スピーカーの上手な鳴らし方 論より実験のオーディオ思考 マルチアンプシステム構築の手引き 令和2年 9月 日本語 PCサイト ディスプレイ解像度1920x1200以上推奨


【重要】掲載写真には、撮影日を掲載、測定結果は、タイムスタンプ付きcsvファイルとして保管しています。特記無き歪率値は、THD+N 80kHzBWで、SN比は、1kHz(A)とします。
     職業人(ホール音響保守エンジニア)として、現場優先で、 実際の現象や、観測波形を基に解説しています。音の評価は、マルチシステムを、全て純A級アンプ駆動で行っています。
     重要なコンテンツは重複が、多くなりますが、ご容赦ください。抵抗、直流抵抗、インピーダンスの読み分けを的確にしてください。
     
オーディオは、宗教に非ずで、文化系の人は、騙されないよう良書を読みましょう。金かけても良い音は出ません。CDの -96dB以下は、ノイズで満たされており、度を超したノイズ対策をしても、全て水泡です。
16ビット限界有り 24ビット推奨

オーディオの頂上と言われるマルチアンプシステムは、構築に際し、高い技術と、それなりの測定器が必要です。オーディオ販売店では、サポートに手が余る分野と思い、回り道をしないで済むよう、詳しく解説していきます。

推薦技術書
Multichannel Monitoring Tutorial Booklet 2ndEdition May2005 rev3.5.2 YAMAHA Co. SONA Co.
 現在もYAMAHAホームページ−プロオーディオ−製品情報−ダウンロード できます。2005年は、まだ中級オーディオファンでしたが、同書では、すでに、タイムアライメントにつても、詳しく記述されていました。概念は、理解していたものの、2009年自身がデジタルチャンネルデバイダーを使用するにあたって、初めて真剣に考える事となりました。サブウーハー1個と2個の違いが詳しく図解してあったり、コムフィルタリングも詳解されて、正攻法でマルチWAYスピーカーシステムを構築する為、非常に役立つ書籍です。オーディオファンの皆様に、是非とも、一読願いたいと思っています。
音響工学原論 伊藤毅著
 早稲田大学 基幹理工学部 表現工学科 及川研究室のホームページでpdfが参照できます。グーグル検索で探せます。音響を専門とする身にとって、非常に有り難い書です。 「スピーカーとは、なんぞや!」 まずはこの書で、理解すると良いでしょう。バブル期以前のメーカーさんの解説も、非常に科学的で、大いに知識を吸収できたのですが、最近は、商業主義優先で、時折、非科学的な論説が混ざっており、正しい情報と判断する基準は、こうした古典的な書に求める事が望ましいと思います。
デジタル・オーディオの基本と応用 河合一著 誠文堂新光社
 AES/EBU変換を検索して、抜粋を読むことになり、日頃感じていた、デジタルオーディオの不思議部分に光が射しました。発行元は、”無線と実験”で有名ですが、科学と乖離した部分が多いという印象が強くなり、最近は、立ち読みすらしていませんでしたが、これは、読み応えがありました。この書で、ダイナミックレンジとSN比は、Aフィルターでとなっており、今後は、SN比に関して、Aフィルターでの測定値を優先的に表示する事にします。


聴覚=脳
 聴覚は、脳の主観の影響を強く受け、人それぞれ受取りかたが違います。聞く耳は持って欲しいのですが、「百聞は一見に如かず」で、聴いた話は、それほどあてにならないという事です。業務中、ツイーター断線スピーカーを技術者でも、気付く人とそうでない人が居ますが、RTAでピンクノイズを見れば、一目瞭然です。オーディオは、Edison以来、オカルトや、宗教ではなく、れっきとした科学技術の集大成であり、その成果を、音楽の為にお裾分けして頂くものと考えます。ブランドや、価格、ヘンなキャッチコピーの商売人達に惑わされず、大いに楽しみたいものです。
 電流は、電子が歩行者並にゆっくり移動しても、光速で伝わります(オーディオ機器評価でのスピード概念を否定)。音波も同様で、音速は媒質に依存し、ソフトドーム、ハードドームに見るように、変換器の材質には関係しません。


言い得て妙! 『騙せると思うと金になる』 竹田邦彦 論 令和2年6月26日虎ノ門ニュースにて
胡散臭いと思っているオーディオ用語例 ハイエンド ハイレゾ フルデジタル フルバランス ラインアレイ 高音質 無帰還 ビンテージ オイルコンデンサ 管球アンプ スピード エージング 音が変わる 
製品の金額に応じて、音が変わるという主張は、全く持ってオカルトでしょう。
音質論によく登場するキャラ:スパイク、インシュレータ、ノイズ、ジッター、逆起電力、振動
大切に考える事 低雑音 低歪み クロストーク 高解像度 接触不良 安定度 信頼性 定番 高寿命

真空管礼賛物語
には、技術や、測定は含まれず、評価基準は、聴感のみであったり、照明効果が含まれる事は、疑問を禁じえません。アンプ購入には、DFが低いので、典型的なドンシャリになる事、歪み、雑音が多く、マイクロフォニックノイズを含め、特異な音は出るが、音源の良さを活かしきれない点と、出力管には寿命が有る事に留意。出力管により、音質が違っても、音が違った物同士なので、そこは、50歩百歩で、深追いは禁物です。半導体アンプは、性能が拮抗しており、どれも似たような音ですが、つまらないと称せず、似た音が出る事は、安定的で好ましい事だと考えます。安定した音なら、あとは、スピーカー側で工夫次第です。工夫の極致が、Qの高いホーンスピーカーを鳴らし切るマルチアンプシステムと考えます。

周波数特性に偏向したハイレゾ
 ハイレゾは、定着しましたが、超音波が音楽に必要で、空気感再現に不可欠との主張がよく見られます。再生側の周波数特性が結果として、20kHzを越える事には、何も問題はありません。しかし、聞こえません。録音用マイクの定番物は、20kHzどまりです。100kHzまで音が出たとしても、良い音の保証はありません。良い音の解は、PCMならば、96kHz24ビット音源でしょう。これは、48kHzの帯域を持ちますが、20kHz以上の再生は目的ではありません。折り返し雑音を捨てるゴミ箱付き音源と称すると良いでしょう。評価すべきは、マイクや、アンプの能力限界を超える、ビット深度で、可聴限界の-120dB以下の微音域を持っている事です。16ビット音源の限界は、-96dBですが、音を小さくしていった時-90dBあたりから、やや音が大きくなったり、基本周波数以外の音が大半を占めるようになります。すなわち、可聴音として、雑音が出てくるのが最大の欠点で、24ビット音源では、-110dBを越えてもそういった現象はありません。すなわち、静まりきらない、16ビットCDでは、澄んだ音色に制限が有り、PCM96kHz24ビット音源なら、澄んだ音が出せる事が、ハイレゾ最大の効用です。DSDに関して、演奏者側に負担が大きく、ヘンな緊張感で録音をすべきではないと思います。編集の容易なPCMでも十分な再生音が出ているし、そうなるように、再生装置を整備をするのが先でしょう。空気感ならば、風のような超低域に鍵が有り、100Hz以下を充実させました。
 アナログレコード ”HEY BRUBECK,TAKE FIVE” CBS SONY SONP 50003 と CD ”TIME OUT” SME SRCS 9631 ← モノラル空気録音ファイルとリンクしていますので、PCでお聞きください 2020/05/05

 古いアナログレコードなので、スクラッチノイズが多くなり、CDで補完しました。同じ曲が数曲有り、比較しやすく、「BLUE RONDO A LA TURK」の冒頭1分間を96kHz24ビットで、4WAYマルチSPシステムの音を空気録音しました。
録音機材 マイクロホン RODE NT2A 単一指向で使用 フィルター無し、ATT 0dB MIXER YAMAHA 01V96V2 USB UA-5 部屋のほぼ中央 高さ1260mm CDプレーヤー Pioneer DV-578A MCカートリッジ DENON DL-301U RIAA-EQ LT1115+LT1010 AD変換 SRC2496
ステレオ録音では、著作権で危うくなりますので、利用価値の無い、モノラル空気録音としました。アナログレコードの、鳴りっぷりの良さを聴いてください。録音は、1曲丸ごと行い、最大音量を合わせ、双方の冒頭1分間だけを切り出しました。この1分間に、この曲のエッセンスが詰まっています。タイムアライメントの試聴レコードとして、今も頻繁に再生しています。CDも有名で、ブルーベックをお持ちでないなら、お奨め品です。


LCネットワークの主役 コイル
 磁界には方向があり、電流が流れる電線には、右ネジの法則により、右回りの磁界が発生します。その磁界は、電流の往路と復路で逆なので、対になったケーブルでは相殺されます。電線のインダクタンスは、1本の時や、往復で不揃いの場合では、インダクタンスが大きくなり、高音が減衰しますが、正しく対にした場合、磁界キャンセルで、インダクタンスが低下し、高音減衰が少なくなります。
 ネットワークコイルの極性については、合わせるというより、コイル同士の離隔を取るか、直交させて、
相互インダクタンスを小さくする必要があります。直交できるのは、XYZの3軸までで、それ以上の数では、必ずコイル同士の干渉に見舞われる事になります。空芯コイルは、直流抵抗の大きさと、磁束漏れを考慮すれば、あまり良い物ではありません。理想に近いコイルは、3φ電線 Mundorf コアコイル T300 が有りますが、アンプ1台と同額です。3.3mH 0.07ΩでDF100以上を実現できます。3WAY用12dB/octでは、4個使用しますので、STEREO分で、ハイエンドA級プリメインアンプ1台分のコストになります。直流抵抗の大きなコイルでは、低音が、土管のような響きになり、到底マルチアンプ直結の締まった低音(過制動でなく、耳が慣れていないだけ)にはなりません。
45°ずれたコイルの位置に注目 2013/10/24  コイル直交 
2014/02/26

各種スピーカー用ネットワーク

 自作の参考にしてください。ネットワーク単体製品は、JBL3105で、あとはスピーカーへの組込品です。プリント板、ベーク板、紙の親戚に、合板と様々ですが、定番スタイルは無いようです。
無造作にセメント抵抗が入っており、それが、逆起電力を顕在化させ、音質劣化の元凶となっています。連続可変アッテネータも同様で、レベルコントロールは、パワーアンプのゲインで行う方が音質劣化が少なくなります。トランス式アッテネーターでも、直流抵抗成分は無視できません。コイルは、EIコア、空芯、フェライトコアと三者三様です。
 
SPの逆起電力として、磁束の変化で発生するのは、電流であり、電圧は発生しません。電力は、電流×電圧なので、電圧を限りなくゼロにすれば、電力も小さくなり、これを応用しているのが、建物内の放送設備で、選択したエリアのみの放送ができ、他のエリアは、無音で運用できます。マイクSWも同じ原理で、電流が流れても、電圧が発生しないように、OFF時は回路を短絡します。開放時をOFFとすると雑音が乗ります。医療現場でお馴染みのナースコールは、マイクが無く、スピーカーがマイク機能も果たします。それ故、使用しない回線をきちんと短絡しないと、各所の話し声が筒抜けになってまずい事になります。

もうひとつの視点 以下、知人からのメール原文のまま紹介
SPのボイスコイルの駆動力は電磁力 F=B×I×
lで生まれるので、電流依存であり定電流で駆動すべきように思いがちですが、実際は世の中のSPは定電流駆動ではなく、定電圧駆動で所定の特性が出るよう設計されています。
で、そのボイスコイルに流れる電流波形は、振動系の慣性起因の逆起電流やら、ボイスコイルインダクタンスの影響やらでボイスコイルに印加する電圧波形と同一ではない、即ち電圧波形≠電流波形になってしまうのです。
一方、ボイスコイルの駆動回路に抵抗分があると、電流波形×抵抗値で発生してしまう電圧降下によりボイスコイルに印加される電圧波形は、元の電圧波形から、電流波形×抵抗値を引いたものになり、しかも電圧波形≠電流波形なので、元の波形と異なった電圧波形がSPに印加されてしまう、というわけです。

以上は、ネットワークに抵抗成分が入る危うさの説明でした。抵抗成分は、減衰用のセメント抵抗、レベル調整用の巻線ボリューム、コイルの抵抗成分、TRSコネクタに発生する接触抵抗、スピーカーケーブル直流抵抗や、ケーブル酸化時の接触抵抗などを指します。これらによって、発生した一種の雑音は、ケーブルが受信するAM電波、照明ノイズ、インバータ雑音らと共に、アンプ出力端で、NFBにより、クリアリセットされ、綺麗な出力でスピーカーに送られます。しかし、綺麗な波形で駆動しても、これらの抵抗で、水泡に帰す事となり、低歪半導体アンプが、真空管アンプ、スイッチングアンプ、と同列に扱われ、音質論争で揶揄される対象となります。是非とも高性能アンプは、スピーカーと1対1で使用して、その性能を評価してください。下手なマルチWAYスピーカーがフルレンジの音に負ける事例は、このような事でも説明がつきます。
もしも、無帰還アンプや、DFの低い真空管アンプを使用するのなら、そうしたノイズを打ち消す能力が低いので、精一杯の雑音対策を行うと良いでしょう。適切に設計された安定度の高いNFBを施したアンプでは、負荷からの雑音の心配は有りません。スピーカーが出した反射音や、その他のノイズをCDの量子化雑音以下に抑え込む能力を持っています。
2017/01/23 2014/12/17 2013/10/24
 JBLスピーカー逆位相説
が有りますが、2次バタワースフィルターでは、隣接する帯域は、逆極性で接続するのが正解で、3次バタワースフィルターでは、隣接は正極性となります。マルチアンプ時も同じで、偶数次と奇数次では、隣接する帯域の極性が逆転します。 チャンネルデバイダーフィルターの極性理解の為のデータベース

 この関係性が正しく理解されていないから、位相の問題が解決できないでいると考えます。JBLだから逆極性で接続しているのではなく、2次のバタワースフィルターだから、スピーカーが逆相接続されていると考え、それは、どこのメーカーも同じと考えると良いでしょう。マルチアンプの場合、バタワースフィルター6dB/oct 18dB/oct リンクウィッツフィルター24dB/oct は、隣接する極性が同じになり、複雑さから逃れられます。12dB/octフィルター中の逆相接続のスピーカーでも、単体動作では、正しい極性で使用します。ネットワーク経由で使用する時は、逆相接続にしないと、ギャップが発生しますが、聴感では、判別しにくいです。ギャップが聴感で判別し難いことを忘れて、ヒアリングのみで、つながりが・・・云々はヘンな話です。位相測定はチェッカー(NTI ML-1等)で行いますが、もっと詳細に1波トーンバーストを再生して、オシロスコープで波形を観測する方法もあります。最初の山が上に有れば、正相で、逆相では、下が先に来ます。
スピーカー2個が、正しく合成された時の、正相同士の波形 位相チェッカーでは、タイムアライメントまではチェックできません 2013/10/24

5kHz1波トーンバースト 製品スピーカ 波形例
 製品価格25万円までの、スピーカーから出ている実際のトーンバースト波形ですが、形式的には、シングルコーンフルレンジスピーカー、2WAYスピーカーは、コーン型、ドーム型、ホーン型各種で、ネットワークは、コンデンサのみと、本格的な12dB/octフィルターも含まれ、同軸2WAYも有ります。

 型番非公開
 結果を見ると、実に様々ですが、原波形に近いのは、コンデンサのみの2WAYで、次いでフルレンジです。一番綺麗な2つは、ドーム型とコーン型のコンデンサのみの2WAYです。ドーム型は、現行商品で、オーディオ用でなく、業務用です。色々なスピーカーの波形を見て感じている事は、オーディオ用スピーカーは、柔らかいエッジと、能率を抑えて平坦特性を求め、
音の収束が悪いという印象です。中には、鉛ウェイトを付けて、更に、低音特性を求める物も有ります。トーンバーストだけで、全体を語る事は、適切では有りませんが、複雑な4WAYマルチシステムでも、綺麗なトーンバーストになるという事は、セオリーを間違えていない証明と考えます。コーン型2WAYは、最近では少数派なのですが、口径だけ違っての2WAYは、合理的と思える特性です。SR(Sound Reinforcement)用スピーカー音の収束が良いというのは、低音を欲張らないので、ふらふらで駆動する必要が無く、しっかりとしたダンパーと、寿命の長いエッジによるものでしょう。SRでは、低音が必要ならば、ウーハー単体で求めず、18インチウーハーの数で調整していますが、ここから出る音は、風に近い音で、あくまでも、メインウーハーを補完する音です。

JBL 4343
 4343は、ネットに回路図が有りましたので、それを見る限り、LF、MFは、普通の12dBフィルターですが、HFとUHFは、HPFが18dBで、HFのLPFが6dBフィルターと、複雑です。LCネットワークについては、このようなセオリー外が多く見られます。YouTube動画を参考にすれば、4343の低音は、LCネットワークによるぼわっとした低音の域を出ず、改善の余地が有ります。適切にマルチ化すれば、低歪で、低音楽器の個性がはっきりと出てくると思いますが15インチウーハーだけでは役不足で、18インチサブウーハーを付加した、5WAYにまで発展が必要でしょう。

スピーカーの位相とは

スピーカーの位相について、smaartというソフトでの測定結果です。フルレンジと比べて位相変化が大きいのですが、乱れてはいません。どちらも、低域ほど位相が進んでいます。位相がフラットというのは、単なる謳い文句で、ネットワーク無しフルレンジでも、位相が動きます。
 現在の4WAYマルチアンプシステム

 13cmフルレンジスピーカーならではの教科書的な位相特性 平坦ではなく、常に傾斜している点に注目

互換ダイヤフラムの位相
 不幸にしてダイヤフラムの交換に迫られる事がありますが、交換用のダイヤフラムのプラス極に赤のマーキングが有ります。普通は、赤がプラスです。しかし、ミッドドライバーでは、凸面から見てのプラスなら、逆向きで取り付けますので、逆相の可能性も有りで、結果は取付後の測定待ちとなりました。元々の部品であるダイヤフラムのカバーの+刻印と、新規取付のダイヤフラム本体の+は反対側に有り、心配した通り、全く逆でした。トーンバースト波で、位相を確認しましたところ、カバーの刻印が正解でした。
しかし、もしも12dB/octLCフィルターならば、更に位相を逆にしなければなりません。こうなると、理屈や、表示より、空間の波が重要で、やはり波形を直接観測する事が不可欠です。
百聞は一見にしかず!
赤にプラスを加えると、コーンスピーカーと同じように、凸面に動きます 写真JBL2425用互換ダイヤフラム 2020/04/29 ドライバーへの実装状態では、凹面側から前に音が出ます JBL2445 2012/08/21

クロスオーバー周波数の怪
 マルチWAYスピーカーシステムでは、スピーカーを各帯域に分割して音を出しますが、それらが、重なり合う周波数がクロスオーバー周波数となります。例えば、3WAYのローとミッドの間は、500〜1kHzが代表的ですが、コイルの巻き直しができない、LCネットワークの場合は、周波数に、微妙な要素が有ると思い込みますが、マルチアンプでは、チャンネルデバイダーで簡単に周波数が変更でき、それによると、700Hz〜1kHZまで動かしても、変化の差を聞き取るのが、難しいです。ミッドホーンを使用した場合、高域限界は、音圧レベルの低下具合で、判断できますが、低い方に問題があり、ホーンのカットオフ周波数と、さらに、その下で、音圧は低下して、著しく歪む周波数帯があります。この帯域の不都合な音を出さない事が、クロスオーバー周波数を決める第一の要素となります。これには、傾斜の強いフィルターを用いるのが最善です。間違っても、6dB/octフィルターで、自然減衰を組み合わせて、音のつながりを求めようとは思わないでください。ツイーターに関しては、高域で、2つのスピーカーから同時に音が出れば、コーミング現象で、音のディップが規則的に現れます。従って、コンデンサ1個で、ツイーターを鳴らせば、同様の事が起きます。又、並列に鳴らせば、同じです。ステレオの左右では、距離が離れており、干渉は考えません。LCネットワークにおいて、クロスオーバー周波数は、設計上の数値で、実際は、スピーカーのインピーダンス特性の乱れで、設計値での合成結果は得られません。公称インピーダンスと、実際のインピーダンスには、相当な開きがあります。
 TV放送でよく登場する SX300のインピーダンス特性 公称インピーダンス8Ωですが、100Ωを越える帯域が有ります。低域が2山なのはバスレフである事によります。

雑学:煩雑なケーブル類をまとめるには
 マルチアンプシステムのように、複雑な構成の場合、ケーブル類も煩雑になって、蜘蛛の巣状態になり、舞台裏は大混乱です。蜘蛛の巣でも、ケーブル同士の離隔が取れて、干渉を防ぐには、都合が良いのですが、やはり、それなりに、何らかの法則に従って、まとめた方が、精神衛生上も好ましいと思います。ケーブルをまとめるに、手っ取り早いのは、製品の電源ケーブル付いている、
ねじりっこの再利用でしょう。開梱と同時に、捨ててしまうより、何か良いことをした気分になります。しかし、ねじりっこには、思わぬ落とし穴が有り、樹脂の中心にある、鉄線が、時間の経過と共に、ケーブルの被覆を締め上げ、凹みができてしまいます。ノイズにうるさい人なら、鉄線に誘起される、電磁ノイズにも注意です。
 
タイバンド(インシュロック)は、手早く締められ、緩まないので、工事でよく使用します。しかし、後で電線を追加する時は、切らないと駄目で、無駄が多くなります。その欠点を無くした、ロックを外せる物もありますが、主流ではありません。タイバンドも、時間が経つと、電線を締め上げるので、電線には跡が残り、その後、バンド自身が切れる事になります。特に屋外では、寿命が短くなります。TVアンテナ等に使用した物は、最後には、脆くなって切れ、同軸ケーブルがダラ下がり状態になります。マジックテープを使用した、ケーブル結束用バンドも最近見かけるようになりましたが、一本物には、それなりに便利ですが、オーディオ環境には、絨毯に絡み付いたりで、それぼど便利ではありません。
 意外に便利なのが、
伝票を綴じる黒い紐です。45cm物が販売されていますが、音響現場でも、マイク、スピーカーケーブルをまとめるのに良く使われています。コクヨやPLUSのうるし先の物が、一番使い易く、緩み無く束ねる事ができます。プラスティック先で、綿紐の物は、緩みやすく、要注意。ケーブル類を蝶結びで束ねておけば、後で、ケーブルを追加しても簡単にやり直しができます。音響的にも、制振効果もあり、しかも、絶縁物とあって、電磁ノイズ皆無です。ケーブルに跡も付かず、経年劣化も無く、高級ケーブルにも安心して使えます。


現在のマルチアンプシステム 自作5Wx4ch LAPT(Linear Amplifier Power Transistor)純A級アンプ(トラ技2017年5月号 黒田徹氏記事15Wx2 に準拠 消費電力60W)SN比111dB以上(8Ω1W) & 高能率アルティックタイプ15インチウーハーを機軸とした4WAYスピーカー
 3入力4WAYマルチ用 5Wx4 SN119dB A級アンプ 2018/07/174WAY SP 高さ1535x幅530 90kg 46cm SLF + 38cm LF + CDホーン MF + コニカルホーン HF 2019/03/05
 純A級とはいえ出力5Wは、ある意味貧弱とも言えますが、これが、アンプ出力に関しての結論です。使用して2年経過しましたが、現在まで、-8dBでの使用に留まっています。この出力値は、1W未満相当です。やはりホームユーズでは、5Wもあれば余裕との見積りが適中です。ご存知のように純A級は、効率が悪く、発熱が多いと思われていますが、5Wならば、それほどの発熱にはなりません。消費電力は、4chまとめて60Wで、STREO分で120Wです。5Wの場合、電源電圧が±12Vあれば十分で、OPアンプを動かすにも最適です。低い電源電圧の利点はノイズが少なくなるということです。回路の抵抗値も小さくでき、抵抗自体で発生する抵抗雑音や、誘導雑音を低減できます。すなわち、飛び込みノイズが少なくなるので、バランス化しなくても、不平衡で、低雑音運用ができ、回路構成をシンプルにできます。シンプルであれば、部品選別を厳密にした効果が発揮され、低雑音、低歪率という測定結果につながります。

 下は、新システムですが、旧システムMidホーンの奇数次歪みを改善するために、手持ちのJBL2445J+2380Aを組込ました。2インチスロートホーンは巨大で、熟考の末、以下の配置で試作しました。色々とやっていく中で、2インチスロートホーンは、見かけは立派ですが、狭い部屋では、音場自体にムラが多く、大空間でないと、その実力は発揮できないという感触です。1インチスロートのJBL2425J+2370Aでは、スッキリとした音場感が得られており、期待もしたのですが、立派さや、金額が高いとか、重いとかそんな優位性は、実音には、無関係でした。現状は、内向きの角度20°とし、壁反射を少なくした場合を検証しました。結論として、2インチスロートバイラジアルホーンは制御しかねるという事で、元の1インチスロートCDホーンに戻し、下から18インチウーハー、15インチウーハー、MF CDホーン、HF T90Aという普通の構成として暫く検証します。
MID JBL2425J+2380Aシステム 106kg
 短命で終了 2020/04/06 側面図 現在検証中 90kg 15インチウーハーの見通しを改善 ”普通の配置” HFは下向きに! 2020/05/03

 3WAYチャンネルデバイダーを受け、SN最優先のA級アンプに内蔵した24dB/oct LPFで、46cmウーハーへの出力を得ています。A級アンプの、放熱器と、パワートランジスタ背面の銅板は、サンスイAU−α607XRを解体した物を流用しています。エミッタの金属板抵抗0.22Ωも流用しました。OPA1611+2SA1015/2SC1815+2SA118/2SC2837(サンケンLAPT)というシンプルな構成で、残留雑音3μV(A)台となりました。パワートランジスタのhFEはバラツキが多く、ドライブTrを多数購入して選別し、電流増幅段全体で、PNP-NPNのバランスを精度良く揃えました。A級アンプならば、電源トランスから整流直後の電解コンデンサ端の出力に比例した波形や、逆相クロストーク波形も綺麗です。B級やD級アンプでは、ここの波形は相当に見苦しいもので、この場所こそがスピーカーの音の源であり、ここが汚れていたら、あらゆる労苦が無駄になります。例えば、my柱状トランス、宅内電源ケーブル、コンセント、アンプ電源ケーブル、バッテリーによる、クリーン電源などです。大地アースも、絶対的クリーンなものではなく、大地と関係なく浮動していても、最寄りの電位を基準とした方が良い場合が多くあります。無理に大地アースを引いても、思わぬ電位差に悩まされます。
 4chパワーアンプとしたのは、技術誌の記事をスケールダウンして、5W出力とし、パワーより実用域での高性能化と低発熱を狙い、その結果、各部品が小型で済んで、スペース効率が上がった為です。パワーアンプは、大電流が流れるので、共通インピーダンスによる、逆相クロストークが発生します。クロストークが左右chにまたがると、ステレオセパレーションの悪化を招きますが、それを片側4ch間のクロストークへすり替える事で、左右のセパレーションをモノラルアンプ並みに高める事が可能になります。電源トランスは16V5A 80VAの容量で、出力5Wx4を得るという、余裕のある使い方です。電解コンデンサも小さく見えますが、33,000μFという大容量です。2ch仕様は、16V3A 48VAで5Wx2と更に、余裕です。
TANNOY System12 JBL 2425+2370A Fostex T90A 2016/11/28
 TANNOYで、2WAYマルチアンプシステムをやってみましが、思うようにつながらず、JBLのミッドホーンと組合せました。典型的なCDホーン特性で高域でダラ下がりで、5〜6kHzで、ツイーターとつなぐ必要があります。T90Aは、スーパーツイーターという呼称ですが、ワイドレンジで、24dBフィルターであれば、5〜6kHzのクロスオーバー周波数から30kHzまでしっかりと出せます。ホーンツイーターを実際に鳴らすと、高級品でも、ピーキーで、レンジが狭い物もありますが、T90Aは、コスパが高く、価格以上の使いやすさがあります。TANNOYのウーハーは、低歪みで、ローエンドもかなり出ますので、こちらは、サブウーハーが不用でしたので、3WAYマルチアンプシステムで完成しています。特長として、言葉も出ない赤ちゃんにも、この音が通用する事で、非常に好ましい反応を示します。音像がスピーカーの位置を感じさせず、非常にクリアに展開されます。4kTV+AVアンプ→2ch(FL+FR)アナログ信号で、DCX2496+PGA2311PA 6連VR+2ch仕様純A級5Wアンプ3台という構成です。

タイムアライメント調整 マルチチャンネルシステムでホーンスピーカーを使用するには必須
 50MHz 2現象オシロスコープ 2015/06/17   2013/10/24
何故ホーンスピーカーだとタイムアライメントが問題になるのかは、下の写真で見た通り、中音と高音SPは、奥行きが違い、ダイヤフラムの位置を合わようとすれば、下の様にアジャストする手法があります。フロント面から、ダイヤフラムまでの距離は、およそ3cmと25cmで、その差22cmあります。正面軸上でそれぞれのスピーカーから出た音は、同時に到達しますが、正面以外では、同時になりません。リスニングポイントを1点のみとすれば、このようなレイアウトでも、同時に音が到達しますが、それ以外エリアでは、同時に音が来ません。壁面反射の影響を少なくできるのがホーンスピーカーの長所ですが、これを完全に活かせなくなります。もしも、フロント面を合わせ、高音側で出る音を22cm分遅くすれば、それらの音は、フロント面から同時に音が出て、空間をそれぞれのホーン特性に従い拡散し、原音が崩れない伝送ができます。
22cmのズレは、クロス周波数が5kHzとすれば、約3波に相当します。このズレに無関心なら、中音にホーンスピーカーを使用すべきでは無いでしょう。コーン型や、ドーム型は、ズレの問題が起きません。従って、ネットワークで鳴らしてもタイムアライメント問題が無くなります。もしも、ホーンスピーカーの音の良さが気付いた場合は、22cmの問題をクリアする為に、ディレイ付きチャンネルデバイダーを使用して、上のような波形が観測できるように調整する必要が生じます。

 アナログチャンデバ時代に、このレイアウトの欠点を確認 ホーンフロント面を合わせる事が最良という結果 2011/04/18

 タイムアライメント調整で使用する、遅延掃引付き2現象オシロスコープの例 中古アナログオシロを安く入手

PCからWave Geneにて、HF-MF間のクロス周波数の1波トーンバースト48波間隔を使用。トリガー入力は、USBキャプチャーのアナログ出力。トリガーは、スピーカー入力と同期しており、空間波形は、それより遅れてやって来ます。音が速いといっても、電気信号に比べれば、ずっと遅いので、普通に掃印していれば、空間波形は、スコープの画面外右側になって、表示できませんので、遅延掃引をかけると、下の写真のように画面中央に空間波形が表示できるようになります。
1波トーンバースト波が綺麗に出たところで、H-M間の調整は完了です。ヘンな理屈でなく、アナログチック調整法で、実音を目で見ながら行います。5kHz48波間隔の場合、波長6.8cmの48倍が3.3mで、リスニングルーム内で1個だけとなり、他の波と混同しなくて済みます。
下側が、上の1波トーンバーストの前後に現れる微分波形 タイミングを合わせる目印として使用 1波では、LFから出る波形が見にくいので、2ないし4波でLFを調整 

次に、調整された、HFの音を基準にLFとタイミングを調整するために、トーンバーストを2波にします。HFのみ音を出しておき、波形の前後の不連続部の音を捕まえます。
 目的の波は小さいので、見失いやすく、徐々に周波数を下げて、MF-LFのクロス周波数まで下げます。尚、2波ならば、倍の間隔、4波なら4倍の間隔になります。HFに加えて、LFの音を出します。LFの1波目は、崩れやすく、波を確定しにくいので、偶数波の中央をブラウン管のセンターにすると調整しやすくなります。下は4波を使用した場合で、黄色の丸は、着眼点です。LFを遅延すると、波が右に動いて行き、管面中央に来たところで、調整完了です。この後、MFも出力し、全帯域での結果を見ますが、LFだけの時より、少し左に動きますが、MFは、最初にHFと合わせて有りますので、気にしない方が賢明です。スピーカーの位相は、周波数毎に違いますので、全帯域で完璧合う事は有りませんが、放置するよりは、遙かに解像度が高くなります。収音マイク位置は、スピーカーから離れた方が精度が高くなりますので、中央より後方で行います。
 周波数が下がると、最初の波の立ち上がりが悪くなり、1波だけでは、観測が難しくなります

 ホーンスピーカーシステムは、この調整を行う事で、従来言われてきた指向性が鋭くキツイ音から逃れられます。明瞭度が高く、ダイナミックさも加わり、臨場感に満ちた音を体現できるようになります。音のフォーカスが合い、空いた余韻の部分の音もしっかりと聞こえ、録音環境へ思いを馳せる事になります。ハイエンドスピーカーを既製品のLCネットワークで鳴らしたぐらいでは、この音には到達できません。例えば、トライアングルの音は、小さいくても、生演奏では、はっきりと聞こえます。真空管アンプでは、この種の音に特別な華が有り、キンキン音に強いのですが、半導体アンプでも、その音をはっきりと出すことができます。CDでは、綺麗な音にならず、滲んだ音として出ますが、アナログレコードや、PCM 96kHz24bitでは期待した音が出ます。

マルチチャンネルシステムの調整
1.各スピーカーの使用帯域
 全帯域を無理なく再生できるように、各スピーカーの受持帯域を決定します。特性グラフを参考に、音圧分布をなるべくフラットにつながるように決定します。ウーハーの下限は、ウーハーの口径と、エンクロージャーの容量で大筋が決まりますが、上限は、メーカー推奨値を取るか、音圧特性で判断するか分かれます。理想とされるピストンモーション領域だけで、各スピーカーをつなぐなら、特性のうねりが大きい所は使用しないようにします。ホーンスピーカーの下限は、大きく歪み音が出る所を使わないのが大原則で、緩いフィルターで設定すると、歪み音が出ます。チャンデバでは、バタワース18dB、リンクウィッツ24dBなどを使用します。6dBは、電気位相的には理想ですが、スピーカーには、耐入力の低下、歪みの増加で最悪ですので、ホーンスピーカーには適用しません。上限は、音圧特性で判断します。大きなピーク・ディップが無いところまでが目安です。
2.レベル調整
 各スピーカーの使用帯域が決定したら、音出しを行い、各部の接続確認を行います。音源は、ピンクノイズで、リアルタイムアナライザー(RTA)が有ると便利ですが、無い場合は、WaveSpectraで、アナライズします。各帯域が正常に音が出ることを確認したら、帯域毎のバランスに移ります。一番能率低いスピーカーを基準としますが、ウーハーが低くなる事が多いです。1オクターブバンドぐらいのワーブルトーンが音源として最適です。ウーハーよりも能率の高いスピーカーの減衰量を決定して、最後に再びピンクノイズで、完成度を確認します。次に左右のバランスに移りますが、ピンクノイズを各帯域毎に鳴らして、真ん中に定位するように、左右の微調整を行います。全てのチャンネルの定位が真ん中にきたら、再度ピンクノイズ全鳴らしで、不自然な箇所が無いか確認します。レベル調整は、チャンネルデバイダーやパワーアンプで行いますが、デジタルチャンネルデバイダーでは、プラス側への調整は絶対に行ってはいけません。
3.タイムアライメント調整
 レベル調整後に、タイムアライメント調整を行います。トーンバースト波が、綺麗に再生出来るように、波形を見ながら調整します。調整が合えば、一番明るく聞こえて、音数も多くなります。フィルタータイプや次数を変更した場合、再調整しなければなりません。
4.音場補正
 チャンネルデバイダーには、色々な機能があり、使用環境や、スピーカーの癖のようなものを補正できます。PEQ、GEQイコライザー、サブハーモニックシンセサイザー等です。フラットな音は、時に平凡過ぎてしまうので、従来の経験により、ある程度の味付けが必要になります。そうした事を行う場合に、左と右で違う補正値を設定しない事が極めて重要になります。左右別補正では、位相特性変化で、2chステレオで大切な、左右の位相がずれます。レベル調整では、位相ズレは有りませんので、もしも、気に入ったバランスが得られるならば、レベルだけでの調整を優先します。


アンプの重要性 電力を送るだけでなく、無駄電力吸収もお仕事
 今日のスピーカーは、永久磁石とコイルを動力源として、空気を振動させる方式がとられており、電磁記録された電気信号を、電力として、スピーカーに供給するのがパワーアンプです。アンプには、スピーカー動作に伴い、スピーカーの逆起電力と、反射した音による、入力と時間がずれた電流が逆送されてきます。直流抵抗が無ければ I x I x R = 0で電力ゼロ。しかし、アンプとスピーカーの間に、直流抵抗が有れば、電力が発生し、スピーカーからそれが音として出ます。NFBが無く、出力インピーダンスの高いアンプで、LCネットワーク+抵抗アッテネータ付きマルチウェイスピーカーを鳴らせば、当然、部屋の反射音の影響が出ることになります。いわば、スピーカーの反作用の音と、部屋の反射音とで、スピーカーが、振動状態となり、アンプが有効に制御できず、固有の音が生まれて、解像度も低下します。固有の音は、成果ともとられがちですが、解像度の低下に注視すべきと考えます。
   SP端子電圧 
2020/03/21
スピーカー用アッテネータ8Ω巻線ボリュームを半分の位置では、トーンバーストゼロ部分に尾ひれが付きます。真ん中は、10cm前方で手をかざし反射させた場合で、波の真ん中で、手の反射波が有ります。右は、フルボリュームで、アンプまでの直流抵抗をゼロにした場合で、反射波は、見られません。この3枚の写真から、アンプと、スピーカーの間に、直流抵抗が有ると、原音には、無い音がそこに加わる事が解ります。
この現象に着目したのは、以下の経験を説明する為です。
1.放送設備工事で、配線ミスが有ると、スピーカーをOFFにできず、音漏れを起こす
2.音響ホール用アンプで、建築音響設備を駆動する場合、出力音量の割に、発熱が大きく、設備用アンプでは発熱が控えめである
3.市販スピーカーのネットワークをバイパスして、マルチアンプ駆動すると、ボワッとした低音が、一様に締まりの有る低音に変化して、混変調が少なくなり、綺麗な音が出る

アンプとスピーカーの間にある直流抵抗
1.ケーブルの抵抗
2.ネットワークコイルの直流抵抗
3.レベル調整(固定)のセメント抵抗
4.各ユニットの音圧バランスを任意調整する為の巻線ボリュームによって直列に入ってくる抵抗
などがあり、スピーカーの音に対しては、混変調歪みの増加と、締まりの無い低音になるという影響が有ります。

入力は、8kHz1波12波間隔トーンバーストで、スピーカーは、Beyma CP21ですがアルニコツイーターでも同様です。詳細は後述していますが、周波数が低いほど影響が大きくなります。コンデンサだけの場合は、尾ひれは付きません。この現象、実験したら納得できるでしょう。
 ツイーター コンデンサカット 47μFBP(423Hz相当)では水平になりません。4.7μFの場合、波形の終わりがもっと上になります。 2020/03/21

