スピーカーの上手な鳴らし方  論より実験のオーディオ思考   2017年 11月15日 更新 パソコン用サイト ディスプレイ解像度1920x1200以上推奨


【重要】掲載写真には、可能な限り、撮影日を掲載、測定結果は、csvファイルとして保管しています。特記無き歪率値は、THD+Nとし、LPF80kHzです。職業人として、数々の現場から知り得た情報の解説をしています。
できる限り、真実を捉え、掲載しているつもりですが、個人としての、能力には限界もあります。できれば、同じ実験、体験をされる事を推奨します。純A級アンプという呼び方は、A社のA級パワーアンプに対する情熱ある製品作りに敬意を表する為に使用しています。


プロ音響と趣味オーディオの融合を考え、時には、市販されていない機器製作、製品の改造まで行い、劣化しない、ありのままの音を求めてみました。
 2004/12/26 adat 8chデジタル伝送(48kHz24bit) と、PCM48kHz、96kHzの比較実験を行う
マルチシステム開発の経緯
2002〜2008年 96kHz24bitハイレゾ音源 デジタルミキサー活用 CD自主制作 マルチアンプ駆動実験まで

 オーディオは、かつての隆盛期を知る者として、現状は非常に寂しいものとなっています。かく言う私も、2008年(平成20年)までは、15インチ3WAYスピーカーを、Mos-FETプリメインアンプで、好きな音楽を聴くという、中級オーディオファンで、振動や、電線の音の違いは、頭が痛くなるだけで、百害有りと、関わらぬようにしていました。
2002年
、CDとは次元の違う(今で言うハイレゾ)、96kHz24bitデジタル音源を得る為に、EDIROL UA-5を購入し、efuさんのWaveSpectra、 WaveGene等のソフトを駆使して、パソコンとの関連を研究。縁有って、アマチュアライブのPAを手伝うようになりました。馴染みの楽器店で、中古デジタルミキサーProMix01を購入し、その性能に触れてみました。スチューダー録音卓のように、モーターフェーダーで、一気にシーンチェンジできる事に圧倒されました。48kHz20ビット機でしたが、デジタル出力を、PCでデジタル録音し、ライブCDを作って、演奏者にプレゼントしました。これにより、デジタルミキサーの将来性が有望と思い、時代に乗り遅れぬよう、2004年、96kHz24bitデジタルミキサー01V96V2(当時\250,000)を新品で購入し、その実用性などの研究を行いました。コンデンサマイクや、マイクスタンドも買い求め、8chデジタル伝送adatも使用してみました。2005年には、録音した24ビットマスターから、CDを制作。勿論、デジタルミキサーは、良い所ばかりではなく、運用レベルを下げたとき、ギザギザの出力となる体験もしています。このような不都合は、なかなか表面化しませんが、実際に使用して、初めて知り得る情報であろうかと思います。この体験がきっかけとなり、デジタル音源を MAX=0dBFS のままDA変換し、アナログ段階で、パワーアンプに必要とされる音量を確保するという音量調整システムを採用する事にしました。
 2008年頃は、小型スピーカーも各種所有するようになって、それらの周波数特性や、歪率測定を行っていました。その結果、小型スピーカーは、再生帯域の何処かで、必ず歪みが多くなる所があり、大型スピーカーとは差が有る事がわかりました。
 仕事が、PA機器修理から音響ホール保守にシフトしていった結果、SR用スピーカーや、その駆動形態に触れることができました。ホールでは、15インチのウーハー、HFドライバー+ホーンの2WAY構成が多く、大半が、マルチアンプ駆動されていました。キャノンコネクタ、ノイトリックスピコンなど、家庭用オーディオとは違う、プロ現場ならではのパーツと、関わるようになりました。この時まで、マルチアンプ駆動と、LCネットワーク駆動では、同じスピーカーを鳴らすのだから、さしたる音の違いが無いと考え、自家用スピーカーは、1台のプリメインアンプによるLCネットワーク駆動でした。
 使用していたTOA 380-SE 1984年製で、20年以上経過しており、そろそろ引退時期と考え、スピーカー入替前に、折角、3WAYマルチ可能な仕様だからと、その実験を行いました。実験は、聴感だけの判断ではなく、測定器を使用して、正確なレベル判定できる事が、マルチアンプシステム構築には必要不可欠ですので、その手法開発から着手しました。その結果、周波数が変化しても、振幅が変化しない、ワーブルトーン音源を用いる事で、安価な交流電圧計(BW=20kHz以上)でも、正確な音量レベル測定が可能になりました。WaveGeneで1オクターブバンドと1/3オクターブバンド幅の2種を作り、実験に使用しました。一般的には、ピンクノイズにて、専用測定器となるのですが、ホールでの音響測定にて、積分時間で測定結果が変わるなど、その曖昧さも熟知しており、アマチュアでも扱える安価な測定器で、スピーカーのバランスが取れるようになりました。
2008年末 ウーハーにディレイ(遅延)を掛け、音の変貌ぶりに驚く
 
廉価な、CX3400を入手して、実験を開始。CX3400は、LFchにディレイが掛けられる仕様でしたので、配線が済んで、試聴段階で、ディレイを操作してみると、かなり音色が変化し、ある所で、パット明るくなるような箇所が有ることに気付きました。この後、しばらく、この変化を確かめるように、色々と試聴をしてみました。大きく変わったのは、ピアノの音で、リアリティが出たという事と、シンバルの音が、JBLのような分厚い音に変わったという事で、これは驚きでした。曖昧なアナログディレイでの変化ぶりから、デジタルディレイならばもっと正確な最適値が、ツイーターを含む全チャンネルに設定できると考え、その仕様を満たすDCX2496を2009年早々に入手しました。DCX2496は、デジタル入力がプロ仕様のAES/EBUなので、フォーマット変換用としてSRC2496をセットで購入しました。
この時のSRC2496は、アナログ入力が逆相なので、キャノンの2,3を逆にして使用しました。その後に入手した物2台は、正常な極性に改善されています。
2009/04/14 2波トーンバースト使用の遅延実験
2009年 デジタルチャンデバで大きく変貌
LCネットワークを捨て、DA変換 → 6連マスターVR → パワーアンプ → SPユニットへ直結

 2009年は、年初のDCX2496導入により、システムが大きく変貌しました。メインの3WAY SPは、LCネットワークとアッテネータを取り外し、SPまで直結としました。0.5Ωと接触抵抗が大きいフォンプラグも、接触抵抗が低いスピコン入力に改造し、内部配線は、LFとMFを4S6にて等長で接続しました。20kHzでの再生レベルに難が有った、ツイーターは、FOSTEX T90Aを外付けして難を解消。同時進行で、アルプス製モータードライブ式6連ボリュームによる、マスターボリュームを自作し、パワーアンプの音量設定をシンプルなものとしました。この時のシステムでは、-25dB以上の音量になると、急激にやかましい感じがするシステムでしたが、常用音量では、高解像度の音が出ていました。
2009年11月
には、時々歪みが出るパワーアンプの問題点が、古くなったミューティングリレーが原因であることを解明し、所有アンプのリレーをG2R-2-AULに換装して、音質の不安定さを解消。30kHz超となった高域再生能力とバランスする為、超低域を、18インチウーハーを加えた4WAYシステムとして、現在にまで至るマルチシステムが完成しました。最初は、SPユニットのタイミング調整は、2波のトーンバースト波でしたが、よりシンプルな1波のトーンバースト波にしました。このようにして、捨てるつもりのスピーカーが、全く最新の音へと変貌しました。大金を使わなくても、庶民レベルの予算で、ホール音響をも凌ぐ事が可能となり、この感動と実現手法を皆様に発信する為に、ホームページを充実する事となり、現在に至っています。
この時の4WAYシステムは、
100Hzあたりが、痩せているという宿題を残していました。
原因として、
1.ホールのような大空間と違い、狭い居室では、定在波の影響が大きく出る。
2.リンクウイッツライリーフィルターのクロスポイント合成特性は、低域ほど痩せて測定される。(クロスオーバーポイントで位相が反転するので、2ユニット間の位相のズレが低域ほど顕著に測定結果に現れる)
3.マルチアンプ駆動の為、ネットワークコイルを外したので、ウーハーの高音域が強調されるようになった。
4.アンプまで低インピーダンスで接続したので、ダンピングが良くなり、ボン付きによるエネルギー感が無くなった。
等々の理由があり、この時は、問題に深入りすると、本筋を見失うとの判断で、解決を先送りする事にしました。
2016年に、一つの解を得ました。この宿題の解

2010年 アンプ機種統〜アナログ6連ボリュームに代わり、6連電子VRを製作
 このように、どっぷりとオーディオの世界に再び浸かってしまいましたが、機材を全て新品で購入していては、財布が保ちませんので、あまり進歩していないアンプは、ネットオークションで安上がりに揃える事にしました。パワーアンプは、重厚長大で、しかも割高でしたので、プリ部と、パワー部が分離できるグレードの、プリメインアンプ中で選ぶ事にしました。
 まずは、手持ちのアンプと合わせる為に、SONYのMos-FETアンプを入手、安価で短時間に揃える事ができました。Mos-FETアンプの次は、オーソドックスなバイポーラトランジスタアンプという事で、オーディオの足跡を参考に、手頃なアンプを求めましたが、人気機種は、かなり高額で、落札も難しく、少し仕様落ちの
SANSUI AU-α607XRを落札しまして、性能比較を行いました。艶っぽい音のFETアンプに対し、低雑音で高解像度の607XRとかなり迷いながら、4WAYマルチアンプシステムは、SNが良い607XRで統一する事としました。現在までに、607XRは、6台、MR、NRAがそれぞれ1台で、合計8台入手しました。607XRは、バランス出力であり、これに相当する現行製品を購入していたら、かなりの金額になります。
 2011年
は、電子ボリュームIC PGA2311PAにより、6連ボリュームを製作しました。アナログボリュームと比較し、ギャングエラーと、クロストークが少ないので、音量の精密な制御が可能となり、-40dB以下の微少音量でも、明確なステレオ定位が得られるようになりました。アナログボリューム時の、-25dB以上で音がうるさくなる現象は、電子ボリュームを実用化している段階で解消され、-16dB程度まで上げてみても、大丈夫となりました。音量ステップは、0.5dBでかなり正確です。
2013/06/17 真空管式プリアンプCL35Uチェック中 ヒーターDC点火で、質の高い製品でしたCL35U ヘッドホンアンプの改良はこちら
2012年〜2014年
Mos-FET、バイポーラTR、真空管、スイッチングアンプ(デジタルアンプとも言う)の各方式と、スピーカー負荷との関係を熟知 理想の点音源とされる同軸2WAYスピーカーを3組入手

 
2012年にて、マルチアンプシステムは、ほぼ完成し、アンプと、マルチシステム用SPユニットの購入も一段落しました。マルチの次は、理想の点音源を体験したいと思い、2012年暮れ、KEF製同軸2WAYスピーカーQ15を入手し、マルチシステムとの比較を行うようになりました。同じ頃、アナログレコードを大量に譲り受け、デジタル保存をしました。LUX真空管アンプMQ60の修理を行うチャンスがあり、真空管アンプの音質や物理特性などに触れることができました。デジタルパワーアンプ(スイッチングアンプ)も、音質や物理特性のデータを収集し、各アンプ方式の比較ができました。
2014年
は、KEFのQ70も入手し、現在の高級品スピーカーレベルの4WAY構成を味わうことが可能になりました。同軸2WAYの元祖TANNOYの12インチスピーカーも3台入手でき、うち1台は、高音ユニットの磁性流体交換を行いました。同軸2WAYも、ホーン、ドームの2方式を比較できるようになり、これらと、4WAYマルチシステムとの比較もでき、常人とは異なった体験ができたと思っています。一般には、理想的な点音源再生と評される、同軸2WAYですが、リスニングポジションは、センターから少し離れると片寄りが顕著になります。同軸2WAYの3システムを交互に使用できる環境での検証の結果、センターで聴かなくても、定位が安定しているという、評価は正しくありませんでした。それと比較して、直線上にSPユニットの中心を揃え、ホーン開口面も揃え、リスニングポジションへの各ユニット音の到達時間を整合した、4WAYマルチシステムの方が、定位が安定しているエリアが広く、どっしりとしています。ホーンツイーターは、リスニングポジションにおける、耳の高さに設置すると良い結果が得られます。奇数次歪みが多いドームタイプ同軸2WAYは、ニアフィールド用、距離が取れる場合は、奇数次歪みの少ないホーンスピーカーが優位と考えるべきでしょう。

2015年〜2016年
SPシステムもほぼ完成で、仕上げにオーディオアナライザーを入手し、セラミックコンデンサーによる悪影響を検証 その結果より、チャンネルデバイダーを改造

 2015年になると、自家用スピーカーシステムは、落ち着いて使用できるようになりました。業務のキャリアアップの為、自家用としてオーディオアナライザーVP-7722Aを入手し、自己所有のアンプや、チャンネルデバイダーなどの歪率、SN比測定などを行いました。更に、AP製アナライザーも使用する機会に恵まれました。このような測定器が有れば、、ゼロの数を追いかける、測定マニアになりそうに思えるのですが、そうでは無く、オーディオアナライザー導入の成果として、機器に使用されていた、セラミックコンデンサーによる、歪率特性悪化の実態把握と、改造による特性改善にまで踏み込む事となりました。
セラミックコンデンサーによる歪率特性悪化とは
 音響機器のTHD+N歪率特性は、出力が上がるにつれ、低下していきますが、オーディオ信号が大きくなると、途中から反転して、歪率が悪化する機器に遭遇しました。これを解析してみると、回路中のチップタイプの積層セラミックコンデンサーに原因がある事が判りました。コンデンサ歪みでネット検索すると、DC電圧がかかると容量が変化して歪むという解説も多くありますが、全く直流がかかっていない回路での測定結果あり、この説明では不十分です。コンデンサに交流信号を通すだけで、歪みが発生している事実が重要であり、その原因を取り除く事は、純粋なオーディオ環境構築に、重要な作業です。問題を発見した時のコンデンサの容量は2200pFでしたが、470pFでも発生することがわかり、以後のコンデンサに対する考えは大きく変わりました。動作原理上から部品を吟味するのではなく、実際の測定結果から判断するのが、この問題を防ぐ方法です。最近に秋月で購入したMLCCタイプ積層セラミックコンデンサ47pF、220pFがそのような歪みが発生せず、同じタイプの0.1μFでは盛大に歪みが発生します。このように、測定しなければ判らない事にも遭遇しています。是非とも・・・だからという決め付けではなく、必ずデータを取ってみる事が最善の方法かと思います。小容量コンデンサでは、マイカコンデンサもどうかと思い、62pFと100pFを入手し測定を行いましたが、フィルムコンデンサよりは、やや劣るようなオーディオ性能でした。47pFのフィルムコンデンサなる物も入手しましたが、こちらは全く問題有りません。銅箔タイプのスチロールコンデンサも測定しましたが、通常のスチロールコンデンサとの違いは全く有りませんでした。
フィルムコンデンサ使用POST-LPF回路
 デジタルチャンデバ歪率特性が、想定したより悪いので、これを改善するため、別基板で、フィルムコンデンサを使用したPOST-LPF回路を、機器内部に組み込みました。この結果、16ビットCDの音質向上と解像度がアップしました。真鍮楽器の響き具合も、金属らしいリアルさを増しました。廉価でも、基本設計がしっかりしている、DCX2496に、改造を施したとはいえ、ここまで踏み込みました。
 
2016年SLFで使用しているアナログチャンネルデバの改良を行いましたが、フィルムタイプのチップコンデンサーを手作業で半田付けする事が、非常に難しい作業であり、思うような結果が得られず、別基板70Hzフィルター回路を自作しました。ステートバリアブルフィルターですが、24dB/octの解説はインターネットでも非常に少なく、http://park8.wakwak.com/~hilo/audio/diychandiv/lr4chandiv.htmを主に参考としました。最終的な回路設計及びシミュレーションは、Tina-TIです。DCX2496−電子ボリューム間がDC直結ですので、アナログチャンネルデバイダーもDC直結とする為、FET入力のOPA2134を使用しました。これにより、温度ドリフトが非常に少なくなります。オフセット調整が有れば良かったのですが、回路簡素化の為、オフセット調整は、パワーアンプで行いました。70Hzフィルター回路の性能は、残留雑音が、7μV前後で、SN比は、+4dBm時で、103dB以上 歪率も0.001%以下となり、満足できる結果となりました。通販で購入した一般品だけで、これだけの性能を出せますので、腕に覚えの有る方、チャレンジしてください。
0.068μF200本を容量選別した残り(交流電圧値で管理すると誤差0.01%以下が可能) 4本組x5 2本組x8 
2016/05/14

2009年からの宿題の解 (100Hzあたりが痩せる)は

 DCX2496にて3WAY化した、LF用信号を、そのまま15インチウーハーに加え、70Hz以下を24dB/octのアナログフィルターを通し、18インチウーハーの音をプラスして、空間合成するという、現在の手法でほぼ解決となりました。測定では、ブースト量+1.3dBと小さくても、アレイ効果が大きく現れ、パワフルな低音です。15インチ+18インチの組合せ以外でも、例えば、16cm同士でも効果が認められる事も確認しました。後に、JBL Project EVEREST DD66000 が15インチウーハー2個をこのような組合せで使用している事を知りました。JBLの場合、素性の良い15インチユニットを150Hzクロスで、組み合わせており、150Hz以上は単独動作で、コーミング現象を避け、150Hz以下では、ダブル動作で音圧を上昇させ、超低域まで、フラットにしています。高級スピーカーに縁が無いので、知らずに過ごしてきましたが、2006年より、これが有ったとは、JBLに脱帽です。
スタガードバスレフ方式として、各社のハイグレード製品に採用されています。しかし、同一BOX内における、ユニット同士の干渉を考えると、別BOXでマルチ駆動ならば、もっと良くなる可能性が有ります。 具体的な方法
アレイ効果
ライブPAで一般的な手法として定着したラインアレイですが、線音源の形成により、距離による減衰が、点音源より少なくなり、遠達性能が向上する事を利用する事をここでは、アレイ効果が発揮されたとしています。
24dB/octリンクウィッツライリーフィルターは、クロスオーバーポイントでは、通過帯域から位相が180℃反転します。従って、フラットなチャンネルと、クロスオーバーポイントで合成する場合、位相を反転しなければ正常に合成できません。

2017年 LM3886パワーアンプ/LT1115 MC専用RIAAイコライザーと、4WAYマルチ用小出力純A級パワーアンプ

 インピーダンス測定信号用に使用していたTA7252APパワーアンプが、2電源使用のOPアンプ部と相性が悪く、信号を共用すると、ハムが出て対策に苦労していました。それならばと、2電源で使用できる、
パワーIC LM3886を使ってみる事として、一応の成果を得ました。
電源ハムから解放され、残留雑音が、98μVと優秀で、THD+N 0.0038% とまずまずでした。ホーンスピーカー直結で、10cmも離れれば、雑音も聞こえなくなり、マルチアンプでも使用できるレベルです。気を付けるのは、思ったより、安定度が低いという事です。結構、発振しやすく、NF定数には注意が必要です。後は、電源OFF時のミュート回路の工夫をすれば、実用可能です。±15Vの電源で、6W程度の出力と手頃ですので、OPアンプとの組合せ時に、手頃なアンプとして利用できます。
LT1115でMC専用RIAAイコライザー自作
 真空管式プリアンプCL35Uを修理して、アナログレコード試聴を行い、12AX7の鳴りっぷりの良さと、どことなく、くすんだ自家用アンプのRIAAイコライザーに物足りなさを感じていましたが、ここを埋めるべく、RIAAイコライザーの自作に取り組みました。FETヘッドアンプ+OPアンプ構成、完全ディスクリート、OPアンプだけの構成とあれこれ悩みましたが、トラ技 黒田先生の記事に影響を受け、最近の低雑音OPアンプで作ってみたいと思いました。記事はLT1028による、MC用イコライザーアンプでしたが、関連するOPアンプのデータを調べているうちに、LT1115に辿り着きました。幻のLME49990にも関心が有ったのですが、オークションで、データーシートと同じ回路の基板が出ており、これに挑戦することにしました。LT1115 秋月¥450で入手できましたが、容量負荷駆動用パワーバッファLT1010が入手できず、マルツ\547で入手しました。イコライザー偏差を追い求めると、温度ドリフトの問題に行き当たり、0.02dBの壁に当たってしまいました。実測結果は、±0.1dB以下を余裕でクリアしました。この製作過程で基板は、MM-MC切換可能ですが、EQ偏差を厳密に追求すれば、それぞれ専用が望ましいという結果も導き出されました。
 気になるSN比は、1kHz 5cm/sec DENON DL-301Uで、74.3dB(A)で、自家用機とは、7dBの改善という結果となりました。入力換算雑音は、-144dBVです。プリント基板は、スルーホールですので、安易な部品の付け替えができません。手持ちのカートリッジに特化したRIAAイコライザーが作れました。OPアンプでも、これだけのSNが確保でき、聞き古したアナログレコードから、新たな音の発見という楽しみができました。
自作で成功する秘訣は、EQ偏差や、LRのバランスに関係する部品を、徹底的に選別する事で、大量に部品が残りますが、できあがった物の完成度の高さにより、無駄は感じません。電源は、PSRRが高いOPアンプなので、ディスクリートアンプのような厳格な低雑音電源は必要なく、3端子レギュレータでも結構いけてしまいます。
4chマルチ用 純A級パワーアンプ自作
 LT1115を万一に備えて余分に購入し、余りましたので、トラ技 黒田先生の2017年5月号を参考に、OPA1612を、TRIM端子の有るLT1115に置き換えた純A級アンプを、製作しました。マルチアンプシステム用とし、LMHの3入力で、出力は、その3chプラス、70HzLPF経由のSLF用で、計4ch分内蔵です。
 最大出力の設計値は、現用スピーカーシステムにおいて、厳密な出力調整を行っており、マスターVR 0dB=0dBFS 100W at 8Ωで7年間運用して、最大VR位置は、-20dBでした。電力にすれば、1Wです。7年でこれですので、今後も1Wを越えての運用は無いと考えました。アンプの究極性能なら純A級アンプなのですが、価格、重量、発熱を考えると、市販アンプでの、4WAYマルチ実現は、かなりの困難です。アンプの出力が、1Wならば、いくら効率の悪いA級でも、発熱が相当に小さくなりますので、A級4chマルチが実現できます。万が一の余裕を見て、3Wぐらいを目標として、構想を進めました。最近のスピーカーは、大半が80dB台の低能率に対し、自家用マルチシステムは、SLF 98dB/W LF 102dB/W MF 110dB/W HF 106dB/Wと高能率SPユニットなので、3Wアンプでも十分です。音楽のピーク成分が非常に高く、それに備える為に大出力アンプが、必要という説明に対し、元々、CDには、MAX=0dBFS以上の音が存在しないので、その説明は欺瞞でしょう。
 小出力純A級アンプは、電解コンデンサの耐圧が低くて良いので、大容量を使用しても、コスト面で有利で、電源トランスも小型になります。保護回路は、各chの中点電圧と、放熱板の温度上昇に対して動作します。ミュート回路は、電源検出を行いましたので、電源トランスが3個になりました(2chバージョンでは、2個に集約)。ヒートプロテクションは、テストモード43℃ 通常動作67℃で、当然テストモード時では、保護回路が動作します。製作過程では、誤配線により、トランスの二次電流が9A流れたような場面もありましたが、部品破損もなく、完成に漕ぎ着けました。放熱板のざらついた面は、放熱用グリースをできるだけ薄く塗布し、密着度を上げてネジ止めします。量産では有りませんので、できるだけ丁寧に密着させました。調整中、間違って通電時に部品交換を行ってしまい、ドライブトランジスタ短絡故障により、過電流にて、アンプがオーバーヒートしましたが、温度保護により、大事故にならずに済みました。エミッタ抵抗は、黒田先生は0.47Ωですが、本機は、0.22Ωなので、熱暴走の危険があるとのご指摘もあり、TC622EPAによるサーマルプロテクションを掛けたのが、幸いしました。
パワートランジスタ Tj(ジャンクション温度)を求める トランジスタB-E間電圧の実測結果
パワートランジスタ Vbe 温度変化のグラフで、元データ43,000を500に圧縮
500データ = 3時間分 室温28℃ 2017/08/26 
 純A級アンプは、発熱が大きいので、放熱設計も重要で、温度管理を放射温度計で行っていましたが、Vbeが-2mV/℃とのアドバイスをいただき、早速測定したのが上のグラフです。だいたい2時間ぐらいで、温度が平衡します。それ以降は室温に連動し、温度計の代わりになります。これで、求めた、パワートランジスタのジャンクション温度は、70℃で、150℃まではかなり余裕です。一昔前に、水晶発振器の恒温漕が、60℃だったので、70℃ならば、動作も安定すると考えます。
発振
 残留雑音は、試作段階で、4μV台(A)でしたが、4ch組込動作時は、8μV(A)前後と悪化しました。更に、発振気味なので、利得を上げて、更に、電圧増幅と、電力増幅のアースポイントを分離して、安定度を稼ぎましたので、最終的には、20μV(A)前後となりました。80kHzLPF値では、残留雑音50μV前後です。SN比は、0.125W(1V)時、85dB以上で、THD+Nは、0.003%となっています。性能をフルに発揮するには、1ch毎にするのが、ベストである事も、この結果により明らかですが、最低限のステレオセパレーションは確保しつつ、オールインワンのイージーさも、音楽を楽しむ要素となりうると思います。発振は、4ch分のスピーカーを接続した時に発生し、発見方法は、電源電流の監視と、オシロスコープでの観測と2本立てです。発振周波数は600kHz台で、複合的な要因で発生しますが、パワートランジスタのプラス側の電源線と基板の容量結合も一因で、プラスの線の廻りをマイナス電源線で囲う事も有効でした。積極的に、静電シールドしても良いでしょう。

4ch A級アンプ Lch用 放熱板と、出力コイルは、YAMAHA MX-55から流用 電源トランス3個使用しました。 2017/07/30

 回路構成は、LT1115 - 2SA1015/2SC1815 - 2SA1186/2C2837で、シンプルです。アンプ背面は、簡単に脱着できるようにしています。緩みやすいネジ式ターミナルは使用せず、プロ音響仕様のスピコンです。既設が民生アンプなので、スムーズにシステム移行できるよう、XLRとRCAを併設しています。LT1115は、1回路のOPアンプで、TRIM端子が@Gに出ていますので、25回転半固定VRにより、簡単で精密なオフセット調整しています。この為、DCアンプでありながら、ホーンスピーカー直結が可能で、マスターVR以降のコンデンサレスも可能です。尚、位相補正には、今や貴重品である、スチロールコンデンサ20pFを使用しています。

出力は、NL4を使用 入力もXLR装備でプロ音響仕様 2017/08/07

 このアンプで、アイドリング電流を変化させた歪率特性を測定しました。0.1mA 1mA 10mA 100mA 200mA 測定結果は、10mAを越えると、差がわずかとなり、ヒアリングでもその差が感じられなくなりました。通常のアンプでは、40mA〜60mAを流して、AB級動作としていますので、アイドリング電流による問題発生は、それほど考えなくて良いでしょう。1kHzでの特性変化を以下に紹介しますので、参考にして下さい。100mAと、200mAでは、殆ど同じ歪率特性ですので、A級動作にこだわった場合でも、必要とされる電流量の見当が付くと思います。
アイドリング電流変化時の、歪率特性変化(B級からA級まで)
 
