、トランスとシャーシ間に1mm厚の板ゴムを挟んだ振動対策で、汎用品とは思えない静かさとなり、デスクトップとしても使っています。アンプが低雑音でも、メカニカルノイズが大きくては台無しなので、更に出力を上げるには、電源トランスの静音性能も考慮しなければなりません。故に、5W出力は、総合的に見て、かなり良い落としどころだと自負しています。
電源トランスの動作音低減のために加工した1mm厚板ゴム 4φ穴は、皮ポンチで開けます 
2018/05/01
 電源トランスHTR2005用に加工した板ゴムの写真です。HTR2005は、20V中間タップ付き2回路で、OPアンプ、保護回路用の正負電源と、ミューティングの電源検出とで使用します。電流増幅パワートランジスタ部は、別トランスで供給し、電圧増幅部とは独立した電源としました。
電圧増幅部が、別になったので、3端子レギュレーターによる定電圧電源とし、OPアンプの性能を引き上げています。パワートランジスタ用電源部は、リップルが多いのですが、定電圧電源で安定なOPアンプ出力で、しっかりドライブされますので、低雑音が、簡単に実現できます。
秘密をひとつここでバラすと、OPアンプへの電源供給に、デカップリングを一段増やして、よりクリーンにしようとしたら、かえって残留雑音が増えてしまいました。それで、別の定電圧電源とし、ここでの工夫が、低雑音を実現できる元になっています。ここを読まれた方は幸運でしょう!

大出力アンプの欠点
 車もオーディオアンプもひたすら巨大化して、豪華さを強調していますが、
ジャストサイズで高性能で有ることの方が望ましいと思います。車がグローバルサイズといっても、日本の道路は、生物のように成長しませんので、結局、田舎道では邪魔者にすぎません。同じく、オーディオアンプも同様で、400W〜1kWと最大出力を誇っても、家庭では、85dBの聴取レベル止まりで、1Wもあれば十分です。用もないのに、大きな残留雑音を聞かされても、高額なアンプなので我慢して使っているというのが実情でしょう。高出力アンプだから高い駆動力という表現を見ますが、電圧が有って、電流が流れ、従って電力(仕事)となるのですから、定格出力の違いで、オームの法則が変わってしまう事はありません。ローインピーダンスへの対応力というくだりも、確かに、市販スピーカーでは2Ω台のインピーダンスとなるスピーカーが実在します。これを、8Ωのアンプで駆動できないという迷信が有るようですが、アンプは定電圧駆動ですので、このような低い負荷では、電流が多く流れるだけで、8Ω負荷で許容される電流値までは、どんな低いインピーダンスの負荷でも使用できます。電力は電流の2乗x抵抗なので、許容出力が、2Ω負荷なら、8Ω時の4分の1になるだけです。例えばアンプ出力が100Wであれば、25Wまでは普通に使用できるし、この範囲で、特に歪みが多くなることもありません。先ほどの、平均聴取レベル85dBであれば、25Wでも過剰と言えます。ただし短絡は、別で、電流は電源の能力一杯流れ、とても危険な状態となります。

大音量の健康被害
 ライブ専用の耳栓の記事があり、遮音性能は、-15dBだそうです。ヨーロッパでは、92dB以上のコンサートでは、耳栓の配布を推奨ともありました。ヘッドホンは、120dBのような大音量が可能で、大音量での感覚マヒで、難聴になりやすくなります。
平均的な能率のKEF Q70をデスクトップ環境で使用していますが、90dB/W 6Ωを、通常はピーク0.06Wで鳴らしていますが、音楽ソースを特に聴く時でも、0.6Wまでとなっています。音量は、感覚だけに頼る回転角でなく、デシベル値による管理をお奨めします。

ハイエンド大出力アンプ 1W時のSN比
 有名なハイエンドアンプが、大出力にもかかわらず、2.83V(8Ω1W)でのSN比を表示し、その値は85dBです。最大出力400WのSN比は、111dBとなりますが、どうみても良い数値ではありません。しかし、このハイエンドアンプを購入して、測定する事はできず、事実を確認する手段もありません。本当に良い音なのか、それが、スピーカーを豹変させる程の鳴りっぷりなのか、真相は闇の中でしょう。いわゆるプロ音響界における、高級品に数々触れて、アンプとは、このような物であるだろうという、概念はおおよそできています。そうした中で、自家用アンプを製作するのに、重視したのは、実用域での性能の良さです。MCヘッドアンプにもなりうる1nV以下のノイズ性能であるOPアンプが数百円で購入でき、その結果として、2.83V時のSN比は、110dB(A)、THD+N 0.00033%(A)、とハイエンドアンプでも実現しない高性能になりました。
低雑音にこだわるなら、不平衡が有利で、完全な対称性が命となる、複雑なフルバランスアンプ(平衡)は見送りました。A社のアンプ解説で、リニアリティの良い5W分を1組のパワートランジスタに持たせているからわかるように、最小分の1組5Wのみで、シンプルにして、高性能を得ました。オーディオメーカーも本当の所と、商品としての魅力の狭間でお悩みとは思いますが、企業が存続する為の努力も、大いに評価しておきたいと思います。
引用資料 TI社 JAJT010によれば、OPアンプのノイズフィギアは、実測値で 非反転11.5dB 反転13.0dB 完全差動30.6dBとなっています。適切なシールド処理をすれば、不平衡アンプの方が、低雑音です。Luxman M-200のSN比が102dB(BAL) 107dB(不平衡)と正直に記載されており、好感が持てます。出力25W+25Wで、無信号時消費電力30Wと、B4サイズで、コンパクトなパワーアンプです。

スピーカーの入力とアンプの出力の関係
 You○○○○などの動画や、ネット記事で気になるのは、ハイパワー信仰と、そちらへ誘導しようとする根拠の無い論説です。例えば、10W入力と100W入力のスピーカーが有れば、100Wの方がパワフルだろうと考えてしまいますが、我が家の102dB/Wのスピーカーと、82dB/Wの市販小型2WAYスピーカーを比較した場合、1Wで、102dBのスピーカーを鳴らした音量と、100Wで82dBのスピーカーを鳴らした音量は同じです。古典的な高能率SPに慣れた人から見れば、音が小さくなって壊れているとさえ思えるほどの音量しか出ないのが、最近の小型スピーカーです。
 家庭での平均聴取レベルは、85dBを越える事は滅多になく、それに要するアンプ出力は0.1Wです。すなわち、0.1W出せば、事が足りるのですが、何故かピークマージンを考えて100Wやそれ以上のアンプでないと不安を感じる人が多いのではないかと思います。その不安をあおるように以下の説明には驚きました。メーカーの営業さんは、このような説明をして、大出力アンプを是としてきましたが、確かに、大出力アンプでは、大振幅でも綺麗に出力が出ますが、小出力も、頭が切れる範囲以内までは、綺麗です。そして、図のような事態になったら、○部分が発生し、これを原因として、奇数次の高調波が発生します。そして間違った解説 
平坦部で直流が発生 ? と続きます。しかし、平坦であっても、上下均等なので、これも交流であり、直流成分は有りません。奇数次高調波が増えるだけです。この部分を直流と称して、直流が流れ、ユニットが張り付き、焼けてしまうから小出力のアンプは怖いという説明です。実際のところ、ホーンツイーターに矩形波(真四角な波)を直接入力しても、焼ける事はありません。焼けるのは、長時間の過大電流による温度上昇によってであり、入力した電力に関係しますす。その電力の加え方で、連続正弦波と、ピンクノイズでは、差が出ます。連続正弦波に対しては、耐入力が小さく、ハウリングなどで、ツイーターが飛びます。アンプによっては、クリップ時に発振する物があり、耳に聞こえない高周波であれば、音も無く壊れる事もあります。その他に大出力アンプを通電中に入力を接続した際のショックノイズでも焼損します。普通に85dB程度の音量ならば、アンプ出力の大小が破損につながる事はありません。オーディオ用ツイーター正味の耐入力は、極めて小さく、正直に表示されてない製品が多くあります。ピンクノイズで、100W入力とされていても、3dB/octでパワーダウンするのが、ピンクノイズなので、ツイーター帯域での電力は、1Wに過ぎません。矩形波を100Wアンプで入れたら、あっという間に焼けます。
もっと凄い解説文では、小出力アンプを危険視するような表現が有ります。100Wから5W出力のアンプにスケールダウンして、2年以上経過しましたが、事故は皆無です。
← 完全なミス解説であり、丸まっていても、切れていても0Vを上下対称にに挟んでいますので、直流成分はありません。

 超ハイエンドスピーカーの取扱説明書日本語部分にも、アンプが飽和して
スプリアス信号を出して、ツイーターを損傷するという表現があります。スプリアス信号とは、アンプが発振する際に、電波として放射される成分を言いますが、電波がスピーカーを破壊することは無く、あくまでも、入力信号に含まれない、発振による高周波出力が、スピーカーケーブルを通して、過大出力され、焼損に至る事が正解です。現在5Wという小出力アンプで、スピーカーシステムを鳴らしていますが、小ささ故の破損事故はありません。デジタル音源では、0dB以上の信号は無く、ボリュームMAXで、最大出力とし、それから絞り込む運用をしていますので、どの周波数帯でも、クリップする事はありませんので、従って事故になりません。CDや、ネット音楽では、0dB以上が無いという制御された信号ですので、心配無用です。全ては、大出力アンプが存在価値を失わない為の方便でしょうが、1.2kWものアンプの出力メーターが、動画で見れば、1.2W以上を示さないのが現実で、30dBものピークマージンが何の為に必要か、よく考える必要があります。
同じ項英文では、Choosing the right amplifier
It is not an excess og amplifier power that can damage your loudspeakers and speaker drivers but a lack power. Moreover ,if the volume is turned up too high,the amplifier saturates and generates parasite signals that may damage the tweeter. ・・・・・・・・・ Your retailer will be able to help you choose the amplifier best suited to your tastes and budget.

スプリアス信号とは書かれていません。アンプボリュームを上げていると、アンプが飽和したり、寄生振動が発生して、ツイーターにダメージを与えるというのが適切です。英文は、適切な表現ですが、日本語訳は、誤訳で、理系ならば、ピンときます。

 次にスピーカーのインピーダンスと、アンプの定格負荷インピーダンスの関係で、スピーカーを、抵抗器のように、抵抗一定とみなし、直並列の計算をする例です。これは便宜上そのような計算をするだけで、スピーカーの公称インピーダンスは、低音からスイープして、低音域の山を越えて、一番インピーダンスが下がった時の値であり、周波数が変われば一定ではありません。大半の周波数で、それよりも高いインピーダンスになります。TV番組内でお馴染みのEV SX300は、100Ω以上の帯域があり、それでも表示は8Ωです。ただし、リボンツイーターでは、ほとんどインピーダンス変動はありません。それ以外に、このようなインピーダンス変動を嫌い、並列に補正CRを付けたスピーカーもあります。
 まとめて言えば、アンプから見た負荷インピーダンスは、ある一点の周波数(300Hz前後が多い)にのみ、定格値どおりで、定格8Ωというアンプでも、計算上2Ωのスピーカーを取り付けても普通に鳴ります。同じボリューム位置でも、8Ωより大きな音量になりますので、迫力が有るなどと勘違いしないで下さい。アンプが出している電力は、ボリューム位置とは無関係で、あくまでも、音の大きさに関係します。当然、音が大きく感じられれば、アンプの出している電力は大きくなります。


5W出力の、スピーカー音圧について
自由音場では、スムーズに減衰しても、居室内では、反射音で、音圧が高くなり、必要なパワーも少なく済みます。
最近の低能率2WAYスピーカーと、古典的な高能率自家用4WAYスピーカーシステムの音圧計算結果は以下のようになります。6Ω駆動時は、アンプ最大出力が増加する事を加味。30畳部屋で、9mx5.4m。水色が自由音場(屋外に近似)黄色が、室常数750の居室の場合です。
低能率 6Ω 85dB/Wにて 94.3dB SPL at 2m 7mまで85dBキープ

高能率 8Ω 102dB/Wでは 110.2dB SPL at 2m 7m以内なら100dB以上あり

 工学的な音圧グラフですが、このような減衰曲線は、専門書でも珍しいと思いますが、これは、かなり以前に研究用で開発した拙作ソフトウェアです。2mでの音圧値は、6畳〜8畳程度のリスニングルームを想定しています。自由音場では、直線的に減衰しますが、居室内では、残響が有るので、距離が離れても、ある音圧に収斂します。必要な音圧は、85dBなので、能率の低い現代スピーカーでも、5WアンプでOKという事です。102dB/Wのアルテックタイプウーハーならば、5Wでも、難聴の危険が生じ、5Wフルパワーでは使用できません。
 30W程度の真空管アンプで、映画を上映する為の、有名なA7は、103dBというカタログデータです。上のグラフでは、20m離れても結構な音圧が得られています。実際の映画館は、もっと残響の多い環境ですので、音圧的には十分確保されますが、ライブ空間という事で、ホーンスピーカーで、Qを上げ、明瞭度を確保しなければなりません。その為、ウーハーもショートホーンとして、奥行きのあるセクトラルホーンとでタイムアライメントが一致している、A7のライブな環境でのパフォーマンスは相当なものだったでしょう。JAZZ喫茶でも、A7ならば、Qが高いので、忠実度の高い音が出せます。


大出力アンプ特性 実測例
 某チューニングショップ 大出力アンプ 
2017/10/09
メーカー製 出力380W+380W 重量38kg 大出力パワーアンプの歪率実測結果 0.01W時0.02%越えです。
0.01W時で0.01%を切るか切らないかが、解像度の目安と思いますが、最近は、こういった測定結果が公表されず、スペックと、音質が別物という噂で、代用されています。
THD+N特性では、歪率は、出力増加と共に、直線的に下がり、性能限界から暫く横ばいが続き、上昇が始まってクリッピングポイントで一気に上昇します。

アンプ評
 オーディオは趣味の世界なので、真空管サウンドを否定しませんが、出力インピーダンスが高いので、スピーカーの音圧特性がドンシャリに変化します。修理をしている時に思うのは、マイクロホニックノイズと、指を近づけただけで、誘導ノイズが発生する性質が、アンプという筐体内で、エコーチェンバーのような動作が有るのではないかという疑問があります。電源トランスや出力トランスは、電磁雑音とは別に、空気としての音を出しており、振動発生源になっています。ギターアンプでは、チューブの歪みや、それらの雑音は、楽器としての表現力に利用でき、パワーステージのみ、真空管を用いた製品も有ります。音質=真空管>バイポーラトランジスタという宣伝から、アンプでは、疑似真空管=MOSFETが多くなりましたが、入力容量1000pF以上と、
真空管300Bの8.5pFとは大きな違いが有り、MOS-FETをパラレルプッシュプルで使用すれば、更に、入力容量が大きくなります。入力インピーダンスが高いから、前段に影響が少ないという解説は不適切で、ドライブ段のエミッタフォロアは、コンデンサを駆動するのに、大忙しです。真空管の呪縛から逃れられず、苦しい言い訳に聞こえます。半導体サウンドでしか得られない、魅力有る超低音を経験すれば、オーディオライフがより充実します。ハイエンド製品を組み合わせるだけでは、そのような高品質な音には到達できません。ケーブルや、コンセントを変えたぐらいで、音が変わるようでは困ったシステムだと思います。良くできた物どうしであれば、差はありません。スピーカーならば、ピストンモーション領域の音は、差が少なく、音質の違いは、それ以外の怪しい動作領域が支配的です。

OILコンデンサについて
 音質にうるさい方の定番お奨め品がオイルコンデンサですが、ビンテージ品を珍重する際に、問題となる部品で、漏れ電流が多く、真空管アンプのカップリングでは、バイアスの変動が発生します。普通のテスターでは、抵抗値が∞でも、実は、高電圧をかけると、そうでは無くなります。アンプ修理では、250Vの絶縁抵抗計で確認を行っています。MQ60修理時には、軒並み絶縁不良で、メタライズドPPコンデンサに交換しました。

追加:KT88 A級シングルアンプ評
YouTube動画を見ていると、真空管アンプを礼賛する物が非常に多く、いかに宣伝が行き届いているかを思い知らされます。ヤフオクを見ると、人気が有るのか、高額で取引されています。余りの人気振りに、ついつい1台くらい使ってみようかと考えていたら、タイムリーにも、KT88A級シングルアンプを修理する事になりました。A級シングルで、10W出力の堂々たる風貌です。消費電力105W クロストーク 1W時 59.13dB 1kHz 60dB(入力短絡)44.6dB(入力開放) 10kHz 残留雑音(入力短絡)180μV(A) 2.86mV(80KHzBW)

左がKT88 A級シングルアンプで、右が愛用している、LAPT純A級アンプです。ダンピンファクターは、KT88アンプ 
1.46 LAPT純A級 50.2(4S6 3m SP端にて 実使用条件)
THD同士の比較で、真空管では、-60dBがやっとで、LAPT純A級アンプでは、かなりの範囲で、-120dB以下で、可聴限界以下となっています。低歪アンプが音が良いかと言えば、そもそも論として、録音時の歪みが浮上し、低歪アンプの方が、それを際立たせてしまうという、逆効果となる場合が多く現れます。しかし、低歪率、低雑音のアンプを求めるのは、それでも、忠実性を求めるからであり、間違った考えでは無いと思います。歪んで嫌な音が出たとしても、録音源がそうならば、受け入れし、いつも、同じ音が出る方が良いと、評価をシフトすれば、問題は無くなります。音源にコンプ歪みが内在していたとしても、それを含めて作品として受け入れたいものです。

真空管アンプの矩形波応答 8Ω抵抗負荷
1kHz 矩形波 8Ω抵抗負荷   10kHz 矩形波 8Ω抵抗負荷 2020/07/23
矩形波ですが、リンギングが有ります。よくある安定度試験で、負荷にコンデンサを並列に抱かせる事を行いますが、負荷容量無しでもこのような波形です。

特徴的な低ダンピングファクター
KT88アンプの特徴は、何と言っても、低いダンピングファクターです。真空管アンプ時代は、DF=3が具合が良いとされていまして、何とそれより低い、DF=1.46の音は、電流駆動的になり、やはりドンシャリで、独特なダイナミックスの音に変化しました。
参考:スピーカーケーブルメーカー、カナレの説明では、ケーブルを含めたダンピングファクターは、20〜50が、実用的な要求レベルとしています。音響ホールでは、4S11を使用し、できる限りの努力はしていますが、仕様上の限界が有り、その面での劣化は容認されていますが、やはりボワッとした低音になっています。自作したLAPT純A級アンプでは、4S6ケーブル3mで、DF=50.2となっており、極めて妥当な値で、専門分野のホール音響を凌いでいます。
 DFが低いことにより、定電流駆動に近づき、原音とは、かなり異なった鳴り方なので、ダイナミックス面で、違いが創出されています。趣味オーディオであれば、原音より艶やかな音を賞賛しても良いと思いますので、ロクハンなどで、楽しむなら、真空管アンプも選択に入ります。好ましく感じるだけで、事を進めるならば、これも一つの選択でしょう。厚みのある音は、歪率の高さも原因の一つで、同じ電力で、感じる音の強さは、歪みが多いほど増します。消防サイレンの電子化時に、作りやすい正弦波で作って、電力の割に音が届かず失敗して、矩形波に変更しました。ピアノも、1音づつ弾けば、おとなしい音ですが、オクターブで弾けば、重厚な演奏に変わります。

半導体アンプ:LOUDNESS使用は躊躇しないで つまらなく感じるのは、小口径SP小音量時の宿命
 半導体アンプをお使いの方は、動画サイトの宣伝に惑わされ、真空管サウンドでないと、と思い込んだりする事も有るでしょうが、決して卑下する必要はありません。特に、真空管の音が柔らかいとか暖かみがあるという主張は、全く的はずれです。構造的にマイクロフォニックノイズが有り、それを延長した音が、真空管サウンドの特徴なので、ある種の音源では、澄み切って、しかも、厚みのある音である事は間違いありません。しかし、半導体アンプは、CDと時代が重なっており、悪評は16ビットCDに起因する事が多くあります。是非とも、アナログレコードの音を半導体アンプでお聴き下さい。真空管アンプの特徴的な音が、半導体アンプでも再現できます。しかも、ローエンド、ハイエンド共に、雑味の少ない音で、
解像度も高く、長時間聴いても飽きが来ません。同じく96kHz24ビットの音も、アナログレコード的な響きがする筈です。寿命も長く、手放すにはもったいない逸品です。音質比較で、真空管アンプに劣るという動画が良く有りますし、実際にそう感じるのも経験していますが、DFの低い音が主原因です。小音量時、人の聴覚感度を補正する為に、プリメインアンプには、LOUDNESSが付いており、それをONにすると、解像度が上がったように鮮やかに聞こえます。補正量が行き過ぎたら、トーンコントロールで補正します。YAMAHA CA-1000Uで装備された、コンティニアスラウドネスは、他社に無い優れたコントロール手法で、廃止になり、残念でした。同じく、A-2000aでは、自社のブックシェルフSPの低域補正回路付きで、リッチネスという名称です。


マルチシステム開発ヒストリー:デジタルミキサーから、純A級アンプにまで
 adat 8chデジタル伝送(48kHz24bit) と、PCM48kHz、96kHzの比較実験を行う  2004/12/26