フルレンジと同じ考えで
 フルレンジスピーカーでは、アンプとスピーカーは、一体の物として、忠実な動作をします。NFBアンプであれば、アンプ機種間の音質差は少なくなります。NFB量が、音質に影響する事も有るでしょうし、無帰還アンプとは、当然、差が生じます。真空管の出力トランス付きA級シングルアンプでは、直流磁化で、低域のインダクタンス低下が起き、特有の音が付加されます。直流磁化をキャンセルできるプッシュプル動作が適切です。音の変化を楽しむのも、趣味オーディオの一環ですが、予算も多くかかります。オーディオ技術としてのHi−Fi道とは当然異なります。最近の大出力スイッチングアンプでも、フィードバックがかけられ、歪みが押さえられるようになりました。各種あるアンプの中で、半導体式A級アンプは、動作電流が大きく、負荷から逆送される電力を、有効に吸収する事ができます。反面、発熱量も多く、それが欠点としてあげられますが、真空管の動作温度と比較すれば、子供みたいなものです。
 デジタル音源は、MAXの音量が決まっていますので、最大音量条件に応じた最大出力を用意すれば、それ以上の出力は、必要有りません。アナログ音源のように、突発的な音に対してのマージンを確保する必要は全くありません。その為、最大出力を低く抑えても、安全で、A級動作を選択しても、少ない発熱で済みます。更に、最大出力を抑えるので、利得も少なくて済み、負荷に現れる雑音量も減らすことができます。ただ、利得を低くするのが、NFBアンプには、とてもやっかいな事で、安定性に不安が生じます。ディスクリートアンプでは、そうした点に注意が必要でした。しかし、OPアンプでは、その点がクリアでき、回路を簡略化しても、高性能が実現できました。
 ネットワーク付きスピーカー中のホーンスピーカーは、能率が高いので、必ず直列に抵抗が入っており、本来の音は出ません。更に、ウーハーとは、音の時間差が生じて、明瞭さが損なわれています。すなわち、ホーンスピーカーを直結で鳴らせる低雑音アンプと、時間差を解消する、ディレイ機能付きデジタルチャンネルデバイダーによる、マルチアンプシステムにより、それぞれのスピーカーの実力を遺憾なく出し切れます。大出力一辺倒のハイエンドメーカーが、今更、数W程度の小出力アンプを真面目に販売できないでしょうが、そこが、自作マニアの本領を発揮できるところでしょう。
 重量45kgのビッグアンプが93dB/Wのスピーカーを鳴らす場面で、ピークパワーは、0.05Wという動画を見ましたが、実際の姿です。

スピーカーが正しくアンプの制御下となる接続例 (フルレンジ1発も有効な選択肢)


1.フルレンジ  :16cm〜20cmでお気に入りを見つけたらここからスタート ビンテージなら、LE8T P-610シリーズ EAS-20PWシリーズ FOSTEX製品等
2.2WAY C接続:コンデンサ1個のネットワークで、フルレンジの高域を補完しますが、能率上ホーンツイーターは不向きで、コーン型、ドーム型、リボン型から音圧特性を参照して選択
3.4WAY マルチ:LFが一番重要で、12〜15インチで、軽量コーンがお奨め。MFは、平坦な特性で、歪みが少ない物。HFは、8kHzがピーキーな物を避け、レンジの広い物。SLFは、18インチパッシブウーハーで、箱が大きい物がそれぞれ理想です。
2WAY以上で、能率の違いを補正する場合は、いくら簡単に済むとしても、抵抗で調整するのは、絶対に避けます。正しくは、それぞれのユニット毎にアンプを充て、アンプの利得で調整するのが、一番です。スピーカーは、発電能力を持った暴れマシンで、僅か抵抗1本でも、音が呆けてしまいます。
 直列抵抗を付けた時の、2波トーンバースト 灰色がSP電圧波形 水色が音の空間波形 2011/11/19
 上の写真は、直列抵抗を付けて、スピーカー端子の電圧と実際の音が同じ波形になるかの実験結果で、トーンバースト波がすぐにゼロにはならず、うねりとなります。これが、ネットワークの低音で、同じスピーカーユニットをマルチで鳴らすと、音が締まったり、過制動の音と言われたりする原因です。こうした実験は簡単にできますので、ネットワークのチューンアップを考える前に是非試して下さい。変なパーツのグレードアップよりも、アンプ直結にした方が、はるか簡単に成果が揚がります。レベル調整も、アンプで行えば、巻線アッテネータによる、厄介な音質劣化を避けることができます。後は、ホーンスピーカーを鳴らし切る、低雑音パワーアンプの入手です。SN比よりも、残留雑音に注視し、20μV以下で、より少ない物を。


ハイエンドスピーカーの構成
JBL EVEREST DD67000 単なるダブルウーハーと思っていましたが、カタログを熟読すると、片方が150HzLPFで切ってあり、変則的な4WAYシステムであり、奇しくも全く同じ4WAY構成となりました。
FOCAL Grande Utopia EM Evoのデモ動画を見て、価格にびっくりしましたが、これだけのハイエンドスピーカーでも、2mという高い背丈と、40cmウーハーが80Hzで切れている事で、背が高くて異端と思っていた自身の4WAYシステムが肯定されました。

3WAYチャンネルデバイダー

 2008年 CX3400(アナログ)にてマルチアンプSPシステム使用開始。2009年 DCX2496(デジタル)に変更。2016年には、DCX2496内部にフィルムコンデンサ使用の自作POST-LPF回路を追加し、無駄に増幅している平衡出力アンプをバイパスして、不平衡出力し、+22dBuから+8dBuへレベルダウンすることにより、アナログパワーアンプにレベルを最適化。尚、長らく使用してきたDCX2496が、1台が寿命となり、もう1台も、LCDが読めず、PC無しではセットアップができなくなりました。DCX2496は、現行品なのですが、さすがに、新規購入はできかねず、後継機種を検討してきましたが、96kHz24ビット機で性能も良く、価格も手頃な、dbx
VENU360を試しました。VENU360マニュアルは、ドライバーアライメントディレイの最小設定単位の記載が無く、オーディオ環境で使用できるのか不安でしたが、0.02m秒(7mm)単位で調整できました。PA環境においては、至れり尽くせりで、RTA機能も有り、オールインワンで優秀です。しかし、○○ハウスのレビュー以外には、その使用感の記事がネットには見当たりませんので、詳細を探求してみました。  VENU360 実践的使用法
使用した感じでは、プロ音響、趣味オーディオどちらの用途にも過不足有りません。ネットワークコイルや、コンデンサを取っ替え引っ替えするぐらいなら、質の良いアナログアンプも中古市場ではまだ豊富に有るようで、マルチアンプシステムへの移行をお奨めします。現行小型アンプは、ほとんどがD級アンプで、SN、歪率は今一です。パワーアンプも重厚長大で、オーバースペックです。

高級プロセッサー
プロ音響用 LABGRUPPEN LM26(○○ハウス販売価格\560,000) ダイナミックレンジ115dB 歪率0.00037% 民生用 Accphase DF-65( 定価\800,000)ダイナミックレンジ118dBが有ります。
VENU360 出力レベルが6段階設定できますが、+4dBも成績優秀で、オーディオレベルでも使用可能です。AES/EBU入力 
2019/10/01
dbx VENU360 RTA(リアルタイムアナライザー)機能

 測定用コンデンサマイク1本有れば、内蔵されているGEQ、PEQを制御する事で、ルームアコースティックを視認しながら調整できます。測定用のピンクノイズも内蔵しています。推奨マイク RTA-M \10,800ですが、ECM8000 \4,750も同様に使用できます。ルームアコースティックで、ピークを抑制すると、マスキングされていた音が聞こえるようになり、音数が増えます。調整のコツは、マイナスイコライジングを主とし、必要調整幅の半分程度までにする事で、測定ポイントが変われば、まるっきり特性が変わるのが、音の世界なので、深追いは禁物です。スピーカーの左右で、音圧特性が異なっても、ステレオ再生では、
左右均等な音が重要であり、デジタル機ならではの、左右均一な同調性が活きます。
システムブロック図 

 デジタルと、アナログの音源は、SRC2496で、0dBFSを基準としたAES/EBUデジタル信号で、チャンネルデバイダーに入力。その出力6chは、6連電子ボリュームにより、音量を精密に制御し、4chパワーアンプ2台に入力。アンプ出力は、スピーカーに直結し、アンプスピーカー間の直流抵抗を減らて、スピーカーケーブルに乗る、外来電磁波雑音と、ボイスコイルから来る逆起電力をショーティングしています。SRC2496は、生産中止で、将来的には、別の方法を考える事になります。6連電子ボリュームが、パワーアンプの前に有るのは、フルビットでDACから出た音を、アナログ段で絞り込んで最適音量にする為です。多連ロータリーボリュームと比較し、遙かに音量誤差が少なくなります。 6連電子ボリューム製作ページ

SRC2496の不調
3台使用していましたが、何れも、光入力が動作しなくなりました。最初に購入した物は、アナログ入力が反転します。1台は、デジタル入力で、エラーLEDが点灯するようになり廃棄して、現在2台となりました。

マルチシステムの重要パーツ 6連マスターVR発想の原点 アルプスRK16816MGA04 6連ボリューム
2009/02/15
 上は、手持ちのモーター駆動6連ボリュームです。減衰量100dBを得る為、100kΩです。定格連動誤差は、-40dB〜0dBで最大3dBです。自作したPGA2311PA電子ボリュームの実測では、±0.01dB以下で、マルチアンプシステムには、電子ボリュームが適しています。多連電子ボリュームのメーカー製品は無いのですが、自作なら可能です。多連化は、特殊な作業ではなく、正常動作基板から、CS−SDI−SCLK−MUTEの4本を、接続するだけで、他ののICが連動して、6連となります。それ以上の動作も可能で、5個での実例が有ります。

 アンプとスピーカー間は、3m以内に全chが収まっています。長い信号線は、デジタル伝送としました。アナログ伝送箇所は、2m以内に収め、さらに、バランス伝送が不用になるように、ラインレベルで47Ωという低インピーダンス駆動をしています。これにより、不平衡伝送でしか成しえない低雑音性能を、達成しています。ホールでは、バランス伝送が当然行われていますが、これは、マイクレベルを長距離伝送する為に必要だからです。ラインレベルで短距離、低駆動インピーダンスならば、わざわざ、アンプを多くして、バランス伝送する必要は有りません。より繊細な音を逃さないよう、シンプルなアンプ構成で、低雑音を達成し、大口径スピーカーによる、低歪超低音と、高感度な、ホーンスピーカーによるマルチ駆動にて、入力に忠実なシステムが実現しました。
VENU360は、デジMAX時+4dB出力が選択できますが、VENUの平衡出力を不平衡で受けると、歪率値の不安定部分がありましたので、VENUの出力は平衡で運用しています。

マイクラインには必須ですが、バランス伝送は万能ではありません

 オーディオでは、ヘンな雑音を受けないように、平衡伝送を押す空気がありますが、ケーブルでの長距離伝送に適しても、機器の内部までも、平衡伝送を唱えるのは、いささか疑問を感じます。ケーブル内部では簡単に平衡伝送が実現しますが、パワーアンプのような、複雑な構成の機器では、パーフェクトシンメトリックなど不可能と思えます。ここは、無理をせずに、アースで遮蔽され、SNで有利な不平衡アンプでシンプルに処理する方が、理想ではないかと思います。
D級アンプがブリッジ出力でないと不都合が有りますが、A級アンプなら心配無用です。

YouTube活用
 Youtubeの動画には、音楽ジャンルも多くあり、音質もピンキリですが、PCにて、デジタル出力をすれば、96kHz24ビットで鑑賞できます。自前でメディアを用意しなくても、再生環境を良くすれば、期待を裏切らない音も出ます。RTA(Real Time Analyser)で、音を確認しながら楽曲を楽しんでいます。PCからデジタル出力した場合、DACまでのデジタルフォーマット変換での音質劣化は考える必要が無く、DACの性能通りの音が出ます。DACは、上のデジタルチャンネルデバイダーVENU360のような+4dB出力に対応した物であれば、いきなりパワーアンプに入力できます。16kHzで切れている音源もありますが、20kHzまで出ている音源もあり、聴いただけでは判りませんので、RTAでご確認ください。低音も、カットされたものや、100Hz以下がブーストされたものなど、色々です。時々タイムアライメントに無頓着な動画があり、ダイレクトラジエーションマニアから揶揄されそうなホーン臭い音が有りますが、コメントで悪口は書けませんので、放置しています。たまに、誤結線や、勘違いが有る場合のコメントはしております。普段は、KEFQ70 A級バイアンプ駆動で、精密な確認は、4WAYマルチとRTA併用で行います。

YouTube動画 再生周波数範囲の確認方法
 UA-5を使い、同軸デジタルで音をスピーカーでモニターしながら、光デジタルを別のPC上で、WaveSpectra96kHz24ビットにてFFT確認。ファイルに落とさなくても、波形だけで確認できます。4K動画でも、音は、20kHzで急峻に切れています。PrimeSeatでの、東京藝大96kHzPCM音源は、30kHzまで確認できます。Neighbor Jazz Festival 2019 day2では、40kHzまで確認できました。超音波マニアさんにお奨めです。ちなみに、アナログレコードでは、96kHz上限一杯の48kHzでも、結構な音量が出ています。しかし、耳に聞こえない超音波より、ちゃんと聞こえる100Hz以下の低音の方が、遙かに重要だと考えます。ホールの空気感などは、確実に超低音に依存しています。


 職業として、特注電子機器製作、オーディオ販売、ホール音響工事、修理(音響メーカー業務委託契約2社14年間)、保守等、様々にこなし、プロ音響の合理的で優れた点と、自身も趣味としているオーディオの融合を考え、時には、市販されていないジャンルの機器製作、製品の改造まで行い、劣化してない、ありのままの音を求めてみました。ありのままの音とは、良くも悪くも、音源に依存する音で、ハイエンド機器を並べても実現できず、それほどの予算をかけずとも、マルチアンプシステムと、少しの工夫で達成できます。マルチアンプシステムの手引書として、活用いただければ幸いです。

OKWAVEでの興味深い質問の紹介
 トランス式アッテネーターで検索をしていたら、マッキントッシュMC2250でマルチシステムのミッドホーンを鳴らし、残留雑音が大きいので、トランス式アッテネーター -15dBで使用し、それでアンプが故障、代わりのアンプでも、ピークが表示されるというQ&Aなのですが、MC2250は、半導体式でありながら出力トランスを持った250Wのパワーアンプで、誘導負荷には強いと思っていましたが、意外な事実でした。250Wアンプを-15dBした場合、約8Wのアンプと同じになります。5Wの高品質なA級アンプが妥当であるという証明です。負荷として、スピーカーではなく、トランスのような誘導負荷を接続した場合、アンプからは、低いインピーダンスが接続された状態となります。過去に、200Wマッチングトランスで、インピーダンス変換をするシステムのテスト中で経験しました。数10Hz帯では、定格電力を送れず、保護回路が動作したり、発振したりで、パワーアンプの機種変更をしても同じでした。さらに、BOSE101にトランスを取り付けて、ワンフロアをハイインピーダンス仕様で鳴らした場合、出力に見合わない大量発熱に見舞われました。誘導負荷では、スピーカー回路から大量に電力が送り返されるので、それに見合った負荷耐力が必要となります。理論と乖離した場合、現場に起きている現象が大切で、机上だけで事を構えないというものでした。取り敢えずこの現場は、オーディオ用アンプではなく、設備用の大電力アンプに交換しました。アンプ選択は、一般のマルチアンプユーザーの悩みの一端と思いますが、販売店を鵜呑みにせず、少し、専門性の高い記事を参考にされる事を望みます。

 真空管からスタートして、現在はIC時代となり、年月が相当に経っているのですが、最近の電子機器は、集積度の高い表面実装部品が多用され、ついにアマチュアには、手の届かぬ世界が始まった感がします。真空管アンプの製作では、調整時に火傷や、感電事故、コンデンサのパンク、減らないハム雑音に悩まされ、いち早く半導体アンプ製作に転向しました。プリント基板のエッチングを行い、部品用の小穴を開け、製作しましたが、この工程は、アマチュアには、ハードルが高く、それに比べて、部品数が少なく、作り替え自在な真空管アンプに、今でも活路を見出される方も、いらっしゃるかと思います。しかし、ユニバーサル基板を活用すれば、真空管アンプ感覚で、高性能な半導体アンプが製作できます。ディスクリート部品が入手可能な時代も、長くは続かないと思いますので、今こそ、アンプ自作のチャンスと考えます。
 スピーカーを論ずるのに、冒頭からアンプ談義となりましたが、アンプが無ければ、スピーカーを鳴らせません。電気的な性能と、聴感が一致しないという、
強引な論理もありますが、本当にそうでしょうか。電気的な性能の良否が正しく評価されるのは、高性能アンプと、スピーカーを1対1で、しかも、LCネットワーク無しで鳴らした時のみです。スピーカーと同数のアンプで鳴らしたシステムならば、真の性能が発揮できます。長らく、タイムアライメントを中心に、マルチスピーカーシステムの探求をしてきて、最後は、高性能アンプとのドッキングで、おおよその結論を得ましたが、求む高性能アンプは、メーカー製品では、非常に高額ですが、大出力なるが故に、雑音性能面では逆に不利で、適正出力アンプを自作する事で、高級アンプを実用域で上回る低雑音、低歪率(THD、 IMD)を実現しました。

理想的なスピーカー駆動の為、アンプに求めた事

 1.残留雑音10μV(A)以下、THD+N(80kHzBW)歪率 
0.01W時 0.01%以下とする 利得偏差は、F級金属皮膜抵抗を、更に抵抗値選別して、高精度を実現 パワートランジスタも、精度の高いペア選別を行う 
 2.A級動作で、スイッチング歪みを原理的に避け、B級やD級時の、
信号量に追従するような電流変動が無いという、純A級増幅の利点も活用 すなわち、効率の悪さを逆手に取る 電解コンデンサ容量は、33000μF以上を使用
 3.102〜110dB/Wの高能率SPを駆動するので、電源電圧を下げて発熱量を下げた、純A級 5Wx2の最大出力とし、100W級プリメインアンプと同等の
無信号時消費電力(30W)と、十分な放熱面積で、温度上昇を少なくし、高信頼化
 4.音楽のエンベロープを忠実に再現するように、DCまでフラットに増幅 市販DCアンプの測定や調整の経験上、DCドリフトは、それほど安定ではなく、熱平衡度が原理的に高いOPアンプにて、高いDC安定度を得る。
位相補正は20pFスチコン使用
 5.抵抗の熱雑音や、機器内部の誘導雑音を減らす為、信号経路に、高抵抗な部分を設けない(VRレス)。バイポーラOPアンプの最適動作を狙い、入力抵抗2.2kΩとし、47Ωの低インピーダンスで駆動する。信号電流を増やす事で、ショット雑音を少なくする。
 6.クロストークに関しては、アースポイント、電源配線長と線径に配慮して、
クロストーク量を少なく、波形も綺麗にする (2mm厚アルミシャーシー+リン青銅歯付きワッシャー+真鍮ネジ+圧着端子 etc.)
 7.マイクロフォニックノイズや、誘導雑音、トランスのうなり音、ファンノイズを出さない。デスクトップ環境でも使用できる静粛性。
 他に、入力は、XLRコネクタ、出力はスピコン、電源は、測定器と同じ、ラインフィルター付き3Pコネクター、ミュートリレーは、G2R-2-AULを使用し、最も有害な、接触不良による音質劣化を防止しました。その為、パワーアンプには、音量ボリュームが有りません。
 音量は、入出力共XLRコネクタを使用した、dB直読0.5dBステップ6連電子ボリュームで、マルチチャンネル間のバラツキを押さえ、DACがフルビット動作した後で、音量調整を行い、音質劣化を防いでいます。スピーカーケーブルは、スピコンに最適な、カナレ4S6〜8を左右等長で使用。
スピコン  定格電流40A 接触抵抗3mΩ以下 使用工具:ポジドライブドライバー#1
 プロ音響では、パワーアンプ、スピーカー接続ツールとして定番アイテムです。オーディオ製品では、LUX B-10 \650,000 1995年で採用され、その後、LUX社数機種で使用されています。しかし、当時のスピコンは、ロックが甘くなって、接触不良で音が出なくなる現象がありました。現在は改良されていますので、そうした不具合は発生しません。最近のLUX製品は、他社同様、大型ネジターミナルのみとなっています。プロ音響現場で数多く使用され、現場技術者からも信頼されています。
 プロ音響用パワーアンプは、スピコン+ネジターミナル、ハイパワー、低価格ですが、冷却の騒音で、オーディオ用途には向きません。

 
CQ出版でも、黒田式ゼロ・ディストーション・アンプのキット化 アルミケースで、キット化されていますので、自作できる方ならば、アプローチしやすいでしょう。出力は36W+36W SN比118dB 利得27dB THD+N 0.0003% 残留雑音 20μVです。歪率、SNは、市販のどのようなアンプと比べても遜色ありません。出力トランジスタは、サンケンLAPT 2SC2837/2SA1186で、私の5W純A級アンプと同じ物です。組立マニュアルで、加熱時に電源を切るという説明がありましたが、サーモスタットIC TC622EPAで温度検出を行えば、自動化できます。自作アンプでは、放熱板温度70℃でパワートランジスタの電源を遮断し、スピーカーリレーも遮断するようにしていますし、温度が下がれば、自動復帰するようにしました。
ハイエンドアンプを購入しなくても、自作が可能で、歪率特性とSNは、最高水準、しかも、定評あるOPA627使用で、間違いなく良い物で、ミューティングは、リレーでなく、U-MOSです。3桁のアンプを購入しても実現できない低雑音低歪率が可能という事で、期待できます。税込み価格 \101,852です。

自家用純A級5Wアンプ
 以下の2017年版の15W+15W A級アンプの方が、上記キットと比べ回路はシンプルで、さらに、5Wまで出力ダウンさせて低雑音を狙いました。パワートランジスタは、秋月で入手できる、サンケンLAPT 2SA1186/2SC2837 にしました。上記アンプキットとの大きな違いは、利得で、OPA1611仕様が16dBなので、27dBのアンプと比べ、単純に残留雑音は、11dB改善します。20μVであれば、計算上5.6μVとなりますが、実測は更に良くて、3.3μVとなりました。
Spiceデータに関して知人から紹介されたトラ技の別冊付録に目が止まり 学生や新人に負けてなるものか!で、2017年にA級アンプ製作スタート

   何度も読み返し、シワになりましたが、50年にわたりトラ技を読んで、ついに元が取れました。回路構成が、真空管アンプ並みにシンプルで、高性能、半導体アンプの長所を活かした設計に惹かれました。

 自作アンプで、メーカー製を上回れる筈が無いと考えられた方は、その古い考えを捨てて下さい。0.01W時 THD+N(80kHzBW)0.01%以下は、達成済みです。優れたOPアンプと、回路設計ソフトSpiceのおかげですが、世の中、便利になりました。ディスクリート > IC という論調も見受けますが、差動ペアを完全に熱結合した物がOPアンプと考えれば、良いと思います。

製作したのは、2ch LT1115仕様 4台 残留雑音4.8μV(A) 入力換算雑音-128dB(A) SN比 1W出力時109dB(A) 8Ω5W出力時117dB(A) 利得21dB 消費電力33W MUTE SW付き 中点電圧、温度保護 70℃ ミューティング 7秒
OPA1611仕様 2台 残留雑音 3.3μV(A) SN比 1W出力時110.9〜114.9dB(A) THD+N 0.00033% SN(MAX)122dB(A) 利得15.7dB 重量 6.6kg(本体のみ) 混変調歪率は、測定限界の0.0016% (80kHzBW) SMTP 4:1 60Hz:7kHz
2017年に製作したLT1115 4chアンプ2台を、 OPA1611、1612にリファイン、SLF用フィルターを50Hzに下げ、レベルは、10回転ヘリカルポテンショメーターにて、0.01dBの分解能でフロントパネルより調整可能。残留雑音4μV(A)以下が4chアンプでも実現。
 2018/08/09
 マルチ専用4chアンプは、それぞれLch、Rch用として、モノラルアンプ2台駆動と同等です。モノラルアンプ8台が理想ですが、スペース効率を上げる為に4chアンプx2としました。

 OPアンプは、当時、OPA1612が国内で入手不可でしたので、手持ちのLT1115とLME49720で試作を行い、安定したアンプが製作出来たので、オフセット調整が可能で、低雑音なLT1115で製作を完了しました。マルチアンプ用に利得20dB以下のアンプが必要になり、OPA1611を海外から取り寄せ、利得15.7dBで製作しました。その結果、TRIMの無いOPA1611でも、DC安定性が十分であり、アンプ利得を下げても、発振しないなど、より簡単に、低雑音、低歪率アンプが製作できるようになりました。このアンプは、SNも大変良く、出力5Wは、例えば、SONYヘッドホン MDR-CD900ST 63Ω 1000mW入力に対し、定格、目一杯とはなりますが、直接駆動が可能です。ヘッドホンアンプは、直列抵抗を取り付けるのが、定番なのですが、何故そうなのかという解明や、解説もなく、なんとなくそうなってきたと思いますが、マグネットとコイルが有り、スピーカーと同じと見なすと、抵抗無しが正解となります。 ヘッドホンアンプの直列抵抗

MUTE SW
について
 音響調整卓をご存知の方ならば、察しが付くと思いますが、赤い押しボタンは、緊急停止ボタンのような役割で、保護回路が動作したら、LEDが点灯し、ボタンを押せば、ミュートが働き、スピーカー回線を切り離します。電源ON-OFF時も点灯し、ミューティング動作表示をします。
SWは、IDEC AL6H-A14Rで、高い信頼性があり、産業機器の会社から購入、電源SWも、ベビーギャングの攻撃にも耐える(のつもりが、わずか10ヶ月の孫に破られた)、NKKのロック付きトグルSWです。
3mm厚アルミパネル+2mm厚アルミシャーシで、A級アンプ用には、最適のケースです。ケース:タカチ OS133-26-33SS
  2ch仕様純A級アンプ 入力 XLR+Pin 出力 スピコン 電源 ノイズフィルター付き3P 6台製作 
2017/10/28

 回路は、トランジスタ技術2017年5月号別冊付録 黒田徹氏の記事(15Wx2)に準拠し
、電圧増幅部と電力増幅部の電源を分離し、電圧増幅部は、定電圧電源、電力増幅部は、低インピーダンス電源にするなど、独自の工夫を行い、パワートランジスタが、記事では、定番2SA1943/2SC5200ですが、サンケンLAPT 2SA1186/2SC2837を、秋月で入手、hFE選別して使用。記事には無い、ミューティング回路と、中点電圧保護、温度保護回路を追加、安全面に配慮しており、20チャンネル全てで、現在まで無事故です。
能率の高い(110dB/W)ホーンスピーカーが直結で鳴らせるよう、低雑音、低歪率を追求しましたが、電力効率で責められるA級アンプを定格出力5Wとして、市販アンプに比べても、十分低い消費電力を実現しました。
アンプのうんちくならば、オーディオデザイン社のコラムを参照されると良いでしょう。コラム内での評価と同じく、自作A級アンプも、音源側の良否がはっきりする鳴り方で、八方美人的な良い音は出ませんでした。

A級アンプ 簡易ブロック図

製作を考えられている方への、製作ガイド 

全く同じように作っても、参照程度でもどちらでも構いません。もっと詳しくするかも知れませんが、取り敢えず、暫定版を作っておきました。一桁μV(A)の低雑音アンプをご自身の手で製作してください。
キャッチコピーなら、大容量電解コンデンサ33,000μFx2という贅沢な電源と、電流増幅率の一番リニアな領域を使う、シンプルな、2段ダーリントン、シングルプッシュプルのパワーステージ、MCヘッドアンプにもなる、超低雑音OPアンプ入力パワーアンプです。

歪率や、SN比の測定結果と、実際の音が比例しない事で、これらの特性を軽視する論調もありますが、完成試験で、線が細く、くっきっりとした波形を見れば、ぼやっとした線のアンプより期待したくなるのが、技術者であり、実際に、小音量でも、内容が聞き取りやすくなりますので、一定の効果がありました。
実測例 2018/08/19  
1W出力時のSN比(80kHzまでとAフィルター適応の2値)比  又、平均値と実効値では1dBほど違います(RMSで測定中)
 2.83V(8Ω1W) SN比 80kHzBW   2.83V(8Ω1W) SN比(A)

1W出力時のTHD+N(雑音歪み率) と THD(全高調波歪率) 同じような用語ですが、結果は1桁も違い、定格欄も正確に記述しないと駄目です。
 2.83V(8Ω1W) THD+N 80kHzBW 2.83V(8Ω1W) THD 80kHzBW

混変調歪率(80kHzBW)及び、同じ出力時の1kHzの雑音歪率 IMDは、ハイエンドアンプでも0.003%ですが、VP-7722Aでは、0.0016%が測定限界でした。
 IMD SMTP 4:1 60Hz 7kHz     左と同じ1kHzでの、 THD+N(A) 3.5W出力相当
良い数字だけを書き込んでも信憑性が無いと思い、実測写真で紹介しました。2ch LT1115仕様 残留雑音 4.5μV(A) No,20171205B Lch
Youtubeで確認したのは、パワーアンプの老舗マッキントッシュの開発現場で、上のオーディオアナライザーが現役でいる事でした。2018 January版でしたが、てっきりオーディオプレシジョンかなと思い込んでいたのですが、アメリカの方が保守的なんだなあと感心しました。日本の音響保守現場では、APでないと測定じゃないような風潮が有ります。現場ではAP使いますが、自宅で、ゴソゴソやる時は、PanaのVP-7722Aで限界にチャレンジしています。尚、マッキントッシュは、半導体アンプでも、出力トランスにより、スピーカー系とのアイソレーションを計る手法が特徴です。現行製品の、SN比、歪率は、非常に優れた値で、値段分の価値は十分有ります。同時に、安いスイッチングアンプを売らんが為に作られた、歪みを無視して、音質だけを評価する風潮に酔っている日本のオーディオ界が取り残され感が有ります。
半導体アンプでは歪みが少ないので、悪い数値となるTHD+Nで測定しますが、メーカーがTHD測定なので参考までに掲載、THDでは、ゼロがひとつ多くなります。
 全高調波歪率特性(80kHzBW)ですがかなりの領域で0.0001%以下です。dB換算で、-120dB以下なので、
ゼロ歪み※とも言えます。シンプルな回路と、ペア特性をダーリントン接続単位で整合した電流増幅部で、根気さえ有れば、アマチュアでも簡単に作れてしまいます。
フルレンジスピーカーがクリアな音で鳴ります。解像度が高く、これぞハイレゾアンプですが、こんな性能のアンプによるのであれば、スピーカーや、スピーカーケーブル、電源コンセントなどの、音質論の原点と成り得るでしょう。
音質の前に本質を極めないと、音質が不安定なままでの評価など意味が有りません。
※人の聴きうる最小音を0dBとして、120dBが最大音、これ以上は、痛みを伴います。歪み0.0001%のアンプで出している歪み成分の音量が0dBとなり、これは聞こえません。従ってゼロ歪みです。10kH歪みは、アンプの性能指針であって、20kHz以上に存在する高調波歪みは聞こえません。

1W出力時 自作A級アンプ(LT1115仕様) 2kHz時 FFT解析

自作A級アンプ 1W出力時 8Ωダミー抵抗 FFT解析 
2018/04/11
3次高調波歪み(6kHz)が目立ちますが、プッシュプルアンプの本来の効用である、2次高調波歪みが確実にキャンセルされています。歪みは-100dB以下で、リスニングポジションでは、可聴レベル以下となります。
フルバランスアンプの利点として、偶数次歪みキャンセルが強調されていますが、プッシュプルアンプも、同様の利点を持っており、不平衡アンプでも効用は同じです。


メーカー製B級バランス出力アンプ
メーカー製バランス出力 B級アンプ 1W出力時 8Ωダミー抵抗 FFT解析 2018/04/11
メーカー製B級バランス出力アンプは、4kHzの2次歪み成分が若干有り、3次高調波歪み(6kHz)は、A級アンプと同じぐらいです。メーカー製バランス出力B級アンプのカタログ定格SN比は、120dB以上となっています。

A級アンプとB級バランスアンプ クロストーク比較 2kHz正弦波出力時
 2018/04/11
 クロストークは、1W出力時で、入力が無い方のチャンネルをFFT解析しました。入力は、機器が、接続されていると仮定できる、47Ωの抵抗を入れて行っていますが、入力開放では、もっと大きなクロストーク量になります。入力開放時は、自作A級アンプが、まわりの雑音が増えるだけで、クロストーク量は同じですが、メーカー製バランスアンプでは、クロストーク成分が20dBほど増加で、
信号源抵抗の高い音源は要注意です。この違いは、自作アンプがバイポーラOPアンプで低雑音動作の為、信号源抵抗400Ωと低く、メーカー製バランスアンプでは、ハイインピーダンスFET入力の為、誘導電圧が増えます
 それより気になるのは、バランスアンプなのに、クロストーク成分に、2次高調波の4kHzが有ることです。クロストーク波形を観測した時、波形の悪さに気付いていましたが、FFT解析でこのような結果となりました。2次高調波ならば、不快音ではなく、音に厚みが付加され、機種独特の音色となりますが、、これを、メーカーによる音質チューニングなどと茶化さない方が良いでしょう。
信号経路と、電源の引き回しが単純なパワーアンプの方が、、クロストーク性能に利が有るし、モノラルパワーアンプであれば、もっと理想的です。
 2018/01/01
クロストーク波形で、上がB級バランスアンプ 下が自作A級アンプです。上は、高調波歪みと同様に音を悪くする事となります。下は、出力波形とは逆相で、壁で反射する音と同じ位相となりますので、反射音の中に紛れ込んでしまいます。

小出力だから簡単に実現した一桁、4μV(A)以下の残留雑音
 最大出力は、マルチスピーカーシステムで、アンプ出力100W=0dBとして調整し、-20dB以上の音量は、10年間で一度も出していないという実績に基づき、-20dB(1W 2.83V)を中心に考え、作りやすさと、性能のバランスで、5Wに落ち着きました。この出力ですと、電源電圧は、±12Vで済みますので、消費電力も少なく、発熱を抑える事ができます
。パワートランジスタは、サンケンLAPT Ic=10A Pc=100Wの大型で、東芝低雑音トランジスタとで、ダーリントン接続し、ペア時の電流増幅率を合わせています。パワートランジスタのみで、単純にペアを作ろうとすれば、うまく揃いませんが、安価に購入できるドライブトランジスタとのダーリントンの組合せで、精密なペアリングをしました。完璧にペア特性を合わせる為、安くなったTrをふんだんに使い、ペア残りは、保護回路などに回せば全然OKです。±12Vは、電源の電解コンデンサが、16V耐圧となり、安価でも大容量、秋月の33,000μF(\450)が使用可能になり、コストパフォーマンスが非常に高くなります。

トランジスタ選択のポイントは、高い直線性の電流増幅率で、一昔前のPNP/NPNの組合せとは雲泥の差です。直線性の良さは、ペア特性の完全性を保ちやすくなります。

サンケン LAPT パワートランジスタ  pdfデータより
       2SA1186         2SC2837
ドライブ段 東芝 低雑音トランジスタ 2SA1015/2SC1815 pdfデータより
  2SA1015  2SC1815
 申し分の無いリニアリティです。純A級なので、パワートランジスタには、0.6Aのバイアス電流が流れており、それを中心にスイングしますので、当然、高い直線性の恩恵が受けられます。MCヘッドアンプにもなる低雑音OPアンプの後を受けるドライブトランジスタは、少しでも低雑音を目指し、ヘッドホンアンプなどの定番、2SA1015/2SC1815を使用しました。特性表では、大電流を流した場合、電流増幅率が低下する事が見て取れますので、大出力アンプでは、当然パラレル駆動が必須となります。

利得が低くて済む小出力アンプは、残留雑音が小さくなる
 大出力アンプは、電力増幅素子をパラ接続しますので、シンプルさを欠き、市販されているパワーアンプの実測結果や、カタログ数値も、それほど高性能ではありません。高利得故に、残留雑音も多くなります。単純に、大出力を求めなければ、利得も少なくでき、その分、残留雑音は激減します。アンプのSNは、初段の増幅素子で決まり、仮に100Wアンプの残留雑音が100μVの場合、同じ構成で1W出力アンプとした場合、利得が10分の1となり、10μVとなります。家庭での、スピーカーへの入力は、およそ0.1W程度なので、1Wでも音量不足にはなりません。能率が110dB/Wもある、ホーンスピーカー直結駆動には、残留雑音が大きいハイエンド大出力アンプよりも、低雑音小出力アンプの方が適しています。
 参考までに、A社のA級アンプは、残留ノイズ対策でゲイン16dB〜28dBまで4段階切替できます。5Wアンプで、21dBと16dBの2タイプを製作した事の妥当性がおわかりいただけるでしょう。21dBは、LT1115の安定性を考慮しての安全策で、こうした制約が無いOPA1611では、16dBとしましたが、さらに、利得を10dBにまで下げた仕様も製作、残留雑音は、2.2μV(A)でした。ただし、これは、少し音が引っ込む感じがして、16dBに戻しました。
 D級アンプが、高効率を謳いますが、有名なKシリーズの無信号時消費電力は、カタログ値で120VA、実測値で、100W以上有りました。自作A級アンプが、33Wなので、3台でマルチアンプとしても、D級アンプ1台よりも、消費電力が小さくなります。しかも、音量を上げても、A級増幅なので、電源電流が変化しません。4WAYマルチシステムでは、合計8chの純A級アンプが稼働し、他の機器を含んでも、消費電力155Wと、高効率です。
 パワー回路の電源整流は、秋月特製 超低損SBRブリッジ(スーパーバリヤーD)で、順方向電圧は、ショットキーバリヤーの半分です。これにより、信号電流に与える影響を少なくしています。平滑コンデンサのリップル電圧を観測すると、そこには、小さい値ですが、アンプ出力と同じ波形が重畳しており、低損失ダイオードは、性能向上に役立つ部品です。特殊部品を使用しないで、全て、ネット通販で入手できる部品で製作し、その主な入手先は、秋月、マルツなどです。LT1115は、どこかのサイトに、ドンシャリと評価が出ていましたが、これを気にする事はありませんでした。DACや、電子ボリュームなどで、性能アップした時、真鍮系の音がどんどん変わってくる事に気が付いていましたので、ドンシャリが悪い傾向では無いと思います。
音質感は、極めて高い分解能と、余韻に安心して浸れるという表現としておき、小音量にめっぽう強いので、音量を落として聴けるようになりました。コネクタ類は、入力がXLR、出力は、ノイトリックのスピコン+カナレ4S6で、完全プロ仕様とし、入力ボリュームも廃しており、接触不良は、皆無です。ケースは、タカチOSシリーズで、厚さ2mm以上のアルミをふんだんに使用しておりますが、決してお安くはなく、アンプ製造コストの半分を占めています。非磁性体にこだわり、、真鍮ネジの取付で、泣かされました。出力リレーは、保護回路成立の為に、必要不可欠で、良否は、歪率測定で判定します。
 民生用パワーアンプのスピーカーターミナルは、手締めのネジ式が圧倒的に多いのですが、どんなに強く締めても、時間が経てば、緩みますので、定期的に締め直すと良いでしょう。プロ音響では、確実にロックするスピコン仕様のアンプやスピーカーが有り、それに倣いました。