2017/06/14
 このように、無駄に大出力を求めて、性能を悪化させたり、膨大な発熱や、コストを増大させず、必要な出力を目指しています。それでも、出力トランジスタ2SA1186/C2837は、100W級LAPTで、Ic=3Aまでは、理想のhFE特性です。トランジスタは、一応、ドライブトランジスタと総合でペアとなるように、選別しています。パワートランジスタは、購入数量に限界がありますので、安価なドライブ用トランジスタ、低雑音の2SA1015/C1815の購入数量を多くし、ダーリントン構成でのペア選別で、結構な割合で良い組合せができました。
低インピーダンス電源
 大出力を求めないので、パワー回路の電源電圧は、低くても構わず、16V33,000μFという、大容量コンデンサが使用できました。超低順方向電圧のSBRブリッジ(秋月で入手)により、HT-165(16V5A)の電源電圧は、±10.6Vです。ドライブ回路は、±15Vの3端子レギュレータ定電圧駆動で、保護回路は、別トランスから供給しています。ドライブ用電源の片側だけを保護回路電源と共用した場合、歪率が悪化しましたの、電源分離の為、トランスが3個となりました。
使用したSBRブリッジは、プレスのバリが出ており、そのままでは、放熱板に密着しませんので、ヤスリでバリを落としました。
 信号源抵抗が400Ωまでで、ベストパフォーマンスを発揮するLT1115を使用していますので、入力インピーダンスもそれなりに下げた設計で、ケース内で、変な誘導を受けません。高入力抵抗は、さも電圧増幅には良いのだろうと、一般的には考えますが、こうした回路は、信号経路を長く取った場合は、誘導の影響が大きく、実際に音が出て、電流が流れると、どこからともなく、誘導を受けます。正弦波での歪率や、SN数値が良くても、このような、測定の網には引っかかりません。一流メーカー製品であれば、プリント基板で、信号経路を最短にできるとして、このような可能性を排除できるかも知れません。試作を、金属ケースを使用しないで裸で行ったのは、フルに誘導を受ける環境での試作こそ、有意義であると思ったからです。アンプケース内部での誘導は、片chのみの接続で音を出しておき、もう一方を無接続とし、無接続側のchにも、出力が出ることで判ります。真空管プリアンプを、カソードフォロアを付けないで、パワーアンプに接続した時は、このような誘導雑音が発生します。ハイ受けロー出しがオーディオの基本です。
直近に製作したアンプの歪率特性 
2017/10/23
0.01W時 THD+N(80kHzLPF)=0.01%以下

 THD+Nが0.01W時0.01%以下のアンプは、数が少ないので、どんな音になるのか興味が湧きますが、果てしなく解像度が上がるという表現に尽きます。0.01%は、SNでは80dBに相当します。スピーカーが100dB/W前後なので、0.01Wで音圧80dB(1m)となりますが、0.01%歪みの音圧は0dBとなり、聞こえません。このような、低雑音、低歪率アンプの音は、録音中の残響がしっかりと聞こえ、ボーカルのコンプレッサー歪みも簡単に判別できます。各部を低歪率、低雑音化していくと、その段階毎に、残響が深まり、金属音のリアルさが増すというのが、一連の音質評価を行っての、共通の結果です。出力レベルにより、供給電流が変動しないのは、A級アンプの最大メリットです。高能率スピーカーにより、音圧面での妥協も無く、小出力アンプでも、十分な音圧が確保でき、小出力なるが故、発熱量も少なくできます。小型フルレンジスピーカーとも、親和性が高く、ナチュラルな音色のスピーカーならば、高解像度が活かされ、ジャンルを問わず聞き込めます。A級低歪率アンプは、スピーカーと1対1接続ならば、最高のパフォーマンスを発揮します。ネットワーク式マルチWAYスピーカーを鳴らして、あれやこれやアンプに注文を付ける前に、スピーカー環境を整理すると、低歪率アンプの真価が発揮できます。低雑音、低歪率アンプの音がそれほどでもないと、高性能を否定する意見も多くありますが、スピーカーの癖を誇張するような鳴り方こそが、このようなアンプが得意とする所なので、よりナチュラルに鳴るスピーカーを探した方が、手っ取り早いと思います。

退役するAU-α607XRの最後の花道 まさしく虎は死して皮を残し・・・

 A級アンプの完成で、23年経過した、AU-α607XRは、卒業ですが、結構立派な放熱板が付いており、これを流用して、純A級2chアンプを製作。この放熱板を新品で求めるなら、\5,000以上で、これだけでもかなりの節約になりますが、基板もA級アンプとほぼ同じ回路なので、基板も流用。ブリッジアンプでしたので、1つの放熱板で、パワートランジスタ4個使用のステレオアンプが作れます。1台壊せば、2台分のステレオパワーアンプが作れるという事です。パワートランジスタの下は、銅板で、サンスイオリジナルの物です。放熱板は、#1200ペーパーにて、熱結合が良くなるように、更に磨きを入れました。パワートランジスタの取付は、サンスイオリジナルは、銅メッキ鉄タッピングビスですが、3mmタップを切り、真鍮ビスでの取付としました。このブロックでの磁性体は、放熱板の支え金具とその取付ビス、出力基板の止めネジです。
2017/10/09
 放熱器に2ch分を組込み、完成間近の状態です。中央は、ヒートプロテクションで、67℃で、パワートランジスタの電源を遮断します。ショートピンによる、テストモードでは、43℃で動作します。ドライブ基板と金属板抵抗も流用し、自作機といえども、すっきりとした仕上がりで、満足です。
OPアンプLT1115と、電流ブースターのダーリントン構成で、極めてシンプルですが、DC安定度は、607XRを上回っています。中点電圧保護回路は、ch毎に有り、ミューティングリレー回路に送られ、スピーカー回線を切り離します。
残留雑音は、4.7〜7.0μV(A)で、1V(0.125W)時SNは100dB(A)、最大出力時は、115dB(A)と、4chアンプより向上し、2chに減らした効果が有りました。参考までに、ドライブ基板(\160)は2ch分製作するのに、まる一日かかりました。
TIの新世代アンプOPA1611及びOPA1612をDegi Keyで入手しましたので、LT1115との性能比較を行う予定です。上のLT1115で2台製作してからとなりますので、2018年になりそうです。
  2ch仕様純A級DCアンプ 
2017/10/24
 ケース タカチ OS133-26-33SS 電源トランス HT163 HTR2005 SBRブリッジ整流 33,000μFx2電解コンデンサ 入力:XLR 出力:スピコン 出力 5Wx2 THD+N 0.00066% アイドリング電流0.6A 消費電力33W LT1115は±12V安定化電源で駆動 通気口が全然無いケースでしたが、厚手のアルミケースの為、温度上昇はわずかです。SBRブリッジによる、低インピーダンス電源の純A級アンプが約3.5万円で完成です。非常に高額なジャンルの純A級アンプなので、これが自作の妙と言えます。お気に入りのフルレンジスピーカーとベストマッチします。
4ch仕様2台、2ch仕様2台製作し、4ch仕様製作時には、性能面での妥協もありましたが、2ch仕様では、ほぼ試作時の性能を出す事ができました。更に、11月15日に、2chを2台シャーシー上で完成しましたので、合計16ch作りましたが、性能は安定しています。
MCヘッドアンプがそのままA級パワーアンプ
2017/10/28
残留雑音7μV(A) THD+N(80kHzLPF) 0.001% 以下の純A級DCアンプ 消費電力33W 低雑音なので、ヘッドホンアンプとしてもそのままで使用できます。
回路図を公開しますが、アンプ回部は、トランジスタ技術2017年5月号を参考にしていますので、オリジナルではありません。中点保護、ミューティング、熱保護回路等を読み取って参考にしてもらえれば良いかと思います。  純A級2chアンプ回路図
フルレンジスピーカーでも、マルチスピーカーでも、常に1対1で、良質なアンプと組み合わせれば、スピーカーもアンプも同時に引き立つという事が、今日までの結論となりました。良質なアンプとして、超低雑音小出力純A級アンプが商品としては提供されてなくても、自作する事で、実現しました。イメージだけの机上の空論や、高級オーディオ店でしか聴けないような機器を、ことさら持ち上げて議論するより、さっさと現物を作って音を出して聴いた者が勝ちでしょう。
12ch分の製作を終え、現在4台製作中で、計20ch製作する事になります。これだけの台数を製作すれば、性能を検証するには十分でしょう。


 以上が今日までの流れです。現在は、優れたオーディオ解説をしているサイトが多くあり、私も、参考として読んでいます。しかし、何と言っても、考えの基礎となった、「オーディオの科学」には、本当にお世話になりました。
科学的に向き合わなければ、音という空気の物理現象が見えて来ないと思います。科学的に、正しく空気を動かす事により、音楽家の芸術に心地よく触れる事ができる筈です。
 オーディオとオカルトが同義語になりそうなサイトも多々ありますが、頭ごなしに否定せず、簡単に実験できそうであれば、それらの主張を検証するようにしています。最新の科学情報を求め、、You Tube動画を検索し、書籍も読んでいます。
宇宙論、量子力学、素粒子論、スピントロニクスなどにより、電線で音が変わるとか、振動の影響の有無とかのヒントを得ようとしました。
 真空の世界の解説からヒントを得たのが、NFBが有るからこそ、アンプとスピーカーの関係が良好に保たれる事です。ピュアから連想するのは、濁りがなく清廉である事でしょうが、発電機で、発電機を駆動するのだから、音が出ていなくても、騒がしい関係であり、それを制御するのが正攻法でピュアだという考え方となりました。
対生成と対消滅のように、アンプとスピーカーの動的関係を考えた。


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gpae@a011.broada.jp    岐阜県瑞穂市別府32番地1 岐阜PAエンジニアリング 棚瀬 隆司

非営利の日本語サイトです。オーディオファンが無用な投資と不安に陥らないように、メーカーや、販売業者のミスリードを防止する主旨で立ち上げています。過剰な文学的修飾を避け、科学的に実証可能である事を最優先としています。

アマチュアオーディオファンからサラリーマンオーディオエンジニアまで幅広く対応し、、正しい知識が継承できる事を願っています。  金のかからぬオーディオ発展の為に 2017年 著者。
筆者の実務歴
特注電子機器設計製作(40年前 3kW出力DCアンプ製作、針麻酔治療器等) オーディオ機器販売  甲種第4類消防設備士として、建築音響(設計、施工) メーカー業務委託契約による音響機器修理(2社計15年) ホール音響保守点検(20年以上現在まで) VB6.0プログラミング等色々やり、ホント地方は大変!


序章:マルチWAYスピーカーシステム
 音楽は、地上で暮らす人類の叡智の結晶です。ステレオレコード再生には、金額の大小や非科学的な理屈ではなく、
身の回りに満ちている空気を、上手く振動させるオーディオ装置が必要です。理想的なステレオ再生は、同一性能のフルレンジスピーカー2個で可能です。とは言っても、波長が17m(20Hz)から17mm(20kHz)もの差がある、可聴帯域を1個のスピーカーで担うのは、無理で、オーケストラの大小の楽器のように、大小のスピーカーを組み合わせたマルチWAYシステムを使用する事が一般的となります。
 マルチWAYシステムは、スピーカーが複数でも、厳密に一つの音を作り出す必要があり、間違っても、同じ帯域を重複させないテクニックが必要になります。フルレンジスピーカーでも、1個で鳴らせば、理想ですが、欲張ってダブル動作(片ch2個)した途端に、理想とは、真逆の改悪になってしまいます。高精細映像用音源が、20ch程の音場が提唱されているようですが、耳の数と同じ2個有れば、事足ります。コーミングにより、複雑にディップする音響環境に豊かな響きが得られるか疑問を覚えます。


音の基点が明確なフルレンジスピーカー(国産13cm防磁型スピーカー)により、20kHzだけを20波出した波形(左)と、1kHzと20kHzを同時に鳴らした波形(中央)では、フルレンジスピーカーの限界が露呈しますが、1kHz+10kHz(右)では、綺麗な波です。
 2015/07/03
 一番右の1kHz+10kHzの波形は、シンバルなどの鳴り方に似ています。低い基本波に、高い周波数が乗っています。これを別置きのツイーターで出そうとすれば、タイミングの問題が発生します。タイミングは10kHzの場合波長34mmなので、少なくとも、この10%以内に、来るようにするのなら、許容される誤差は3.4mmです。回路中にコンデンサが入っていると、周波数により位相変化しますので、タイミング調整はもっと複雑になります。故に、調整を聴覚だけで行うのは、無理ではないかと思います。オシロスコープで波形を直接観測するのが最善の方法だと思います。オシロスコープが苦手ならば、スピーカーシステムは、フルレンジか、完成品の2WAY程度に留める方が良いのではないかと思います。フルレンジにスーパーツイーターを追加して、ハイレゾ対応というのは、金額的には可能であっても、それなりの調整が必要です。


マルチWAYスピーカーシステムを構成する所有ユニットの例 コーン型
 口径が異なるコーン型スピーカー例 Y社46cmウーハー、B社10cmフルレンジ、P社ラジカセ用57mm
2014/05/18

ホーン型(中音用) クリプシュ ONKYO HM-450A JBL 2445J+2380A
 2012/08/10

ホーン型(高音用) Beyma CP22(1.5インチVC コンプレッションツイーター)  Fostex T90A(リングダイヤフラム)

2012/06/25 2009/04/08
右側は、メーカーによれば、スーパーツイーターという名称で、高域可聴限界といわれる20kHzを越えて、30kHz以上まで再生可能です。CD-4方式アナログレコードを再生すれば、全く音を感じないのですが、コンデンサマイクロホンを使用すれば、30kHzをキャッチできます。


ホーンスピーカー

 マルチWAYシステムのスピーカー構成で、中高音ユニットとして、現在でもプロ音響で多く使用されています。
その原理や特性は、早稲田大学音響情報処理研究室WEBサイトにある、伊藤毅著「音響工学原論」7.4.3動電型ホーンスピーカー(初版昭和30年)が大変参考になりました。。ホーン臭い音という評論家の批判や、効率の悪いコーンスピーカーとのマッチングの難しさ、メーカーのコスト重視等により、家庭用スピーカーからは、消えてしまいましたが、音響変換効率の高いスピーカーで、高価ですが、現在もSR(Sound Reinforcement)の世界では、必須のアイテムで、ドーム型スピーカーでは、その代役は務まりません。特長は、過渡特性が大変良く、低歪みで、音の強弱表現が優れています。欠点は、コストが高く、大型であることと、能率が良すぎて、ウーハーと組み合わせる場合、音質劣化するアッテネーターが必要なことや、音道が長いので、ウーハーと位相が合わない事が挙げられます。現在の技術では、デジタルチャンネルデバイダーと、マルチアンプ駆動で、そいうった欠点が克服できます。
 ホーン型は、指向性が鋭く、余計な壁反射が少なくなります。間接音が多いと豊かな音であり、直接音だけではキツイ音という意見もありますが、ライブ演奏と違い、レコード再生では、録音中の豊かな響きを再現するので、リスニングルームの余計な残響は必要としません。ルームエコーが全く無いヘッドホンを愛用される方も多くいます。

ホーンツイーター波形 20kHz 20波 Beyma CP22(1.5インチ アルミボイスコイル コンプレッションタイプ)  Fostex T90A(超軽量リングダイヤフラムタイプ)
2015/07/03
20kHzは、高域限界とされる周波数で、ダイヤフラムの違いが波形の違いとなって現れていますが、高域専用スピーカーの名に恥じず、20kHz20波分(1msec間)を大崩れしないで再生しています。20波以降は、反射音で、これが少ないほど明瞭な音です。スパッと切れないのがミソで、理想と現実の違いです。更に、この20波は、34cmの空間に空気の疎密波で存在し、耳元まで到達します。この波と、ウーハーからの基本波が正しい時間で到達しなければならない事は、今更説明するまでもないでしょう。

位相違いでの音の差は
 音楽を再生する時、マルチウェイスピーカー方式で、音の到達時間に整合性が無い場合、楽器による演奏音は、同じ音が複数有っても、それなりに聞こえるが、演奏よりも弱い会場の残響がうまく聞き取れません。時間的整合が取れていれば、楽器音が一つにまとまり、音量が大きく、クリアに聞こえ、更に、楽器音の占有時間が、複数で鳴ってしまった場合よりも短くなり、残響音が、浮き上がったように、明瞭に聞こえるようになります。周波数の高いトライアングルの微妙な音が、音量が小さくても、クリアに聞こえ、減衰も、ギラつかないで、素直です。フルレンジスピーカーも時間的な矛盾は無いのですが、高音域で問題点があります。高域を改善しようとした、2WAYスピーカーでも、同一バッフル面にユニットが取り付けられている旧タイプの場合は、高音は良く聞こえても、ギラついて聞こえます。最近の2WAYで、ツイーターが後方に下がったタイプでは、ギラつきも少なく、スムーズな音が出ます。
確認は、音が出ている時に、頭を前後に動かすと容易にできます
1993年発売 Pioneer S-UK3 同一バッフル面2WAYスピーカーの例
2009/11/27

最近の2WAYスピーカーの例 ドームツイーターがバッフル面より下がって、前面がウェーブガイド(ホーン)になっています。
 RAMSA WS-N20
2010/04/20 YAMAHA MSP5 2014/03/18

序章:結論
スコーカーとツイーターを同じ時間で鳴らして残響(反射音)に埋もれてしまった場合(左)と、遅延をかけて時間的な整合を取った場合(右)の波形 どちらを聴きたいですか?
 6.3kHz1波トーンバースト 間隔 12周期 2014/05/18
左側は、高音−低音−高音−低音−高音の順に並んでいますので探してみてください。へ理屈よりも、このように見れば、一目瞭然です。
2個のスピーカーを別の時間で鳴らすには、それぞれにパワーアンプを用意する(
マルチアンプ化)事になります。


音楽ならば生音
(ローカルな話題で恐縮ですが)
 平成22年2月、岐阜県瑞穂市のサンシャインホールで、HOZUMI windsの定期演奏会に行き、そこで、入念にティンパニーのチューニングを取るシーンを目にしました。単に太鼓の親戚と思いがちなのですが、よくチューニングされた、ティンパニーの音が、演奏全体を包み込み、優れた響きをもたらしたことに感動を覚えました。貧弱なスピーカーからは、ほとんど聞き取れない音域なので、注目して聴くこともなかったのですが、彼女のこだわりと演奏に敬意を表したいと思います。平成24年第11回定期演奏会「祭り&踊り」は、2月26日に行われました。演奏では、見慣れないバスクラリネットの音色も堪能できました。音響技術者としては、低音の聞こえ方や、パーカッションの音の出方などに注意して聴きました。平成25年第12回定期演奏会「春よ来い!」では、パーカッションを注意深く聴きました。かなり忙しいパートだと思いました。3名全員が友情出演で、ありがたいとの一言に尽きます。やはり生音はいいです。第13回定期演奏会「Winds劇場」平成26年2月23日に行われ、より完成度が高まった演奏を満喫しました。個人的には、フルートの音色が大好きで、演奏に満足できました。その1週間後の大垣市のギターコンサートでは、ギタロンの低音を聞く事ができ、年齢を重ねてもまだある不明に気づかされました。第14回定期演奏会「和」平成27年2月15日も、「笑点のテーマ」の意欲的な演出もあり、楽しい時を過ごしました。
 我がまちの吹奏楽団の老舗、瑞穂市民吹奏楽団 第34回定期演奏会が、平成25年12月1日に行われ、こちらにも行ってきました。同級生から、こちらの存在も聞かされていたのと、タイミング良く、新聞広告が目に止まったので、開催日を知る事ができました。彼のパートはサックスで、ソロも有り、楽しく聞かせてもらいました。曲間の短い合間に、クラリネットのスワブ通しを幾度もする風景も目にし、団員の、1曲にかける意気込みを見せてもらえました。開演前にプログラムと、演奏会のパンフレットをいただき、目を通していたら、粥川なつ紀の名を見つけました。彼女は、在郷のJAZZサックス奏者で、2005年に、ライブの96kHz24ビットデジタル録音をしました。PAのストリーミングなので、本格的な録音にほど遠いのですが、サックスと、エフェクターだけで、演奏をしている録音です。PAだけなら、センターマイク1本で済みますが、録音となると、そうはいきませんでの、アンビエンスに腐心しました。

平成28年 6月12日(日) 瑞穂市民吹奏楽団 プレミアムコンサート2016 ダイナミックス健在 市長の讃辞で開演 熱意のこもった踊りに拍手でした。
平成28年11月20日(日) 瑞穂市民吹奏楽団 第37回定期演奏会 生音ならではのパノラミックステレオ満喫 オーボエと他の木管の溶け合う響きがとても優雅でした。
平成29年 2月26日(日) HOZUMIM winds 第16回定期演奏会 安定した実力で、次回も期待

平成29年 3月4日(土) サックス:粥川なつ紀 CCN25周年公開収録コンサート@サンシャインホール 平成17年と比べ、さすがに貫禄アップで、ホール一杯にサックスが響き、見事でした。過去のBig Name方と遜色無いサウンドで、継続は力と今後の頑張りに期待。
平成29年 6月11日(日) 瑞穂市民吹奏楽団 プレミアムコンサート 2017 入場者も増えて、演奏のレベルアップが、反映されてきているようです。次回の定演がますます楽しみです。 


データ提示で使用した測定器と測定仕様の紹介  測定器に興味がなければ下にジャンプ
1.デジタルマルチメーター(バッテリーにて機動的な測定)
 Fluke社製89、189という2台のデジタルマルチメーターを用い、独自に開発したトレンドグラフソフト(初版2000年)で、測定結果のグラフを作成しています。周波数特性グラフは、
250msec毎 480ポイント(2分間)実測値で20Hz〜20kHzを表しています。抵抗、インピーダンスは、通常の2線式測定では、測定リードの抵抗が、測定値に入ってしまい、1Ω以下が測定できませんので、2台の測定値(電流−電圧)をPCで計算させる4線式測定法にてオーダーで行いました。1本の短い電線でも、インダクタンスや微少抵抗があり、巻き方でインダクタンスが変化します。4線式測定で、電線を測定すれば、電線が温度計として使用できるほどの精度となります。スピーカケーブル、リレー接点抵抗と音との関係を、このような高精度測定で分析しました。
 自作差動アンプのCMRR向上を図る為、抵抗を選別する事が不可避ですが、#.####kΩという測定値は、その用途に最適です。最下位の桁が1違えば、1kΩの場合、0.01% で、精密抵抗の規格値に匹敵します。小数点以下第4位は、測定器の定格からみて、絶対値として、信頼ある数値ではありませんが、差動アンプでは、両極に同じ抵抗値を必要とし、測定器で数値が合えばOKです。コンデンサも、インピーダンス値と同じ直列抵抗を使用した交流電圧測定で、桁数の少ない容量レンジよりも、高精度な選別が可能です。
FLuke 89 189 289 測定リード先端短絡をした時の2線式測定によるメータ指示値 2008/05/28
測定結果表示グラフについて

 測定値間を直線で結んで、時間経過を表すものと、測定値をドットだけで表示した、測定値分布を表すものとの2通りです。測定値は、メーターからのバイナリデータを、独自解析して、csv形式で保存し、現在も保管中です。メーター測定値は、実効値ですので、インピーダンスは、実効インピーダンスに非常に近い測定結果となります。測定結果を500回単位で分割し、それらを重ねて表示する事で、半導体の特性データー表なども、瞬時に表示できます。開発は2000年に行い、その後も、若干の改良を行っています。ソフトの意匠は、自由に使用しても構いません。開発意図は、1週間ぐらいの間にまれに起きる電気現象をとらえる事が目的でした。現在はデーターロガーとして入手できます。

2.HIOKI3237、3239、VP−7722A(ベンチ測定)
 フルーク289は、交流電圧測定が、200μVになると、ソフトウェアで強制的にゼロ表示となり、微細な雑音測定に不向きで、不具合の無い 89 189は、現在、製造していません。測定システム維持する為、現行機種のHIOKI
3237を入手し、テストを行い、オーディオ測定が可能であることを確認しました。早速ソフトウェアを改良し、40msecの高速測定をできるようにしました。データ要求は ":READ?" で、PCと同期して測定できます。さすがに高速測定であり、20Hzが1周期50msecなので、FASTでは、様々な測定値となってしまいます。FASTで安定するのは、300Hz以上で、300Hz以下は、MEDIUMでないとうまく測定できません。
 
2015/05/03

 
オーディオアナライザVP-7722Aを、2015年にようやく、入手し、その恩恵にあずかれるようになりました。趣味で購入するには、金額もかかりますが、FFTだけでは、済まない部分もあり、オークションにて購入しました。歪率測定以外に、レベルメーターとして、0.1μVから読み取り可能で、アースポイントの確認など、自作アンプの調整にも威力を発揮できます。轟音ファンなので、ケース後部のファンを、少し回転数の少ない物と交換し、放熱口のネットの振動も止めて、リスニングルームでの測定が楽になりました。オーディオアナライザといえば、メーカー保守は、オーディオプレシジョン一色です。使用中のVP-7722Aの残留雑音は、Aフィルターで、0.8μV LPF30kHz 2.6μV LPF80kHz 2.8μVでした。

ブリッジアンプ測定用の定格
200W平衡ダミー抵抗 2015/11/19

 メタルクラッド抵抗で、
平衡/不平衡ダミーロードを作りました。赤白の電線は、バランスを取る為の電線で、13mΩを得ています。右上は、サーモIC(TC622)によるファン制御部で、40℃にて、MOS-FETをスイッチして、ファンを駆動します。右下は、リードリレーで、18dBのATTを構成しています。信号源の対称性は、高いCMRR(同相信号除去比)を目指す場合必須なので、測定できる最後の桁まで合わせます。測定レンジを伸ばす為に、18dBのアッテネーターが、シングルモード、ブリッジモードとも構成できるように、7個の抵抗で構成しています。2Ω50Wx2、1Ω25Wx3、0.5Ω25Wx2で構成し、シングル、ブリッジどちらのモードでも、7Ω対1Ω(-18dB)の関係が得られるようにしています。
 BTLアンプの測定では、不安定になりますので、ダミーを平衡側にして、別途、LME49720による差動増幅器で、測定に対応しています。アイソレーションを目的としていますので、不平衡入力時の利得は、-1.07dB、SN比126dB、残留雑音3.3μV(BW80kHz) 1.4μV(A)で、オーディオ用LME49860とも差し替えしましたが、スペックの向上は有りませんでした。電源電圧±15Vまでの使用であれば、データーシートどおり、どちらも差が無いことがはっきりしました。BTL測定用アイソレーションアンプの残留歪みは、THD+N時0.00048% THD 0.00004% ほぼ発振器の残留歪みと同じです。


4線式測定可能なHIOKI3239も入手し、低抵抗測定方法が、フルーク89,189で2測定値を演算するソフトウェア測定と2系統になり、測定の信頼性が高まりました
。又、100円ショップの樹脂製クランプを使用して、ケルビンブリッジを作り、従来から用いていたワニ口4線式測定コードとの、測定誤差を調べてみました。その結果、ケルビンブリッジにこだわらなくても、簡易的なワニ口4線式測定コードでも、十分な精度の測定が可能でした。
 
 2014/10/05
 左側、自作ケルビンブリッジでは、電線を噛む力が弱く、実用的とはいえませんでした。右側、従来から使用しているワニ口4線式測定コードで、測定器側は、キャノン4Pで、ケーブルは4S6、ミヤマのミノムシクリップ(MJ002)の先端に、電線を2本半田付けし、電圧計と、電流計に接続します。ケーブルは、スピーカーケーブル4S6を使用しており、測定時の感触も良く、耐久性にも優れており、4Pキャノンを使用したことで、バナナプラグでは実現できない優れた接続性を持っています。半田付けは、2本まとめて、できるだけワニ口の先端で行います。半田付けは、圧着とは比べ物にならいないくらい、接触抵抗が低く、又、軟らかいので、すぐに、新しい面が露出し、測定誤差も少なくなります。測定システムにおける写真のコードの
残留インピーダンスは、1.1mΩ(1kHz)、残留直流抵抗0.17mΩです。
 このコードの意匠は自由にお使いください。mΩオーダーが自由に測定できると、配線に対する物の見方が変わると思います。リレーの接点抵抗は完全に捉えられます。測定電源を、交流とすれば、低いインピーダンスも測定できますので、電線のインダクタンス成分の分析もできます。直流抵抗測定用電源は、単3充電式電池1本でOKです。
最新の測定コード残留インピーダンスですが、1kHz以下では、1mΩ以下ですので、10mΩ以上ならば、実用測定範囲です。
 使用中のワニ口4線式測定コード残留インピーダンス 
2015/01/13