2002〜2008年
 96kHz24bitハイレゾ音源 デジタルミキサー活用 CD自主制作 マルチアンプ駆動実験まで 最初は中級オーディオファン

 オーディオは、かつての隆盛期を知る者として、現状は非常に寂しいものとなっています。かく言う私も、2008年(平成20年)までは、15インチ3WAYスピーカーを、MOS-FETプリメインアンプで、好きな音楽を聴くという、中級オーディオファンで、振動や、電線の音の違いは、頭が痛くなるだけで、百害有りと、関わらぬようにしていました。
2002年
、CDとは次元の違う(今で言うハイレゾ)、96kHz24bitデジタル音源を得る為に、UA-5を購入し、efuさんのWaveSpectra、 WaveGene等のソフトを駆使して、パソコンとの関連を研究。縁有って、アマチュアライブのPAを手伝うようになりました。馴染みの楽器店で、中古デジタルミキサーProMix01を購入し、その性能に触れてみました。スチューダー録音卓のように、モーターフェーダーで、一気にシーンチェンジできる事に圧倒されました。48kHz20ビット機でしたが、デジタル出力を、PCでデジタル録音し、ライブCDを作って、演奏者にプレゼントしました。これにより、デジタルミキサーの将来性が有望と思い、時代に乗り遅れぬよう、2004年、96kHz24bitデジタルミキサー01V96V2(当時\250,000)を新品で購入し、その実用性などの研究を行いました。コンデンサマイクや、マイクスタンドも買い求め、8chデジタル伝送adatも使用してみました。2005年には、録音した24ビットマスターから、CDを制作。勿論、デジタルミキサーは、良い所ばかりではなく、運用レベルを下げたとき、ギザギザの出力となる体験もしています。このような不都合は、なかなか表面化しませんが、実際に使用して、初めて知り得る情報であろうかと思います。この体験がきっかけとなり、デジタル音源を MAX=0dBFS のままDA変換し、アナログ段階で、パワーアンプに必要とされる音量を確保するという音量調整システムを採用する事にしました。
 2008年頃は、小型スピーカーも各種所有するようになって、それらの周波数特性や、歪率測定をWaveSpectraで行っていました。その結果、小型スピーカーは、再生帯域の何処かで、必ず歪みが多くなる所があり、大型スピーカーとは差が有る事がわかりました。
 仕事が、PA機器修理から音響ホール保守にシフトしていった結果、SR用スピーカーや、その駆動形態に触れることができました。ホールでは、15インチのウーハー、HFドライバー+ホーンの2WAY構成が多く、大半が、マルチアンプ駆動されていました。キャノンコネクタ、ノイトリックスピコンなど、家庭用オーディオとは違う、プロ現場ならではのパーツと、関わるようになりました。この時まで、マルチアンプ駆動と、LCネットワーク駆動では、同じスピーカーを鳴らすのだから、さしたる音の違いが無いと考え、自家用スピーカーは、1台のプリメインアンプによるLCネットワーク駆動でした。
 使用していた1984年製38cm3WAYが、20年以上経過しており、引退時期と考え、スピーカー入替前に、3WAYマルチアンプ方式を試してみました。マルチアンプ方式は、聴感だけの判断ではなく、ピンクノイズで、正確なレベル調整する必要がありますが、測定器自体が高価なので、購入できる筈もありません。そこで、ピンクノイズによるエネルギー測定ではなく、マルチメーター程度で調整が可能になるように、周波数が変化しても、振幅が変化しない、ワーブルトーンを用いる事にしました。WaveGeneで1オクターブバンドと1/3オクターブバンド幅のワーブルトーンを作り、実験に使用しました。


2008年末 ウーハーにディレイ(遅延)を掛け、音の変貌ぶりに驚く 廃棄前のマルチ駆動好結果により、廃棄を翻意
 廉価な、CX3400を入手して、実験を開始。CX3400は、LFchにディレイが掛けられる仕様でしたので、配線が済んで、試聴段階で、ディレイを操作してみると、かなり音色が変化し、ある所で、パット明るくなるような箇所が有ることに気付きました。この後、しばらく、この変化を確かめるように、色々と試聴をしてみました。大きく変わったのは、ピアノの音で、リアリティが出たという事と、シンバルの音が、
JBLのような分厚い音に変わったという事で、これは驚きでした。曖昧なアナログディレイでの変化ぶりから、デジタルディレイならばもっと正確な最適値が、ツイーターを含む全チャンネルに設定できると考え、その仕様を満たすDCX2496を2009年に入手しました。DCX2496は、デジタル入力がプロ仕様のAES/EBUなので、デジタルフォーマット変換用としてSRC2496をセットで購入しました。
2009/04/14 2波トーンバースト使用の遅延実験

2009年 デジタルチャンデバで大きく変貌
LCネットワークを捨て、DA変換 → 6連マスターVR → パワーアンプ → SPユニットへ直結

 2009年は、DCX2496導入により、システムが大きく変貌しました。メインの3WAY SPは、LCネットワークとアッテネータを取り外し、SPまで直結としました。0.5Ωと接触抵抗が大きいフォンプラグも、接触抵抗が低いスピコン入力に改造し、内部配線は、LFとMFを4S6にて等長で接続しました。20kHzでの再生レベルに難が有った、ツイーターは、FOSTEX T90Aを外付けして難を解消。同時進行で、アルプス製モータードライブ式6連ボリュームによる、マスターボリュームを自作し、パワーアンプの音量設定をシンプルなものとしました。
2009年11月
には、時々歪みが出るパワーアンプの問題点が、古くなった出力リレーが原因であることを解明し、所有アンプのリレーをG2R-2-AULに換装して、音質の不安定さを解消。30kHz超となった高域再生能力とバランスする為、超低域を、18インチウーハーを加えた4WAYシステムとして、現在にまで至るマルチシステムが完成しました。最初は、SPユニットのタイミング調整は、2波のトーンバースト波でしたが、よりシンプルな1波のトーンバースト波にしました。このようにして、捨てるつもりのスピーカーが、全く最新の音へと変貌しました。大金を使わなくても、庶民レベルの予算で、ホール音響(保守点検で日常的に接している)をも凌ぐ事が可能となり、この感動と実現手法を皆様に発信する為に、ホームページを充実する事となり、現在に至っています。

2010年 アンプ機種統〜アナログ6連ボリュームに代わり、ギャングエラーが少ない6連電子VRを製作
 このように、どっぷりとオーディオの世界に再び浸かってしまいましたが、機材を全て新品で購入していては、財布が保ちませんので、あまり進歩していないアンプは、ネットオークションで安上がりに揃える事にしました。パワーアンプは、重厚長大で、しかも割高でしたので、プリ部と、パワー部が分離できるグレードの、プリメインアンプ中で選ぶ事にしました。
 まずは、手持ちのアンプと合わせる為に、SONYのMos-FETアンプを入手、安価で短時間に揃える事ができました。Mos-FETアンプの次は、オーソドックスなバイポーラトランジスタアンプという事で、オーディオの足跡を参考に、手頃なアンプを求めましたが、人気機種は、かなり高額で、落札も難しく、少し仕様落ちの
SANSUI AU-α607XRを落札しまして、性能比較を行いました。艶っぽい音のFETアンプに対し、低雑音で高解像度の607XRとかなり迷いながら、4WAYマルチアンプシステムは、SNが良い607XRで統一する事としました。現在までに、607XRは、6台、MR、NRAがそれぞれ1台で、合計8台入手しました。607XRは、バランス出力であり、これに相当する現行製品を購入していたら、かなりの金額になります。
 2011年
は、電子ボリュームIC PGA2311PAにより、6連ボリュームを製作しました。アナログボリュームと比較し、ギャングエラーと、クロストークが少なく、音量の精密な制御が可能となり、-40dB以下の微少音量でも、明確なステレオ定位が得られるようになりました。アナログボリューム時の、-25dB以上で音がうるさくなる現象は、電子ボリュームを実用化している段階で解消されました。音量ステップは、0.5dBでかなり正確です。PGA2311PAは、電源電圧がDACと同じ±5Vで、余分な増幅を必要としません。他方、±15V系ICでは、プロ音響のデジタル機器には対応できますが、0dBFS時+22dBuの信号を+4dBuまでパワーアンプで、レベルダウンしており、信号の無駄な増減が、音質の劣化につながります。これがPGA2311PAを使用した理由です。
2013/06/17 真空管式プリアンプCL35Uチェック中 ヒーターDC点火で、質の高い製品でしたCL35U ヘッドホンアンプの改良はこちら

2012年〜2014年
Mos-FET、バイポーラTR、真空管、スイッチングアンプ(デジタルアンプとも言う)の各方式と、スピーカー負荷との関係を熟知 理想の点音源とされる同軸2WAYスピーカーを3組入手

 
2012年にて、マルチアンプシステムは、ほぼ完成し、アンプと、マルチシステム用SPユニットの購入も一段落しました。マルチの次は、理想の点音源を体験したいと思い、2012年暮れ、KEF製同軸2WAYスピーカーQ15を入手し、マルチシステムとの比較を行う。同じ頃、アナログレコードを大量に譲り受け、デジタル保存。LUX真空管アンプMQ60の修理を行うチャンスがあり、真空管アンプの音質や物理特性などに触れる。デジタルパワーアンプ(スイッチングアンプ)も、音質や物理特性のデータを収集し、各アンプ方式を比較。
2014年
は、KEFのQ70も入手し、現在の高級品スピーカーレベルの4WAY構成を味わうことが可能になりました。同軸2WAYの元祖TANNOYの12インチスピーカーも3台入手でき、うち1台は、高音ユニットの磁性流体交換を行いました。同軸2WAYも、ホーン、ドームの2方式を比較できるようになり、これらと、4WAYマルチシステムとの比較もでき、常人とは異なった体験ができたと思っています。一般には、理想的な点音源再生と評される、同軸2WAYですが、リスニングポジションは、センターから少し離れると片寄りが顕著になります。同軸2WAYの3システムを交互に使用できる環境での検証の結果、センターで聴かなくても、定位が安定しているという、評価は正しくありませんでした。それと比較して、直線上にSPユニットの中心を揃え、ホーン開口面も揃え、リスニングポジションへの各ユニット音の到達時間を整合した、4WAYマルチシステムの方が、定位が安定しているエリアが広く、どっしりとしています。ホーンツイーターは、リスニングポジションにおける、耳の高さに設置すると良い結果が得られます。奇数次歪みが多いドームタイプ同軸2WAYは、ニアフィールド用、距離が取れる場合は、奇数次歪みの少ないホーンスピーカーが優位と考えるべきでしょう。

2015年〜2016年
SPシステムもほぼ完成で、仕上げにオーディオアナライザーを入手し、セラミックコンデンサーによる悪影響を検証 その結果より、チャンネルデバイダーを改造

 2015年になると、自家用スピーカーシステムは、落ち着いて使用できるようになりました。業務のキャリアアップの為、自家用でオーディオアナライザーVP-7722Aを入手し、自己所有のアンプや、チャンネルデバイダーなどの歪率、SN比測定などを行いました。更に、APのアナライザーも使用する機会に恵まれました。このような測定器が有れば、、ゼロの数を追いかける、測定マニアになりそうに思えるのですが、そうでは無く、オーディオアナライザー導入の成果として、機器に使用されていた、セラミックコンデンサーによる、歪率特性悪化の実態把握と、改造による特性改善にまで踏み込む事となりました。
セラミックコンデンサーによる歪率特性悪化とは
 音響機器のTHD+N歪率値は、出力が上がるにつれ、低下していきますが、オーディオ信号が大きくなると、途中から反転して、歪率が悪化する機器に遭遇しました。これを解析してみると、音声回路中のチップタイプの積層セラミックコンデンサーに原因がある事が判りました。コンデンサ歪みでネット検索すると、DC電圧がかかると容量が変化して歪むという解説も多くありますが、全く直流がかかっていない回路での測定結果であり、この説明では不十分です。コンデンサに交流信号を通すだけで、歪みが発生している事実が重要であり、その原因を取り除く事は、純粋なオーディオ環境構築に、重要な作業です。問題を発見した時のコンデンサの容量は2200pFでしたが、470pFでも発生することがわかり、以後のコンデンサに対する考えは大きく変わりました。動作原理上から部品を吟味するのではなく、実際の測定結果から判断するのが、この問題を防ぐ方法です。最近に秋月で購入したMLCCタイプ積層セラミックコンデンサ47pF、220pFがそのような歪みが発生せず、同じタイプの0.1μFでは盛大に歪みが発生します。このように、測定しなければ判らない事にも遭遇しています。是非とも・・・だからという決め付けではなく、必ずデータを取ってみる事が最善の方法かと思います。小容量コンデンサでは、マイカコンデンサもどうかと思い、62pFと100pFを入手し測定を行いましたが、フィルムコンデンサよりは、やや劣るような歪率性能でした。47pFのフィルムコンデンサなる物も入手しましたが、こちらは全く問題有りません。銅箔タイプのスチロールコンデンサも測定しましたが、通常のスチロールコンデンサとの違いは全く有りませんでした。
きっかけになったチャンネルデバイダー歪率測定結果 
2015/12/01
オーディオ信号がセラミックコンデンサを通過する事で、0.2V以上の出力では、歪みが上昇しています。フィルムコンデンサでは、10Vで、0.0008%ぐらいです。ただし、OPアンプのVcc、Veeピンのデカップリング用0.1μFは、セラミックコンデンサが最適なので、誤解しないでください。

2017年
LM3886パワーアンプ/LT1115 MC専用RIAAイコライザーと、低雑音4WAYマルチ用5WA級パワーアンプ

 インピーダンス測定の信号用源に使用した単電源のTA7252APパワーアンプが、2電源使用のOPアンプ部と相性が悪く、信号を共用すると、ハムが出て対策に苦労していました。それならばと、2電源で使用できる、
パワーIC LM3886を使ってみる事として、一応の成果を得ました。電源ハムから解放され、残留雑音が、98μVと優秀で、THD+N 0.0038% とまずまずでした。気を付けるのは、思ったより、安定度が低いという事で、結構、発振しやすく、NF定数には注意が必要です。後は、電源OFF時のミュート回路の工夫をすれば、実用可能です。
LT1115でMC専用RIAAイコライザー自作
 真空管式プリアンプCL35Uを修理して、アナログレコード試聴を行い、12AX7の鳴りっぷりの良さと、どことなく、くすんだ自家用アンプのRIAAイコライザーに物足りなさを感じていましたが、ここを埋めるべく、RIAAイコライザーの自作に取り組む。FETヘッドアンプ+OPアンプ構成、完全ディスクリート、OPアンプだけの構成とあれこれ悩みましたが、トラ技 黒田先生の記事に影響を受け、最近の低雑音OPアンプで作ることにしました。記事はLT1028による、MC用イコライザーアンプでしたが、関連するOPアンプのデータを調べているうちに、LT1115に辿り着く。オークションで、データーシートと同じ回路の基板が出ており、これに挑戦。LT1115 秋月¥450で入手、容量負荷駆動用パワーバッファLT1010が入手できず、マルツ\547で入手。イコライザー偏差を追い求めたが、温度ドリフトの問題で、0.02dBの壁に当たる。実測結果は、±0.1dB以下を余裕でクリア。この基板は、MM-MC切換可能ですが、EQ偏差を厳密に追求すれば、それぞれ専用が望ましく、MC専用として製作。
 気になるSN比は、1kHz 5cm/sec DENON DL-301Uで、74.3dB(A)で、自家用機とは、7dBの改善という結果となりました。入力換算雑音は、-144dBVです。OPアンプでも、これだけのSNが確保でき、聞き古したアナログレコードから、新たな音の発見という楽しみができました。
自作で成功する秘訣は、EQ偏差や、LRのバランスに関係する部品を、徹底的に選別する事で、大量に部品が残りますが、できあがった物の完成度の高さにより、無駄は感じません。電源は、PSRRが高いOPアンプなので、ディスクリートアンプのような厳格な低雑音電源は必要なく、3端子レギュレータでも結構いけてしまいます。
4chマルチ用 4chA級パワーアンプ x2台 自作
 LT1115を万一に備えて余分に購入し、余りましたので、トラ技 黒田先生の2017年5月号を参考に、OPA1612を、TRIM端子の有るLT1115に置き換えたA級アンプを、製作しました。マルチアンプシステム用とし、LMHの3入力で、出力は、その3chプラス、70HzLPF経由のSLF用で、計4ch分内蔵です。LM3886より10dBほどSNが良く、音響ホールで、今まで測定したアンプと比べても、特筆物の低雑音になりました。4chパワーアンプですが、1台でステレオの片チャンネル分の駆動をしますので、チャンネルセパレーションに不安の無いツインモノラルと見なせます。
 小出力A級アンプは、電解コンデンサの耐圧が低くて良いので、大容量を使用しても、コスト面で有利で、電源トランスも小型で済みます。保護回路は、各chの中点電圧と、放熱板の温度上昇に対して動作します。ヒートプロテクションは、テストモード43℃ 通常動作67℃で、当然テストモード時では、保護回路が動作します。製作過程では、誤配線により、トランスの二次電流が9A流れたような場面もありましたが、部品破損もなく、完成に漕ぎ着けました。放熱板のざらついた面は、放熱用グリースをできるだけ薄く塗布し、密着度を上げてネジ止めします。量産では有りませんので、できるだけ丁寧に密着させました。調整中、間違って通電時に部品交換を行ってしまい、ドライブトランジスタ短絡故障により、過電流にて、アンプがオーバーヒートしましたが、温度保護により、大事故にならずに済みました。エミッタ抵抗は、黒田先生は0.47Ωですが、本機は、0.22Ωなので、熱暴走の危険があるとのご指摘もあり、TC622EPAで、サーマルプロテクションを掛けたのが、幸いしました。2ch仕様では、放熱効果の高いOSシリーズで、67℃設定で十分でしたが、4ch仕様が、上部が開口付き鉄パネルなので、温度上昇が大きく、エアコン無しだと保護がかかり、設定温度を69℃にしています。


発振で、性能を妥協した自作A級4chアンプ → 2018年版では、それを解消しました
 
残留雑音は、試作段階で、4μV台(A)でしたが、4ch組込動作時は、8μV(A)前後と悪化しました。3chまでは、順調に動作しても、4ch目が接続されると発振気味となり、対策として、利得を上げるのと、電圧増幅と、電力増幅のアースポイントを分離して、安定度を稼ぎましたので、最終的には、20μV(A)前後と不本意な結果となりました。リベンジで、後に2ch仕様を製作し、性能面では、これにより完結しました。その翌年は、2ch製作の経験を活かし、4chアンプも、OPA1611にリファインして、念願の1桁μVを達成。
4ch A級アンプ Lch用 放熱板と、出力コイルは、YAMAHA MX-55から流用 SLF用LPF70Hz 電源トランス3個使用しました。2017年版 2017/07/30

下は2022年版 2018年にシャーシーを交換して、放熱を見直し、2022年は、LPF周波数を3段階選択、平滑コンデンサを並列に増やし、66000μFx2へ
 上を改良した 2022年版 A級4chアンプ 2022/06/11

 電源トランスは3個から2個になり、パワーアンプ部は、サンスイアンプの物を流用し、ブロック化しましたので、内部配線はスッキリとしています。OPアンプは、OPA1611で、今回は、マルツ経由Degi Keyルートにて手配しました。OPA1611は、LME49990と非常に近いスペックで、ユニティゲインでの使用が保証されていますので、低利得にしても、発振する可能性が低く、扱い易くなっています。LFアンプは、2回路入りのOPA1612を使用し、LF入力を、ボルテージフォロアにて、リンクウィッツフィルター 24dB/oct 50Hz LPFに入力し、SLF出力を得ています。ボルテージフォロアは、入力インピーダンスの低い、反転アンプを駆動し、位相反転及び、半固定ボリュームで、利得を-10dB〜0dBまで可変できるようにしています。フィルター回路は、直列抵抗が47kΩと大きいので、FET入力のOPA2134を使用しています。又、ハイインピーダンス回路なので、アンプ基板との間では、シールド板を取付けました。アンプは、全ch同利得(15.6dB)として、多様な用途に対応。

アイドリング電流変化時の、歪率特性変化(B級からA級まで)
 このアンプで、アイドリング電流を変化させた歪率特性を測定しました。0.1mA 1mA 10mA 100mA 200mA 測定結果は、10mAを越えると、差がわずかとなり、ヒアリングでもその差が感じられなくなりました。通常のアンプでは、40mA〜60mAを流して、AB級動作としていますので、アイドリング電流による問題発生は、それほど考えなくて良いでしょう。1kHzでの歪率特性を以下に紹介しますので、参考にして下さい。100mAと、200mAでは、殆ど同じですので、100mA以上有ればその差はわずかとなります。
アイドリング電流で迷ったらこのデータを参考に 
2017/06/14

2ch仕様A級アンプは、低残留雑音2〜4μV(A)を実現
直近に製作したアンプの歪率特性 
2017/12/09
0.01W時 THD+N(80kHzLPF)=0.01%以下

 THD+Nが0.01W時0.01%以下のアンプは、数が少ないので、どんな音になるのか興味が湧きますが、果てしなく解像度が上がるという表現に尽きます。0.01%は、SNでは80dB相当です。スピーカーの能率が100dB/Wなので、0.01Wで音圧80dB(1m)となりますが、0.01%歪み成分の音圧は0dBとなり、聞こえません。このような、低雑音、低歪率アンプの音は、録音中の残響がしっかりと聞こえ、ボーカルのコンプレッサー歪みも簡単に判別できます。各部を低歪率、低雑音化していくと、その段階毎に、残響が深まり、金属音のリアルさが増すというのが、一連の音質評価を行っての、共通の結果です。出力レベルにより、供給電流が変動しないのは、A級アンプの最大メリットです。高能率スピーカーにより、音圧面での妥協も無く、小出力アンプでも、十分な音圧が確保でき、小出力なるが故、発熱量も少なくできます。小型フルレンジスピーカーとも、親和性が高く、ナチュラルな音色のスピーカーならば、高解像度が活かされ、音楽ジャンルを問わず聞き込めます。A級低歪率アンプは、スピーカーと1対1接続ならば、最高のパフォーマンスを発揮します。ネットワーク式マルチWAYスピーカーを鳴らして、あれやこれやアンプに注文を付ける前に、スピーカー環境を整理すると、低歪率アンプの真価が発揮できます。

AU-α607XR最後の花道 まさしく虎は死して皮を残し・・・ A級パワーアンプに変貌

 A級アンプの完成で、23年経過した、AU-α607XRは、卒業ですが、立派な放熱板が付いており、これを流用して、A級2chアンプを製作。ドライブ回路が同じ構成なので、基板と、金属板抵抗も流用。ブリッジアンプでしたので、1つの放熱板で、パワートランジスタ4個使用のステレオアンプが作れます。1台壊せば、2台分のステレオパワーアンプが作れるという事です。
パワートランジスタの下は、銅板で、サンスイオリジナル流用です。パワートランジスタの取付ネジ、サンスイオリジナルは、銅メッキ鉄タッピングビスですが、真鍮ビスでの取付としました。このブロックでの磁性体は、放熱板の支え金具とその取付ビス、出力基板の止めネジです。
Tr背面の銅板は、サンスイならではの物です(LUXMAN現行アンプでも採用) LT1115仕様 2017/10/09
 放熱器に2ch分を組込み、完成間近の状態です。中央は、ヒートプロテクション、67℃で、パワートランジスタの電源を遮断します。ショートピンによる、テストモード時は、43℃で動作します。ドライブ基板と金属板抵抗も流用し、自作機といえども、すっきりとした仕上がりで、満足です。
OPアンプLT1115と、電流ブースターのダーリントン構成で、極めてシンプルですが、DC安定度は、607XRを上回っています。中点電圧保護回路は、ch毎に有り、ミューティングリレー回路に送られ、スピーカー回線を切り離します。
  2ch仕様純A級DCアンプ 
2017/10/24
 ケース タカチ OS133-26-33SS 電源トランス HT163 HTR2005 SBRブリッジ整流 33,000μFx2電解コンデンサ 入力:XLR 出力:スピコン 出力 5Wx2 THD+N 0.00066% アイドリング電流0.6A 消費電力33W LT1115は±12V安定化電源で駆動 通気口が全然無いケースでしたが、厚手のアルミケースの為、温度上昇はわずかです。基板周りの配線は、0.3SQx8芯ケーブル、電源1次側0.75SQ、パワー回路1.25SQ、出力・アース経路1.25SQ、0.75SQです。圧着端子は、1.25-3、1.25-4、2-4等で、ビニルスリーブ使用です。2SQ以上の太線使用は、かえって、半田付け不良を招くので避けました。