アンプ内部電源の実態 負荷抵抗 8Ω(スピーカー実負荷ではない)
   2020/01/05
 上は市販B級アンプのプラス電源とマイナス電源のブリッジ整流直後の平滑コンデンサに乗っている出力に応じた波形です。リップル量は0.1V/cm 0.6Vぐらいです。出力は、1W 1kHzとしています。B級ですので、プラス側と、マイナス側が交互に半波づつ電圧が生じています。コンデンサの容量は、3,300μFです。上下の波形を合成したら、出力に応じた1kHz正弦波が現れます。ほぼ直線上に並び、メーカー製品の電源トランス、センタータップの精度が高い事も証明されます。このアンプの性能は、1W時 THD+N 0.00321%(80kHz BW) SN 102.5dB(A) 残留雑音 16.6μV(A)。

+側  −側  合成 2020/01/05
 自作5WA級アンプの電源回路と、1W 1kHz出力時の電解コンデンサにのリップル波形で、33,000μFで、10倍の容量ですが、リップルも皆無ではなく、出力と同じ波形が乗ります。A級増幅ですので、正弦波1サイクルで、乗っています。合成波形は、電源トランスのセンタータップの精度が悪くプラスとマイナスが矩形波のような感じになります。定格電圧精度は、±5%で、CTと表示されていないので、やむを得ないところです。RSで扱っている2巻線トロイダルトランスなら、もう少し精度が上がるかも知れませんが、出力線が、エナメル線のまま出ていて、配線の収まりが悪く、EIコアの普通品にしました。電源電圧が、+−で対称ではないのですが、この時のTHD 0.00006%(80k) THD+N 0.00071%(80k) SN111dB(A) 残留雑音 4.4μV(A)です。理想的な2電源でなくても、性能は確保できています。
 リップル波形観測時、電源由来のノイズは発見できませんでした。アンプ出力の最上流の平滑コンデンサが、このような波形であっても、アンプは、静寂を保っています。入力にないものを出力から排除するし、出力から返されるノイズも除去できます。やたら謎呼ばわりする物では無いことは確かだと思います。正負で非対称な電源であっても、このような性能を発揮することから、この電源の一次側(商用電源側)の影響は、アンプ回路の仕組みにより、十分に除去されていると考えます。


商用電源の実態と、アンプ電源のクリーン化はこちら

 クリーン電源として、リチウムイオン電池から交流を出力して、ノイズの無い電源を供給するという、クリーン電源の宣伝動画、確かに理想的な電源ではあります。ネットに登場する検索記事は、その効用を謳うものが殆どで、反論めいたものは有りませんでした。その効用は、ノイズフロアが低下し、音がはっきりするとしています。主に、商用電源からのアイソレーションの効用を強調しているのかと思います。CDが基本的に16ビット 96dBのレンジであり、ノイズフロアを下げても、96dB以下は、ディザノイズで埋められています。96dB以下のノイズ領域に含まれる電源由来のノイズが、音にどのように影響するのか不透明です。動画の試聴は、マランツのCDプレーヤー+アンプで行われていますが、逆説的に言えば、マランツ製品が電源の影響を受けるという事になってしまいます。勿論、そんな事は無いのですが、エアコンを使用する時期は、音が悪くなるという他所の解釈にも繋がります。どこかに、人々の活動レベルの高い昼間は音が悪く、深夜は、電源がクリーンになって音が良くなるという説もありました。技術者的には、高価な電源ケーブルと同様の、納得のいかない製品が登場という感です。音響用ケーブルのキャッチコピーで、銅の純度を謳う製品が多く有りますが、例えば、アナログプレーヤーとRIAAイコライザ間のケーブルに使用すると音が良くなるとあります。RIAAイコライザーの入力回路には、信号源インピーダンス整合の為、2.2kΩの直列抵抗が入っています。1mΩ以下のの銅線中で起きる音の劣化と、2,200,000mΩの抵抗で起きる音の劣化どちらが支配的なのか考えさせられます。
 クリーン電源の宣伝動画で、マーチンのアコギが登場しましたが、私も、技術偏重ではなく、愛用しています。

自作アンプといえども、量産しても安定した性能を確認
8台20ch分製作し、製造面での安定度を確認し、低雑音、低歪率性能を実証 LT1115x4台 OPA1611x2台 OPA1612(LF) OPA1611x3chの4ch仕様2台
 アンプは、高抵抗値ボリューム内部で起きる、浮遊容量による、周波数特性の変化を避けて、入力ボリュームは有りません。20ch製作して、均一な性能が得られれば、アマチュア作品としては、大成功と言えます。製作過程で、アースポイントを3mm真鍮ビスで行っていましたが、歪率測定では、ここが大きなポイントで、緩ければ、測定結果が悪化します。最終的に、4mm真鍮ビスとリン青銅歯付きワッシャー、リン青銅スプリングワッシャーに統一しました。ステンレスでも非磁性ですが、電気抵抗が1桁大きく、リン青銅品を、モノタロウ
大阪魂で入手できました。ホームセンターには絶対に無い物ですが、価格も手頃で、助かりました。
 電気性能は大いに向上しましたが、電源トランスの動作音が意外に大きく、汎用品なので、ここは我慢といった所で、トランスとシャーシ間に1mm厚の板ゴムを挟んだ振動対策で、汎用品とは思えない静かさとなり、デスクトップとしても使っています。アンプが低雑音でも、メカニカルノイズが大きくては台無しなので、更に出力を上げるには、電源トランスの静音性能も考慮しなければなりません。故に、5W出力は、総合的に見て、かなり良い落としどころだと自負しています。
電源トランスの動作音低減のために加工した1mm厚板ゴム 4φ穴は、皮ポンチで開けます 
2018/05/01
 電源トランスHTR2005用に加工した板ゴムの写真です。HTR2005は、20V中間タップ付き2回路で、OPアンプ、保護回路用の正負電源と、ミューティングの電源検出とで使用します。電流増幅パワートランジスタ部は、別トランスで供給し、電圧増幅部とは独立した電源としました。
電圧増幅部が、別になったので、3端子レギュレーターによる定電圧電源とし、OPアンプの性能を引き上げています。パワートランジスタ用電源部は、リップルが多いのですが、定電圧電源で安定なOPアンプ出力で、しっかりドライブされますので、低雑音が、簡単に実現できます。
秘密をひとつここでバラすと、OPアンプへの電源供給に、デカップリングを一段増やして、よりクリーンにしようとしたら、かえって残留雑音が増えてしまいました。それで、別の定電圧電源とし、ここでの工夫が、低雑音を実現できる元になっています。ここを読まれた方は幸運でしょう!

大出力アンプの欠点
 車もオーディオアンプもひたすら巨大化して、豪華さを強調していますが、
ジャストサイズで高性能で有ることの方が望ましいと思います。車がグローバルサイズといっても、日本の道路は、生物のように成長しませんので、結局、田舎道では邪魔者にすぎません。同じく、オーディオアンプも同様で、400W〜1kWと最大出力を誇っても、家庭では、85dBの聴取レベル止まりで、1Wもあれば十分です。用もないのに、大きな残留雑音を聞かされても、高額なアンプなので我慢して使っているというのが実情でしょう。高出力アンプだから高い駆動力という表現を見ますが、電圧が有って、電流が流れ、従って電力(仕事)となるのですから、定格出力の違いで、オームの法則が変わってしまう事はありません。ローインピーダンスへの対応力というくだりも、確かに、市販スピーカーでは2Ω台のインピーダンスとなるスピーカーが実在します。これを、8Ωのアンプで駆動できないという迷信が有るようですが、アンプは定電圧駆動ですので、このような低い負荷では、電流が多く流れるだけで、8Ω負荷で許容される電流値までは、どんな低いインピーダンスの負荷でも使用できます。電力は電流の2乗x抵抗なので、許容出力が、2Ω負荷なら、8Ω時の4分の1になるだけです。例えばアンプ出力が100Wであれば、25Wまでは普通に使用できるし、この範囲で、特に歪みが多くなることもありません。先ほどの、平均聴取レベル85dBであれば、25Wでも過剰と言えます。ただし短絡は、別で、電流は電源の能力一杯流れ、とても危険な状態となります。

大音量の健康被害
 ライブ専用の耳栓の記事があり、遮音性能は、-15dBだそうです。ヨーロッパでは、92dB以上のコンサートでは、耳栓の配布を推奨ともありました。ヘッドホンは、120dBのような大音量が可能で、大音量での感覚マヒで、難聴になりやすくなります。
平均的な能率のKEF Q70をデスクトップ環境で使用していますが、90dB/W 6Ωを、通常はピーク0.06Wで鳴らしていますが、音楽ソースを特に聴く時でも、0.6Wまでとなっています。音量は、感覚だけに頼る回転角でなく、デシベル値による管理をお奨めします。

ハイエンド大出力アンプ 1W時のSN比
 有名なハイエンドアンプが、大出力にもかかわらず、2.83V(8Ω1W)でのSN比を表示し、その値は85dBです。最大出力400WのSN比は、111dBとなりますが、どうみても良い数値ではありません。しかし、このハイエンドアンプを購入して、測定する事はできず、事実を確認する手段もありません。本当に良い音なのか、それが、スピーカーを豹変させる程の鳴りっぷりなのか、真相は闇の中でしょう。いわゆるプロ音響界における、高級品に数々触れて、アンプとは、このような物であるだろうという、概念はおおよそできています。そうした中で、自家用アンプを製作するのに、重視したのは、実用域での性能の良さです。MCヘッドアンプにもなりうる1nV以下のノイズ性能であるOPアンプが数百円で購入でき、その結果として、2.83V時のSN比は、110dB(A)、THD+N 0.00033%(A)、とハイエンドアンプでも実現しない高性能になりました。
低雑音にこだわるなら、不平衡が有利で、完全な対称性が命となる、複雑なフルバランスアンプ(平衡)は見送りました。A社のアンプ解説で、リニアリティの良い5W分を1組のパワートランジスタに持たせているからわかるように、最小分の1組5Wのみで、シンプルにして、高性能を得ました。オーディオメーカーも本当の所と、商品としての魅力の狭間でお悩みとは思いますが、企業が存続する為の努力も、大いに評価しておきたいと思います。
引用資料 TI社 JAJT010によれば、OPアンプのノイズフィギアは、実測値で 非反転11.5dB 反転13.0dB 完全差動30.6dBとなっています。適切なシールド処理をすれば、不平衡アンプの方が、低雑音です。Luxman M-200のSN比が102dB(BAL) 107dB(不平衡)と正直に記載されており、好感が持てます。出力25W+25Wで、無信号時消費電力30Wと、B4サイズで、コンパクトなパワーアンプです。

スピーカーの入力とアンプの出力の関係
 You○○○○などの動画や、ネット記事で気になるのは、ハイパワー信仰と、そちらへ誘導しようとする根拠の無い論説です。例えば、10W入力と100W入力のスピーカーが有れば、100Wの方がパワフルだろうと考えてしまいますが、我が家の102dB/Wのスピーカーと、82dB/Wの市販小型2WAYスピーカーを比較した場合、1Wで、102dBのスピーカーを鳴らした音量と、100Wで82dBのスピーカーを鳴らした音量は同じです。古典的な高能率SPに慣れた人から見れば、音が小さくなって壊れているとさえ思えるほどの音量しか出ないのが、最近の小型スピーカーです。
 家庭での平均聴取レベルは、85dBを越える事は滅多になく、それに要するアンプ出力は0.1Wです。すなわち、0.1W出せば、事が足りるのですが、何故かピークマージンを考えて100Wやそれ以上のアンプでないと不安を感じる人が多いのではないかと思います。その不安をあおるように以下の説明には驚きました。メーカーの営業さんは、このような説明をして、大出力アンプを是としてきましたが、確かに、大出力アンプでは、大振幅でも綺麗に出力が出ますが、小出力も、頭が切れる範囲以内までは、綺麗です。そして、図のような事態になったら、○部分が発生し、これを原因として、奇数次の高調波が発生します。そして間違った解説 
平坦部で直流が発生 ? と続きます。しかし、平坦であっても、上下均等なので、これも交流であり、直流成分は有りません。奇数次高調波が増えるだけです。この部分を直流と称して、直流が流れ、ユニットが張り付き、焼けてしまうから小出力のアンプは怖いという説明です。実際のところ、ホーンツイーターに矩形波(真四角な波)を直接入力しても、焼ける事はありません。焼けるのは、長時間の過大電流による温度上昇によってであり、入力した電力に関係しますす。その電力の加え方で、連続正弦波と、ピンクノイズでは、差が出ます。連続正弦波に対しては、耐入力が小さく、ハウリングなどで、ツイーターが飛びます。アンプによっては、クリップ時に発振する物があり、耳に聞こえない高周波であれば、音も無く壊れる事もあります。その他に大出力アンプを通電中に入力を接続した際のショックノイズでも焼損します。普通に85dB程度の音量ならば、アンプ出力の大小が破損につながる事はありません。オーディオ用ツイーター正味の耐入力は、極めて小さく、正直に表示されてない製品が多くあります。ピンクノイズで、100W入力とされていても、3dB/octでパワーダウンするのが、ピンクノイズなので、ツイーター帯域での電力は、1Wに過ぎません。矩形波を100Wアンプで入れたら、あっという間に焼けます。
もっと凄い解説文では、小出力アンプを危険視するような表現が有ります。100Wから5W出力のアンプにスケールダウンして、2年以上経過しましたが、事故は皆無です。
← 完全なミス解説であり、丸まっていても、切れていても0Vを上下対称にに挟んでいますので、直流成分はありません。

 超ハイエンドスピーカーの取扱説明書日本語部分にも、アンプが飽和して
スプリアス信号を出して、ツイーターを損傷するという表現があります。スプリアス信号とは、アンプが発振する際に、電波として放射される成分を言いますが、電波がスピーカーを破壊することは無く、あくまでも、入力信号に含まれない、発振による高周波出力が、スピーカーケーブルを通して、過大出力され、焼損に至る事が正解です。現在5Wという小出力アンプで、スピーカーシステムを鳴らしていますが、小ささ故の破損事故はありません。デジタル音源では、0dB以上の信号は無く、ボリュームMAXで、最大出力とし、それから絞り込む運用をしていますので、どの周波数帯でも、クリップする事はありませんので、従って事故になりません。CDや、ネット音楽では、0dB以上が無いという制御された信号ですので、心配無用です。全ては、大出力アンプが存在価値を失わない為の方便でしょうが、1.2kWものアンプの出力メーターが、動画で見れば、1.2W以上を示さないのが現実で、30dBものピークマージンが何の為に必要か、よく考える必要があります。
同じ項英文では、Choosing the right amplifier
It is not an excess og amplifier power that can damage your loudspeakers and speaker drivers but a lack power. Moreover ,if the volume is turned up too high,the amplifier saturates and generates parasite signals that may damage the tweeter. ・・・・・・・・・ Your retailer will be able to help you choose the amplifier best suited to your tastes and budget.

スプリアス信号とは書かれていません。アンプボリュームを上げていると、アンプが飽和したり、寄生振動が発生して、ツイーターにダメージを与えるというのが適切です。英文は、適切な表現ですが、日本語訳は、誤訳で、理系ならば、ピンときます。

 次にスピーカーのインピーダンスと、アンプの定格負荷インピーダンスの関係で、スピーカーを、抵抗器のように、抵抗一定とみなし、直並列の計算をする例です。これは便宜上そのような計算をするだけで、スピーカーの公称インピーダンスは、低音からスイープして、低音域の山を越えて、一番インピーダンスが下がった時の値であり、周波数が変われば一定ではありません。大半の周波数で、それよりも高いインピーダンスになります。TV番組内でお馴染みのEV SX300は、100Ω以上の帯域があり、それでも表示は8Ωです。ただし、リボンツイーターでは、ほとんどインピーダンス変動はありません。それ以外に、このようなインピーダンス変動を嫌い、並列に補正CRを付けたスピーカーもあります。
 まとめて言えば、アンプから見た負荷インピーダンスは、ある一点の周波数(300Hz前後が多い)にのみ、定格値どおりで、定格8Ωというアンプでも、計算上2Ωのスピーカーを取り付けても普通に鳴ります。同じボリューム位置でも、8Ωより大きな音量になりますので、迫力が有るなどと勘違いしないで下さい。アンプが出している電力は、ボリューム位置とは無関係で、あくまでも、音の大きさに関係します。当然、音が大きく感じられれば、アンプの出している電力は大きくなります。


5W出力の、スピーカー音圧について
最近の低能率2WAYスピーカーと、古典的な高能率自家用4WAYスピーカーシステムの音圧計算結果は以下のようになります。6Ω駆動時は、アンプ最大出力が増加する事を加味。30畳部屋で、9mx5.4m。水色が自由音場(屋外に近似)黄色が、室常数750の居室の場合です。
低能率 6Ω 85dB/Wにて 94.3dB SPL at 2m 7mまで85dBキープ

高能率 8Ω 102dB/Wでは 110.2dB SPL at 2m 7m以内なら100dB以上あり

 工学的な音圧グラフですが、このような減衰曲線は、専門書でも珍しいと思いますが、これは、かなり以前に研究用で開発した拙作ソフトウェアです。2mでの音圧値は、6畳〜8畳程度のリスニングルームを想定しています。自由音場では、直線的に減衰しますが、居室内では、残響が有るので、距離が離れても、ある音圧に収斂します。必要な音圧は、85dB以上なので、能率の低い現代スピーカーでも、5WアンプでOKという事です。102dB/Wのアルティックタイプウーハーならば、5Wでも、難聴の危険が生じ、5Wフルパワーでは使用できません。
 30W程度の真空管アンプで、映画を上映する為の、有名なA7は、103dBというカタログデータです。上のグラフでは、20m離れても結構な音圧が得られています。実際の映画館は、もっと残響の多い環境ですので、音圧的には十分確保されますが、ライブ空間という事で、ホーンスピーカーで、Qを上げ、明瞭度を確保しなければなりません。その為、ウーハーもショートホーンとして、奥行きのあるセクトラルホーンとでタイムアライメントが一致している、A7のライブな環境でのパフォーマンスは相当なものだったでしょう。JAZZ喫茶でも、A7ならば、Qが高いので、忠実度の高い音が出せます。


大出力アンプ特性 実測例
 某チューニングショップ 大出力アンプ 
2017/10/09
メーカー製 出力380W+380W 重量38kg 大出力パワーアンプの歪率実測結果 0.01W時0.02%越えです。
0.01W時で0.01%を切るか切らないかが、解像度の目安と思いますが、最近は、こういった測定結果が公表されず、スペックと、音質が別物という噂で、代用されています。
THD+N特性では、歪率は、出力増加と共に、直線的に下がり、性能限界から暫く横ばいが続き、上昇が始まってクリッピングポイントで一気に上昇します。

アンプ評
 オーディオは趣味の世界なので、真空管サウンドを否定しませんが、出力インピーダンスが高いので、スピーカーの音圧特性がドンシャリに変化します。修理をしている時に思うのは、マイクロホニックノイズと、指を近づけただけで、誘導ノイズが発生する性質が、アンプという筐体内で、エコーチェンバーのような動作が有るのではないかという疑問があります。電源トランスや出力トランスは、電磁雑音とは別に、空気としての音を出しており、振動発生源になっています。ギターアンプでは、チューブの歪みや、それらの雑音は、楽器としての表現力に利用でき、パワーステージのみ、真空管を用いた製品が有ります。音質=真空管>バイポーラトランジスタという宣伝から、アンプでは、疑似真空管=MOSFETが多くなりましたが、入力容量1000pF以上と、
真空管300Bの8.5pFとは大きな違いが有り、MOS-FETをパラレルプッシュプルで使用すれば、更に、入力容量が大きくなります。入力インピーダンスが高いから、前段に影響が少ないという解説は不適切で、ドライブ段のエミッタフォロアは、コンデンサを駆動するのに、大忙しです。真空管の呪縛から逃れられず、苦しい言い訳に聞こえます。半導体サウンドでしか得られない、魅力有る超低音を経験すれば、オーディオライフがより充実します。ハイエンド製品を組み合わせるだけでは、そのような高品質な音には到達できません。ケーブルや、コンセントを変えたぐらいで、音が変わるようでは困ったシステムだと思います。良くできた物どうしであれば、差はありません。スピーカーならば、ピストンモーション領域の音は、差が少なく、音質の違いは、それ以外の怪しい動作領域が支配的です。

OILコンデンサについて
音質にうるさい方の定番お奨め品がオイルコンデンサですが、ビンテージ品を珍重する際に、問題となる部品で、漏れ電流が多く、真空管アンプのカップリングでは、バイアスの変動が発生します。普通のテスターでは、抵抗値が∞でも、実は、高電圧をかけると、そうでは無くなります。アンプ修理では、250Vの絶縁抵抗計で確認を行っています。MQ60修理時には、軒並み絶縁不良で、メタライズドPPコンデンサに交換しました。

追加:KT88 A級シングルアンプ評
YouTube動画を見ていると、真空管アンプを礼賛する物が非常に多く、いかに宣伝が行き届いているかを思い知らされます。ヤフオクを見ると、人気が有るのか、高額で取引されています。余りの人気振りに、ついつい1台くらい使ってみようかと考えていたら、タイムリーにも、KT88A級シングルアンプを修理する事になりました。A級シングルで、10W出力の堂々たる風貌です。消費電力105W クロストーク 1W時 59.13dB 1kHz 60dB(入力短絡)44.6dB(入力開放) 10kHz 残留雑音(入力短絡)180μV(A) 2.86mV(80KHzBW)

左がKT88 A級シングルアンプで、右が愛用している、LAPT純A級アンプです。ダンピンファクターは、KT88アンプ 1.46 LAPT純A級 50.2(4S6 3m SP端にて 実使用条件)
THD同士の比較で、真空管では、-60dBがやっとで、LAPT純A級アンプでは、かなりの範囲で、-120dB以下で、可聴限界以下となっています。低歪アンプが音が良いかと言えば、そもそも論として、録音時の歪みが浮上し、低歪アンプの方が、それを際立たせてしまうという、逆効果となる場合が多く現れます。しかし、低歪率、低雑音のアンプを求めるのは、それでも、忠実性を求めるからであり、間違った考えでは無いと思います。歪んで嫌な音が出たとしても、録音源がそうならば、受け入れし、いつも、同じ音が出る方が良いと、評価をシフトすれば、問題は無くなります。音源にコンプ歪みが内在していたとしても、それを含めて作品として受け入れたいものです。

真空管アンプの矩形波応答 8Ω抵抗負荷
1kHz 矩形波 8Ω抵抗負荷   10kHz 矩形波 8Ω抵抗負荷 2020/07/23
矩形波ですが、リンギングが有ります。よくある安定度試験で、負荷にコンデンサを並列に抱かせる事を行いますが、負荷容量無しでもこのような波形です。半導体アンプでは、余程の出来損ないで無い限り、このようになる事はありません。
さて、ここから、お立ち会い願いますなんですが、真空管アンプ愛好家は、測定では表せない良さを強調します。THD比較では、半導体アンプが遙かに低歪で優秀ですが、この面で負けないよう、聴感にのみ訴えます。
特徴的な低ダンピングファクター
KT88アンプの特徴は、何と言っても、低いダンピングファクターです。真空管アンプ時代は、DF=3が具合が良いとされていまして、何とそれより低い、DF=1.46の音は、やはりドンシャリで、独特なダイナミックスの音に変化しました。
参考:スピーカーケーブルメーカー、カナレの説明では、ケーブルを含めたダンピングファクターは、20〜50が、実用的な要求レベルとしています。音響ホールでは、4S11を使用し、できる限りの努力はしていますが、仕様上の限界が有り、その面での劣化は容認されていますが、やはりボワッとした低音になっています。自作したLAPT純A級アンプでは、4S6ケーブル3mで、DF=50.2となっており、極めて妥当な値で、専門分野のホール音響を凌いでいます。
 DFが低いことにより、定電流駆動に近づき、原音とは、かなり異なった鳴り方なので、ダイナミックス面で、違いが創出されています。趣味オーディオであれば、原音より艶やかな音を賞賛しても良いと思いますので、ロクハンなどで、楽しむなら、真空管アンプも選択に入ります。好ましく感じるだけで、事を進めるならば、これも一つの選択でしょう。厚みのある音は、歪率の高さも原因の一つで、同じ電力で、感じる音の強さは、歪みが多いほど増します。消防サイレンの電子化時に、作りやすい正弦波で作って、電力の割に音が届かず失敗して、矩形波に変更しました。ピアノも、1音づつ弾けば、おとなしい音ですが、オクターブで弾けば、重厚な演奏に変わります。

半導体アンプ:LOUDNESS使用は躊躇しないで つまらなく感じるのは、小音量時の宿命
 半導体アンプをお使いの方は、動画サイトの宣伝に惑わされ、真空管サウンドでないと、と思い込んだりする事も有るでしょうが、決して卑下する必要はありません。特に、真空管の音が柔らかいとか暖かみがあるという主張は、全く的はずれです。構造的にマイクロフォニックノイズが有り、それを延長した音が、真空管サウンドの特徴なので、ある種の音源では、澄み切って、しかも、厚みのある音である事は間違いありません。しかし、半導体アンプは、CDと時代が重なっており、悪評は16ビットCDに起因する事が多くあります。是非とも、アナログレコードの音を半導体アンプでお聴き下さい。真空管アンプの特徴的な音が、半導体アンプでも再現できます。しかも、ローエンド、ハイエンド共に、雑味の少ない音で、
解像度も高く、長時間聴いても飽きが来ません。同じく96kHz24ビットの音も、アナログレコード的な響きがする筈です。寿命も長く、手放すにはもったいない逸品です。音質比較で、真空管アンプに劣るという動画が良く有りますし、実際にそう感じるのも経験していますが、DFの低い音が主原因です。小音量時、人の聴覚感度を補正する為に、プリメインアンプには、LOUDNESSが付いており、それをONにすると、解像度が上がったように鮮やかに聞こえます。補正量が行き過ぎたら、トーンコントロールで補正します。YAMAHA CA-1000Uまで装備された、コンティニアスラウドネスは、他社に無い優れたコントロール手法で、廃止になり、残念でした。プリアンプ無しで、DAC直結で音を出すには、音量を90dB前後まで上げて、聴感がフラットな音量で聴きます。


マルチシステム開発ヒストリー:デジタルミキサーから、純A級アンプにまで
 adat 8chデジタル伝送(48kHz24bit) と、PCM48kHz、96kHzの比較実験を行う  2004/12/26

2002〜2008年
 96kHz24bitハイレゾ音源 デジタルミキサー活用 CD自主制作 マルチアンプ駆動実験まで 最初は中級オーディオファン

 オーディオは、かつての隆盛期を知る者として、現状は非常に寂しいものとなっています。かく言う私も、2008年(平成20年)までは、15インチ3WAYスピーカーを、MOS-FETプリメインアンプで、好きな音楽を聴くという、中級オーディオファンで、振動や、電線の音の違いは、頭が痛くなるだけで、百害有りと、関わらぬようにしていました。
2002年
、CDとは次元の違う(今で言うハイレゾ)、96kHz24bitデジタル音源を得る為に、UA-5を購入し、efuさんのWaveSpectra、 WaveGene等のソフトを駆使して、パソコンとの関連を研究。縁有って、アマチュアライブのPAを手伝うようになりました。馴染みの楽器店で、中古デジタルミキサーProMix01を購入し、その性能に触れてみました。スチューダー録音卓のように、モーターフェーダーで、一気にシーンチェンジできる事に圧倒されました。48kHz20ビット機でしたが、デジタル出力を、PCでデジタル録音し、ライブCDを作って、演奏者にプレゼントしました。これにより、デジタルミキサーの将来性が有望と思い、時代に乗り遅れぬよう、2004年、96kHz24bitデジタルミキサー01V96V2(当時\250,000)を新品で購入し、その実用性などの研究を行いました。コンデンサマイクや、マイクスタンドも買い求め、8chデジタル伝送adatも使用してみました。2005年には、録音した24ビットマスターから、CDを制作。勿論、デジタルミキサーは、良い所ばかりではなく、運用レベルを下げたとき、ギザギザの出力となる体験もしています。このような不都合は、なかなか表面化しませんが、実際に使用して、初めて知り得る情報であろうかと思います。この体験がきっかけとなり、デジタル音源を MAX=0dBFS のままDA変換し、アナログ段階で、パワーアンプに必要とされる音量を確保するという音量調整システムを採用する事にしました。
 2008年頃は、小型スピーカーも各種所有するようになって、それらの周波数特性や、歪率測定をWaveSpectraで行っていました。その結果、小型スピーカーは、再生帯域の何処かで、必ず歪みが多くなる所があり、大型スピーカーとは差が有る事がわかりました。
 仕事が、PA機器修理から音響ホール保守にシフトしていった結果、SR用スピーカーや、その駆動形態に触れることができました。ホールでは、15インチのウーハー、HFドライバー+ホーンの2WAY構成が多く、大半が、マルチアンプ駆動されていました。キャノンコネクタ、ノイトリックスピコンなど、家庭用オーディオとは違う、プロ現場ならではのパーツと、関わるようになりました。この時まで、マルチアンプ駆動と、LCネットワーク駆動では、同じスピーカーを鳴らすのだから、さしたる音の違いが無いと考え、自家用スピーカーは、1台のプリメインアンプによるLCネットワーク駆動でした。
 使用していた1984年製38cm3WAYが、20年以上経過しており、引退時期と考え、スピーカー入替前に、3WAYマルチアンプ方式を試してみました。マルチアンプ方式は、聴感だけの判断ではなく、ピンクノイズで、正確なレベル調整する必要がありますが、測定器自体が高価なので、購入できる筈もありません。そこで、ピンクノイズによるエネルギー測定ではなく、マルチメーター程度で調整が可能になるように、周波数が変化しても、振幅が変化しない、ワーブルトーンを用いる事にしました。WaveGeneで1オクターブバンドと1/3オクターブバンド幅のワーブルトーンを作り、実験に使用しました。


2008年末 ウーハーにディレイ(遅延)を掛け、音の変貌ぶりに驚く 廃棄前のマルチ駆動好結果により、廃棄を翻意
 廉価な、CX3400を入手して、実験を開始。CX3400は、LFchにディレイが掛けられる仕様でしたので、配線が済んで、試聴段階で、ディレイを操作してみると、かなり音色が変化し、ある所で、パット明るくなるような箇所が有ることに気付きました。この後、しばらく、この変化を確かめるように、色々と試聴をしてみました。大きく変わったのは、ピアノの音で、リアリティが出たという事と、シンバルの音が、
JBLのような分厚い音に変わったという事で、これは驚きでした。曖昧なアナログディレイでの変化ぶりから、デジタルディレイならばもっと正確な最適値が、ツイーターを含む全チャンネルに設定できると考え、その仕様を満たすDCX2496を2009年に入手しました。DCX2496は、デジタル入力がプロ仕様のAES/EBUなので、デジタルフォーマット変換用としてSRC2496をセットで購入しました。
2009/04/14 2波トーンバースト使用の遅延実験

2009年 デジタルチャンデバで大きく変貌
LCネットワークを捨て、DA変換 → 6連マスターVR → パワーアンプ → SPユニットへ直結

 2009年は、DCX2496導入により、システムが大きく変貌しました。メインの3WAY SPは、LCネットワークとアッテネータを取り外し、SPまで直結としました。0.5Ωと接触抵抗が大きいフォンプラグも、接触抵抗が低いスピコン入力に改造し、内部配線は、LFとMFを4S6にて等長で接続しました。20kHzでの再生レベルに難が有った、ツイーターは、FOSTEX T90Aを外付けして難を解消。同時進行で、アルプス製モータードライブ式6連ボリュームによる、マスターボリュームを自作し、パワーアンプの音量設定をシンプルなものとしました。
2009年11月
には、時々歪みが出るパワーアンプの問題点が、古くなった出力リレーが原因であることを解明し、所有アンプのリレーをG2R-2-AULに換装して、音質の不安定さを解消。30kHz超となった高域再生能力とバランスする為、超低域を、18インチウーハーを加えた4WAYシステムとして、現在にまで至るマルチシステムが完成しました。最初は、SPユニットのタイミング調整は、2波のトーンバースト波でしたが、よりシンプルな1波のトーンバースト波にしました。このようにして、捨てるつもりのスピーカーが、全く最新の音へと変貌しました。大金を使わなくても、庶民レベルの予算で、ホール音響(保守点検で日常的に接している)をも凌ぐ事が可能となり、この感動と実現手法を皆様に発信する為に、ホームページを充実する事となり、現在に至っています。

2010年 アンプ機種統〜アナログ6連ボリュームに代わり、ギャングエラーが少ない6連電子VRを製作
 このように、どっぷりとオーディオの世界に再び浸かってしまいましたが、機材を全て新品で購入していては、財布が保ちませんので、あまり進歩していないアンプは、ネットオークションで安上がりに揃える事にしました。パワーアンプは、重厚長大で、しかも割高でしたので、プリ部と、パワー部が分離できるグレードの、プリメインアンプ中で選ぶ事にしました。
 まずは、手持ちのアンプと合わせる為に、SONYのMos-FETアンプを入手、安価で短時間に揃える事ができました。Mos-FETアンプの次は、オーソドックスなバイポーラトランジスタアンプという事で、オーディオの足跡を参考に、手頃なアンプを求めましたが、人気機種は、かなり高額で、落札も難しく、少し仕様落ちの
SANSUI AU-α607XRを落札しまして、性能比較を行いました。艶っぽい音のFETアンプに対し、低雑音で高解像度の607XRとかなり迷いながら、4WAYマルチアンプシステムは、SNが良い607XRで統一する事としました。現在までに、607XRは、6台、MR、NRAがそれぞれ1台で、合計8台入手しました。607XRは、バランス出力であり、これに相当する現行製品を購入していたら、かなりの金額になります。
 2011年
は、電子ボリュームIC PGA2311PAにより、6連ボリュームを製作しました。アナログボリュームと比較し、ギャングエラーと、クロストークが少なく、音量の精密な制御が可能となり、-40dB以下の微少音量でも、明確なステレオ定位が得られるようになりました。アナログボリューム時の、-25dB以上で音がうるさくなる現象は、電子ボリュームを実用化している段階で解消されました。音量ステップは、0.5dBでかなり正確です。PGA2311PAは、電源電圧がDACと同じ±5Vで、余分な増幅を必要としません。他方、±15V系ICでは、プロ音響のデジタル機器には対応できますが、0dBFS時+22dBuの信号を+4dBuまでパワーアンプで、レベルダウンしており、信号の無駄な増減が、音質の劣化につながります。これがPGA2311PAを使用した理由です。
2013/06/17 真空管式プリアンプCL35Uチェック中 ヒーターDC点火で、質の高い製品でしたCL35U ヘッドホンアンプの改良はこちら

2012年〜2014年
Mos-FET、バイポーラTR、真空管、スイッチングアンプ(デジタルアンプとも言う)の各方式と、スピーカー負荷との関係を熟知 理想の点音源とされる同軸2WAYスピーカーを3組入手

 
2012年にて、マルチアンプシステムは、ほぼ完成し、アンプと、マルチシステム用SPユニットの購入も一段落しました。マルチの次は、理想の点音源を体験したいと思い、2012年暮れ、KEF製同軸2WAYスピーカーQ15を入手し、マルチシステムとの比較を行う。同じ頃、アナログレコードを大量に譲り受け、デジタル保存。LUX真空管アンプMQ60の修理を行うチャンスがあり、真空管アンプの音質や物理特性などに触れる。デジタルパワーアンプ(スイッチングアンプ)も、音質や物理特性のデータを収集し、各アンプ方式を比較。
2014年
は、KEFのQ70も入手し、現在の高級品スピーカーレベルの4WAY構成を味わうことが可能になりました。同軸2WAYの元祖TANNOYの12インチスピーカーも3台入手でき、うち1台は、高音ユニットの磁性流体交換を行いました。同軸2WAYも、ホーン、ドームの2方式を比較できるようになり、これらと、4WAYマルチシステムとの比較もでき、常人とは異なった体験ができたと思っています。一般には、理想的な点音源再生と評される、同軸2WAYですが、リスニングポジションは、センターから少し離れると片寄りが顕著になります。同軸2WAYの3システムを交互に使用できる環境での検証の結果、センターで聴かなくても、定位が安定しているという、評価は正しくありませんでした。それと比較して、直線上にSPユニットの中心を揃え、ホーン開口面も揃え、リスニングポジションへの各ユニット音の到達時間を整合した、4WAYマルチシステムの方が、定位が安定しているエリアが広く、どっしりとしています。ホーンツイーターは、リスニングポジションにおける、耳の高さに設置すると良い結果が得られます。奇数次歪みが多いドームタイプ同軸2WAYは、ニアフィールド用、距離が取れる場合は、奇数次歪みの少ないホーンスピーカーが優位と考えるべきでしょう。

2015年〜2016年
SPシステムもほぼ完成で、仕上げにオーディオアナライザーを入手し、セラミックコンデンサーによる悪影響を検証 その結果より、チャンネルデバイダーを改造

 2015年になると、自家用スピーカーシステムは、落ち着いて使用できるようになりました。業務のキャリアアップの為、自家用でオーディオアナライザーVP-7722Aを入手し、自己所有のアンプや、チャンネルデバイダーなどの歪率、SN比測定などを行いました。更に、APのアナライザーも使用する機会に恵まれました。このような測定器が有れば、、ゼロの数を追いかける、測定マニアになりそうに思えるのですが、そうでは無く、オーディオアナライザー導入の成果として、機器に使用されていた、セラミックコンデンサーによる、歪率特性悪化の実態把握と、改造による特性改善にまで踏み込む事となりました。
セラミックコンデンサーによる歪率特性悪化とは
 音響機器のTHD+N歪率値は、出力が上がるにつれ、低下していきますが、オーディオ信号が大きくなると、途中から反転して、歪率が悪化する機器に遭遇しました。これを解析してみると、音声回路中のチップタイプの積層セラミックコンデンサーに原因がある事が判りました。コンデンサ歪みでネット検索すると、DC電圧がかかると容量が変化して歪むという解説も多くありますが、全く直流がかかっていない回路での測定結果であり、この説明では不十分です。コンデンサに交流信号を通すだけで、歪みが発生している事実が重要であり、その原因を取り除く事は、純粋なオーディオ環境構築に、重要な作業です。問題を発見した時のコンデンサの容量は2200pFでしたが、470pFでも発生することがわかり、以後のコンデンサに対する考えは大きく変わりました。動作原理上から部品を吟味するのではなく、実際の測定結果から判断するのが、この問題を防ぐ方法です。最近に秋月で購入したMLCCタイプ積層セラミックコンデンサ47pF、220pFがそのような歪みが発生せず、同じタイプの0.1μFでは盛大に歪みが発生します。このように、測定しなければ判らない事にも遭遇しています。是非とも・・・だからという決め付けではなく、必ずデータを取ってみる事が最善の方法かと思います。小容量コンデンサでは、マイカコンデンサもどうかと思い、62pFと100pFを入手し測定を行いましたが、フィルムコンデンサよりは、やや劣るような歪率性能でした。47pFのフィルムコンデンサなる物も入手しましたが、こちらは全く問題有りません。銅箔タイプのスチロールコンデンサも測定しましたが、通常のスチロールコンデンサとの違いは全く有りませんでした。
きっかけになったチャンネルデバイダー歪率測定結果 
2015/12/01
オーディオ信号がセラミックコンデンサを通過する事で、0.2V以上の出力では、歪みが上昇しています。フィルムコンデンサでは、10Vで、0.0008%ぐらいです。ただし、OPアンプのVcc、Veeピンのデカップリング用0.1μFは、セラミックコンデンサが最適なので、誤解しないでください。