3.測定音源等

 タイムアライメント(
アライメントディレイとも言う)は、スピーカーから測定マイクまでの間で、正弦波が1個だけとなる間隔で1波トーンバースト音を出し、客観性が高くなるよう、オシロスコープ波形で調整します。これにより、SR用途のスピーカーの方が総じて、音の無くなり具合が良い事が判りました。各スピーカーの音圧バランスは、ピンクノイズではなく、楽器演奏と似ている、1オクターブ幅のワーブルトーンを使用しました。この方法は、低音域で変動が多い、ピンクノイズによる測定よりも、ワンオーダー高い精度が得られ、0.1dBの違いが意味を持つようになります。測定レンジが30kHzぐらいの交流電圧計であれば、使用可能です。グラフィックイコライザ用に1/3オクターブ幅のワーブルトーンも使ってみましたが、部屋の定常波の影響が出て、精度を上げる意味もなく、又、位相変化をデメリットと考え、イコライザを使用しなくなったので、1/3オクターブの方は使用していません。
要点:音のタイミング確認 トーンバースト波(1周期) 周波数特性 オクターブバンド幅にFM変調したワーブルトーン

正弦波

 音響測定では、1kHz正弦波、20Hz〜20,000Hzの正弦波スイープのような、正弦波の、基本波だけを用いて、波形や電圧値を測定する場合が多いと思われます。スピーカーの周波数特性も、同じく正弦波の電圧特性として提示されますが、これが平坦であることが、製品の優秀さであると、捉えていた時期も過去にはあります。ペンレコーダー時代は、ペーパー速度を上げておいて平坦さを演出する事もありました。又、PHONOカートリッジには、実測ペーパーが付属していた良き時代でもあります。現在でも重要な特性で、偏った音色や、変なピークディップが無いか確認する為に、必須の測定項目です。
矩形波
 ある時、矩形波の再現で、スピーカーを論じられないかというサイト記事を読んで早速テストをしてみました。基本波から奇数次の高調波全てを再生できると、完全な矩形波になるのは、理論に合致していますが、アンプでは再現できても、スピーカーではとても無理な注文でした。
Smaart(音響ソフト)
 音響現場の調整で使用されるソフトの一つですが、スピーカー音のPhaseや、インパルス応答なども測定できる優れものですが、提出書類の作成用途では必需品でも、たかが自家用システムの測定にこれを購入する気にはとてもなれませんでした。USAのソフトは、どれも頻繁にバージョンアップを行い、経費が高くなりがちで、これに付き合ってばかりはいられません。
インパルス応答
 世の中全て理屈で通るかのようなふれ込みで、理論説明もたくさんありますが、畳み込みと、逆フィルターであらゆる音場を再現させようとしているらしいですが、どうなったら良い音か明確な基準がなく、あくまでも、音場を説明する為の、手段と考えた方が良く、測定の基本条件となる理想インパルスが、そもそもスピーカーから出ないので、ホームオーディオに持ち込む必要性に欠けると思います。
トーンバースト波
 有名なFFTソフト WaveSpectraのお陰で、かなりの解析を行えるようになりましたし、手軽にオーディオキャプチャにて、FMや、アナログレコードの録音ができ、WaveGeneも、色々な測定の音源として活用できる時代が来ましたが、デジタル音源になり、過渡応答を見るために用いていた矩形波が出せなくなりました。そこで、デジタル音源から作り出せる代用波形として、デジタル音源ならではの、トーンバースト波に注目しました。波形は、正弦波なのに、ゼロからフルパワーになり、又素早くゼロになるというところが、考えようによっては、スピーカー向きであると思えます。
ソフトでは、波の数と、間隔が指定でき、間隔をうまく指定すれば、スピーカーから、測定ポイントまで、ただ1波だけ存在するようになります。左右同時に出せば、等距離であるか否かが、簡単に判定でき、5kHz辺りが観測しやすくお奨め周波数値です。複数のスピーカーユニットからの距離合わせにも利用できます。
ワーブルトーン
 スピーカーの周波数特性を求める際に使用しますが、定在波により、測定結果が影響を受けないようにできます。周波数が、いつも変化するのに、電圧が一定という信号です。マルチチャンネル駆動では、音のバランスが大切で、測定値がふらつくピンクノイズよりも、精密な調整に使用できます。

4.収音機材
 測定マイクは、無指向性コンデンサマイクロホンが必要ですが、安価なECM8000を使用しました。これよりも、数10倍以上高価な、測定用マイクロホンと同じ測定現場にて、性能比較済みです。マイク用の増幅器は、利得誤差0.01dB以内の01V96V2というデジタルミキサーを使用。このマイクとミキサーを使い、WaveSpectraにて、低歪みの権化のようなTANNOYスピーカーを解析し、このような測定機材で、十分な結果が得られることを確認しています。
K&MショートブームSTにC2用ステレオペアアーム使用
2011/01/08
写真のように、ECM8000をリスニングルームに常設して、DEQ2496により、音量監視、リアルタイムアナライザをいつでもできる態勢です。1/2カプセルで、無指向性コンデンサマイクであれば、高級品でも、1万円以下製品でも性能に大きな違いが無く、10年以上使用していますが、びっくりするような崩れた波形もなく、期待通りのツールとして活躍しています。
コンデンサマイクは、外部から直流電源(DC12V〜48V)を供給して使用します。TVなどでお馴染みのSONY C38は、006P電池を内蔵する事もでき、外部供給無しでも動作可能です。
この外部から供給する電源はファンタム電源と呼ばれ、ミキサーや、専用機のXLRコネクターからマイクへ接続すると、供給される仕組みです。
なおファンタム電源は、オンオフSWがあり、各入力ch毎や、複数chをまとめる仕様の物があります。下の写真の物では、4chx3グループに分かれています。

ECM8000は、デジタルミキサーYAMAHA 01V96V2により、増幅し、LEADER 8060 2現象オシロスコープにて波形観測を行いました。他に、複数ch入力できますので、チャンネルデバイダー出力の合成結果の確認にも応用できます。
ミキサー 2005/09/28  2現象オシロスコープ 2015/06/17

5.波形で確認
 
百聞は一見にしかず 音響の事象で、良く当てはまります。スピーカーは耳で聞きますが、聴覚は、脳の働きと密接な関係にあり、心臓の鼓動や、血液の流れる音等の、体内音を消し去ってしまうほどの、脳の働きを考えると、個人の聞いた話は、個人差が大きく、客観性に乏しいと考えました。趣味としてのオーディオで、オシロスコープを駆使して、音を探求できる人も、それほどはいませんので、その代理として、多くの波形データーを撮影し、提示しています。音の波形は、アナログ2現象オシロスコープをデジカメで、直接撮影しています。RTA(リアルタイムアナライザ)は、常時使用し、再生帯域と音量を確認して聴くことにしています。視覚では、16ビットカラー(ハイカラー)で、写真を見ると再現されない色が良く判ります。24ビットのフルカラーであれば、写真でも、リアルな再現なので、聴覚でも、24ビットが自然に感じると考えます。
波形でしか判らない、ツイーター・スコーカー間の時間ズレの例 左がずれている状態で、右側が、整合している状態です。
  
2012/09/25

マルチチャンネルシステムは測定器抜きでは成立しません。より良い調整の為には、それらの取扱いを習熟する必要があります。最終確認はヒアリングであっても、そこに至るまでは、測定器による確認の集積があっての事です。
聴覚だけを過信して、高額なアクセサリー類に手を出さず、基本を固める為に、測定スキルを磨きましょう。ハイグレード電源ケーブル1本分の予算で、必要測定器を揃えてもおつりが来ます。

電圧と時間をコントロールする為のマルチチャンネルシステム調整How to

6.SN比、歪率、ACレベルの数値について
音響機器の性能を判定する場合、よく参考とするのが、SN比、歪率、入出力定格電圧と、インピーダンスです。パワーアンプでは、出力電力も重要な数値です。最近では、ダイナミックレンジも表示する例が多くなっています。
SN比
S=Siglnal N=Noiseの比をdBで表します。最大出力電圧(S)と、入力が無いときの残留雑音(N)との比を20xlog(比の値)とし、例えば、最大出力が1Vである機器の残留雑音が1μVであれば、SN比は、120dBとなります。音の大きさでは、120dBは、人が聴くことができる、最大音であり、最小可聴音は、0dBとしています。SN比が120dBの機器ならば、全ての音の強さを表現できると考えます。
人の聴覚は、低音域で聞こえにくいという特性があり、その感覚に似せた特性のAフィルターで、雑音を測定して、SN比を測定する方法が、カタログ値としては、主流のようです。騒音は、Aフィルター測定した値dB(A)が用いられますが、低周波騒音が問題とされるとき、Aフィルターによる、測定値では、騒音の絶対量が把握し難くなります。
最近のデジタル音響に関係した機器では、20Hzから20kHzを測定対象として、Aフィルターを使用し、20kHz以上は、AES17フィルター(24kHz-60dB)を併用します。純粋な可聴音に対する評価という定義ですが、当然ながら、デジタルマルチメーターによる測定結果とは、かなりの違いとなり、10dB以上数値が良くなります。

歪率
増幅器の性能表示で最も重視されます。この値が小さいほど、増幅器の性能が良いとされます。注意しなければならないのは、歪率とだけの表示で、純粋に高調波歪みだけを総合計した、全高調波歪みなのか、雑音を加えた歪率かがわかりません。雑音歪み率の場合、THD+Nと表記するのが一般的です。真空管アンプの場合は、全高調波歪みだけを表示する事が多く、歪率値が良い半導体アンプでは、THD+Nが多く用いられますが、SN比と同様に、フィルターをかけた測定が多く、フィルター条件を見なければ、数値同士の比較ができません。メーカー製品では、歪率でも、Aフィルター+AES17フィルターで表示している場合もあります。本サイトでは、20Hz〜100Hzのような超低域測定も多く、HPFは使用しないで、LPF80kHzで統一するようにしています。尚、歪率、SNの合格ラインを-100dB(0.001%)以下と考えます。

雑音や歪みに対する、基本的なスタンスは、聞こえない物は聞こえないです。


電圧値
本サイトでは、主に、フルーク社のデジタルマルチメーターを使用していますので、直流成分を除いた電圧の真の実効値であり、バンド幅(BW)は、100kHzです。日置のデジタルハイテスターでは、BW表記は有りませんが、測定確度より、3237が30kHz、3239が300kHzと考えても良いかと思います。オーディオアナライザーのレベル測定は、主にLPF80kHzを使用してます。オーディオ機器の雑音を表示する場合は、BWは、狭い方が数値が小さく、広い方が大きくなりますので、同じ測定を行っても、数値が異なります。メーカーの場合、雑音に関連した電圧値は、ほぼ例外なくAフィルターを使用しているようです。Aフィルターによる測定値は、本サイトでは、(A)を加えた表記としています。

ウェイト
音響測定時に、ウェイトをかけて測定しますが、上の説明中のAフィルターがそれに相当し、A、C、None等の3通りで、騒音量なら、Aフィルター、スピーカーレベルでは、Cフィルターが一般的です。マルチ調整では、Cあるいは、Noneで行うのが、正解です。


タイムアライメントを整合した4WAYシステム
 30Hz〜30,000Hzを、ハイエンド製品の組み合わせでなく、能率が低い物でも102dB/W以上の高感度なユニットで構成しています。オーディオ用SPは、高音部のFOSTEX T90Aだけで、あとは全てSound Reinforcement(サウンド・リインフォースメント)用で、110dB台の最大音圧が見込めます。音圧のリニアリティが非常に高いのが特徴です。アンプを多数使用していますが、音響システムの総消費電力は200W以下です。

サブウーハーに関して スタガードバスレフ方式のマルチアンプ版

 2009年当初より、反射音の影響を受けにくいホーンによる中音、高音は、初期から理論どおりに動作していましたが、指向性を絞れず、部屋全体が鳴ってしまう低音、超低音域は、音の観測も難しく、他の問題も山積しており、市販の2WAYクロスオーバーで、周波数を適切に選択して、下の38cmをHF、上側の46cmをLFで鳴らすという、常識的な方法とし、解決を先送りしてきました。リンクウィッツフィルターでは、クロス点で落ち込む事があり、かといってバタワースでは、クロス点が盛り上がります。音の分離感ならLRフィルター、にぎやかさならBTフィルターです。電気的には、LRフィルターが最も平坦であっても、実測では、ディップが生じました。2015年、初心に返るつもりで、単純3WAYとして、46cmウーハーを除外して鳴らしてみると、100Hz付近の落ち込みは無く、この結果、46cmウーハーの音が、部分的には、38cmの音を打ち消す側に作用していた事が解りました。苦労して重いスピーカーを載せたので、ショックでした。何としても、4WAYで動かしたかったので、早速、2WAYクロスオーバーを改造して、入力をそのまま出すチャンネルを増設し、それを38cm側に、LFのフィルターが掛かった側を46cmで鳴らしてみました。
結果は、さっぱり低音が出ず、逆相感があり、位相反転SWを操作すると、今度は、溢れんばかりの低音が出るようになりました。適切なレベルを測定で求めてみると、46cm側が-10dBで十分でした。中高音が、タイムアライメントならば、低音は、単純に位相であり、幸い、ウーハー同士は、10kHzの音により、正確な位相合わせを行ったうえで取り付けていますので、理論に忠実に動作します。LRフィルターのLFを、逆相とすると、クロス点では、全帯域と同相となる事を利用し、70Hz以下では、2個のウーハーが完全に同期して動く結果、巨大なウーハーと同等の低音として作用しました。これと前後して、フィルターを自作する為に、電子回路解析ソフトで検証を行い、こちらも、理論通りのSNが得られ、DAC以降の低歪率化(高SN化)が完了しました。くれぐれも、同相駆動効果を得る為に、サブウーハーは、別箱で2個にして下さい
   2009/11/24
 スピーカーの配置は、上が46cmサブウーハー、下が38cmウーハー+MIDホーン、その間にSPF材と呼ばれる安価な木材を入れ、上のサブウーハーの前後位置調整と、スーパーツイーター設置スペースを確保しています。スーパーツイーターは、付属品の置台に載せて、こちらも、前後位置調整ができるようにしています。置き台は木製で滑りやすいので、滑り止めに100円ショップのEPゴムシートを敷いています。別置きした事で、ツイーターの高さが、耳の高さとなり、絶妙のバランスと高解像度に著しく貢献しています。
各々のスピーカーは、
開口面を合わせ、1本の垂直線上に直線になるように配置しています。SLFを下に置くのが一般的ですが、これですと、主要音源が目線より上になり、床に座って聞くには疲れやすくなります。SLFの音は、方向がわかりにくいので、上に置いても問題がありません。タイムアライメントについては、図のような、前後関係となるのですが、一番奥行きのある中音ホーンを基準として、高音ホーンとの間(T1sec)と、機械的に位置を合わせてあるSLF,LFとの間(T2sec)に、電気的に遅延をかけてタイムアライメントを調整します。可聴帯域の波長は、17m〜17mmまでで、10kHzのような高音では、34mmとなります。従って、1〜2mmでも狂えば、その違いが出ますし、気温によって音の速度が変化し、その影響を受けます。10kHzを越えるクロスオーバー周波数では、かなり神経質に効いてきますので、このような高いクロス周波数は、避けましょう。
 システムの隠し味として、スピーカーからの直接音と、それより遅れて来るフローリング床からの反射音が干渉しないよう、床に、2.4m四方の厚手のじゅうたんを敷いており、すっきりとして、しかも高解像度な音の実現に一役かっています。ホール音響でも、スピーカーの近くでは、反射が起きないよう壁面が開くように設計されており、高エネルギー状態の音を反射させない事が良い再生音を出す一つの条件です。音響パネルは、真逆の効果で、解像度が悪化します。ホールでは、音響反射板を使用しますが、楽器の音をより良く拡散する為で、スピーカー再生には適用しません。

無視できない吸音材の効果 テーブルのスモークガラスの下は、同じサイズの2mm厚ビニルシートがあり、ガラスの振動を抑えています。(TVのブラウン管に共振して、変な音だった時の対策のなごり)
  スピーカーとリスニングポジションの間のガラステーブルと、反射の影響を調べた、100円ショップ60cm四方のフェルト

遅れてやって来る反射音(右側の小さい波)
 
 16kHzトーンバースト(テーブル面は、ガラストップのまま)と(60cm四方フェルトを置いた場合) 2014/10/13
 スピーカーから直接来る音と、ガラス面で、反射した音で、反射音は、直接音よりも、遅れて来ますので、右側で観測されます。右側の写真は、テーブル面に、60cm四方のフエルトを置いた場合ですが、反射音が小さくなっています。僅か1.3mmの薄っぺらいフエルトで、これだけの差となります。スピーカーとリスナーの間には、何も無いのがベストですが、生活空間でもありますので、テーブル等を置くのですが、音が反射すると、こうした現象が起きます。
ところで、16kHzのトーンバースト波がこのように、綺麗に再生できるのは、指向性が鋭いホーンスピーカーだからなせる技で、ドームスピーカーでは、反射波が乱立します。

レコード再生には、部屋の残響はいらない 録音中の残響を忠実に再現すれば十分
 演奏をするには、ホールのような長い残響が必要であり、レコード再生は、残響が少ない方が良いという、同じ音楽を聴くにも、正反対の環境が必要とされます。マルチ駆動では、スピーカーが多いので、それらの音を一つにしなければ、フルレンジスピーカーに、バランスの良さで負けます。スタジオ録音ソースであれば、ルームエコーもさほど邪魔にはなりませんが、ホールや教会での録音ソースでは、余計な残響は弊害です。
 サラウンドでも同じ事が言え、導入初期は、スピーカーで囲まれる物珍しさも手伝い、印象は良好ですが、やがて、妙にだぶつく残響に嫌気が差してきます。

4WAYスピーカーシステム(28Hz〜35kHz 総重量 90kg/ch)詳細  詳細接続図(回路図)  pdf

実装写真 スピーカー定格 アンプ  私的 寸評
HF(ハイ・フリクエンシー)高音用スピーカー

FOSTEX    T90A

アルミ系合金精密切削加工円筒形ホーン
超軽量硬質アルミ合金
リングダイヤフラム

インピーダンス.......8Ω
周波数範囲......... 5kHz〜35kHz
能率..............106dB/W(1m)
音楽入力...........50W
カットオフ周波数......3.6kHz
推奨カットオフ周波数...7kHz(12dB/oct)

寸法(端子部含む).....60φ x 87.8(D)
マグネット重量(アルニコ) 100g
重量..............800g

システムで使用したクロスオーバー周波数

 6.03kHz L-R 24dB/oct
自作A級小出力アンプ
実効出力
  8Ω..........6W
全高調波歪率
  0.125W時 0.0031%
  SN比
  87dB 80kHzLPF

LFとのレベル差 -2.2dB

  
スーパーツイーターの名にふさわしく小型です。
小型であればこそ、特殊材料を使わなくても、
常用域で高品質な高音が出せます。
100円ショップの発泡ゴムシートでズレ止め。

100gと小さいですが一応アルニコ磁石使用です。
音質は、音の出始めを的確に表現してくれます。
音が無くなった時、ぴたりと追従できるのが魅力。
JBLコピー製品とは違う日本製の心意気を感じます。


1994年発売 2009年〜10年で4本購入
貴重な日本製でしかも現行商品です。

コンデンサ無しで直結使用。


ダイヤフラムを1本破損させて、メーカーで修理をして
もらいました。修理金額は送料も含めて\7,928でした。
破損原因は、アンプ電源ONで、ピンプラグを接続したことです。

40kHzも、実音として出ている事を確認
ハイレゾにも十分対応できます

MF(ミッド・フリクエンシー)中音用スピーカー
TOA 380−SE 中音用ホーン

樹脂製定指向性ホーン  (90°x40°)
アルミ合金製ダイヤフラム(802相当品)
スロート径           1インチ
インピーダンス........8Ω
製品カットオフ周波数....800Hz, 8kHz

寸法..............402(W) x 160(H)
フェライトマグネット

システムで使用したクロスオーバー周波数
 805Hz 6.03kHz L-R 24dB/oct
自作A級小出力アンプ
実効出力
  8Ω..........6W
全高調波歪率
  0.125W時 0.0029%
  SN比
  87.5dB 80kHzLPF

LFとのレベル差 -5.5dB

現代のSR用スピーカーのほとんどで採用している
定指向性ホーンです。
ダイヤフラムは、ALTEC802互換

内蔵ネットワークで鳴らす場合、隠れてしまう音が
ありますが、マルチアンプで直接駆動し、ウーハ
とタイミングが合えば、ピアノのような広帯域の
楽器でもリアルに鳴ります。
金管楽器は当然リアルですが、木管楽器の溶ける
ような微妙な音も的確に再現します。
JBLより、クセが少なく、明るい音に感じられます。

コンデンサ無しで直結使用。

1984年購入
LF(ロー・フリクエンシー)低音用スピーカー
TOA 380−SE 低音用

38cm コーン バスレフ型キャビネット

インピーダンス........8Ω
最大入力
連続ピンクノイズ.......120W
プログラム入力........360W
ピーク入力...........1200W
カットオフ周波数.......800Hz
周波数特性..........50Hz〜
音圧レベル..........102dB/W(1m)

実測最低共振周波数 27Hz


キャビネット寸法 498(W) x 758(H) x 410(D)
重量.........36kg




システムで使用したクロスオーバー周波数
805Hz L-R 24dB/oct

Lowエンドは、フィルター無しで、
DCまで再生しています。

自作A級小出力アンプ
実効出力
  8Ω..........6W
全高調波歪率
  0.125W時 0.0029%
  SN比
  87dB 80kHzLPF

レベル LF= 0dB とします

意外と出来の良いウーハで、中音域まで、コーン
型特有の歪みが多くなる領域が有りません。

楽曲の基音部を受け持ち、アナウンサーの声も自然で
大口径とは思えない音です。
物足りなく聞こえる低音ですが、歪みが少ないと
いう逆証明です。
キャビネットの剛性や、塗装は、1984年製ですが、
現在まで何の問題も有りません。

古いのでご覧のように、コーン紙の色が抜けています

ホーンを付けて指向性を絞りたいのですが、A7の
ように巨大になるので、夢としておきます。


1984年購入
SLF(スーパー・ロー・フリクエンシー) 超低音用スピーカー
中国製18インチ サブウーハー

46cm コーン バスレフ型キャビネット

インピーダンス........8Ω
最大入力
プログラム入力.......1200W
周波数特性.........28Hz〜250Hz
音圧レベル..........103dB/W(1m)
最大出力音圧........134dB
内蔵クロスオーバー....180Hz

実測最低共振周波数 25Hz


キャビネット寸法 530(W) x 695(H) x 495(D)
重量.........53kg

スタガードバスレフのマルチアンプ版
システムで使用したクロスオーバー周波数
 70Hz  L-R 24dB/oct φ=INV

自作A級小出力アンプ
実効出力
  8Ω..........6W
全高調波歪率
  0.125W時 0.0048%
  SN比
  85dB 80kHzLPF

LF入力を70HzLPFを
通しています。


LFとのレベル差 -9.5dB

音階がはっきりと聞こえる低音再生の為に
サブウーハーを追加しました。

値段の安いスピーカーですが、低音楽器が鳴る
べき所では、きちんと鳴ってくれます。
15Hz以下で駆動時、
こすれ音が出ますが、
値段を考えれば、我慢です。
取っ手の部分にやや弱い所がありますが、気に
なる箱鳴りはありません。

パッシブウーハなので、超低域で、自然に減衰し
歪みは目立ちません。大音量で使用する場合は、
25HzでHPFを入れた方が良いでしょう。又、30Hz
で大音量時、吸音材が空気音を出していますので、
除去あるいは、フエルトに交換も一考です。

サブウーハは1本でも良いと言われますが、
2本とし、2chステレオに完全対応して
良い結果が出ています。
ツアーでも18インチウーハは2ヶ所で使用してます

接続ケーブルは、4S8(3m)使用


2009年製 同年購入 中国製
現在、製造中止につき入手できません。

T90A 2009/04/08撮影 MF,LF,SLF,607XR  2010/11/11撮影

システムの要点

アンプからスピーカーを音質的に曖昧といわれるコンデンサやコイル無しで、アンプと1対1の直結で駆動しています。これで
NFBのかかったA級DCアンプによりスピーカーが正しく駆動できます。
最近のホーンドライバーで、ギャップに磁性流体を使用した物は、劣化しやすく、使用しているドライバーは、エアーギャップなので、長期にわたり、安定使用できます。
スピーカーへのケーブルは、
LF、MF、HF 3.1m x 6本(カナレ 4S6(3.7Ω/100m))とし、アンプ側とスピーカー側共に、接触抵抗の低い、ノイトリック製スピコン(定格電流40A)を使用しています。
保護回路の都合上、出力リレーを使用しましたが、アンプ入力側は、ボリュームを使用しないで、金属皮膜抵抗のみで、固定式にて利得調整しています。

デジタルチャンネルデバイダーは、DAC出力を、フィルムコンデンサー使用、自家製POST-LPFから直接出力とし、音の鮮度を上げました。主力機器の改造まで行い、完全にマニアックになりましたが、生音に近づく実感が有ります。
今まで100Hzでの落ち込みを気にしていましたが、サブウーハーとLFをアナログチャンネルデバイダーで切らず、LFの下側はフラットで鳴らし、サブウーハーは、70Hz以下の超低域のみを鳴らすという手法に変更し、パワーアンプ内部で、LF出力を、LPFに通し、SLFアンプに入力としました。
通常の3WAYマルチシステムに、70Hz以下をサブウーハーで付加する手法であり、純粋な4WAYとは言えませんが、クロス周波数70Hz以下は、ダブルウーハーとして動作します。V-DOSC解説中の計算式より、ユニット間隔は、85cmですので、390Hz以下では、アレー動作します。
70Hzから上は、24dB/octフィルターにより、音の中心となる、38cmウーハーへの影響が少なくなります。
現在の構成(変則4WAY)
4chマルチ用純A級DCアンプ RCAジャックが白なので、Lch用です。赤のRch用も製作しました。予算不足で、文字は、テプラ貼りで済ませましたが、欲を言えば、彫刻にしたいところです。
 2017/08/07
超低雑音OPアンプLT1115により、0.01W出力時 THD+N(80kHzLPF)0.01%以下なので、スピーカーシステムで、80dBSPL時 雑音+歪み成分が0dB以下の音圧となり、理論上では、聞こえない音圧です。入力は、XLRにて、HF,MF,LF 出力はスピコンで、HF,MF,LF,SLFで、SLFは、LFから70Hz24dB/octフィルターを通します。入力に、音量ボリュームは有りません。低入力インピーダンスなので、電子ボリュームや、OPアンプバッファーからの接続が必須です。

直流カットコンデンサ使用の是非
 DCアンプと、スーパーツイーターを直結しては、いけませんという記事をよく見掛けます。必ずコンデンサを入れるようにとなっていますが、コンデンサを入れるのは、あくまでも直流カットと、推奨帯域以下の周波数成分が印加されなくするためです。しかし、6dB/octという十分とは言えない減衰率なので、当然帯域外成分もかなり加わる事になります。これらは、直接有害な歪みを出すことになります。よく制御されたマルチシステムでは、コンデンサカットよりも、遙かに低い領域まで、鳴らせるにもかかわらず、そのような歪みを発生する帯域のエネルギーが極めて少なくなります。
DCアンプは、直流を入力すると、正確に直流を出力します。これをやれば、ツイーターに限らず、どんなスピーカーも焼損してしまいます。しかし、10年間もDCアンプからツイーター直結で鳴らしたにもかかわらず、無事故です。
唯一、過大入力で破損させた事があります。この一例を見る限り、危険なのは、むしろ、オーバーパワーのパワーアンプでしょう。事実、100Wアンプで、ツイーター以外にも、小口径スピーカーを何個も壊しました。
コンデンサは、音質には影響を与えず、スピーカーを鳴らすことができますので、マルチシステムといえども、使用する事に、何も問題はありませんが、この場合は、アンプのカップリングコンデンサと同じ考えで、クロスオーバーポイントよりも、遙かに下の帯域まで、使用できるコンデンサが望ましいでしょう。このような観点から、使用中の4WAYマルチシステムは、中音用、高音用電子ボリューム内部に、10μFのカップリングコンデンサを置いています。低音用は、直結ですので、DCまで出力が加わります。アンプとスピーカーを1対1で使用する事は、低歪率アンプの正しい使用法で、これを守れば、低歪率アンプの真価が発揮できます。それ以外の条件では、真空管アンプ、スイッチングアンプ、低歪率アンプと異なっても、50歩100歩で、気ままな音が出ると思います。
純A級DCアンプでは、スピーカー負荷から来る、入力に無い歪み成分を直流域まで、正しく抑圧する為、直結としています。甚だリスキーですが、売り物では無いので、全ては自己責任という事で、これもオーディオの楽しみの一つです。