メーカー製A級パワーアンプ部歪率特性 定格出力30W 実測SN比 99dB(A) at 1W 8ΩFET差動カレントミラーカスコードブートストラップ回路 高級機ですが、0.01W時の雑音歪率が、0.01%以下ではなく、0.02%以上有る事に注目。A級、B級が切り換えられますが、多くの方が言われるように、音質差は認められず、発熱面でのデメリットを感じました。残留雑音が、年代の割に少なくて好ましいアンプですが、10Wを越えて歪率が上昇しているのは、セラミックコンデンサの影響なので、フィルムコンデンサに置き換えれば、0.001%以下の歪率まで下がると思います。
メーカー製A級アンプ 歪率測定結果
 2018/02/10

2018年 アンプとスピーカーの関係を証明する為に、アンプのSP実負荷時の、スピーカー側での歪率特性を測定
 オーディオ全盛期には、数値競争が、ありましたが、近年は、音質と全く関係ないという、論説が流布され、具体的な数値さえも採らず、すぐに、音質だとか、エージングに話が行っていますが、このあたりが、オーディオがオカルトになっている、原因のひとつと考えています。
聴いた話とは、聴取者の脳で処理された話なので、顔が違うように、他者でも同じように聴取される保証は有りません。しかも、アンプの音質にいたっては、スピーカーの型番、試聴音源データ、接続条件の明示もなく、いきなりの評価がされていますが、これらは、小説的な、読み物としては通用しても、科学的には通用しません。

意外にまともなデーターが無いアンプとスピーカーの関係
アンプとスピーカーの関係を調べようと、ネット検索をして、思い描くようなデータが見つからず、落胆しましたが、それではと思い、さっそく測定をしました。最小出力 0.01mWから測定しています。測定結果をしっかりと読み解けば、アンプとスピーカーを1対1で鳴らすことで、スペックの良いアンプが真価を発揮することが解るでしょう。ちなみに、自作A級アンプの1W出力時、THD+N 抵抗負荷 0.00071%で、それに、13cmのスピーカーを並列にした場合、0.0028% に歪みが増加しました。
 
2018/04/04
測定条件 アンプ 自作5WA級DCアンプ SN(1V)98dB(A) THD+N(80kHzBW) 0.0007%(1W 8Ω) SN20171205A Rch オーディオアナライザー VP-7722A ID.813302D122 アンプ出力ケーブル 4S6 往復42mΩ スピーカー側ケーブル 1.25SQ平行線 往復24mΩ スピーカー TOA F-160G 13cm+3cmドーム 2WAY 150W 91dB/W 8Ω

 左は、アンプとスピーカーの間に、3.3mHのコイルを直列に入れた場合で、ウーハーのネットワークを仮定したものです。右は、金属皮膜抵抗の2.2Ωを入れて、ケーブル抵抗やアッテネータを仮定したものです。一番下の青線が、一般的な、ダミー抵抗負荷時の歪率特性で、マゼンタ色が、実際にスピーカーの両端に現れる、アンプの出力で、少し歪みが増えますが、緑色よりは、遙かに少なく、アンプの出力に忠実に従っています。しかし、線路中に、抵抗や、コイルが有ると、0.01Wぐらいから、歪率が上昇しています。フルレンジスピーカーや、マルチアンプシステムが、マゼンタ色の歪率に相当しますので、良いアンプであれば、それに確実に追従すると見ても良いでしょう。しかし、LCネットワークや、ケーブル抵抗が大きい場合は、低歪みアンプからでも、実際には、歪んだ入力が加わっています。但し、歪んだといっても、0.1%前後ですので、普通の音量では、大半の聴取者は、気付かないでしょう。スピーカー負荷では、実音を出しての測定であり、0.1Wを少し越えた所で、我慢の限界となりました。
コイル(含まれる抵抗分)や、直流抵抗は、低歪アンプの動作を妨げて、歪みが増えて、歪みの多いアンプと同じ動作になっています。SPだけを直接鳴らせば、歪率性能が音に反映します。ケーブルを替えて音を楽しむのは、アンプの性能どおり鳴ってからの方が良いかと思います。

ウーハー直列のコイルを取り去れば、同じスピーカーとは思えない、引き締まった低音に変貌しますが、同時に、中音の能率が高くなり、相対的に低域が少なく聞こえます。これを40Hz〜50Hzを補強する18インチクラスのサブウーハーで補完したら、リアルローサウンドの完成です。中高域のATTも無くすとクリアな音になります。4○○○シリーズなどは、もっと音が良くなります。

サブウーハー用フィルター 70Hz → 50Hz

 2017年に4ch純A級アンプには、SLF用に70HzLPFを組み込みました。その翌年に、リファインを行い、OPアンプをLT1115からOPA1611に変更した際に、サブウーハーの動作周波数も、それまでの70Hzから50Hzに下げました。下げた理由は、15インチ+18インチウーハーには、70Hzでは、効果が強すぎるので、18インチがサポートする帯域をもっと限定的にする為に、40Hz中心のブーストにしました。フィルターは、50Hzが-6dBポイントですが、全帯域との間では、ブースト効果が40Hzを中心に現れます。


2019年 
OPA1622 ヘッドホンアンプ MDR-CD900STで使用
自家用ヘッドホンアンプ(A社USBオーディオキャプチャ)の歪率特性で、1kHzが、良くないので、歪率−周波数特性も測定しました。どのように設計したら、こんな特性になるのか謎ですが、気付かないで、長らく使用してきました。
2019/02/09
 自作A級アンプが、低雑音なので、ヘッドホンアンプとして使用できるか試験を行いました。音質的に、直列抵抗無しで接続しても、雑音は問題は有りませんでした。しかし、利得が大きすぎて、スピーカーとヘッドホンを切り換える度に、ボリュームを変えるのが煩わしくて、実用的でないという結論となりました。そこで、秋月の、TI 
OPA1622 DIP化モジュールを試してみました。利得0dBでの結果は、以下のようで、高性能OPアンプ並みの性能です。下はその歪み特性ですが、ケースに入れないで測定していますので、雑音が多めに測定されています。
 
2019/02/22
測定時の電源電圧は、±15Vで、負荷は、33Ωの抵抗で、直列抵抗無しです。残留雑音は、2.9μV(80kHzBW) 1.2μV(A)で、1mW出力時SN比93.5dB(80kBW) 100.3dB(A) IMD 0.0016%で、自作A級アンプに匹敵する性能です。
2019/02/09
 左が、ヘッドホンアンプ用途のOPA1622で、右は、自作A級アンプ電圧増幅に使用したOPA1612です。両方とも、TI社 SoundPlusシリーズで、低雑音、低歪率です。OPA1622は、DAC直後の、電子ボリューム内へ組込ました。音源となるFX-AUDIO DAC-SQ5Jの0dBFS出力は、1.821Vで、ヘッドホンアンプの利得を0dBとすれば、電源電圧±5Vでの最大出力は、100mW(33Ω負荷)となり、適切な値です。モニター用ヘッドホン
SONY MDR-CD900ST使用には、丁度良いものとなっています。OPA1622は、利得0dBのボルテージフォロアとしました。G=+1時は、オーバーシュートが出ますので、小容量のコンデンサを使用して補正しています。

 スズメッキ線0.6φ 0.1μF積セラx2と100pFマイラーx2基板裏付け 電源±5V ユニバーサル基板 タカス IC-701-74 マルツで入手可(これより小さい基板も可) OPA1622の出力抵抗は、短絡保護回路が有るので、必要有りません。出力ジャックMJ-189LP(秋月購入)で、短絡しないことを確認済みです。出力回路に直列抵抗が必要なのは、600Ω負荷系のOPアンプであり、OPA1622は、特性表では、16Ω負荷容量600pFもドライブできるとなっており、ヘッドホンからの逆起電力をショーティングする為にも、抵抗無しでの使用が理想です。
 OPアンプの音質比べが、8Pソケットで気軽に交換はできますが、そもそも600Ωぐらいでの使用を想定した物など、比較の対象にはなりません。OPA1622は、ヘッドホンアンプや、ラインドライバーとしての用途が設定されており、非常に高性能です。上のように簡単に作れてしまいますので、チャレンジしてみてください。電源は、安定化しなくても、2200μF程度の平滑コンデンサだけの物でも、ハム雑音は聞こえませんでした。
 SONY MDR-CD900STの定格は、63Ω 106dB/mW ですが、OPA1622ヘッドホンアンプで、鳴らした場合、-115dBまで聞こえました。このアンプの運用レベル0dBは、1.82V(52.6mW at 63Ω 123.2dBSPL)ですので、8dB相当の音圧です。電圧的には、3.2μVで、ヘッドホンも耳も反応して、音として感知できました。電流ならば、50ナノAです。常用レベルは、-30dB未満(93dBSPL相当)で使用しています。OPA1622は、±2Vから使用できますので、電池駆動も試験しました。エネループ単3電池、各2本でしたが、結果はそれほど好ましくなく、±5V電源よりも、悪化しました。

スチロールコンデンサ復活

写真の100pFマイラーコンデンサは、一般には入手できなくなっていましたが、オーディオ特性の良好なスチロールコンデンサが秋月で入手可能になりました。47pF、100pF、470pFなどが1個\20です。OPアンプの位相補正には、お奨めです。
大振幅のオーディオ信号回路では、セラミックコンデンサでは、歪みが増加します。フィルムコンデンサで、この問題をクリアできますが、小容量品は、入手出来なくなっていました。早速47pF、100pF、470pFを在庫として入手しました。

dbx VENU360
dbx VENU360を、DCX2496の後継として使用開始しました。6連マスターボリュームと自作A級アンプとのトータルでの性能も申し分無く、オーディオレベルで十分使用可能です。デジタルは、AES/EBUにのみ対応ですので、インターフェースに注意します。出力レベルが、+4dBを選択できるので、デジタル0dBFSの信号を、そのままアナログパワーアンプに入力できます。DCX2496が、+22dBのままなので、18dBの開きがあり、DCXをオーディオで使うには、ノイズで悩まされる方が多かったと思います。平衡出力が少しシビアなので、必ず平衡で使用すると良いでしょう。平衡入力回路の抵抗値の誤差は、CMRRの劣化に直結しますので、厳密に選別してください。RTA機能がありますので、PCで、RTA画面を見ながら、WAVE GENEで簡単に周波数特性が確認できます。コンデンサーマイクは、RTA-Aが推奨されています。手持ちのECM8000も使用できました。

共立エレショップ PGA2311PA+コントローラセット/CTRL2311 による 6連ボリューム製作 20連動も可!
バラックで、試験中 2019/12/16
 プログラム済みのPIC12FとPGA2311PAのチップのみ販売し、サポートは一切無いという物で、ひょんな事で、相談を受け、6連化の方法を伝えておいたのが、結局、作ってみる事になりました。PGA2311は、電源が±5Vなので、制御範囲が、CDプレーヤーの出力と同じレベルで、無駄な信号の上げ下げを無くせます。雑音出力レベルも、TIの他のボリュームICと比べて低いので、高性能が期待できます。手持ちのdB直読式6連ボリュームは3台有りますが、コントロール基板が絶版なので、次回の製作では、何を使うのか思案中でしたが、図らずも、dBが読めないタイプの物で製作する事になりました。6連化は、それほど難しくなく、コントロール線3本を並列で接続するだけです。MUTEも同様に並列にすれば、連動が成立します。写真中央の基板は、PGA2311PA3個と、PIC12Fで、6連ボリュームを構成しています。右側は、6chの平衡−シングルエンドコンバータです。XLRコネクタで平衡入力した信号のレベルダウンと、不平衡への変換を行います。電子ボリュームの出力は、不平衡のまま、XLRコネクタで出力しています。平衡出力する場合は、SSM2142などのラインドライバーを使用しますが、+6dBのゲインがが有ります。SNの悪化も招きつつ、更に次段のパワーアンプで、平衡受けすれば、又SNが悪化します。ボリュームとパワーアンプ間が、100mも離れていれば、このような上げ下げもやむを得ませんが、ホームオーディオでは、離れても数m程度なので、ここは素直に不平衡ローインピーダンス送りで済ますのが最善です。

製作例として、平衡入力−平衡出力で、5WAYステレオ用で、実に20chを連動するという物も、完成したとの報告もいただきました。(令和2年3月)

 このコントローラセットの仕上がり後のスペックは、PGA2311PAの定格と同じく、プラス側ゲインが+31.5dBなので、このままでは、オーバーレベルとなり、非常に使いにくい物になります。チャンネルデバイダーをDCX2496とした場合、デジMAXでは、+22dBの出力となり、+4dBのパワーアンプには、18dBオーバーです。さらに、常用音量は、-30〜40dB下がったところですので、適切なレベルセッティングが必要になります。その為、多回転半固定抵抗を付け加え、デジMAX時に、+4dBとなるように、ボリュームの可変範囲を制限しました。平衡シングルエンドコンバータで、-13dBダウンし、0dB信号でも、PGA2311PA内で、飽和しないようにしておき、更に、ボリュームの可変範囲を制限し、ボリュームMAX時パワーアンプの定格+4dBとしました。連続ボリュームなのですが、可変ステップは、0.5dB単位でした。ボリュームMIN時は、-103dBまで下がりました。同じく、PGA2311PAのMUTEを使用した場合は、-82dBでした。実用化にあたり、電源ON時のミューティングと、マニュアル操作でMUTEができるようにしています。停電時や、電源OFF時には、停電検出リレーにより、PGA2311PAにMUTEをかけています。
 DCX2496を含めた、ch利得変動は、MAX時±0.03dB以内 THD+N 0.006% となっており、マルチアンプ駆動用としての精密さを備えています。常用域までVRを絞って、-37dBとした場合でも、0.17dBの範囲内という優秀さは、アナログボリュームの比ではありません。基板は、ユニバーサル基板で製作。電源は、ヤフオク入手。シールド線は、音響卓用 平河 HC-2L1を使用しました。シールド線の選定は、作りやすさや、信頼性に影響しますので、ヘンな音質論に惑わされない事が肝心です。入手先は、オヤイデです。2芯シールドは、手持ちのカナレL-2B2ATですが、平河 HC-2L2も用意しました。THD+N特性は、PCから96kHz24bit 1kHz -1dBをDCX2496に入力し、ボリューム出力でのオーバーオール 0.006%以下 ケースに入れていないバラック状態であり、ケースに入れると更に性能向上します。
DCX2496は、デジMAXで、上側が少しクリップしますので、テスト信号は-1dBとしています。

 
回路図 pic12f01.pdfと、基板配置図 pic12f02.pdf を用意しました。ケースは、タカチ OS88-43-23SSを想定しましたが、機能、性能的に、これくらいの立派なケースに見合う価値が有ると思います。ケースのコストが全体の過半数になると思います。DCXユーザーは、この電子ボリュームが有ると、SNに優れたシステムを構築できます。VENU360ユーザーは、+4dB出力を選択し、同じ回路構成で、平衡シングルエンドコンバータの入力抵抗を、10kΩから2.2kΩに変更して、利得0dBで使用してください。製品の性能を最大のパフォーマンスで、パワーアンプに送り出す事ができます。 ※令和2年3月現在、欠品中で、ショップは、補充を検討して欲しいです。


 以上が今日までの流れです。現在は、優れたオーディオ解説をしているサイトが多くあり、私も、参考として読んでいます。しかし、何と言っても、考えの基礎となった、「オーディオの科学」には、本当にお世話になりました。オーディオの科学は、理論解説が豊富で、参考になります。現在、リンクフリーになっていますので、リンクしました。科学的に向き合わなければ、音という空気の物理現象が見えて来ないと思います。科学的に、正しく空気を動かす事により、音楽家の芸術に心地よく触れる事ができる筈です。
 オーディオとオカルトが同義語になりそうなサイトも多々ありますが、頭ごなしに否定せず、簡単に実験できそうであれば、それらの主張を検証するようにしています。最新の科学情報を求め、You Tube動画を検索し、書籍も読んでいます。
 宇宙論、量子力学、素粒子論、スピントロニクスなどにより、電線で音が変わるとか、振動の影響の有無とかのヒントを得ようとしました。真空の世界の解説からヒントを得たのが、NFBが有るからこそ、アンプとスピーカーの関係が良好に保たれる事です。ピュアから連想するのは、濁りがなく清廉である事でしょうが、発電機で、発電機を駆動するのだから、音が出ていなくても、騒がしい関係であり、それを制御するのが正攻法でピュアだという考え方となりました。
対生成と対消滅のように、アンプとスピーカーの動的関係を考えました。最新の宇宙論は、宇宙は無から始まったとか、ダークエネルギーにダークマターなど、180億光年先は観測不能だとか、面白いです。

 動画サイト、良い音と思えば時々コメントしていますが、消費者を騙そうとしているコンテンツは、コメント無しで、悪い評価だけをしています。明らかに勘違いしている場合は、気分を害しないようコメントで伝えています。動画で見るJAZZ喫茶さんのこだわりの音が、大切に扱われるアナログレコードにのその源が有るように、地方にも素晴らしい音の世界が有ります。老人が頑固で新しい物を受け付けないのではなく、価値のある新しい物が無いからでしょう。折角のコミュニケーションエリアなので、文化レベル向上に貢献していきたいと思います。

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アマチュアオーディオファンからサラリーマンオーディオエンジニアまで幅広く対応し、、正しい知識が継承できる事を願っています。  金のかからぬオーディオ発展の為に 2022年 著者。


位相違いでの音の差は
 音楽を再生する時、マルチウェイスピーカー方式で、音の到達時間に整合性が無い場合、楽器による演奏音は、同じ音が複数有っても、それなりに聞こえるが、演奏よりも弱い会場の残響がうまく聞き取れません。時間的整合が取れていれば、楽器音が一つにまとまり、音量が大きく、クリアに聞こえ、更に、楽器音の占有時間が、複数で鳴ってしまった場合よりも短くなり、残響音が、浮き上がったように、明瞭に聞こえるようになります。周波数の高いトライアングルの微妙な音が、音量が小さくても、クリアに聞こえ、減衰も、ギラつかないで、素直です。フルレンジスピーカーも時間的な矛盾は無いのですが、高音域で音圧不足となります。高域を改善しようとした、2WAYスピーカーでも、同一バッフル面にユニットが取り付けられている旧タイプの場合は、高音は良く聞こえても、ギラついて聞こえます。最近の2WAYで、ツイーターが後方に下がったタイプでは、ギラつきも少なく、スムーズな音が出ます。
確認は、音が出ている時に、頭を前後に動かすと容易にできます
1993年発売 Pioneer S-UK3 同一バッフル面2WAYスピーカーの例
2009/11/27

最近の2WAYスピーカーの例 ドームツイーターがバッフル面より下がって、前面がウェーブガイド(ホーン)になっています。
 RAMSA WS-N20
2010/04/20 YAMAHA MSP5 2014/03/18

JBL AC2215/95  5.1サラウンド サイドスピーカーで使用中
2010年代に発売された設備用2WAYスピーカーJBL AC2212/95 で90x50°95dB/W 最大出力音圧 120dB SPL LF 12" HF 2412H 磁性流体使用1インチコンプレッションドライバー 運良くヤフオクで入手しました。548x355x352 17.3kg
奥行きの浅いホーンスピーカーなので、タイムアライメントの問題が有りません。パッシブ側では、18dB/oct 1.7kHzのクロスオーバーで動作し、バイアンプ対応可能です。台形の頑丈なエンクロージャーで、定在波を抑えています。

 
測定スナップと1kHz 1波トーンバースト波形で、位相が合っている事が確認できます。 2018/05/22

 リスニングルームにおける音圧 及び インピーダンス特性 低域は、SX300とほぼ同じバスレフチューニングですが、10kHzで3Ω台のインピーダンスが特徴です。100Hzに低音の山が来ますが、各メーカー共、12インチクラスはこのような感じです。もちろん、これはフラットではありません。各メーカー必ず、低音が強調されており、これが平均的なリスナーの要求とも考えられます。インピーダンス特性より、現場でロングケーブルを使用すると、500Hz〜3kHzの音が強調されるようになります。

音圧特性   インピーダンス特性 2018/05/22

 上のスピーカーは、低音の量も多く、ちょっと聴いただけでは、解りませんが、どちらかといえば、ウーハーがドライバーになり、箱を振るわせて出ている低音で、小口径タイプの低音です。大口径ウーハーでは、低音は軽く聞こえますが、これは歪みが少ないからです。空気砲タイプでは、塊の低音が聞こえますが、再生帯域が低くできても、歪みは相当に多くなっています。Y社講習会で、インストレーションシリーズの、ウーハー口径毎の低音の違いを聴くチャンスがあり、確認しました。大容量エンクロージャーと、大口径ウーハーで、まともな低音となります。低音とアンプのダンピングファクターとの関係で、DF=3というのが、聞きやすい低音という事も、言われた時代が有ります。ダンピングファクター値の違いによる、3極管と5極管の音質論争もありましたが、ビーム管を3結したハイμ3極管も有りで、面白い時代でした。現在も、直熱、ローμ3極管(300B 2A3)が生き残って、真空管アンプの極致とされています。
 低音は、現代オーディオでも、未解決事項で、評価の高いスピーカーでも、音程の無い低音が出ていたりもします。真の低音は、音階が有り、鳴る鳴らないのメリハリの効いた音です。パイプオルガンは重厚に、ウッドベースならば、弦に体ごと、よじられるような音、バスドラムのアタック音、それぞれ表情が違います。フルコンサートピアノならではの豊かな低音が出れば合格でしょう。このような低音を、単品スピーカーで実現する事は難易度が高く、メインウーハー+サブウーハーの組合せが必要となります。サブウーハーは、18インチパッシブウーハーで、エンクロージャーの容積が確保されていれば良く、耐入力はそれほど重要ではありません。SR用18インチウーハーは、価格も手頃ですが、オーディオスピーカーのような調度品としての外観は無く、ハイエンドユーザー向きではありませんが、音も本物にするには必需品です。

マルチウェイ駆動の問題
ホーンスコーカーとツイーターを同じ時間で鳴らして残響(反射音)に埋もれてしまった場合(左)と、遅延をかけて時間的な整合を取った場合(右)の波形 どちらを聴きたいですか?
 6.3kHz1波トーンバースト 間隔 12周期 2014/05/18
左側は、高音−低音−高音−低音−高音の順に並んでいますので探してみてください。へ理屈よりも、このように見れば、一目瞭然です。
2個のスピーカーを別の時間で鳴らすには、それぞれにパワーアンプを用意する(
マルチアンプ化)事になります。