2017年
LM3886パワーアンプ/LT1115 MC専用RIAAイコライザーと、低雑音4WAYマルチ用5WA級パワーアンプ

 インピーダンス測定の信号用源に使用した単電源のTA7252APパワーアンプが、2電源使用のOPアンプ部と相性が悪く、信号を共用すると、ハムが出て対策に苦労していました。それならばと、2電源で使用できる、
パワーIC LM3886を使ってみる事として、一応の成果を得ました。電源ハムから解放され、残留雑音が、98μVと優秀で、THD+N 0.0038% とまずまずでした。気を付けるのは、思ったより、安定度が低いという事で、結構、発振しやすく、NF定数には注意が必要です。後は、電源OFF時のミュート回路の工夫をすれば、実用可能です。
LT1115でMC専用RIAAイコライザー自作
 真空管式プリアンプCL35Uを修理して、アナログレコード試聴を行い、12AX7の鳴りっぷりの良さと、どことなく、くすんだ自家用アンプのRIAAイコライザーに物足りなさを感じていましたが、ここを埋めるべく、RIAAイコライザーの自作に取り組む。FETヘッドアンプ+OPアンプ構成、完全ディスクリート、OPアンプだけの構成とあれこれ悩みましたが、トラ技 黒田先生の記事に影響を受け、最近の低雑音OPアンプで作ることにしました。記事はLT1028による、MC用イコライザーアンプでしたが、関連するOPアンプのデータを調べているうちに、LT1115に辿り着く。オークションで、データーシートと同じ回路の基板が出ており、これに挑戦。LT1115 秋月¥450で入手、容量負荷駆動用パワーバッファLT1010が入手できず、マルツ\547で入手。イコライザー偏差を追い求めたが、温度ドリフトの問題で、0.02dBの壁に当たる。実測結果は、±0.1dB以下を余裕でクリア。この基板は、MM-MC切換可能ですが、EQ偏差を厳密に追求すれば、それぞれ専用が望ましく、MC専用として製作。
 気になるSN比は、1kHz 5cm/sec DENON DL-301Uで、74.3dB(A)で、自家用機とは、7dBの改善という結果となりました。入力換算雑音は、-144dBVです。OPアンプでも、これだけのSNが確保でき、聞き古したアナログレコードから、新たな音の発見という楽しみができました。
自作で成功する秘訣は、EQ偏差や、LRのバランスに関係する部品を、徹底的に選別する事で、大量に部品が残りますが、できあがった物の完成度の高さにより、無駄は感じません。電源は、PSRRが高いOPアンプなので、ディスクリートアンプのような厳格な低雑音電源は必要なく、3端子レギュレータでも結構いけてしまいます。
4chマルチ用 4chA級パワーアンプ x2台 自作
 LT1115を万一に備えて余分に購入し、余りましたので、トラ技 黒田先生の2017年5月号を参考に、OPA1612を、TRIM端子の有るLT1115に置き換えたA級アンプを、製作しました。マルチアンプシステム用とし、LMHの3入力で、出力は、その3chプラス、70HzLPF経由のSLF用で、計4ch分内蔵です。LM3886より10dBほどSNが良く、音響ホールで、今まで測定したアンプと比べても、特筆物の低雑音になりました。4chパワーアンプですが、1台でステレオの片チャンネル分の駆動をしますので、チャンネルセパレーションに不安の無いツインモノラルと見なせます。
 小出力A級アンプは、電解コンデンサの耐圧が低くて良いので、大容量を使用しても、コスト面で有利で、電源トランスも小型で済みます。保護回路は、各chの中点電圧と、放熱板の温度上昇に対して動作します。ヒートプロテクションは、テストモード43℃ 通常動作67℃で、当然テストモード時では、保護回路が動作します。製作過程では、誤配線により、トランスの二次電流が9A流れたような場面もありましたが、部品破損もなく、完成に漕ぎ着けました。放熱板のざらついた面は、放熱用グリースをできるだけ薄く塗布し、密着度を上げてネジ止めします。量産では有りませんので、できるだけ丁寧に密着させました。調整中、間違って通電時に部品交換を行ってしまい、ドライブトランジスタ短絡故障により、過電流にて、アンプがオーバーヒートしましたが、温度保護により、大事故にならずに済みました。エミッタ抵抗は、黒田先生は0.47Ωですが、本機は、0.22Ωなので、熱暴走の危険があるとのご指摘もあり、TC622EPAで、サーマルプロテクションを掛けたのが、幸いしました。
パワートランジスタ Tj(ジャンクション温度)を求める B-E間電圧の実測 (知人が作ってくれたグラフ)
パワートランジスタ Vbe 温度変化のグラフで、3時間分です。
 室温28℃ 2017/08/26 
 A級アンプは、発熱が大きいので、放熱設計も重要で、温度管理を放射温度計で行っていましたが、Vbeが-2mV/℃とのアドバイスをいただき、早速測定した結果のグラフです。だいたい2時間ぐらいで、温度が平衡します。それ以降は室温に連動し、温度計の代わりになります。これで、求めた、パワートランジスタのジャンクション温度は、70℃となり、最大定格150℃まではかなり余裕です。一昔前に、水晶発振器の恒温漕が、60℃だったので、70℃ならば、動作も安定すると考えます。

発振で、性能を妥協した自作A級4chアンプ → 2018年版では、それを解消しました
 
残留雑音は、試作段階で、4μV台(A)でしたが、4ch組込動作時は、8μV(A)前後と悪化しました。3chまでは、順調に動作しても、4ch目が接続されると発振気味となり、対策として、利得を上げるのと、電圧増幅と、電力増幅のアースポイントを分離して、安定度を稼ぎましたので、最終的には、20μV(A)前後と不本意な結果となりました。リベンジで、後に2ch仕様を製作し、性能面では、これにより完結しました。その翌年は、2ch製作の経験を活かし、4chアンプも、OPA1611にリファインして、念願の1桁μVを達成。
4ch A級アンプ Lch用 放熱板と、出力コイルは、YAMAHA MX-55から流用 SLF用LPF70Hz 電源トランス3個使用しました。2017年版 2017/07/30

下は2018年版 2mm厚アルミシャーシは、別売り入手可で、新しいシャーシで製作 おかげで、穴だらけにならずに済みました。
 上を改良した 2018年版 A級4chアンプ SLF用LPFは、70Hzから50Hzに変更 2018/07/17

 電源トランスは3個から2個になり、パワーアンプ部は、サンスイアンプの物を流用し、ブロック化しましたので、内部配線はスッキリとしています。OPアンプは、OPA1611で、今回は、マルツ経由Degi Keyルートにて手配しました。OPA1611は、LME49990と非常に近いスペックで、ユニティゲインでの使用が保証されていますので、低利得にしても、発振する可能性が低く、扱い易くなっています。LFアンプは、2回路入りのOPA1612を使用し、LF入力を、ボルテージフォロアにて、リンクウィッツフィルター 24dB/oct 50Hz LPFに入力し、SLF出力を得ています。ボルテージフォロアは、入力インピーダンスの低い、反転アンプを駆動し、位相反転及び、半固定ボリュームで、利得を-10dB〜0dBまで可変できるようにしています。フィルター回路は、直列抵抗が47kΩと大きいので、FET入力のOPA2134を使用しています。又、ハイインピーダンス回路なので、アンプ基板との間では、シールド板を取付けました。アンプは、全ch同利得(15.6dB)として、多様な用途に対応。

アイドリング電流変化時の、歪率特性変化(B級からA級まで)
 このアンプで、アイドリング電流を変化させた歪率特性を測定しました。0.1mA 1mA 10mA 100mA 200mA 測定結果は、10mAを越えると、差がわずかとなり、ヒアリングでもその差が感じられなくなりました。通常のアンプでは、40mA〜60mAを流して、AB級動作としていますので、アイドリング電流による問題発生は、それほど考えなくて良いでしょう。1kHzでの歪率特性を以下に紹介しますので、参考にして下さい。100mAと、200mAでは、殆ど同じですので、100mA以上有ればその差はわずかとなります。
アイドリング電流で迷ったらこのデータを参考に 
2017/06/14

2ch仕様A級アンプは、低残留雑音2〜4μV(A)を実現
直近に製作したアンプの歪率特性 
2017/12/09
0.01W時 THD+N(80kHzLPF)=0.01%以下

 THD+Nが0.01W時0.01%以下のアンプは、数が少ないので、どんな音になるのか興味が湧きますが、果てしなく解像度が上がるという表現に尽きます。0.01%は、SNでは80dB相当です。スピーカーの能率が100dB/Wなので、0.01Wで音圧80dB(1m)となりますが、0.01%歪み成分の音圧は0dBとなり、聞こえません。このような、低雑音、低歪率アンプの音は、録音中の残響がしっかりと聞こえ、ボーカルのコンプレッサー歪みも簡単に判別できます。各部を低歪率、低雑音化していくと、その段階毎に、残響が深まり、金属音のリアルさが増すというのが、一連の音質評価を行っての、共通の結果です。出力レベルにより、供給電流が変動しないのは、A級アンプの最大メリットです。高能率スピーカーにより、音圧面での妥協も無く、小出力アンプでも、十分な音圧が確保でき、小出力なるが故、発熱量も少なくできます。小型フルレンジスピーカーとも、親和性が高く、ナチュラルな音色のスピーカーならば、高解像度が活かされ、音楽ジャンルを問わず聞き込めます。A級低歪率アンプは、スピーカーと1対1接続ならば、最高のパフォーマンスを発揮します。ネットワーク式マルチWAYスピーカーを鳴らして、あれやこれやアンプに注文を付ける前に、スピーカー環境を整理すると、低歪率アンプの真価が発揮できます。

AU-α607XR最後の花道 まさしく虎は死して皮を残し・・・ A級パワーアンプに変貌

 A級アンプの完成で、23年経過した、AU-α607XRは、卒業ですが、立派な放熱板が付いており、これを流用して、A級2chアンプを製作。ドライブ回路が同じ構成なので、基板と、金属板抵抗も流用。ブリッジアンプでしたので、1つの放熱板で、パワートランジスタ4個使用のステレオアンプが作れます。1台壊せば、2台分のステレオパワーアンプが作れるという事です。
パワートランジスタの下は、銅板で、サンスイオリジナル流用です。パワートランジスタの取付ネジ、サンスイオリジナルは、銅メッキ鉄タッピングビスですが、真鍮ビスでの取付としました。このブロックでの磁性体は、放熱板の支え金具とその取付ビス、出力基板の止めネジです。
Tr背面の銅板は、サンスイならではの物です(LUXMAN現行アンプでも採用) LT1115仕様 2017/10/09
 放熱器に2ch分を組込み、完成間近の状態です。中央は、ヒートプロテクション、67℃で、パワートランジスタの電源を遮断します。ショートピンによる、テストモード時は、43℃で動作します。ドライブ基板と金属板抵抗も流用し、自作機といえども、すっきりとした仕上がりで、満足です。
OPアンプLT1115と、電流ブースターのダーリントン構成で、極めてシンプルですが、DC安定度は、607XRを上回っています。中点電圧保護回路は、ch毎に有り、ミューティングリレー回路に送られ、スピーカー回線を切り離します。
  2ch仕様純A級DCアンプ 
2017/10/24
 ケース タカチ OS133-26-33SS 電源トランス HT163 HTR2005 SBRブリッジ整流 33,000μFx2電解コンデンサ 入力:XLR 出力:スピコン 出力 5Wx2 THD+N 0.00066% アイドリング電流0.6A 消費電力33W LT1115は±12V安定化電源で駆動 通気口が全然無いケースでしたが、厚手のアルミケースの為、温度上昇はわずかです。基板周りの配線は、0.3SQx8芯ケーブル、電源1次側0.75SQ、パワー回路1.25SQ、出力・アース経路1.25SQ、0.75SQです。圧着端子は、1.25-3、1.25-4、2-4等で、ビニルスリーブ使用です。2SQ以上の太線使用は、かえって、半田付け不良を招くので避けました。
 製作中 左は、OPA1611仕様、右はLT1115仕様 シャーシAC26-33は、2mm厚アルミ製(1.6℃/W相当)
 2017/12/02

メーカー製A級パワーアンプ部歪率特性 定格出力30W 実測SN比 99dB(A) at 1W 8ΩFET差動カレントミラーカスコードブートストラップ回路 高級機ですが、0.01W時の雑音歪率が、0.01%以下ではなく、0.02%以上有る事に注目。A級、B級が切り換えられますが、多くの方が言われるように、音質差は認められず、発熱面でのデメリットを感じました。残留雑音が、年代の割に少なくて好ましいアンプですが、10Wを越えて歪率が上昇しているのは、セラミックコンデンサの影響なので、フィルムコンデンサに置き換えれば、0.001%以下の歪率まで下がると思います。
メーカー製A級アンプ 歪率測定結果
 2018/02/10

2018年 アンプとスピーカーの関係を証明する為に、アンプのSP実負荷時の、スピーカー側での歪率特性を測定
 オーディオ全盛期には、数値競争が、ありましたが、近年は、音質と全く関係ないという、論説が流布され、具体的な数値さえも採らず、すぐに、音質だとか、エージングに話が行っていますが、このあたりが、オーディオがオカルトになっている、原因のひとつと考えています。
聴いた話とは、聴取者の脳で処理された話なので、顔が違うように、他者でも同じように聴取される保証は有りません。しかも、アンプの音質にいたっては、スピーカーの型番、試聴音源データ、接続条件の明示もなく、いきなりの評価がされていますが、これらは、小説的な、読み物としては通用しても、科学的には通用しません。

意外にまともなデーターが無いアンプとスピーカーの関係
アンプとスピーカーの関係を調べようと、ネット検索をして、思い描くようなデータが見つからず、落胆しましたが、それではと思い、さっそく測定をしました。最小出力 0.01mWから測定しています。測定結果をしっかりと読み解けば、アンプとスピーカーを1対1で鳴らすことで、スペックの良いアンプが真価を発揮することが解るでしょう。ちなみに、自作A級アンプの1W出力時、THD+N 抵抗負荷 0.00071%で、それに、13cmのスピーカーを並列にした場合、0.0028% に歪みが増加しました。
 
2018/04/04
測定条件 アンプ 自作5WA級DCアンプ SN(1V)98dB(A) THD+N(80kHzBW) 0.0007%(1W 8Ω) SN20171205A Rch オーディオアナライザー VP-7722A ID.813302D122 アンプ出力ケーブル 4S6 往復42mΩ スピーカー側ケーブル 1.25SQ平行線 往復24mΩ スピーカー TOA F-160G 13cm+3cmドーム 2WAY 150W 91dB/W 8Ω
 左は、アンプとスピーカーの間に、3.3mHのコイルを直列に入れた場合で、ウーハーのネットワークを仮定したものです。右は、金属皮膜抵抗の2.2Ωを入れて、ケーブル抵抗やアッテネータを仮定したものです。一番下の青線が、一般的な、ダミー抵抗負荷時の歪率特性で、マゼンタ色が、実際にスピーカーの両端に現れる、アンプの出力で、少し歪みが増えますが、緑色よりは、遙かに少なく、アンプの出力に忠実に従っています。しかし、線路中に、抵抗や、コイルが有ると、0.01Wぐらいから、歪率が上昇しています。フルレンジスピーカーや、マルチアンプシステムが、マゼンタ色の歪率に相当しますので、良いアンプであれば、それに確実に追従すると見ても良いでしょう。しかし、LCネットワークや、ケーブル抵抗が大きい場合は、低歪みアンプからでも、実際には、歪んだ入力が加わっています。但し、歪んだといっても、0.1%前後ですので、普通の音量では、大半の聴取者は、気付かないでしょう。スピーカー負荷では、実音を出しての測定であり、0.1Wを少し越えた所で、我慢の限界となりました。
コイル(含まれる抵抗分)や、直流抵抗は、低歪アンプの動作を妨げて、歪みが増えて、歪みの多いアンプと同じ動作になっています。SPだけを直接鳴らせば、歪率性能が音に反映します。ケーブルを替えて音を楽しむのは、アンプの性能どおり鳴ってからの方が良いかと思います。
ウーハー直列のコイルを取り去れば、同じスピーカーとは思えない、引き締まった低音に変貌しますが、同時に、中音の能率が高くなり、相対的に低域が少なく聞こえます。これを40Hz〜50Hzを補強する18インチクラスのサブウーハーで補完したら、リアルローサウンドの完成です。中高域のATTも無くすとクリアな音になります。4○○○シリーズなどは、もっと音が良くなります。

サブウーハー用フィルター 70Hz → 50Hz

 2017年に4ch純A級アンプには、SLF用に70HzLPFを組み込みました。その翌年に、リファインを行い、OPアンプをLT1115からOPA1611に変更した際に、サブウーハーの動作周波数も、それまでの70Hzから50Hzに下げました。下げた理由は、15インチ+18インチウーハーには、70Hzでは、効果が強すぎるので、18インチがサポートする帯域をもっと限定的にする為に、40Hz中心のブーストにしました。フィルターは、50Hzが-6dBポイントですが、全帯域との間では、ブースト効果が40Hzを中心に現れます。


2019年 
OPA1622 ヘッドホンアンプ MDR-CD900STで使用
自家用ヘッドホンアンプ(A社USBオーディオキャプチャ)の歪率特性で、1kHzが、良くないので、歪率−周波数特性も測定しました。どのように設計したら、こんな特性になるのか謎ですが、気付かないで、長らく使用してきました。
2019/02/09
 自作A級アンプが、低雑音なので、ヘッドホンアンプとして使用できるか試験を行いました。音質的に、直列抵抗無しで接続しても、雑音は問題は有りませんでした。しかし、利得が大きすぎて、スピーカーとヘッドホンを切り換える度に、ボリュームを変えるのが煩わしくて、実用的でないという結論となりました。そこで、秋月の、TI 
OPA1622 DIP化モジュールを試してみました。利得0dBでの結果は、以下のようで、高性能OPアンプ並みの性能です。下はその歪み特性ですが、ケースに入れないで測定していますので、雑音が多めに測定されています。
 
2019/02/22
測定時の電源電圧は、±15Vで、負荷は、33Ωの抵抗で、直列抵抗無しです。残留雑音は、2.9μV(80kHzBW) 1.2μV(A)で、1mW出力時SN比93.5dB(80kBW) 100.3dB(A) IMD 0.0016%で、自作A級アンプに匹敵する性能です。
2019/02/09
 左が、ヘッドホンアンプ用途のOPA1622で、右は、自作A級アンプ電圧増幅に使用したOPA1612です。両方とも、TI社 SoundPlusシリーズで、低雑音、低歪率です。OPA1622は、DAC直後の、電子ボリューム内へ組込ました。音源となるFX-AUDIO DAC-SQ5Jの0dBFS出力は、1.821Vで、ヘッドホンアンプの利得を0dBとすれば、電源電圧±5Vでの最大出力は、100mW(33Ω負荷)となり、適切な値です。モニター用ヘッドホン
SONY MDR-CD900ST使用には、丁度良いものとなっています。OPA1622は、利得0dBのボルテージフォロアとしました。G=+1時は、オーバーシュートが出ますので、小容量のコンデンサを使用して補正しています。

 スズメッキ線0.6φ 0.1μF積セラx2と100pFマイラーx2基板裏付け 電源±5V ユニバーサル基板 タカス IC-701-74 マルツで入手可(これより小さい基板も可) OPA1622の出力抵抗は、短絡保護回路が有るので、必要有りません。出力ジャックMJ-189LP(秋月購入)で、短絡しないことを確認済みです。出力回路に直列抵抗が必要なのは、600Ω負荷系のOPアンプであり、OPA1622は、特性表では、16Ω負荷容量600pFもドライブできるとなっており、ヘッドホンからの逆起電力をショーティングする為にも、抵抗無しでの使用が理想です。
 OPアンプの音質比べが、8Pソケットで気軽に交換はできますが、そもそも600Ωぐらいでの使用を想定した物など、比較の対象にはなりません。OPA1622は、ヘッドホンアンプや、ラインドライバーとしての用途が設定されており、非常に高性能です。上のように簡単に作れてしまいますので、チャレンジしてみてください。電源は、安定化しなくても、2200μF程度の平滑コンデンサだけの物でも、ハム雑音は聞こえませんでした。
 SONY MDR-CD900STの定格は、63Ω 106dB/mW ですが、OPA1622ヘッドホンアンプで、鳴らした場合、-115dBまで聞こえました。このアンプの運用レベル0dBは、1.82V(52.6mW at 63Ω 123.2dBSPL)ですので、8dB相当の音圧です。電圧的には、3.2μVで、ヘッドホンも耳も反応して、音として感知できました。電流ならば、50ナノAです。常用レベルは、-30dB未満(93dBSPL相当)で使用しています。OPA1622は、±2Vから使用できますので、電池駆動も試験しました。エネループ単3電池、各2本でしたが、結果はそれほど好ましくなく、±5V電源よりも、悪化しました。

スチロールコンデンサ復活

写真の100pFマイラーコンデンサは、一般には入手できなくなっていましたが、オーディオ特性の良好なスチロールコンデンサが秋月で入手可能になりました。47pF、100pF、470pFなどが1個\20です。OPアンプの位相補正には、お奨めです。
大振幅のオーディオ信号回路では、セラミックコンデンサでは、歪みが増加します。フィルムコンデンサで、この問題をクリアできますが、小容量品は、入手出来なくなっていました。早速47pF、100pF、470pFを在庫として入手しました。

dbx VENU360
dbx VENU360を、DCX2496の後継として使用開始しました。6連マスターボリュームと自作A級アンプとのトータルでの性能も申し分無く、オーディオレベルで十分使用可能です。デジタルは、AES/EBUにのみ対応ですので、インターフェースに注意します。出力レベルが、+4dBを選択できるので、デジタル0dBFSの信号を、そのままアナログパワーアンプに入力できます。DCX2496が、+22dBのままなので、18dBの開きがあり、DCXをオーディオで使うには、ノイズで悩まされる方が多かったと思います。平衡出力が少しシビアなので、必ず平衡で使用すると良いでしょう。平衡入力回路の抵抗値の誤差は、CMRRの劣化に直結しますので、厳密に選別してください。RTA機能がありますので、PCで、RTA画面を見ながら、WAVE GENEで簡単に周波数特性が確認できます。コンデンサーマイクは、RTA-Aが推奨されています。手持ちのECM8000も使用できました。

共立エレショップ PGA2311PA+コントローラセット/CTRL2311 による 6連ボリューム製作 20連動も可!
バラックで、試験中 2019/12/16
 プログラム済みのPIC12FとPGA2311PAのチップのみ販売し、サポートは一切無いという物で、ひょんな事で、相談を受け、6連化の方法を伝えておいたのが、結局、作ってみる事になりました。PGA2311は、電源が±5Vなので、制御範囲が、CDプレーヤーの出力と同じレベルで、無駄な信号の上げ下げを無くせます。雑音出力レベルも、TIの他のボリュームICと比べて低いので、高性能が期待できます。手持ちのdB直読式6連ボリュームは3台有りますが、コントロール基板が絶版なので、次回の製作では、何を使うのか思案中でしたが、図らずも、dBが読めないタイプの物で製作する事になりました。6連化は、それほど難しくなく、コントロール線3本を並列で接続するだけです。MUTEも同様に並列にすれば、連動が成立します。写真中央の基板は、PGA2311PA3個と、PIC12Fで、6連ボリュームを構成しています。右側は、6chの平衡−シングルエンドコンバータです。XLRコネクタで平衡入力した信号のレベルダウンと、不平衡への変換を行います。電子ボリュームの出力は、不平衡のまま、XLRコネクタで出力しています。平衡出力する場合は、SSM2142などのラインドライバーを使用しますが、+6dBのゲインがが有ります。SNの悪化も招きつつ、更に次段のパワーアンプで、平衡受けすれば、又SNが悪化します。ボリュームとパワーアンプ間が、100mも離れていれば、このような上げ下げもやむを得ませんが、ホームオーディオでは、離れても数m程度なので、ここは素直に不平衡ローインピーダンス送りで済ますのが最善です。

製作例として、平衡入力−平衡出力で、5WAYステレオ用で、実に20chを連動するという物も、完成したとの報告もいただきました。(令和2年3月)

 このコントローラセットの仕上がり後のスペックは、PGA2311PAの定格と同じく、プラス側ゲインが+31.5dBなので、このままでは、オーバーレベルとなり、非常に使いにくい物になります。チャンネルデバイダーをDCX2496とした場合、デジMAXでは、+22dBの出力となり、+4dBのパワーアンプには、18dBオーバーです。さらに、常用音量は、-30〜40dB下がったところですので、適切なレベルセッティングが必要になります。その為、多回転半固定抵抗を付け加え、デジMAX時に、+4dBとなるように、ボリュームの可変範囲を制限しました。平衡シングルエンドコンバータで、-13dBダウンし、0dB信号でも、PGA2311PA内で、飽和しないようにしておき、更に、ボリュームの可変範囲を制限し、ボリュームMAX時パワーアンプの定格+4dBとしました。連続ボリュームなのですが、可変ステップは、0.5dB単位でした。ボリュームMIN時は、-103dBまで下がりました。同じく、PGA2311PAのMUTEを使用した場合は、-82dBでした。実用化にあたり、電源ON時のミューティングと、マニュアル操作でMUTEができるようにしています。停電時や、電源OFF時には、停電検出リレーにより、PGA2311PAにMUTEをかけています。
 DCX2496を含めた、ch利得変動は、MAX時±0.03dB以内 THD+N 0.006% となっており、マルチアンプ駆動用としての精密さを備えています。常用域までVRを絞って、-37dBとした場合でも、0.17dBの範囲内という優秀さは、アナログボリュームの比ではありません。基板は、ユニバーサル基板で製作。電源は、ヤフオク入手。シールド線は、音響卓用 平河 HC-2L1を使用しました。シールド線の選定は、作りやすさや、信頼性に影響しますので、ヘンな音質論に惑わされない事が肝心です。入手先は、オヤイデです。2芯シールドは、手持ちのカナレL-2B2ATですが、平河 HC-2L2も用意しました。THD+N特性は、PCから96kHz24bit 1kHz -1dBをDCX2496に入力し、ボリューム出力でのオーバーオール 0.006%以下 ケースに入れていないバラック状態であり、ケースに入れると更に性能向上します。
DCX2496は、デジMAXで、上側が少しクリップしますので、テスト信号は-1dBとしています。

 
回路図 pic12f01.pdfと、基板配置図 pic12f02.pdf を用意しました。ケースは、タカチ OS88-43-23SSを想定しましたが、機能、性能的に、これくらいの立派なケースに見合う価値が有ると思います。ケースのコストが全体の過半数になると思います。DCXユーザーは、この電子ボリュームが有ると、SNに優れたシステムを構築できます。VENU360ユーザーは、+4dB出力を選択し、同じ回路構成で、平衡シングルエンドコンバータの入力抵抗を、10kΩから2.2kΩに変更して、利得0dBで使用してください。製品の性能を最大のパフォーマンスで、パワーアンプに送り出す事ができます。 ※令和2年3月現在、欠品中で、ショップは、補充を検討して欲しいです。


 以上が今日までの流れです。現在は、優れたオーディオ解説をしているサイトが多くあり、私も、参考として読んでいます。しかし、何と言っても、考えの基礎となった、「オーディオの科学」には、本当にお世話になりました。オーディオの科学は、理論解説が豊富で、参考になります。現在、リンクフリーになっていますので、リンクしました。科学的に向き合わなければ、音という空気の物理現象が見えて来ないと思います。科学的に、正しく空気を動かす事により、音楽家の芸術に心地よく触れる事ができる筈です。
 オーディオとオカルトが同義語になりそうなサイトも多々ありますが、頭ごなしに否定せず、簡単に実験できそうであれば、それらの主張を検証するようにしています。最新の科学情報を求め、You Tube動画を検索し、書籍も読んでいます。
 宇宙論、量子力学、素粒子論、スピントロニクスなどにより、電線で音が変わるとか、振動の影響の有無とかのヒントを得ようとしました。真空の世界の解説からヒントを得たのが、NFBが有るからこそ、アンプとスピーカーの関係が良好に保たれる事です。ピュアから連想するのは、濁りがなく清廉である事でしょうが、発電機で、発電機を駆動するのだから、音が出ていなくても、騒がしい関係であり、それを制御するのが正攻法でピュアだという考え方となりました。
対生成と対消滅のように、アンプとスピーカーの動的関係を考えました。最新の宇宙論は、宇宙は無から始まったとか、ダークエネルギーにダークマターなど、180億光年先は観測不能だとか、面白いです。
もう一言
 最近は、オークション価格が高騰し、古いオーディオ製品が高値で取引されています。ハイエンドオーディオも、従来より、1桁価格が上がりましたが、高級車然の、艶々のピカピカさは、良い音からは浮いているように思えます。動画サイトでは、実音が披露されて、実態が明らかになり、お金をかけるだけでは、良い音には巡り会えないとの思いが強くなっています。ハイエンドスピーカーの中央には、マッキントッシュや、マークレビンソンのアンプがこれ見よがしに置かれていますが、まるで宗教設備のようです。他に、アキュフェーズや、真空管アンプも多く置かれ、スピーカーの音の良さを強調しようとしています。面白いことに、ハイエンドオーディオを説明するのに、価格を披露し、合計で1千万円だから・・・という解説なんぞ、オーディオと無関係な事です。買うのにそれだけの金額なだけで、音の良さと、販売価格は、全く関連しません。高級車が素晴らしいのは、それを作った人達であり、お金を出して乗るだけでは駄目で、車格にふさわしい運転マナーが伴ってこそです。

日本製品と思っても、梱包にMaid in Chinaは、珍しくなく、これに慣れてきたのですが、最近の状況を見ると、日本ブランド側の制御が効かず、品質低下が目立つようになりました。改善の見通しがあれば、事業継続も良いのですが、考え時が来たように思います。


 動画サイト、良い音と思えば時々コメントしていますが、消費者を騙そうとしているコンテンツは、コメント無しで、悪い評価だけをしています。明らかに勘違いしている場合は、気分を害しないようコメントで伝えています。動画で見るJAZZ喫茶さんのこだわりの音が、大切に扱われるアナログレコードにのその源が有るように、地方にも素晴らしい音の世界が有ります。老人が頑固で新しい物を受け付けないのではなく、価値のある新しい物が無いからでしょう。折角のコミュニケーションエリアなので、文化レベル向上に貢献していきたいと思います。

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ハイエンドアンプ1台分の予算で、それらを完全に凌駕できる、4WAYマルチアンプシステムが作れます。自作と、中古品活用で実現しましたが、結構な労力が必要で、それらを紹介しております。

アマチュアオーディオファンからサラリーマンオーディオエンジニアまで幅広く対応し、、正しい知識が継承できる事を願っています。  金のかからぬオーディオ発展の為に 2020年 著者。

AT車、運動神経を磨き、左足ブレーキ活用で暴走対策を 踏み換えは、踏み違えの元 飛行機も、自転車も両足使い。警察官から右足で踏むように言われますが、まずは、ご自分でトレーニングなさって下さい。


マルチWAYスピーカーシステム 現状解説と、開発ヒストリーが長くなりましたが、ここからスピーカーの本題です
 音楽は、地上で暮らす人類の叡智の結晶です。ステレオレコード再生には、金額の大小や非科学的な理屈ではなく、
身の回りに満ちている空気を、上手く振動させるオーディオ装置が必要です。理想的なステレオ再生は、同一性能のフルレンジスピーカー2個で可能です。とは言っても、波長が17m(20Hz)から17mm(20kHz)もの差がある、可聴帯域を1個のスピーカーで担うのは、無理で、オーケストラの大小の楽器のように、大小のスピーカーを組み合わせたマルチWAYシステムを使用する事が一般的となります。
 マルチWAYシステムは、スピーカーが複数でも、厳密に一つの音を作り出す必要があり、間違っても、同じ帯域を重複させないテクニックが必要になります。フルレンジスピーカー1個で鳴らせば、理想ですが、欲張ってダブル動作(片ch2個)した途端に、理想とは、真逆の改悪になってしまいます。高精細映像用音源が、20ch程の音場が提唱されているようですが、耳の数と同じ2個有れば、事足ります。コーミング(櫛形フィルターの形成)により、複雑にディップする音響環境に豊かな響きが得られるか疑問を覚えます。


音の基点が明確なフルレンジスピーカー(国産13cm防磁型スピーカー)により、20kHzだけを20波出した波形(左)と、1kHzと20kHzを同時に鳴らした波形(中央)では、フルレンジスピーカーの限界が露呈しますが、1kHz+10kHz(右)では、綺麗な波です。
 2015/07/03
 一番右の1kHz+10kHzの波形は、シンバルなどの鳴り方に似ています。低い基本波に、高い周波数が乗っています。これを別置きのツイーターで出そうとすれば、タイミングの問題が発生します。タイミングは10kHzの場合波長34mmなので、少なくとも、この10%以内に、来るようにするのなら、許容される誤差は3.4mmです。回路中にコンデンサが入っていると、周波数により位相変化しますので、タイミング調整はもっと複雑になります。故に、調整を聴覚だけで行うのは無理で、オシロスコープで波形を直接観測するのが最善の方法だと思います。オシロスコープが苦手ならば、スピーカーシステムは、フルレンジか、完成品の2WAY程度に留める方が良いでしょう。フルレンジにスーパーツイーターを追加して、ハイレゾ対応というのは、金額的には可能であっても、それなりの調整が必要です。

フルレンジの雄 LE8T
 フルレンジといえば、JBL LE8Tでしょう。YouTube動画で本来の音が確認できるようになりました。ネットワークを必要とせず、アンプ直結であることにより、低音の出方が、マルチアンプ方式と良く似た音すなわち、制動のよく効いた音で、結構ローエンドまで伸びています。対して、モニターで有名な4WAY 4343は、LCネットワークの低音で、量的には満足ですが、鈍くて、パイプの中で聞くような音です。全体的には、賑やかな音ですが、マルチアンプ駆動でないと、本来のポテンシャルが出ない、もどかしい音だと思います。1台のアンプで、聞くのなら、最近の縦一直線にユニットが並んだ同社製品の方が、まとまりのある音で、進化が感じられます。


マルチWAYスピーカーシステムを構成する所有ユニットの例 コーン型
 口径が異なるコーン型スピーカー例 Y社46cmウーハー、B社10cmフルレンジ、P社ラジカセ用57mm
 真ん中のBOSEのユニットは、1.6Ωです 2014/05/18
大口径スピーカーでも、低域は、音圧が下がり、超低域だけ2個動作で、音圧を補完
 大口径スピーカーは、最低共振周波数まで、平坦に音が出ると思われがちですが、38cmや46cmそれ以上でも、100Hz付近からどんどん低下します。FW800HSという80cmウーハーでも、50Hz以下は減衰の一途です。これを解決する手法が、サブウーハーを置くという事なのですが、サブウーハーのフィルターをどのようにするのかは、大きな悩みで、フィルターで分割する場合、電力の割に、音圧が出ないといった現象が起きます。
 サラウンド用の空気砲のようなウーハーも周波数特性だけは立派でも、肝心の低域の歪みは相当な量です。オーディオ用として、立派な外観ですが、音圧的に、低音域の補強には十分過ぎるのですが、1個設置では、低音域の音場が乱れて、ただボーボーと音が出ているだけで、低音楽器が、大きくぼやけてしまいます。
 上の図は、15インチ側には、フィルターをかけず、18インチサブウーハーにだけフィルターをかけるという手法を表したものです。スピーカーだけで実現した物は、スタガードバスレフと呼ばれていますが、これをマルチアンプでやってみました。18インチウーハーは、SR用スピーカーでは、ポピュラーな製品なので、種類も豊富です。フィルターは、リンクウィッツライリー24dB/octを使用し、クロスオーバーを50Hzにして、40Hzを中心にブースト効果を得るようにしています。ウーハーと、サブウーハーの位相関係は、24dBフィルターにより逆相なので、サブウーハー側を逆相にしますと、両者の音は同相となって補強しあいます。市販のチャンネルデバイダーでは、ウーハーへの通過出力が無いので、自作しました。単純に低音域を補強する、ダブルウーハーとか、バーチカルツインではありません。18インチ大口径は、サブ的な鳴らし方です。安価なSR用18インチウーハーでも、外観をうまく処理すれば、オーディオ用途として使用できます。音量は、メインウーハーの半分以下の音量で運用しますが、アタックと重厚感を兼ね備えた低音が実現しますので、震えるような音もリアルに再現します。フルコンサートピアノの響きや、捩れるようなウッドベースの響きもうまく出ており、クラシック用とか、ジャズ用とかいう用途限定ではありません。


ホーン型(中音用) クリプシュ ONKYO HM-450A JBL 2445J+2380A
 2012/08/10
出典元 伊藤毅著「音響工学原論」を要約
ミッドホーンSPの使用周波数範囲は、図から見た、ピストンモーション領域なのですが、急峻でないフィルター特性により、300Hzあたりの音も出てしまいます。この辺りは、歪みが多く、この音をいかに少なくするのかが、テクニックになります。ミッドホーンのHPFは、24dB/octが望ましいのは言うまでもないでしょう。800Hzクロスであれば、1オクターブ下400Hzで、-9dBと-30dBの音量のどちらが、歪み音を出さないかは、明白です。LCネットワークで、24dBフィルターは、コスト面と、VCインピーダンスの乱れでうまく使えないので、電子フィルターならではの処理でしょう。
ピストンモーション領域の平坦さについては、典型的なCDホーン特性(高域にかけてダラ下がり)と、広帯域で緩やかな蒲鉾型の物と、日本製に多い、平坦に近い物と、概ね3種類の傾向がありますので、使用するスピーカーの特徴を掴んで、他の帯域との組合せをします。

ホーン型(高音用) Beyma CP22(1.5インチVC コンプレッションツイーター)  Fostex T90A(リングダイヤフラム)