サブウーハー
 位相的には、LFは、DCまでフラットな位相の入力信号で鳴らしておき、サブウーハーは、70Hzが同相で、それ以下が進相成分として合成され、LFのみより、若干進みます。合成電圧値は、60Hz +1.3dBで、僅かな上昇なのですが、音圧は+5dB以上となり、低音の存在感が向上します。

LFだけでは、180Hz辺の音圧と、50Hz辺の音圧がバランスしません。LCネットワークでは、LF直列にコイルが入って、フラットになりますが、マルチアンプ駆動では、しょぼい低音となります。しかし、SLFを小さく加えると、見事にバランスします。スピーカーが2個の場合、合成音量は、+3dBとされますが、これは自由空間における場合で、閉空間では、+6dBとなり、実測でもそれに近い事を証明しています。SLFは、周波数が上がると、急減衰しており、LFスピーカー主要帯域への悪影響はありません。JBL Project EVEREST DD66000では、ネットワーク150Hzでクロスしていますが、空芯コイルが入っているので、マルチアンプで実現するのとは、少しばかり音質が異なると思います
15インチ+18インチによる、超低域改善の結果
 リスニングポイントにて(高さ85cm) 2016/10/10
-10dBの補助でも、合成された低音は、5dBアップ

 LFだけでは、10dBもダウンしてしまった45Hzを境に、更に急激に減衰しています。ここに、60Hz以上が急峻に低下している、-10dBしかない、SLFを加えると見事に、200Hz辺りの音圧と同じ音圧レベルで、50Hz以下も鳴っている事がグラフより明らかですが、これとても、45Hz以下は、LFのみと同様に減衰していますが、違いは、その音圧レベルで、SLFが加わった場合、中低音域の音圧と同じ音圧で超低音が鳴るという結果でした。-10dBのSLFを加えると、合成音圧が+5dBになっています。
空気ポンプのようなアクティブサブウーハーとは、別次元の、18インチウーハーの超低音で、ライブステージと同じような低音が聴けます。

マルチ駆動時、ウーハーの音は痩せる 
マルチアンプシステムでの宿命
 下は、SLF 18インチウーハーを
内蔵ネットワーク経由で鳴らした場合(緑色)と、直接鳴らした場合(マゼンタ)の音圧 必要とされる帯域50Hz付近では、コイル直流抵抗による損失の差が現れ直結の方が1.3dB音圧が高くなりました。
ウーハを直接鳴らすと、200Hz以上では、音圧レベルが上昇、相対的に50Hz音域での音圧が低下します。これは、マルチアンプ駆動では、意に反して、ウーハーがうまく鳴ってくれないという評価ともなります。
ダンピング特性向上により、ウーハーを強力にドライブしたつもりが、まったく逆効果になります。
音圧特性が公表されているウーハーの大半が、100Hz以下では音圧が低下し、LCネットワークのコイルが直列に入る事でバランスして、平坦になります。
シネマでお馴染みの18インチ ダブルウーハーでも、音圧傾向がより強調されるだけで、超低域のみにポイントを絞った改善は行えません。
それと、内蔵ネットワークでは、それほどフィルターが効いていない事もよく判ります。名器と呼ばれるスピーカーの大切な音域に悪影響しないよう、急峻なアクティブフィルターで切る事が重要です(LR24ならば130Hzで-30dBが可能)。上のグラフSLFの落ち方を参照。

使用中の18インチウーハー音圧特性 緑色:LPF ON  マゼンタ:アンプ直結
緑色LPF=ONなのに1kHzでもかなりの音量です。 正面1m FL=1250mm 2016/10/25

超低域オーバードライブ方法 スタガードバスレフ方式のマルチアンプ版

 慢性的な低音不足に陥りやすいマルチシステムの救世主となりそうな超低域だけのオーバードライブですが、歪みも少なくお奨めです。DCX2496のような3WAY用チャンネルデバイダーの場合、2WAYスピーカー+サブウーハーという3WAY構成を、簡単に実現できます。
くどいようですが、どんな大口径ウーハーでも、超低域は、通過帯域に比べ、減衰します。減衰した超低域だけを位相を合わせて、補助する方法は合理的な解決となります。しかも、メインとなるウーハーに対し、-10dBほどのパワーで、十分です。位相を合わせて補助しますので、サブウーハーを2個使用しますが、自然な超低音です。


2WAYスピーカーは、チャンデバのMIDとHIGHを割り当て、LOWは、サブウーハー用として使用します。MID-HIGHは、2WAYスピーカーの推奨通りのクロスオーバー周波数を設定し、MIDの低域側は、フィルターOFFとし、サブウーハーは、低域側はフィルターOFFで、高域側は、リンクウィッツライリーフィルター24dB/octで、
位相を180°反転した設定とします。サブウーハーのフィルター周波数は、70Hz〜100Hzぐらいで、設定します。レベルは、サブウーハーがオーバードライブできる領域では、合成で+6dB(自由空間ではないから)アップしますので、絞り込んで使用することになります。サブウーハーは、完全な低音合成をする為、2個使用で、音波面が合うように、スピーカーの位置を揃えます。
位相反転は、チャンデバ設定、アンプ、スピーカーの何処か一カ所で行います。サブウーハーは、下の例のように、16cm以上あれば、それなりに効果が発揮できます。パッシブウーハーや、フルレンジスピーカーなどが使用でき、24dBフィルターでピストンモーション帯域だけしか鳴りませんので、若干品質落ちのスピーカーでも、サブウーハーとして使用可能です。

下はトールボーイタイプKEF Q70に、AR SRT170を載せ、サブウーハーとしてオーバードライブしたものです。共に、16cmのウーハーですが、Q70(バイアンプ駆動)単体での音圧特性が緑色、SRT170を 
LR24 LPF=86Hz φ=INVで付加してみました。アンプ出力は、同じレベルです。小型スピーカー同士でも、超低域までフラット再生できるようになりました。
    2016/12/09
ARはかつてブックシェルフスピーカーの代名詞だったAR-3aのメーカーで、SRT170は、オークションで沖縄より輸送してもらいました。日本製定番のドームスピーカーではありませんが、コーン型ツイーターとの2WAYで、サイズは、228(W)x420(H)x180(D) 4Ω 17gですが、40Hzまで頑張っている低域特性に着目して、組み合わせてみました。結構立派な低音が出るようになり、15インチクラスと遜色がありません。
この方式の最大のメリットは、全く改造を施さないので、気に入らなければ、跡形もなく撤退できることです。是非とも実験してみてください。低音スピーカーは直線上の位置が理想ですが、横に有っても、効果は有効です。 
 小型ブックシェルフスピーカーでは、低音が出すぎている製品が多く、オーディオ用途の有名なモニターSPといえども、こうした傾向が有ります。しかし、上記の2例では、音圧特性をフラットにしたのにもかかわらず、出過ぎている傾向は全くありません。音源の量や質に対し、忠実に反応しており、軽い低音は軽く、重い低音はより重く、破裂音もリアルになりました。又、逆相への反応も強く現れ、You Tube動画では、逆相音声の動画が多い事も判明しました。



スピーカー入力接触抵抗 低減への改造 
左のTRS入力部と、LCネットワークを取り外し、右側のように、スピコン入力としました。
 TRS入力端子(オリジナル)    現在 スピコンに改造して使用 内部配線もツイスト線に変更 LF MFを使用 2009/01/25

プロ音響定番アイテム スピコン
 ノイトリック スピコン NL4FX 40Aという凄い電流定格値です。2009/03/03

 家庭用コンセントが15Aまでなのに、この価格で40Aを扱えるというのは、凄いことで、Sound Reinforcementの世界では、あっという間に普及し、従来の4Pキャノンでは、使用できないような、太いケーブルが使用できるようになりました。対して、オーディオでは、旧態依然の緩みやすいネジ式大型ターミナルが用いられています。スピコン実用時の接触インピーダンスは、6mΩぐらいで、バナナプラグでは、8mΩです。
(Z値は、測定用ケーブル残留インピーダンス1.5mΩにて 20Hz〜5kHz)
NL8で、3WAY丸ごと    プロ音響 NL4FXと4S11(0.9Ω/100m)
 2014/06/02


サラウンドにも対応した機器構成
 高級品が全く無い、現在のオーディオラック内の機器です。DVD映画ソースに対応する為に、32インチ ブラウン管式HDテレビを中心とし、左右に、センター用SPTOA F-150G(防磁型)を配置、、ラック上段は、自作A級4chアンプ2台、下段は、3段遅延式電源ディストリビュータPD-15、FMチューナーST-SA5ES DCX2496 6chデジタル制御マスターボリューム -24dBで使用中 です。写真に無いのですが、他に SL-1200MKU SRC2496 DVDプレーヤーDPS-6.9 AVアンプ AVC-1620 SANSUI AU-α607NRAが有ります。AVアンプにより、7.1サラウンドにまで、正式に対応しています。電源ディストリビュータPD-15は、3系統x5個のコンセントを持ち、各系統ごとに、ノイズフィルターが内蔵されており、電源のクリーン化に貢献しています。3段階で電源が入切りできるので、ショックノイズ防止もでき、システムの電源操作も簡単になります。赤外線リモコンに対応するように改造し、一度のリモコン操作で、10台ほどの機器全ての電源が入り、微妙なセッティングを保つことができます。
アンプが4WAYマルチ専用の2台のみとなり、少し殺風景になりました。 2017/8/6

通常1個の5.1サラウンド用センタースピーカーを2個配置
 センタースピーカーは、従来は、TV直下に1個置いていたのですが、デジタル制御ボリュームの表示が見にくいので、写真のように、TVの両サイドにTOA F-150G(防磁仕様)「を2個配置しました。この配置は、大型スクリーンを備えた、公共施設にも設置例が有り、特殊ではありません。センタースピーカー2個設置で、センタースピーカーとTV位置関係の諸問題が、一気に解決します。サブウーハーも、アクティブウーハー1個という固定概念に囚われず、フロントL,Rのローエンド強化という形で、18インチパッシブウーハーを2個設置しており、完全な左右対称配置ができています。サブウーハーチャンネルの音は、FL、FRの低域成分を抽出ミックスして作られていますので、大型ウーハーを使用して、本来の低音のまま再生すれば良く、サブウーハーチャンネルが無くても、バランスの良い、サウンドが楽しめます。機器構成のpdfはこちら 実体図 4way_av.pdf

近未来の8kテレビ音響
ネット検索で得た情報では、8kテレビの音響は、22.2chというこちらも、マルチチャンネル音響となるそうです。低音が2chというのは、5.1サラウンドのサブウーハー低音の不自然さにメスが入ったと、評価できます。5chのスピーカーを配置するにも、奥様の支持が得られず苦慮するのに、22chが実現できるのか、危惧しています。


スピーカーは発電機  逆起電力は、コイルに投入する電流を断続した場合に発生する電力で、ここで測定している雑音電力ではありません。コイルと磁石を持っているスピーカーは、それ自身が部屋で鳴っている音で、発電をしています。
スピーカー発電電力測定

 音圧レベル 80dBのピンクノイズ音場での、スピーカーの発電量 能率が90dB/W 国産12cm口径スピーカー(F-150)にて、8Ω負荷の電圧は、-55dBm(0.24μW相当)でした。このスピーカーを鳴らし、1m離れた場所が80dBとなるには、0.1Wの電力が必要です。この時の電圧値は0.89V(+1.2dBm)、発電電圧値-55dBmとの差は、
-55-(+1.2)=56.2dBで、%で表すと、0.15%です。反射は、あらゆる場所で発生するので、三角波のような高い反射波も加わると考えられます。0.15% が無視できる量なのか、微妙なのですが、音質を繊細に捉える事ができる方ならば、考慮する要件となると思います。

下は、さらに能率が良いCP18SN(46cmウーハー)8Ω負荷時(ピーク80dBの音楽中で測定) 使用ケーブル 4S6 6.5m 往復抵抗値 230mΩ 測定器フルーク89W ACmV
2015/09/07

上と同じ条件で46cmウーハーをアンプに接続しておき、途中で無入力のアンプを通電してみました。
2015/09/09

通電中は、およそ-65dBmで一定の値です。両端は、電源OFF時で、アンプ通電中は、-65dBm一定で、これがアンプの残留雑音の値です。アンプ動作中は、スピーカーの周りで音楽などが鳴らされていても、その雑音がスピーカー端子に現れないように抑制されている事が解ります。
-65dBmという値は、アンプによって異なり、SN比の高いシステムほど小さくなります。自家用の純A級アンプでは、-73dBmでした。
定電圧駆動以外では、鳴らした音楽により、スピーカー端子電圧が揺さぶられ、アンプの出力インピーダンスや、ケーブル抵抗がが高いほど多くなります。
LCネットワークに、アッテネーターが付いた市販スピーカーも、同様の理由で、スピーカーには、様々な雑音電力が加わり、解像度はそれほど高くなりません。

 ここで紹介した反射波による雑音電力は、原音に無い別の音楽表現をもたらします。この変化をオーディオ趣味として楽しめばきりがありません。これらの雑音を排除して、ひたすら高解像度を追求する、マルチアンプ駆動は別次元の音で、音源の良否判断も明解で、システムの音質変化への悩みも少なくなります。この雑音電力は、音の一次反射が、早い段階で起きるほど、強いエネルギーとなり、原音よりも時間が遅れた電力として、スピーカーに加わりますが、それらは、ルームエコーとミックスされ、目立たないだけで、存在します.。この環境に対し、低インピーダンス駆動できる、アンプを接続すると、雑音電圧値が小さくなり、スピーカーに加わる雑音電力が低下します。NFBのお陰で、入力信号に無い成分が、出力から逆送されても、アンプ自身の増幅力で、短絡されます。ゆえに、長いケーブルを接続すると、容量負荷や、雑音電力の為、アンプは、大いに働かなくてはならなくなり、かなり発熱することも有ります。建物に、ホール音響用アンプと、BOSE101を使用して、この発熱現象に悩まされ、後日、出力トランス付きで、出力帯域が狭い業務用ハイインピーダンスアンプに交換して、発熱を避けた実例もあります。

 NFBのかかった高忠実度アンプは、残念ながら音が悪いという言われ方が多いのですが、音楽を忠実に再現する能力は極めて高く、無音が無音として、出力端子から出るのに対し、無帰還アンプでは、外乱を吸収できませんので、原音よりもリッチなサウンドになります。出力インピーダンスが高い真空管アンプでは、スピーカーのインピーダンスカーブと同じトーンコントロールをかけた周波数特性で鳴るので、多くの場合、ドンシャリ音です。過剰な修飾を好むのか、普通が良くて、原音以上の音を求めないのか、その判断に、趣味という趣が加わるものと思います。ちなみに、私は、NFBアンプ4台で、各スピーカーを駆動し、空間合成される音波の時間的ズレが無いようにチューニングを施し、
無と有が際立つようにして、高い解像力を得て、それを最良としています。最近の国産アンプでも、NFBを排除していない解説が増え、好感が持てます。
NFBアンプが苦手なのは、複数のスピーカーが負荷になった場合で、各スピーカーから来る逆起電力を総合して、正しい電力を発生しますが、それを各スピーカーに選択して個別に送り出す事はできません。1個のスピーカーだけを1台のアンプで駆動すれば、常に理想波形が加わる事となり、それが、正しく、NFBアンプを使うコツでしょう。複数のスピーカーを鳴らすのであれば、スイッチングアンプや、無帰還アンプといった、信号が行きっぱなしで、負荷に鈍感なアンプが、有利かも知れません。


ホ−ンスピーカーによる、マルチアンプシステムで使用するアンプ
 現在使用中のアンプは、4.5WA級アンプです。アナログで、NFBが掛けられているアンプならば、一定の低雑音性能さえあれば、どれでも等しく使用できます。巷では、機種特有の音質が有るとされていますが、マルチアンプシステムでは、目立ちません。
スイッチングアンプは、デジタルアンプと呼ばれる事も有りますが、デジタル機器特有のレイテンシィはありません。但し、可聴帯域全てで、位相が変化しますので、マルチアンプシステムでは使用を避ける方が賢明です。実例として、位相が合ったのは354Hz付近のみといった、有名品もあります。そもそも、残留雑音が大きいので、ホーンスピーカーには、合いません。
 最も相応しいのは、小出力A級アンプで、超低雑音性能の物です。市販の該当品は有りません。自作できるマニアなら、今後大いに、穴場となるでしょう。。そもそも、アンプ出力は、何W有れば良いのかですが、マルチアンプの研究を10年行い、正確な音量調整システムで運用した結果、-20dB以上の音量は、一度も必要としませんでした。
使用していたのは、100Wアンプでしたので、-20dBは、1W出力相当です。それに、ピークマージンを加え、3Wrms有れば、十分だと考え、これに沿って、試験を進める事にしました。何故にA級なのか、定番AB級で、スイッチング歪みを見た事は一部の製品のみです。無いとは言っても、大袈裟に反論せず、A級アンプで簡単にクリアできるのなら、それにこしたことは有りません。音量で電源電流が変化しないのも、A級アンプの魅力で、しかも、LT1115による、低雑音のおまけは、魅力です。1台が4.5Wx4chで、消費電力は、60Wです。
現在のアンプは、-14dBまでで使用できますが、通常の最大で使用する-20dBでは、ピンクノイズで、84dB(C)です。実音では、90dBぐらいのピーク音量です。
 今からスタートされたい方は、2017年5月号トランジスタ技術付録2017春号トラ技Jr.ゼロ・ディスストーション・オーディオ・アンプの製作 黒田徹 著を参考に進めて下さい。誌上では、15Wですが、最近の低能率スピーカーでは、これぐらいは必要です。しかし、ホーンスピーカーならば、120dBを越えてしまいますので、4〜5Wでも十分で、発熱も少なく、製作も容易です。


音以外のAM放送電波や、電灯線からの電磁誘導雑音もアンプONで消える

オーディオシステムに接続したSPの雑音(
アンプOFF時) チューナーが無くてもAM放送がきれいに受信できています。 右は、アンプを通電した場合で、雑音量は増えますが、AM放送は消えます。録音は、UA-25EXで行いました。
雑音源:AM放送 送信所 5kW出力 距離4km 他に、8kHz〜10kHzを定期的にスキャンする正弦波雑音(電灯線が発生源) 休日は無く、平日の午前中に多く現れ、電磁雑音のみに反応するテレホンピックアップでも綺麗に拾えます。


オーディオシステム中の18インチウーハー単体の8Ω負荷への雑音 ここには、AM放送は現れません。ボイスコイルのインダクタンス分が効いて、高域でインピーダンスが上昇し、発電量が減ります。
2015/10/08

 システム中のスピーカーに現れる雑音を観測すると、確かに物音など床から大きなエネルギーでスピーカーが発電しますが、アンプを通電した途端に、アンプがそれらを支配しますので、スピーカーの音として放出されません。従って、スパイクに大きな投資をする事の意味をよく検討していただきたいと思います。ギターを床に付けて鳴らして同様の実験を行っても結果は同じで、アンプが支配していました。壁からの反射音や、電灯線から混入するAM電波や、PCなどの雑音も、アンプが通電されていれば、雑音として、スピーカーを鳴らすことは無くなります。アンプが支配している時の雑音量をもっと減らしたいと思い、探求したいのですが、現行高級アンプ(例マッキントッシュ等)を所持していませんので、他の研究者に譲ります。

電磁雑音検出に最適なツール テレホンピックアップ SONY TP-15
  2015/10/23
空気振動を全く感知しないで、電磁雑音だけを検出します。これにマグネットを貼り付けると、物体の振動を捉える事ができ、便利です。
携帯電話や、LED、蛍光灯、ワイヤレスマウスなどあらゆる物から電磁雑音が出ていることが判ります。
人体も微量ながら、電磁誘導により、雑音を発している事も検出できます。下では、これを利用して、スパイクの効果を検証しました。
YAMAHA S55に8mmの袋ナットを取り付けてスパイク効果を実験 2015/10/23
スパイクの効果への疑問

 平行面が無いエンクロージャーなので、定常波が乗りにくい形状です。このスピーカーを、床に置いて周りをを歩き、足音を音源として、スピーカーが発生する電力を測定しました。スパイクの代用として、ネジ径8mmの袋ナットを使用し、直置きとの違いを比較しましたが、大きな差は出ませんでした。スパイクの効用解説によれば、円錐の頂点から振動が伝わらないとしています。しかし、スパイクの4点を結べば、面になり、その面の部分の床が振動すれば、振動がスピーカーに伝わります。床振動を遮断するには、フローティングが良いのですが、今度は、反射音の空気のエネルギーが、スピーカーを振動させます。マイクで音の波形を長時間見ておりますが、床の振動を原因とするギザギザの波は、ついぞ見たことがありません。やはり、電気的に雑音除去する方が、合理的で効果が高いでしょう。NFBのかかった高忠実度アンプは、次々とやってくる外来雑音を吸収し、ひたすら原音をスピーカーに送る重要な働きをしていますので、振動で、スピーカー音に影響を与えるとは思えません。
比較動画について
 有名な動画サイトにスパイク有りと無しで音の比較がありました。ベタ置きとスパイクで浮かした2通りなのですが、確かに音は違いますが、
比較するのなら、ベタ置きではなく、スパイク以外の物で、同じ高さまで浮かした条件でないと比較の対象にはなりません。
フロアにベタ置きすれば、どんなスピーカーでも、低音が持ち上がります。さらに、後壁にくっつければもっと低音が出ます。タンノイのバックロードホーンをコーナーに置いたらもっと壮大な低音です。
気になったのは、スパイク解説サイトによれば、、スパイクがメカニカルダイオードとして働き、円錐先端から振動が伝わらないというくだりです。言葉どおり、ダイオードならば、先端同士を接触させれば、両方向とも振動が遮断できるということになります。
これですと、完全に振動のアイソレーションが可能となる筈ですが、しかし、それはあり得ない事でしょう。


誘導
 工業系の学校や、インターネットでは、建築音響設備施工経験者の常識的トラブルが解説される事がほとんど無く、オーディオファンに至っては、無知といわれる現象があります。それは、工事会社の技術者が伝承する、誘導と呼ぶ現象で、工事ミスが起きると、スイッチ選択OFFの放送区域であっても、他のエリアで放送中の音が、かなりの大きさで鳴ります。アッテネーター(音量調整器 大 中 小 切り)で、OFFにしても、同じく、音が出てしまいます。
その原因は、100Vラインという、高電圧でスピーカーが駆動され、電力の高圧送電と同じ仕組みで、伝送損失を防ぎますが、電磁結合、静電結合などにより、放送をしていない系統の配線に、放送中の音が誘起されて、スピーカーから音が出る事です。それで、放送をしない区域の配線を、アンプ側で短絡しておいて、スピーカーに誘起される電圧をゼロにする事により、駆動電力を無くしています(電力=電圧x電流で電圧が0)。スピーカーと、アンプの間にある、閉ループでは、放送の内容に応じた電流が流れていますが、電圧をゼロにするので、電力が発生しないという原理です。スピーカーが100Vラインで駆動されていますので1W時で、10kΩのインピーダンスとなり、配線抵抗が少々有っても、選択スイッチで回線を短絡すれば、無音になります。
 業務放送では、片切スイッチで開放せず、負荷から見てアンプ側が短絡で切りとしています。

 ところが、ホール音響など、高忠実度な音響設備では、ローインピーダンス駆動なので、小さな抵抗値で、回路を短絡しないと、誘導による、駆動電力が発生します。ローインピーダンスとはいえ、100Wでは、約30Vという電圧となり、アンプの出力インピーダンスを十分に下げる必要があります。このような科学的に証明できる現象を防ぐ為には、放射ノイズの少ない4芯スピーカーケーブル0.1Ω以内使用と、出力インピーダンスが低いNFBのかかった高忠実度アンプを推奨します。
音質が悪いNFBアンプが有るのは、事実であり、型番はメーカーの名誉の為に伏せておきますが、原因を探れば、NFB経路が無配慮でした。正しく製造されたアンプでは、このような劣化はなく、数値競争時、盛大に宣伝した製造メーカー自身が、NFBを否定するなどは、ミスリードと言えます。今日の半導体事情の為製造されているデジタルアンプと称する、スイッチングアンプでは、高周波雑音が、電線の間を飛びやすくなりますので、商業設備ではこの限りでは有りませんが、高忠実度が必要な設備では、遮蔽ケーブルを使うか、金属配管を施すかを行い、離隔にも注意した方が良く、無線設備と同等に考える方が良いでしょう。(遮蔽ケーブルのみでは、一旦トラブルが発生してしまうと、この手法のみでは、ノイズトラブルは防ぐ事ができないという事例もあります。)

2007年〜現在における、暫定的結論

 音は、空気の粗密波であり、万人に普遍的に存在する。スピーカーのコーンが、紙、ケブラー繊維などと、材質が違っても、ピストンモーション領域の音は、誰が聴いても、同じ音に聞こえます。しかし、振動板の、サイズや、形状により、スピーカー音の全体には、差が生じます。すなわち、マイクで同じような、音圧特性として測定されても、小口径と大口径スピーカーでは、違う音に聞こえます。テンモニは銀箱になり得ずで、スタジオなら、ラージュ、スモールの両方のモニタースピーカーが必要になるでしょう。
 
ダイナミックスピーカーの鳴らし方は、抵抗の低いケーブル(0.1Ω以下)で、アンプと1対1で直結し、スピーカーからの逆起電力を、アンプで逃し、無用な電圧が、スピーカー端子に加わらないようします。スピーカーを正しい波形で駆動する為に、NFBのかかった半導体アンプで、定電圧駆動(低インピーダンス駆動)をします。こうする事で、アンプやケーブルによる音質差が少なくなります。スピーカーは、LCネットワークの無いフルレンジスピーカーで十分です。コンデンサネットワークのみで、タイムアライメントに矛盾が無い2WAYスピーカーも、良いのですが、クロスオーバー周波数は、5kHz以下ぐらいが良く、10kHz以上では、波長が短くなることで、タイムアライメントを合わせるのが難しくなります。このようなコンデンサのみの2WAYは、シンプルで、コストもかかりませんので、あまり、システムを大きくしたくない場合は、この範囲内で妥協するのが得策です。ネットワーク用コンデンサは、耐圧に注意します。直流カットによる、アンプのダンピング性能劣化は無く、スピーカーから送られる無用な電力をアンプに伝えて、打ち消します。尚、コンデンサースピーカーでは、このような電気磁気学的制約がなくなり、アンプの内部インピーダンスとの関係が無くなりますので、一つの理想形と思います。


歪率計で測定したセラミックコンデンサの歪み
お断り この項は、後日の調査で、トランジスタ技術2002年9月号 黒田徹/岡田創一著の内容と類似している事が判明しましたが、一般論的な部分もあり、掲載を継続します。トラ技の記事とは、関係無く、ある機器の歪率測定結果が想像以上に悪く、原因調査を行い、以下に辿り着きました。トラ技とは別視点からの、密接な事例を通じて、読者の理解が深まることを望みます。

音が悪いと言われる代表格の、セラミックコンデンサの歪率
です。金属皮膜抵抗10kΩへのカップリングコンデンサとしての歪率特性で、計算上のカットオフは、159Hzなので、315Hz、1kHz、10kHzで測定しています。このコンデンサは、オーディオ機器に、放送電波などの高周波雑音除去で用いられますが、音声回路に用いれば、完全にアウトになる特性です。スピーカーの場合は、電磁誘導なのですが、コンデンサーでは、圧電現象による起電力で、音の劣化を生むようです。
あくまでも、大振幅のオーディオ信号に対しての歪み増加なので、電源回路のデカップリングには無関係です。オーディオフィルターや、段間カップリング、位相補正回路では、数10pFからでも、歪率に影響します。しかし、電源の積層セラコンを退治しても、音は良くなりません。
あくまでも、信号回路に、起電力を生じる素子や、材料、構造を改善しなければならず、NFBループ外の非直線部分に気を配りましょう。
 