おまけ:生音に迫るDSDストリーミングソフトウェア PrimeSeat
 PCでハイレゾストリーミングを無料で! フォーマットは、DSDとPCMが有り、音源によって色々あります。中でも、東京藝術大学のサイトは、豊富な音源があり、邦楽、クラシックが楽しめます。周波数特性、ダイナミックレンジ共、妥協が無い録音で、しかも、咳払いのような無駄な雑音が聞こえて来ません。レコード作品と違い、ダイナミックレンジの圧縮が少ない録音もあり、最初はレベルが低いように感じますが、生録音の経験者ならば、すぐに、生音に近いと解ります。この音源で、コンサートの雰囲気を再現できれば、その再生装置は合格という事です。PrimeSeatで検索すれば、簡単にインストールできます。音源のダウンロードはできませんが、実際のコンサートも、お持ち帰りができませんので、同じ事です。これを聴いた時、4WAYマルチスピーカーシステムを用意しておいて本当に良かったと思いました。
DSD11.2MHzは、24Mbpsの転送レートが必要であり、PCM96kHz 4.6Mbps CDは1.4Mbpsです。


データ提示で使用した測定器と測定仕様の紹介  測定器に興味がなければ下にジャンプ
1.デジタルマルチメーター(バッテリーにて機動的な測定)
 Fluke社製89、189という2台のデジタルマルチメーターを用い、独自に開発したトレンドグラフソフト(初版2000年)で、測定結果のグラフを作成しています。周波数特性グラフは、
250msec毎 480ポイント(2分間)実測値で20Hz〜20kHzを表しています。抵抗、インピーダンスは、通常の2線式測定では、測定リードの抵抗が、測定値に入ってしまい、1Ω以下が測定できませんので、2台の測定値(電流−電圧)をPCで計算させる4線式測定法にてオーダーで行いました。1本の短い電線でも、インダクタンスや微少抵抗があり、巻き方でインダクタンスが変化します。4線式測定で、電線を測定すれば、電線が温度計として使用できるほどの精度となります。スピーカケーブル、リレー接点抵抗と音との関係を、このような高精度測定で分析しました。
 自作差動アンプのCMRR向上を図る為、抵抗を選別する事が不可避ですが、#.####kΩという測定値は、その用途に最適です。最下位の桁が1違えば、1kΩの場合、0.01% で、精密抵抗の規格値に匹敵します。小数点以下第4位は、測定器の定格からみて、絶対値として、信頼ある数値ではありませんが、差動アンプでは、両極に同じ抵抗値を必要とし、測定器で数値が合えばOKです。コンデンサも、インピーダンス値と同じ直列抵抗を使用した交流電圧測定で、桁数の少ない容量レンジよりも、高精度な選別が可能です。
FLuke 89 189 289 測定リード先端短絡をした時の2線式測定によるメータ指示値 2008/05/28
測定結果表示グラフについて

 測定値間を直線で結んで、
時間経過を表すものと、測定値をドットだけで表示した、測定値分布を表すものとの2通りです。測定値は、メーターからのバイナリデータを、独自解析して、csv形式で保存し、現在も保管中です。メーター測定値は、実効値ですので、インピーダンスは、実効インピーダンスに非常に近い測定結果となります。測定結果を500回単位で分割し、それらを重ねて表示する事で、半導体の特性データー表なども、瞬時に表示できます。開発は2000年に行い、その後も、若干の改良を行っています。ソフトの意匠は、自由に使用しても構いません。開発意図は、1週間ぐらいの間にまれに起きる電気現象をとらえる事が目的でした。

2.HIOKI3237、3239、VP−7722A(ベンチ測定)
 フルーク289は、交流電圧測定が、200μVになると、ソフトウェアで強制的にゼロ表示となり、微細な雑音測定に不向きで、不具合の無い 89 189は、現在、製造していません。測定システム維持する為、現行機種のHIOKI3237を入手し、テストを行い、オーディオ測定が可能であることを確認しました。早速ソフトウェアを改良し、40msecの高速測定をできるようにしました。データ要求は ":READ?" で、PCと同期して測定できます。さすがに高速測定であり、20Hzが1周期50msecなので、FASTでは、様々な測定値となってしまいます。FASTで安定するのは、300Hz以上で、300Hz以下は、MEDIUMでないとうまく測定できません。
HIOKI 3239は、4W式抵抗測定ができ、最小単位は、1mΩです。アースポイント確認や、配線抵抗を実測と大活躍。
 
2015/05/03

 
オーディオアナライザVP-7722Aを、2015年にようやく、入手し、その恩恵にあずかれるようになりました。趣味で購入するには、金額もかかりますが、FFTだけでは、済まない部分もあり、オークションにて購入しました。歪率測定以外に、レベルメーターとして、0.1μVから読み取り可能で、アースポイントの確認など、自作アンプの調整にも威力を発揮できます。轟音ファンなので、ケース後部のファンを、少し回転数の少ない物と交換し、放熱口のネットの振動も止めて、リスニングルームでの測定が楽になりました。オーディオアナライザといえば、メーカー保守は、オーディオプレシジョン一色です。使用中のVP-7722Aの残留雑音は、Aフィルターで、0.8μV LPF30kHz 2.6μV LPF80kHz 2.8μVでした。なお、本来の使用目的以外にも、リレー劣化判断が、歪率計で、簡単に行えます。

ブリッジアンプ測定用の定格
200W平衡ダミー抵抗 2015/11/19

 メタルクラッド抵抗で、
平衡/不平衡ダミーロードを作りました。赤白の電線は、バランスを取る為の電線で、13mΩを得ています。右上は、サーモIC(TC622)によるファン制御部で、40℃にて、MOS-FETをスイッチして、ファンを駆動します。右下は、リードリレーで、18dBのATTを構成しています。信号源の対称性は、高いCMRR(同相信号除去比)を目指す場合必須なので、測定できる最後の桁まで合わせます。測定レンジを伸ばす為に、18dBのアッテネーターが、シングルモード、ブリッジモードとも構成できるように、7個の抵抗で構成しています。2Ω50Wx2、1Ω25Wx3、0.5Ω25Wx2で構成し、シングル、ブリッジどちらのモードでも、7Ω対1Ω(-18dB)の関係が得られるようにしています。

自作した4線式測定ツール

100円ショップの樹脂製クランプを使用して、ケルビンブリッジを作り、従来から用いていたワニ口4線式測定コードとの、測定誤差を調べてみました。その結果、ケルビンブリッジにこだわらなくても、簡易的なワニ口4線式測定コードでも、十分な精度の測定が可能で、3239では、0.000Ωが表示されます。
 
 2014/10/05
 左側、自作ケルビンブリッジでは、電線を噛む力が弱く、実用的とはいえませんでした。右側、従来から使用しているワニ口4線式測定コードで、測定器側は、キャノン4Pで、ケーブルは4S6、ミヤマのミノムシクリップ(MJ002)の先端に、電線を2本半田付けし、電圧計と、電流計に接続します。ケーブルは、スピーカーケーブル4S6を使用しており、測定時の感触も良く、耐久性にも優れており、4Pキャノンを使用したことで、バナナプラグでは実現できない優れた接続性を持っています。半田付けは、2本まとめて、できるだけワニ口の先端で行います。半田付けは、圧着とは比べ物にならいないくらい、接触抵抗が低く、又、軟らかいので、すぐに、新しい面が露出し、測定誤差も少なくなります。測定システムにおける写真のコードの
残留インピーダンスは、1.1mΩ(1kHz)、残留直流抵抗0.17mΩです。
 このコードの意匠は自由にお使いください。mΩオーダーが自由に測定できると、配線に対する物の見方が変わると思います。リレーの接点抵抗は完全に捉えられます。測定電源を、交流とすれば、低いインピーダンスも測定できますので、電線のインダクタンス成分の分析もできます。


3.測定音源等

 タイムアライメント(
アライメントディレイとも言う)は、スピーカーから測定マイクまでの間で、正弦波が1個だけとなる間隔で1波トーンバースト音を出し、客観性が高くなるよう、オシロスコープ波形で調整します。これにより、SR用途のスピーカーの方が総じて、音の無くなり具合が良い事が判りました。各スピーカーの音圧バランスは、ピンクノイズではなく、楽器演奏と似ている、1オクターブ幅のワーブルトーンを使用しました。この方法は、低音域で変動が多い、ピンクノイズによる測定よりも、ワンオーダー高い精度が得られ、0.1dBの違いが意味を持つようになります。測定レンジが30kHzぐらいの交流電圧計であれば、使用可能です。グラフィックイコライザ用に1/3オクターブ幅のワーブルトーンも使ってみましたが、部屋の定常波の影響が出て、精度を上げる意味もなく、又、位相変化をデメリットと考え、イコライザを使用しなくなったので、1/3オクターブの方は使用していません。
要点:音のタイミング確認 トーンバースト波(1周期) 周波数特性 オクターブバンド幅にFM変調したワーブルトーン

トーンバースト波
 WaveSpectraのお陰で、かなりの解析を行えるようになりましたし、手軽にオーディオキャプチャにて、FMや、アナログレコードの録音ができ、WaveGeneも、色々な測定の音源として活用できる時代が来ましたが、デジタル音源になり、過渡応答を見るために用いていた矩形波が出せなくなりました。そこで、デジタル音源から作り出せる代用波形として、デジタル音源ならではの、トーンバースト波に注目しました。波形は、正弦波なのに、ゼロからフルパワーになり、又、素早くゼロになるというところが、考えようによっては、スピーカー向きであると思えます。
WaveGeneでは、波の数と、間隔が指定でき、間隔をうまく指定すれば、スピーカーから、測定ポイントまで、ただ1波だけ存在するようになります。左右同時に出せば、等距離であるか否かが、簡単に判定できます。複数のスピーカーユニットからの距離合わせにも利用できます。
ワーブルトーン
 スピーカーの周波数特性を求める際に使用しますが、定在波により、測定結果が影響を受けないようにできます。周波数が、いつも変化するのに、電圧が一定という信号です。マルチチャンネル駆動では、音のバランスが大切で、測定値がふらつくピンクノイズよりも、精密な調整に使用できます。

4.収音機材
 測定マイクは、無指向性コンデンサマイクロホンが必要ですが、安価なECM8000を使用しました。これよりも、数10倍以上高価な、測定用マイクロホンと同じ測定現場にて、性能比較済みです。マイク用の増幅器は、利得誤差0.01dB以内の01V96V2というデジタルミキサーを使用。このマイクとミキサーを使い、WaveSpectraにて、低歪みの権化のようなTANNOYスピーカーを解析し、このような測定機材で、十分な結果が得られることを確認しています。
K&MショートブームSTにC2用ステレオペアアーム使用
2011/01/08
写真のように、ECM8000をリスニングルームに常設して、DEQ2496により、音量監視、
RTAをいつでもできる態勢です。1/2カプセルで、無指向性コンデンサマイクであれば、高級品でも、1万円以下製品でも性能に大きな違いが無く、10年以上使用していますが、びっくりするような崩れた波形もなく、期待通りのツールとして活躍しています。ECM-8000 内部雑音は、価格なりですが、周波数特性などで、DPA等に劣る事は無く、オーディオマニアには十分な性能です。
DEQ2496 常設SPL測定と
リアルタイムアナライザで徹底したデジベル値の管理

コンデンサマイクは、外部から直流電源(DC12V〜48V)を供給して使用します。この外部から供給する電源はファンタム電源と呼ばれ、ミキサーや、専用機のXLRコネクターからマイクへ接続すると、供給される仕組みです。
ECM8000は、デジタルミキサーYAMAHA 01V96V2により、増幅し、LEADER 8060 2現象オシロスコープにて波形観測を行いました。デジミキは、複数ch入力できますので、チャンネルデバイダー出力の合成結果の確認にも応用できます。
ミキサー 2005/09/28  2現象オシロスコープ 2015/06/17

5.波形で確認
 
百聞は一見にしかず 音響の事象で、良く当てはまります。スピーカーは耳で聞きますが、聴覚は、脳の働きと密接な関係にあり、心臓の鼓動や、血液の流れる音等の、体内音を消し去ってしまうほどの、脳の働きを考えると、個人の聞いた話は、個人差が大きく、客観性に乏しいと考えました。趣味としてのオーディオで、オシロスコープを駆使して、音を探求できる人も、それほどはいませんので、その代理として、多くの波形データーを撮影し、提示しています。音の波形は、アナログ2現象オシロスコープをデジカメで、直接撮影しています。RTA(リアルタイムアナライザ)は、常時使用し、再生帯域と音量を確認して聴くことにしています。
波形でしか判らない、ツイーター・スコーカー間の時間ズレの例 左がずれている状態で、右側が、整合している状態です。カメラのレンズが映り込んで見苦しいのですが、本当に撮影している証拠です。
  
2012/09/25

マルチチャンネルシステムは測定器抜きでは成立しません。より良い調整の為には、それらの取扱いを習熟する必要があります。最終確認はヒアリングであっても、そこに至るまでは、測定器による確認の集積があっての事です。
聴覚だけを過信して、高額なアクセサリー類に手を出さず、基本を固める為に、測定スキルを磨きましょう。ハイグレード電源ケーブル1本分の予算で、測定器を揃えてもおつりが来ます。


電圧と時間をコントロールする為のマルチチャンネルシステム調整How to

6.SN比、歪率、ACレベルの数値について
音響機器の性能を判定する場合、よく参考とするのが、SN比、歪率、入出力定格電圧と、インピーダンスです。パワーアンプでは、出力電力も重要な数値です。最近では、ダイナミックレンジも表示する例が多くなっています。
SN比
S=Siglnal N=Noiseの比をdBで表します。最大出力電圧(S)と、入力が無いときの残留雑音(N)との比を20xlog(比の値)とし、例えば、最大出力が1Vである機器の残留雑音が1μVであれば、SN比は、120dBとなります。音の大きさでは、120dBは、人が聴くことができる、最大音であり、最小可聴音は、0dBとしています。SN比が120dBの機器ならば、全ての音の強さを表現できると考えます。
人の聴覚は、低音域で聞こえにくいという特性があり、その感覚に似せた特性のAフィルターで、雑音を測定して、SN比を測定する方法が、カタログ値としては、主流のようです。騒音は、Aフィルター測定した値dB(A)が用いられますが、低周波騒音が問題とされるとき、Aフィルターによる、測定値では、騒音の絶対量が把握し難くなります。
最近のデジタル音響に関係した機器では、20Hzから20kHzを測定対象として、Aフィルターを使用し、20kHz以上は、AES17フィルター(24kHz-60dB)を併用します。純粋な可聴音に対する評価という定義ですが、当然ながら、デジタルマルチメーターによる測定結果とは、かなりの違いとなり、10dB以上数値が良くなります。

歪率
増幅器の性能表示で最も重視されます。この値が小さいほど、増幅器の性能が良いとされます。注意しなければならないのは、歪率とだけの表示で、純粋に高調波歪みだけを総合計した、全高調波歪みなのか、雑音を加えた歪率かがわかりません。雑音歪み率の場合、THD+Nと表記するのが一般的です。真空管アンプの場合は、全高調波歪みだけを表示する事が多く、歪率値が良い半導体アンプでは、THD+Nが多く用いられますが、SN比と同様に、フィルターをかけた測定が多く、フィルター条件を見なければ、数値同士の比較ができません。メーカー製品では、歪率でも、Aフィルター+AES17フィルターで表示している場合もあります。本サイトでは、20Hz〜100Hzのような超低域測定も多く、LPF80kHzで統一するようにしています。尚、歪率-100dB(0.001%)、SN比120dB越えが合格ラインで、製作目標と考えます。
雑音や歪みに対する、基本的なスタンスは、聞こえない物は聞こえないです。

電圧値
本サイトでは、主に、フルーク社のデジタルマルチメーターを使用していますので、直流成分を除いた電圧の真の実効値であり、バンド幅(BW)は、100kHzです。オーディオアナライザーのレベル測定は、主にLPF80kHzを使用してます。オーディオ機器の雑音を表示する場合は、BWは、狭い方が数値が小さく、広い方が大きくなりますので、同じ測定を行っても、数値が異なります。メーカーの場合、雑音に関連した電圧値は、ほぼ例外なくAフィルターを使用しているようです。Aフィルターによる測定値は、本サイトでは、(A)を加えた表記としています。

ウェイト
音響測定時に、ウェイトをかけて測定しますが、上の説明中のAフィルターがそれに相当し、A、C、None等の3通りで、騒音量なら、Aフィルター、スピーカーレベルでは、Cフィルターが一般的です。マルチ調整では、Cあるいは、Noneで行うのが、正解です。
ウェイトに関して、本解説は、dBの後に(A)とか(C)と記載しています。


無視できない吸音材の効果 テーブルのスモークガラスの下は、同じサイズの2mm厚ビニルシートがあり、ガラスの振動を抑えています。(TVのブラウン管に共振して、変な音だった時の対策のなごり)
  スピーカーとリスニングポジションの間のガラステーブルと、反射の影響を調べた、100円ショップ60cm四方のフェルト

遅れてやって来る反射音(右側の小さい波)
 
 16kHzトーンバースト(テーブル面は、ガラストップのまま)と(60cm四方フェルトを置いた場合) 2014/10/13
 スピーカーから直接来る音と、ガラス面で、反射した音で、反射音は、直接音よりも、遅れて来ますので、右側で観測されます。右側の写真は、テーブル面に、60cm四方のフエルトを置いた場合ですが、反射音が小さくなっています。僅か1.3mmの薄っぺらいフエルトで、これだけの差となります。スピーカーとリスナーの間には、何も無いのがベストですが、生活空間でもありますので、テーブル等を置くのですが、音が反射すると、こうした現象が起きます。
ところで、16kHzのトーンバースト波がこのように、綺麗に再生できるのは、指向性が鋭いホーンスピーカーだからなせる技で、ドームスピーカーでは、反射波が乱立します。


マルチ駆動時スーパーツイーターのコンデンサ使用をする是非
 メーカーでは、コンデンサ無し接続を避けるように説明がされています。自己責任で行う場合、コンデンサーは、有っても無くても構いません。市販アンプでDC漏れの大きい物が有り、DC保護で入れたい所ですが、クロスオーバーに近いコンデンサ容量では、フィルターの次数が変わって合成結果が乱れ、数オクターブ下の容量を使用すると良いでしょう。自作アンプで、4個ほどコンデンサ無しですが、現在まで、破損した事は有りません。1回だけ破損したのは、アンプの雑音テスト中に、ピンプラグを抜いた時のショックノイズによるもので、メーカー修理で、ダイヤフラムを交換しました。
コンデンサは、バイポーラコンデンサ、フィルムコンデンサが多く使用され、音質的には、フィルムコンデンサが良いとされていますが、ハイパワーアンプを使用する時は、耐圧に注意します。耐圧は、アンプ出力電圧の3倍必要ですので、バイポーラコンデンサでは、特に注意が必要です。メーカー製品でも、耐圧不足のコンデンサーが使用されていて、短絡事故を起こした例があります。スピーカーユニットメーカー製コンデンサであれば、120V以上ありますので、100Wアンプならば、十分な耐圧です。オーディオ用スピーカーに内蔵の物は、50Vの物もあり、注意が必要です。
2013/10/24
 古いCD−4方式アナログレコードの再生音で、30kHzのキャリアが再生できている事が、スーパーツイーターたる所以ですが、fc3.6kHzなので、普通のツイーターとしても使用できます。ホーン形状は、後に高級品が派生したことから、完成度の高い物で、コスパは非常に高いです。マルチアンプならではの急峻なフィルターにより、安全快適に鳴らす事ができます。8kHzが強調されるビンテージツイターとは、ひと味違うハイエンドの伸びが有り、タイムアライメントを整合した結果、金属楽器の透明な再生音が、高らかに鳴り響き、明確な定位にも貢献しています。

低次フィルターでは、並列鳴動帯域での、コムフィルタに注意
 コンデンサ1個でもフィルターとして、正しく動作しますが、フィルターの傾斜は、6dB/octなので、例えば5kHzフィルターでは、600Hzというような中音域でも、減衰量は、-20dBと、かなりの音量です。その結果、中音域から、高音域までのかなりの帯域で、元のシステムとスーパーツイーターが、並列動作をする事になるので、お互いの音が干渉し、コムフィルタリング(櫛形フィルター)という現象を起こし、高音域で、規則的にディップします。音源への距離の違いで音が揺らぎ、周波数が高いほど、強く出ます。
 この事例は、振動板前面のスリット(複数の丸穴)による干渉が原因

上はドームスピーカー前面のガード部品のスリットによる干渉で、深いディップが繰り返し生じています。音源は、一つなのにこのような事が起きます。
このような干渉を避けるには、スピーカーは、1個で鳴らす事が基本で、同じ帯域を複数のスピーカーで鳴らさない事と、スピーカーの前面には、音の放射を妨げる物を配置しないという事が鉄則です。ホーン内部の補強板などでも、音の影が発生し、境界面ができてしまいます。静止して聴く場合は、気付かずにいますが、動いたら、途端に境界が気になります。


ツイーターの並列駆動は、必ず干渉が起きます
2018/12/02
 ツイーターの並列駆動は、ぱっと見に、格好良く、音圧も上がりますので、音質がブリリアントになり、良くなったと思い込んでしまう可能性が有ります。スピーカーの並列駆動では、コムフィルタが形成され、ピークディップが激しくなります。ツイーター1個では、場所を変えても、同じ音が聞こえますが、並列では、音がふわふわと動き、ぎらつきも。ヒアリングだけでは、この罠にはまってしまいますので、マイクロホンでの客観的な評価も大切にしたいものです。ウーハーの並列動作なら、波長が長く問題無いのですが、入力定格が上がっても、音質面では、デメリットも少なからず有るという印象です。甘いフィルターでも、複数のスピーカーで同じ帯域が鳴るので、干渉が起きます。
YAMAHAのホームページで入手できる、Multichannel Monitoring Tutorial Booklet には、詳しく述べられていますので、興味のある方は、是非お読み下さい。

サブウーハー
 最近のスピーカーは、小口径が多くなり、口径の割に、低音を欲張ると、振動系を重くし、ボイスコイルインピーダンスを下げるといった工夫が必要になりますが、大口径と同じ音圧を得るには、振幅が当然大きくなるので、NFBをかけられないメカニカルパーツが出す歪みは、振幅に比例して増加します。アルティックを代表とする、軽量振動系ウーハーでは、ダンピングファクターの高いアンプでは、低音不足になるという話も有ります。実際に、使用しているマルチシステムでは、そのような聴感です。オーディオファンのイメージの世界では、エネルギッシュな低音を求める傾向が強く、市販のスピーカーはどれも、低音が強調されています。その傾向を反映している、最近のJBL-ProのSR用AC2212/95(パッシブフィルター使用時)と、フラットを追求した、使用中のマルチシステムのピンクノイズによる、分析結果です。
 AC2212/95 12インチ2WAY SRスピーカーの典型的特性 ドンシャリです