8〜9kHzが頂点で、厚みのある高音感 2012/06/25  実測でも広帯域に鳴るのが、日本製の特長  2009/04/08
 上のCP22とそっくりのツイーターが、別のメーカーより、PDBT31という型番で、チタンダイヤフラム 4Ω カーオーディオ用として、販売されています。ただし表示されている入力値が、250W〜1000Wとなっており、通常では考えられない値です。Beyma CP22では、アルミニウムダイヤフラムで、25W AES プログラム50Wなので、チタンに変更し、磁性流体で放熱を計っても、100W越えは無理な数値でしょうから、マルチアンプシステムでは、まともに入力を加えないようにするのが賢明でしょう。
 右側は、メーカーによれば、スーパーツイーターという名称で、高域可聴限界といわれる20kHzを越えて、30kHz以上まで再生可能です。CD-4方式アナログレコードを再生すれば、全く音を感じないのですが、コンデンサマイクロホンを使用すれば、30kHzをキャッチできます。
ホーンツイーターも、低い方で、著しく歪みますので、この音を出さないのがテクニックとなります。コンデンサ1個の甘いフィルターでは、この歪み音無しで鳴らすことは至難の技ですので、チャンネルデバイダーを充てる方が正解です。もしも、このようなコンデンサ1個のフィルターを好むのであれば、低域特性が無難な、ドーム型や、リボン型を使用するのも一手です。但し、奇数次高調波歪みは、ホーン型よりも、多くなりますので、ご注意下さい。指向性については、
広いのが良い(SX-3によるトラウマ)のではなく、そういう使い勝手であるという事で、広い物は、ニアフィールド用と考えます。
 音源から距離が取れるのならば、指向性が絞れるホーン型が、明瞭度で非常に有利です。ホーン形状も、ツイーターでは、音に大きく影響します。左側のBeymaも例外でなく、同じドライバーに3種類のホーン製品が有ります。元祖JBLの模倣といえばそうなのですが、猫目に馬蹄など、これも、オーディオの楽しみでしょう。猫目タイプは、自家用3WAYスピーカー内蔵のアルニコ磁石デフラクションホーンSPがあります。個人的には、上のような円錐ホーンが、飛びが良いので好みです。


ホーンスピーカー

 マルチWAYシステムのスピーカー構成で、中高音ユニットとして、現在でもプロ音響で多く使用されています。
その原理や特性は、早稲田大学音響情報処理研究室WEBサイトにある、伊藤毅著「音響工学原論」7.4.3動電型ホーンスピーカー(初版昭和30年)が大変参考になりました。。ホーン臭い音という評論家の批判や、効率の悪いコーンスピーカーとのマッチングの難しさ、メーカーのコスト重視等により、家庭用スピーカーからは、消えてしまいましたが、音響変換効率の高いスピーカーで、高価ですが、現在もSR(Sound Reinforcement)の世界では、必須のアイテムで、ドーム型スピーカーでは、その代役は務まりません。特長は、過渡特性が大変良く、低歪みで、音の強弱表現が優れています。欠点は、コストが高く、大型であることと、能率が良すぎて、ウーハーと組み合わせる場合、音質劣化するアッテネーターが必要なことや、音道が長いので、ウーハーと位相が合わない事が挙げられます。現在の技術では、デジタルチャンネルデバイダーと、マルチアンプ駆動で、そいうった欠点が克服できます。
 ホーン型は、指向性が鋭く、余計な壁反射が少なくなります。間接音が多いと豊かな音であり、直接音だけではキツイ音という意見もありますが、ライブ演奏と違い、レコード再生では、録音中の豊かな響きを再現するので、リスニングルームの余計な残響は必要としません。ルームエコーが全く無いヘッドホンを愛用される方も多くいます。しかし、世の中には、食わず嫌いで、メガホンのような音とか、キツイ音とかと言われる方も多いのですが、セオリー通り、正しいフィルター設定と、タイムアライメント調整がされていれば、安定した定位、強弱感、リアル感などは、奇数次歪みが目立つ直接放射タイプとは違う音空間を再現できます。

ホーンツイーター波形 20kHz 20波 左:Beyma CP22(1.5インチ アルミボイスコイル コンプレッションタイプ)  右:Fostex T90A(超軽量リングダイヤフラムタイプ)
2015/07/03
 20kHzは、高域限界とされる周波数で、ダイヤフラム重量の違いが波形の違いとなって現れていますが、高域専用スピーカーの名に恥じず、20kHz20波分(1msec間)を大崩れしないで再生しています。実は、両方とも18kHzでは、ほとんど違わない波形ですが、20kHzでは違いが明らかになります。T90Aの波が終わる頃に有るピークは、19kHzを越える頃から目立つようになります。20波以降は、反射音で、これが少ないほど明瞭な音です。スパッと切れないのがミソで、理想と現実の違いです。更に、この20波は、34cmの空間に空気の疎密波で存在し、耳元まで到達します。この波と、ウーハーからの基本波が正しい時間で到達しなければならない事は、今更説明するまでもないでしょう。

位相違いでの音の差は
 音楽を再生する時、マルチウェイスピーカー方式で、音の到達時間に整合性が無い場合、楽器による演奏音は、同じ音が複数有っても、それなりに聞こえるが、演奏よりも弱い会場の残響がうまく聞き取れません。時間的整合が取れていれば、楽器音が一つにまとまり、音量が大きく、クリアに聞こえ、更に、楽器音の占有時間が、複数で鳴ってしまった場合よりも短くなり、残響音が、浮き上がったように、明瞭に聞こえるようになります。周波数の高いトライアングルの微妙な音が、音量が小さくても、クリアに聞こえ、減衰も、ギラつかないで、素直です。フルレンジスピーカーも時間的な矛盾は無いのですが、高音域で音圧不足となります。高域を改善しようとした、2WAYスピーカーでも、同一バッフル面にユニットが取り付けられている旧タイプの場合は、高音は良く聞こえても、ギラついて聞こえます。最近の2WAYで、ツイーターが後方に下がったタイプでは、ギラつきも少なく、スムーズな音が出ます。
確認は、音が出ている時に、頭を前後に動かすと容易にできます
1993年発売 Pioneer S-UK3 同一バッフル面2WAYスピーカーの例
2009/11/27

最近の2WAYスピーカーの例 ドームツイーターがバッフル面より下がって、前面がウェーブガイド(ホーン)になっています。
 RAMSA WS-N20
2010/04/20 YAMAHA MSP5 2014/03/18

2010年代に発売された設備用2WAYスピーカーJBL AC2212/95 で90x50°95dB/W 最大出力音圧 120dB SPL LF 12' HF 2412H 磁性流体使用1インチコンプレッションドライバー 運良くヤフオクで入手しました。548x355x352 17.3kg
奥行きの浅いホーンスピーカーなので、タイムアライメントの問題が有りません。パッシブ側では、18dB/oct 1.7kHzのクロスオーバーで動作し、バイアンプ対応可能です。台形の頑丈なエンクロージャーで、定在波を抑えています。

 
測定スナップと1kHz 1波トーンバースト波形で、位相が合っている事が確認できます。 2018/05/22

 リスニングルームにおける音圧 及び インピーダンス特性 低域は、SX300とほぼ同じバスレフチューニングですが、10kHzで3Ω台のインピーダンスが特徴です。100Hzに低音の山が来ますが、各メーカー共、12インチクラスはこのような感じです。もちろん、これはフラットではありません。各メーカー必ず、低音が強調されており、これが平均的なリスナーの要求とも考えられます。インピーダンス特性より、現場でロングケーブルを使用すると、500Hz〜3kHzの音が強調されるようになります。

音圧特性   インピーダンス特性 2018/05/22

 上のスピーカーは、低音の量も多く、ちょっと聴いただけでは、解りませんが、どちらかといえば、ウーハーがドライバーになり、箱を振るわせて出ている低音で、小口径タイプの低音です。大口径ウーハーでは、低音は軽く聞こえますが、これは歪みが少ないからです。空気砲タイプでは、塊の低音が聞こえますが、再生帯域が低くできても、歪みは相当に多くなっています。Y社講習会で、インストレーションシリーズの、ウーハー口径毎の低音の違いを聴くチャンスがあり、確認しました。大容量エンクロージャーと、大口径ウーハーで、まともな低音となります。低音とアンプのダンピングファクターとの関係で、DF=3というのが、聞きやすい低音という事も、言われた時代が有ります。ダンピングファクター値の違いによる、3極管と5極管の音質論争もありましたが、ビーム管を3結したハイμ3極管も有りで、面白い時代でした。現在も、直熱、ローμ3極管(300B 2A3)が生き残って、真空管アンプの極致とされています。
 低音は、現代オーディオでも、未解決事項で、評価の高いスピーカーでも、音程の無い低音が出ていたりもします。真の低音は、音階が有り、鳴る鳴らないのメリハリの効いた音です。パイプオルガンは重厚に、ウッドベースならば、弦に体ごと、よじられるような音、バスドラムのアタック音、それぞれ表情が違います。フルコンサートピアノならではの豊かな低音が出れば合格でしょう。このような低音を、単品スピーカーで実現する事は難易度が高く、メインウーハー+サブウーハーの組合せが必要となります。サブウーハーは、18インチパッシブウーハーで、エンクロージャーの容積が確保されていれば良く、耐入力はそれほど重要ではありません。SR用18インチウーハーは、価格も手頃ですが、オーディオスピーカーのような調度品としての外観は無く、ハイエンドユーザー向きではありませんが、音も本物にするには必需品です。

マルチウェイ駆動の問題
ホーンスコーカーとツイーターを同じ時間で鳴らして残響(反射音)に埋もれてしまった場合(左)と、遅延をかけて時間的な整合を取った場合(右)の波形 どちらを聴きたいですか?
 6.3kHz1波トーンバースト 間隔 12周期 2014/05/18
左側は、高音−低音−高音−低音−高音の順に並んでいますので探してみてください。へ理屈よりも、このように見れば、一目瞭然です。
2個のスピーカーを別の時間で鳴らすには、それぞれにパワーアンプを用意する(
マルチアンプ化)事になります。

おまけ:生音に迫るDSDストリーミングソフトウェア PRIME SEAT
 PCでハイレゾストリーミングを無料で! フォーマットは、DSDとPCMが有り、音源によって色々あります。中でも、東京藝術大学のサイトは、豊富な音源があり、邦楽、クラシックが楽しめます。周波数特性、ダイナミックレンジ共、妥協が無い録音で、しかも、咳払いのような無駄な雑音が聞こえて来ません。レコード作品と違い、ダイナミックレンジの圧縮が少ない録音もあり、最初はレベルが低いように感じますが、生録音の経験者ならば、すぐに、生音に近いと解ります。この音源で、コンサートの雰囲気を再現できれば、その再生装置は合格という事です。PRIME SEATで検索すれば、簡単にインストールできます。音源のダウンロードはできませんが、実際のコンサートも、お持ち帰りができませんので、同じ事です。これを聴いた時、4WAYマルチスピーカーシステムを用意しておいて本当に良かったと思いました。
DSD11.2MHzは、24Mbpsの転送レートが必要であり、PCM96kHz 4.6Mbps CDは1.4Mbpsです。


データ提示で使用した測定器と測定仕様の紹介  測定器に興味がなければ下にジャンプ
1.デジタルマルチメーター(バッテリーにて機動的な測定)
 Fluke社製89、189という2台のデジタルマルチメーターを用い、独自に開発したトレンドグラフソフト(初版2000年)で、測定結果のグラフを作成しています。周波数特性グラフは、
250msec毎 480ポイント(2分間)実測値で20Hz〜20kHzを表しています。抵抗、インピーダンスは、通常の2線式測定では、測定リードの抵抗が、測定値に入ってしまい、1Ω以下が測定できませんので、2台の測定値(電流−電圧)をPCで計算させる4線式測定法にてオーダーで行いました。1本の短い電線でも、インダクタンスや微少抵抗があり、巻き方でインダクタンスが変化します。4線式測定で、電線を測定すれば、電線が温度計として使用できるほどの精度となります。スピーカケーブル、リレー接点抵抗と音との関係を、このような高精度測定で分析しました。
 自作差動アンプのCMRR向上を図る為、抵抗を選別する事が不可避ですが、#.####kΩという測定値は、その用途に最適です。最下位の桁が1違えば、1kΩの場合、0.01% で、精密抵抗の規格値に匹敵します。小数点以下第4位は、測定器の定格からみて、絶対値として、信頼ある数値ではありませんが、差動アンプでは、両極に同じ抵抗値を必要とし、測定器で数値が合えばOKです。コンデンサも、インピーダンス値と同じ直列抵抗を使用した交流電圧測定で、桁数の少ない容量レンジよりも、高精度な選別が可能です。
FLuke 89 189 289 測定リード先端短絡をした時の2線式測定によるメータ指示値 2008/05/28
測定結果表示グラフについて

 測定値間を直線で結んで、
時間経過を表すものと、測定値をドットだけで表示した、測定値分布を表すものとの2通りです。測定値は、メーターからのバイナリデータを、独自解析して、csv形式で保存し、現在も保管中です。メーター測定値は、実効値ですので、インピーダンスは、実効インピーダンスに非常に近い測定結果となります。測定結果を500回単位で分割し、それらを重ねて表示する事で、半導体の特性データー表なども、瞬時に表示できます。開発は2000年に行い、その後も、若干の改良を行っています。ソフトの意匠は、自由に使用しても構いません。開発意図は、1週間ぐらいの間にまれに起きる電気現象をとらえる事が目的でした。

2.HIOKI3237、3239、VP−7722A(ベンチ測定)
 フルーク289は、交流電圧測定が、200μVになると、ソフトウェアで強制的にゼロ表示となり、微細な雑音測定に不向きで、不具合の無い 89 189は、現在、製造していません。測定システム維持する為、現行機種のHIOKI3237を入手し、テストを行い、オーディオ測定が可能であることを確認しました。早速ソフトウェアを改良し、40msecの高速測定をできるようにしました。データ要求は ":READ?" で、PCと同期して測定できます。さすがに高速測定であり、20Hzが1周期50msecなので、FASTでは、様々な測定値となってしまいます。FASTで安定するのは、300Hz以上で、300Hz以下は、MEDIUMでないとうまく測定できません。
HIOKI 3239は、4W式抵抗測定ができ、最小単位は、1mΩです。アースポイント確認や、配線抵抗を実測と大活躍。
 
2015/05/03

 
オーディオアナライザVP-7722Aを、2015年にようやく、入手し、その恩恵にあずかれるようになりました。趣味で購入するには、金額もかかりますが、FFTだけでは、済まない部分もあり、オークションにて購入しました。歪率測定以外に、レベルメーターとして、0.1μVから読み取り可能で、アースポイントの確認など、自作アンプの調整にも威力を発揮できます。轟音ファンなので、ケース後部のファンを、少し回転数の少ない物と交換し、放熱口のネットの振動も止めて、リスニングルームでの測定が楽になりました。オーディオアナライザといえば、メーカー保守は、オーディオプレシジョン一色です。使用中のVP-7722Aの残留雑音は、Aフィルターで、0.8μV LPF30kHz 2.6μV LPF80kHz 2.8μVでした。なお、本来の使用目的以外にも、リレー劣化判断が、歪率計で、簡単に行えます。

ブリッジアンプ測定用の定格
200W平衡ダミー抵抗 2015/11/19

 メタルクラッド抵抗で、
平衡/不平衡ダミーロードを作りました。赤白の電線は、バランスを取る為の電線で、13mΩを得ています。右上は、サーモIC(TC622)によるファン制御部で、40℃にて、MOS-FETをスイッチして、ファンを駆動します。右下は、リードリレーで、18dBのATTを構成しています。信号源の対称性は、高いCMRR(同相信号除去比)を目指す場合必須なので、測定できる最後の桁まで合わせます。測定レンジを伸ばす為に、18dBのアッテネーターが、シングルモード、ブリッジモードとも構成できるように、7個の抵抗で構成しています。2Ω50Wx2、1Ω25Wx3、0.5Ω25Wx2で構成し、シングル、ブリッジどちらのモードでも、7Ω対1Ω(-18dB)の関係が得られるようにしています。

自作した4線式測定ツール

100円ショップの樹脂製クランプを使用して、ケルビンブリッジを作り、従来から用いていたワニ口4線式測定コードとの、測定誤差を調べてみました。その結果、ケルビンブリッジにこだわらなくても、簡易的なワニ口4線式測定コードでも、十分な精度の測定が可能で、3239では、0.000Ωが表示されます。
 
 2014/10/05
 左側、自作ケルビンブリッジでは、電線を噛む力が弱く、実用的とはいえませんでした。右側、従来から使用しているワニ口4線式測定コードで、測定器側は、キャノン4Pで、ケーブルは4S6、ミヤマのミノムシクリップ(MJ002)の先端に、電線を2本半田付けし、電圧計と、電流計に接続します。ケーブルは、スピーカーケーブル4S6を使用しており、測定時の感触も良く、耐久性にも優れており、4Pキャノンを使用したことで、バナナプラグでは実現できない優れた接続性を持っています。半田付けは、2本まとめて、できるだけワニ口の先端で行います。半田付けは、圧着とは比べ物にならいないくらい、接触抵抗が低く、又、軟らかいので、すぐに、新しい面が露出し、測定誤差も少なくなります。測定システムにおける写真のコードの
残留インピーダンスは、1.1mΩ(1kHz)、残留直流抵抗0.17mΩです。
 このコードの意匠は自由にお使いください。mΩオーダーが自由に測定できると、配線に対する物の見方が変わると思います。リレーの接点抵抗は完全に捉えられます。測定電源を、交流とすれば、低いインピーダンスも測定できますので、電線のインダクタンス成分の分析もできます。


3.測定音源等

 タイムアライメント(
アライメントディレイとも言う)は、スピーカーから測定マイクまでの間で、正弦波が1個だけとなる間隔で1波トーンバースト音を出し、客観性が高くなるよう、オシロスコープ波形で調整します。これにより、SR用途のスピーカーの方が総じて、音の無くなり具合が良い事が判りました。各スピーカーの音圧バランスは、ピンクノイズではなく、楽器演奏と似ている、1オクターブ幅のワーブルトーンを使用しました。この方法は、低音域で変動が多い、ピンクノイズによる測定よりも、ワンオーダー高い精度が得られ、0.1dBの違いが意味を持つようになります。測定レンジが30kHzぐらいの交流電圧計であれば、使用可能です。グラフィックイコライザ用に1/3オクターブ幅のワーブルトーンも使ってみましたが、部屋の定常波の影響が出て、精度を上げる意味もなく、又、位相変化をデメリットと考え、イコライザを使用しなくなったので、1/3オクターブの方は使用していません。
要点:音のタイミング確認 トーンバースト波(1周期) 周波数特性 オクターブバンド幅にFM変調したワーブルトーン

トーンバースト波
 WaveSpectraのお陰で、かなりの解析を行えるようになりましたし、手軽にオーディオキャプチャにて、FMや、アナログレコードの録音ができ、WaveGeneも、色々な測定の音源として活用できる時代が来ましたが、デジタル音源になり、過渡応答を見るために用いていた矩形波が出せなくなりました。そこで、デジタル音源から作り出せる代用波形として、デジタル音源ならではの、トーンバースト波に注目しました。波形は、正弦波なのに、ゼロからフルパワーになり、又、素早くゼロになるというところが、考えようによっては、スピーカー向きであると思えます。
WaveGeneでは、波の数と、間隔が指定でき、間隔をうまく指定すれば、スピーカーから、測定ポイントまで、ただ1波だけ存在するようになります。左右同時に出せば、等距離であるか否かが、簡単に判定できます。複数のスピーカーユニットからの距離合わせにも利用できます。
ワーブルトーン
 スピーカーの周波数特性を求める際に使用しますが、定在波により、測定結果が影響を受けないようにできます。周波数が、いつも変化するのに、電圧が一定という信号です。マルチチャンネル駆動では、音のバランスが大切で、測定値がふらつくピンクノイズよりも、精密な調整に使用できます。

4.収音機材
 測定マイクは、無指向性コンデンサマイクロホンが必要ですが、安価なECM8000を使用しました。これよりも、数10倍以上高価な、測定用マイクロホンと同じ測定現場にて、性能比較済みです。マイク用の増幅器は、利得誤差0.01dB以内の01V96V2というデジタルミキサーを使用。このマイクとミキサーを使い、WaveSpectraにて、低歪みの権化のようなTANNOYスピーカーを解析し、このような測定機材で、十分な結果が得られることを確認しています。
K&MショートブームSTにC2用ステレオペアアーム使用
2011/01/08
写真のように、ECM8000をリスニングルームに常設して、DEQ2496により、音量監視、
RTAをいつでもできる態勢です。1/2カプセルで、無指向性コンデンサマイクであれば、高級品でも、1万円以下製品でも性能に大きな違いが無く、10年以上使用していますが、びっくりするような崩れた波形もなく、期待通りのツールとして活躍しています。ECM-8000 内部雑音は、価格なりですが、周波数特性などで、DPA等に劣る事は無く、オーディオマニアには十分な性能です。
DEQ2496 常設SPL測定と
リアルタイムアナライザで徹底したデジベル値の管理

コンデンサマイクは、外部から直流電源(DC12V〜48V)を供給して使用します。この外部から供給する電源はファンタム電源と呼ばれ、ミキサーや、専用機のXLRコネクターからマイクへ接続すると、供給される仕組みです。
ECM8000は、デジタルミキサーYAMAHA 01V96V2により、増幅し、LEADER 8060 2現象オシロスコープにて波形観測を行いました。デジミキは、複数ch入力できますので、チャンネルデバイダー出力の合成結果の確認にも応用できます。
ミキサー 2005/09/28  2現象オシロスコープ 2015/06/17

5.波形で確認
 
百聞は一見にしかず 音響の事象で、良く当てはまります。スピーカーは耳で聞きますが、聴覚は、脳の働きと密接な関係にあり、心臓の鼓動や、血液の流れる音等の、体内音を消し去ってしまうほどの、脳の働きを考えると、個人の聞いた話は、個人差が大きく、客観性に乏しいと考えました。趣味としてのオーディオで、オシロスコープを駆使して、音を探求できる人も、それほどはいませんので、その代理として、多くの波形データーを撮影し、提示しています。音の波形は、アナログ2現象オシロスコープをデジカメで、直接撮影しています。RTA(リアルタイムアナライザ)は、常時使用し、再生帯域と音量を確認して聴くことにしています。
波形でしか判らない、ツイーター・スコーカー間の時間ズレの例 左がずれている状態で、右側が、整合している状態です。カメラのレンズが映り込んで見苦しいのですが、本当に撮影している証拠です。
  
2012/09/25

マルチチャンネルシステムは測定器抜きでは成立しません。より良い調整の為には、それらの取扱いを習熟する必要があります。最終確認はヒアリングであっても、そこに至るまでは、測定器による確認の集積があっての事です。
聴覚だけを過信して、高額なアクセサリー類に手を出さず、基本を固める為に、測定スキルを磨きましょう。ハイグレード電源ケーブル1本分の予算で、測定器を揃えてもおつりが来ます。



電圧と時間をコントロールする為のマルチチャンネルシステム調整How to

6.SN比、歪率、ACレベルの数値について
音響機器の性能を判定する場合、よく参考とするのが、SN比、歪率、入出力定格電圧と、インピーダンスです。パワーアンプでは、出力電力も重要な数値です。最近では、ダイナミックレンジも表示する例が多くなっています。
SN比
S=Siglnal N=Noiseの比をdBで表します。最大出力電圧(S)と、入力が無いときの残留雑音(N)との比を20xlog(比の値)とし、例えば、最大出力が1Vである機器の残留雑音が1μVであれば、SN比は、120dBとなります。音の大きさでは、120dBは、人が聴くことができる、最大音であり、最小可聴音は、0dBとしています。SN比が120dBの機器ならば、全ての音の強さを表現できると考えます。
人の聴覚は、低音域で聞こえにくいという特性があり、その感覚に似せた特性のAフィルターで、雑音を測定して、SN比を測定する方法が、カタログ値としては、主流のようです。騒音は、Aフィルター測定した値dB(A)が用いられますが、低周波騒音が問題とされるとき、Aフィルターによる、測定値では、騒音の絶対量が把握し難くなります。
最近のデジタル音響に関係した機器では、20Hzから20kHzを測定対象として、Aフィルターを使用し、20kHz以上は、AES17フィルター(24kHz-60dB)を併用します。純粋な可聴音に対する評価という定義ですが、当然ながら、デジタルマルチメーターによる測定結果とは、かなりの違いとなり、10dB以上数値が良くなります。

歪率
増幅器の性能表示で最も重視されます。この値が小さいほど、増幅器の性能が良いとされます。注意しなければならないのは、歪率とだけの表示で、純粋に高調波歪みだけを総合計した、全高調波歪みなのか、雑音を加えた歪率かがわかりません。雑音歪み率の場合、THD+Nと表記するのが一般的です。真空管アンプの場合は、全高調波歪みだけを表示する事が多く、歪率値が良い半導体アンプでは、THD+Nが多く用いられますが、SN比と同様に、フィルターをかけた測定が多く、フィルター条件を見なければ、数値同士の比較ができません。メーカー製品では、歪率でも、Aフィルター+AES17フィルターで表示している場合もあります。本サイトでは、20Hz〜100Hzのような超低域測定も多く、LPF80kHzで統一するようにしています。尚、歪率-100dB(0.001%)、SN比120dB越えが合格ラインで、製作目標と考えます。
雑音や歪みに対する、基本的なスタンスは、聞こえない物は聞こえないです。

電圧値
本サイトでは、主に、フルーク社のデジタルマルチメーターを使用していますので、直流成分を除いた電圧の真の実効値であり、バンド幅(BW)は、100kHzです。オーディオアナライザーのレベル測定は、主にLPF80kHzを使用してます。オーディオ機器の雑音を表示する場合は、BWは、狭い方が数値が小さく、広い方が大きくなりますので、同じ測定を行っても、数値が異なります。メーカーの場合、雑音に関連した電圧値は、ほぼ例外なくAフィルターを使用しているようです。Aフィルターによる測定値は、本サイトでは、(A)を加えた表記としています。

ウェイト
音響測定時に、ウェイトをかけて測定しますが、上の説明中のAフィルターがそれに相当し、A、C、None等の3通りで、騒音量なら、Aフィルター、スピーカーレベルでは、Cフィルターが一般的です。マルチ調整では、Cあるいは、Noneで行うのが、正解です。
ウェイトに関して、本解説は、dBの後に(A)とか(C)と記載しています。


タイムアライメントを整合した自家用4WAYシステム
 30Hz〜30,000Hzを、ハイエンド製品の組み合わせでなく、102dB/W以上の高感度なユニットで構成しています。オーディオ用SPは、高音部のFOSTEX T90Aだけで、あとは全てSound Reinforcement(サウンド・リインフォースメント)用です。音圧のリニアリティが非常に高いのが特徴です。4WAY分を全ch純A級アンプ駆動を行っていますが、システムの総消費電力は、A社 A級30W 1台分と同じ155Wです。

サブウーハーに関して スタガードバスレフ方式のマルチアンプ版 正規4分割(4WAY)よりも、超低音が効率良く出せます

 2009年当初より、反射音の影響を受けにくいホーンによる中音、高音は、当初から理論どおりに動作していましたが、指向性を絞れず、部屋全体が鳴ってしまう低音、超低音域は、音の観測も難しく、他の問題も山積しており、クロスオーバー70Hz〜100Hzあたりで15インチをHF、上に積んだ18インチをLFで鳴らすという、常識的な方法とし、解決を先送りしてきました。リンクウィッツフィルターでは、クロス点で落ち込む事があり、かといってバタワースでは、クロス点が盛り上がります。音の分離感ならLRフィルター、にぎやかさならBTフィルターです。電気的には、LRフィルターが最も平坦であっても、実測では、ディップが生じました。2015年、初心に返るつもりで、3WAYとして、18インチを除外して鳴らしてみると、100Hz付近の落ち込みは無く、この結果、18インチの音が、部分的には、15インチの音を打ち消す側に作用していた事が解りました。苦労して重いスピーカーを載せたので、ショックでした。何としても、18インチを無駄にしないよう、早速、実験開始。2WAYクロスオーバーを改造して、入力をそのまま出すチャンネルを増設し、15インチを鳴らし、LFのフィルターが掛かった側を46cmで鳴らしてみました。
結果は、さっぱり低音が出ず、逆相感があり、位相反転SWを操作すると、今度は、溢れんばかりの低音が出るようになりました。一瞬落胆、次いでワクワク、適切なレベルを求めてみると、18インチ側が-10dBで十分でした。中高音が、タイムアライメントならば、低音は、位相に注意であり、幸い、ウーハー同士は、10kHzの音により、正確な位相合わせを行ったうえで取り付けていますので、理論どおりに動作します。LRフィルターのLFを、逆相とすると、クロス点では、全帯域と同相となる事を利用し、50Hz以下では、2個のウーハーが完全に同期して動く結果、巨大なウーハーと同等の低音です。これと前後して、フィルターを自作する為に、Spice系ソフトで検証を行い、こちらも、理論通りのSNが得られ、DAC以降の低歪率化(=高SN化)が完了しました。くれぐれも、同相駆動効果を得る為に、サブウーハーは、別箱で2個にして下さい。ウーハーは、音の中心ですので、15インチクラスで高品質か、定評のある物が望ましいのですが、サブウーハーは、本当に帯域が狭いので、PA用途の物でも一向に構いません。低域限界は、エンクロージャー容量が左右しますので、それなりの大きさが必要で、口径は18インチが適当です。

 現在のシステム
 2020/06/08 最初のシステム 2019/03/05

 現在は、HFが一番上に来ましたので、中心軸を10度ほど下向きにしました。これにより、ホール客席の感覚に近づき、TV画面とも調和しました。定位感は、初期の位置が一番良かったのですが、この配置は、ホールでもセッティング例が多く、しばらくこれで聞き込みします。その後落ち着いたら、380SEの中に残っているアルニコツイーターを復活して、違いを楽しんでみたいと思っています。

無視できない吸音材の効果 テーブルのスモークガラスの下は、同じサイズの2mm厚ビニルシートがあり、ガラスの振動を抑えています。(TVのブラウン管に共振して、変な音だった時の対策のなごり)
  スピーカーとリスニングポジションの間のガラステーブルと、反射の影響を調べた、100円ショップ60cm四方のフェルト

遅れてやって来る反射音(右側の小さい波)
 
 16kHzトーンバースト(テーブル面は、ガラストップのまま)と(60cm四方フェルトを置いた場合) 2014/10/13
 スピーカーから直接来る音と、ガラス面で、反射した音で、反射音は、直接音よりも、遅れて来ますので、右側で観測されます。右側の写真は、テーブル面に、60cm四方のフエルトを置いた場合ですが、反射音が小さくなっています。僅か1.3mmの薄っぺらいフエルトで、これだけの差となります。スピーカーとリスナーの間には、何も無いのがベストですが、生活空間でもありますので、テーブル等を置くのですが、音が反射すると、こうした現象が起きます。
ところで、16kHzのトーンバースト波がこのように、綺麗に再生できるのは、指向性が鋭いホーンスピーカーだからなせる技で、ドームスピーカーでは、反射波が乱立します。

4WAYスピーカーシステム(28Hz〜35kHz 総重量 90kg/ch)詳細  詳細接続図(回路図)  pdf

実装写真 スピーカー定格 アンプ  私的 寸評
HF(ハイ・フリクエンシー)高音用スピーカー

FOSTEX    T90A

アルミ系合金精密切削加工円筒形ホーン
超軽量硬質アルミ合金
リングダイヤフラム

インピーダンス.......8Ω
周波数範囲......... 5kHz〜35kHz
能率..............106dB/W(1m)
音楽入力...........50W
カットオフ周波数......3.6kHz
推奨カットオフ周波数...7kHz(12dB/oct)

寸法(端子部含む).....60φ x 87.8(D)
マグネット重量(アルニコ) 100g
重量..............800g

システムで使用したクロスオーバー周波数

 6.5kHz
自作小出力A級アンプ
実効出力
  8Ω........5W
THD+N 2.83V時 80kHzBW
 0.00094%
 SN 111dB at 1W

IMD 0.0018% SMTP

  
スーパーツイーターの名にふさわしく小型です。
小型であればこそ、特殊材料を使わなくても、
常用域で高品質な高音が出せます。
100円ショップの発泡ゴムシートでズレ止め。

100gと小さいですが一応アルニコ磁石使用です。
音質は、音の出始めを的確に表現してくれます。
音が無くなった時、ぴたりと追従できるのが魅力。
8kHzを強力ドライブするJBL製品とは違い
ワイドレンジでフラット再生の日本製品です。


1994年発売 2009年〜10年で4本購入
貴重な日本製でしかも現行商品です。

コンデンサ無しで直結使用。


40kHzも、実音として出ている事を確認
ハイレゾにも十分対応できます

MF(ミッド・フリクエンシー)中音用スピーカー

TOA 380SE 中音用

ALTEC 802ダイヤフラムドライバー
1インチスロート CDホーン


システムで使用したクロスオーバー周波数
800Hz 6.5kHz
自作小出力A級アンプ
実効出力
  8Ω........5W
THD+N 2.83V時 80kHzBW
 0.00079% 1kHz
 SN 111dB at 1W

IMD 0.0018% SMTP
中心軸に音が偏らず、自然な音場再現。
LF(ロー・フリクエンシー)低音用スピーカー
TOA 380SE 低音用

38cm コーン バスレフ型キャビネット

インピーダンス........8Ω
最大入力
連続ピンクノイズ.......120W
プログラム入力........360W
ピーク入力...........1200W
音圧レベル..........102dB/W(1m)

実測最低共振周波数 27Hz


キャビネット寸法 498(W) x 758(H) x 410(D)
重量.........36kg


システムで使用したクロスオーバー周波数
800Hz

Lowエンドは、フィルター無しで、
DCまで再生しています。

自作小出力A級アンプ
実効出力
  8Ω........5W
THD+N 2.83V時 80kHzBW
 0.00071% 1kHz
 SN 111dB at 1W

IMD 0.0018% SMTP

ALTECタイプの高能率ウーハー
同じく十字型ダイキャストフレーム
 〃 耐久性の高いエッジ
意外と出来の良いウーハで、中音域まで、コーン
型特有の歪みが多くなる領域が有りません。

楽曲の基音部を受け持ち、アナウンサーの声も自然で
大口径とは思えない音です。
物足りなく聞こえる低音ですが、歪みが少ないと
いう逆証明です。
キャビネットの剛性や、塗装は、1984年製ですが、
現在まで何の問題も有りません。

古いのでご覧のように、コーン紙の色が抜けています

1984年購入
SLF(スーパー・ロー・フリクエンシー) 超低音用スピーカー
CP18SN

46cm コーン バスレフ型キャビネット

インピーダンス........8Ω
最大入力
プログラム入力.......1200W
周波数特性.........28Hz〜250Hz
音圧レベル..........103dB/W(1m)
最大出力音圧........134dB
内蔵クロスオーバー....180Hz

実測最低共振周波数 25Hz


キャビネット寸法 530(W) x 695(H) x 495(D)
重量.........53kg

スタガードバスレフのマルチアンプ版
システムで使用したクロスオーバー周波数
50Hz  L-R 24dB/oct φ=INV

自作小出力A級アンプ
実効出力
  8Ω........5W
THD+N 2.83V時 80kHzBW
 LPF 経由 0.00094% 40Hz
 SN 100.8dB at 1W LPF有り


LFからボルテージフォロア
と反転50HzLPFを通して
SLFとしています。


LFとのレベル差 -4dB

      (20Hz値)
音階がはっきりと聞こえる低音再生の為に
サブウーハーを追加しました。

40Hzを中心に38cmウーハーを補助

パッシブウーハなので、超低域で、自然に減衰し
歪みは目立ちません。
30Hzで大音量時、吸音材が空気音を出していますので、
除去あるいは、フエルトに交換も一考です。

サブウーハは1本でも良いと言われますが、
2本とし、2chステレオに完全対応して
良い結果が出ています。
ツアーでも18インチウーハは2ヶ所で使用してます

接続ケーブルは、4S8(3m)使用

2009年製 同年購入 中国製

世界の音響製品工場としての黎明期の製品
現在、製造中止につき入手できません。

代替推奨品
EKX-18S SRX818S等 
たまに音が出る程度なので高級品でなくても可

T90A 2009/04/08撮影 MF,LF,SLF,607XR  2010/11/11撮影

システムの要点

アンプからスピーカーを音質的に曖昧といわれるコンデンサやコイル無しで、アンプと1対1の直結で駆動しています。これで
NFBのかかった純A級DCアンプによりスピーカーが正しく駆動できます。
最近のホーンドライバーで、ギャップに磁性流体を使用した物は、劣化しやすく、使用しているドライバーは、エアーギャップなので、長期にわたり、安定使用できます。
スピーカーへのケーブルは、
LF、MF、HF 3.1m x 6本(カナレ 4S6(3.7Ω/100m) SLFは4S8)、アンプ側とスピーカー側共に、接触抵抗の低い、ノイトリック製スピコン(定格電流40A)を使用しています。
保護回路の都合上、出力リレーを使用し、アンプ入力側は、ボリューム無しで、接触不良の無いXLRコネクタを装備。


4WAYシステムで使用するチャンネルデバイダーについて
 予算があれば、アキュフェーズ DF-65 \800,000を使用すると良いでしょう。必要な性能は全て備えています。次いで、DBX VENU360ですが、こちらは3WAY仕様なので、サブロー用のアナログチャンネルデバイダーが必要です。VENU360でさえも、高額で無理なのであれば、私の使用しているベリンガー DCX2496+サブロー用アナログチャンネルデバイダーの組合せが、低価格で済みますが、DCX2496は、耐久性に難が有ります。尚、私のDCX2496は、3台とも、DAC以降は、自作のPOST LPF回路から直接に、不平衡で、XLRより出力する改造品で、必要な歪率性能を備えています。

4chマルチ用純A級DCアンプ RCAジャックが白なので、Lch用です。赤のRch用も製作しました。予算不足で、文字は、テプラ貼りで済ませましたが、欲を言えば、彫刻にしたいところですが、出てくる音に違いが無いので、我慢です。
 2017/08/07  SLF LEVEL ADJUST 分解能0.01dB ダイヤル目盛り 1000まで読取り可
 超低雑音OPアンプOPA1611により、0.01W出力時 THD+N(80kHzLPF)0.01%以下なので、スピーカーシステムで、80dBSPL時 雑音+歪み成分が0dB以下の音圧となり、理論上では、聞こえない音圧です。入力は、XLRにて、HF,MF,LFの3ch 出力はスピコンで、HF,MF,LF,SLFの4chで、SLFは、LFから50Hz24dB/octフィルターを通します。SLFレベルは、精密ポテンショメーターで0.01dB単位で正確に調整できます。入力に、音量ボリュームは有りません。OPアンプを最適に動かすには、低信号源インピーダンスが良いので、電子ボリュームや、OPアンプバッファーからの接続が必須です。