2015/12/13
上のような歪率測定結果は、ネットでもなかなか見あたりませんので、大いに参考にしてください。
HPFの次は、LPFでも実験しました。


歪率測定済みアンプにセラミックコンデンサによるLPF1次CRフィルターを追加

カップリングではなく、高域を落とす為のLPFフィルター回路にセラミックコンデンサを使用した場合も、歪みは悪くなるようです。平衡−シングルエンドコンバータの入力に2.2kΩと0.01μFのセラミックコンデンサによる、7.2kHz 6dB/oct LPFを構成してみました。平衡入力のアンプですが、入力の片方をアースに落として不平衡入力として使用しています。フィルター回路、トーンコントロールなど、オーディオ信号が直接加わる箇所でのセラミックコンデンサ使用は避けましょう。電源回路で、発振防止の高周波バイパスコンデンサには、オーディオ信号は加わりませんので、セラミックコンデンサが適役です。
左が正常な歪率特性。右はセラッミックコンデンサの悪影響を受けた歪率特性。ある電圧を境に、以後は、電圧に比例して、歪率が大きくなるというのが、セラミックコンデンサの特徴です。オーディオ信号が直接コンデンサにかかる場合は、このように歪率特性が悪化しますが、電源のカップリングに、このような悪影響は、無く、素直に、高周波領域はセラミックコンデンサに任せても良いと考えます。位相補正や、DACのLPF回路などのコンデンサは、例え小容量でも、大振幅のオーディオ信号が直接コンデンサにかかりますので注意してください。
最近購入した、積層タイプ220pFと47pFセラコンは、こうした歪みが非常に少ない物もあり、マイカコンデンサより優れている場合もあります。目下測定を繰り返しており、結果がまとまり次第、発表できると思います。
僅か1個のセラミックコンデンサで明らかに歪みが増加 2015/12/13
2015/12/132015/12/20
 セラミックコンデンサでLPFを構成すると音が悪くなるというヒントは、DCX2496を、POST-LPF直接出力とした時、10kHzの特性が悪く、その原因として浮かんだのが、回路で使用しているチップタイプのセラミックコンデンサ2200pFです。とはいえ、表面実装部品の交換は、老眼では難易度が高くなりますので、ユニバーサル基板にLPF回路を作りそこで様々な実験を行うことにしました。


下図左側、フィルムコンデンサ(マイラーコンデンサとスチロールコンデンサ)で、外部試作(
OPアンプLME49720)して測定しました。結果は、予想通りフィルムコンデンサらしい結果が得られました。歪率もワンオーダー近く下がります。SN比は、119.8dB(127.6dB Aweight)という結果で、今後の性能アップが期待できそうです。それとOPアンプも凄い性能で、アマチュアでも、歪率0.001%以下、SN比120dB以上の差動アンプが、簡単に作れてしまいます。LPF単体でこれだけの性能で有っても、実際にDACに接続すると、歪率は0.001%以下であったものでも、0.04%台まで悪化します。
下図右は外部試作したフィルムコンデンサーによる、LPFを、DCX2496のDAC出力に並列に接続し、その結果です。100Hz、1kHz、10kHzと綺麗に揃い、セラミックコンデンサによる、高域での歪率特性悪化を解消できました。同時に、1kHz以下は、改善の余地が無いこともわかります。Mid Highだけ、チップコンデンサを交換すれば、4580は敢えて交換しなくても良いという現実的な見方もできます。DCX2496は、現在でも、トップレベル仕様のデジタルチャンネルデバイダーであり、そのコストパフォーマンスは高く、優れた音響エンジニアを養成するにふさわしい入門機です。
少しの改良で、ピュアオーディオ転用できますが、メーカーのサポートが無くなりますので、ご注意ください。
2015/12/15 2015/12/20
DCX2496改造による変化
第1段階 DCX2496オリジナル機の歪率特性ですが、1kHzから上昇し、0.1%を越えます。
 2015/6/2 元のDCX2496
第2段階
 
少し改造を行い、平衡出力ドライブアンプの前段POST-LPF出力(不平衡)を取り出したのですが、-20dBFS時の歪率特性が改善され、その結果、SN向上により、解像度がアップしました。しかし、コンデンサを原因とする、歪み上昇は改善されていません。
2015/11/18 平衡出力ドライバーアンプの前から音を取り出し

第3段階
 思い切って、普通のフィルムコンデンサで、POST-LPF回路を自作し、周波数に依存しない歪率特性が得られました。左は、2016/1/5 測定、右は2016/1/14 測定。
全部で3台製作し、どれも同じような歪率特性が得られました。自作のメリットは、コンデンサと金属皮膜抵抗を選別し、差動アンプの平衡度を高める事ができるという事です。使用した基板は、タカス IC-701-74で、若松通商税込み\661で、ガラスエポキシ基板です。
DAC AK4393の出力をケーブルの途中で、切断して、LPFに入力し、出力は、キャノンに直接半田付けしています。音質的変化は、真鍮の音が鮮やかに響き、残響成分も良く聞こえるようになりました。

実装した、フィルムコンデンサ使用POST-LPF基板 OPA2134を使用したLPFキット基板なども有るようです。
2016/02/15 実体配線図

コンデンサ交換での注意点

 思い通りの特性に改良できたのですが、わざわざ別の基板でLPF回路を作らなくても、オリジナル基板のコンデンサだけを交換すれば済むというように、誰もが考えると思います。使用する部品は、積層メタライズドフィルムチップコンデンサーという名称で入手できます。フィルムコンデンサーですので、非常に熱に弱く、手半田では、簡単に電極との接合部が溶けてしまい、容量抜けを起こします。別のアナログチャンネルデバイダーで、コンデンサーをフィルムチップコンデンサーに交換してみたところ、フィルター特性が悪化したり、歪率特性もそれほど改善されなくて、苦い経験をしました。セラミックチップコンデンサーの場合は、手半田でも、結構しっかりと取付ができましたが、フィルムでは、そうは行かないようです。やはり、アマチュアは、リード線タイプのフィルムコンデンサーを使用する方が無難でしょう。
アマチュアならではの、CMRR向上方法
 高級品の代名詞のように、バランス回路がもてはやされていますが、OPアンプと抵抗4本による、差動増幅器のCMRR(同相雑音除去比)は、抵抗の誤差により、大きな数値が得られない事は、回路設計をされた方ならば、ご存知でしょう。
F級(±1%)では、51dB 参考資料 TI 社 jajb022.pdf。入手可能かどうかは分かりませんが、カタログ定格±0.01%の精密抵抗もありますが、差動増幅器で必要とされるのは、抵抗の絶対値に対する誤差ではありません。反転入力と非反転入力の抵抗値が等しく、帰還抵抗との比も等しければ、CMRRは大きくなります。故に、安物のDMM(デジタルマルチメーター)でも、表示桁数の多い物であれば、精密な抵抗選別ができます。手持ちの測定器では、9.9999の表示ですので、最終桁が1違えば、誤差は、0.001%であり、1kΩでは、0.01%ですが、これでも、十分精密だと言えます。
コンデンサを高精度に選別する方法 (容量測定ではなく、交流電圧で測定)
 POST-LPF回路は、差動入力回路がCRフィルターになっており、先ほどの抵抗に加え、コンデンサーの容量のバランスも、CMRRに影響します。それでは、コンデンサーを選別する方法ですが、一般には、測定器の容量計を使用すると思います。しかし、容量計は、小数点2桁なので、抵抗のような、精密な選別には使用できません。そこで、オーディオアナライザーの発振器などのように、周波数の安定した交流電源を使用し、抵抗とコンデンサーで分圧された交流電圧を測定すれば、表示桁数分の精度でコンデンサーを選別できることになります。抵抗とコンデンサーのそれぞれの電圧が等しい周波数が、一番最適な周波数で、コンデンサーのインピーダンスを計算して、抵抗もその値にします。フィルムコンデンサーは、200本単位ならば、抵抗並みの価格ですので、メーカー製品を上回る性能を得たければ、安い物です。
すなわち、精密にバランスした、金属皮膜抵抗とフィルムコンデンサーで、POST-LPF回路を作りたかったというのが、別基板で製作した最大の理由となり、その結果、汎用プロ音響製品でも、高級機に変貌する事になりました。

下の写真は、測定をしたコンデンサ類と、電源として使用したB社アナログチャンネルデバイダーと、LME49720の6ch平衡−シングルエンドコンバーターです。MUSE、BP、電解コンデンサの2個直列無極性接続、フィルムコンデンサ、マイラーコンデンサ、メタライズドフィルムコンデンサ等各種測定していますが、セラミックコンデンサのようにはなりませんでした。超低歪率の機器では、使用するコンデンサは注意します。最近、DCカットの為MUSEコンデンサを使用してみたら、0.003%ぐらい歪率が悪化したので、やむを得ず直結とし、DC漏れは、後段のパワーアンプでのDC調整で切り抜けるという処置をしました。
実験装置(CX3400の電源を使用) 2015/12/14

写真下段左から6番目1000pF2個は、セラミックコンデンサと良く似ていますが、歪率測定の結果フィルムコンデンサであることが判明しました。このコンデンサの出所は、Y社製プロ音響用GEQですが、適切な選択がされていたという証明でしょう。


70Hz LPF 24dB/octを自作
左 セラミックコンデンサーの悪影響に気付いたアナログチャンネルデバイダーの測定 50Hz=LF 1kHz=MF 10kHz=HFで、50Hzが特に歪みが大きくなっています。右は、フィルムコンデンサ換装後で、500Hzは、フラットアンプの歪みで、10kHzだけ歪みが大きく感じられますが、OPアンプの雑音成分が効いているだけで、全域で、左側の10kHzの特性より良い値です。

セラコン歪み特性 2015/06/24 改造後 2016/04/30

 小出力A級SLF用アンプには、周波数70Hz固定の2WAY 24dB/octステートバリアブルフィルターを組込ました。OPアンプは、FET入力のOPA2134で、フィルムコンデンサーは、秋月で200本単位で購入し、4本組を2セット選別した0.068μFで、直列抵抗は33kΩです。写真の内容で、平衡入力で、クロスオーバー70HzのリンクウィッツライリーフィルターのLF,HFと、フラット出力の3系統2ch分を得ています。周波数可変、チャンネル別出力VR、位相反転SWなど、全て省略し、DC直結で出力しています。システムでの役割は、18インチウーハーにLFを、15インチウーハーには、何も加工しない出力をするというものです。シールド線は、基板直付けではなく、ピンヘッダで中継しています。ジャンパー線は0.3SQですが、機械的な強度を保つためです。少し細めの物の方がすっきりします。基板面積の制約で、立体交差部分が有りますので、配線順に注意します。オフセット調整回路は、回路をシンプルにする為に入れていません写真左側は、中点電位保護回路で、各アンプの出力が入力されています。その内、LFから、フィルター回路に入力し、70Hz 24dB/oct出力をSLFアンプに供給します。

左側は、中点電圧保護回路と、電源及び温度保護用回路用+15V電源部です 2017/08/07
位相が反転(リンクウィッツライリーフィルターのクロスオーバー周波数)

 リンクウィッツライリーフィルターの位相特性は、通過帯域では、0°ですが、クロスオーバーポイントでは、-180°となり、入力に対して位相が反転します。LF−HF間では、お互いに-180°なので同相ですが、入力や、フラット出力から見れば、反転です。その為、どこかで位相反転しないといけないのですが、機器内では、差動増幅器の入力極性をスイッチで反転するのが一般的ですが、回路がシンプルであることも重要です。
もちろん、2WAY用ですので、LFとHFにそれぞれのスピーカーを接続すれば、典型的な2WAY構成ができますが、手持ちのスピーカーシステムでは、100Hzあたりが痩せていました。その為、サブウーハーのみを70Hz以下で駆動し、ウーハーは、そのまま全帯域で駆動する方法をとることにしました。サブウーハーへのパワーアンプのレベルは、全帯域用に対し、-10dB低くなりました。回路図は、Tina-TIでの解析した時のものです。積分器からのフィードバック抵抗値は、CX3400の数値を参考にしました。周波数は、C3〜C6、R8〜R11で決まります。このCRは、DMMの最後の桁まで数値を合わせています。R1〜R4は、2.2kΩと低くして、抵抗ノイズを低減しています。この4本も同一値で、利得は、ピッタリ0dBです。
下は、Tina-TIでの解析の為に入力した回路図を画面キャプチャしたものです。

 

Tina-TI V9による上記回路の 振幅、位相 
解析結果

全帯域、LF、HFの振幅特性では、70Hzでクロスしている事が解ります。位相特性では、70Hzで-180°となり位相が反転しています。1kHzでは、-360°で、正相です。15インチウーハーを、全帯域(上の緑色)で鳴らし、サブウーハーを反転して接続した場合、180deg分グラフが上に移動し、70Hzで全帯域の緑線とと交差します。70Hz以下で、サブウーハーは、位相が進みますが、メインの方が音量が大きいので、合成された低音では、進相分は緩和されます。30Hzにて、聴感でも、音圧向上が有りますので、有効にサブウーハーが鳴っていると考えます。別キャビネットですので、同じ帯域を2本で鳴らしても歪みが倍にはなりません。何か、KEF Q70と似た考え方となりましたが、アンプ電力の割には、低音が増えた感があります。安物パッシブウーハーでも、高級メインウーハーを有効に補助ドライブしているという感想です。


実測した出力電圧特性
LFとHFを合成した特性(右)で、普通は、このとおりにスピーカーの合成も行われ、フラットな特性になると考えますが、実際の音圧特性では、クロス点の落ち込みが多く、15インチ+18インチスピーカーシステムでは、100Hz付近が痩せ、15インチSPをフィルター無しで直接鳴らした方が、100Hz付近が良好な特性となりました。リンクウィッツライリーフィルターの位相特性は、クロスオーバーまで位相が大きく変化しますので、異種スピーカー同士の合成がうまくできないで、レベルダウンすると考えられます。
左側 LF FLAT HF各チャンネルの単独特性    右側 LFとHFの合成特性

音源UA25EX デジタルミキサーで合成

0dBを越えられないデジタルシステムでも、面白いほどのローブーストが可能
 LFchとフラットchの合成ですが、同相で、双方が同じゲインの場合は、クロスオーバーで大きなディップとなり、これでは使用できません。LFを逆相にした場合は、50Hz〜60Hz、実測値で4dB(2.5倍)ほどブーストされます(下のグラフ参照)。デジタルシステムでは、0dBFS以上は音が破綻しますので、プロセッサーの、プラス側へのブースト設定はできません。オーディオスピーカーでは、100Hzあたりをブーストしている特性が多く、それで満足できる場合も多くあります。
しかし、大音量用途のプロ音響用SPでは、ローエンドまで、比較的フラットです。それで、演奏によっては、100Hz以下でも大きなパワーが必要な場合もあり、サブウーハーを持ち込み、kW級の強大なパワーアンプで、ローブーストする事になります。
 LFchとフラットchの合成で鳴らすと、電圧の上昇が4dBでも、クロスオーバー周波数以下だけ、ダブルウーハーとして働き、さらに、アレイとしての効果もあり、部屋内では、さらに音圧上昇します。オーディオ用途では、これほどのブーストは必要ありませんので、サブローは、-10dBとし、+1.3dBのブースト効果で使用しています。リンクウィッツフィルターは、クロス周波数で、-6dBなので、70Hzではメイン音量に対し、-6dB+(-10dB)=-16dBという音量で、140Hzでは、-16dB+(-24dB)=-40dBとなり、主要な音域に影響が出ません。超低域で、いきなりサブウーハー音が現れるといった感覚で、メインより、ランクが落ちたスピーカーでも、大口径で、超低域が再生できれば良く、耐入力も、アンプ共々メインの10分の1で済みます。+1.3dBのブースト効果は、数字では大した値ではありませんが、メインスピーカー周辺の空気を同じ位相で動かしますので、仮想的に巨大なウーハーが出現しているといった音の聞こえ方です。測定では+5dBアップとなりました。耐入力を上げる為のダブルウーハーとは違い、極めて歪みの少ない低音です。部品代、数千円のフィルター基板ですが、メーカーでは、このような製品を販売する事は考えられませんので、自作マニアにはお勧めです。低音ホーンは、音圧上昇はありますが、ローエンドが伸ばせず、カットオフ周波数を下げるには、住宅から造り替えるサイズになりますが、これよりもコンパクトな18インチのローボックスでも、高品質で、高効率なローブーストが実現できます。

音源UA25EX→デバイダー分割を再び、デジタルミキサー01V96V2でミキシングした実測値 2016/05/15


入力とは異なってしまう、フィルターの合成値

 スピーカーをマルチWAYとして駆動する場合、無くてはならないのが帯域を分割するフィルターです。用途により、ハイパスフィルター、ローパスフィルター、バンドパスフィルターという名称で呼ばれます。最近、フィルター通過後の成分を合成した音と、以前の音では、明らかに差があるという情報に接しました。今まで気にも留めなかった事で、早速、実験を行いました。元音と、フィルター通過後の合成音が違うのは、どうやら確かなようです。デジタルフィルターであるとか、安物であるとかの非科学的論理で決めつけるのは、一般受けするには違いないのですが、我がポリシーに反するので、コンピューターにて、過渡特性の厳しい波形でありながら、わかりの良い1kHz1波のトーンバースト波を、バタワースフィルターを通して、各帯域を合成し、その波形を比べてみました。バタワース特性のみとしたのは、ソフトの都合上の事で他意はありません。その結果、2WAYで、6dB/octの場合のみ、原音と、フィルター通過後の合成が一致するのみで、他は、一致しませんでした。2WAYのクロスオーバーは、1kHzと5kHzとし、3WAYでは、805Hz、4980Hzにて、6dB、12dB、18dBの振幅合成を調べてました。なお、振幅以外にも、位相の変化も伴います。
ネット検索をしてみると
http://www.finetune.co.jpには、
総合特性が定数になるコンスタント・ボルテージ・クロスオーバー・ネットワーク 出力を合成して、入力と等しくなるフィルターのという記述がります。

2WAYクロスオーバー1kHz
  1kHzトーンバースト波の変化 Pは正極性、Nは逆極性接続です。左がオリジナル 次は6dB/oct 12dB/oct 18dB/octと続きます。

 上段が同極で、下段は逆接

1kHzはプロ音響用2WAYでよく使用されるクロス周波数です。6dB/octの同極接続は、原音を再現しています。バタワースフィルターの正しい極性は、6dB、18dBは、正+正で、12dB、24dBは、正+負となります。


2WAYクロスオーバー5kHz
 

 2WAY 5kHzクロスオーバー
オーディオ用として一般的なクロス周波数5kHzによる2WAYで、1kHzトーンバースト波は問題無く通過しています。

3WAYクロスオーバー 805Hz、4980Hz
 3WAY 805Hz,4980Hz クロスオーバー
3WAYの波形を見ると、マルチWAYにする気がなくなり、フルレンジスピーカーの方が良く思えるのですが、残念ながら、マルチWAYの方が、音質で上回るケースが多いです。


3WAY LCネットワーク
 LCネットワーク接続における、リスニングルームでの音圧特性(緑色)と、
入力電流(マゼンタ色)を表しています。スピーカーの電流特性は、測定回路に直列に測定端子を入れるので測定難易度が上がり、このような特性のグラフは珍しいと思います。音の大きさも、スピーカーに流れる電流も周波数によって変動しており、一定ではありません。電圧を一定にして電流が変化する事は、負荷側のスピーカーのインピーダンスが変化する事を意味します。変化するインピーダンスに対して、目的とする周波数帯域を割り当てるLCネットワークフィルタを計算することは、非常に難しい事となります。
TOA 380-SE 380−SEの音圧特性と入力電流のグラフ 出力音圧(緑)/入力電流(マゼンタ)特性(2008/12/17 17:10)

設計どおりに動作しないLCネットワーク(変動するスピーカーインピーダンスが原因)
下は、このスピーカーの3WAYマルチAMP入力端子からのインピーダンスの周波数特性です。

LOW バスレフ式38cmコーン型 インピーダンス特性 右:音圧特性(ネットワーク無し)
ウーハのインピーダンスは低音域に山が2個で、最低値の後、右上がりに上昇  (2008/12/17)
220Hzの突起は、中音ホーンとのBOX内での干渉によるものです。

MID 定指向性ホーン 90°x 40°インピーダンス特性 右:音圧特性(ネットワーク無し)
ミッドホーンは、6.5オームから20オームまで変化  (2008/12/17)

HIGH アルニコ磁石ホーン インピーダンス特性 右:音圧特性(ネットワーク無し) 高域での減衰が大きいので、現在は、FOSTEX T90Aを使用しています。
ハイは、6オームから12オームまで変化  (2008/12/17)

インピーダンス測定結果からわかるように、いずれのスピーカーも8Ωで一定ではありません。このようなスピーカーユニットに対して、コイルとコンデンサでネットワークを組み込むとどうなるか、先入観がない人であれば、すぐにお解りなるだろうと思いますが、定規で引いたような減衰特性にはならず、クロス周波数も、とても計算どおりになりません。

 

内蔵ネットワーク12dB/oct 250V耐圧フィルムコンデンサを使用しており、品質的にもまずまずですが、残念なことに、直流抵抗にて、スコーカーへのレベルを調整しております。さらにレベル調整の連続可変ボリュームもあり、スピーカー制動の為には好ましくない状態です。
写真のコンデンサ容量の左右での誤差は、0.75%で、選別されていないと実現できません。余談ですが、古いJBL3105、10kHzで1.5dBの違いがあり、ステレオ用としては、好ましくない物で、これに気付かれたオーナーさんの耳にも脱帽で、無事、調整完了できました。

耐電圧といえば、耐圧の低いBPコンデンサを使用したSR用スピーカーが、コンデンサ短絡事故を起こし、歪んだ音を出していた事故例がありますので、民生品ならいざ知らず、SR用であれば、メーカーも、安易なコストダウンをしない方が良いでしょう。

写真のネットワークで使用している3.3mHのフェライト芯コイルの直流抵抗分469mΩです。

LCネットワークの出力電圧を実測

下は、実際にTOA 380-SEの各スピーカーへの入力電圧です。雑誌などに掲載されている滑らかなクロスカーブは存在しません。インピーダンス特性が一定でない分だけ変化も不規則になります。定格値 800Hz 8kHz

ロー、ミッド、ハイのスピーカー周波数端子電圧特性 LCネットワークによる、各SPの入力電圧

38cmウーハーへの入力電圧(マゼンタ色)は1.2kHz付近までフラットです。
公称値の800Hzで-3dBとなると普通は考えますが、1.3kHz〜1.4kHzあたりが、電圧測定によって判ったLF側SPのカットオフ周波数です。MFホーン(シアン色)は、2.1kHzから下降を始めています。最初はなだらかに、-6dB/octぐらいの傾斜で、600Hzまで落ち、それ以下は、本来の-12dB/octで減衰しています。高域側のカットオフは、7〜8kHzあたりで、-12dB/octで減衰しています。HFホーンは、平坦に電圧が加わる帯域が無いのでどこがクロスオーバーポイントなのかはっきり判りません。このスピーカーの仕様は、800Hzと8kHzというクロスオーバー周波数なので、期待値として−3dBポイントで各ユニットへの電圧がクロスすると信じたいのですが、実測ではこのような結果でした。それでは、この製品だけがこのようになり、他社製品や、皆様がお使いのスピーカーではこのようにならないと思いたいのですが、残念ながら、同じです。又、インピーダンス補正で、並列にCRを入れたところで、スピーカー自身がインピーダンス的にリニアな素子ではないので、若干ましになる程度です。SR用スピーカーメーカーEAWのホームページでは、こういった事情が詳しく解説されています。

チャンネルデバイダー+パワ−アンプによるスピーカーへの実際の印可電圧 380-SE
ミッドの平坦域が少し不満ですが、LCネットワークより理論値に近い変化特性であることがわかります。リンクウィッツライリーフィルター、傾斜は-24dB/octを使用しています。LF,MF,HFの各スピーカーの能率差が良く表れています。
左が、3WAYスピーカー実装時各スピーカー端子の入力電圧 右はチャンネルデバイダの実測出力電圧です。
マルチチャンネル時のロー、ミッド、ハイの周波数入力電圧特性 同じく、チャンネルデバイダの周波数出力電圧特性
(20019/0715 13:21)

理想的な分割が可能なチャンネルデバイダー
 LCネットワークの問題を解決するには、変動するSPインピーダンスに依存しない電子フィルター(チャンネルデバイダー)を用いて再生帯域を分割してパワーアンプに送りスピーカーを直接駆動する、マルチアンプ方式が有利で、クロスオ−バー周波数設定の自由度も高くなります。スピーカーが発電する、雑音電力は、専らパワーアンプで吸収し、精密に分割された電力を、スピーカーに伝える事が可能となります。クロスオーバー周波数については、かなり神経質な部分と、そんなに変化の無い部分が混在します。神経質な部分としては、ホーンスピーカーでは、クロスオーバーから下の周波数をフィルターで急激に減衰させますが、周波数が低くなると、振幅が増大し、歪みやすくなります。この為、クロスオーバーより下で歪み音が聞こえないのが、クロスオーバー周波数の下限となります。この手法で、スコーカー、ツイーターとも許される下限周波数を求めます。歪みの判定で測定器は必要なく、耳で十分です。このテストを体験すると、傾斜の緩いフィルターが使えず、18dBや24dB/oct程度が最適となります。一方、上限周波数は勿論、音圧が低下するまでが限界点までとなります。上限は曖昧です。
 マルチAMP駆動の欠点としてよく挙げられるのは、高能率なホーンスピーカーを直接駆動するので、アンプの残留雑音が耳につきやすい事と、測定器が無い場合のチャンネルバランス調整の難しさです。アンプの残留雑音は、100μV以下ですと、いかに深夜であろうともリスニングポジションンでは聞こえません。ところで、残留雑音は、カタログの数値項目には無いので、それに近い数値は、Aフィルター補正のSN比なのですが、プリアンプ部を含めた数値で表示される事が大半であり参考になりません。パワーアンプ部のSN比は120dB以上というのが目安です。チャンネルバランスは、FM変調波による周波数特性の調整を参考にして下さい。交流電圧レンジの周波数特性が良好なメーターならば、ピンクノイズによる、専用測定器が無くても、容易に調整できます。


音を悪くする真犯人が直流抵抗 Cは無罪、Lも超伝導ならば無罪
 
ネットワーク素子として、コンデンサに関心が集中しがちですが、直流抵抗が、リニア素子と思っても油断できません。直流抵抗こそが、逆起電力を露見させる素子であり、電流が有れば電圧を生じて、電力が発生し、音を鈍らせます。なお、ウーハーにコイルを入れると、フィルターとしての高域が出なくなる事とは別に、低域の音が、コイル直流抵抗の影響で鈍い音になります。KEF製同軸2WAYスピーカーで、ウーハーのネットワークコイルを、中音域のエネルギー上昇を目的として短絡したところ、それとは別に、低音の鳴り方も激変しました。変化の方向は、過制動ではないかと疑うような、体に響かない低音の鳴り方であり、豊かな低音を追い求める方でしたら、失敗したというような変化ぶりでした。6dB/octのフィルターが、そんな重低音域まで、影響はしない筈なのですが、現在のメインシステムである、TOA15インチウーハーや、サブシステムのDIATONE 27cmウーハー続き、3例目となると、さすがに偶然ではありませんので、ウーハーと直列にになっているコイルにより、スピーカーでしか出せないブースト気味の低音が出ると結論づけられます。4例目として、TANNOY12インチ2AWY同軸スピーカーも同様でした。直流抵抗が音を鈍らせる解説へ
 低音をブーストして出すには、バスレフや、バックロードホーンのように、スピーカーの箱形状による方法と、真空管式アンプのような、内部抵抗の高いアンプで駆動する方法に加えて、スピーカーケーブルを長くしたり、ネットワークコイルを入れるといった事も、それを目標としたら、選択に入ってきます。しかし、必要以上の低音ブーストは、音楽再生に好ましいのかという問題が生じる事となります。アコースティック系楽器では、大太鼓でさえも、ドスンと響くような、低音は出ていませんが、スピーカーを使うと、別次元の低音が出るようになります。エレキベースのように、楽器としてならば、そのような低音で音楽を構成しても問題はありませんが、録音物の低域再生音にも、そういった音質を望むとしたら、もはや病的ではないかと思います。