 現在の4WAYマルチシステム SLF LEVEL -4dB(at 20Hz)
 2018/08/07
サブウーハー付きのマルチシステム、上のRTAでは、30Hzあたりまでフラットです。18インチサブウーハーのHPFは、24dB/oct 50Hzでブースト効果は、40Hzが中心です。軽い低音と、重い低音が同居できる可能性が高まります。


 下はトールボーイタイプKEF Q70の上に、AR SRT170を載せ、サブウーハーとしてオーバードライブしたものです。共に、16cmのウーハーですが、Q70(バイアンプ駆動)単体での音圧特性が緑色、SRT170を 
LR24 LPF=86Hz φ=INVで付加してみました。アンプ出力は、同じレベルです。小型スピーカー同士でも、超低域までフラット再生できるようになりました。16cm同士でも40Hzまでフラットです。
    Q70+SRT170の音圧特性 2016/12/09
 ARはかつてブックシェルフスピーカーの代名詞だったAR-3aのメーカーです。日本製定番のドームスピーカーではありませんが、コーン型ツイーターとの2WAYで、サイズは、228(W)x420(H)x180(D) 4Ω 17gですが、40Hzまで頑張っている低域特性に着目して、組み合わせてみました。結構立派な低音が出るようになり、15インチクラスと遜色がありません。
この方式の最大のメリットは、全く改造を施さないので、気に入らなければ、跡形もなく撤退できることです。是非とも実験してみてください。低音スピーカーは直線上の位置が理想です。上の方式は、特性を取ったのみで、現在はQ70単体で使用しています。
 小型ブックシェルフスピーカーでは、低音が出すぎている製品が多く、オーディオ用途の有名なモニターSPといえども、こうした傾向が有ります。しかし、上記の例では、音圧特性をフラットにしたのにもかかわらず、出過ぎている傾向は全くありません。音源の量や質に対し、忠実に反応しており、軽い低音は軽く、重い低音はより重く、破裂音もリアルになりました。

GENELEC 8040B、8050Bに見られる積極的なコントロールについて
 スモールモニターの高級品で、BASE TILT ROLL-OFF、TREBLE TILTにより、モニタールームの音響特性にジャストフィットできます。ディスクトップ環境時、160Hzの持ち上がりも補正可能です。無響室で、フラットなスピーカーでも、壁面に近づくとQが上がり、低音が持ち上がり、低音の出すぎとなります。日本語取扱説明書が、ダウンロード可能ですので、是非、読んでみて下さい。



スピーカー入力 接触抵抗 低減への改造 
左のTRS入力部と、LCネットワークを取り外し、右側のように、スピコン入力としました。TRSでは、0.5Ω以上の接触抵抗になることもしばしばあり、スピコンでは、0.003Ω以下と安定しています。
 TRS入力端子(オリジナル)    現在 スピコンに改造して使用 内部配線も4S6に変更 LF MF使用し、HFは、外部スピーカーを取付 2009/01/25

プロ音響定番アイテム スピコン
 ノイトリック スピコン NL4FX 40Aという凄い電流定格値です。2009/03/03

 家庭用コンセントが15Aまでなのに、この価格で40Aを扱えるというのは、凄いことで、Sound Reinforcement定番です。従来のXLRでは、使用できないような、太いケーブルが使用できるようになりました。対して、オーディオでは、旧態依然の緩みやすいネジ式大型ターミナルが用いられています。アンプ側が立派でも、スピーカー側が貧弱ですと、そこで知らぬ間に、緩んでしまいます。スピコンの接触抵抗は、3mΩ以下と優秀で、抜け止めのロック機構があります。
 
20017/12/13
スピコンのケーブル接続はネジ止めで行い、
ポジドライブドライバー #1を使用しますが、ホームセンター \697 で入手できます。4S6は線径が細く、2本をよりあわせて接続しますが、4S8であれば、丁度良いサイズです。4S11まで使用可能。
NL8で、3WAY丸ごと    プロ音響 NL4FXと4S11(0.9Ω/100m)マイク系と区別できる灰色
 2014/06/02

サラウンドにも対応した機器構成
 高級品が全く無い、現在のオーディオラック内の機器です。DVD映画ソースに対応する為に、D端子付き37インチ液晶テレビを中心とし、左右に、センター用SPTOA F-150G(フルレンジ)を配置、上段、自作A級4chアンプ2台、下段中央、VENU360 6chデジタル制御マスターボリューム、左側は、3段遅延式電源ディストリビュータPD-15、FMチューナーSA50ES。他に、SL-1200MKU+DL301U(MC)、自作LT1115使用MC専用RIAAイコライザー(MUTE付き)です。SRC2496 DEQ2496 DVDプレーヤーDV-578A AVアンプ AVC-1620 アナログ音声切換用として、AU-α607NRAが有ります。AVアンプにより、7.1サラウンドにまで、正式に対応しています。電源ディストリビュータPD-15は、3系統x5個のコンセントを持ち、各系統ごとに、ノイズフィルターが内蔵されています。3段階で電源が入切りできるので、ショックノイズ防止もでき、システムの電源操作も簡単になります。赤外線リモコンに対応するように改造し、一度のリモコン操作で、10台ほどの機器全ての電源が入り、微妙なセッティングを保つことができます。

2021/10/22


通常1個の5.1サラウンド用センタースピーカーを2個配置
 センタースピーカーは、従来は、TV直下に1個置いていたのですが、デジタル制御ボリュームの表示が見にくいので、写真のように、TVの両サイドにTOA F-150Gを2個配置しました。この配置は、大型スクリーンを備えた、公共施設にも設置例が有り、特殊ではありません。センタースピーカー2個設置で、センタースピーカーとTV位置関係の諸問題が、一気に解決します。サブウーハーも、アクティブウーハー1個という固定概念に囚われず、フロントL,Rのローエンド強化という形で、18インチパッシブウーハーを2個設置しており、完全な左右対称配置ができています。サブウーハーチャンネルの音は、FL、FRの低域成分を抽出ミックスして作られていますので、大型ウーハーを使用して、本来の低音のまま再生すれば良く、サブウーハーチャンネルが無くても、バランスの良い、サウンドが楽しめます。機器構成のpdfはこちら 実体図 4way_av.pdf


スピーカーは発電機  逆起電力は、コイルに投入する電流を断続した場合に発生する電力で、ここで測定している雑音電力ではありません。コイルと磁石を持っているスピーカーは、それ自身が部屋で鳴っている音で、発電をしています。
スピーカー発電電力測定

 音圧レベル 80dBのピンクノイズ音場での、スピーカーの発電量 能率が90dB/W 国産12cm口径スピーカー(F-150)にて、8Ω負荷の電圧は、-55dBm(0.24μW相当)でした。このスピーカーを鳴らし、1m離れた場所が80dBとなるには、0.1Wの電力が必要です。この時の電圧値は0.89V(+1.2dBm)、発電電圧値-55dBmとの差は、
-55-(+1.2)=56.2dBで、%で表すと、0.15%です。反射は、あらゆる場所で発生するので、三角波のような高い反射波も加わると考えられます。0.15% が無視できる量なのか、微妙なのですが、音質を繊細に捉える事ができる方ならば、考慮する要件となると思います。

12cmスピーカー 8Ω負荷(ピーク80dBの音楽中で測定した発電電圧)  測定器フルーク89W ACmV
2015/09/07

上と同じ条件で46cmウーハーをアンプに接続しておき、途中でアンプを通電してみました。通電時は、アンプで見事に雑音が吸収されています。アンプの内部抵抗が低くて、アンプ雑音が少ないほど有利です。
 AU-α607XR パワーアンプ部(Xバランス)にて 2015/09/09

 通電中は、およそ-65dBm(None Weight)で一定の値です。両端は、電源OFF時で、アンプ通電中は、-65dBm一定で、これがアンプの残留雑音の値です。アンプ動作中は、スピーカーの周りで音楽などが鳴らされていても、その雑音がスピーカー端子に現れないように抑制されている事が解ります。-65dBmという値は、アンプによって異なり、SN比が高いほど小さくなります。
自作A級パワーアンプでは、-87dBmまで低下 
2018/01/25
 残留雑音4μV(A)台の自作A級パワーアンプで、80dB(C)のピンクノイズ音場で、アンプ開放時-35dBm、アンプ接続時-77dBmと、AU-α607XRより良くなっています。ピンクノイズを鳴らさない時は、-87dBmとなっています。測定条件は、アンプ側4S6155cm+0.75SQ45cm〜測定ポイント〜4S82.45m+46cmウーハーで、ケーブル抵抗は、100mΩ 測定ポイント 38mΩで、スピコンなので、接続部が露出できませんので、中間部分での測定なので、-77dBmで、ピンクノイズで揺れています。アンプ出口では、無音時と同じ-87dBmぐらいと予想できます。シングルエンドアンプにもかかわらず、バランスアンプより、高い雑音抑圧ができています。高い雑音抑圧は、録音中の残響を、部屋の残響に乱されないで再生できるようになり、録音中のホールトーンが明瞭に聞こえるようになります。

 定電圧駆動以外では、鳴らされた音による発電で、スピーカー端子電圧が揺さぶられますが、アンプの出力インピーダンスや、ケーブル抵抗がが高いほど多くなります。
LCネットワークに、アッテネーターが付いた市販スピーカーも、同様の理由で、スピーカーには、様々な雑音電力が加わり、解像度はそれほど高くなりません。
 ここで紹介した反射波による雑音電力は、原音に無い別の音楽表現をもたらします。この変化をオーディオ趣味として楽しめばきりがありません。これらの雑音を排除して、ひたすら高解像度を追求する、マルチアンプ駆動は別次元の音で、音源の良否判断も明解で、システムの音質変化への悩みも少なくなります。この雑音電力は、音の一次反射が、早い段階で起きるほど、強いエネルギーとなり、原音よりも時間が遅れた電力として、スピーカーに加わりますが、それらは、ルームエコーとミックスされ、目立たないだけで、存在します.。この環境に対し、低インピーダンス駆動できる、アンプを接続すると、雑音電圧値が小さくなり、スピーカーに加わる雑音電力が低下します。NFBのお陰で、入力信号に無い成分が、出力から逆送されても、アンプ自身の増幅力で、短絡されます。ゆえに、長いケーブルを接続すると、容量負荷や、雑音電力の為、アンプは、大いに働かなくてはならなくなり、かなり発熱することも有ります。建物に、ホール音響用アンプと、BOSE101を使用して、この発熱現象に悩まされ、後日、出力トランス付きで、出力帯域が狭い業務用ハイインピーダンスアンプに交換して、発熱を避けた実例もあります。


音以外のAM放送電波や、電灯線からの電磁誘導雑音もアンプONで消える

オーディオシステムに接続したSPの雑音(
アンプOFF時) チューナーが無くてもAM放送がきれいに受信できています。 右は、アンプを通電した場合で、雑音量は増えますが、AM放送は消えます。録音は、UA-25EXで行いました。
雑音源:AM放送 送信所 5kW出力 距離4km 他に、8kHz〜10kHzを定期的にスキャンする正弦波雑音(電灯線が発生源) 休日は無く、平日の午前中に多く現れ、電磁雑音のみに反応するテレホンピックアップでも綺麗に拾えます。


オーディオシステム中の18インチウーハー単体の8Ω負荷への雑音 ここには、AM放送は現れません。ボイスコイルのインダクタンス分が効いて、高域でインピーダンスが上昇し、発電量が減ります。
2015/10/08

 システム中のスピーカーに現れる雑音を観測すると、確かに物音など床から大きなエネルギーでスピーカーが発電しますが、アンプを通電した途端に、アンプがそれらを支配しますので、スピーカーの音として放出されません。従って、スパイクに大きな投資をする事の意味をよく検討していただきたいと思います。ギターを床に付けて鳴らして同様の実験を行っても結果は同じで、アンプが支配していました。壁からの反射音や、電灯線から混入するAM電波や、PCなどの雑音も、アンプが通電されていれば、雑音として、スピーカーを鳴らすことは無くなります。

電磁雑音検出に最適なツール テレホンピックアップ SONY TP-15
  2015/10/23
空気振動を全く感知しないで、電磁雑音だけを検出します。
携帯電話や、LED、蛍光灯、ワイヤレスマウスなどあらゆる物から電磁雑音が出ていることが判ります。
人体も微量ながら、電磁誘導により、雑音を発している事も検出できます。下では、これを利用して、スパイクの効果を検証しました。
YAMAHA S55に8mmの袋ナットを取り付けてスパイク効果を実験 2015/10/23
スパイク 効果の疑問

 平行面が無いエンクロージャーなので、定常波が乗りにくい形状です。このスピーカーを、床に置いて周りをを歩き、足音を音源として、スピーカーが発生する電力を測定しました。スパイクの代用として、ネジ径8mmの袋ナットを使用し、直置きとの違いを比較しましたが、大きな差は出ませんでした。スパイクの効用解説によれば、円錐の頂点から振動が伝わらないとしています。しかし、スパイクの4点を結べば、面になり、その面の部分の床が振動すれば、振動がスピーカーに伝わります。床振動を遮断するには、フローティングが良いのですが、今度は、反射音の空気のエネルギーが、スピーカーを振動させます。マイクで音の波形を長時間見ておりますが、床の振動を原因とするギザギザの波は、ついぞ見たことがありません。やはり、電気的に雑音除去する方が、合理的で効果が高いでしょう。NFBのかかった高忠実度アンプは、次々とやってくる外来雑音を吸収し、ひたすら原音をスピーカーに送る重要な働きをしていますので、振動で、スピーカー音に影響を与えるとは思えません。スパイクは、過度な音質効果を願わず、装飾品の一種と見なした方が賢明ではないでしょうか。
比較動画について
 有名な動画サイトにスパイク有りと無しで音の比較がありました。ベタ置きとスパイクで浮かした2通りなのですが、確かに音は違いますが、
比較するのなら、ベタ置きではなく、スパイク以外の物で、同じ高さまで浮かした条件でないと比較の対象にはなりません。
フロアにベタ置きすれば、どんなスピーカーでも、低音が持ち上がります。さらに、後壁にくっつければもっと低音が出ます。
気になったのは、スパイク解説サイトによれば、、スパイクがメカニカルダイオードとして働き、円錐先端から振動が伝わらないというくだりです。言葉どおり、ダイオードならば、先端同士を接触させれば、両方向とも振動が遮断できるということになります。
これですと、完全に振動のアイソレーションが可能となる筈ですが、しかし、現実にはあり得ない事でしょう。そもそも、物体が絶対零度以外なら、振動しているというのがセオリーだと思います。
 他にも、ケーブルを交換した時の、音の比較をする動画も多く有りますが、音の収音条件が全く表示されていないので、真剣に取り合うことができません。デジタル録音をして、ファイルを解析すると、10kHzまでの音であり、それが創作的であったり、逆に、誤差程度の違いしか無いものもあります。中古スピーカーの音を聴かすものでは、確かに良い音と思って見ますが、良い音は、自身のスピーカーシステムからの出ているので、画面の中古スピーカーに憧れる必要はありません。動画につられて、大金をはたく前に、科学的な分析も行うと、良いかと思います。

誘導 音を消すには、回路を短絡
 インターネットでは、建築音響設備施工経験者の常識的トラブルが解説される事がほとんど無く、オーディオファンに至っては、無知といわれる現象があります。それは、工事会社の技術者が伝承する、誘導と呼ぶ現象で、工事(結線)ミスが起きると、スイッチ選択OFFの放送区域であっても、他のエリアで放送中の音が、かなりの大きさで鳴ります。アッテネーター(音量調整器 大 中 小 切り)で、OFFにしても、音が出ます。その原因は、100Vラインという、高電圧でスピーカーが駆動され、電力の高圧送電と同じ仕組みで、伝送損失を防ぎますが、電磁結合、静電結合などにより、放送をしていない系統の配線に、放送中の音が誘起されて、スピーカーから音が出るという事です。
 その現象が起こらないよう、放送をしない区域の配線を、下図のように、アンプ側の回線SWで短絡しておいて、スピーカーに誘起される電圧をゼロにする事により、駆動電力を無くしています(電力=電圧x電流で電圧が0)。スピーカーと、アンプの間にある、閉ループでは、放送の内容に応じた電流が流れていますが、電圧をゼロにするので、電力が発生しないという原理です。スピーカーが100Vラインで駆動されていますので1W時で、10kΩのインピーダンスとなり、配線抵抗が少々有っても、選択スイッチで回線を短絡すれば、無音になります。
 業務放送では、片切スイッチで開放せず、負荷から見てアンプ側が短絡で切りとしています。

 ところが、ホール音響など、高忠実度な音響設備では、ローインピーダンス駆動なので、小さな抵抗値で、回路を短絡しないと、誘導による、駆動電力が発生します。ローインピーダンスとはいえ、100Wでは、約30Vという電圧となり、アンプの出力インピーダンスを十分に下げる必要があります。このような科学的に証明できる現象を防ぐ為には、放射ノイズの少ない4芯スピーカーケーブル0.1Ω以内使用と、出力インピーダンスが低いNFBのかかった高忠実度アンプを推奨します。
音質が悪いNFBアンプが有るのは、事実であり、型番はメーカーの名誉の為に伏せておきますが、原因を探れば、NFB経路が無配慮でした。正しく製造されたアンプでは、このような劣化はなく、数値競争時、盛大に宣伝した製造メーカー自身が、NFBを否定するなどは、ミスリードと言えます。今日の半導体事情の為製造されているD級アンプでは、高周波雑音が、電線の間を飛びやすくなりますので、商業設備ではこの限りでは無いとしても、高忠実度が必要な設備では、遮蔽ケーブルを使うか、金属配管を施すかを行い、離隔にも注意した方が良く、無線設備と同等に考える方が良いでしょう。(遮蔽ケーブルのみでは、一旦トラブルが発生してしまうと、この手法のみでは、ノイズトラブルは防ぐ事ができないという事例もあります。)
マイクも同様
 マイクのトークスイッチもマイク側で、信号回路を短絡しています。ここを、片切スイッチで開放にすると、アンプから盛大なハム雑音が出ます。トークスイッチの接点が接触不良にて、抵抗値が上昇すると、OFFにしても、完全に切れずに、音が送り出されます。このようなマイクに気付かず、おしゃべりをしていると、全館に放送されますので、ご注意ください。

DMMにて抵抗両端の誘導電圧を測定
 デジタルマルチメーターは、テスターのような外観ですが、内部にアンプが有り、微少電圧も測定できますが、これで、抵抗両端の電圧を測定してみました。抵抗値は、1MΩと390Ωで、ACmVレンジです。結果は、35mV対0.053mV、抵抗値は、1MΩが、真空管、FETなどの電圧増幅素子、390Ωが、低雑音バイポーラOPアンプを意識しました。その差は56.4dBもありました。ハイインピーダンスな回路を、無防備にさらすと、ノイズ洪水になります。しかし、抵抗値さえ低ければ、そのような環境でも、ノイズの影響が少なくなります。FETのゲートは、ガードパターンを置いたり、アンプ全体をシールドすると良いでしょう。アンプケース全体が金属でシールドされていても、内部で拾っていては洒落になりません。内部で起きる誘導は、その信号が入力された時だけ発生しますので、測定の網には引っかかりにくいと思います。自作A級アンプでは、信号経路に、大きな抵抗を使用しないで、少しでも誘導雑音を避け、バイポーラOPアンプ入力としました。このアンプ入力は、同じくバイポーラOPアンプ出力による電子ボリュームでの低インピーダンス駆動とし、信号線でノイズが乗らないように配慮しています。

アンプ内部も同じ現象が
2020/02/15
 ステレオプリメインアンプで、上が片chに10kHz7.5Wの矩形波出力で、下が入力の無いもう一方のch出力です。入力の無いchの条件は、左が入力オープンで、右が47Ωの抵抗を付けた場合です。オープンは、真空管アンプのプレート出力、47ΩはOPアンプの出力と考えると良いかと思います。マランツタイプのPhonoEQアンプのように、カソードフォロア出力であれば、OPアンプに近くなります。
 クロストーク量は、左が、29.5dBで、右が56.5dBその差は、27dBです。オープン時は、尖った波形で、47Ω時は、通常の逆相クロストークだけで、反射音と同じ成分です。悪く表現すると、左が、少々荒れた音で、右が無味乾燥で、良く表現すると、厚みのある音と、クリアな音というように、アンプを通過して、音質が変わる要素の一つとして考えると良いでしょう。このように、余計な音が加わらないようにするには、低いインピーダンスで送り出す事が重要です。


スピーカーの音質を悪化させる直流抵抗 コイルの直流抵抗やレベル調整用ボリューム
 前出のLCネットワークで使用しているフェライトコアを使用した3.3mHのコイルの直流抵抗は、469mΩ、入力端子から直列になるコイルを通ってウーハの端子までの抵抗は、568.4mΩでした。アンプのダンピングファクターが300とした場合、スピーカーからアンプまでを、完全ゼロΩのスピーカーケーブルを使用しても、コイルの直流抵抗で、ダンピングファクターは、13.4以下となります。実際には、アンプまでのスピーカーケーブル抵抗(参考までに、現在使用している4S6 3.1mのケーブル抵抗は、片側で60mΩです)と、アンプ出力端子の接触抵抗、アンプ内部のミューティングリレーの接点接触抵抗10mΩ前後などの直流抵抗が付加されますので、ダンピングファクターは更に悪化します。又、より高級とされる空芯コイルでは、巻数が増えて、直流抵抗はもっと増加します。
 このような直流抵抗が有った場合、アンプから音楽を鳴らしている最中でも、
スピーカーの前で手を叩くと、マイクと同じく、手を叩いた雑音が観測できます。ところが、スピーカーをアンプ直結とすると、手を叩いた雑音は、かなり低い値となり、アンプ直結の場合、そのような雑音が発生しないように抑制される事がよく判ります。この状態が、アンプによるダンピングが効いている状態であり、真空管アンプでも半導体アンプでも、この制動効果が直流抵抗成分を含んだLCネットワークにより損なわれます。実際に、直流抵抗成分を含んだLCネットワーク経由では、ぼやけた低音で音量も多く感じられ、アンプ直結では、それより音階が低く、音量は少なく感じられます。人によっては、過制動といった表現で、この状態を批判するとは思いますが、定電圧駆動という理想状態であり、この状態で、スピーカーが最良の音質となるよう、スピーカー自身も開発されなければなりません。B&W社では、推奨スピーカーケーブルインピーダンス 0.1Ω以下 と規定しています。この値は、直流抵抗をつないでの実験結果からみても妥当であると思います。
 