マルチ駆動時スーパーツイーターのコンデンサ使用をする是非
 結論から先に言えば、コンデンサーは、有っても無くても構いません。マルチでは無しが原則です。マルチでもDC保護で入れたい所ですが、クロスオーバーに近いコンデンサ容量では、フィルターの次数が変わってしまい、合成結果が乱れます。
スーパーツイーターにコンデンサーを使用する意味は、簡易ネットワークとして、6dB/octの一次フィルターとして動作させる為です。例えば、
5kHz 8Ωであれば、4μFという容量となります。コンデンサは、バイポーラコンデンサ、フィルムコンデンサが多く使用され、音質的には、フィルムコンデンサが良いとされていますが、ハイパワーアンプを使用する時は、耐圧に注意します。耐圧は、アンプ出力電圧の3倍必要ですので、バイポーラコンデンサでは、特に注意が必要です。メーカー製品でも、耐圧不足のコンデンサーが使用されていて、短絡事故を起こした例があります。スピーカーユニットメーカー製コンデンサであれば、120V以上ありますので、100Wアンプならば、十分な耐圧です。オーディオ用スピーカーに内蔵の物は、50Vの物もあり、注意が必要です。
スーパーツイーターとDCアンプの組合せ
 DCアンプは、直流を入力すると、正確に直流を出力します。これをやれば、ツイーターに限らず、どんなスピーカーも焼損してしまいます。DC漏れの有るアンプを使用した場合、スピーカーが破損する可能性がありますが、数10mV以内ならば、問題無く動作します。アンプのDC漏れを確認するには、通電時に、スピーカースイッチをOFFにして、パチッという音がするのなら、漏れが大きいので、調整するか、アンプを交換します。
2013/10/24
 古いCD−4方式アナログレコードの再生音で、30kHzのキャリアが再生できている事が、スーパーツイーターたる所以ですが、fc3.6kHzなので、普通のツイーターとしても使用できます。ホーン形状は、後に高級品が派生したことから、完成度の高い物で、コスパは非常に高いです。マルチアンプならではの急峻なフィルターにより、安全快適に鳴らす事ができます。8kHzが強調されるビンテージツイターとは、ひと味違うハイエンドの伸びが有り、タイムアライメントを整合した結果、金属楽器の透明な再生音が、高らかに鳴り響き、明確な定位にも貢献しています。

低次フィルターでは、並列鳴動帯域での、コムフィルタに注意
 コンデンサ1個でもフィルターとして、正しく動作しますが、フィルターの傾斜は、6dB/octなので、例えば5kHzフィルターでは、600Hzというような中音域でも、減衰量は、-20dBと、かなりの音量です。その結果、中音域から、高音域までのかなりの帯域で、元のシステムとスーパーツイーターが、並列動作をする事になるので、お互いの音が干渉し、コムフィルタリング(櫛形フィルター)という現象を起こし、高音域で、規則的にディップします。音源への距離の違いで音が揺らぎ、周波数が高いほど、強く出ます。
 この事例は、振動板前面のスリット(複数の丸穴)による干渉が原因

上はドームスピーカー前面のガード部品のスリットによる干渉で、深いディップが繰り返し生じています。音源は、一つなのにこのような事が起きます。
このような干渉を避けるには、スピーカーは、1個で鳴らす事が基本で、同じ帯域を複数のスピーカーで鳴らさない事と、スピーカーの前面には、音の放射を妨げる物を配置しないという事が鉄則です。ホーン内部の補強板などでも、音の影が発生し、境界面ができてしまいます。静止して聴く場合は、気付かずにいますが、動いたら、途端に境界が気になります。


ツイーターの並列駆動は、必ず干渉が起きます
2018/12/02
 ツイーターの並列駆動は、ぱっと見に、格好良く、音圧も上がりますので、音質がブリリアントになり、良くなったと思い込んでしまう可能性が有ります。スピーカーの並列駆動では、コムフィルタが形成され、ピークディップが激しくなります。ツイーター1個では、場所を変えても、同じ音が聞こえますが、並列では、音がふわふわと動き、ぎらつきも。ヒアリングだけでは、この罠にはまってしまいますので、マイクロホンでの客観的な評価も大切にしたいものです。ウーハーの並列動作なら、波長が長く問題無いのですが、入力定格が上がっても、音質面では、デメリットも少なからず有るという印象です。甘いフィルターでも、複数のスピーカーで同じ帯域が鳴るので、干渉が起きます。
YAMAHAのホームページで入手できる、Multichannel Monitoring Tutorial Booklet には、詳しく述べられていますので、興味のある方は、是非お読み下さい。

サブウーハー
 最近のスピーカーは、小口径が多くなり、口径の割に、低音を欲張ると、振動系を重くし、ボイスコイルインピーダンスを下げるといった工夫が必要になりますが、大口径と同じ音圧を得るには、振幅が当然大きくなるので、NFBをかけられないメカニカルパーツが出す歪みは、振幅に比例して増加します。アルティックを代表とする、軽量振動系ウーハーでは、ダンピングファクターの高いアンプでは、低音不足になるという話も有ります。実際に、使用しているマルチシステムでは、そのような聴感です。オーディオファンのイメージの世界では、エネルギッシュな低音を求める傾向が強く、市販のスピーカーはどれも、低音が強調されています。その傾向を反映している、最近のJBL-ProのSR用AC2212/95(パッシブフィルター使用時)と、フラットを追求した、使用中のマルチシステムのピンクノイズによる、分析結果です。
 AC2212/95 12インチ2WAY SRスピーカーの典型的特性 ドンシャリです

 現在の4WAYマルチシステム SLF LEVEL -4dB(at 20Hz)
 2018/08/07
サブウーハー付きのマルチシステム、上のRTAでは、30Hzあたりまでフラットです。18インチサブウーハーのHPFは、24dB/oct 50Hzでブースト効果は、40Hzが中心です。軽い低音と、重い低音が同居できる可能性が高まります。


15インチ+18インチによる、超低域改善の結果 70HzLPF時
 リスニングポイントにて(高さ85cm) 2016/10/10
-10dBの補助でも、合成された低音は、5dBアップ

15インチLFだけでは、10dBもダウンしてしまった45Hzを境に、更に急激に減衰しています。
ここに、70Hzフィルターで-10dBのSLFを加えると見事に、200Hz辺りの音圧と同じ音圧に上昇します。サブウーハーが-10dBで効果発揮ならば、LFに100Wアンプならば、10Wのアンプで済むし、それ以上必要ないという事になります。
図は、70Hzフィルターでの値で、現在は、50Hzに下げたので、-4dB(at 20Hz)という調整値ですが、それでも、LF用アンプの2.5分の1すなわち、100Wのアンプなら、40Wのサブウーハー用アンプで済みます。
 空気ポンプのようなアクティブサブウーハーとは、別次元の、18インチウーハーの超低音で、ライブステージと同じような低音が聴けます。この超低音は、方向が感じられないのではなく、正しく再生されている、上の帯域とミックスされ、そこに定位して聞こえますので、サブウーハーは2個使用しないと、せっかくの定位感を捨てる事になり、もったいないと思います。多くのライブステージにおいても、ローエンドは18インチスピーカーが使用されていますので、これと等しいウーハー条件を持ってくれば、原音再生に近づきます。


マルチ駆動時、ウーハーの音は痩せる 
コイルが直列に入っていないマルチアンプシステムでの宿命
 下は、SLF 18インチウーハーを
内蔵ネットワーク経由で鳴らした場合(緑色)と、直接鳴らした場合(マゼンタ)の音圧 必要とされる帯域50Hz付近では、コイル直流抵抗による損失の差が現れ直結の方が1.3dB音圧が高くなりました。
ウーハをコイル無しで直接鳴らすと、200Hz以上では、音圧レベルが上昇、相対的に50Hz音域での音圧が低下します。よって、直接駆動では、ダンピングが効きすぎ、想像を超えた軽い低音として聞こえます。しかし、こうして聴いた低音に比べ、コイルを入れて再度聴いてみると、超低域まで、鈍い低音に変わってしまう事に気付きます。折角、別物のように、ダンピングが効いた低音になったので、何とかこれを活かしたいと思う事となりますが、サブウーハーを加えて、100Hz以下の音圧を上げる事で、上の帯域とバランスを取るのも、一考です。
使用中の18インチウーハー音圧特性 緑色:LPF ON  マゼンタ:アンプ直結
緑色LPF=ONなのに1kHzでもかなりの音量です。 正面1m FL=1250mm 2016/10/25


一般的な2WAYスピーカーを軸に、サブウーハーを追加したマルチアンプシステム

 慢性的な低音不足に陥りやすいマルチシステムの救世主となりそうな超低域だけのオーバードライブですが、歪みも少なくお奨めです。DCX2496のような3WAY用チャンネルデバイダーの場合、2WAYスピーカー+サブウーハーという3WAY構成を、簡単に実現できます。
くどいようですが、どんな大口径ウーハーでも、超低域は、通過帯域に比べ、減衰します。減衰した超低域だけを位相を合わせて、補助する方法は合理的な解決となります。しかも、メインとなるウーハーに対し、-10dBほどのパワーで、十分です。位相を合わせて補助しますので、サブウーハーを2個使用しますが、自然な超低音です。追加ウーハーは、口径にこだわらず、ウーハーと同じ物でも、おもしろいでしょう。


 2WAYスピーカーは、チャンデバのMIDとHIGHを割り当て、LOWは、サブウーハー用として使用します。MID-HIGHは、2WAYスピーカーの推奨通りのクロスオーバー周波数を設定し、MIDの低域側は、フィルターOFFとし、サブウーハーは、低域側はフィルターOFFで、高域側は、リンクウィッツライリーフィルター24dB/octで、
位相を180°反転した設定とします。サブウーハーのフィルター周波数は、50Hz〜100Hzぐらいで、設定します。レベルは、サブウーハーがオーバードライブできる領域では、合成で+6dB(自由空間ではないから)アップしますので、絞り込んで使用することになります。サブウーハーは、完全な低音合成をする為、2個使用で、2WAYSPのウーハーと音波面が合うように、スピーカーのバッフル面を揃え、縦直線上(上でもでも可)に配置します。
 位相反転は、チャンデバ設定、アンプ、スピーカーの何処か一カ所で行います。サブウーハーは、下の例のように、16cm以上あれば、それなりに効果が発揮できます。パッシブウーハーや、フルレンジスピーカーなどが使用でき、24dBフィルターでピストンモーション帯域だけしか鳴りませんので、若干品質落ちのスピーカーでも、サブウーハーとして使用可能です。

 下はトールボーイタイプKEF Q70の上に、AR SRT170を載せ、サブウーハーとしてオーバードライブしたものです。共に、16cmのウーハーですが、Q70(バイアンプ駆動)単体での音圧特性が緑色、SRT170を 
LR24 LPF=86Hz φ=INVで付加してみました。アンプ出力は、同じレベルです。小型スピーカー同士でも、超低域までフラット再生できるようになりました。16cm同士でも40Hzまでフラットです。
    Q70+SRT170の音圧特性 2016/12/09
 ARはかつてブックシェルフスピーカーの代名詞だったAR-3aのメーカーです。日本製定番のドームスピーカーではありませんが、コーン型ツイーターとの2WAYで、サイズは、228(W)x420(H)x180(D) 4Ω 17gですが、40Hzまで頑張っている低域特性に着目して、組み合わせてみました。結構立派な低音が出るようになり、15インチクラスと遜色がありません。
この方式の最大のメリットは、全く改造を施さないので、気に入らなければ、跡形もなく撤退できることです。是非とも実験してみてください。低音スピーカーは直線上の位置が理想です。上の方式は、特性を取ったのみで、現在はQ70単体で使用しています。
 小型ブックシェルフスピーカーでは、低音が出すぎている製品が多く、オーディオ用途の有名なモニターSPといえども、こうした傾向が有ります。しかし、上記の例では、音圧特性をフラットにしたのにもかかわらず、出過ぎている傾向は全くありません。音源の量や質に対し、忠実に反応しており、軽い低音は軽く、重い低音はより重く、破裂音もリアルになりました。

GENELEC 8040B、8050Bに見られる積極的なコントロールについて
 スモールモニターの高級品で、BASE TILT ROLL-OFF、TREBLE TILTにより、モニタールームの音響特性にジャストフィットできます。ディスクトップ環境時、160Hzの持ち上がりも補正可能です。無響室で、フラットなスピーカーでも、壁面に近づくとQが上がり、低音が持ち上がり、低音の出すぎとなります。日本語取扱説明書が、ダウンロード可能ですので、是非、読んでみて下さい。



スピーカー入力 接触抵抗 低減への改造 
左のTRS入力部と、LCネットワークを取り外し、右側のように、スピコン入力としました。TRSでは、0.5Ω以上の接触抵抗になることもしばしばあり、スピコンでは、0.003Ω以下と安定しています。
 TRS入力端子(オリジナル)    現在 スピコンに改造して使用 内部配線も4S6に変更 LF MF使用し、HFは、外部スピーカーを取付 2009/01/25

プロ音響定番アイテム スピコン
 ノイトリック スピコン NL4FX 40Aという凄い電流定格値です。2009/03/03

 家庭用コンセントが15Aまでなのに、この価格で40Aを扱えるというのは、凄いことで、Sound Reinforcement定番です。従来のXLRでは、使用できないような、太いケーブルが使用できるようになりました。対して、オーディオでは、旧態依然の緩みやすいネジ式大型ターミナルが用いられています。アンプ側が立派でも、スピーカー側が貧弱ですと、そこで知らぬ間に、緩んでしまいます。スピコンの接触抵抗は、3mΩ以下と優秀で、抜け止めのロック機構があります。
 
20017/12/13
スピコンのケーブル接続はネジ止めで行い、
ポジドライブドライバー #1を使用しますが、ホームセンター \697 で入手できます。4S6は線径が細く、2本をよりあわせて接続しますが、4S8であれば、丁度良いサイズです。4S11まで使用可能。
NL8で、3WAY丸ごと    プロ音響 NL4FXと4S11(0.9Ω/100m)マイク系と区別できる灰色
 2014/06/02

サラウンドにも対応した機器構成
 高級品が全く無い、現在のオーディオラック内の機器です。DVD映画ソースに対応する為に、D端子付き37インチ液晶テレビを中心とし、左右に、センター用SPTOA F-150G(フルレンジ)を配置、上段、自作A級4chアンプ2台、下段中央、VENU360 6chデジタル制御マスターボリューム、左側は、3段遅延式電源ディストリビュータPD-15、FMチューナーSA50ES。他に、SL-1200MKU+DL301U(MC)、自作LT1115使用MC専用RIAAイコライザー(MUTE付き)です。SRC2496 DEQ2496 DVDプレーヤーDV-578A AVアンプ AVC-1620 アナログ音声切換用として、AU-α607NRAが有ります。AVアンプにより、7.1サラウンドにまで、正式に対応しています。電源ディストリビュータPD-15は、3系統x5個のコンセントを持ち、各系統ごとに、ノイズフィルターが内蔵されています。3段階で電源が入切りできるので、ショックノイズ防止もでき、システムの電源操作も簡単になります。赤外線リモコンに対応するように改造し、一度のリモコン操作で、10台ほどの機器全ての電源が入り、微妙なセッティングを保つことができます。

2020/05/03


通常1個の5.1サラウンド用センタースピーカーを2個配置
 センタースピーカーは、従来は、TV直下に1個置いていたのですが、デジタル制御ボリュームの表示が見にくいので、写真のように、TVの両サイドにTOA F-150Gを2個配置しました。この配置は、大型スクリーンを備えた、公共施設にも設置例が有り、特殊ではありません。センタースピーカー2個設置で、センタースピーカーとTV位置関係の諸問題が、一気に解決します。サブウーハーも、アクティブウーハー1個という固定概念に囚われず、フロントL,Rのローエンド強化という形で、18インチパッシブウーハーを2個設置しており、完全な左右対称配置ができています。サブウーハーチャンネルの音は、FL、FRの低域成分を抽出ミックスして作られていますので、大型ウーハーを使用して、本来の低音のまま再生すれば良く、サブウーハーチャンネルが無くても、バランスの良い、サウンドが楽しめます。機器構成のpdfはこちら 実体図 4way_av.pdf


スピーカーは発電機  逆起電力は、コイルに投入する電流を断続した場合に発生する電力で、ここで測定している雑音電力ではありません。コイルと磁石を持っているスピーカーは、それ自身が部屋で鳴っている音で、発電をしています。
スピーカー発電電力測定

 音圧レベル 80dBのピンクノイズ音場での、スピーカーの発電量 能率が90dB/W 国産12cm口径スピーカー(F-150)にて、8Ω負荷の電圧は、-55dBm(0.24μW相当)でした。このスピーカーを鳴らし、1m離れた場所が80dBとなるには、0.1Wの電力が必要です。この時の電圧値は0.89V(+1.2dBm)、発電電圧値-55dBmとの差は、
-55-(+1.2)=56.2dBで、%で表すと、0.15%です。反射は、あらゆる場所で発生するので、三角波のような高い反射波も加わると考えられます。0.15% が無視できる量なのか、微妙なのですが、音質を繊細に捉える事ができる方ならば、考慮する要件となると思います。

12cmスピーカー 8Ω負荷(ピーク80dBの音楽中で測定した発電電圧)  測定器フルーク89W ACmV
2015/09/07

上と同じ条件で46cmウーハーをアンプに接続しておき、途中でアンプを通電してみました。通電時は、アンプで見事に雑音が吸収されています。アンプの内部抵抗が低くて、アンプ雑音が少ないほど有利です。
 AU-α607XR パワーアンプ部(Xバランス)にて 2015/09/09

 通電中は、およそ-65dBm(None Weight)で一定の値です。両端は、電源OFF時で、アンプ通電中は、-65dBm一定で、これがアンプの残留雑音の値です。アンプ動作中は、スピーカーの周りで音楽などが鳴らされていても、その雑音がスピーカー端子に現れないように抑制されている事が解ります。-65dBmという値は、アンプによって異なり、SN比が高いほど小さくなります。
自作A級パワーアンプでは、-87dBmまで低下 
2018/01/25
 残留雑音4μV(A)台の自作A級パワーアンプで、80dB(C)のピンクノイズ音場で、アンプ開放時-35dBm、アンプ接続時-77dBmと、AU-α607XRより良くなっています。ピンクノイズを鳴らさない時は、-87dBmとなっています。測定条件は、アンプ側4S6155cm+0.75SQ45cm〜測定ポイント〜4S82.45m+46cmウーハーで、ケーブル抵抗は、100mΩ 測定ポイント 38mΩで、スピコンなので、接続部が露出できませんので、中間部分での測定なので、-77dBmで、ピンクノイズで揺れています。アンプ出口では、無音時と同じ-87dBmぐらいと予想できます。シングルエンドアンプにもかかわらず、バランスアンプより、高い雑音抑圧ができています。高い雑音抑圧は、録音中の残響を、部屋の残響に乱されないで再生できるようになり、録音中のホールトーンが明瞭に聞こえるようになります。

 定電圧駆動以外では、鳴らされた音による発電で、スピーカー端子電圧が揺さぶられますが、アンプの出力インピーダンスや、ケーブル抵抗がが高いほど多くなります。
LCネットワークに、アッテネーターが付いた市販スピーカーも、同様の理由で、スピーカーには、様々な雑音電力が加わり、解像度はそれほど高くなりません。
 ここで紹介した反射波による雑音電力は、原音に無い別の音楽表現をもたらします。この変化をオーディオ趣味として楽しめばきりがありません。これらの雑音を排除して、ひたすら高解像度を追求する、マルチアンプ駆動は別次元の音で、音源の良否判断も明解で、システムの音質変化への悩みも少なくなります。この雑音電力は、音の一次反射が、早い段階で起きるほど、強いエネルギーとなり、原音よりも時間が遅れた電力として、スピーカーに加わりますが、それらは、ルームエコーとミックスされ、目立たないだけで、存在します.。この環境に対し、低インピーダンス駆動できる、アンプを接続すると、雑音電圧値が小さくなり、スピーカーに加わる雑音電力が低下します。NFBのお陰で、入力信号に無い成分が、出力から逆送されても、アンプ自身の増幅力で、短絡されます。ゆえに、長いケーブルを接続すると、容量負荷や、雑音電力の為、アンプは、大いに働かなくてはならなくなり、かなり発熱することも有ります。建物に、ホール音響用アンプと、BOSE101を使用して、この発熱現象に悩まされ、後日、出力トランス付きで、出力帯域が狭い業務用ハイインピーダンスアンプに交換して、発熱を避けた実例もあります。


音以外のAM放送電波や、電灯線からの電磁誘導雑音もアンプONで消える

オーディオシステムに接続したSPの雑音(
アンプOFF時) チューナーが無くてもAM放送がきれいに受信できています。 右は、アンプを通電した場合で、雑音量は増えますが、AM放送は消えます。録音は、UA-25EXで行いました。
雑音源:AM放送 送信所 5kW出力 距離4km 他に、8kHz〜10kHzを定期的にスキャンする正弦波雑音(電灯線が発生源) 休日は無く、平日の午前中に多く現れ、電磁雑音のみに反応するテレホンピックアップでも綺麗に拾えます。


オーディオシステム中の18インチウーハー単体の8Ω負荷への雑音 ここには、AM放送は現れません。ボイスコイルのインダクタンス分が効いて、高域でインピーダンスが上昇し、発電量が減ります。
2015/10/08

 システム中のスピーカーに現れる雑音を観測すると、確かに物音など床から大きなエネルギーでスピーカーが発電しますが、アンプを通電した途端に、アンプがそれらを支配しますので、スピーカーの音として放出されません。従って、スパイクに大きな投資をする事の意味をよく検討していただきたいと思います。ギターを床に付けて鳴らして同様の実験を行っても結果は同じで、アンプが支配していました。壁からの反射音や、電灯線から混入するAM電波や、PCなどの雑音も、アンプが通電されていれば、雑音として、スピーカーを鳴らすことは無くなります。

電磁雑音検出に最適なツール テレホンピックアップ SONY TP-15
  2015/10/23
空気振動を全く感知しないで、電磁雑音だけを検出します。
携帯電話や、LED、蛍光灯、ワイヤレスマウスなどあらゆる物から電磁雑音が出ていることが判ります。
人体も微量ながら、電磁誘導により、雑音を発している事も検出できます。下では、これを利用して、スパイクの効果を検証しました。
YAMAHA S55に8mmの袋ナットを取り付けてスパイク効果を実験 2015/10/23
スパイク 効果の疑問

 平行面が無いエンクロージャーなので、定常波が乗りにくい形状です。このスピーカーを、床に置いて周りをを歩き、足音を音源として、スピーカーが発生する電力を測定しました。スパイクの代用として、ネジ径8mmの袋ナットを使用し、直置きとの違いを比較しましたが、大きな差は出ませんでした。スパイクの効用解説によれば、円錐の頂点から振動が伝わらないとしています。しかし、スパイクの4点を結べば、面になり、その面の部分の床が振動すれば、振動がスピーカーに伝わります。床振動を遮断するには、フローティングが良いのですが、今度は、反射音の空気のエネルギーが、スピーカーを振動させます。マイクで音の波形を長時間見ておりますが、床の振動を原因とするギザギザの波は、ついぞ見たことがありません。やはり、電気的に雑音除去する方が、合理的で効果が高いでしょう。NFBのかかった高忠実度アンプは、次々とやってくる外来雑音を吸収し、ひたすら原音をスピーカーに送る重要な働きをしていますので、振動で、スピーカー音に影響を与えるとは思えません。スパイクは、過度な音質効果を願わず、装飾品の一種と見なした方が賢明ではないでしょうか。
比較動画について
 有名な動画サイトにスパイク有りと無しで音の比較がありました。ベタ置きとスパイクで浮かした2通りなのですが、確かに音は違いますが、
比較するのなら、ベタ置きではなく、スパイク以外の物で、同じ高さまで浮かした条件でないと比較の対象にはなりません。
フロアにベタ置きすれば、どんなスピーカーでも、低音が持ち上がります。さらに、後壁にくっつければもっと低音が出ます。
気になったのは、スパイク解説サイトによれば、、スパイクがメカニカルダイオードとして働き、円錐先端から振動が伝わらないというくだりです。言葉どおり、ダイオードならば、先端同士を接触させれば、両方向とも振動が遮断できるということになります。
これですと、完全に振動のアイソレーションが可能となる筈ですが、しかし、現実にはあり得ない事でしょう。そもそも、物体が絶対零度以外なら、振動しているというのがセオリーだと思います。
 他にも、ケーブルを交換した時の、音の比較をする動画も多く有りますが、音の収音条件が全く表示されていないので、真剣に取り合うことができません。デジタル録音をして、ファイルを解析すると、10kHzまでの音であり、それが創作的であったり、逆に、誤差程度の違いしか無いものもあります。中古スピーカーの音を聴かすものでは、確かに良い音と思って見ますが、良い音は、自身のスピーカーシステムからの出ているので、画面の中古スピーカーに憧れる必要はありません。動画につられて、大金をはたく前に、科学的な分析も行うと、良いかと思います。

誘導 音を消すには、回路を短絡
 インターネットでは、建築音響設備施工経験者の常識的トラブルが解説される事がほとんど無く、オーディオファンに至っては、無知といわれる現象があります。それは、工事会社の技術者が伝承する、誘導と呼ぶ現象で、工事(結線)ミスが起きると、スイッチ選択OFFの放送区域であっても、他のエリアで放送中の音が、かなりの大きさで鳴ります。アッテネーター(音量調整器 大 中 小 切り)で、OFFにしても、音が出ます。その原因は、100Vラインという、高電圧でスピーカーが駆動され、電力の高圧送電と同じ仕組みで、伝送損失を防ぎますが、電磁結合、静電結合などにより、放送をしていない系統の配線に、放送中の音が誘起されて、スピーカーから音が出るという事です。
 その現象が起こらないよう、放送をしない区域の配線を、下図のように、アンプ側の回線SWで短絡しておいて、スピーカーに誘起される電圧をゼロにする事により、駆動電力を無くしています(電力=電圧x電流で電圧が0)。スピーカーと、アンプの間にある、閉ループでは、放送の内容に応じた電流が流れていますが、電圧をゼロにするので、電力が発生しないという原理です。スピーカーが100Vラインで駆動されていますので1W時で、10kΩのインピーダンスとなり、配線抵抗が少々有っても、選択スイッチで回線を短絡すれば、無音になります。
 業務放送では、片切スイッチで開放せず、負荷から見てアンプ側が短絡で切りとしています。

 ところが、ホール音響など、高忠実度な音響設備では、ローインピーダンス駆動なので、小さな抵抗値で、回路を短絡しないと、誘導による、駆動電力が発生します。ローインピーダンスとはいえ、100Wでは、約30Vという電圧となり、アンプの出力インピーダンスを十分に下げる必要があります。このような科学的に証明できる現象を防ぐ為には、放射ノイズの少ない4芯スピーカーケーブル0.1Ω以内使用と、出力インピーダンスが低いNFBのかかった高忠実度アンプを推奨します。
音質が悪いNFBアンプが有るのは、事実であり、型番はメーカーの名誉の為に伏せておきますが、原因を探れば、NFB経路が無配慮でした。正しく製造されたアンプでは、このような劣化はなく、数値競争時、盛大に宣伝した製造メーカー自身が、NFBを否定するなどは、ミスリードと言えます。今日の半導体事情の為製造されているD級アンプでは、高周波雑音が、電線の間を飛びやすくなりますので、商業設備ではこの限りでは無いとしても、高忠実度が必要な設備では、遮蔽ケーブルを使うか、金属配管を施すかを行い、離隔にも注意した方が良く、無線設備と同等に考える方が良いでしょう。(遮蔽ケーブルのみでは、一旦トラブルが発生してしまうと、この手法のみでは、ノイズトラブルは防ぐ事ができないという事例もあります。)
マイクも同様
 マイクのトークスイッチもマイク側で、信号回路を短絡しています。ここを、片切スイッチで開放にすると、アンプから盛大なハム雑音が出ます。トークスイッチの接点が接触不良にて、抵抗値が上昇すると、OFFにしても、完全に切れずに、音が送り出されます。このようなマイクに気付かず、おしゃべりをしていると、全館に放送されますので、ご注意ください。

DMMにて抵抗両端の誘導電圧を測定
 デジタルマルチメーターは、テスターのような外観ですが、内部にアンプが有り、微少電圧も測定できますが、これで、抵抗両端の電圧を測定してみました。抵抗値は、1MΩと390Ωで、ACmVレンジです。結果は、35mV対0.053mV、抵抗値は、1MΩが、真空管、FETなどの電圧増幅素子、390Ωが、低雑音バイポーラOPアンプを意識しました。その差は56.4dBもありました。ハイインピーダンスな回路を、無防備にさらすと、ノイズ洪水になります。しかし、抵抗値さえ低ければ、そのような環境でも、ノイズの影響が少なくなります。FETのゲートは、ガードパターンを置いたり、アンプ全体をシールドすると良いでしょう。アンプケース全体が金属でシールドされていても、内部で拾っていては洒落になりません。内部で起きる誘導は、その信号が入力された時だけ発生しますので、測定の網には引っかかりにくいと思います。自作A級アンプでは、信号経路に、大きな抵抗を使用しないで、少しでも誘導雑音を避け、バイポーラOPアンプ入力としました。このアンプ入力は、同じくバイポーラOPアンプ出力による電子ボリュームでの低インピーダンス駆動とし、信号線でノイズが乗らないように配慮しています。

アンプ内部も同じ現象が
2020/02/15
 ステレオプリメインアンプで、上が片chに10kHz7.5Wの矩形波出力で、下が入力の無いもう一方のch出力です。入力の無いchの条件は、左が入力オープンで、右が47Ωの抵抗を付けた場合です。オープンは、真空管アンプのプレート出力、47ΩはOPアンプの出力と考えると良いかと思います。マランツタイプのPhonoEQアンプのように、カソードフォロア出力であれば、OPアンプに近くなります。
 クロストーク量は、左が、29.5dBで、右が56.5dBその差は、27dBです。オープン時は、尖った波形で、47Ω時は、通常の逆相クロストークだけで、反射音と同じ成分です。悪く表現すると、左が、少々荒れた音で、右が無味乾燥で、良く表現すると、厚みのある音と、クリアな音というように、アンプを通過して、音質が変わる要素の一つとして考えると良いでしょう。このように、余計な音が加わらないようにするには、低いインピーダンスで送り出す事が重要です。


RCAショートプラグの活用
2020/02/19
 上の写真の左2個は、RCAショートプラグで、アンプ付属品と、自作した物です。右は、RCAジャックのカバーで、外側から覆うタイプと、心線側に入れるタイプがあります。樹脂キャップは、汚れを防ぎ、接触不良による音の劣化を無くします。中古アンプの実例より、20年以上経過しても、新品同様に金属面を保っており、効果の高い物です。ショートプラグは、PHONO入力の有るアンプの付属品として、製品に付けられています。PHONO入力は、感度やインピーダンスが高く、プレーヤーからの接続が無い時に、アンプのセレクターをPHONOポジションにしただけで、不快なハム雑音が出るので、入力をショートして、雑音を出ないようにします。PHONOアンプは、セレクトされていなくても、常時働いており、入力をショートしていないと、ハム雑音が出力されっぱなしになり、再生音に影響します。LINE系であれば、アンプの感度が低く、問題にはなりません。REC OUTや、AVアンプのPRE OUTなどの出力系は、ショートプラグは使用できません。REC OUTでは、バッファアンプ無しで、信号をスルーしている製品も有りますので、ショートしたら音が出なくなります。平衡入力ならば、感度の高いアンプ入力を開放にしてもノイズは出ません。

歪率計で測定したセラミックコンデンサの歪み
お断り この項は、後日の調査で、トランジスタ技術2002年9月号 黒田徹/岡田創一著の内容と類似している事が判明しましたが、一般論的な部分もあり、掲載を継続します。トラ技の記事とは、関係無く、ある機器の歪率測定結果が想像以上に悪く、原因調査を行い、以下に辿り着きました。トラ技とは別視点から、読者の理解が深まることを望みます。

音が悪いと言われる代表格の、セラミックコンデンサの歪率
です。金属皮膜抵抗10kΩへのカップリングコンデンサ(HPFを構成)としての歪率特性で、計算上のカットオフは、159Hzなので、315Hz、1kHz、10kHzで測定しています。このコンデンサは、オーディオ機器に、放送電波などの高周波雑音除去で用いられますが、音声回路に用いれば、完全にアウトになる特性です。スピーカーの場合は、電磁誘導なのですが、コンデンサーでは、圧電現象による起電力で、音の劣化を生むようです。
あくまでも、大振幅のオーディオ信号に対しての歪み増加なので、電源回路のデカップリングには無関係です。オーディオフィルターや、段間カップリング、位相補正回路では、数10pFからでも、歪率に影響します。しかし、
電源の積層セラコンを退治しても、音は良くなりません
OPアンプは、オープンループ利得が非常に高く、安定した動作の為、電源ピンの直近で高周波特性の良いセラミックコンデンサで、アースに落としますが、ここをフィルムコンデンサに変えても、音質向上は期待できず、むしろ何かの拍子に不安定動作の原因になったりします。
小容量で、高耐圧のセラミックコンデンサで、以下の試験のようにならないで、低歪率の物も存在しますので、部品選択はご注意ください。
HPF
 
2015/12/13

LPF

左はセラッミックコンデンサの悪影響を受けた歪率特性。ある電圧を境に、以後は、電圧に比例して、歪率が大きくなるというのが、セラミックコンデンサの特徴です。一方、右側マイラーコンデンサでは、素直に歪率が低下していきます。オーディオ信号が直接セラミックコンデンサにかかる場合は、このように歪率特性が悪化します。位相補正や、DACのLPF回路などのコンデンサは、例え小容量でも、大振幅のオーディオ信号が直接コンデンサにかかりますので注意してください。小容量の470pFのチップコンデンサでも歪率増加を確認。
2015/12/13

コンデンサ交換での注意点

 思い通りの特性に改良できたのですが、わざわざ別の基板でLPF回路を作らなくても、オリジナル基板のコンデンサだけを交換すれば済むというように、誰もが考えると思います。使用する部品は、積層メタライズドフィルムチップコンデンサーという名称で入手できます。フィルムコンデンサーですので、非常に熱に弱く、手半田では、簡単に電極との接合部が溶けてしまい、容量抜けを起こします。別のアナログチャンネルデバイダーで、コンデンサーをフィルムチップコンデンサーに交換してみたところ、フィルター特性が悪化したり、歪率特性もそれほど改善されなくて、苦い経験をしました。セラミックチップコンデンサーの場合は、手半田でも、結構しっかりと取付ができましたが、フィルムでは、そうは行かないようです。やはり、アマチュアは、リード線タイプのフィルムコンデンサーを使用する方が無難でしょう。

アマチュアならではの、CMRR向上方法
 高級品の代名詞のように、バランス回路がもてはやされていますが、OPアンプと抵抗4本による、差動増幅器のCMRR(同相雑音除去比)は、抵抗の誤差により、大きな数値が得られない事は、回路設計をされた方ならば、ご存知でしょう。
F級(±1%)では、51dB 参考資料 TI 社 jajb022.pdf。入手可能かどうかは分かりませんが、カタログ定格±0.01%の精密抵抗もありますが、差動増幅器で必要とされるのは、抵抗の絶対値に対する誤差ではありません。反転入力と非反転入力の抵抗値が等しく、帰還抵抗との比も等しければ、CMRRは大きくなります。故に、安物のDMM(デジタルマルチメーター)でも、表示桁数の多い物であれば、精密な抵抗選別ができます。手持ちの測定器では、9.9999の表示ですので、最終桁が1違えば、誤差は、0.001%であり、1kΩでは、0.01%ですが、これでも、十分精密だと言えます。

コンデンサを高精度に選別する方法 (容量測定ではなく、交流電圧で測定)
 POST-LPF回路は、差動入力回路がCRフィルターになっており、先ほどの抵抗に加え、コンデンサーの容量のバランスも、CMRRに影響します。それでは、コンデンサーを選別する方法ですが、一般には、測定器の容量計を使用すると思います。しかし、容量計は、小数点2桁なので、抵抗のような、精密な選別となりません。そこで、オーディオアナライザーの発振器などのように、周波数の安定した交流電源を使用し、抵抗とコンデンサーで分圧された交流電圧を測定すれば、表示桁数分の精度でコンデンサーを選別できることになります。抵抗とコンデンサーのそれぞれの電圧が等しい周波数が、一番最適な周波数で、コンデンサーのインピーダンスを計算して、抵抗もその値にします。フィルムコンデンサーは、200本単位ならば、抵抗並みの価格ですので、メーカー製品を上回る性能を得たければ、安い物です。(測定時は、温度管理に気を付けてください)




50Hz 24dB/oct サブウーハー用フィルターを自作
左 セラミックコンデンサーの悪影響に気付いたアナログチャンネルデバイダーの測定 50Hz=LF 1kHz=MF 10kHz=HFで、50Hzが特に歪みが大きくなっています。HFの雑音歪みは、TINAの分析でも、大きいのですが、実機でも同じ傾向です。デジタルチャンネルデバイダーでは、帯域による違いは無く、均一で、アナログより、この点で優れています。

セラミックコンデンサ歪み特性 2015/06/24 自作サブウーハー用アナログフィルター 2018/08/05

下が自作したサブウーハー用フィルターです。THD+N特性は、上の右側を参照してください。単独の機器にしましたので、電源SW、表示灯、MUTE SW SLH-LEVELをフロントに、リアは、77タイプのXLRコネクタのみとし、ケースは、タカチ YM-350で、製作費2万円ほどでした。
 77タイプのXLRコネクタは、小型ケースにもマッチ 2018/08/05

内部写真では、ACラインフィルター、XLRコネクタ、
ロック付き電源SW、LED表示灯、LED照光式SW、電源トランス2個、基板4枚、ヘリカルポテンショメーター2個が見て取れると思います。基板は、正負安定化電源(±15V ヤフオク入手)ミューティング制御基板、ミュートリレー基板 TX-24 3個、フィルター基板です。小型トランスは、電源 ON−OFF検出用です。ミューティング時間は3秒にしました。ヘリカルポテンショメーター(略称ヘリポット)は、10回転タイプで、300度の一般VRとは異なります。オシロスコープの遅延設定でお馴染みの物です。ヘリポットにより、チャンネル毎に、-11dB 〜 -0.5dBの範囲で、0.01dB単位の調整が可能です。金庫のようなダイヤルで、設定値が読み取れますが、-6.00dBポイント調整時 554 557と少しばらついています。精密測定を普段の業務で行っており、0.01dBが簡単に調整できないと満足レベルになりませんし、入出力は、不平衡ですが、XLRコネクタです。RCAピンでは、どんな豪華な物でも、XLRの安定性にはかないません。1V出力時のTHD(80kHzBW) 40Hz 0.00002% 50Hz 0.00004% フィルターが効いているので当然なのですが、高性能です。THD+Nでは、50Hz 0.00064%と一桁増えます。
電源SWは、ロック付きを使用していますが、触れただけで、電源が切れる事を避ける為です。引いてからでないと、操作できないので、ベビーギャングの攻撃に耐える事ができます。

 50Hz 24dB/oct LPF仕様 47kΩ+0.068μFx4段 OPA2134 出力ミュート付き 
2018/08/05
下は、ヘリポットのダイヤル値と、サブウーハー用出力の20Hzにおける値です。
 オーディオ用ボリュームより高精度なので、0.01dB単位で調整可能、調整値がズレないロックレバー付きです

位相が反転(リンクウィッツライリーフィルターのクロスオーバー周波数)