スピーカーの音質を悪化させる直流抵抗 コイルの直流抵抗やレベル調整用ボリューム
 前出のLCネットワークで使用しているフェライトコアを使用した3.3mHのコイルの直流抵抗は、469mΩ、入力端子から直列になるコイルを通ってウーハの端子までの抵抗は、568.4mΩでした。アンプのダンピングファクターが300とした場合、スピーカーからアンプまでを、完全ゼロΩのスピーカーケーブルを使用しても、コイルの直流抵抗で、ダンピングファクターは、13.4以下となります。実際には、アンプまでのスピーカーケーブル抵抗(参考までに、現在使用している4S6 3.1mのケーブル抵抗は、片側で60mΩです)と、アンプ出力端子の接触抵抗、アンプ内部のミューティングリレーの接点接触抵抗10mΩ前後などの直流抵抗が付加されますので、ダンピングファクターは更に悪化します。又、より高級とされる空芯コイルでは、巻数が増えて、直流抵抗はもっと増加します。
 このような直流抵抗が有った場合、アンプから音楽を鳴らしている最中でも、
スピーカーの前で手を叩くと、マイクと同じく、手を叩いた雑音が観測できます。ところが、スピーカーをアンプ直結とすると、手を叩いた雑音は、かなり低い値となり、アンプ直結の場合、そのような雑音が発生しないように抑制される事がよく判ります。この状態が、アンプによるダンピングが効いている状態であり、真空管アンプでも半導体アンプでも、この制動効果が直流抵抗成分を含んだLCネットワークにより損なわれます。実際に、直流抵抗成分を含んだLCネットワーク経由では、ぼやけた低音で音量も多く感じられ、アンプ直結では、それより音階が低く、音量は少なく感じられます。人によっては、過制動といった表現で、この状態を批判するとは思いますが、定電圧駆動という理想状態であり、この状態で、スピーカーが最良の音質となるよう、スピーカー自身も開発されなければなりません。B&W社では、推奨スピーカーケーブルインピーダンス 0.1Ω以下 と規定しています。この値は、直流抵抗をつないでの実験結果からみても妥当であると思います。
 
下は実験機材です。SPケーブルは4S6を使用し、SPレベル調整用8Ω巻線型ボリューム(NOBLE ACRW403 定格8Ω)をスピーカーとアンプまでの間にある直流抵抗とみなし、スピーカー側(2番)とアンプ側(3番)の波形の違いを2現象オシロスコープで観測するという手法をとります。ケーブル長は、アンプまで2m、ボリュームからスピーカーまで75cmとしました。
この実験用ケーブルの直流抵抗の詳細は、測定コード残留抵抗0.56mΩを使用し、COM側(白−白)55.4mΩ HOT側(赤ー赤)94.2mΩ(VR MAX時) 7.19Ω(VR MIN時) 測定コード残留抵抗は、55.4mΩの約1%で、メーターの測定誤差より小さく、無視できると思います。 
  
 写真左はスピーカー用ボリュームと、ホーンスピーカーFOSTEX T90Aです。 その右は、フルレンジコーン型スピーカーTOA F-150G(下)と2WAYスピーカーTOA F-160G(上)、ホーンスコーカー ONKYO HM-450Aです。駆動アンプはAU-α607XRを使用しました。固定抵抗ではなく、ボリュームにしたのは、ネットワーク構成部品として、よく使用されるからです。それと、スピーカーと並列にボリュームの抵抗が入り、スピーカーで発生する逆起電力を逃す作用の度合いを確認する為です。
トランス式アッテネータの場合は、直列に入る抵抗が無いのですが、トランス巻線自体に直流抵抗があり、無視できません。アンプによる制動効果を期待するのなら、スピーカーアッテネーターを使用しないで、アンプ直結が良いでしょう。


スピーカー用アッテネーターは、アンプ側がきれいな波形でも、スピーカー端子側では崩れる
 フルレンジコーン型F-150G 200Hz 上側の入力波形はきれいですが、下側のスピーカー端子側での波形は、正弦波がゼロになっても、制動不足のふらつきがあります。この測定は、抵抗があれば、簡単にできますので、波形を見ながら音を聞いてみてください。1個のボリュームの2番と3番でこんなにも波形が変わってしまう事に注目です。抵抗器は、直線素子で、本来ひずみの原因ではありませんが、スピーカーという発電機からの余計な電力を発生させてしまいます。片やアンプは、働き者なので、崩れようとする波形を食い止めて、見事なまでに波形をキープするので、ボリューム入力ではきれいな波形のままです。アンプとスピーカー直結のメリットは、ここにあります。直結にすると、
NFBのかかったアンプが正しくスピーカーを定電圧駆動することになります。直流抵抗成分が多いLCネットワーク使用したマルチウェイスピーカーを、NFBのかかったアンプでも、正しく駆動できず、結果的に、特性の悪いアンプによる駆動と大差無いことになってしまいます。スピーカー1個に1台のアンプであれば、正しく駆動できるので、アンプの特性が良いほど原音に忠実となります。JBLの4344では、3個のアッテネーターが並んでおり、これを使わずに、マルチ駆動して、タイムアライメントを合わせれば、もっと高解像度な音が出る筈です。
 NFBは、音質を良くする為の正しい方法であり、アンプの音質論議で悪人扱いされ、冷や飯を食った時期があります。CDに収められた音楽ができあがるまで、どれほどNFBが利用されているか、現実を直視するべきでしょう。真面目に作られた90年代の普及価格帯のアンプの能力を出し切るには、スピーカー1個に1台のアンプを割当て、徹底した直流抵抗の低減に神経を注ぐべきでしょう。とはいっても、0.1Ω以内が目標値で、高価なスピーカーケーブルも必要ありません。1m/60円の4S6でも可能です。スピーカーの音質を意識されている方は、是非この実験を行ってください。10円もしない安い抵抗1本で音が呆けるのが確認できます。抵抗を無くすと、曇りのち晴れというように、音の鮮度が上がります。
 2011/01/12 
ボリューム位置真ん中における、F-150G 200Hzの波形と2現象オシロスコープ LEADER 8060 

同じ、左、2WAYスピーカーF-160G 200Hzでは上のF-150Gと全く同じです。 真ん中は、ホーンスコーカー HM-450A 1.25kHz 少ないですがあります。右は、T90A 8kHz この中では、最小です。
フルレンジでも、2WAYでも、同じような波形が入力されます。コーンスピーカーだけに限らず、ホーンスピーカーでも同様です。アルニコ磁石のT90Aがふらつきが少ないのですが、磁石材料の差なのか、軽量ダイヤフラムによるものか、未解明です。
ホーンツイーター Beyma CP22 フェライト磁石でも、T90A同様の結果で、磁石による差ではない事は、解明しました。 2016年12月

  
2011/01/12

矩形波入力のSP端子側波形
 フルレンジスピーカー F-150G入力端子の波形で、左が、8Ωボリューム最大です。
右が、SP用アッテネーターをセンターにした時で、矩形波の立ち上がりが取り残され、スピーカーの逆起電力による、ツノが現れてきます。このような場合、ジーという奇数次高調波は、同じ大きさで聞こえ、基本波の1kHz成分の音が弱く聞こえます。右は、同じアンプによる、抵抗負荷の波形です。
スピーカー実負荷                              ボリュームセンター時
  駆動条件:アンプ SONY TA-F333ESJ(MOS-FET)で、オシロスコープの垂直感度は、固定です。

上と比較し、抵抗負荷でのアンプ出力はきれいです。 
 2014/03/31

ワニ口コード、バナナプラグ類の1kHzインピーダンス実測値 黒変した電線ではインピーダンスが増加
 

抵抗値 修理後
30.8mΩ
32.3mΩ
32.8mΩ
54.6mΩ 31.4mΩ
32.3mΩ

測定コード残留インピーダンス 0.92mΩ室温15℃ 測定平均値31.9mΩですが、緑色だけが54.6mΩと極端に大きく、原因を調査したところ、表面が少し黒変した古い電線が使用されていました。修理は、新しい面が出るように目の細かいヤスリで磨いてから、ハンダ付けしました。
 SPのバイワイヤリング接続の説明中によくある、バナナプラグによるジャンパ線や、ショートバー(KEF製)の抵抗値です。ジャンパ線を作るより、ショートバーの方が断然、抵抗が低いです。ショートバー、表面は金メッキですが、内部はニッケルメッキらしく、軽い磁性があります。電線は、2SQで約8cmの物を測定しました。とはいえ、バイワイヤリングのスピーカーは、ジャンパーを外して、2対のケーブルで接続するのが正解です。微妙な音質の違いを強調するなら、このような、バナナプラグを使用せず、スピーカーケーブル端子と直に接続する方が、異種金属の境界面を通り抜ける回数が減り、より良い音になる筈です。
 ショートバーは、シングルワイヤー接続の場合に、使用する物で、バイワイヤリングでは、ショートバーを外し、2対のケーブルでアンプまで接続し、アンプの出力端子で並列とします。時々、間違った記述が、ネットに有りますので、注意してください。バイワイヤリングは、ケーブルを沢山売るには、都合のいい接続形式ですが、倍の長さのケーブルを使用する割には、音質の向上は、ほとんど感じられません。折角2本のケーブルを使用したのなら、バイアンプ接続の方が、音の向上が感じられます。バイアンプ接続は、AVアンプで簡単に実現できます。AVアンプ=5.1サラウンドという、思考ではなく、普及価格帯2chステレオアンプと考え、HDMI対応や、FM,AMチューナー、ネットラジオなどのプラットホームとして便利に使用できます。バイアンプでも、LH間に遅延が設定できれば、ガラリと音が変わりますが、AVアンプでは、そこまではできません。ピュアオーディオアンプなどに手を出すと、車道楽と同じぐらいお金がかかりますので、マニアックにならずに、それでも、高品質を求めるのなら、このようなやり方がお奨めです。


スピーカーまでの直流抵抗とスピーカー端子電圧の関係   フルレンジコーン型スピーカー TOA F-150Gにて


200Hz 1波トーンバースト波を加え、直列抵抗があることによる、スピーカー端子側の波形の乱れです。測定系のスピーカーケーブル4S6(アンプまで1m往復の残留抵抗 37mΩ)に、直列抵抗を入れ波形の変化を見ました。結果は、スピーカーケーブルをあまり長くすると、レベル減少だけでなく、原音にない電力が発生し、もやもやの音を聞かされるというものです。4S6が1m実測値37mΩですので、0.1Ω以内を目標とすれば、3m未満でなければなりません。なおこの現象は、特別なものでなく、ボイスコイルと磁石があるスピーカーでは必ず起きます。もう少し詳しい解説
音響ホールにおいて、4S11を使用した場合、0.1Ω以内とするのであれば、11.5mが限度となります。これを実現する事は、ホールでは不可能ですので、だぶついた低音となっている事が、各所のホールで確認できます。この結果、ホールでは、18インチサブロースピーカーは、パワードスピーカーの使用が望ましい事となりますが、電源コンセントの問題が生じます。家庭内では、2.7m以内の配線長であれば、4S6でも、音響ホールよりも良い低音が出せます。4S8ならばもっと余裕で、少し大きめの部屋でも0.1Ω以内が実現できます。とは言っても、現実離れした、太いスピーカーケーブルは必要ありません。

アンプ内部の配線抵抗
スピーカーまでの直流抵抗の中に、アンプ内部の配線抵抗も含まれます。それでは具体的にどのような抵抗値が有るか、実際に測定できる機会を得た機種についての抵抗値。
LUX 真空管式パワーアンプ MQ60C 4Ω L 582.74mΩ R 592.53mΩ 8Ω L 788.02mΩ R 799.67mΩ 16Ω L 1.085Ω R 1.095Ω 大半がトランスの巻線抵抗です。
負荷となるスピーカーTOA F-150に 真空管アンプMQ60C(50CA10pp)による200Hzトーンバースト波形 と、スピーカー負荷時の周波数特性(比較用に抵抗負荷も表示)。
  真空管式アンプのSP実負荷での周波数特性変化
真空管アンプは、トランス巻線全体から起電力が生じるので、どのような波形になるのか興味がありましたが、2.2Ωに近い波形となりました。結果より、巻線全体に生じる電力の内部抵抗は、0Ωのような特殊な数値をとらず、直流抵抗より、高い値で、インピーダンス値ほどではない値という結果と見なして良いでしょう。スピーカー実負荷時の周波数特性は、抵抗負荷特性がフラットでも、上図のように、スピーカーインピーダンスをトレースした、ドンシャリとなります。この結果より、インピーダンス特性がわかっているスピーカーを使用した場合、ダンピングファクターの高い半導体アンプでも、真空管サウンドを真似る事が可能です。
SANSUI AU-α607NRA Lch A 70.6mΩ B 60.2mΩ Rch A 70.5mΩ B 71.1mΩ カタログ定格値ダンピングファクター150を実現するには、53.3mΩ以下が要求されますが、最良値でのDF値は、129という結果です。
SANSUI AU-α607XRでは、もう少し良い結果が得られ、カタログ値は満足しています。

SONY ミニコンポ LBT-V710 平均 230mΩ それより配線経路の短い SONY ミニコンポ HCD-F3MD 69.7mΩ


NFBのかかった高忠実度アンプの実動作電流と負荷端の波形
 アンプの出力電圧波形と、スピーカーに流れる電流を実測しました。電流検出抵抗は、0.1Ωで、スピーカーコードは、4S6 75cmとし、スピーカーは、TOA F-160G 2WAYです。アンプは、SANYO STK4112UというパワーICで、差動入力による、典型的なNFBアンプです。NFBにより、電圧が理想となるように、電流を制御している状態が読み取れると思います。電圧がゼロでも、電流が流れますが、電圧がゼロですので、電力はゼロです。
 ここで、
アンプの入力電圧と出力電圧が相似という条件が、本当に良い音かどうかは、スピーカーメーカー側の問題として、棚上げし、アンプ側の責任としては、あくまでも、入力と出力が一致するように働く事は、悪いことではありません。電圧ドメインなのか、電流ドメインなのか、はたまた、行きっぱなしの無帰還アンプや、スイッチングアンプの方が音質が良いのかという議論も別の次元であり、ここでは、課題にしません。それでも、電圧出力波形の単純さに比べ、電流波形が複雑で、電圧波形と似ても似つかないというのに、仰天します。仮に、電圧を放置して、電流を入力に比例するように流したらどうなるのでしょうか。はたまた電流と電圧の位相がずれた場合、アンプはどのように働くのか興味が尽きません。

250Hz 500Hz 800Hz 上側がスピーカー端子電圧(アンプ出力電圧) 下側が、アンプ出力電流800Hz


1kHz 2kHz 4kHz  上側がスピーカー端子電圧(アンプ出力電圧) 下側が、アンプ出力電流800Hz

8kHz 16kHz 2015/03/10
 どの周波数においても、ゴーストップの過激なスピーカー駆動電圧を忠実に再現できるように、微妙な補正電流を流している働きが観測できています。当たり前にある半導体アンプですが、これだけの素晴らしい働きをしていれば、不足は無いと思います。この結果により、4WAYマルチアンプシステムの全スピーカーを単独でアンプ直結とした、意図が理解されるものと思います。

タイムアライメントを整合した音はどんな音なのか(頭を前後に動かしても音が変化しない!)
 くっきりした音というのか、リアルな音です。良くできた、フルレンジスピーカーの音とも表現しても良いでしょう。一般に、フルレンジスピーカーは、口径が小さいので、低音域が弱く、中音域では、分割振動で、歪みが増加する帯域があります。高音域も、すっきっりと延びきらず、やはり、専用スピーカーに負けてしまいます。その欠点を補う為、音を複数の帯域に分割し、それぞれの帯域に適したスピーカーを使用するマルチウェイ方式があります。スピーカー数により、2、3、4WAYがありますが、現在は、2WAYが圧倒的に多く販売されています。2WAYで、クロスオーバー周波数の低いプロ音響用では、クロス周波数における波長が40cmぐらいで、タイムアライメントに、さほど気を配らなくても問題ありません。ただ、4kHz以上の周波数でクロスした小型2WAYスピーカーでは、波長が8.5cm以下となり無視できません。タイムアライメント問題をクリアする為、高音のユニットを何らかの方法で、後ろに下げた配置のスピーカーが多いのは、この為です。
 クロスオーバー周波数が低いプロ音響用2WAYスピーカーは、1個のホーンスピーカーが20kHzまでの広い帯域を再生しますので、どうしても高音域が物足りなくなります。プロ音響では、高域は16kHzまでという考えもあるようですが、オーディオ用途では、最低でも20kHzまでと考えます。そこで、専用のツイーターを加えて、高音域の強化を図るのですが、元々奥行きの違うスピーカーですから、当然、位相が合わない音となってしまいます。ウーハーにショートホーンを持つ事で有名なALTEC A7シリーズにも、A7-XSという3WAYモデルがありました。自家用機TOA 380-SEも奥行き違いで、ALTEC同様、位相が合わない製品です。3WAYでは、中高音にドーム型スピーカーを使用した、YAMAHA NS-1000Mが人気を得たのは、ホーン型よりも音の位相が合っていたというのも、一つの理由でしょう。タイムアライメントが合っていないマルチWAYスピーカーでは、スピーカーに向かって頭を前後に動かすと音が変化します。勿論、合っていれば、音の変化は、極めて僅かとなります。元々、ハンバーグ状態の音に慣れた耳では、あまり意識もしないでしょうが、タイムアライメントを整合したホーンスピーカーシステムの音を聞けば、その差が大きい事が理解できます。典型的な3WAY DIATONE DS-700Zのタイムアライメント調整をしている時、目的の波が、反射波に埋もれ、なかなか探せませんでした。これが、一般的な指向性が広いスピーカーの音で、ホーンスピーカーと比較すると、派手でにぎやかな音です。 DIATONE DS-700Zをマルチチャンネル駆動 詳しくはこちら
スピーカーの指向性(広、狭)による音の違いを実証する為のモデル(リビング用システム)
 DS-700Z+2445J+2380A+T90A SONYサブウーハー SA-WX90 
2012/08/31
上が、実験で使用した典型的3WAYスピーカー(DS-700Z 27cmコーン+10cmコーン+2.5cmドーム)と、ホーンスピーカー(ウーハー共用+2445J+2380A、T90A)システムです。共に、タイムアライメントを整合し、音質を比較しました。このシステムのサブウーハーは、5.1サラウンド実験用も兼ねて、SONY製MFB(モーショナルフィードバック)の12インチ アクティブウーハーSA-WX90としています。プリメインアンプのスピーカーが2系統使用できるので、MID、HIGHアンプのA系統では、DS-700Zオリジナルで、B系統では、2445J+2380A+T90Aとし、音量違いは、メインボリュームにマーキングしておき、システム切り換えの都度、手動で調整します。

 音質は、DS-700Zなどの指向性が広いオーディオ用スピーカーでは、部屋の反射も含め、音が多く聞こえるので、マルチアンプ駆動の効果は、少ないという結論となりました。一方、ホーンスピーカーシステムでは、部屋の反射の影響が少ないので、マルチアンプ駆動の効果は大きく、クリアな音になります。しかし、ホーンスピーカーシステムといえども、低音は、普通のコーン型ウーハーを使用していますので、低域の指向性は広く、部屋の影響をまともに受けます。波長が部屋の寸法を超えるあたりでは、厳しい特性を持ちます。ホールのような大空間の低音とは違った音になるのは、致し方ない事でしょう。
 近年、
低能率化により、小口径スピーカーでも、低音特性が改善されていますが、音のサイズ的大きさは、大口径とは異なり、1/2インチマイクユニットで捉えた音圧的な大きさが同じになっても、10cmスピーカーと、38cmスピーカーの音は違っています。○○モニは、音が良いのではなく、一般の音環境を代表するという意味のモニタースピーカーで、ラージュモニターの15インチ同軸2WAYは、録音全体の確認用で使用されます。本当の音楽鑑賞をするには、○○モニではなく、15インチスピーカーを含む、4WAYスピーカーがふさわしいのは、当然でしょう。スピーカー、アンプ、ケーブル、果てはコンセントまで音質論議がありますが、まともなスピーカーシステムを構築してからでないと、論評そのものが、意味をなさないと思います。

スピーカーも楽器のように、温度で音が変わる
 平成27年7月28日盛夏につき室温29℃ 例によってトーンバースト波を見ると、少し崩れていたので、遅延時間を微調整したところ、28mm(0.08mSec)が最適になりました。室温上昇により、音が早く到着してしまうので、このような季節変動を起こします。もちろん、室温が下がれば、音は遅れて来ますので、遅延時間を、短くします。22mmと28mmでは、その差6mmですが、これが無視できない音の差となります。又、遅延ゼロや、位相を反転すると、全く別のスピーカーの音となります。ケーブルを変えなくてもこれだけの差がありますので、いつも最適にチューニングする事も大切な作業となっています。趣味で、フルートを演奏したことがあり、その時も暖まるとピッチがずれるので、管の長さを調節しましたが、スピーカーも同じ事が起きます。

タイムアライメント 高音域での調整
 高音域でのタイムアライメントは、5kHzの1波トーンバーストを使用して、コンデンサマイクでオシロスコープの波形を観測しながら、調整します。タイムアライメントが狂った状態では、2つの波が観測され、遅延時間を増やすと、双方の波が近づき、やがて一つにまとまり、チューニングメーターのような感覚で、振幅が最高になりますが、そこがチューニングポイントです。この時、中音でも、高音でもどちらか一方の位相を反転させると、波が消えます。波と波の間隔は、例えば、5kHzの場合、波長が68mmなので、3mで44周期分です。100周期ぐらいの間隔を置けば、目的の波は、
マイク−スピーカー間で1個だけとなり、正確に捕捉できます。このようにして、整合を行うと、ホーンスピーカーシステムでもキャンセリングが無くなり、音が隠れないで、全ての音が再生できるようになります。1波にまとまった状態は、周波数を変えてもキープされます。もちろん、マイクとスピーカーの距離を変えても崩れません。低い周波数では、部屋の定在波と干渉し、崩れますが、おおむね1.5kHz以上では、正確に一致します。実在感のある音で、鉄琴、トライアングル、アコースティックギター等の音が、立ち上がりから、聞こえなくなるまで、きれいに減衰します。音の強弱表現も優れ、ビブラート等の声色変化も余さず表現し、文字通り、音響という言葉がふさわしく、CD盤に収まっている広大な宇宙を感じます。リアルタイムに遅延時間設定できる、アナログチャンネルデバイダーでは、聴覚で、最良点を探すことができます。
5kHz 1波トーンバーストの観測 無指向性コンデンサマイク使用 左側ツイーターの音は、山の数が多く有ります。整合状態では、一つの大きな波になり、くっきりした音となる事が、一目瞭然です。

 未整合   整合した状態では、一つの大きな波

 大きな波の間にある細かい波は、部屋の反射波で、指向性が広いドームスピーカーでは、反射波がもっと大きくなり、目的の音がその中に埋もれてしまいます。もちろん、反射波は少ない方が、レコード再生に好結果を与えます。
一般的なドーム型2WAYスピーカーは、イメージとしては、タイムアライメントが整合しているエリアが広いように思い込みがちですが、実測してみると、それほど広くなく、コーンスピーカーとのマッチングには、難が有るようです。推論で申し訳ないのですが、ドームツイーターが、波長の短い領域で理想の球面波が再生できたとしても、理想とは言えない、コーン型ウーハーとのマッチングでは、好結果が発揮できないようです。理想的配置といわれる同軸2WAYのKEF Q15.2のテスト結果を参照してください。

やっかいなウーハーとスコーカー間の調整
5kHzトーンバーストによる、ツイーターと、スコーカー間の調整は、易しくできるのですが、1kHz以下のウーハー、スコーカー間は、かなりやっかい調整となります。その理由は、周波数が下がる事で、波長が長くなり、反射波の影響により、本来の波形が観測できなくなる事によります。幸い、トーンバースト波の始めと終わりの不連続点では、高い周波数成分が含まれ、ツイーターから音として出るので、ウーハーから出た1周期分の正弦波がツイーターの音の間に来るように、調整を行います。先に調整が済んだツイーター、スコーカー間と、後で調整したツイーター、ウーハー間の結果により、3個のスピーカーのタイミングが一致したと見なします。詳細は、こちらへ
 ツイータだけを鳴らすと、波の始めと終わりで、小さくチッチと聞こえます 
2013/12/06

測定用マイクロホンは、無指向性コンデンサマイクを使用します。マイクの高さは、リスニングポジションか、調整ユニット間の中心とします。ダイナミックマイクでは、感度が不足します。波形を観測するには、オシロスコープとマイクアンプが必要ですが、マイクアンプとしては、コンデンサマイク用48Vファンタム電源の付いたミキサーを使用します。オシロスコープで、5kHzトーンバースト波を、観測をするには、遅延掃引付を推奨します。普通のオーディオファンの場合、測定が済んでしまえば、無用の長物ですが、唯一無二のスピーカーシステム構築の為であれば、このぐらいの出費と取扱い方法修得を、覚悟した方が良いでしょう。遅延掃引は、アンプ製作にも欠かせない機能で、不幸にして寄生振動を起こした場合でも、雲のように見える振動部分を拡大して、周波数を知る事ができ、その結果、位相補正を容易に行う事ができます。
実際の測定機材:ミキサー YAMAHA 01V96V2 メーター フルーク 89、189 オシロスコープ リーダー8060(60MHz) マイクスタンド K&M 2590

2chステレオの定位
 2chステレオ音源を再生したとき、左右のスピーカーの間に、録音された音が並んで聞こえます。これを定位と言いますが、スピーカーを正しい手法で鳴らせば、かなり精密に配置されます。反面、設計の悪いシステムや、残響の多い部屋では、音の位置がはっきりしません。垂直線上にスピーカーを配置すると、音階が変化しても水平方向への移動が無く、ステレオ再生時の音像が小さく明瞭になります。反面、水平方向に配置された場合は、音階と共に音像の移動が起きますので、定位が曖昧になります。この原理によれば、2WAYのスピーカーを横にして、ステレオ再生を行った場合は、定位に問題が発生する事となります。3WAY以上で、ミッド、ハイが中心軸の左右にあるスピーカーも同じです。
垂直方向に耳は鈍感
当地は、航空自衛隊岐阜基地が近く、上空には、様々な航空機が飛んできます。飛行機の場所を特定する時、いつも苦労をしますが、聴覚の上下方向感覚が鋭ければ、瞬時に位置が特定できる筈です。日頃、上空の音源に対し、航空機は、まず廻りの反響から、探り当てる事が多く、雲雀は、廻りの反響が少ないので、ひたすら、上空を探し、点になった鳥の姿を探します。同じく、航空機も先に視覚的に捉えると、音の方向が確定できやすくなります。

ツイーターの高さは、重要
 音像の高さについては、私の聴感によれば、いくら鈍感とはいっても、ほぼツイーターの高さで、認識します。この結果、音のへそになるのは、ツイーターで、これがスピーカーシステムの特等席にないとうまくシステム構築できないと考えます。
 イコライザによる、音場補正をする場合、アナログイコライザでは、左右の位相誤差により、音像が呆けてしまいます。同じ補正をデジタルイコライザで行うと左右の位相が全く同じなので、音像が小さく明瞭になります。多くのホームリスニング環境を測定した場合、左右同一の周波数特性となることはほとんどありません。その為、左右別々の補正をして、より平坦な特性にしたいのが人情ですが、
別々の補正をすると、位相が異なってきますのでステレオ感としては、かえってマイナスです。ステレオ再生では、左右の周波数特性の平坦さよりも、位相差が無い方が重要です。でもお薦めは、各スピーカー間のレベルマッチングだけで調整し、周波数特性をいじらないことです。
 
マルチWAYスピーカーシステムにおいて、より明快な定位を目指して、左右のレベル差を補正する場合、ピンクノイズを音源とし、ウーハー同士、スコーカー同士、ツイーター同士というように、音域の同じスピーカーで、ピンクノイズを再生しておき、音が真ん中に来るように左右のバランスを調整すれば、パーフェクトな調整となります。
        