下は実験機材です。SPケーブルは4S6を使用し、SPレベル調整用8Ω巻線型ボリューム(NOBLE ACRW403 定格8Ω)をスピーカーとアンプまでの間にある直流抵抗とみなし、スピーカー側(2番)とアンプ側(3番)の波形の違いを2現象オシロスコープで観測するという手法をとります。ケーブル長は、アンプまで2m、ボリュームからスピーカーまで75cmとしました。
この実験用ケーブルの直流抵抗の詳細は、測定コード残留抵抗0.56mΩを使用し、COM側(白−白)55.4mΩ HOT側(赤ー赤)94.2mΩ(VR MAX時) 7.19Ω(VR MIN時) 測定コード残留抵抗は、55.4mΩの約1%で、メーターの測定誤差より小さく、無視できると思います。 
  
 写真左はスピーカー用ボリューム(8Ω)と、ホーンスピーカーFOSTEX T90Aです。 その右は、フルレンジコーン型スピーカーTOA F-150G(下)と2WAYスピーカーTOA F-160G(上)、ホーンスコーカー ONKYO HM-450Aです。駆動アンプはAU-α607XRを使用しました。固定抵抗ではなく、ボリュームにしたのは、ネットワーク構成部品として、よく使用されるからです。それと、スピーカーと並列にボリュームの抵抗が入り、スピーカーで発生する逆起電力を逃す作用の度合いを確認する為です。
トランス式アッテネータの場合は、直列に入る抵抗が無いのですが、トランス巻線自体に直流抵抗があり、無視できません。アンプによる制動効果を期待するのなら、スピーカーアッテネーターを使用しないで、アンプ直結が良いでしょう。

スピーカー用アッテネーターは、アンプ側がきれいな波形でも、スピーカー端子側では崩れる
 フルレンジコーン型F-150G 200Hz 上側の入力波形はきれいですが、下側のスピーカー端子側での波形は、正弦波がゼロになっても、制動不足のふらつきがあります。この測定は、抵抗があれば、簡単にできますので、波形を見ながら音を聞いてみてください。1個のボリュームの2番と3番でこんなにも波形が変わってしまう事に注目です。抵抗器は、直線素子で、本来ひずみの原因ではありませんが、スピーカーという発電機からの余計な電力を発生させてしまいます。片やアンプは、働き者なので、見事なまでに波形をキープ、ボリューム入力端子ではきれいな波形のままです。アンプとスピーカー直結のメリットは、ここにあります。直結にすると、
NFBのかかったアンプが正しくスピーカーを定電圧駆動することになります。直流抵抗成分が多いLCネットワーク使用したマルチウェイスピーカーを、NFBのかかったアンプでも、正しく駆動できず、結果的に、特性の悪いアンプによる駆動と大差無いことになってしまいます。スピーカー1個に1台のアンプであれば、正しく駆動できるので、アンプの特性が良いほど原音に忠実となります。JBLの4344では、3個のアッテネーターが並んでおり、これを使わずに、マルチ駆動して、タイムアライメントを合わせれば、もっと高解像度な音が出る筈です。せっかく大金をかけても、安物と区別できない鳴り方になるのなら、ブランド信仰で満足するより、鳴らし方を改め、本来の音が出るようにするべきでしょう。
 NFBは、音質を良くする為の正しい方法であり、アンプの音質論議で悪人扱いされ、冷や飯を食った時期があります。CDに収められた音楽ができあがるまで、どれほどNFBが利用されているか、現実を直視するべきでしょう。真面目に作られた90年代の普及価格帯のアンプの能力を出し切るには、スピーカー1個に1台のアンプを割当て、徹底した直流抵抗の低減に神経を注ぐべきでしょう。とはいっても、0.1Ω以内が目標値で、高価なスピーカーケーブルも必要ありません。1m/60円の4S6でも可能です。スピーカーの音質を意識されている方は、是非この実験を行ってください。10円もしない安い抵抗1本で音が呆けるのが確認できます。抵抗を無くすと、曇りのち晴れというように、音の鮮度が上がります。
 2011/01/12 SP用8Ω巻線ボリューム
ボリューム位置真ん中における、F-150G 200Hzの波形と2現象オシロスコープ LEADER 8060 

 同じ、左、2WAYスピーカーF-160G 200Hzでは上のF-150Gと全く同じです。 真ん中は、ホーンスコーカー HM-450A 1.25kHz 少ないですがあります。右は、T90A 8kHz この中では、最小です。
フルレンジでも、2WAYでも、同じような波形が入力されます。コーンスピーカーだけに限らず、ホーンスピーカーでも同様です。アルニコ磁石のT90Aがふらつきが少ないのですが、ホーンツイーター Beyma CP22 フェライト磁石でも、T90A同様の結果で、磁石による差ではない事は、解明しました。
磁力は、電子のスピンで得られ、材質によって色が付いているわけでもないので、必要な磁束が有れば、アルニコでも、フェライトでも一向に構わないと思います。
  
2011/01/12

矩形波入力のSP端子側波形
 フルレンジスピーカー F-150G入力端子の波形で、左が、8Ωボリューム最大です。
右が、SP用アッテネーターをセンターにした時で、矩形波の立ち上がりが取り残され、スピーカーの逆起電力による、ツノが現れてきます。このような場合、ジーという奇数次高調波は、同じ大きさで聞こえ、基本波の1kHz成分の音が弱く聞こえます。右は、同じアンプによる、抵抗負荷の波形です。
スピーカー実負荷                              スピーカー用8Ωボリュームセンター時
  駆動条件:アンプ SONY TA-F333ESJ(MOS-FET)で、オシロスコープの垂直感度は、固定です。

上と比較し、抵抗負荷でのアンプ出力はきれいです。 
 2014/03/31

直流抵抗は、スピーカーだけでなく、ヘッドホンでも、音質劣化を招く
 
プリメインアンプ ヘッドホン出力部

 上図、オーディオ全盛期頃の、プリメインアンプのヘッドホン出力回路には、330Ωの直列抵抗が入り、適切な出力がヘッドホンに加わるようになっていました。同時に、アンプの残留雑音もこの抵抗で小さくでき、実用性を持たしていました。中には、この抵抗が入る事で、定電流駆動となり、音質が向上するとの、解説も有りました。定電流駆動は、周波数特性が変化するのみで、音質向上とは無関係です。周波数特性は、出力抵抗が増加するので、真空管アンプと同じ傾向の音、すなわち、ドンシャリとなります。ところで、ヘッドホンの磁石が小さいとはいっても、コイルも有り、逆起電力が発生すると見るのが、科学的でしょう。それが無視できるような小さなものか、影響を考える必要が有るのか、皆が議論だけで、実験を試みません。或る有名なサイトのコラム欄の議論も、影響は考えなくても良いような感じで議論が終わっていました。

実験に使用したのは、モニターヘッドホンの定番 SONY MDR-CD900STで、駆動アンプは、拙作純A級5Wアンプ、直列抵抗は、酸金330Ωです。
250Hz 抵抗有り    4kHz 抵抗有り   4kHz 直列抵抗なし 
2018/11/26
 250Hzは、上がアンプ側、下が330Ω後の、ヘッドホン入力波形です。4kHzも、同様ですが、スピーカーと同じく、直列抵抗の後は、細かな波が観測できます。一番右は、直列抵抗無しでの、ヘッドホンの端子電圧、上がL、下がRです。音量は、普通に聴ける大きさです。
結論は、ヘッドホンの磁石が小さくても、スピーカーと同じように、抵抗無しとしなければ、解像度の高い音は得られません。バランス駆動という4線引きの方法は、逆相クロストークを低減する効果は有りますが、逆相なので、波形歪みではなく、反射音として、音源に紛れ込みます。ハイエンドアンプに、フルバランス駆動が多くなった為の、あやかり商法と思いますが、ヘッドホンを改造してまでも行うメリットが有るのか疑問です。
ハイエンドアンプでは、あまりにも、大出力で、残留雑音も多く、ヘッドホンに生接続できません。上の、拙作5W純A級アンプならば、感度の高いホーンスピーカーでも、モニター用ヘッドホンでも、どちらも対応できますが、ボリューム操作がその都度必要です。そこで、TI Sound PlusシリーズのOPA1622を0dBアンプとして使用した例を冒頭でご紹介しています。DIP化モジュールは、秋月で\700で入手できます。
 直列抵抗が無いと、プラグ挿入時に短絡するとの懸念は無用です。秋月\90 6.3mmステレオジャック パネル絶縁型と、カナレF-15との組合せで実験の結果、ゆっくりと動かしても、短絡は確認できませんでした。どうしても不安ならば、音を小さくして抜き差しすれば、全く問題もなく、直列抵抗を入れない設計者を素人扱いするなどは、以ての外でしょう。 
注:少なくとも、ネットで意見を述べるなら、人の噂ではなく、こんな簡単な実験ぐらいやってからにしましょう。

ワニ口コード、バナナプラグ類の1kHzインピーダンス実測値 黒変した電線ではインピーダンスが増加
 

抵抗値 修理後
30.8mΩ
32.3mΩ
32.8mΩ
54.6mΩ 31.4mΩ
32.3mΩ

測定コード残留インピーダンス 0.92mΩ室温15℃ 測定平均値31.9mΩですが、色セット物の内、緑色だけが54.6mΩと極端に大きく、原因を調査したところ、表面が少し黒変した古い電線が使用されていました。修理は、新しい面が出るように目の細かいヤスリで磨いてから、ハンダ付けしました。
 SPのバイワイヤリング接続の説明中によくある、バナナプラグによるジャンパ線や、ショートバー(KEF製)の抵抗値です。ジャンパ線を作るより、ショートバーの方が断然、抵抗が低いです。ショートバー、表面は金メッキですが、内部はニッケルメッキらしく、軽い磁性があります。電線は、2SQで約8cmの物を測定しました。とはいえ、バイワイヤリングのスピーカーは、ジャンパーを外して、2対のケーブルで接続するのが正解です。微妙な音質の違いを強調するなら、このような、バナナプラグを使用せず、スピーカーケーブル端子と直に接続する方が、異種金属の境界面を通り抜ける回数が減り、より良い音になる筈です。

バイワイヤリングの間違った記述に、ご注意を!有名な専門店でも、怪しいと思ったら鵜呑みにしないこと
 ショートバーは、シングルワイヤー接続の場合に、使用する物で、バイワイヤリングでは、
ショートバーを外し、2対のケーブルでアンプまで接続し、アンプの出力端子で並列とします。時々、間違った記述が、ネットや、動画サイトに有りますので、注意してください。バイワイヤリングは、ケーブルを沢山売るには、都合のいい接続形式ですが、倍の長さのケーブルを使用する割には、音質の向上は、ほとんど感じられません。折角2本のケーブルを使用したのなら、バイアンプ接続の方が、音の向上が感じられます。バイアンプ接続は、AVアンプで簡単に実現できます。AVアンプ=5.1サラウンドという、思考ではなく、普及価格帯2chステレオアンプと考え、HDMI対応や、FM,AMチューナー、ネットラジオなどのプラットホームとして便利に使用できます。バイアンプでも、LH間に遅延が設定できれば、ガラリと音が変わりますが、AVアンプでは、そこまではできませんので、ツイーターが奥に下がっている2WAYスピーカーを使用するという方法も有ります。ピュアオーディオアンプなどに手を出すと、車道楽と同じぐらいお金がかかりますので、マニアックにならずに、それでいても、高品質を求めるのなら、このようなやり方がお奨めです。

スピーカーまでの直流抵抗とスピーカー端子電圧の関係   フルレンジコーン型スピーカー TOA F-150Gにて


 200Hz 1波トーンバースト波を加え、直列抵抗があることによる、スピーカー端子側の波形の乱れです。測定系のスピーカーケーブル4S6(アンプまで1m往復の残留抵抗 37mΩ)に、直列抵抗を入れ波形の変化を見ました。結果は、スピーカーケーブルをあまり長くすると、レベル減少だけでなく、原音にない電力が発生し、もやもやの音を聞かされるというものです。4S6が1m実測値37mΩですので、0.1Ω以内を目標とすれば、3m未満でなければなりません。なおこの現象は、特別なものでなく、ボイスコイルと磁石があるスピーカーでは必ず起きます。もう少し詳しい解説
音響ホールにおいて、4S11を使用した場合、0.1Ω以内とするのであれば、11.5mが限度となります。これを実現する事は、ホールでは不可能ですので、だぶついた低音となっている事が、各所のホールで確認できます。この結果、ホールでは、18インチサブロースピーカーは、パワードスピーカーの使用が望ましい事となりますが、電源コンセントの問題が生じます。家庭内では、2.7m以内の配線長であれば、4S6でも、音響ホールよりも良い低音が出せます。4S8ならばもっと余裕で、少し大きめの部屋でも0.1Ω以内が実現できます。とは言っても、現実離れした、太いスピーカーケーブルは必要ありません。

アンプ内部の配線抵抗
 スピーカーまでの直流抵抗の中に、アンプ内部の配線抵抗も含まれます。それでは具体的にどのような抵抗値が有るか、実際に測定できる機会を得た機種についての抵抗値。
LUX 真空管式パワーアンプ MQ60C 4Ω L 582.74mΩ R 592.53mΩ 8Ω L 788.02mΩ R 799.67mΩ 16Ω L 1.085Ω R 1.095Ω 大半がトランスの巻線抵抗です。
負荷となるスピーカーTOA F-150に 真空管アンプMQ60C(50CA10pp)による200Hzトーンバースト波形 と、スピーカー負荷時の周波数特性(比較用に抵抗負荷も表示)。
  真空管式アンプのSP実負荷での周波数特性変化
 真空管アンプは、トランス巻線全体から起電力が生じるので、どのような波形になるのか興味がありましたが、2.2Ωに近い波形となりました。結果より、巻線全体に生じる電力の内部抵抗は、0Ωのような特殊な数値をとらず、直流抵抗より、高い値で、インピーダンス値ほどではない値という結果と見なして良いでしょう。スピーカー実負荷時の周波数特性は、抵抗負荷特性がフラットでも、上図のように、スピーカーインピーダンスをトレースした、ドンシャリとなります。
SANSUI AU-α607NRA Lch A 70.6mΩ B 60.2mΩ Rch A 70.5mΩ B 71.1mΩ カタログ定格値ダンピングファクター150を実現するには、53.3mΩ以下が要求されますが、最良値でのDF値は、129という結果です。
SANSUI AU-α607XRでは、もう少し良い結果が得られ、カタログ値は満足しています。
SONY ミニコンポ LBT-V710 平均 230mΩ それより配線経路の短い SONY ミニコンポ HCD-F3MD 69.7mΩ

NFBのかかった高忠実度アンプの実動作電流と負荷端の波形
 アンプの出力電圧波形と、スピーカーに流れる電流を実測しました。電流検出抵抗は、0.1Ωで、スピーカーコードは、4S6 75cmとし、スピーカーは、TOA F-160G 2WAYです。アンプは、SANYO STK4112UというパワーICで、差動入力による、典型的なNFBアンプです。NFBにより、電圧が理想となるように、電流を制御している状態が読み取れると思います。電圧がゼロでも、電流が流れますが、電圧がゼロですので、電力はゼロです。
 ここで、
アンプの入力電圧と出力電圧が相似という条件が、本当に良い音かどうかは、スピーカーメーカー側の問題として、棚上げし、アンプ側の責任としては、あくまでも、入力と出力が一致するように働く事は、悪いことではありません。電圧ドメインなのか、電流ドメインなのか、はたまた、行きっぱなしの無帰還アンプや、スイッチングアンプの方が音質が良いのかという議論も別の次元であり、ここでは、課題にしません。それでも、電圧出力波形の単純さに比べ、電流波形が複雑で、電圧波形と似ても似つかないというのに、仰天します。仮に、電圧を放置して、電流を入力に比例するように流したらどうなるのでしょうか。はたまた電流と電圧の位相がずれた場合、アンプはどのように働くのか興味が尽きません。

250Hz 500Hz 800Hz 上側がスピーカー端子電圧(アンプ出力電圧) 下側が、電流


1kHz 2kHz 4kHz  上側がスピーカー端子電圧(アンプ出力電圧) 下側が、電流

8kHz 16kHz 電圧(上段) 電流(下段)2015/03/10
 どの周波数においても、ゴーストップの過激なスピーカー駆動電圧を忠実に再現できるように、微妙な補正電流を流している働きが観測できています。当たり前にある半導体アンプですが、これだけの素晴らしい働きをしていれば、不足は無いと思います。この結果により、4WAYマルチアンプシステムの全スピーカーを単独でアンプ直結とした、意図が理解されるものと思います。

FM変調波による周波数特性の調整
 タイムアライメント調整を済まし、各ユニットの干渉が少なくなってから、周波数特性を測定して、マルチアンプシステムで重要なチャンネルバランスを取ります。一般的にはピンクノイズを使用しますが、 専用測定器が必要で、1オクターブや1/3オクターブと帯域を狭くすると、1〜2dBぐらい測定値が変化し、精度の高い測定ができません。低音域は、積分時間の影響を受け、誤差がもっと増えます。ピンクノイズ仕様測定器は、PAA3 \45,800が最も安いのですが、NTIの新型 XL2では \166,000とかなり高価です。
 
何とか安価に済ませたいと考え、FM変調をかけた正弦波(ワーブルトーン)を使用して調整を行い、想定した結果が出るようになりましたので、以下に紹介します。ワーブルトーンは、周波数が変化しても、電圧は変化せず、弦楽などの音と良く似ています。又、電圧一定が奏功して、ピンクノイズでの測定より、高い精度の調整が可能になります。安い測定器でも高精度が可能で、正にアマチュア向けといえます。ワーブルトーンでの調整後、必ずピンクノイズを各帯域毎に鳴らして、定位の確認を行うと、より完璧ですが、ワーブルトーン調整から調整値がずれる事があります。この場合は、測定結果に神経質にならず、ピンクノイズによる定位調整を優先すれば、大丈夫です。
 電圧が変化しないワーブルトーン

調整で使用した、1オクターブ幅FM正弦波は、efuさんのWaveGeneで簡単に作れます。
1オクターブ幅FM正弦波の作り方はこちらを参照
1/3オクターブ幅と1オクターブ幅のFM変調波(ワーブルトーン)を使用すれば、簡単なマイクアンプと交流電圧計で、完全な調整が可能です。( DCX2496実践的使用法を参照して下さい。)   測定用信号   1/3オクターブBAND 1オクターブBAND


2chステレオの定位
 2chステレオ音源を再生したとき、左右のスピーカーの間に、録音された音が並んで聞こえます。これを定位と言いますが、スピーカーを正しい手法で鳴らせば、かなり精密に配置されます。反面、設計の悪いシステムや、残響の多い部屋では、音の位置がはっきりしません。垂直線上にスピーカーを配置すると、音階が変化しても水平方向への移動が無く、ステレオ再生時の音像が小さく明瞭になります。反面、水平方向に配置された場合は、音階と共に音像の移動が起きますので、定位が曖昧になります。この原理によれば、2WAYのスピーカーを横にして、ステレオ再生を行った場合は、定位に問題が発生する事となります。3WAY以上で、ミッド、ハイが中心軸の左右にあるスピーカーも同じです。モニタースピーカーで有名なGENELEC 8040B 8050Bオペレーティングマニュアルには、クロスオーバー周波数周辺のキャンセレーションを防止する為に垂直方向でご使用下さいとありますので、定位以外の観点でも、正しく設置しなければなりません。
垂直方向に耳は鈍感
当地は、航空自衛隊岐阜基地が近く、上空には、様々な航空機が飛んできます。飛行機の場所を特定する時、いつも苦労をしますが、聴覚の上下方向感覚が鋭ければ、瞬時に位置が特定できる筈です。日頃、上空の音源に対し、航空機は、まず廻りの反響から、探り当てる事が多く、雲雀は、廻りの反響が少ないので、ひたすら、上空を探し、点になった鳥の姿を探します。同じく、航空機も先に視覚的に捉えると、音の方向が確定できやすくなります。

ツイーターの高さは、重要
 音像の高さについては、私の聴感によれば、いくら鈍感とはいっても、ほぼツイーターの高さで、認識します。この結果、音のへそになるのは、ツイーターで、これがスピーカーシステムの特等席にないとうまくシステム構築できないと考えます。
 イコライザによる、音場補正をする場合、アナログイコライザでは、左右の位相誤差により、音像が呆けてしまいます。同じ補正をデジタルイコライザで行うと左右の位相が全く同じなので、音像が小さく明瞭になります。多くのホームリスニング環境を測定した場合、左右同一の周波数特性となることはほとんどありません。その為、左右別々の補正をして、より平坦な特性にしたいのが人情ですが、
別々の補正をすると、位相が異なってきますのでステレオ感としては、かえってマイナスです。ステレオ再生では、左右の周波数特性の平坦さよりも、位相差が無い方が重要です。でもお薦めは、各スピーカー間のレベルマッチングだけで調整し、周波数特性をいじらないことです。
 
マルチWAYスピーカーシステムにおいて、より明快な定位を目指して、左右のレベル差を補正する場合、ピンクノイズを音源とし、ウーハー同士、スコーカー同士、ツイーター同士というように、音域の同じスピーカーで、ピンクノイズを再生しておき、音が真ん中に来るように左右のバランスを調整すれば、パーフェクトな調整となります。
        
定位 高級品代表格のJBLスピーカーでは

 人気の高いJBL社のモニターシリーズでも初期の頃は、左右にユニットが散りばめられていましたが、最近の設計では、縦一直線に配置される事が多くなりました。高級スピーカーAVANTGARDEも縦一直線です。マルチウェイスピーカーシステムでは、複数のスピーカーで一つの楽器の音を再現しますので、左右に敏感な耳の方向感覚を考えれば、縦一直線に配置されていなければ、音像が膨らんで聞こえます。正しく音が出ているシステムは、ユニットが違っても、音が似ています。それ故に、ピストンモーション領域を正しく使用できれば、普及価格帯のユニットと、高級品との音の違いが少なくなります。
逆説的には、高級品といえども、セオリーを無視した配置では、特徴のある音(良く言えば、個性的な音)となってしまいます。高級品といえば、JBLも非常に人気が高く、普通に購入していれば、財産が持たないので、オークションで安価にJBL製品を購入し、テストを行ってみました。購入したのは、1インチドライバモデルの2425J+2370Aホーンと、2インチの2445J+2380Aホーンで、購入金額は全部で10万円以内で収めています。現在のオーディオは、趣味としては非常に金のかかるジャンルで、2桁ぐらいで勝負できているうちならば奇跡と思えます。