 リンクウィッツライリーフィルターの位相特性は、通過帯域では、0°ですが、クロスオーバーポイントでは、-180°となり、入力に対して位相が反転します。LF−HF間では、お互いに-180°なので同相ですが、入力や、フラット出力から見れば、反転です。下の回路図にて、U7 OPA1612は、LF基板に有り、LF入力をボルテージフォロアで、フィルター回路に送り出しています。フィルター回路では、R1 2.5kΩ(実際には、5kΩ10回転ヘリカルポテンショメーター)で、利得調整され、U1 OPA2134で、反転増幅されます。
フィルター回路は、2WAY用ですので、LFとHFにそれぞれのスピーカーを接続すれば、典型的な2WAY構成ができます。ところで、どんな大口径ウーハーでも、100Hz以下がダラ下がりになり、通常の手法では、フラットにならないという宿命が有ります。その為、サブウーハーのみを70Hz以下で駆動し、ウーハーは、そのまま全帯域で駆動する事により、50Hz以下が、2個のウーハーで動作する方法をとることにしました。この方式は、スタガードバスレフといわれますが、スピーカー製品としては、有名なJBL Project EVEREST DD67000(\3,600,000 1本)がありますが、マルチアンプ方式での紹介例はほとんどありませんが、簡単に実現でき、超低音域を充実できます。
回路図は、Tina-TIでの解析した時のものです。積分器からのフィードバック抵抗値は、CX3400の数値を参考にしました。周波数は、C3〜C6、R8〜R11で決まります。このCRは、DMMの最後の桁まで数値を合わせています。C1 C7の30pFは、スチロールコンデンサを使用しました。

 

Tina-TI V9による上記回路の 振幅、位相 
解析結果
振幅   位相
 ※ HF(茶色)のSNがあまり良くありません アナログチャンデバではこのようになっています 
2018/08/10

 全帯域、LF、HFの振幅特性では、50Hzでクロスしている事が解ります。反転増幅していますので、50Hzで位相 0°です。50Hzでは、すでに、-6dBなのと、-24dB/octスロープなので、200Hzぐらいで、ほとんど聞こえなくなります。30Hzは、聴感でも、音圧向上し、有効にサブウーハーが鳴っています。別キャビネットですので、同じ帯域を2本で鳴らしても歪みが倍にはなりません。オーソドックスな、2WAYに比べると、アンプ電力の割には、超低音が増えた感があります。安物パッシブウーハーでも、高級メインウーハーを有効に補助ドライブしているという感想で、是非お試しを。
※ SN比のコンピュータ解析結果と、実際の製作結果ですが、信号出力 +4dBm時 ALL 109.4dB、LF 103.6dB、HF 88.9dB (80kHzBW)で、一致していると思います。

0dBを越えられないデジタルシステムでも、面白いほどのローブーストが可能
 下は、LFchとフラットchの合成ですが、同相で、双方が同じゲインの場合は、クロスオーバーで大きなディップとなり、これでは使用できません。LFを逆相にした場合は、50Hz〜60Hz、実測値で4dB(2.5倍)ほどブーストされます(下のグラフ参照)。デジタルシステムでは、0dBFS以上は音が破綻しますので、プロセッサーの、プラス側へのブースト設定はできません。オーディオスピーカーでは、100Hzあたりをブーストしている特性が多く、それで満足できる場合も多くあります。
しかし、大音量用途のプロ音響用SPでは、ローエンドまで、比較的フラットです。それで、演奏によっては、100Hz以下でも大きなパワーが必要な場合もあり、サブウーハーを持ち込み、kW級の強大なパワーアンプで、ローブーストする事になります。

70Hz LPF による合成
音源UA25EX→デバイダー分割を再び、デジタルミキサー01V96V2でミキシングした実測値 2016/05/15

同相同士の場合は、-7dBのディップができますが、片方の位相を反転させた場合の合成は、+4dBの上昇となり、ALL chと-10dBの合成では、+1.3dB上昇します。
※リンクウイッツライリーフィルターでは、-6dB点で、フラット帯域から180度ズレます。

18インチ+15インチの組合せに最適化する為に、50Hzにした場合の合成結果
2018/08/06   2019/05/01
 ブーストの中心周波数が、40Hzに下がり15インチウーハーの補助をするには、最適と思われます。18インチサブウーハーの単体の音は、単なる風のような音なのですが、15インチと合成すると、エネルギッシュで締まった低音になりました。
70Hz LPFでは、58Hzあたりが、ブースト中心で、サブウーハーの効きも強すぎでしたが、50Hz LPFでは、ブースト中心が40Hzになり、大口径ウーハーらしさが良く感じられるようになりました。
右図は、StndWave2で、解析した片ch側の合成音量です。100Hz以下は実測と良く整合しますので、頼れるソフトなのです。40Hz辺りが、ディップとなり、これを埋めるようなローブーストとなりました。60Hz〜70Hzの深いディップは、改善できず放置で、以前は、GEQで、63Hzを6dB上げるような使用方法で、対策していましたが、デジタル音源を使用するようになり、ブースト側に、制約を受けるようになりましたので、GEQ補正を諦めました。


スピーカーの音質を悪化させる直流抵抗 コイルの直流抵抗やレベル調整用ボリューム
 前出のLCネットワークで使用しているフェライトコアを使用した3.3mHのコイルの直流抵抗は、469mΩ、入力端子から直列になるコイルを通ってウーハの端子までの抵抗は、568.4mΩでした。アンプのダンピングファクターが300とした場合、スピーカーからアンプまでを、完全ゼロΩのスピーカーケーブルを使用しても、コイルの直流抵抗で、ダンピングファクターは、13.4以下となります。実際には、アンプまでのスピーカーケーブル抵抗(参考までに、現在使用している4S6 3.1mのケーブル抵抗は、片側で60mΩです)と、アンプ出力端子の接触抵抗、アンプ内部のミューティングリレーの接点接触抵抗10mΩ前後などの直流抵抗が付加されますので、ダンピングファクターは更に悪化します。又、より高級とされる空芯コイルでは、巻数が増えて、直流抵抗はもっと増加します。
 このような直流抵抗が有った場合、アンプから音楽を鳴らしている最中でも、
スピーカーの前で手を叩くと、マイクと同じく、手を叩いた雑音が観測できます。ところが、スピーカーをアンプ直結とすると、手を叩いた雑音は、かなり低い値となり、アンプ直結の場合、そのような雑音が発生しないように抑制される事がよく判ります。この状態が、アンプによるダンピングが効いている状態であり、真空管アンプでも半導体アンプでも、この制動効果が直流抵抗成分を含んだLCネットワークにより損なわれます。実際に、直流抵抗成分を含んだLCネットワーク経由では、ぼやけた低音で音量も多く感じられ、アンプ直結では、それより音階が低く、音量は少なく感じられます。人によっては、過制動といった表現で、この状態を批判するとは思いますが、定電圧駆動という理想状態であり、この状態で、スピーカーが最良の音質となるよう、スピーカー自身も開発されなければなりません。B&W社では、推奨スピーカーケーブルインピーダンス 0.1Ω以下 と規定しています。この値は、直流抵抗をつないでの実験結果からみても妥当であると思います。
 
下は実験機材です。SPケーブルは4S6を使用し、SPレベル調整用8Ω巻線型ボリューム(NOBLE ACRW403 定格8Ω)をスピーカーとアンプまでの間にある直流抵抗とみなし、スピーカー側(2番)とアンプ側(3番)の波形の違いを2現象オシロスコープで観測するという手法をとります。ケーブル長は、アンプまで2m、ボリュームからスピーカーまで75cmとしました。
この実験用ケーブルの直流抵抗の詳細は、測定コード残留抵抗0.56mΩを使用し、COM側(白−白)55.4mΩ HOT側(赤ー赤)94.2mΩ(VR MAX時) 7.19Ω(VR MIN時) 測定コード残留抵抗は、55.4mΩの約1%で、メーターの測定誤差より小さく、無視できると思います。 
  
 写真左はスピーカー用ボリューム(8Ω)と、ホーンスピーカーFOSTEX T90Aです。 その右は、フルレンジコーン型スピーカーTOA F-150G(下)と2WAYスピーカーTOA F-160G(上)、ホーンスコーカー ONKYO HM-450Aです。駆動アンプはAU-α607XRを使用しました。固定抵抗ではなく、ボリュームにしたのは、ネットワーク構成部品として、よく使用されるからです。それと、スピーカーと並列にボリュームの抵抗が入り、スピーカーで発生する逆起電力を逃す作用の度合いを確認する為です。
トランス式アッテネータの場合は、直列に入る抵抗が無いのですが、トランス巻線自体に直流抵抗があり、無視できません。アンプによる制動効果を期待するのなら、スピーカーアッテネーターを使用しないで、アンプ直結が良いでしょう。

スピーカー用アッテネーターは、アンプ側がきれいな波形でも、スピーカー端子側では崩れる
 フルレンジコーン型F-150G 200Hz 上側の入力波形はきれいですが、下側のスピーカー端子側での波形は、正弦波がゼロになっても、制動不足のふらつきがあります。この測定は、抵抗があれば、簡単にできますので、波形を見ながら音を聞いてみてください。1個のボリュームの2番と3番でこんなにも波形が変わってしまう事に注目です。抵抗器は、直線素子で、本来ひずみの原因ではありませんが、スピーカーという発電機からの余計な電力を発生させてしまいます。片やアンプは、働き者なので、見事なまでに波形をキープ、ボリューム入力端子ではきれいな波形のままです。アンプとスピーカー直結のメリットは、ここにあります。直結にすると、
NFBのかかったアンプが正しくスピーカーを定電圧駆動することになります。直流抵抗成分が多いLCネットワーク使用したマルチウェイスピーカーを、NFBのかかったアンプでも、正しく駆動できず、結果的に、特性の悪いアンプによる駆動と大差無いことになってしまいます。スピーカー1個に1台のアンプであれば、正しく駆動できるので、アンプの特性が良いほど原音に忠実となります。JBLの4344では、3個のアッテネーターが並んでおり、これを使わずに、マルチ駆動して、タイムアライメントを合わせれば、もっと高解像度な音が出る筈です。せっかく大金をかけても、安物と区別できない鳴り方になるのなら、ブランド信仰で満足するより、鳴らし方を改め、本来の音が出るようにするべきでしょう。
 NFBは、音質を良くする為の正しい方法であり、アンプの音質論議で悪人扱いされ、冷や飯を食った時期があります。CDに収められた音楽ができあがるまで、どれほどNFBが利用されているか、現実を直視するべきでしょう。真面目に作られた90年代の普及価格帯のアンプの能力を出し切るには、スピーカー1個に1台のアンプを割当て、徹底した直流抵抗の低減に神経を注ぐべきでしょう。とはいっても、0.1Ω以内が目標値で、高価なスピーカーケーブルも必要ありません。1m/60円の4S6でも可能です。スピーカーの音質を意識されている方は、是非この実験を行ってください。10円もしない安い抵抗1本で音が呆けるのが確認できます。抵抗を無くすと、曇りのち晴れというように、音の鮮度が上がります。
 2011/01/12 SP用8Ω巻線ボリューム
ボリューム位置真ん中における、F-150G 200Hzの波形と2現象オシロスコープ LEADER 8060 

 同じ、左、2WAYスピーカーF-160G 200Hzでは上のF-150Gと全く同じです。 真ん中は、ホーンスコーカー HM-450A 1.25kHz 少ないですがあります。右は、T90A 8kHz この中では、最小です。
フルレンジでも、2WAYでも、同じような波形が入力されます。コーンスピーカーだけに限らず、ホーンスピーカーでも同様です。アルニコ磁石のT90Aがふらつきが少ないのですが、ホーンツイーター Beyma CP22 フェライト磁石でも、T90A同様の結果で、磁石による差ではない事は、解明しました。
磁力は、電子のスピンで得られ、材質によって色が付いているわけでもないので、必要な磁束が有れば、アルニコでも、フェライトでも一向に構わないと思います。
  
2011/01/12

矩形波入力のSP端子側波形
 フルレンジスピーカー F-150G入力端子の波形で、左が、8Ωボリューム最大です。
右が、SP用アッテネーターをセンターにした時で、矩形波の立ち上がりが取り残され、スピーカーの逆起電力による、ツノが現れてきます。このような場合、ジーという奇数次高調波は、同じ大きさで聞こえ、基本波の1kHz成分の音が弱く聞こえます。右は、同じアンプによる、抵抗負荷の波形です。
スピーカー実負荷                              スピーカー用8Ωボリュームセンター時
  駆動条件:アンプ SONY TA-F333ESJ(MOS-FET)で、オシロスコープの垂直感度は、固定です。

上と比較し、抵抗負荷でのアンプ出力はきれいです。 
 2014/03/31

直流抵抗は、スピーカーだけでなく、ヘッドホンでも、音質劣化を招く
 
プリメインアンプ ヘッドホン出力部

 上図、オーディオ全盛期頃の、プリメインアンプのヘッドホン出力回路には、330Ωの直列抵抗が入り、適切な出力がヘッドホンに加わるようになっていました。同時に、アンプの残留雑音もこの抵抗で小さくでき、実用性を持たしていました。中には、この抵抗が入る事で、定電流駆動となり、音質が向上するとの、解説も有りました。定電流駆動は、周波数特性が変化するのみで、音質向上とは無関係です。周波数特性は、出力抵抗が増加するので、真空管アンプと同じ傾向の音、すなわち、ドンシャリとなります。ところで、ヘッドホンの磁石が小さいとはいっても、コイルも有り、逆起電力が発生すると見るのが、科学的でしょう。それが無視できるような小さなものか、影響を考える必要が有るのか、皆が議論だけで、実験を試みません。或る有名なサイトのコラム欄の議論も、影響は考えなくても良いような感じで議論が終わっていました。

実験に使用したのは、モニターヘッドホンの定番 SONY MDR-CD900STで、駆動アンプは、拙作純A級5Wアンプ、直列抵抗は、酸金330Ωです。
250Hz 抵抗有り    4kHz 抵抗有り   4kHz 直列抵抗なし 
2018/11/26
 250Hzは、上がアンプ側、下が330Ω後の、ヘッドホン入力波形です。4kHzも、同様ですが、スピーカーと同じく、直列抵抗の後は、細かな波が観測できます。一番右は、直列抵抗無しでの、ヘッドホンの端子電圧、上がL、下がRです。音量は、普通に聴ける大きさです。
結論は、ヘッドホンの磁石が小さくても、スピーカーと同じように、抵抗無しとしなければ、解像度の高い音は得られません。バランス駆動という4線引きの方法は、逆相クロストークを低減する効果は有りますが、逆相なので、波形歪みではなく、反射音として、音源に紛れ込みます。ハイエンドアンプに、フルバランス駆動が多くなった為の、あやかり商法と思いますが、ヘッドホンを改造してまでも行うメリットが有るのか疑問です。
ハイエンドアンプでは、あまりにも、大出力で、残留雑音も多く、ヘッドホンに生接続できません。上の、拙作5W純A級アンプならば、感度の高いホーンスピーカーでも、モニター用ヘッドホンでも、どちらも対応できますが、ボリューム操作がその都度必要です。そこで、TI Sound PlusシリーズのOPA1622を0dBアンプとして使用した例を冒頭でご紹介しています。DIP化モジュールは、秋月で\700で入手できます。
 直列抵抗が無いと、プラグ挿入時に短絡するとの懸念は無用です。秋月\90 6.3mmステレオジャック パネル絶縁型と、カナレF-15との組合せで実験の結果、ゆっくりと動かしても、短絡は確認できませんでした。どうしても不安ならば、音を小さくして抜き差しすれば、全く問題もなく、直列抵抗を入れない設計者を素人扱いするなどは、以ての外でしょう。 
注:少なくとも、ネットで意見を述べるなら、人の噂ではなく、こんな簡単な実験ぐらいやってからにしましょう。

ワニ口コード、バナナプラグ類の1kHzインピーダンス実測値 黒変した電線ではインピーダンスが増加
 

抵抗値 修理後
30.8mΩ
32.3mΩ
32.8mΩ
54.6mΩ 31.4mΩ
32.3mΩ

測定コード残留インピーダンス 0.92mΩ室温15℃ 測定平均値31.9mΩですが、色セット物の内、緑色だけが54.6mΩと極端に大きく、原因を調査したところ、表面が少し黒変した古い電線が使用されていました。修理は、新しい面が出るように目の細かいヤスリで磨いてから、ハンダ付けしました。
 SPのバイワイヤリング接続の説明中によくある、バナナプラグによるジャンパ線や、ショートバー(KEF製)の抵抗値です。ジャンパ線を作るより、ショートバーの方が断然、抵抗が低いです。ショートバー、表面は金メッキですが、内部はニッケルメッキらしく、軽い磁性があります。電線は、2SQで約8cmの物を測定しました。とはいえ、バイワイヤリングのスピーカーは、ジャンパーを外して、2対のケーブルで接続するのが正解です。微妙な音質の違いを強調するなら、このような、バナナプラグを使用せず、スピーカーケーブル端子と直に接続する方が、異種金属の境界面を通り抜ける回数が減り、より良い音になる筈です。

バイワイヤリングの間違った記述に、ご注意を!有名な専門店でも、怪しいと思ったら鵜呑みにしないこと
 ショートバーは、シングルワイヤー接続の場合に、使用する物で、バイワイヤリングでは、
ショートバーを外し、2対のケーブルでアンプまで接続し、アンプの出力端子で並列とします。時々、間違った記述が、ネットや、動画サイトに有りますので、注意してください。バイワイヤリングは、ケーブルを沢山売るには、都合のいい接続形式ですが、倍の長さのケーブルを使用する割には、音質の向上は、ほとんど感じられません。折角2本のケーブルを使用したのなら、バイアンプ接続の方が、音の向上が感じられます。バイアンプ接続は、AVアンプで簡単に実現できます。AVアンプ=5.1サラウンドという、思考ではなく、普及価格帯2chステレオアンプと考え、HDMI対応や、FM,AMチューナー、ネットラジオなどのプラットホームとして便利に使用できます。バイアンプでも、LH間に遅延が設定できれば、ガラリと音が変わりますが、AVアンプでは、そこまではできませんので、ツイーターが奥に下がっている2WAYスピーカーを使用するという方法も有ります。ピュアオーディオアンプなどに手を出すと、車道楽と同じぐらいお金がかかりますので、マニアックにならずに、それでいても、高品質を求めるのなら、このようなやり方がお奨めです。

スピーカーまでの直流抵抗とスピーカー端子電圧の関係   フルレンジコーン型スピーカー TOA F-150Gにて


 200Hz 1波トーンバースト波を加え、直列抵抗があることによる、スピーカー端子側の波形の乱れです。測定系のスピーカーケーブル4S6(アンプまで1m往復の残留抵抗 37mΩ)に、直列抵抗を入れ波形の変化を見ました。結果は、スピーカーケーブルをあまり長くすると、レベル減少だけでなく、原音にない電力が発生し、もやもやの音を聞かされるというものです。4S6が1m実測値37mΩですので、0.1Ω以内を目標とすれば、3m未満でなければなりません。なおこの現象は、特別なものでなく、ボイスコイルと磁石があるスピーカーでは必ず起きます。もう少し詳しい解説
音響ホールにおいて、4S11を使用した場合、0.1Ω以内とするのであれば、11.5mが限度となります。これを実現する事は、ホールでは不可能ですので、だぶついた低音となっている事が、各所のホールで確認できます。この結果、ホールでは、18インチサブロースピーカーは、パワードスピーカーの使用が望ましい事となりますが、電源コンセントの問題が生じます。家庭内では、2.7m以内の配線長であれば、4S6でも、音響ホールよりも良い低音が出せます。4S8ならばもっと余裕で、少し大きめの部屋でも0.1Ω以内が実現できます。とは言っても、現実離れした、太いスピーカーケーブルは必要ありません。

アンプ内部の配線抵抗
 スピーカーまでの直流抵抗の中に、アンプ内部の配線抵抗も含まれます。それでは具体的にどのような抵抗値が有るか、実際に測定できる機会を得た機種についての抵抗値。
LUX 真空管式パワーアンプ MQ60C 4Ω L 582.74mΩ R 592.53mΩ 8Ω L 788.02mΩ R 799.67mΩ 16Ω L 1.085Ω R 1.095Ω 大半がトランスの巻線抵抗です。
負荷となるスピーカーTOA F-150に 真空管アンプMQ60C(50CA10pp)による200Hzトーンバースト波形 と、スピーカー負荷時の周波数特性(比較用に抵抗負荷も表示)。
  真空管式アンプのSP実負荷での周波数特性変化
 真空管アンプは、トランス巻線全体から起電力が生じるので、どのような波形になるのか興味がありましたが、2.2Ωに近い波形となりました。結果より、巻線全体に生じる電力の内部抵抗は、0Ωのような特殊な数値をとらず、直流抵抗より、高い値で、インピーダンス値ほどではない値という結果と見なして良いでしょう。スピーカー実負荷時の周波数特性は、抵抗負荷特性がフラットでも、上図のように、スピーカーインピーダンスをトレースした、ドンシャリとなります。
SANSUI AU-α607NRA Lch A 70.6mΩ B 60.2mΩ Rch A 70.5mΩ B 71.1mΩ カタログ定格値ダンピングファクター150を実現するには、53.3mΩ以下が要求されますが、最良値でのDF値は、129という結果です。
SANSUI AU-α607XRでは、もう少し良い結果が得られ、カタログ値は満足しています。
SONY ミニコンポ LBT-V710 平均 230mΩ それより配線経路の短い SONY ミニコンポ HCD-F3MD 69.7mΩ


NFBのかかった高忠実度アンプの実動作電流と負荷端の波形
 アンプの出力電圧波形と、スピーカーに流れる電流を実測しました。電流検出抵抗は、0.1Ωで、スピーカーコードは、4S6 75cmとし、スピーカーは、TOA F-160G 2WAYです。アンプは、SANYO STK4112UというパワーICで、差動入力による、典型的なNFBアンプです。NFBにより、電圧が理想となるように、電流を制御している状態が読み取れると思います。電圧がゼロでも、電流が流れますが、電圧がゼロですので、電力はゼロです。
 ここで、
アンプの入力電圧と出力電圧が相似という条件が、本当に良い音かどうかは、スピーカーメーカー側の問題として、棚上げし、アンプ側の責任としては、あくまでも、入力と出力が一致するように働く事は、悪いことではありません。電圧ドメインなのか、電流ドメインなのか、はたまた、行きっぱなしの無帰還アンプや、スイッチングアンプの方が音質が良いのかという議論も別の次元であり、ここでは、課題にしません。それでも、電圧出力波形の単純さに比べ、電流波形が複雑で、電圧波形と似ても似つかないというのに、仰天します。仮に、電圧を放置して、電流を入力に比例するように流したらどうなるのでしょうか。はたまた電流と電圧の位相がずれた場合、アンプはどのように働くのか興味が尽きません。

250Hz 500Hz 800Hz 上側がスピーカー端子電圧(アンプ出力電圧) 下側が、電流


1kHz 2kHz 4kHz  上側がスピーカー端子電圧(アンプ出力電圧) 下側が、電流

8kHz 16kHz 電圧(上段) 電流(下段)2015/03/10
 どの周波数においても、ゴーストップの過激なスピーカー駆動電圧を忠実に再現できるように、微妙な補正電流を流している働きが観測できています。当たり前にある半導体アンプですが、これだけの素晴らしい働きをしていれば、不足は無いと思います。この結果により、4WAYマルチアンプシステムの全スピーカーを単独でアンプ直結とした、意図が理解されるものと思います。

FM変調波による周波数特性の調整
 タイムアライメント調整を済まし、各ユニットの干渉が少なくなってから、周波数特性を測定して、マルチアンプシステムで重要なチャンネルバランスを取ります。一般的にはピンクノイズを使用しますが、 専用測定器が必要で、1オクターブや1/3オクターブと帯域を狭くすると、1〜2dBぐらい測定値が変化し、精度の高い測定ができません。低音域は、積分時間の影響を受け、誤差がもっと増えます。ピンクノイズ仕様測定器は、PAA3 \45,800が最も安いのですが、NTIの新型 XL2では \166,000とかなり高価です。
 
何とか安価に済ませたいと考え、FM変調をかけた正弦波(ワーブルトーン)を使用して調整を行い、想定した結果が出るようになりましたので、以下に紹介します。ワーブルトーンは、周波数が変化しても、電圧は変化せず、弦楽などの音と良く似ています。又、電圧一定が奏功して、ピンクノイズでの測定より、高い精度の調整が可能になります。安い測定器でも高精度が可能で、正にアマチュア向けといえます。ワーブルトーンでの調整後、必ずピンクノイズを各帯域毎に鳴らして、定位の確認を行うと、より完璧ですが、ワーブルトーン調整から調整値がずれる事があります。この場合は、測定結果に神経質にならず、ピンクノイズによる定位調整を優先すれば、大丈夫です。
 電圧が変化しないワーブルトーン

調整で使用した、1オクターブ幅FM正弦波は、efuさんのWaveGeneで簡単に作れます。
1オクターブ幅FM正弦波の作り方はこちらを参照
1/3オクターブ幅と1オクターブ幅のFM変調波(ワーブルトーン)を使用すれば、簡単なマイクアンプと交流電圧計で、完全な調整が可能です。( DCX2496実践的使用法を参照して下さい。)   測定用信号   1/3オクターブBAND 1オクターブBAND


2chステレオの定位
 2chステレオ音源を再生したとき、左右のスピーカーの間に、録音された音が並んで聞こえます。これを定位と言いますが、スピーカーを正しい手法で鳴らせば、かなり精密に配置されます。反面、設計の悪いシステムや、残響の多い部屋では、音の位置がはっきりしません。垂直線上にスピーカーを配置すると、音階が変化しても水平方向への移動が無く、ステレオ再生時の音像が小さく明瞭になります。反面、水平方向に配置された場合は、音階と共に音像の移動が起きますので、定位が曖昧になります。この原理によれば、2WAYのスピーカーを横にして、ステレオ再生を行った場合は、定位に問題が発生する事となります。3WAY以上で、ミッド、ハイが中心軸の左右にあるスピーカーも同じです。モニタースピーカーで有名なGENELEC 8040B 8050Bオペレーティングマニュアルには、クロスオーバー周波数周辺のキャンセレーションを防止する為に垂直方向でご使用下さいとありますので、定位以外の観点でも、正しく設置しなければなりません。
垂直方向に耳は鈍感
当地は、航空自衛隊岐阜基地が近く、上空には、様々な航空機が飛んできます。飛行機の場所を特定する時、いつも苦労をしますが、聴覚の上下方向感覚が鋭ければ、瞬時に位置が特定できる筈です。日頃、上空の音源に対し、航空機は、まず廻りの反響から、探り当てる事が多く、雲雀は、廻りの反響が少ないので、ひたすら、上空を探し、点になった鳥の姿を探します。同じく、航空機も先に視覚的に捉えると、音の方向が確定できやすくなります。

ツイーターの高さは、重要
 音像の高さについては、私の聴感によれば、いくら鈍感とはいっても、ほぼツイーターの高さで、認識します。この結果、音のへそになるのは、ツイーターで、これがスピーカーシステムの特等席にないとうまくシステム構築できないと考えます。
 イコライザによる、音場補正をする場合、アナログイコライザでは、左右の位相誤差により、音像が呆けてしまいます。同じ補正をデジタルイコライザで行うと左右の位相が全く同じなので、音像が小さく明瞭になります。多くのホームリスニング環境を測定した場合、左右同一の周波数特性となることはほとんどありません。その為、左右別々の補正をして、より平坦な特性にしたいのが人情ですが、
別々の補正をすると、位相が異なってきますのでステレオ感としては、かえってマイナスです。ステレオ再生では、左右の周波数特性の平坦さよりも、位相差が無い方が重要です。でもお薦めは、各スピーカー間のレベルマッチングだけで調整し、周波数特性をいじらないことです。
 
マルチWAYスピーカーシステムにおいて、より明快な定位を目指して、左右のレベル差を補正する場合、ピンクノイズを音源とし、ウーハー同士、スコーカー同士、ツイーター同士というように、音域の同じスピーカーで、ピンクノイズを再生しておき、音が真ん中に来るように左右のバランスを調整すれば、パーフェクトな調整となります。
        
定位 高級品代表格のJBLスピーカーでは

 人気の高いJBL社のモニターシリーズでも初期の頃は、左右にユニットが散りばめられていましたが、最近の設計では、縦一直線に配置される事が多くなりました。高級スピーカーAVANTGARDEも縦一直線です。マルチウェイスピーカーシステムでは、複数のスピーカーで一つの楽器の音を再現しますので、左右に敏感な耳の方向感覚を考えれば、縦一直線に配置されていなければ、音像が膨らんで聞こえます。正しく音が出ているシステムは、ユニットが違っても、音が似ています。それ故に、ピストンモーション領域を正しく使用できれば、普及価格帯のユニットと、高級品との音の違いが少なくなります。
逆説的には、高級品といえども、セオリーを無視した配置では、特徴のある音(良く言えば、個性的な音)となってしまいます。高級品といえば、JBLも非常に人気が高く、普通に購入していれば、財産が持たないので、オークションで安価にJBL製品を購入し、テストを行ってみました。購入したのは、1インチドライバモデルの2425J+2370Aホーンと、2インチの2445J+2380Aホーンで、購入金額は全部で10万円以内で収めています。現在のオーディオは、趣味としては非常に金のかかるジャンルで、2桁ぐらいで勝負できているうちならば奇跡と思えます。

サブウーハーは、2本使用で自然な再生となる
 18インチウーハーを追加するとして、2本でなく、サラウンドのように、1本で済ませないのかと考えることは、コストとスペースを考えた場合、自然な考えだと思います。確かに、メーカーの宣伝などでは、定位感の無い80Hz以下の再生では、1本で済むとあります。定位感が無いのは、その通りなのですが、それは、理想の場合であり、現実は、スピーカー自身に歪みがあり、2次、3次高調波歪みが発生し、80x2=160Hzや、80Hzx3=240Hzが音として出るので、置き場所がはっきりと聞き取れてしまいます。又、壁が、振動して、その音も加わりますので、やはり1本では、まずい事となります。超低音域まで、正確な定位を得る為に、2本を左右に置くのは、2chステレオの場合、最も合理的な方法です。こうすることで、スピーカーで歪んだ音が出ても、録音と同じ定位が得られます。サラウンドでも、サブウーハーチャンネルを使用せず、フロントLRのスピーカーの低音再生能力を強化した方が、自然な定位が得られます。コンサートで、18インチウーハーを多数使用する場合は、メインとなる、スピーカーの軸に合わせて設置するのが、最良とされていますので、プロエンジニアの手法も参考にしてください。


同軸2WAYスピーカーを、JBLホーンSPでMID割り込みとして3WAY化
JBLとTANNOYは、オーディオスピーカーとして、人気の高い双璧で、ジャズならJBL、クラシックでは、TANNOYというのが、定説でしょうが、冗談のようなJBL-TANNOYシステムを試す事になりました。

 TANNOY System12とJBL2425J+2370A、T90Aの3WAYシステムです。System12は、12インチウーハーながら、最低共振周波数が20Hzとかなり低いので、従来から使用していた、サブウーハーを無くしました。TANNOYは、オリジナルのままですと、引っ込んだ帯域が有り、そこをパスするように、ミッドホーン2425J+2370Aを使用しました。
 TANNOY System12

現在の3WAY 2016/11/28 純A級アンプ3台にてマルチ駆動 2017/12/06
現在は、4KTVと組合せています。光で、ONKYO製AVアンプへ行き、FL、FRで、鳴らしています。TANNOYオリジナルでの定位感は、同軸ならではで、優秀ですが、JBL 2370Aは、1インチスロートが幸いして、CDホーンに良く似た均一な音場が再現され、スピーカーの存在場所が意識できない自然な定位です。薄型TVの貧弱な音が、豪華な音に代わりました。JBL 1インチドライバー 2425は、高域までダラ下がり特性で、平坦域は、800Hz〜6kHzぐらいですので、ツイーターが必要となります。T90Aは、スーパーツイーターという名称ですが、ホーンスピーカーとしては、ワイドレンジで、しかも廉価です。完成度が高いホーン形状ですが、価格が安いのが逆に作用し、失敗したとの思い込みで大切にされず、オークションへの放出例が多いです。オーディオは、音が勝負なので、空気は、金持ちも貧乏人も平等に与えられており、使いこなせば、安定した音が出ます。コンデンサ1個で、鳴らしたぐらいでは、良否は判りませんし、重なりが多くなり、うるさい高音域はやがて飽きてしまいます。マルチアンプシステムで、攻めるのが、成功への近道と思います。

定位ならば、点音源 TANNOY 同軸ホーン2WAY System12  KEF 同軸ドーム3WAY Q70
 2014/12/10      2014/03/27 
TANNOY System 12
 いわゆる、オートグラフ時代の名器ではありませんが、幸運にも入手できたモニター用途のSystem12、現行KINGDOMの骨格と同じ、12インチサイズのユニットで、通常のリスニングポジションに限らず、スピーカーの裏側や、横でも定位感は抜群です。損失の大きいポレオレフィンポリマーコーンと、
耐候性に難があるものの、ニトリルラバーエッジで、極端に少ない歪みが特徴です。モニターとは言っても、低音域は、ブースト気味で、85dB以下での再生に適しています。サブウーハーが無くても、低音は十分な量です。
KEF Q70
 同軸ドームで点音源を実現していますが、ウーハーの使い方がユニークで、それぞれ容量の違うキャビネットを持っています。ラインアレイ効果により、ウーハー口径の割に、小憎らしいほど元気な低音が出るので、トールボーイタイプも侮り難しです。内蔵ネットワークでは傾斜が緩いので、1kHz以下では、3個のユニットの音が、線音源化しており、距離による減衰が少なくなり、箱鳴りをさせなくても、十分な低音量を確保しており、大口径ウーハーと良く似た音質です。ぱっと見には、解らないでしょうが、1994年当時、こうした発想はとても先進的でしたが、オーディオ大衆には、それほど理解されなかったようです。その後、こういった縦に並べる方法は、プロ音響で、ラインアレイスピーカーとして、定番のスピーカーシステムとなり、現在もよく使用されています。

点音源は、部屋のどこにいても、良好なステレオイメージが得られるという宣伝は、残念ながら、それは間違いです。左右スピーカーの真ん中にいれば、ステレオイメージは正常ですが、少しでも偏れば、極端に端っこに寄ってしまいます。聴取位置の距離が取れる場合は、壁反射の少ない、ホーンスピーカーの方が、明解な定位であり、タイムアライメントが合っていれば、音源から遠ざかっても、定位感は変動しません。

スピーカーの指向性
 
オーディオマニアの古い概念では、指向性が広い音が良いと信じられていましたが、音響工学では、明瞭な音は、スピーカーのQを上げることと、部屋の残響を減らす事となっています。Qを上げるというのは、四方八方、音を撒き散らすのではなく、細く絞って出すということで、ホーン型こそがその原理にかないます。最近のスピーカーは、ドームユニット前面にホーンを付けて、指向性を絞っています。タイムアライメントを整合しつつ、ホーンによるQ上昇で明瞭度を向上させた、合理的な取付けをしています。現代のSRスピーカーは、指向制御を謳い文句にして、指向角度内での均一な音圧分布を図っています。フローリング床で残響が増えた現代のホームオーディオでも、リスニングエリアだけに音を出す方が明瞭な音となります。

LFE成分は0dBが望ましい(周波数特性を、厳密に管理できるようにした結果、判明したTV放送の問題点)
 上の方法で、周波数特性を±1dB以内ぐらいに調整した場合、TV放送の歌番組などで、不自然な低音の出方が判別できるようになり、ここ数年、トレンドを追ってみました。最初、大河ドラマで、低音がやけに大きいことに気付き、RTA(リアルタイムアナライザ)で、測定を行いました。RTAの結果、100Hz以下が、大きな音量となっているのを確認しました。この結果に思い当たるのが、5.1方式の場合、LFEを+10dBとする定義の存在でした。FM放送のような、2chステレオ放送では、そのような事が無く、フラットなのですが、TV放送では、大きすぎる低音が耳障りと感じるようになりました。
 平成25年〜現在、TV放送では、本番とCM双方で、+10dBであったり、、0dBだったりと乱れています。60dB〜80dBぐらいの音量では、フレッチャーマンソン特性のおかげで、+10dBの違いは、さほど感じませんが、90dB前後の音量では、10dBの違いは相当に大きく、過剰と感じますので、10dBアップするのは、視聴者の選択に任せる方が良いのではないかと思います。25年末の、レコード大賞や、紅白は、自然な低音バランスで、大いに楽しめました。28年現在も、BS○○では、+10dBした歌番組が有り、非常に聞き苦しいです。もうそろそろ、定義よりも、自分の耳を信じたらと思います。モニタースピーカーでも、低音が膨らんだ物があり、ツールのチェックもしておくと良いでしょう。
 夏の甲子園は、サラウンド放送で観戦しましたが、音楽よりも、こうした催しにこそ、サラウンドの効果が発揮されます。パンニングは、おそらくネット裏の特等席であり、一塁側が右、3塁側は左、TVカメラの応援席のクローズアップは、センターというようにきめ細かく配置されており、朝日放送の甲子園中継に対する熱い意気込みがとても良く感じられます。リアルタイムアナライザRTAでは、フラットで広帯域な音であることも良く判ります。AVアンプは、TVとデジタルケーブルで接続し、AACを有効にすれば、AAC+ドルビーEXにて、サラウンド再生が始まります。
最近気にしているのは、コンプレッサーを強度にかけた歌番組の存在です。歌手の声色が、コンプレッサーがかかった途端に消え失せます。「千の・・・・」では、本当に気の毒だと、これなら口パクの方が視聴者に喜ばれます。


その代わり
シャカシャカ虫増殖中
 ニュース番組の音が、シャカシャカと続くのを、我慢していましたが、最近、CMでも目立って増えてきました。CMは、制作会社毎の違いが有り、音に関しても色とりどりです。最初、NHKのFMローカル番組で気が付いたのが、最近は、CM制作まで広がりを見せており、またもや残念が増えてしまいました。歌謡番組のコンプ掛け過ぎの音とは違います。
 もう一つ残念な事は、音声のハイパスフィルターの設定値の問題で、2015年の大河ドラマだけの問題と思いきや、他の番組でもそのような事になっています。アマチュア無線ではないので、HPFを強く掛ける必要は無く、せめて、コンデンサマイクのVポジション程度で、済ませる事が肝要で、ミキサーや、プロセッサーで、その人らしさの部分を削り取る事を止めていただきたいと思います。これらの音をモニターできる環境が無いのか、スタッフの低年齢化が原因なのかわかりませんが、
昭和の音に21世紀の音が負けています
H28年大河は、音質的には、大復活で楽しめています。コンサートホールで、映画を見ているのと全く相違なく、制作の皆様方に感謝です。
更に、H29年は、背景の音楽が大躍進で、非常に価値が高い内容です。変なハイレゾより、鳴りっぷりの良さは凄く、映画館で見るのではなく、我が家にNHKホールが引っ越してきた様な感覚です。
H30年大河も、ホールで収録と思われる素晴らしい演奏があり、85dBの音量で鑑賞し、日曜日の楽しみとなっています。セリフは、HPFがきつめで、興ざめです。R2朝ドラも、シーンに応じての音楽は、素晴らしく、画も音も楽しめます。