定位 高級品代表格のJBLスピーカーでは

 オーディオスピーカーで人気の高いJBL社のモニターシリーズでも初期の頃は、左右にユニットが散りばめられていましたが、最近の設計では、縦一直線に配置される事が多くなりました。高級スピーカーAVANTGARDEも縦一直線です。マルチウェイスピーカーシステムでは、複数のスピーカーで一つの楽器の音を再現しますので、左右に敏感な耳の方向感覚を考えれば、縦一直線に配置されていなければ、音像が膨らんで聞こえます。正しく音が出ているシステムは、ユニットが違っても、音が似ています。それ故に、ピストンモーション領域を正しく使用できれば、普及価格帯のユニットと、高級品との音の違いが少なくなります。
逆説的には、高級品といえども、セオリーを無視した配置では、特徴のある音(良く言えば、個性的な音)となってしまいます。高級品といえば、JBLも非常に人気が高く、普通に購入していれば、財産が持たないので、オークションで安価にJBL製品を購入し、テストを行ってみました。購入したのは、1インチドライバモデルの2425J+2370Aホーンと、2インチの2445J+2380Aホーンで、購入金額は全部で10万円以内で収めています。現在のオーディオは、趣味としては非常に金のかかるジャンルで、2桁ぐらいで勝負できているうちならば奇跡と思えます。

サブウーハーは、2本使用で自然な再生となる
 18インチウーハーを追加するとして、2本でなく、サラウンドのように、1本で済ませないのかと考えることは、コストとスペースを考えた場合、自然な考えだと思います。確かに、メーカーの宣伝などでは、定位感の無い80Hz以下の再生では、1本で済むとあります。定位感が無いのは、その通りなのですが、それは、理想の場合であり、現実は、スピーカー自身に歪みがあり、2次、3次高調波歪みが発生し、80x2=160Hzや、80Hzx3=240Hzが音として出るので、置き場所がはっきりと聞き取れてしまいます。又、壁が、振動して、その音も加わりますので、やはり1本では、まずい事となります。超低音域まで、正確な定位を得る為に、2本を左右に置くのは、2chステレオの場合、最も合理的な方法です。こうすることで、スピーカーで歪んだ音が出ても、録音と同じ定位が得られます。サラウンドでも、サブウーハーチャンネルを使用せず、フロントLRのスピーカーの低音再生能力を強化した方が、自然な定位が得られます。


同軸2WAYスピーカーを、MID割り込みで3WAY化
JBLとTANNOYは、オーディオスピーカーとして、人気の高い双璧で、ジャズならJBL、クラシックでは、TANNOYというのが、定説でしょうが、冗談のようなJBL-TANNOYシステムを試す事になりました。

 TANNOY System12とJBL2425J+2370A の3WAYシステムです。System12は、12インチウーハーながら、最低共振周波数が20Hzとかなり低いので、従来の1本だけのサブウーハーによる、不自然な音圧合成を避ける為に、サブウーハーを無くしました。このシステムでは、2WAY、3WAYを切り換えて使用できますので、TANNOYだけの2WAYとしても運用できます。MIDレンジは、JBL2445J+2380Aでは、縦に長く、同軸スピーカーから音源が離れるので、縦寸法の短い2425J+2370Aを使用しました。DS-700Zで使用した2380Aの基台は、背中合わせとして、間に30mm厚の板を鋏んで、スピーカースタンドに化けました。スピーカースタンドは、脚部に、2mmのゴムを接着し、スピーカー底部との接触面は、百円ショップのフェルトを使用し、共振を少なくしています。
スピーカースタンド脚部の2mmのゴムは、その後、フローリング床に固着して、音響的には、良好でしたが、建築的には、あまり良くない事となり、固着しないように、ゴムの下にフエルトを貼り、床への固着を防ぎました。
 当初は、ネットが無くて、無防備でしたが、自作して取付けました。木枠は、ホームセンターで1カット30円にてカットして、8個の部品を作り、木工ボンドで貼り合わせた後、つや消し黒で塗装しました。ボックスへの取付は、8mmのダボを木枠に、ボンド付けし、先端部分に1mm厚のフエルトを巻いて、共振を止めています。ネットは、ユニットや、TANNOYのロゴが見えるように、定番のジャージーではなく、格安の、園芸コーナー防風ネット1.8m幅 ¥308円/m を使用しました。 TANNOY System12


防風ネット 5mm対2.5mm
 縦には伸びず、横には少し伸びます。
少しテンションをかけないと、シワが目立ちます。百均の黒グルーとマッチしますので、四隅に切り込みを入れても、接着でき、コーナーでのパターンの乱れも少なくできます。網戸を貼る要領で、目玉クリップ(中)で、仮固定して、グルーで接着固定しました。タッカーも用意しておいたのですが、出番はありませんでした。

自家用JBL-TANNOYの問題点
 同軸ホーンスピーカーのスイートスポットが狭く、スピーカーを見下ろして聞いた場合、中音ホーンが勝ってしまう事です。スピーカーのセンター及び、その下でのヒアリングは、バランスの良い音となります。タイムアライメントは、低域から高域にかけて緩やかに変化するので、非常に調整し難くなります。
現在は、T90Aを追加した3WAYとし、System12のウーハーだけを使用しています。TANNOYオリジナルでは、高域がだら下がりでしたが、スッキリと伸びきった高域となり、非同軸化してからの、定位感も問題ありません。
現在の3WAY 2016/11/28

定位ならば、点音源 TANNOY 同軸ホーン2WAY System12  KEF 同軸ドーム3WAY Q70
 2014/12/10      2014/03/27 

いわゆる、オートグラフ時代の名器ではありませんが、幸運にも入手できたモニター用途のSystem12、現行KINGDOMの骨格と同じ、12インチサイズのユニットで、通常のリスニングポジションに限らず、スピーカーの裏側や、横でも定位感は抜群です。損失の大きいポレオレフィンポリマーコーンと、
耐候性に難があるものの、ニトリルラバーエッジで、極端に少ない歪みが特徴です。モニターとは言っても、低音域は、ブースト気味で、85dB以下での再生に適しています。KEF Q70は、同軸ドームで点音源を実現していますが、ウーハーの使い方がユニークで、それぞれ容量の違うキャビネットを持っています。ラインアレイ効果により、ウーハー口径の割に、小憎らしいほど元気な低音が出るので、トールボーイタイプも侮り難しです。
点音源は、部屋のどこにいても、良好なステレオイメージが得られるという宣伝は、残念ながら、それは間違いです。左右スピーカーの真ん中にいれば、ステレオイメージは正常ですが、少しでも偏れば、極端に端っこに寄ってしまいます。

重量級 同軸2WAYスピーカーユニット 何処でもお目にかかった事のない、ホーン形状に注目 剛性感が溢れる材質も! 
ウーハーの口径30cmで、ホーンドライバー部ダイヤフラムのコイル径100mmで、重量21.9kg、奥行き250mmです。ホーンの形状と、材質に特徴があります。LF、HFそれぞれに金メッキの入力端子があり、マルチアンプ駆動ができます。ウーハー部のダイキャストフレームの厚みからしても、相当に凄い物です。ドームタイプの同軸2WAYとは違い、遅延をかけて駆動しないと、真価が発揮できません。銘板は無く、型番不詳ですが、これだけの物を製造できるメーカーは、関係者なら推測がつくと思います。立派な物なので、忘れ去られないように、写真掲載しました。
   
2016/09/29


スピーカーの指向性
 
オーディオマニアの古い概念では、指向性が広い音が良いと信じられていましたが、音響工学では、明瞭な音は、スピーカーのQを上げることと、部屋の残響を減らす事となっています。Qを上げるというのは、四方八方、音を撒き散らすのではなく、細く絞って出すということで、ホーン型こそがその原理にかないます。最近のスピーカーは、ドームユニット前面にホーンを付けて、指向性を絞っています。タイムアライメントを整合しつつ、ホーンによるQ上昇で明瞭度を向上させた、合理的な取付けをしています。現代のSRスピーカーは、指向制御を謳い文句にして、指向角度内での均一な音圧分布を図っています。フローリング床で残響が増えた現代のホームオーディオでも、リスニングエリアだけに音を出す方が明瞭な音となります。


FM変調波による周波数特性の調整
 タイムアライメント調整を済まし、各ユニットの干渉が少なくなってから、周波数特性を測定して、マルチアンプシステムで重要なチャンネルバランスを取ります。一般的にはピンクノイズを使用しますが、 専用測定器が必要で、1オクターブや1/3オクターブと帯域を狭くすると、1〜2dBぐらい測定値が変化し、精度の高い測定ができません。低音域は、積分時間の影響を受け、誤差がもっと増えます。ピンクノイズ仕様測定器は、PAA3 \45,800が最も安いのですが、NTIの新型 XL2では \166,000とかなり高価です。
 何とか安価に済ませたいと考え、FM変調をかけた正弦波(ワーブルトーン)を使用して調整を行い、想定した結果が出るようになりましたので、以下に紹介します。ワーブルトーンは、周波数が変化しても、電圧は変化せず、弦楽などの音と良く似ています。又、電圧一定が奏功して、ピンクノイズでの測定より、高い精度の調整が可能になります。安い測定器でも高精度が可能で、正にアマチュア向けといえます。ワーブルトーンでの調整後、必ずピンクノイズを各帯域毎に鳴らして、定位の確認を行うと、より完璧ですが、ワーブルトーン調整から調整値がずれる事があります。この場合は、測定結果に神経質にならず、ピンクノイズによる定位調整を優先すれば、大丈夫です。

 電圧が変化しないワーブルトーン

調整で使用した、1オクターブ幅FM正弦波は、efuさんのWaveGeneで簡単に作れます。
1オクターブ幅FM正弦波の作り方はこちらを参照
1/3オクターブ幅と1オクターブ幅のFM変調波(ワーブルトーン)を使用すれば、簡単なマイクアンプと交流電圧計で、完全な調整が可能です。( DCX2496実践的使用法を参照して下さい。)
可聴帯域を10バンドとし、低域端と高域端を欲張らないで調整します。イコライザを活用すれば、簡単にフラットな特性にできますが、音は、それほど良くなりませんので、スピーカーのレベル調整だけで完遂できる事が理想です。著しくピークの影響があり、他の音がマスキングされる場合は、ピークになっている周波数帯をマイナス側に調整すると良い結果が得られる場合もあります。ブースト側への調整は、デジタルシステムでは、デジMAXを越えられないという制約に反する状況になり、避ける方が賢明です。


LFE成分は0dBが望ましい(周波数特性を、厳密に管理できるようにした結果、判明したTV放送の問題点)
 上の方法で、周波数特性を±1dB以内ぐらいに調整した場合、TV放送の歌番組などで、不自然な低音の出方が判別できるようになり、ここ数年、トレンドを追ってみました。最初、大河ドラマで、低音がやけに大きいことに気付き、RTA(リアルタイムアナライザ)で、測定を行いました。RTAの結果、100Hz以下が、大きな音量となっているのを確認しました。この結果に思い当たるのが、5.1方式の場合、LFEを+10dBとする定義の存在でした。FM放送のような、2chステレオ放送では、そのような事が無く、フラットなのですが、TV放送では、大きすぎる低音が耳障りと感じるようになりました。
 平成25年〜現在、TV放送では、本番とCM双方で、+10dBであったり、、0dBだったりと乱れています。60dB〜80dBぐらいの音量では、フレッチャーマンソン特性のおかげで、+10dBの違いは、さほど感じませんが、90dB前後の音量では、10dBの違いは相当に大きく、過剰と感じますので、10dBアップするのは、視聴者の選択に任せる方が良いのではないかと思います。25年末の、レコード大賞や、紅白は、自然な低音バランスで、大いに楽しめました。28年現在も、BS○○では、+10dBした歌番組が有り、非常に聞き苦しいです。もうそろそろ、定義よりも、自分の耳を信じたらと思います。
 夏の甲子園は、サラウンド放送で観戦しましたが、音楽よりも、こうした催しにこそ、サラウンドの効果が発揮されます。パンニングは、おそらくネット裏の特等席であり、一塁側が右、3塁側は左、TVカメラの応援席のクローズアップは、センターというようにきめ細かく配置されており、朝日放送の甲子園中継に対する熱い意気込みがとても良く感じられます。リアルタイムアナライザRTAでは、フラットで広帯域な音であることも良く判ります。AVアンプは、TVとデジタルケーブルで接続し、AACを有効にすれば、AAC+ドルビーEXにて、サラウンド再生が始まります。
最近気にしているのは、コンプレッサーを強度にかけた歌番組の存在です。歌手の声色が、コンプレッサーがかかった途端に消え失せます。「千の・・・・」では、本当に気の毒だと、これなら口パクの方が視聴者に喜ばれます。
現在そのような番組が減少しており、好ましく思っています。

その代わり
シャカシャカ虫増殖中
 ニュース番組の音が、シャカシャカと続くのを、我慢していましたが、最近、CMでも目立って増えてきました。CMは、制作会社毎の違いが有り、音に関しても色とりどりです。最初、NHKのFMローカル番組で気が付いたのが、最近は、CM制作まで広がりを見せており、またもや残念が増えてしまいました。歌謡番組のコンプ掛け過ぎの音とは違います。
 もう一つ残念な事は、音声のハイパスフィルターの設定値の問題で、2015年の大河ドラマだけの問題と思いきや、他の番組でもそのような事になっています。アマチュア無線ではないので、HPFを強く掛ける必要は無く、せめて、コンデンサマイクのVポジション程度で、済ませる事が肝要で、ミキサーや、プロセッサーで、その人らしさの部分を削り取る事を止めていただきたいと思います。これらの音をモニターできる環境が無いのか、スタッフの低年齢化が原因なのかわかりませんが、
昭和の音に21世紀の音が負けています
H28年大河は、音質的には、大復活で楽しめています。コンサートホールで、映画を見ているのと全く相違なく、制作の皆様方に感謝です。
更に、H29年は、背景の音楽が大躍進で、非常に価値が高い内容です。変なハイレゾより、鳴りっぷりの良さは凄く、映画館で見るのではなく、我が家にNHKホールが引っ越してきた様な感覚です。

自家用機の周波数特性 上が1オクターブ幅ワーブルトーンです。下の周波数特性で、70Hzにあるディップは、定在波による影響で、部屋の寸法で決まります。



マルチアンプシステムをイージーオペレーションする自作6chマスターボリューム


デジタルチャンネルデバイダーを最高性能で使うには
アナログチャンネルデバイダーでは、コントロールアンプ(プリアンプ)のボリュームで音量調整をします。しかし、デジタルチャンネルデバイダーは、このような使用方法では、小音量ではギザギザの波形になります。これを避けるには、常にMAXとなるような入力が必要です。
CDなどのデジタル音源は、デジMAXまで出ていますので問題有りませんが、FMチューナーや、PHONO、サラウンドフロント信号などのアナログ音源では、0dB前後の音量ですので、更に20dB以上増幅しなければなりません。デジタルパッチベイSRC2496により、アナログとデジタル信号のレベルマッチングや、デジタルフォーマット変換が行えます。
マスターボリューム
これにより、常に最大音量で動作している、デジタルチャンネルデバイダー出力をどこかで所定の音量に下げないと、通常のリスニングができません。個々にアンプボリュームを調整しても、音量は変えられます。しかし、マルチアンプシステムでは、音量バランスも厳密な調整事項なので、一つでも音量が狂えば、命取りになります。その為に、6chバッファアンプ付マスターボリュームをチャンネルデバイダと6台のパワーアンプの間に使用しました。6連ボリュームを使用して、3WAY分を一気に音量調整できるというのがポイントです。
アルプス製モータードライブ6連ボリューム 現在、電即納では、取り扱っていませんので、入手不可です。電子ボリュームを使用してから、部品庫行きとなりました。2個在庫中です。

6連ボリュームにバッファアンプを取り付けたのは、減衰量を大きくする目的で、ボリューム抵抗値100kΩを選択しましたので、
出力シールド線のキャパシタンスの影響を避けるのと、後続アンプ内部でのクロストーク特性悪化防止の為です。バッファアンプは、Q2031Aオリジナル RC2043SE による2次フィルターと、MUSEコンデンサで構成しました。

シールド線のキャパシタンス
は、高域で6dB/octのフィルターを形成し、振幅の減衰と、位相ズレを起こします。100kΩのボリュームを絞り込んで使用した場合、プロ定番のマイクコード L-4E6S 2mでは、370pFのキャパシタンスとなり、4.3kHz(-3dB)というフィルターを形成します。この結果、高域のレベル低下、位相ズレを招き、良く言えば、刺激の少ない音、悪く言えば呆けた音となります。17.2kHzで、-15dBですので、高齢者では、気が付かない可能性も有りますが、これでは、正しいシステムとは言えません。特に、左右で長さが均等でない場合、当然高域に行くに従い、位相ズレを起こします。インピーダンスの高い回路では注意します。市販のRCAピンコードでは、左右等長なので、問題なく使用できます。
市販3mRCAピンコード 直列抵抗による高域特性劣化(入力インピーダンス47kΩ時)

当然ですが、デジタル伝送では、1と0の文字情報を、、ケーブルによる高域劣化した信号を、レシーバー側でパルス整形して使用しますので、長距離の音声伝送でも情報の変化も無く安心です。なお、デジタルパワーアンプ出力は、文字情報ではなく、振幅情報ですので、高域劣化を否定できません。CDのデジタルの意味と、パワーアンプのデジタルの意味は全く異なります。動作原理上、スイッチング式パワーアンプか、パルスドライブ式パワーアンプと呼称すべきでしょう。最近のMJ誌の広告ページでも、PWMスイッチングアンプ搭載とか、スイッチング方式パワーアンプという名称を用いるメーカーもあり、良いと思うなら、姑息な紛らわしい名称を使用しなくても、堂々と原理を明快に謳うべきでしょう。

CDのようなデジタルソースは、0dB以上は出せません
ので、それが上限です。マスターボリュームMAX位置で、パワーアンプのボリュームを絞り込んで、アンプの最大出力になるように調整します。こうすれば、CDの最大音でも、アンプ出力はクリップしないので、スピーカー破損の原因を減らす事ができます。この調整をシステム中で一番能率の低いスピーカーに行えば、他のスピーカーは、その能率差だけ低い入力電力が保証されますので、過大入力になりません。マスターボリュームで絞り込んだ量は、そのままシステムの余裕を表します。-31dBが常用レベルとすれば、あと31dB音量が上がるというように読みます。なお、常用レベルは、後述のデジタル制御式電子ボリュームでは、さらに解像度が上がりましたので、もっと低い-46dBでも、十分に聞こえるようになりました。ところで、DCX2496をデジMAX出力をした場合、1kHzでは何も問題なく出力できていますが、100Hzでは、上側がクリップ(DAC以降2段目のOPアンプにて)しており、LOWchの設定を-0.2dBとしたら治まりました。デジタル機では、このような確認をしておかないと、理論と一致しない部分に気付きません。DCXユーザーは、LOWchの場合、0dBではなく、必ず-0.2dBより下げて使用する事が鉄則です。デジMAXまできっちり録音しているCDもPOPS系を中心に多く有り、カーステレオなどで再生すると歪んで聞こえます。こうなると手に負えないので、-0.3dB程度レベルダウンしてCD-Rとして作り直す事も検討に値します。
デジタル機とアナログ機のSN関係図

上図は、アナログとデジタルチャンネルデバイダーの残留雑音と最大出力の関係ですが、ボリュームを最小音から上げて、右回りで、所定の音量とするのなら、アナログ機の方が 84dB-60dB=24dB もSNが良くなります。デジタル機をこのような使い方をすれば、当然24dBもSNが悪化した状態となり、DCXユーザーによる悪い評価は、こうした使用法であると思われます。ところが、デジタル機でも出力側で、ボリュームを最大側から下げて(左回り)所定の音量とするのなら、82dBという高いSN比を保った使用できます。アナログ機の場合、入力でボリュームを絞りますので、後続機器自体の雑音はそのまま残り、絞った分だけSNが悪化します。特に古い民生用パワーアンプでは、利得が高いので、ボリューム以降にチャンネルデバイダーや、イコライザを経由する場合、雑音に注意しなければなりません。
デジタル機を上手く使用する為に、DA変換後に、ボリュームが必要であることがこうした理由から理解できると思います。

平成28年1月現在、自作POST-LPF回路を組込んで、CDプレーヤー並みに出力2Vrmsと小さくした結果、残留雑音は、22dB改善され、-82dBm(None Weight)であり、90dBのSN比を確保しています。A-フィルター値では、SN比110dBで使用できるようになっています。


 自作できない方には、ドイツSPL社(サウンドパフォーマンスラボ) Model2618 Volume8 がありますが、使用するにあたって入力、出力がXLRではなく、Dsub25Pと特殊になっていますので、変換ケーブルを製作しなければなりません。必要なケーブルは、入力用として、Dsub25P - XLR-3(F)x8、出力用として、Dsub25P - RCA pin x8ですが、入力は平衡、出力は不平衡接続となります。レコーディングスタジオ等でのモニタースピーカーをコントロールする事を意識して作られており、
ミュートSWがあるのは特徴的で、自作のボリュームにも取り入れ、便利になりました。
オーディオの本場フランスには、セレクトロニック社より、1Uサイズで、赤外線リモコン方式のアルプス製モータードライブ式6連ボリュームを使用したキット(250ユーロ)と調整済みの完成品(417.22ユーロ)が販売されています。まさしく洋の東西を問わず、同じ考えに至る人はいるものです。

さらに高性能を目指して電子ボリュームICによる、デジタル制御6chマスターボリューム
を製作 製作記事はこちら
使用した、電子ボリュームIC テキサス PGA2311PA 実装時の周波数特性は、DC〜1MHzまでフラットです。デジタルマルチメーターの測定範囲を越えてフラットである事はオシロスコープで確認できます。100kHz矩形波も怪しい波形崩れは無く、減衰特性、クロストーク特性とも非の打ち所が有りません。さらに、出力は、OPアンプ出力と同等ですので、発振防止で入れる出力抵抗47Ωのみとなり、パワーアンプまでのシールド線による高域劣化が非常に少なく、後続パワーアンプ本体内部でのクロストーク軽減効果もあります。デジタル機器の0dB定格出力は、約10Vあり、±5V電源のPGA2311PAでは、入力に-12dB程度のATTが必要不可欠となります。ATTではなく、DACの出力値を下げてしまうのも合理的な手法なので、最終的に、この手法で、PGA2311PAに直接に信号を入れて使用しています。下のレベル関係図で説明のとおり、POST-LPFを自作とし、PGA2311PAが最適動作するように、+8.1dBu/0dBFSという利得で動作させています。
 最新回路図はこちら
 

現在のレベル関係図 平成29年8月


 平成25年11月に気づきましたが、秋月電子通商より、JRCの電子ボリュームIC MUSES727320を基板に収めたキットが発売されました。SOPパッケージで、自作の難易度が高く、あきらめていたのですが、ICが半田付けされているので、これを使っての製作が可能になりました。可変ステップが2dB単位と粗いのと、減衰量が表示されないこと、基板を連動して使用する方法に触れていないなど、不満はありますが、入力電圧が、10.9Vrmsと高く取れ、PGA2311PAで必要とした、入力ATTを省略できます。これは、SN向上に直結します。それでも、上限10.9Vrmsでは、業務用デジタル機の12.3Vrmsに対応できず、-1dBの入力ATTが必要ではあります。もしも、12.3Vrmsを直接バランス受けするのであれば、電源電圧が、±22Vと高く取れる、LME49860を使用する方法も良いでしょう。この場合の短所は、電源が±22V、±15V、+5Vと複雑化する事です。
ホームオーディオの場合、ラインレベルを10V超にする必要は全くありません。プロ音響機器のように、平衡ラインで使用する為の余計なアンプを付加するよりも、DACの電圧値をそのままパワーアンプに伝送して、不平衡でありながら、ホール音響設備よりも、品質が高い再生音とする事が可能です。

クロストークが多かったアナログボリューム(矩形波入れてVR絞れば、誰でも観測できます)
 電子ボリューム製作時に、アナログボリュームとクロストーク比較を行い、アナログボリューム内部で、かなりの量のクロストークが発生することに気付きました。電子ボリュームでは、クロストークが圧倒的に少なく、-40dB以下の音量でも、クリアな定位が得られます。その結果、強い音はより強く、弱い音はより弱く聞こえ、レコード中の残響がより豊かに聞こえるようになりました。スピーカーの音質が、録音ソースの音質に、より依存するようになり、楽器が本来持つ美しい音、特に帯域が広くて、立ち上がりが急な楽器の音が美しくリアルに聞こえるようになりました。又、演奏の副産物である演奏家の息づかい、ペダルやバルブの操作音、バイオリンの弓の弾み加減なども、CDの16ビット2chステレオで十分味わえるようになりました。アンプのクロストークにあれだけこだわっておきながら、ボリューム内部のクロストークにまで踏み込めなかったのですが、問題が複数ある時は、ステップバイステップでしか解決ができないという事でしょう。クロストークの低減以外にも、電子ボリュームでは、ゲインエラーが±0.05dBと極めて優秀で、多連ボリュームのような、実用音量域での制御の曖昧さは、ありません。高域成分が多い矩形波も、きれいに伝送します。最近、電子ボリューム搭載の高級プリアンプ(コントロールアンプ)なども登場してきましたので、メーカーの技術陣も、良い方向性を持ってきたと感じています。

電子ボリューム歪率周波数特性

2015/05/20
デジタル制御6chマスターボリューム 歪率−周波数特性で、-20dBと絞り込んでも87dBを確保しており、これで、出力インピーダンス47Ωなので、後続のパワーアンプの入力回路で発生するクロストークには有利です。
後続のパワーアンプ回路にて、直列に大きな抵抗が入っている場合、電子VR出力波形にノッチ歪みが発生する可能性があります。応用回路を試作していた時、見慣れぬ波形があり、追求してみたところ、下記のような回路構成の場合、ノッチ歪みが現れました。

2015/05/22
写真の信号周波数は10kHzですが、ほぼ全部の帯域で確認できます。絞り量は、50dBです。負荷として抵抗と可変抵抗器を組み合わせた回路ですが、入力が可変できる機器では、このような回路が入っています。直列抵抗が47Ω(図の4.7kΩの百分の一)だけの場合は発生しませんでした。

ミューティングリレー(パワーアンプ)の実態 オーディオ信号は微少電流であり、リレーはこれが苦手です。
 
アンプには、ON-OFF時にスピーカーを保護するようにミューティングリレーが使用されています。ジャンク品で購入したYAMAHA MX-55の場合、このリレーが接触不良を起こし、時々音が途切れたり、高音が妙に汚い音がでるので、調査したところ、信号が1dBほどこのリレー接点を通過する際に失われていました。リレーの型番は、OMRON G5R-2232P で現在は入手不可です。もう1台の手持ちアンプ SONY TA-F333ESJにも同じリレーが使用されており、接触抵抗を測定したら、スピーカーA側は、いつも負荷があるので、10mΩでしたが、使用していないB側は、50mΩと高い測定結果となりました。そこでB側に8Ωのダミー抵抗を接続し、大電流が流れるようフルパワーでリレー接点を断続したところ、接点がリフレッシュされ、15mΩまで下がりました。下は、左側が、現在入手可能なG2Rタイプの直流接点抵抗で7mΩぐらいです。MX-55で故障状態だったリレーは、短時間に接触抵抗が変化して安定しません。右側は、オーディオ帯域のリレー接点インピーダンスで上2本は、古品G5R-2232Pで、下2本が新品G2R-2-Sで、それぞれ、インピーダンスが低い方が電流を多く流した測定値です。新品リレーでは、高域でインダクタンス分によるインピーダンス上昇が見られます。交換用として推奨できるリレーは、金張り接点のG2R-2-AUL(アスカ情報システムにて購入)で4mΩ台の接触抵抗値です。接点構成に配慮してG5R-2232Pと同じ2a接点のG2R-2A-ASIを先に使用したのですが、1週間ほどで接触抵抗変化に悩まされるようになり、金張り接点のAULタイプに再度交換しました。G2R-2-AULを使用する場合は、NC側のピンをニッパで切り取れば基板にそのまま挿入できます。
 リレー接点は、微少電流が苦手です。最大定格電流4Aよりも、10Aの物が良い物と思いがちですが、それは間違いです。実際に動作している電流は、このスピーカーシステムの場合、0.1Wで94dBぐらいの音量ですので、負荷が8Ωとした場合、112mA以上流れる事はなく、実音量がそれよりも20dB低いとしたら、11.2mAという低電流となり、
大音量で使用しなければ、低電流に起因する故障が起きやすくなります。リレーメーカーOMRONのホームページで調べたG2Rタイプ銀接点データでは、故障率 P水準(参考値)にて、定格10Aの物で、DC5V100mA、定格5Aの物で、DC5V10mAと10倍の開きがあります。オーディオ用途では、安定した電流値で使用できることがなく、微少電流から大電流まで幅広く対応しなければならないので、リレー選択は難しい事となります。下の測定グラフのG2R-2-Sにおいても、新品測定時は問題無かったのですが、YAMAHA MX-55に実装して間もなく、接触不良に悩まされるようになってしまいました。やはり銀接点では、開閉時に火花が出るような電流で使用しないと接触抵抗が安定しないようです。古いアンプで電源投入直後にうまく音が出ないで、その後ボリュームを上げると正常に動作する物は、このように、ミューティングリレーを交換すると良いでしょう。古いリレーでは、リフレッシュして、一時的に接触抵抗が低下しても、すぐに、抵抗値が上昇してきますので、新品のリレーに交換する必要があります。