サブウーハーは、2本使用で自然な再生となる
 18インチウーハーを追加するとして、2本でなく、サラウンドのように、1本で済ませないのかと考えることは、コストとスペースを考えた場合、自然な考えだと思います。確かに、メーカーの宣伝などでは、定位感の無い80Hz以下の再生では、1本で済むとあります。定位感が無いのは、その通りなのですが、それは、理想の場合であり、現実は、スピーカー自身に歪みがあり、2次、3次高調波歪みが発生し、80x2=160Hzや、80Hzx3=240Hzが音として出るので、置き場所がはっきりと聞き取れてしまいます。又、壁が、振動して、その音も加わりますので、やはり1本では、まずい事となります。超低音域まで、正確な定位を得る為に、2本を左右に置くのは、2chステレオの場合、最も合理的な方法です。こうすることで、スピーカーで歪んだ音が出ても、録音と同じ定位が得られます。サラウンドでも、サブウーハーチャンネルを使用せず、フロントLRのスピーカーの低音再生能力を強化した方が、自然な定位が得られます。コンサートで、18インチウーハーを多数使用する場合は、メインとなる、スピーカーの軸に合わせて設置するのが、最良とされていますので、プロエンジニアの手法も参考にしてください。


同軸2WAYスピーカーを、JBLホーンSPでMID割り込みとして3WAY化
JBLとTANNOYは、オーディオスピーカーとして、人気の高い双璧で、ジャズならJBL、クラシックでは、TANNOYというのが、定説でしょうが、冗談のようなJBL-TANNOYシステムを試す事になりました。

 TANNOY System12とJBL2425J+2370A、T90Aの3WAYシステムです。System12は、12インチウーハーながら、最低共振周波数が20Hzとかなり低いので、従来から使用していた、サブウーハーを無くしました。TANNOYは、オリジナルのままですと、引っ込んだ帯域が有り、そこをパスするように、ミッドホーン2425J+2370Aを使用しました。
 TANNOY System12

現在の3WAY 2016/11/28 純A級アンプ3台にてマルチ駆動 2017/12/06
現在は、4KTVと組合せています。光で、ONKYO製AVアンプへ行き、FL、FRで、鳴らしています。TANNOYオリジナルでの定位感は、同軸ならではで、優秀ですが、JBL 2370Aは、1インチスロートが幸いして、CDホーンに良く似た均一な音場が再現され、スピーカーの存在場所が意識できない自然な定位です。薄型TVの貧弱な音が、豪華な音に代わりました。JBL 1インチドライバー 2425は、高域までダラ下がり特性で、平坦域は、800Hz〜6kHzぐらいですので、ツイーターが必要となります。T90Aは、スーパーツイーターという名称ですが、ホーンスピーカーとしては、ワイドレンジで、しかも廉価です。完成度が高いホーン形状ですが、価格が安いのが逆に作用し、失敗したとの思い込みで大切にされず、オークションへの放出例が多いです。オーディオは、音が勝負なので、空気は、金持ちも貧乏人も平等に与えられており、使いこなせば、安定した音が出ます。コンデンサ1個で、鳴らしたぐらいでは、良否は判りませんし、重なりが多くなり、うるさい高音域はやがて飽きてしまいます。マルチアンプシステムで、攻めるのが、成功への近道と思います。

定位ならば、点音源 TANNOY 同軸ホーン2WAY System12  KEF 同軸ドーム3WAY Q70
 2014/12/10      2014/03/27 
TANNOY System 12
 いわゆる、オートグラフ時代の名器ではありませんが、幸運にも入手できたモニター用途のSystem12、現行KINGDOMの骨格と同じ、12インチサイズのユニットで、通常のリスニングポジションに限らず、スピーカーの裏側や、横でも定位感は抜群です。損失の大きいポレオレフィンポリマーコーンと、
耐候性に難があるものの、ニトリルラバーエッジで、極端に少ない歪みが特徴です。モニターとは言っても、低音域は、ブースト気味で、85dB以下での再生に適しています。サブウーハーが無くても、低音は十分な量です。
KEF Q70
 同軸ドームで点音源を実現していますが、ウーハーの使い方がユニークで、それぞれ容量の違うキャビネットを持っています。ラインアレイ効果により、ウーハー口径の割に、小憎らしいほど元気な低音が出るので、トールボーイタイプも侮り難しです。内蔵ネットワークでは傾斜が緩いので、1kHz以下では、3個のユニットの音が、線音源化しており、距離による減衰が少なくなり、箱鳴りをさせなくても、十分な低音量を確保しており、大口径ウーハーと良く似た音質です。ぱっと見には、解らないでしょうが、1994年当時、こうした発想はとても先進的でしたが、オーディオ大衆には、それほど理解されなかったようです。その後、こういった縦に並べる方法は、プロ音響で、ラインアレイスピーカーとして、定番のスピーカーシステムとなり、現在もよく使用されています。

点音源は、部屋のどこにいても、良好なステレオイメージが得られるという宣伝は、残念ながら、それは間違いです。左右スピーカーの真ん中にいれば、ステレオイメージは正常ですが、少しでも偏れば、極端に端っこに寄ってしまいます。聴取位置の距離が取れる場合は、壁反射の少ない、ホーンスピーカーの方が、明解な定位であり、タイムアライメントが合っていれば、音源から遠ざかっても、定位感は変動しません。

スピーカーの指向性
 
オーディオマニアの古い概念では、指向性が広い音が良いと信じられていましたが、音響工学では、明瞭な音は、スピーカーのQを上げることと、部屋の残響を減らす事となっています。Qを上げるというのは、四方八方、音を撒き散らすのではなく、細く絞って出すということで、ホーン型こそがその原理にかないます。最近のスピーカーは、ドームユニット前面にホーンを付けて、指向性を絞っています。タイムアライメントを整合しつつ、ホーンによるQ上昇で明瞭度を向上させた、合理的な取付けをしています。現代のSRスピーカーは、指向制御を謳い文句にして、指向角度内での均一な音圧分布を図っています。フローリング床で残響が増えた現代のホームオーディオでも、リスニングエリアだけに音を出す方が明瞭な音となります。

LFE成分は0dBが望ましい(周波数特性を、厳密に管理できるようにした結果、判明したTV放送の問題点)
 上の方法で、周波数特性を±1dB以内ぐらいに調整した場合、TV放送の歌番組などで、不自然な低音の出方が判別できるようになり、ここ数年、トレンドを追ってみました。最初、大河ドラマで、低音がやけに大きいことに気付き、RTA(リアルタイムアナライザ)で、測定を行いました。RTAの結果、100Hz以下が、大きな音量となっているのを確認しました。この結果に思い当たるのが、5.1方式の場合、LFEを+10dBとする定義の存在でした。FM放送のような、2chステレオ放送では、そのような事が無く、フラットなのですが、TV放送では、大きすぎる低音が耳障りと感じるようになりました。
 平成25年〜現在、TV放送では、本番とCM双方で、+10dBであったり、、0dBだったりと乱れています。60dB〜80dBぐらいの音量では、フレッチャーマンソン特性のおかげで、+10dBの違いは、さほど感じませんが、90dB前後の音量では、10dBの違いは相当に大きく、過剰と感じますので、10dBアップするのは、視聴者の選択に任せる方が良いのではないかと思います。25年末の、レコード大賞や、紅白は、自然な低音バランスで、大いに楽しめました。28年現在も、BS○○では、+10dBした歌番組が有り、非常に聞き苦しいです。もうそろそろ、定義よりも、自分の耳を信じたらと思います。モニタースピーカーでも、低音が膨らんだ物があり、ツールのチェックもしておくと良いでしょう。
 夏の甲子園は、サラウンド放送で観戦しましたが、音楽よりも、こうした催しにこそ、サラウンドの効果が発揮されます。パンニングは、おそらくネット裏の特等席であり、一塁側が右、3塁側は左、TVカメラの応援席のクローズアップは、センターというようにきめ細かく配置されており、朝日放送の甲子園中継に対する熱い意気込みがとても良く感じられます。リアルタイムアナライザRTAでは、フラットで広帯域な音であることも良く判ります。AVアンプは、TVとデジタルケーブルで接続し、AACを有効にすれば、AAC+ドルビーEXにて、サラウンド再生が始まります。
最近気にしているのは、コンプレッサーを強度にかけた歌番組の存在です。歌手の声色が、コンプレッサーがかかった途端に消え失せます。「千の・・・・」では、本当に気の毒だと、これなら口パクの方が視聴者に喜ばれます。


その代わり
シャカシャカ虫増殖中
 ニュース番組の音が、シャカシャカと続くのを、我慢していましたが、最近、CMでも目立って増えてきました。CMは、制作会社毎の違いが有り、音に関しても色とりどりです。最初、NHKのFMローカル番組で気が付いたのが、最近は、CM制作まで広がりを見せており、またもや残念が増えてしまいました。歌謡番組のコンプ掛け過ぎの音とは違います。
 もう一つ残念な事は、音声のハイパスフィルターの設定値の問題で、2015年の大河ドラマだけの問題と思いきや、他の番組でもそのような事になっています。アマチュア無線ではないので、HPFを強く掛ける必要は無く、せめて、コンデンサマイクのVポジション程度で、済ませる事が肝要で、ミキサーや、プロセッサーで、その人らしさの部分を削り取る事を止めていただきたいと思います。これらの音をモニターできる環境が無いのか、スタッフの低年齢化が原因なのかわかりませんが、
昭和の音に21世紀の音が負けています
H28年大河は、音質的には、大復活で楽しめています。コンサートホールで、映画を見ているのと全く相違なく、制作の皆様方に感謝です。
更に、H29年は、背景の音楽が大躍進で、非常に価値が高い内容です。変なハイレゾより、鳴りっぷりの良さは凄く、映画館で見るのではなく、我が家にNHKホールが引っ越してきた様な感覚です。
H30年大河も、ホールで収録と思われる素晴らしい演奏があり、85dBの音量で鑑賞し、日曜日の楽しみとなっています。セリフは、HPFがきつめで、興ざめです。R2朝ドラも、シーンに応じての音楽は、素晴らしく、画も音も楽しめます。
R4年大河は、主題曲が、LFE10dBアップで不自然、ホール収音は、通常のレベルで、紅白同様、音響担当者によって、LFEの扱いにバラツキが有ります。折角の大作なので、ラージュモニターを入れて、100Hz以下も、理屈やセオリー抜きに、原音と正しく比較して、制作される事を切望します。送り側で、LFE10dBアップは不用で、5.1再生側で、お好みで、10dBアップすれば良く、放送局以上の設備を持ったヘビイユーザーの要求も、一般のシアターユーザーの要求も両立するでしょう。

マルチアンプシステムをイージーオペレーションする自作6chマスターボリューム


デジタルチャンネルデバイダーを最高性能で使うには
アナログチャンネルデバイダーでは、コントロールアンプ(プリアンプ)のボリュームで音量調整をします。しかし、デジタルチャンネルデバイダーは、このような使用方法では、小音量ではギザギザの波形になります。これを避けるには、常にMAXとなるような入力が必要です。
CDなどのデジタル音源は、デジMAXまで出ていますので問題有りませんが、FMチューナーや、PHONO、サラウンドフロント信号などのアナログ音源では、0dB前後の音量ですので、更に20dB以上増幅しなければなりません。デジタルパッチベイSRC2496により、アナログとデジタル信号のレベルマッチングや、デジタルフォーマット変換が行えます。
マスターボリューム
これにより、常に最大音量で動作している、デジタルチャンネルデバイダー出力をどこかで所定の音量に下げないと、通常のリスニングができません。個々にアンプボリュームを調整しても、音量は変えられます。しかし、マルチアンプシステムでは、音量バランスも厳密な調整事項なので、一つでも音量が狂えば、命取りになります。その為に、6chバッファアンプ付マスターボリュームをチャンネルデバイダと6台のパワーアンプの間に使用しました。6連ボリュームを使用して、3WAY分を一気に音量調整できるというのがポイントです。
アルプス製モータードライブ6連ボリューム 現在、電即納では、取り扱っていませんので、入手不可です。電子ボリュームを使用してから、部品庫行きとなりました。2個在庫中です。

6連ボリュームにバッファアンプを取り付けたのは、減衰量を大きくする目的で、ボリューム抵抗値100kΩを選択しましたので、
出力シールド線のキャパシタンスの影響を避けるのと、後続アンプ内部でのクロストーク特性悪化防止の為です。バッファアンプは、Q2031Aオリジナル RC2043SE による2次フィルターと、MUSEコンデンサで構成しました。

シールド線のキャパシタンス
は、高域で6dB/octのフィルターを形成し、振幅の減衰と、位相ズレを起こします。100kΩのボリュームを絞り込んで使用した場合、プロ定番のマイクコード L-4E6S 2mでは、370pFのキャパシタンスとなり、4.3kHz(-3dB)というフィルターを形成します。この結果、高域のレベル低下、位相ズレを招き、良く言えば、刺激の少ない音、悪く言えば呆けた音となります。17.2kHzで、-15dBですので、高齢者では、気が付かない可能性も有りますが、これでは、正しいシステムとは言えません。特に、左右で長さが均等でない場合、当然高域に行くに従い、左右の位相ズレを起こします。インピーダンスの高い回路では注意します。市販のRCAピンコードでは、左右等長なので、問題なく使用できます。
市販3mRCAピンコード 直列抵抗による高域特性劣化(入力インピーダンス47kΩ時)
このような高域劣化は、真空管や、FETによる、高インピーダンスで信号を受けても、改善されません。信号経路に高抵抗が入ると、様々な音質劣化の原因となります。
当然ですが、デジタル伝送では、1と0の文字情報を、、ケーブルによる高域劣化した信号を、レシーバー側でパルス整形して使用しますので、長距離の音声伝送でも情報の変化も無く安心です。なお、デジタルパワーアンプ出力は、文字情報ではなく、振幅情報ですので、高域劣化を否定できません。CDのデジタルの意味と、パワーアンプのデジタルの意味は全く異なります。動作原理上、スイッチング式パワーアンプか、パルスドライブ式パワーアンプと呼称すべきでしょう。最近のMJ誌の広告ページでも、PWMスイッチングアンプ搭載とか、スイッチング方式パワーアンプという名称を用いるメーカーもあり、良いと思うなら、姑息な紛らわしい名称を使用しなくても、堂々と原理を明快に謳うべきでしょう。

CDのようなデジタルソースは、0dBが
上限です。マスターボリュームMAX位置で、パワーアンプのボリュームを絞り込んで、アンプの最大出力になるように調整します。こうすれば、CDの最大音でも、アンプ出力はクリップしないので、スピーカー破損の原因を減らす事ができます。この調整をシステム中で一番能率の低いスピーカーに行えば、他のスピーカーは、その能率差だけ低い入力電力が保証されますので、過大入力になりません。マスターボリュームで絞り込んだ量は、そのままシステムの余裕を表します。-31dBが常用レベルとすれば、あと31dB音量が上がるというように読みます。なお、常用レベルは、後述のデジタル制御式電子ボリュームでは、さらに解像度が上がりましたので、もっと低い-46dBでも、十分に聞こえるようになりました。ところで、DCX2496をデジMAX出力をした場合、1kHzでは何も問題なく出力できていますが、100Hzでは、上側がクリップ(DAC以降2段目のOPアンプにて)しており、LOWchの設定を-0.2dBとしたら治まりました。デジタル機では、このような確認をしておかないと、理論と一致しない部分に気付きません。DCXユーザーは、LOWchの場合、0dBではなく、必ず-0.2dBより下げて使用する事が鉄則です。デジMAXまできっちり録音しているCDもPOPS系を中心に多く有り、カーステレオなどで再生すると歪んで聞こえます。こうなると手に負えないので、-0.3dB程度レベルダウンしてCD-Rとして作り直す事も検討に値します。
CDなどのデジタル音源を、デジタル的なボリューム処理をすると、ビット落ちして、ギザギザが目立つ波形になり、必ずアナログ化をフルビットで行い、パワーアンプの前で、所定の音量を得ると良いでしょう。そうすれば、96dBしかないCDのダイナミックレンジを確保したまま音を小さくできます。
デジタル機とアナログ機のSN関係図

上図は、アナログとデジタルチャンネルデバイダーの残留雑音と最大出力の関係ですが、ボリュームを最小音から上げて、右回りで、所定の音量とするのなら、アナログ機の方が 84dB-60dB=24dB もSNが良くなります。デジタル機をこのような使い方をすれば、当然24dBもSNが悪化した状態となり、DCXユーザーによる悪い評価は、こうした使用法であると思われます。ところが、デジタル機でも出力側で、ボリュームを最大側から下げて(左回り)所定の音量とするのなら、82dBという高いSN比を保った使用できます。アナログ機の場合、入力でボリュームを絞りますので、後続機器自体の雑音はそのまま残り、絞った分だけSNが悪化します。特に古い民生用パワーアンプでは、利得が高いので、ボリューム以降にチャンネルデバイダーや、イコライザを経由する場合、雑音に注意しなければなりません。


 自作できない方には、ドイツSPL社(サウンドパフォーマンスラボ) Model2618 Volume8 がありますが、使用するにあたって入力、出力がXLRではなく、Dsub25Pと特殊になっていますので、変換ケーブルを製作しなければなりません。必要なケーブルは、入力用として、Dsub25P - XLR-3(F)x8、出力用として、Dsub25P - RCA pin x8ですが、入力は平衡、出力は不平衡接続となります。レコーディングスタジオ等でのモニタースピーカーをコントロールする事を意識して作られており、
ミュートSWがあるのは特徴的で、自作のボリュームにも取り入れ、便利になりました。
オーディオの本場フランスには、セレクトロニック社より、1Uサイズで、赤外線リモコン方式のアルプス製モータードライブ式6連ボリュームを使用したキット(250ユーロ)と調整済みの完成品(417.22ユーロ)が販売されています。まさしく洋の東西を問わず、同じ考えに至る人はいるものです。

さらに高性能を目指して電子ボリュームICによる、デジタル制御6chマスターボリューム
を製作 製作記事はこちら
使用した、電子ボリュームIC テキサス PGA2311PA 実装時の周波数特性は、DC〜1MHzまでフラットです。デジタルマルチメーターの測定範囲を越えてフラットである事はオシロスコープで確認できます。100kHz矩形波も怪しい波形崩れは無く、減衰特性、クロストーク特性とも非の打ち所が有りません。さらに、出力は、OPアンプ出力と同等ですので、発振防止で入れる出力抵抗47Ωのみとなり、パワーアンプまでのシールド線による高域劣化が非常に少なく、後続パワーアンプ本体内部でのクロストーク軽減効果もあります重要:PGA2311PAの多連化は、単純な並列で行えますので、回路図を参照してください
 最新回路図はこちら
 20111/09/05

クロストークが多かったアナログボリューム(矩形波入れてVR絞れば、誰でも観測できます)
 電子ボリューム製作時に、アナログボリュームとクロストーク比較を行い、アナログボリューム内部で、かなりの量のクロストークが発生することに気付きました。電子ボリュームでは、クロストークが圧倒的に少なく、-40dB以下の音量でも、クリアな定位が得られます。その結果、強い音はより強く、弱い音はより弱く聞こえ、レコード中の残響がより豊かに聞こえるようになりました。スピーカーの音質が、録音ソースの音質に、より依存するようになり、楽器が本来持つ美しい音、特に帯域が広くて、立ち上がりが急な楽器の音が美しくリアルに聞こえるようになりました。又、演奏の副産物である演奏家の息づかい、ペダルやバルブの操作音、バイオリンの弓の弾み加減なども、CDの16ビット2chステレオで十分味わえるようになりました。アンプのクロストークにあれだけこだわっておきながら、ボリューム内部のクロストークにまで踏み込めなかったのですが、問題が複数ある時は、ステップバイステップでしか解決ができないという事でしょう。クロストークの低減以外にも、電子ボリュームでは、ゲインエラーが±0.05dBと極めて優秀で、多連ボリュームのような、実用音量域での制御の曖昧さは、ありません。高域成分が多い矩形波も、きれいに伝送します。最近、電子ボリューム搭載の高級プリアンプ(コントロールアンプ)なども登場してきましたので、メーカーの技術陣も、良い方向性を持ってきたと感じています。

電子ボリューム歪率周波数特性

2015/05/20
デジタル制御6chマスターボリューム 歪率−周波数特性で、-20dBと絞り込んでも87dBを確保しており、これで、出力インピーダンス47Ωなので、後続のパワーアンプの入力回路で発生するクロストークには有利です。
後続のパワーアンプ回路にて、直列に大きな抵抗が入っている場合、電子VR出力波形にノッチ歪みが発生する可能性があります。応用回路を試作していた時、見慣れぬ波形があり、追求してみたところ、下記のような回路構成の場合、ノッチ歪みが現れました。

2015/05/22
 写真の信号周波数は10kHzですが、ほぼ全部の帯域で確認できます。絞り量は、50dBです。負荷として抵抗と可変抵抗器を組み合わせた回路ですが、入力が可変できる機器では、このような回路が入っています。直列抵抗が47Ω(図の4.7kΩの百分の一)だけの場合は発生しませんでした。やはり、信号源抵抗が大きくなった場合は、浮遊容量による高域劣化以外に、色々な雑音に注意しなければならないでしょう。

