
「こぼれ話編」

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ここにおいで下さいました女性の皆様、いかがお過ごしですか。
皆様に可愛がって頂いたこの「男性立ち入り禁止!」も、「ムスコ編」「ムスメ編」とつつがなく終わり、大分経ちますね。
この二つの本編をお読みになって「お産って想像してたのとなんだか違うみたい。」とか、「もっと感動的なものだと思ってたのに、がっかりした。」とか、「どうせ書くならもっと綺麗に書けんのか!?」とか、実に様々な、そして好意的(?)な感想をお持ちの方もいらっしゃることでしょう。
ところで私宝塚の女は本編で「妊娠・出産」を余すところなくお伝え出来たかというと、必ずしもそうではありません。
いえ、吹けば飛ぶような記憶の断片を掻き集め、貧相なボキャブラリを駆使して皆様に真実をお伝えしたのは事実なのですが、実は本編でどうしても割愛したり、省略したりしなければならなかった部分もございます。
さて皆様、長らくお待たせいたしました。
そういった数々の「こぼれ話」を掻き集め、白日の元にさらす時がとうとうやってきたのです。
とはいえ、さっきも申し上げたようにかなり長い月日が流れております。思い出すのもゆっくりゆっくりになると思われます。
いえ、ひょっとしたらこの話だけで終わってしまうかもしれません。
ですが「妊娠・出産」の真実を少しでもお伝えしたく、「こぼれ話編」を始めることにいたしました。
どうぞ女性の皆様、おつき合い下さいませ。
さて、私は「ムスメ編」で「つわりがハンパでなくひどかった」と書きましたね。ちょっとそのことに触れておきたいと思います。
ただネタが「つわり」なだけに、お食事中の方、お食事直後の方、酒気帯びの方、これからつわりになると思われる方、ただ今つわり真っ最中で辛い方などなど、要は「もらいゲロ」をしやすい状態にある方は、御自身の責任においてここをお読み下さい。もし踏ん張りがきかずについもどしてしまって服や部屋が汚れたり、パソコンがおしゃかになったりしても、当方はいっさい責任を負いません。また、小心者の私に苦情を寄せたりしないで下さいますよう、よろしくお願いいたします。
つわりの間は嗜好が変わるとよく言われます。たとえば普段は豚肉よりも牛肉を好む人が全く牛肉を食べられなくなったり、いつもならカップ麺など全く受け付けない人がそればかり食べるようになったり、においが苦手な納豆をただひたすら食べるようになったりと、実に様々です。
かくいう私も大好きな魚が食べられなくなりました。いえ、もうほとんどのものが食べられなくなったのですが、普段あれほど魚食いの私がああも魚を食べられなくなるとは、思いもしませんでした。
さらに驚いたのはりんごを食べると必ずもどしてしまうということでした。りんごの名産地青森県の出身でありながらりんごを食べて吐くなどとは、青森県出身者の面汚しのようでなんとも情けなく思ったものですが、なに、つわりなんですからしょうがないですよね、はっはっは(←けっこう立ち直り早い)。意外に大丈夫だったのは柿でした。柿だけは吐かずに済みました。つわりの時期がちょうど秋で、お店には柿が山と積まれていました。ですからこの時期、ちょっとずつちょっとずづ柿を食べてしのいでいましたね(本当は西瓜を食べたかったんですが、季節的に無理だったんです)。とはいえこれも個人差がありますからね。柿を食べてもやっぱり吐いてしまった、どうしてくれるんだ等と、怒ってはいけませんよ。
というわけで、つわりの時期はまあ、「何をどう食べても基本的に吐く」ということを頭に入れておかなければいけませんが、それでも「ちょっとでも食べやすいもの」というのはあるわけです。そこでそういう「食べやすいもの」をできるだけ食べるようにするわけですが、「食べやすい」=「ぜったい吐かない」というわけではないのが辛いところです。なまじ食べやすいだけに一旦もどすとなった時のショックは大きく、身体的なダメージはもちろん、精神的なダメージとしてもはねかえってきます。
では、私宝塚の女にとって「食べやすかったのに吐く時のダメージが大きかった食べ物」とはいったい何だったのでしょうか!?
そのベスト3(←ワースト3じゃないのか!?)を御紹介します。
第3位、「納豆」
におい自体はさほど気にならず、あのぬるぬるが手伝って意外とすんなりご飯が喉を通りました。ところがもどす時は胃液と一緒ですからね。胃液のにおいが混じった納豆のにおいというのは、ただでさえ苦しい嘔吐の最中の息継ぎを更に苦しくしてくれました。
第2位、「酢の物」
程よい酸味が口の中をさっぱりとさせて、つわりで疲れ切った心身に潤いと活力をもたらしてくれました。ところが吐く時はこれも胃液と一緒。酢と胃酸があれほど恐ろしい相乗効果を産むとは、思いもしませんでした。しばらく息もつけずに吐いたあとで「今この時」とばかりに息を吸い込む時に気管に入り、むせるのなんのって・・・。しかも「酢+胃酸」のせいで、喉が焼け付くようでした。吐くだけでなくむせるくるしさも味わいました。
そして堂々の第1位、「カレーライス」
かなりな二日酔いでもそこそこ口に入るカレー。スパイスのおかげでつわりの時期でもやはりそれなりに食べられました。ところが吐いた時の衝撃といったら・・・・・・。いえ、においがどうとか、スパイスで喉が焼けるとか、そんなもんじゃないんです。最初の一吐きで人間としてのプライドとか、生きる誇りとか、そういったものを全て打ち消されたように思いました。だって皆さん、カレーを吐くのって、まるで「口から下痢してる」みたいに見えるんですよ!!!
はぁ、とうとう書いてしまいました。これを書こうかどうしようか本当に迷ったんですが、これから「妊娠・出産」を控えた方にはやはり興味のある話だろうと思い、思いきって書いてみました。どうですか?ちょっとはイメージが湧きましたか?まあ、つわりのイメージが湧いたところで気持ちのいいものでもありませんし、なんといっても個人差があるものですからね。私にとってのメニューが皆さんにそのまま当てはまるというわけでは、たぶんないと思います。
皆さんにとってのベスト3(←だからワースト3では!?)は、いったいどんなメニューなんでしょうね。
といったところで、本日はここまでにいたしましょう。はたして次は続くのでしょうか!?
(2000/4/28)