リレー接点インピーダンス特性 右側は、上2本が不良品リレーの接点インピーダンス 下2本は良品の特性です。

新品リレーと古いリレーの接点抵抗値グラフ  同じく新品と古いリレーのインピーダンス周波数特性


現在使用中のパワーアンプ出力リレー G2R-2−AUL

G2R-2-AUL(税込み\860 アスカ情報システムにて購入)ルーペでは、金張りであることが良くわかります。金の純度は不明ですが、32個ほど交換して、トラブル無しで、2009年以来現在も動作は安定しており、満足できます。参考までにMAID IN JAPANです。
このリレーについても、長期間使用しない場合、やはり接触不良がおきました。車と同じように、適度に使用しないと、接触不良が発生するようで、歪率測定時に、測定値が落ち着かなかったり、振動で変化します。
リレー接触不良によるトラブルは、歪率計レベルではっきりしますが、普通に音楽を聴いている時は、全然気になりません。歪率0.02%と0.0007%の違いを気にせずに聴ける事は、共に、合格範囲を意味すると考えても良いと思いますが、どんな名器でも、このような劣化が避けられないでしょう。
 2010/12/13

オークションで購入した古いアンプで装着されていたリレー実測接点インピーダンス特性はこちら

インダクタンス変動による雑音(インダクタンスキャンセルはスピーカーケーブルでは、絶対に必要です)
  電線に10kHzの電流を流し、動かした時に発生する雑音のグラフ (2008/11/15)
 写真の、2SQという太めの電線に、10kHzの電流を流しておいて、ゆっくりと折り曲げるように動かした時、電線に発生する雑音です。抵抗値は、50mΩで、超低抵抗ですが、高周波電流を流しておいて電線をゆっくり動かすと、こんな雑音が出てきます。高周波電流が流れていない時は、何も起きません。これ以外にもアルミラップのシールド線も機械振動に弱く、こちらはチリチリ、パキパキという雑音が発生します。この為、マイクコードなどの動きのある用途では、アルミラップのシールド線は推奨されていません。図ではインピーダンス値の変化で示していますが、電圧も同じように変動します。周波数が高いほど大きな値となり、電流が流れている時だけ発生します。これは、インダクタンス変動が効いてこのような雑音となるようで、インダクタンスが少ないケーブルを使用しないと、知らぬ間に雑音を聞かされる場合も想像できます。
 これを避けるには、安物でも良いから2本ペアになったスピーカーケーブルを使用してインダクタンスキャンセルをさせることです。ビニル平行線でも良いのですが、カナレの4S6などのツイスト線であれば、もっと積極的なインダクタンスキャンセルが期待できます。信号の、行き帰りの対称性を保っていれば、インダクタンスキャンセルが起きるので問題は無く、
どんな太い電線(5.5SQ IV など)であろうが、単線で使用するとインダクタンスの影響を受けます
このことから、普通は無いのですが、例えばカーオーディオなどで、ボディアースをコモン線として使用するのはとんでもない事となります。
スピーカーを鳴らすには、1個のスピーカーに1対のケーブルを割り当てる事が重要です。よって3WAYなら3対必要です。

ケーブルで迷ったら、おすすめはプロオーディオの定番 カナレ4S6です。ケーブルに印刷してある、MADE IN JAPANが、最近頼もしく思えてくるようになりました。100m巻を6,000円で購入しました。部屋が大きく3m以上のケーブル長であれば、1サイズ太い4S8もあります。音響ホールでは、さらに太い、4S11を使用する場合もあります。他社のスピーカーケーブルとの大きな違いは、4芯構造なので、放射ノイズを出しにくいという点です。これにより、並行する入力系の信号線に悪影響を及ぼさなくし、結果的に、システム全体の音質が良くなります。カナレ電気カタログcanare_201206.pdf中に、スピーカーケーブルの使用方法があり、理想的な配線が行えない設備用途において、ダンピングファクター20〜50を推奨し、同社のケーブルの該当する長さが記載されていますので、プロ音響業務に携わる方は是非ご覧ください。4S6 3.7Ω/100m DF50=3m、4S8 1.5Ω/100m DF50=7.3m、4S11 0.87Ω/100m DF50=10mというのが主な数値です(パワーアンプ 0.05Ω DF=160 at 8Ωの場合)。
静電容量も、カタログに記載されていますので、参考までに、4S6 125pF/m 4S8 145pF/mで、一般的な、スピーカーケーブルの 55pF/mよりも多めですが、手持ちのアンプ数種で、10kHz矩形波による、スピーカーと3300pFコンデンサ並列にしての負荷安定度試験では、何の問題も有りませんでした。参考資料 canare_201206pdf。

4S6の実物(約20m)と、インダクタンスキャンセルのグラフ 高域でインピーダンスが上昇している方が、片線だけの場合です。上昇していない方が、ペアで正しく使用した場合です。写真のように巻き込んだ状態で測定

  4エス6を単線で使用した場合と対で使用した場合のインピーダンス変化の違い
(2009/07/23)
 4本線の一般的な使い方は赤と薄赤をよじって1本の線とみなして+側とし、もう一方は白とクリアをよじって−側とします。ノイトリックのスピコンで使用する場合、4S8以上がメーカーにより推奨されていますが、4S6でも4S8でも、ドライバーで確実にネジを締め付けないと推奨の意味が無いので、業界関係者はご注意下さい。上のケーブルの直流抵抗は、片道0.307Ωで、巻いてあるのでインダクタンスが増加して15.2〜15.6μH/mですが、赤白を行き帰りで使用すれば、インダクタンス分は可聴帯域内では、ほぼキャンセルされてゼロになります。片方の線だけ使用すると、10kHzでは、7.5Ωのインピーダンス値ですが、往復(ペア)で使用すると、0.67Ωとなり、キャンセル効果が重要であることがわかります。インダクタンスが多い状態(片線だけ使用とか)で接続した場合、4S6を使用しても高音の入力電力が、半分に落ちます。

現在使用中のSPケーブルの実特性(往復) LF MF HF用(3.1mで統一) 4S6 112mΩ  右側は、SLF用 アンプからの距離が長いので 4S8を使用して 80mΩ
(2012/04/20)
B&W社のオーナーズマニュアル(CM1-5_Manual.pdf)でも、超高域での減衰を避ける為にローインダクタンスのケーブルを使用してくださいとあり、メーカーとして、適切な見識を持っている事が判ります。その他にも、スピーカーに関連する記述があり、参考になりますので、一度読んでみると良いでしょう。

4芯スピーカーケーブルの音が悪いか?
スピーカーケーブルの音質をかなり高度な、技術的解説で論じている有名なサイトがあり、音楽信号が正負非対称なので、4芯構造のスピーカーケーブルの2本で音を鳴らし、余りの2本に直流電流を流すと音が激変するとあり、再現実験をしてみました。
 2015/01/02
 その説明では、DCの電圧はDC1V〜180Vで、電流が0.5mAから音が変化を始め、100mAでは激変するという記述なのですが、その条件を満たすように、上の実験装置を作りテストを行いました。DC電源は、アルカリ電池2本でおよそ3Vの電圧です。電池ケースは、タミヤ模型製で、電源の極性が変えられます。写真の+とマジック書きした方にレバーを倒すと、オレンジの配線に+の電圧が出ます。電流制限抵抗と、直流電流計をセットし、スピーカーの音を出しながら、直流を流してみました。10Ωの抵抗をを使用したとき、回路電流は、210mA流れました。試聴曲は、「夜霧のしのび逢い」ギターでは、超有名な曲です。普段からギターを演奏していますので、音の違いがわかりやすいという理由で選曲しました。結果は、正負共に変化なしでした。当然ですが、0.5mAから変化が始まるという記述に基づき用意した4.7kΩでのテストは、必要有りませんでした。次いで、1kHz矩形波、トーンバースト波をアンプから出して、オシロスコープで、スピーカーの端子の電圧を観測して見ましたが、直流電流印加による、波形変化は有りませんでした。ケーブルは、4S6 2.05m 電流計は、フルーク189、スピーカーは、TOA F-160で、一般的な2WAYです。
 スピーカーケーブル音質論は、諸説有りで、加えて、特許を交え複雑な様相を見せていますが、日常的に、電線に触れて、音響業務を行っていますが、大半が、オームの法則による、変化のみが検知されます。すなわち、アンプがフラットで送り出したとしても、スピーカー端子では、周波数特性が変化し、ケーブルが長いほど、特性変化量が大きくなり、インダクタンスキャンセルを怠ると、スピーカー音がハイ下がりになる事は、事実としてあり、
ケーブル長を左右でアンバランスにしてしまうと、ステレオ再生に有害な位相差が生まれます。音響機器自体も左右のアンバランスがあり、程度問題なので、1mmでも違えば駄目とかという事ではありません。許容範囲は、かなり広いと思いますが、電線の銅純度を気にされるような方ならば、10%以内の誤差にはと思います。


ショートディレイが設定できるDCX2496やDF-55
 タイムアライメント調整の為に全チャンネルにショートディレイがかけられるのは、BEHRINGER社製品では、DCX2496と、LOWチャンネルだけにかけられるCX3400という2機種があります。実験写真の随所にそれが見えますが、失敗するかもしれないのが実験なので、金のかけられない生活を察していただければ幸いです。裏を返せば、DCX2496で鑑賞に耐えられれば、高級品を勧めても良心が痛まないという事です。ピュアオーディオの代表格アキュフェーズ社DF-55は、5mm単位設定で粗いのですが、微細調整は、機械的な位置調整をツイーターで行えば、少々高いクロスオーバー周波数でも、完全に調整が可能です。日本製品の高い品質は、音にうるさいマニアの要求でも満足させるでしょう。
 DCX2496による遅延時間は、5μsec単位(1.7mm)なので、充分な精度があり、ミッドとハイのクロスオーバー(例8kHz)でも、1波長以内を精密にチューニングできます。8kHzは1波長が125μsec(42.5mm)ですので、5μsecは、位相角度では、14.4度に相当し、1波長を25コマで調整することになります。96kHzでの処理ですので、可聴帯域への影響が少なくピュアオーディオ用途でも問題ありません。
注:デジMAX0dB時に、100Hz以下の周波数で、正弦波の上側がクリップ(IC1BF)するので、LOWchのレベル設定を-0.2dB以下に設定します。   DCX2496実践的使用法

DCX2496は、不良品が多い?という噂
 このような話題は、
本サイトの品位を下げてしまいますが、失望が大きく、敢えて実例として掲載し、今後の品質向上を期待します。基本設計に無理はなく、コストパフォーマンスの非常に高い製品で、普通に製造すれば、何も問題ない筈なのですが、製造、流通、アフターサービスの何処かで以下のようなエラーがありました。基板裏の指紋及び修理痕と、ネジ山がすり減り、ディスプレイのシールは、はがされており、画面に縞模様があります。これが、新品として納品されました。
  2013/02/02 撮影

  2013/03/28 撮影
DAC基板の温度上昇が大きく、3端子レギュレーター周辺の電解コンデンサー劣化や、フロントパネル側の、フラットケーブルコネクタ部の接触不良も有り、ある程度の寿命は有るようです。色々と対策をしていますが、いずれも、効果が長続きしていません。ごく最近では、フラットケーブルの半田を一度吸い取ってから、再度半田付けを行って、凌いでいます。

EV(エレクトロボイス)DC-Oneや他のスピーカープロセッサー
 スピーカーメーカーのEV(エレクトロボイス)より、DC-Oneというデジタル入力に対応したチャンネルデバイダが発売されましたので、そのスペックを読んでみました。違いは設備用ということで、サンプリング周波数が48kHzハイレゾ信者には難)で、ショートディレイは、10μsec単位での設定です。ベリンガーでは安物でイヤという方はこちらを検討されてもよろしいと思います。EV製品は、他にDX46があります。その他設備用で、YAMAHA デジタルミキシングエンジンDME24N/64Nでは、同じく10μsec単位で設定が可能です。デジタルミキシングエンジンは、入出力を自在に設定することで、巨大なシステムを構築できますので、これ1台で、音響ホールで必要なプロセッシングが可能です。ただ、設備施工担当者が、ショートディレイをどのように認識し、又、現場に反映できるかは別問題です。施工業者、メーカー技術者が正しい認識を持ち、的確に調整された場合、設備音響でも高水準な結果が期待できるでしょう。

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 2015年登場の普及価格帯の機種で、96kHzで使用可能です。多機能で、プロ音響だけでなく、ホームオーディオにも使用できそうですが、英文マニュアルなので、ハードルは高そうです。日本語マニュアルも、日本代理店により、入手可能になりました。残念なことに、ドライバーアライメントディレイに関する部分が欠落しています。H県のIさんが、代理店に問い合わせして、判ったスペックは、1msまで、0.02〜0.03msで、距離にすると、約7mm単位とのことでした。7mm以内のチューニングは、スピーカー自身を前後に動かす事となります。
RTA(リアルタイムアナライザー)装備で、RTA用マイクを取付けて Auto EQ(オートイコライザー)によるセットアップが可能です。サブハーモニックシンセサイザー、ハウリングサプレッサーも装備で、PA用途では万全です。
SN、歪率特性も良好です。+4dB出力にも対応しているので、アナログパワーアンプも、過大にならず、安心してフルパワー駆動できます。プログラムアップデートで、アライメントディレイ機能を充実すれば、現在で最強の製品となる余地があります。



スピーカーの上手な鳴らし方 簡単なまとめ
1.良好な定位の為に、超低域を含めてスピーカーユニットの
開口面を揃え、縦一直線に並べた事。
2.スピーカーの最適な駆動の為に、4WAYマルチチャンネルアンプ直結駆動を行い、それにより
個別の遅延設定が可能に。
3.スピーカー端子までの直流抵抗を極限まで少なくし、破損の危険性を承知で、ホーンスピーカーでさえも、高SN比の
アンプから直結で鳴らし、アンプの制動効果を最大活用。
4.
ボリュームに起因するクロストークを無くすように、電子ボリュームを使用して、明瞭度を向上。
5.アンプのリレーを
金張り接点の物と交換し、微小電力での安定した接続。
6.SPケーブルは、
ループ抵抗を0.1Ω以下とし、放射ノイズが少なくて、有効にインダクタンスキャンセルされているケーブルを使用。
7.タイムアライメントを考慮しないツイーターの設置は、無謀であり、
10kHz以上のクロスオーバー周波数は、論外
8.オリジナルDCX2496の
LOWch出力は、-0.2dBに設定しないと、デジMAX時に低域信号でクリップして歪む。
9.真空管アンプは、出力インピーダンスが高く、スピーカー実装時は、ドンシャリ特性に変化し、最低共振周波数や、バスレフダクトでインピーダンスが上昇したところがローブーストされる。

10.セラミックコンデンサがオーディオ信号と接した場合、微少レベルでは問題なくても、0.1Vを越えれば、歪みが生じる。100pFのような小容量でも、問題が生じるので、帰還抵抗のパラコンデンサには、フィルムコンデンサを使用する必要が有る。
11.スタガードバスレフ方式を、マルチアンプ駆動で行えば、簡単で、安価に超低域まで、フラットを実現でき、巨大ウーハーも不用で、しかも撤退も容易。


アナログレコード復権
 CDよりも古くから有るハイレゾ音源ですが、取扱いが雑ですと、すぐに針音だらけになりますが、丁寧に扱えば、何10年経っても、実用に耐えます。ハイレゾ対応能力は、自己所有MC型レコードカートリッジ DL-301Uの再生周波数特性は、20Hz〜60kHzであり、CD−4方式レコードの30kHzのキャリアを楽々と再生できます。CDでは、100dBぐらいが音量限界ですが、アナログレコードでは、110dBでも平気で上げられ、大音量再生が可能で、まさにディスコの主役です。CDでもスクラッチができますが、やはり、アナログレコードの方が、DJの感性に合います。

アナログレコードを聴くなら、以下のアイテムが有れば、十分です。

タ−ンテーブルは、往年の名器 Technics SL-1200MK2で、まだ動きます。カートリッジは、MM型 270C-U VM型 AT15Ea、AT10G 等と、写真のMC型 DL-301Uを使用しています。アンプ性能や、カートリッジの音質で、各種選択できます。水平器も有ると安心です。
レコード盤のメンテナンスは、新品レコードには、ナガオカ Stat-Ban 562とアルジャントを使用し、一般的なレコードには、テクニカ AT6086 AT6017+AT634で行っています。
ナガオカ Stat-Ban 562は、レコードの高寿命化に貢献できます。新品レコードは、すぐに埃を吸い寄せますので、初期メンテナンスは確実に行っておきましょう。


MC専用フォノイコライザー製作
 2017年には、マルチ駆動スピーカーシステムは、完成域に達し、システム改良案も出尽くしてしまいました。Spice関連の勉強を進めながら、ふとRIAAイコライザー回路の位相特性が気になり、シミュレーションをしてみると、激しく位相が変化するという結果が得られました。可聴帯域で±20dBも利得変化すれば、当然、位相も激しく変化します。フォノイコライザーには、SN、歪率、イコライザー偏差、LRバランスのどの項目が欠けても良くなく、製作テーマとしては、大変ハードルが高い物です。
試しに、自家用機(M5220L使用)MC-MM切換式のRIAA偏差と左右の感度差を測定しました。RIAA偏差は、+0.2dB〜0dB〜+0.3dBのドンシャリ傾向で、左右偏差は±0.1dB以下と大変優秀でした。基板を読み、回路図にしてみた結果も、非の打ち所がない設計でしたので、問題なく、このまま使用できます。
 色々と、先人の研究を見たり、ゼロバイアスのFETヘッドアンプの試作や、Spice上での回路の検討などを進め、最近の低雑音OPアンプによる、MC専用イコライザーを製作する事とし、部品の入手などの検討を行っていた所、ヤフオクで、LTのOPアンプ用の基板が目に止まり、これで、製作を開始する事にしました。LT1115は、0〜400Ωの低ソース抵抗での、ベストOPアンプとして、LT社より推奨されており、MCカートリッジには、良い選択でもあります。何よりも、LT推奨回路のプリント基板が実際に入手できるというのは、大いに製作意欲が湧くところです。
入手したLT1115用基板の解説ページは http://cat0048.my.coocan.jp/index.htm です。EQ定数は、入手のしやすさを考慮して変更、オリジナル数値としています。
完成した基板と選別中のEQ回路部品 
2017/05/12

DENONテストレコード OW-7401-ND 1kHz 5cm/sec DL-301U にて、216.82mV 残留雑音 41.8μV(A) SN 74.3dB(A) EQ偏差±0.1dB以内 参考までに、AU-α607NRAでは、117.63mV 感度差 5.3dBでした。
スルーホール基板ですので、部品の安易な付け替えはできません。故に、EQ素子は、外付けで、十分に確認を取らないと失敗します。
ところで、MCカートリッジの場合、負荷抵抗は、100Ω、負荷容量は、1000pF+(カートリッジ内部インピーダンス33Ω)が定番で、周波数特性の変化には、鈍感です。
しかしMMカートリッジの場合は、指定容量が、100〜450pFまであり、迷います。更に、負荷容量と、周波数特性が密接に関係すると言うことで、EQ側で備える、コンデンサ容量に対して、シビアな選択が要求されます。
カートリッジから見た、
負荷容量は、カートリッジリード線、トーンアーム内部配線、出力シールドピンプラグまでの容量と、基板に実装されたコンデンサ容量との合計となります。各所のホームページでは、ヒアリングで決めるとする所が多く有りましたが、如何にも、オーディオそうろうで、不確実です。最低でも、プレーヤーからアンプ入り口までの容量は、既知の値なので、ネット上で探しましたが、見あたりませんでした。そこで、実際に、自家用機で測定しました。

測定結果 Technics SL-1200MK2  約103pF MMカートリッジを最適に使用する場合の参考としてしてください。
仮ケースに収納して試聴を行いました。以前、LUX CL35UとNRAを、VMカートリッジで、比較した時に感じた、音の違い(NHK FMと手持ちレコードの音の差のようなもの)は、CL35U、FMの音に近づき、良い印象です。
RIAA偏差を究極まで追求すると、温度ドリフトに悩まされ、0.02dBの壁を感じました。もう少しこだわるので有れば、恒温漕が必要となり、通常0.02dBが、限界でしょう。これとは別に、MMとMCポジションでは、同じEQ素子であっても、偏差が異なり、SW切換による、兼用ではなく、それぞれ専用としなければならない事も実感しました。

A級アンプに続き、EQアンプも完成 パワーアンプ2台で11万円ほどかかりましたので、EQ用ケースは、廉価なYM350にしました。とはいえ、使用部品に妥協は有りません。
電源SWは、レバーロック形 照光式SWは、IDEC AL6H-A14R、 RCA TOMOCA C60、ITT XLR-3-32等を使用しました。
2017/08/15
EQアンプは、MUTE機能を充実させました。電源ON-OFF時は、自動でMUTEがかかります。手動にも対応していますので、針の上げ下ろしのショックノイズをMUTEできます。入力はRCAピンプラグで入力し、出力は、不平衡ですが、XLRコネクタを使用しました。MUTEは、Panasonic TX2-24リレーで、出力のLPF回路に抵抗が入っているので、その出力側をリレー接点で短絡しています。電源トランスは、電源検出用を追加して、2個、立ち上げ時のMUTE時間は、8秒です。  MUTE回路図 eq_mute.pdf
2017/09/19
LR偏差は、+0.03dB〜-0.04dBとなり、±0.05dB以内をクリアしましたので、左右の位相差も極めて少なくなっています。この測定で、MC用RIAAイコライザーは、入力インピーダンスが低く、オーディオアナライザーの発振器は、600Ωのインピーダンスで、周波数による変動が大きくなりました。
それで、LME49720のバッファーアンプで、一旦47Ωの出力インピーダンスまで下げてから入力しています。



技術者のひとりごと(少し過激ですが、迷信に惑わされないように敢えて述べておきます)
オーディオ部品の音質論議が盛んなようですが、公共施設で音響設備の細部まで、検査、測定を行い、メーカー製品の修理を多数行ってみて、良い音とは、事故の無い音であり、安定した音だと思います。
スピーカー再生技術を向上させても、音が良くなる事は無く、悪くなるのを防止できるという言い方が適切で、原音以上の音は、期待しない。
1.電源は、過熱しないコンセントと、2mmのVVF、60Aクラスのメインブレーカーが備わっていれば大丈夫で、それらは、一般家庭では常識的に設備されています。コンセントにアルミケースなど不用。
2.ノイズフィルターは、あればそれにこした事はありませんが、高額な機器を別置きする必要もありません。各機器内部に入っているフィルターで十分です。テーブルタップで雷ガード付きが有れば、システムに組み込むと良いでしょう。
3.機器の放熱は、製造年が新しいほど、悪化する傾向ですので、長寿命で使用するには、通風の良い環境に設置します。
4.電源コードは、機器付属の物で十分で、万を超える物は不要です。日本製アンプの2Pコードは、抜けやすいので、半抜け状態にならぬよう注意してください。PCと同じ3Pの方が合理的で、接続が安定します。
5.スピーカーケーブルは、対称性の高いケーブルで、有効にインダクタンスキャンセルしている物で0.1Ω以内を目標にします。ブランドにこだわる必要はありません。長さは、左右で等しくなるのが、好ましく、余長の処理で、伸ばし置きしても、巻き込んでも、電気特性の差はありません。
6.信号線は、必要以上に長い物は使用しないで、これも左右等長にします。プラグは、キャノンが高信頼ですが、普通は、RCAピンの機器が多いと思います。プラグの接触は、中心も、外側も同じような抵抗を感じる物が良く、必要以上に固い場合は、ジャック側の半田付けを損傷する可能性があります。電線は、機器が浮くような太い物は必要でなく、4〜6mmの外径の物で十分です。信号は、アンプ内部の抵抗の両端に発生する電圧ですので、ケーブル材質の影響は少なく、シールドがしっかりした物であれば、良いでしょう。
7.スピーカーの設置で、必ずしもスパイクを使用する必要はありません。4個は、がたつきの始まりで、使用するのなら、3個の方が理にかなっていると思います。接地面が気になる場合は、ゴムのような摩擦の大きい物で、軽い音のしない物を間に入れます。
8.スピーカーの低音のエネルギーは、床からの高さで大きく変化しますので、この条件でのチューニングは必要です。フロアタイプでは、元来、床置きですので、壁からの距離でチューニングすると良いでしょう。
9.スピーカーは、振動する機械であり、業務で、24時間大音量で使用する訳でも無いので、趣味的な使用では、ほぼ一生物として使えます。したがって、数週間程度の鳴らしで、エージング効果が現れて音が良くなるとは、思えません。まして、鳴らす音源で変化するような事も考慮外で良いでしょう。名器と呼ばれるバイオリンは、非常に古い物であり、優れた演奏者は、その味を存分に引き出して演奏します。古いスピーカーも大切に鳴らしたいものです。なお、ウレタンエッジスピーカーは、エッジ破損が、早く起き、一生物と呼べず、使用には、十分注意します。
10.ハイレゾ対応と称して、
急遽リボンツイーターを増設し、100kHzまで再生してみても、良い音など出ません。聞こえない周波数の再生能力よりも、SNを向上させ、高い解像度を求める方が、本当のハイレゾ対応と心得ましょう。
11.音質論+半田悪玉説という展開が時々有りますが、太い銅線や、真鍮製ハトメの周辺において、半田クラックによるトラブルが発生しますが、半田以外の、圧着や、ファストンコネクタでも、接触抵抗が多かったり、接触不良が発生しております。スピーカーのように、振動する製品は、注意しなければなりません。大切なPA現場で突然音が出なくなり、叩いたら音が出るなどは、ファストンコネクタが原因ですので、丸ごと半田付けするのも、信頼性向上につながります。
12.DCX2496 DAC直後のPOST-LPF出力をそのまま取り出すという、反則技にチャレンジしてみました。バランス出力を得る為のアンプを通さない為、音の劣化を少なくできるという筋書きです。バランスマニアからはお叱りを受ける発想ですが、見事に当たりでした。10年以上経過した物ですので、転売する気もありませんので、思い切って、キャノンを切断して、回路から切り離す改造でしたが、解像度が更にアップしました。セラミックコンデンサによる性能劣化も、判明し、一気に矛盾が解消しました。 改造の詳細

13.クリーン電源による、完全な交流電源を使っても、奇数次高調波を含むダーティ電源でも、ハム雑音が出ない音響機器なら、差が出ません。クリーン電源に価値を見出すなら、全てを電池駆動にした方が手っ取り早いでしょう。
14.バランスアンプによる低雑音化は、万能ではなく、回路が複雑化し、入力換算雑音では不利になります。ハイインピーダンス回路が、いかに誘導に弱いかそれを克服する方が先でしょう。誘導雑音を低減するには、低インピーダンス化も、簡単で有効な対策です。

測定器リスト
オーディオアナライザー VP-7722A  コンデンサマイク ECM8000 マイクスタンド K&M 21020 25500B
マイク用アンプ 01V96V2   オシロスコープ リーダー 8060 8064 ケンウッド CS-5155 
デジタルマルチメーター フルーク 89W 189 289 HIOKI3237 3239
USBオーディオキャプチャ EDIROL UA-5 UA-25 UA-25EX
ソフトウェア 自作デジタルマルチメーター用トレンドグラフソフト Adbe Audition 2.0 Smaart V7、V7.330日間お試し版 Wave Spectra Wave Gene


総論は、ここまでで、アンプを中心とした解説や、スピーカーの解説に続きます  次ページへ