マルチアンプシステムをイージーオペレーションする自作6chマスターボリューム


デジタルチャンネルデバイダーを最高性能で使うには
アナログチャンネルデバイダーでは、コントロールアンプ(プリアンプ)のボリュームで音量調整をします。しかし、デジタルチャンネルデバイダーは、このような使用方法では、小音量ではギザギザの波形になります。これを避けるには、常にMAXとなるような入力が必要です。
CDなどのデジタル音源は、デジMAXまで出ていますので問題有りませんが、FMチューナーや、PHONO、サラウンドフロント信号などのアナログ音源では、0dB前後の音量ですので、更に20dB以上増幅しなければなりません。デジタルパッチベイSRC2496により、アナログとデジタル信号のレベルマッチングや、デジタルフォーマット変換が行えます。
マスターボリューム
これにより、常に最大音量で動作している、デジタルチャンネルデバイダー出力をどこかで所定の音量に下げないと、通常のリスニングができません。個々にアンプボリュームを調整しても、音量は変えられます。しかし、マルチアンプシステムでは、音量バランスも厳密な調整事項なので、一つでも音量が狂えば、命取りになります。その為に、6chバッファアンプ付マスターボリュームをチャンネルデバイダと6台のパワーアンプの間に使用しました。6連ボリュームを使用して、3WAY分を一気に音量調整できるというのがポイントです。
アルプス製モータードライブ6連ボリューム 現在、電即納では、取り扱っていませんので、入手不可です。電子ボリュームを使用してから、部品庫行きとなりました。2個在庫中です。

6連ボリュームにバッファアンプを取り付けたのは、減衰量を大きくする目的で、ボリューム抵抗値100kΩを選択しましたので、
出力シールド線のキャパシタンスの影響を避けるのと、後続アンプ内部でのクロストーク特性悪化防止の為です。バッファアンプは、Q2031Aオリジナル RC2043SE による2次フィルターと、MUSEコンデンサで構成しました。

シールド線のキャパシタンス
は、高域で6dB/octのフィルターを形成し、振幅の減衰と、位相ズレを起こします。100kΩのボリュームを絞り込んで使用した場合、プロ定番のマイクコード L-4E6S 2mでは、370pFのキャパシタンスとなり、4.3kHz(-3dB)というフィルターを形成します。この結果、高域のレベル低下、位相ズレを招き、良く言えば、刺激の少ない音、悪く言えば呆けた音となります。17.2kHzで、-15dBですので、高齢者では、気が付かない可能性も有りますが、これでは、正しいシステムとは言えません。特に、左右で長さが均等でない場合、当然高域に行くに従い、左右の位相ズレを起こします。インピーダンスの高い回路では注意します。市販のRCAピンコードでは、左右等長なので、問題なく使用できます。
市販3mRCAピンコード 直列抵抗による高域特性劣化(入力インピーダンス47kΩ時)
このような高域劣化は、真空管や、FETによる、高インピーダンスで信号を受けても、改善されません。信号経路に高抵抗が入ると、様々な音質劣化の原因となります。
当然ですが、デジタル伝送では、1と0の文字情報を、、ケーブルによる高域劣化した信号を、レシーバー側でパルス整形して使用しますので、長距離の音声伝送でも情報の変化も無く安心です。なお、デジタルパワーアンプ出力は、文字情報ではなく、振幅情報ですので、高域劣化を否定できません。CDのデジタルの意味と、パワーアンプのデジタルの意味は全く異なります。動作原理上、スイッチング式パワーアンプか、パルスドライブ式パワーアンプと呼称すべきでしょう。最近のMJ誌の広告ページでも、PWMスイッチングアンプ搭載とか、スイッチング方式パワーアンプという名称を用いるメーカーもあり、良いと思うなら、姑息な紛らわしい名称を使用しなくても、堂々と原理を明快に謳うべきでしょう。

CDのようなデジタルソースは、0dBが
上限です。マスターボリュームMAX位置で、パワーアンプのボリュームを絞り込んで、アンプの最大出力になるように調整します。こうすれば、CDの最大音でも、アンプ出力はクリップしないので、スピーカー破損の原因を減らす事ができます。この調整をシステム中で一番能率の低いスピーカーに行えば、他のスピーカーは、その能率差だけ低い入力電力が保証されますので、過大入力になりません。マスターボリュームで絞り込んだ量は、そのままシステムの余裕を表します。-31dBが常用レベルとすれば、あと31dB音量が上がるというように読みます。なお、常用レベルは、後述のデジタル制御式電子ボリュームでは、さらに解像度が上がりましたので、もっと低い-46dBでも、十分に聞こえるようになりました。ところで、DCX2496をデジMAX出力をした場合、1kHzでは何も問題なく出力できていますが、100Hzでは、上側がクリップ(DAC以降2段目のOPアンプにて)しており、LOWchの設定を-0.2dBとしたら治まりました。デジタル機では、このような確認をしておかないと、理論と一致しない部分に気付きません。DCXユーザーは、LOWchの場合、0dBではなく、必ず-0.2dBより下げて使用する事が鉄則です。デジMAXまできっちり録音しているCDもPOPS系を中心に多く有り、カーステレオなどで再生すると歪んで聞こえます。こうなると手に負えないので、-0.3dB程度レベルダウンしてCD-Rとして作り直す事も検討に値します。
CDなどのデジタル音源を、デジタル的なボリューム処理をすると、ビット落ちして、ギザギザが目立つ波形になり、必ずアナログ化をフルビットで行い、パワーアンプの前で、所定の音量を得ると良いでしょう。そうすれば、96dBしかないCDのダイナミックレンジを確保したまま音を小さくできます。
デジタル機とアナログ機のSN関係図

上図は、アナログとデジタルチャンネルデバイダーの残留雑音と最大出力の関係ですが、ボリュームを最小音から上げて、右回りで、所定の音量とするのなら、アナログ機の方が 84dB-60dB=24dB もSNが良くなります。デジタル機をこのような使い方をすれば、当然24dBもSNが悪化した状態となり、DCXユーザーによる悪い評価は、こうした使用法であると思われます。ところが、デジタル機でも出力側で、ボリュームを最大側から下げて(左回り)所定の音量とするのなら、82dBという高いSN比を保った使用できます。アナログ機の場合、入力でボリュームを絞りますので、後続機器自体の雑音はそのまま残り、絞った分だけSNが悪化します。特に古い民生用パワーアンプでは、利得が高いので、ボリューム以降にチャンネルデバイダーや、イコライザを経由する場合、雑音に注意しなければなりません。
 デジタル機でも、dbx VENU360は、+4dB出力が選択できますので、そのままパワーアンプにマッチングしますので、DF-65に辿り着けない庶民には、心強い味方です。


 自作できない方には、ドイツSPL社(サウンドパフォーマンスラボ) Model2618 Volume8 がありますが、使用するにあたって入力、出力がXLRではなく、Dsub25Pと特殊になっていますので、変換ケーブルを製作しなければなりません。必要なケーブルは、入力用として、Dsub25P - XLR-3(F)x8、出力用として、Dsub25P - RCA pin x8ですが、入力は平衡、出力は不平衡接続となります。レコーディングスタジオ等でのモニタースピーカーをコントロールする事を意識して作られており、
ミュートSWがあるのは特徴的で、自作のボリュームにも取り入れ、便利になりました。
オーディオの本場フランスには、セレクトロニック社より、1Uサイズで、赤外線リモコン方式のアルプス製モータードライブ式6連ボリュームを使用したキット(250ユーロ)と調整済みの完成品(417.22ユーロ)が販売されています。まさしく洋の東西を問わず、同じ考えに至る人はいるものです。

さらに高性能を目指して電子ボリュームICによる、デジタル制御6chマスターボリューム
を製作 製作記事はこちら
使用した、電子ボリュームIC テキサス PGA2311PA 実装時の周波数特性は、DC〜1MHzまでフラットです。デジタルマルチメーターの測定範囲を越えてフラットである事はオシロスコープで確認できます。100kHz矩形波も怪しい波形崩れは無く、減衰特性、クロストーク特性とも非の打ち所が有りません。さらに、出力は、OPアンプ出力と同等ですので、発振防止で入れる出力抵抗47Ωのみとなり、パワーアンプまでのシールド線による高域劣化が非常に少なく、後続パワーアンプ本体内部でのクロストーク軽減効果もあります重要:PGA2311PAの多連化は、単純な並列で行えますので、回路図を参照してください
 最新回路図はこちら
 

現在のレベル関係図 令和元年11月
2019/11/13

 平成30年4chA級パワーアンプをOPA1611を使用したものに作り変え、利得をさらに安定的に下げることができましたので、現在は、最大出力がマスターVRの-2dBで、家庭での平均レベル0.1Wは、-19.5dBで得られるようになりました。
 このシステムでは、dbx VENU360をAES/EBUで入力し、出力クリップレベルを+4dBと設定しています。VENU360は、平衡出力なので、6連電子ボリュームは、平衡入力に作り替えました。平衡入力は、OPA1612を使用し、入力インピーダンスを4.4kΩと下げて、ノイズ低減しています。これにより、電子ボリューム単体のSN比は120dB(A)となりました。従来は、DCX2496に、改造を加えて使用していたのですが、VENU360により、改造しなくても済むようになりました。
 このボリュームシステムでは、デジMAX信号以上の信号は発生しませんので、正味の最大出力がVRの値から読み取ることができます。長年使用した結果、パワーアンプは1Wもあれば十分という事でした。102dB/Wのスピーカーは、高能率の部類なので、JBLの96dBあたりまで将来的に下がる可能性も含めて、自作アンプは5Wの最大出力としました。アンプは、出力が小さいほど、増幅度を下げて、雑音出力を小さくでき、高能率スピーカーにマッチします。その為、ホーンツイーターや、スコーカーでも、直結使用が可能になりました。ハイエンドパワーアンプでは、増幅度28dB〜29dBが主流で、残留雑音40μV(A)ですが、自作アンプでは、15.7dBの増幅度で済むので、残留雑音4μV(A)と一桁小さくなっています。


クロストークが多かったアナログボリューム(矩形波入れてVR絞れば、誰でも観測できます)
 電子ボリューム製作時に、アナログボリュームとクロストーク比較を行い、アナログボリューム内部で、かなりの量のクロストークが発生することに気付きました。電子ボリュームでは、クロストークが圧倒的に少なく、-40dB以下の音量でも、クリアな定位が得られます。その結果、強い音はより強く、弱い音はより弱く聞こえ、レコード中の残響がより豊かに聞こえるようになりました。スピーカーの音質が、録音ソースの音質に、より依存するようになり、楽器が本来持つ美しい音、特に帯域が広くて、立ち上がりが急な楽器の音が美しくリアルに聞こえるようになりました。又、演奏の副産物である演奏家の息づかい、ペダルやバルブの操作音、バイオリンの弓の弾み加減なども、CDの16ビット2chステレオで十分味わえるようになりました。アンプのクロストークにあれだけこだわっておきながら、ボリューム内部のクロストークにまで踏み込めなかったのですが、問題が複数ある時は、ステップバイステップでしか解決ができないという事でしょう。クロストークの低減以外にも、電子ボリュームでは、ゲインエラーが±0.05dBと極めて優秀で、多連ボリュームのような、実用音量域での制御の曖昧さは、ありません。高域成分が多い矩形波も、きれいに伝送します。最近、電子ボリューム搭載の高級プリアンプ(コントロールアンプ)なども登場してきましたので、メーカーの技術陣も、良い方向性を持ってきたと感じています。

電子ボリューム歪率周波数特性

2015/05/20
デジタル制御6chマスターボリューム 歪率−周波数特性で、-20dBと絞り込んでも87dBを確保しており、これで、出力インピーダンス47Ωなので、後続のパワーアンプの入力回路で発生するクロストークには有利です。
後続のパワーアンプ回路にて、直列に大きな抵抗が入っている場合、電子VR出力波形にノッチ歪みが発生する可能性があります。応用回路を試作していた時、見慣れぬ波形があり、追求してみたところ、下記のような回路構成の場合、ノッチ歪みが現れました。

2015/05/22
 写真の信号周波数は10kHzですが、ほぼ全部の帯域で確認できます。絞り量は、50dBです。負荷として抵抗と可変抵抗器を組み合わせた回路ですが、入力が可変できる機器では、このような回路が入っています。直列抵抗が47Ω(図の4.7kΩの百分の一)だけの場合は発生しませんでした。やはり、信号源抵抗が大きくなった場合は、浮遊容量による高域劣化以外に、色々な雑音に注意しなければならないでしょう。

ミューティングリレー(パワーアンプ)の実態 オーディオ信号は微少電流であり、リレーはこれが苦手です。
 
アンプには、ON-OFF時にスピーカーを保護するようにミューティングリレーが使用されています。ジャンク品で購入したYAMAHA MX-55の場合、このリレーが接触不良を起こし、時々音が途切れたり、高音が妙に汚い音がでるので、調査したところ、信号が1dBほどこのリレー接点を通過する際に失われていました。リレーの型番は、OMRON G5R-2232P で現在は入手不可です。もう1台の手持ちアンプ SONY TA-F333ESJにも同じリレーが使用されており、接触抵抗を測定したら、スピーカーA側は、いつも負荷があるので、10mΩでしたが、使用していないB側は、50mΩと高い結果でした。そこでB側に8Ωのダミー抵抗を接続し、大電流が流れるようフルパワーでリレー接点を断続したところ、接点がリフレッシュされ、15mΩまで下がりました。下は、左側が、現在入手可能なG2Rタイプの直流接点抵抗で7mΩぐらいです。MX-55で故障状態だったリレーは、短時間に接触抵抗が変化して安定しません。右側は、オーディオ帯域のリレー接点インピーダンスで上2本は、古品G5R-2232Pで、下2本が新品G2R-2-Sで、それぞれ、インピーダンスが低い方が電流を多く流した測定値です。新品リレーでは、高域でインダクタンス分によるインピーダンス上昇が見られます。交換用として推奨できるリレーは、金張り接点のG2R-2-AUL(アスカ情報システムにて購入)で4mΩ台の接触抵抗値です。接点構成に配慮してG5R-2232Pと同じ2a接点のG2R-2A-ASIを先に使用したのですが、1週間ほどで接触抵抗変化に悩まされるようになり、金張り接点のAULタイプに再度交換しました。G2R-2-AULを使用する場合は、NC側のピンをニッパで切り取れば基板にそのまま挿入できます。
 リレー接点は、微少電流が苦手です。最大定格電流4Aよりも、10Aの物が良い物と思いがちですが、それは間違いです。実際に動作している電流は、このスピーカーシステムの場合、0.1Wで94dBぐらいの音量ですので、負荷が8Ωとした場合、112mA以上流れる事はなく、実音量がそれよりも20dB低いとしたら、11.2mAという低電流となり、
大音量で使用しなければ、低電流に起因する故障が起きやすくなります。リレーメーカーOMRONのホームページで調べたG2Rタイプ銀接点データでは、故障率 P水準(参考値)にて、定格10Aの物で、DC5V100mA、定格5Aの物で、DC5V10mAと10倍の開きがあります。オーディオ用途では、安定した電流値で使用できることがなく、微少電流から大電流まで幅広く対応しなければならないので、リレー選択は難しい事となります。下の測定グラフのG2R-2-Sにおいても、新品測定時は問題無かったのですが、YAMAHA MX-55に実装して間もなく、接触不良に悩まされるようになってしまいました。やはり銀接点では、開閉時に火花が出るような電流で使用しないと接触抵抗が安定しないようです。古いアンプで電源投入直後にうまく音が出ないで、その後ボリュームを上げると正常に動作する物は、このように、ミューティングリレーを交換すると良いでしょう。古いリレーでは、リフレッシュして、一時的に接触抵抗が低下しても、すぐに、抵抗値が上昇してきますので、新品のリレーに交換する必要があります。

リレー接点インピーダンス特性 右側は、上2本が不良品リレーの接点インピーダンス 下2本は良品の特性です。

新品リレーと古いリレーの接点抵抗値グラフ  同じく新品と古いリレーのインピーダンス周波数特性


現在使用中のパワーアンプ出力リレー G2R-2−AUL

G2R-2-AUL32個ほど交換しました。参考までにMAID IN JAPANです。
経年劣化
 純A級アンプ製作時、AU-α607XRを5台解体し、そこで7年ほど使用したG2R-2-AULリレーの検査を行いました。その結果は、半分のリレーが劣化しており、再利用ができないというものでした。A系統、B系統で2個のリレーを使用していますので、A系統リレーで、接点表面の劣化が確認できました。接点抵抗が大きい事に音質では気付かず、普通に使用していましたが、歪率測定では、簡単に良否判定ができました。この事により、0.001%以下の高性能を維持するには、パワーアンプの定期検査も重要な意味を持ってきます。劣化は、接点表面の汚れなので、カバーを外し、接点表面をリレークリーナーで清掃したり、接点に紙を挟んで動かすなどの方法で、再度10mΩ以下までの抵抗値に復元可能ですが、完全を期すには、新品交換が必要です。
 2010/12/13

オークションで購入した古いアンプで装着されていたリレー実測接点インピーダンス特性はこちら


ケーブルで迷ったら、おすすめはプロオーディオの定番 カナレ4S6です。ケーブルに印刷してある、MADE IN JAPANが、最近頼もしく思えてくるようになりました。100m巻を6,000円で購入しました。部屋が大きく3m以上のケーブル長であれば、1サイズ太い4S8もあります。音響ホールでは、さらに太い、4S11を使用する場合もあります。他社のスピーカーケーブルとの大きな違いは、4芯構造なので、放射ノイズを出しにくいという点です。これにより、並行する入力系の信号線に悪影響を及ぼさなくし、結果的に、システム全体の音質が良くなります。カナレ電気カタログcanare_201206.pdf中に、スピーカーケーブルの使用方法があり、理想的な配線が行えない設備用途において、ダンピングファクター20〜50を推奨し、同社のケーブルの該当する長さが記載されていますので、プロ音響業務に携わる方は是非ご覧ください。4S6 3.7Ω/100m DF50=3m、4S8 1.5Ω/100m DF50=7.3m、4S11 0.87Ω/100m DF50=12.6mというのが主な数値です(パワーアンプ 0.05Ω DF=160 at 8Ωの場合)。
静電容量も、カタログに記載されていますので、参考までに、4S6 125pF/m 4S8 145pF/mです。参考資料 canare_201206pdf。

最近、4本のうちの1本だけ、純白のケーブル被覆が、直射日光で劣化して、硬化ひび割れする事が解りました。OP線を屋外で使用した場合と同じ劣化をしました。日の当たらない黒ビニルの中では劣化していませんでしたので、先端だけを切って、使用しています。

SPケーブルのインダクタンス特性

4S6の実物(約20m)と、インダクタンスキャンセルのグラフ 高域でインピーダンスが上昇している方が、片線だけの場合です。上昇していない方が、ペアで正しく使用した場合です。写真のように巻き込んだ状態で測定

  4エス6を単線で使用した場合と対で使用した場合のインピーダンス変化の違い
(2009/07/23)
 4本線の一般的な使い方は赤と薄赤をよじって1本の線とみなして+側とし、もう一方は白とクリアをよじって−側とします。スピコンで使用する場合、4S8以上がメーカーにより推奨されていますが、4S6でも4S8でも、ドライバーで確実にネジを締め付けないと推奨の意味が無いので、業界関係者はご注意下さい。上のケーブルの直流抵抗は、片道0.307Ωで、巻いてあるのでインダクタンスが増加して15.2〜15.6μH/mですが、赤白を行き帰りで使用すれば、インダクタンス分は可聴帯域内では、ほぼキャンセルされてゼロになります。片方の線だけ使用すると、10kHzでは、7.5Ωのインピーダンス値ですが、往復(ペア)で使用すると、0.67Ωとなり、キャンセル効果が重要であることがわかります。インダクタンスが多い状態(片線だけ使用とか)で接続した場合、4S6を使用しても高音の入力電力が、半分に落ちます。
B&W社のオーナーズマニュアル(CM1-5_Manual.pdf)でも、超高域での減衰を避ける為にローインダクタンスのケーブルを使用してくださいとあり、メーカーとして、適切な見識を持っている事が判ります。その他にも、スピーカーに関連する記述があり、参考になりますので、一度読んでみると良いでしょう。


4芯スピーカーケーブルの音が悪いか?
スピーカーケーブルの音質をかなり高度な、技術的解説で論じているサイトがあり、音楽信号が正負非対称なので、4芯構造のスピーカーケーブルの2本で音を鳴らし、他の2本に直流電流を流すと音が激変するとあり、再現実験をしてみました。
 2015/01/02
 その説明では、DCの電圧はDC1V〜180Vで、電流が0.5mAから音が変化を始め、100mAでは激変するという記述なのですが、その条件を満たすように、上の実験装置を作りテストを行いました。DC電源は、アルカリ電池2本でおよそ3Vの電圧です。電池ケースは、タミヤ模型製で、電源の極性が変えられます。写真の+とマジック書きした方にレバーを倒すと、オレンジの配線に+の電圧が出ます。電流制限抵抗と、直流電流計をセットし、スピーカーの音を出しながら、直流を流してみました。10Ωの抵抗をを使用したとき、回路電流は、210mA流れました。試聴曲は、「夜霧のしのび逢い」で、ギターでは、超有名な曲です。普段からギターを演奏していますので、音の違いがわかりやすいという理由で選曲しました。結果は、正負共に変化なしでした。当然ですが、0.5mAから変化が始まるという記述に基づき用意した4.7kΩでのテストは、必要有りませんでした。次いで、1kHz矩形波、トーンバースト波をアンプから出して、オシロスコープで、スピーカーの端子の電圧を観測して見ましたが、直流電流印加による、波形変化は有りませんでした。ケーブルは、4S6 2.05m 電流計は、フルーク189、スピーカーは、TOA F-160で、一般的な2WAYです。
結論:4芯ケーブルが、直流の影響で音質が変化する事は有りませんでした。
 スピーカーケーブル音質論は、諸説有りで、加えて、特許を交え複雑な様相を見せていますが、日常的に、電線に触れて、音響業務を行っていますが、大半が、オームの法則による、変化のみが検知されます。すなわち、アンプがフラットで送り出したとしても、スピーカー端子では、周波数特性が変化し、ケーブルが長いほど、特性変化量が大きくなり、インダクタンスキャンセルを怠ると、スピーカー音がハイ下がりになる事は、事実としてあり、
ケーブル長が左右で極端に違う使用方法では、ステレオ再生に有害な位相差が生まれます。音響機器自体も左右のアンバランスがあり、程度問題なので、1mmでも違えば駄目とかという事ではありません。許容範囲は、かなり広いと思いますが、電線の銅純度を気にされるようなハイレベルな方ならば、10%以内の誤差にはと思います。

スピーカーの上手な鳴らし方 簡単なまとめ
1.良好な定位の為に、超低域を含めてスピーカーユニットの
開口面を揃え、縦一直線に並べた事。
2.スピーカーの最適な駆動の為に、4WAYマルチチャンネルアンプ直結駆動を行い、それにより
個別の遅延設定が可能に。(奥行きの小さいSPユニットを使えば、遅延は無用
3.スピーカー端子までの直流抵抗を極限まで少なくし、破損の危険性を承知で、ホーンスピーカーでさえも、高SN比の
アンプから直結で鳴らし、アンプの制動効果を最大活用。
4.
ボリュームに起因するクロストークを無くすように、電子ボリュームを使用して、明瞭度を向上。
5.アンプのリレーを
金張り接点の物と交換し、微小電力での安定した接続。
6.SPケーブルは、
ループ抵抗を0.1Ω以下とし、放射ノイズが少なくて、有効にインダクタンスキャンセルされているケーブルを使用。
7.タイムアライメントを考慮しないツイーターの設置は、ギラギラ音の元であり、
10kHz以上のクロスオーバー周波数は、論外
8.オリジナルDCX2496の
LOWch出力は、-0.2dBに設定しないと、デジMAX時に低域信号でクリップして歪む。
9.真空管アンプは、出力インピーダンスが高く、スピーカー実装時は、ドンシャリ特性に変化し、最低共振周波数や、バスレフダクトでインピーダンスが上昇したところがブーストされる。

10.セラミックコンデンサがオーディオ信号と接した場合、微少レベルでは問題なくても、0.1Vを越えれば、歪みが増加する。100pFのような小容量でも、問題が生じるので、帰還抵抗の並列コンデンサは注意する。
11.スタガードバスレフ方式を、マルチアンプ駆動で行えば、簡単で、安価に超低域まで、フラットを実現でき、巨大ウーハーも不用で、しかも撤退も容易。
12.低雑音純A級アンプにより、スピーカーの表現能力を極限まで高めるのも一考に値。


アナログレコード復権
 CDよりも古くから有るハイレゾ音源ですが、取扱いが雑ですと、すぐに針音だらけになりますが、丁寧に扱えば、何10年経っても、実用に耐えます。ハイレゾ対応能力は、手持ちMC型レコードカートリッジ DL-301Uの再生周波数特性は、20Hz〜60kHzであり、CD−4方式レコードの30kHzのキャリアを楽々と再生できます。CDでは、100dBぐらいが音量限界ですが、アナログレコードでは、110dBでも平気で上げられ、大音量再生が可能で、まさにディスコの主役です。CDでもスクラッチができますが、やはり、アナログレコードの方が、DJの感性に合います。
現在は、新作のLPが、\4,000ぐらいで入手が可能で、又、レコードプレーヤーの老舗、Technicsも、受注生産ながら、定価160万円のプレーヤーも、発売されました。さすがに、この値段には、手も足も出ません。庶民は、中古のSL1200MKUが精一杯です。朗報として、SL1200MK7が、価格も、今のオーディオ界の常識からすれば、圧倒的に低価格な\90,000(税抜き)で発売されました。

リアルタイムアナライザーで確認できる、自然に近いアナログレコードの音

 同じ曲でも、アナログレコードとCDでは、高音域のエネルギーが異なっており、CDでは高域までフラットですが、同じ曲のアナログレコードでは、ピンクノイズのように、高域では、なだらかに下がっていき、自然の音に近くなる結果となります。スタジオ録音では、高域までフラットなレコードが多く製作されます。トライアングル、シンバルなどの金属製打楽器では、同じ曲であれば、アナログレコードの方が、透き通った音で、CDでは、滲んだ音という違いがあります。低音の歪みは、CDの方がが少ないのですが、アナログレコードでは、豊かな低音です。一部のオーディオマニアから絶賛の真空管アンプの音は、アナログレコードに近い音です。CDでは、こういった音が少ないのですが、96kHz24ビットのデジタル音源になると、アナログレコードに近づき、締まった低音+澄んだ高音と、理想に近い音となります。

アナログレコードを聴くなら、以下のアイテムが有れば、十分です。

 タ−ンテーブルは、往年の名器 Technics SL-1200MK2で、まだ動きます。カートリッジは、MM型 270C-U VM型 AT15Ea、AT10G 等と、写真のMC型 DL-301Uを使用しています。アンプ性能や、カートリッジの音質で、各種選択できます。スタティックバランス式トーンアームなので、水平器も有ると安心で、ホームセンターで入手しました。レコード盤のメンテナンスは、新品レコードには、ナガオカ Stat-Ban 562とアルジャントを使用し、一般的なレコードには、テクニカ AT6086 AT6017+AT634で行っています。
ナガオカ Stat-Ban 562は、レコードの高寿命化に貢献できます。新品レコードは、すぐに埃を吸い寄せますので、初期メンテナンスは確実に行っておきましょう。


MM型とMC型
 カートリッジには、MM型とMC型が有り、それぞれの違いは、WEB検索すれば、図解付きで、詳しく解説されています。そして、結論的に、MM型は、出力が大きく、針交換も簡単で、初心者でも使いやすい。MC型は、出力が小さく、昇圧トランスか、ヘッドアンプが必要で、針交換は、メーカー出しで、使いにくいが、音は良いとなっています。これらの結論は、正しいと思いますし、このようなイメージで良いと思います。
 しかし、総発電量を電力で見た場合は、MC型の方が、発電量が大きくなります。数値は、MM型の代表 V-15は、内部インピーダンス1,350Ω3.5mV MC型 SPU-G 2Ω 0.2mVで、出力電力は、V-15が0.009μW SPU-Gが0.02μWで、MM型の2.2倍の出力電力です。電圧増幅だけで考えれば、確かにMM型有利ですが、電力で優るMC型は、MM型の応用ではなく、その特質を活かした回路設計をすると更に性能が向上する余地が有ると思います。


MC専用フォノイコライザー製作
 2017年には、マルチ駆動スピーカーシステムは、完成域に達し、システム改良案も出尽くしました。Spice関連の勉強を進めながら、ふとRIAAイコライザー回路の位相特性が気になり、シミュレーションをしてみると、激しく位相が変化するという結果が得られました。可聴帯域で±20dBも利得変化すれば、当然、位相も激しく変化しますので、偏差を小さくする必要があります。フォノイコライザーには、SN、歪率、イコライザー偏差、LRバランスのどの項目が欠けても良くなく、製作テーマとしては、大変ハードルが高い物です。
試しに、自家用機(M5220L使用)MC-MM切換式のRIAA偏差と左右の感度差を測定しました。RIAA偏差は、+0.2dB 〜 0dB 〜 +0.3dBのドンシャリ傾向で、左右の感度偏差は±0.1dB以下と大変優秀でした。基板を読み、回路図にしてみた結果も、非の打ち所がない設計でしたので、問題なく、このまま使用できます。
 色々と、先人の研究を見たり、ゼロバイアスのFETヘッドアンプの試作や、Spice上での回路の検討などを進め、最近の低雑音OPアンプによる、MC専用イコライザーを製作する事とし、部品の入手などの検討を行っていた所、ヤフオクで、LTのOPアンプ用基板が目に止まり、これで、製作を開始する事にしました。LT1115は、0〜400Ωの信号源抵抗での、ベストOPアンプとして、LT社より推奨されており、MCカートリッジには、良い選択でもあります。何よりも、LT推奨回路のプリント基板が実際に入手できるというのは、大いに製作意欲が湧くところです。
入手したLT1115用基板の解説ページは http://cat0048.my.coocan.jp/index.htm です。EQ定数は、入手しやすさを考慮して変更しました。

完成した基板と選別中のEQ回路部品 2017/05/12

DENONテストレコード OW-7401-ND 1kHz 5cm/sec DL-301U にて、216.82mV 残留雑音 41.8μV(A) SN 74.3dB(A) EQ偏差±0.1dB以内 参考までに、AU-α607NRAでは、利得が低く117.63mV 感度差 5.3dBでした。
スルーホール基板ですので、部品の安易な付け替えはできません。故に、EQ素子は、外付けで、十分に確認を取らないと失敗します。
ところで、MCカートリッジの場合、負荷抵抗は、100Ω、負荷容量は、1000pF+(カートリッジ内部インピーダンス33Ω)が定番で、周波数特性の変化には、鈍感です。
しかしMMカートリッジの場合は、指定容量が、100〜450pFまであり、迷います。更に、負荷容量と、周波数特性が密接に関係すると言うことで、EQ側で備える、コンデンサ容量に対して、シビアな選択が要求されます。

カートリッジから見た、
負荷容量は、カートリッジリード線、トーンアーム内部配線、出力シールドピンプラグまでの容量と、基板に実装されたコンデンサ容量との合計となります。各所のホームページでは、ヒアリングで決めるとする所が多く有りましたが、如何にも、オーディオそうろうで、不確実です。最低でも、プレーヤーからアンプ入り口までの容量は、既知の値なので、ネット上で探しましたが、見あたりませんでした。そこで、実際に、自家用機で測定しました。測定結果 Technics SL-1200MK2  約103pF MMカートリッジを最適に使用する場合の参考としてしてください。
 RIAA偏差を究極まで追求すると、温度ドリフトに悩まされ、0.02dBの壁を感じました。もう少しこだわるので有れば、恒温漕が必要となり、常温環境では0.02dBが、限界でしょう。これとは別に、MMとMCポジションでは、同じEQ素子であっても、偏差が異なり、SW切換による、兼用ではなく、MC専用としました。

A級アンプに続き、EQアンプも完成 EQ用ケースは、廉価なYM350にしました。とはいえ、使用部品に妥協は有りません。電源SWは、レバーロック形 照光式SWは、IDEC AL6H-A14R、 RCA TOMOCA C60、ITT XLR-3-32等を使用しました。

2018/06/11
EQアンプは、MUTE機能を充実させました。電源ON-OFF時は、自動でMUTEがかかります。手動にも対応していますので、針の上げ下ろしのショックノイズをMUTEできます。入力はプレーヤに合致したRCAピンプラグで入力し、出力は、不平衡ですが、接触不良の少ないXLRコネクタを使用しました。MUTEは、Panasonic TX2-24リレーで、出力のLPF回路に抵抗が入っているので、その出力側をリレー接点で短絡しており、接点不良になっても、音質劣化しません。電源トランスは、電源検出用を追加して、2個、立ち上げ時のMUTE時間は、8秒です。  MUTE回路図 eq_mute.pdf
内部写真 ノイズフィルター付き3P電源インレット、2個の電源トランス、ミューティングリレー等が有ります。

MC用RIAA-EQは、入力インピーダンスが低いので、偏差測定は、600Ωがターゲットの発振器では使用できない事があります。
2018/06/11
LRバランス ±0.02dBとなりましたので、左右の位相差も極めて少なくなりました。RIAA偏差は、30Hz〜30kHzで、±0.1dB以内なので、ハイエンド機と遜色有りません。


技術者のひとりごと(少し過激ですが、迷信に惑わされないように敢えて述べておきます)
オーディオ部品の音質論議が盛んなようですが、公共施設で音響設備の細部まで、検査、測定を行い、メーカー製品の修理を多数行ってみて、良い音とは、事故の無い音であり、安定した音だと思います。
スピーカー再生技術を向上させても、音が良くなる事は無く、悪くなるのを防止できるという言い方が適切で、原音以上の音は、期待しない。
1.電源は、過熱しないコンセントと、2mmのVVF、60Aクラスのメインブレーカーが備わっていれば大丈夫で、それらは、一般家庭では常識的に設備されています。コンセントにアルミケースなど不用。
2.ノイズフィルターは、あればそれにこした事はありませんが、高額な機器を別置きする必要もありません。各機器内部に入っているフィルターで十分です。テーブルタップで雷ガード付きが有れば、システムに組み込むと良いでしょう。
3.機器の放熱は、製造年が新しいほど、悪化する傾向ですので、長寿命で使用するには、通風の良い環境に設置します。
4.電源コードは、機器付属の物で十分で、万を超える物は不要です。日本製アンプの2Pコードは、抜けやすいので、半抜け状態にならぬよう注意してください。PCと同じ3Pの方が合理的で、接続が安定します。
5.スピーカーケーブルは、対称性が高く、有効にインダクタンスキャンセルしている物0.1Ω以内を目標にします。ブランドにこだわる必要はありません。長さは、左右等長が、好ましく、余長は、伸ばし置きしても、巻き込んでも、電気特性の差はありません。
6.信号線は、必要以上に長い物は使用しないで、これも左右等長にします。プラグは、XLRが高信頼ですが、普通は、RCAピンの機器が多いと思います。プラグの接触は、中心も、外側も同じような抵抗を感じる物が良く、必要以上に固い場合は、ジャック側の半田付けを損傷する可能性があります。電線は、機器が浮くような太い物は必要でなく、4〜6mmの外径の物で十分です。信号は、アンプ内部の抵抗の両端に発生する電圧ですので、ケーブル材質の影響は少なく、シールドがしっかりした物であれば、良いでしょう。
7.スピーカーの設置で、必ずしもスパイクを使用する必要はありません。4個は、がたつきの始まりで、使用するのなら、3個の方が理にかなっていると思います。接地面が気になる場合は、ゴムのような摩擦の大きい物で、軽い音のしない物を間に入れます。
8.スピーカーの低音のエネルギーは、床からの高さで大きく変化しますので、この条件でのチューニングは必要です。
9.スピーカーは、振動する機械であり、業務で、24時間大音量で使用する訳でも無いので、趣味的な使用では、ほぼ一生物として使えます。したがって、数週間程度の鳴らしで、エージング効果が現れて音が良くなるとは、思えません。まして、鳴らす音源で変化するような事も考慮外で良いでしょう。名器と呼ばれるバイオリンは、非常に古い物であり、優れた演奏者は、その味を存分に引き出して演奏します。古いスピーカーも大切に鳴らしたいものです。なお、ウレタンエッジスピーカーは、エッジ破損が、早く起き、一生物と呼べず、使用には、十分注意します。
10.ハイレゾ対応と称して、
急遽リボンツイーターを増設し、100kHzまで再生してみても、良い音など出ません。聞こえない周波数の再生能力よりも、SNを向上させ、高い解像度を求める方が、本当のハイレゾ対応と心得ましょう。
11.音質論+半田悪玉説という展開が時々有りますが、太い銅線や、真鍮製ハトメの周辺において、半田クラックによるトラブルが発生しますが、半田以外の、圧着や、ファストンコネクタでも、接触抵抗が多かったり、接触不良が発生しております。スピーカーのように、振動する製品は、注意しなければなりません。
12.DCX2496 DAC直後のPOST-LPF出力をそのまま取り出すという、反則技にチャレンジしてみました。バランス出力を得る為のアンプを通さない為、音の劣化を少なくできるという筋書きです。バランスマニアからはお叱りを受ける発想ですが、見事に当たりでした。10年以上経過した物ですので、転売する気もありませんので、思い切って、キャノンを切断して、回路から切り離す改造でしたが、解像度が更にアップしました。セラミックコンデンサによる性能劣化も、判明し、一気に矛盾が解消しました。 改造の詳細

13.クリーン電源による、完全な交流電源を使っても、奇数次高調波を含むダーティ電源でも、ハム雑音が出ない音響機器なら、差が出ません。
14.バランスアンプによる低雑音化は、万能ではなく、回路が複雑化し、入力換算雑音では不利になります。ハイインピーダンス回路が、いかに誘導に弱いか、それを克服する方が先でしょう。誘導雑音を低減するには、低インピーダンス化も、簡単で有効な対策です。
15.ハイエンドスピーカーがネット動画で紹介されており、音が確認できるようになり、個性豊かな音を聴いた結果、最高級よりも、やや下のグレードで、結構バランスの良い音のスピーカーも有りました。
16.真空管アンプが価格高騰していますが、原音よりも良い音を求めないように望みます。真空管アンプは、入力インピーダンスが高いので、思わぬ誘導雑音と、マイクロフォニックノイズも含んで、何でもかんでも分厚い音に化けます。


測定器リスト
オーディオアナライザー VP-7722A  コンデンサマイク ECM8000 マイクスタンド K&M 21020 25500B
マイク用アンプ 01V96V2   オシロスコープ リーダー 8060 8064 ケンウッド CS-5155 
デジタルマルチメーター フルーク 89W 189 289 HIOKI3237 3239
USBオーディオキャプチャ EDIROL UA-5 UA-25 UA-25EX
ソフトウェア 自作:デジタルマルチメーター用トレンドグラフソフト Adbe Audition Smaart V7、V7.330日間お試し版 Wave Spectra Wave Gene


最後までお読み下さり感謝です。
以後、各々の詳細な解説に続きます  次ページへ