ミューティングリレー(パワーアンプ)の実態 オーディオ信号は微少電流であり、リレーはこれが苦手です。
 
アンプには、ON-OFF時にスピーカーを保護するようにミューティングリレーが使用されています。ジャンク品で購入したYAMAHA MX-55の場合、このリレーが接触不良を起こし、時々音が途切れたり、高音が妙に汚い音がでるので、調査したところ、信号が1dBほどこのリレー接点を通過する際に失われていました。リレーの型番は、OMRON G5R-2232P で現在は入手不可です。もう1台の手持ちアンプ SONY TA-F333ESJにも同じリレーが使用されており、接触抵抗を測定したら、スピーカーA側は、いつも負荷があるので、10mΩでしたが、使用していないB側は、50mΩと高い結果でした。そこでB側に8Ωのダミー抵抗を接続し、大電流が流れるようフルパワーでリレー接点を断続したところ、接点がリフレッシュされ、15mΩまで下がりました。下は、左側が、現在入手可能なG2Rタイプの直流接点抵抗で7mΩぐらいです。MX-55で故障状態だったリレーは、短時間に接触抵抗が変化して安定しません。右側は、オーディオ帯域のリレー接点インピーダンスで上2本は、古品G5R-2232Pで、下2本が新品G2R-2-Sで、それぞれ、インピーダンスが低い方が電流を多く流した測定値です。新品リレーでは、高域でインダクタンス分によるインピーダンス上昇が見られます。交換用として推奨できるリレーは、金張り接点のG2R-2-AUL(アスカ情報システムにて購入)で4mΩ台の接触抵抗値です。接点構成に配慮してG5R-2232Pと同じ2a接点のG2R-2A-ASIを先に使用したのですが、1週間ほどで接触抵抗変化に悩まされるようになり、金張り接点のAULタイプに再度交換しました。G2R-2-AULを使用する場合は、NC側のピンをニッパで切り取れば基板にそのまま挿入できます。
 リレー接点は、微少電流が苦手です。最大定格電流4Aよりも、10Aの物が良い物と思いがちですが、それは間違いです。実際に動作している電流は、このスピーカーシステムの場合、0.1Wで94dBぐらいの音量ですので、負荷が8Ωとした場合、112mA以上流れる事はなく、実音量がそれよりも20dB低いとしたら、11.2mAという低電流となり、
大音量で使用しなければ、低電流に起因する故障が起きやすくなります。リレーメーカーOMRONのホームページで調べたG2Rタイプ銀接点データでは、故障率 P水準(参考値)にて、定格10Aの物で、DC5V100mA、定格5Aの物で、DC5V10mAと10倍の開きがあります。オーディオ用途では、安定した電流値で使用できることがなく、微少電流から大電流まで幅広く対応しなければならないので、リレー選択は難しい事となります。下の測定グラフのG2R-2-Sにおいても、新品測定時は問題無かったのですが、YAMAHA MX-55に実装して間もなく、接触不良に悩まされるようになってしまいました。やはり銀接点では、開閉時に火花が出るような電流で使用しないと接触抵抗が安定しないようです。古いアンプで電源投入直後にうまく音が出ないで、その後ボリュームを上げると正常に動作する物は、このように、ミューティングリレーを交換すると良いでしょう。古いリレーでは、リフレッシュして、一時的に接触抵抗が低下しても、すぐに、抵抗値が上昇してきますので、新品のリレーに交換する必要があります。

リレー接点インピーダンス特性 右側は、上2本が不良品リレーの接点インピーダンス 下2本は良品の特性です。

新品リレーと古いリレーの接点抵抗値グラフ  同じく新品と古いリレーのインピーダンス周波数特性


ケーブルで迷ったら、おすすめはプロオーディオの定番 カナレ4S6です。ケーブルに印刷してある、MADE IN JAPANが、最近頼もしく思えてくるようになりました。100m巻を6,000円で購入しました。部屋が大きく3m以上のケーブル長であれば、1サイズ太い4S8もあります。音響ホールでは、さらに太い、4S11を使用する場合もあります。他社のスピーカーケーブルとの大きな違いは、4芯構造なので、放射ノイズを出しにくいという点です。これにより、並行する入力系の信号線に悪影響を及ぼさなくし、結果的に、システム全体の音質が良くなります。カナレ電気カタログcanare_201206.pdf中に、スピーカーケーブルの使用方法があり、理想的な配線が行えない設備用途において、ダンピングファクター20〜50を推奨し、同社のケーブルの該当する長さが記載されていますので、プロ音響業務に携わる方は是非ご覧ください。4S6 3.7Ω/100m DF50=3m、4S8 1.5Ω/100m DF50=7.3m、4S11 0.87Ω/100m DF50=12.6mというのが主な数値です(パワーアンプ 0.05Ω DF=160 at 8Ωの場合)。
静電容量も、カタログに記載されていますので、参考までに、4S6 125pF/m 4S8 145pF/mです。参考資料 canare_201206pdf。

最近、4本のうちの1本だけ、純白のケーブル被覆が、直射日光で劣化して、硬化ひび割れする事が解りました。OP線を屋外で使用した場合と同じ劣化をしました。日の当たらない黒ビニルの中では劣化していませんでしたので、先端だけを切って、使用しています。

SPケーブルのインダクタンス特性

4S6の実物(約20m)と、インダクタンスキャンセルのグラフ 高域でインピーダンスが上昇している方が、片線だけの場合です。上昇していない方が、ペアで正しく使用した場合です。写真のように巻き込んだ状態で測定

  4エス6を単線で使用した場合と対で使用した場合のインピーダンス変化の違い
(2009/07/23)
 4本線の一般的な使い方は赤と薄赤をよじって1本の線とみなして+側とし、もう一方は白とクリアをよじって−側とします。スピコンで使用する場合、4S8以上がメーカーにより推奨されていますが、4S6でも4S8でも、ドライバーで確実にネジを締め付けないと推奨の意味が無いので、業界関係者はご注意下さい。上のケーブルの直流抵抗は、片道0.307Ωで、巻いてあるのでインダクタンスが増加して15.2〜15.6μH/mですが、赤白を行き帰りで使用すれば、インダクタンス分は可聴帯域内では、ほぼキャンセルされてゼロになります。片方の線だけ使用すると、10kHzでは、7.5Ωのインピーダンス値ですが、往復(ペア)で使用すると、0.67Ωとなり、キャンセル効果が重要であることがわかります。インダクタンスが多い状態(片線だけ使用とか)で接続した場合、4S6を使用しても高音の入力電力が、半分に落ちます。
B&W社のオーナーズマニュアル(CM1-5_Manual.pdf)でも、超高域での減衰を避ける為にローインダクタンスのケーブルを使用してくださいとあり、メーカーとして、適切な見識を持っている事が判ります。その他にも、スピーカーに関連する記述があり、参考になりますので、一度読んでみると良いでしょう。


4芯スピーカーケーブルの音が悪いか?
スピーカーケーブルの音質をかなり高度な、技術的解説で論じているサイトがあり、音楽信号が正負非対称なので、4芯構造のスピーカーケーブルの2本で音を鳴らし、他の2本に直流電流を流すと音が激変するとあり、再現実験をしてみました。
 2015/01/02
 その説明では、DCの電圧はDC1V〜180Vで、電流が0.5mAから音が変化を始め、100mAでは激変するという記述なのですが、その条件を満たすように、上の実験装置を作りテストを行いました。DC電源は、アルカリ電池2本でおよそ3Vの電圧です。電池ケースは、タミヤ模型製で、電源の極性が変えられます。写真の+とマジック書きした方にレバーを倒すと、オレンジの配線に+の電圧が出ます。電流制限抵抗と、直流電流計をセットし、スピーカーの音を出しながら、直流を流してみました。10Ωの抵抗をを使用したとき、回路電流は、210mA流れました。試聴曲は、「夜霧のしのび逢い」で、ギターでは、超有名な曲です。普段からギターを演奏していますので、音の違いがわかりやすいという理由で選曲しました。結果は、正負共に変化なしでした。当然ですが、0.5mAから変化が始まるという記述に基づき用意した4.7kΩでのテストは、必要有りませんでした。次いで、1kHz矩形波、トーンバースト波をアンプから出して、オシロスコープで、スピーカーの端子の電圧を観測して見ましたが、直流電流印加による、波形変化は有りませんでした。ケーブルは、4S6 2.05m 電流計は、フルーク189、スピーカーは、TOA F-160で、一般的な2WAYです。
結論:4芯ケーブルが、直流の影響で音質が変化する事は有りませんでした。
 スピーカーケーブル音質論は、諸説有りで、加えて、特許を交え複雑な様相を見せていますが、日常的に、電線に触れて、音響業務を行っていますが、大半が、オームの法則による、変化のみが検知されます。すなわち、アンプがフラットで送り出したとしても、スピーカー端子では、周波数特性が変化し、ケーブルが長いほど、特性変化量が大きくなり、インダクタンスキャンセルを怠ると、スピーカー音がハイ下がりになる事は、事実としてあり、
ケーブル長が左右で極端に違う使用方法では、ステレオ再生に有害な位相差が生まれます。音響機器自体も左右のアンバランスがあり、程度問題なので、1mmでも違えば駄目とかという事ではありません。許容範囲は、かなり広いと思いますが、電線の銅純度を気にされるようなハイレベルな方ならば、10%以内の誤差にはと思います。


アナログレコード復権
 CDよりも古くから有るハイレゾ音源ですが、取扱いが雑ですと、すぐに針音だらけになりますが、丁寧に扱えば、何10年経っても、実用に耐えます。ハイレゾ対応能力は、手持ちMC型レコードカートリッジ DL-301Uの再生周波数特性は、20Hz〜60kHzであり、CD−4方式レコードの30kHzのキャリアを楽々と再生できます。CDでは、100dBぐらいが音量限界ですが、アナログレコードでは、110dBでも平気で上げられ、大音量再生が可能で、まさにディスコの主役です。CDでもスクラッチができますが、やはり、アナログレコードの方が、DJの感性に合います。
現在は、新作のLPが、\4,000ぐらいで入手が可能で、又、レコードプレーヤーの老舗、Technicsも、受注生産ながら、定価160万円のプレーヤーも、発売されました。さすがに、この値段には、手も足も出ません。庶民は、中古のSL1200MKUが精一杯です。朗報として、SL1200MK7が、価格も、今のオーディオ界の常識からすれば、圧倒的に低価格な\90,000(税抜き)で発売されました。

リアルタイムアナライザーで確認できる、自然に近いアナログレコードの音

 同じ曲でも、アナログレコードとCDでは、高音域のエネルギーが異なっており、CDでは高域までフラットですが、同じ曲のアナログレコードでは、ピンクノイズのように、高域では、なだらかに下がっていき、自然の音に近くなる結果となります。スタジオ録音では、高域までフラットなレコードが多く製作されます。トライアングル、シンバルなどの金属製打楽器では、同じ曲であれば、アナログレコードの方が、透き通った音で、CDでは、滲んだ音という違いがあります。低音の歪みは、CDの方がが少ないのですが、アナログレコードでは、豊かな低音です。一部のオーディオマニアから絶賛の真空管アンプの音は、アナログレコードに近い音です。CDでは、こういった音が少ないのですが、96kHz24ビットのデジタル音源になると、アナログレコードに近づき、締まった低音+澄んだ高音と、理想に近い音となります。

アナログレコードを聴くなら、以下のアイテムが有れば、十分です。

 タ−ンテーブルは、往年の名器 Technics SL-1200MK2で、まだ動きます。カートリッジは、MM型 270C-U VM型 AT15Ea、AT10G 等と、写真のMC型 DL-301Uを使用しています。アンプ性能や、カートリッジの音質で、各種選択できます。スタティックバランス式トーンアームなので、水平器も有ると安心で、ホームセンターで入手しました。レコード盤のメンテナンスは、新品レコードには、ナガオカ Stat-Ban 562とアルジャントを使用し、一般的なレコードには、テクニカ AT6086 AT6017+AT634で行っています。
ナガオカ Stat-Ban 562は、レコードの高寿命化に貢献できます。新品レコードは、すぐに埃を吸い寄せますので、初期メンテナンスは確実に行っておきましょう。


MM型とMC型
 カートリッジには、MM型とMC型が有り、それぞれの違いは、WEB検索すれば、図解付きで、詳しく解説されています。そして、結論的に、MM型は、出力が大きく、針交換も簡単で、初心者でも使いやすい。MC型は、出力が小さく、昇圧トランスか、ヘッドアンプが必要で、針交換は、メーカー出しで、使いにくいが、音は良いとなっています。これらの結論は、正しいと思いますし、このようなイメージで良いと思います。
 しかし、総発電量を電力で見た場合は、MC型の方が、発電量が大きくなります。数値は、MM型の代表 V-15は、内部インピーダンス1,350Ω3.5mV MC型 SPU-G 2Ω 0.2mVで、出力電力は、V-15が0.009μW SPU-Gが0.02μWで、MM型の2.2倍の出力電力です。電圧増幅だけで考えれば、確かにMM型有利ですが、電力で優るMC型は、MM型の応用ではなく、その特質を活かした回路設計をすると更に性能が向上する余地が有ると思います。


MC専用フォノイコライザー製作
 2017年には、マルチ駆動スピーカーシステムは、完成域に達し、システム改良案も出尽くしました。Spice関連の勉強を進めながら、ふとRIAAイコライザー回路の位相特性が気になり、シミュレーションをしてみると、激しく位相が変化するという結果が得られました。可聴帯域で±20dBも利得変化すれば、当然、位相も激しく変化しますので、偏差を小さくする必要があります。フォノイコライザーには、SN、歪率、イコライザー偏差、LRバランスのどの項目が欠けても良くなく、製作テーマとしては、大変ハードルが高い物です。
試しに、自家用機(M5220L使用)MC-MM切換式のRIAA偏差と左右の感度差を測定しました。RIAA偏差は、+0.2dB 〜 0dB 〜 +0.3dBのドンシャリ傾向で、左右の感度偏差は±0.1dB以下と大変優秀でした。基板を読み、回路図にしてみた結果も、非の打ち所がない設計でしたので、問題なく、このまま使用できます。
 色々と、先人の研究を見たり、ゼロバイアスのFETヘッドアンプの試作や、Spice上での回路の検討などを進め、最近の低雑音OPアンプによる、MC専用イコライザーを製作する事とし、部品の入手などの検討を行っていた所、ヤフオクで、LTのOPアンプ用基板が目に止まり、これで、製作を開始する事にしました。LT1115は、0〜400Ωの信号源抵抗での、ベストOPアンプとして、LT社より推奨されており、MCカートリッジには、良い選択でもあります。何よりも、LT推奨回路のプリント基板が実際に入手できるというのは、大いに製作意欲が湧くところです。
入手したLT1115用基板の解説ページは http://cat0048.my.coocan.jp/index.htm です。EQ定数は、入手しやすさを考慮して変更しました。

完成した基板と選別中のEQ回路部品 2017/05/12

DENONテストレコード OW-7401-ND 1kHz 5cm/sec DL-301U にて、216.82mV 残留雑音 41.8μV(A) SN 74.3dB(A) EQ偏差±0.1dB以内 参考までに、AU-α607NRAでは、利得が低く117.63mV 感度差 5.3dBでした。
スルーホール基板ですので、部品の安易な付け替えはできません。故に、EQ素子は、外付けで、十分に確認を取らないと失敗します。
ところで、MCカートリッジの場合、負荷抵抗は、100Ω、負荷容量は、1000pF+(カートリッジ内部インピーダンス33Ω)が定番で、周波数特性の変化には、鈍感です。
しかしMMカートリッジの場合は、指定容量が、100〜450pFまであり、迷います。更に、負荷容量と、周波数特性が密接に関係すると言うことで、EQ側で備える、コンデンサ容量に対して、シビアな選択が要求されます。

カートリッジから見た、
負荷容量は、カートリッジリード線、トーンアーム内部配線、出力シールドピンプラグまでの容量と、基板に実装されたコンデンサ容量との合計となります。各所のホームページでは、ヒアリングで決めるとする所が多く有りましたが、如何にも、オーディオそうろうで、不確実です。最低でも、プレーヤーからアンプ入り口までの容量は、既知の値なので、ネット上で探しましたが、見あたりませんでした。そこで、実際に、自家用機で測定しました。測定結果 Technics SL-1200MK2  約103pF MMカートリッジを最適に使用する場合の参考としてしてください。
 RIAA偏差を究極まで追求すると、温度ドリフトに悩まされ、0.02dBの壁を感じました。もう少しこだわるので有れば、恒温漕が必要となり、常温環境では0.02dBが、限界でしょう。これとは別に、MMとMCポジションでは、同じEQ素子であっても、偏差が異なり、SW切換による、兼用ではなく、MC専用としました。

A級アンプに続き、EQアンプも完成 EQ用ケースは、廉価なYM350にしました。とはいえ、使用部品に妥協は有りません。電源SWは、レバーロック形 照光式SWは、IDEC AL6H-A14R、 RCA TOMOCA C60、ITT XLR-3-32等を使用しました。

2018/06/11
EQアンプは、MUTE機能を充実させました。電源ON-OFF時は、自動でMUTEがかかります。手動にも対応していますので、針の上げ下ろしのショックノイズをMUTEできます。入力はプレーヤに合致したRCAピンプラグで入力し、出力は、不平衡ですが、接触不良の少ないXLRコネクタを使用しました。MUTEは、Panasonic TX2-24リレーで、出力のLPF回路に抵抗が入っているので、その出力側をリレー接点で短絡しており、接点不良になっても、音質劣化しません。電源トランスは、電源検出用を追加して、2個、立ち上げ時のMUTE時間は、8秒です。  MUTE回路図 eq_mute.pdf
内部写真 ノイズフィルター付き3P電源インレット、2個の電源トランス、ミューティングリレー等が有ります。

MC用RIAA-EQは、入力インピーダンスが低いので、偏差測定は、600Ωがターゲットの発振器では使用できない事があります。
2018/06/11
LRバランス ±0.02dBとなりましたので、左右の位相差も極めて少なくなりました。RIAA偏差は、30Hz〜30kHzで、±0.1dB以内なので、ハイエンド機と遜色有りません。マークレビンソンを測定しましたが、やはり高い精度でした。ステレオ機なので、左右のレベル差は、そのまま音質に影響が有り、RIAAイコライザーでは、この点にも注意すべきでしょう。

技術者のひとりごと(少し過激ですが、迷信に惑わされないように敢えて述べておきます)
オーディオ部品の音質論議が盛んなようですが、公共施設で音響設備の細部まで、検査、測定を行い、メーカー製品の修理を多数行ってみて、良い音とは、事故の無い音であり、安定した音だと思います。
スピーカー再生技術を向上させても、音が良くなる事は無く、悪くなるのを防止できるという言い方が適切で、原音以上の音は、期待しない。
1.電源は、過熱しないコンセントと、2mmのVVF、60Aクラスのメインブレーカーが備わっていれば大丈夫で、それらは、一般家庭では常識的に設備されています。コンセントにアルミケースなど不用。
2.ノイズフィルターは、あればそれにこした事はありませんが、高額な機器を別置きする必要もありません。各機器内部に入っているフィルターで十分です。テーブルタップで雷ガード付きが有れば、システムに組み込むと良いでしょう。
3.機器の放熱は、製造年が新しいほど、悪化する傾向ですので、長寿命で使用するには、通風の良い環境に設置します。
4.電源コードは、機器付属の物で十分で、万を超える物は不要です。日本製アンプの2Pコードは、抜けやすいので、半抜け状態にならぬよう注意してください。PCと同じ3Pの方が合理的で、接続が安定します。
5.スピーカーケーブルは、対称性が高く、有効にインダクタンスキャンセルしている物0.1Ω以内を目標にします。ブランドにこだわる必要はありません。長さは、左右等長が、好ましく、余長は、伸ばし置きしても、巻き込んでも、電気特性の差はありません。
6.信号線は、必要以上に長い物は使用しないで、これも左右等長にします。プラグは、XLRが高信頼ですが、普通は、RCAピンの機器が多いと思います。プラグの接触は、中心も、外側も同じような抵抗を感じる物が良く、必要以上に固い場合は、ジャック側の半田付けを損傷する可能性があります。電線は、機器が浮くような太い物は必要でなく、4〜6mmの外径の物で十分です。信号は、アンプ内部の抵抗の両端に発生する電圧ですので、ケーブル材質の影響は少なく、シールドがしっかりした物であれば、良いでしょう。
7.スピーカーの設置で、必ずしもスパイクを使用する必要はありません。4個は、がたつきの始まりで、使用するのなら、3個の方が理にかなっていると思います。接地面が気になる場合は、ゴムのような摩擦の大きい物で、軽い音のしない物を間に入れます。
8.スピーカーの低音のエネルギーは、床からの高さで大きく変化しますので、この条件でのチューニングは必要です。
9.スピーカーは、振動する機械であり、業務で、24時間大音量で使用する訳でも無いので、趣味的な使用では、ほぼ一生物として使えます。したがって、数週間程度の鳴らしで、エージング効果が現れて音が良くなるとは、思えません。まして、鳴らす音源で変化するような事も考慮外で良いでしょう。名器と呼ばれるバイオリンは、非常に古い物であり、優れた演奏者は、その味を存分に引き出して演奏します。古いスピーカーも大切に鳴らしたいものです。なお、ウレタンエッジスピーカーは、エッジ破損が、早く起き、一生物と呼べず、使用には、十分注意します。
10.ハイレゾ対応と称して、
急遽リボンツイーターを増設し、100kHzまで再生してみても、良い音など出ません。聞こえない周波数の再生能力よりも、SNを向上させ、高い解像度を求める方が、本当のハイレゾ対応と心得ましょう。
11.音質論+半田悪玉説という展開が時々有りますが、太い銅線や、真鍮製ハトメの周辺において、半田クラックによるトラブルが発生しますが、半田以外の、圧着や、ファストンコネクタでも、接触抵抗が多かったり、接触不良が発生しております。スピーカーのように、振動する製品は、注意しなければなりません。
12.DCX2496 DAC直後のPOST-LPF出力をそのまま取り出すという、反則技にチャレンジしてみました。バランス出力を得る為のアンプを通さない為、音の劣化を少なくできるという筋書きです。バランスマニアからはお叱りを受ける発想ですが、見事に当たりでした。10年以上経過した物ですので、転売する気もありませんので、思い切って、キャノンを切断して、回路から切り離す改造でしたが、解像度が更にアップしました。セラミックコンデンサによる性能劣化も、判明し、一気に矛盾が解消しました。 改造の詳細

13.クリーン電源による、完全な交流電源を使っても、奇数次高調波を含むダーティ電源でも、ハム雑音が出ない音響機器なら、差が出ません。
14.バランスアンプによる低雑音化は、万能ではなく、回路が複雑化し、入力換算雑音では不利になります。ハイインピーダンス回路が、いかに誘導に弱いか、それを克服する方が先でしょう。誘導雑音を低減するには、低インピーダンス化も、簡単で有効な対策です。
15.ハイエンドスピーカーがネット動画で紹介されており、音が確認できるようになり、個性豊かな音を聴いた結果、最高級よりも、やや下のグレードで、結構バランスの良い音のスピーカーも有りました。
16.真空管アンプが価格高騰していますが、原音よりも良い音を求めないように望みます。真空管アンプは、入力インピーダンスが高いので、思わぬ誘導雑音と、マイクロフォニックノイズも含んで、何でもかんでも分厚い音に化けます。


測定器リスト
オーディオアナライザー VP-7722A  コンデンサマイク ECM8000 マイクスタンド K&M 21020 25500B
マイク用アンプ 01V96V2   オシロスコープ リーダー 8060 8064 ケンウッド CS-5155 
デジタルマルチメーター フルーク 89W 189 289 HIOKI3237 3239
USBオーディオキャプチャ EDIROL UA-5 UA-25 UA-25EX
ソフトウェア 自作:デジタルマルチメーター用トレンドグラフソフト Adbe Audition Smaart V7、V7.330日間お試し版 Wave Spectra Wave Gene


最後までお読み下さり感謝です。一般的なオーディオ解説は、ここまでです。  以後、各々の詳細な解説に続きますが、これは、年内には、削除する予定です。  次ページへ