osumesu_.gif

5

妊娠・出産を控えた女性の皆さん、こんにちは。寒に入っていよいよ寒くなってきましたね。風邪をひいてしまった方もいらっしゃることでしょう。具合が悪いのにお腹の赤ちゃんへの影響を考えて、薬も飲めないでいる方も多いことでしょう。
でも婦人科で処方された薬なら、あまり心配しないで飲みましょうね。
どんな薬にも必ず副作用はありますし、胎児への影響も全く無いとは言い切れません。ですが、このまま薬を飲まないで我慢していることの方が、時に胎児に悪影響を及ぼすことがあったりします。医者は薬の影響と、薬を服用しないためにもたらされる悪影響とを天秤にかけ、薬を使った方が良いと判断したから処方したのです。ですからそこはこちらもきっちり割り切って薬を服用して一日も早く治し、赤ちゃんに余計な負担をかけないようにしましょう。

ところで毎年11月から翌年2月くらいまではインフルエンザの季節ですね。普通の風邪でも妊産婦には大変なのに、インフルエンザなんて、いったいどんなことになってしまうのでしょうか。考えるだけでも恐ろしいことです。
な〜〜〜んて考えていたら、かかってしまいました。インフルエンザに(←あ〜あ‥‥‥)
あれは6月にムスコを出産して年が明けた1月のある日曜日の夜、お風呂に入ってあとは布団に入るだけの私を、突如激しい悪寒と震えが襲いました。石油ファンヒーターの設定温度を上げ、温風吹き出し口の前の火傷もいとわぬ距離に座り込んだのに、寒気は収まるどころかますます増していきます。同時に熱もあれよあれよという間に上がって来ました。
「‥‥‥‥‥‥‥インフルエンザだな‥‥‥‥どう考えても‥‥‥‥‥‥。」
朦朧とした意識の中で、わりに冷静に考えていました。
ここで困るのが、「赤ん坊が一緒にいる」ということです。当時ムスコは満7ヶ月でまだおっぱいを飲んでいましたし、当然おむつが必要で、うちの中にばかりいると機嫌が悪くなり、離乳食の初期から中期に差しかかる頃で、夜泣きはするし、そのくせまとまった昼寝をしなくなって随分経った頃だったのでした。
「食事やおむつの世話はなんとか頑張るにしても、もしもインフルエンザをうつしてしまったら大変だ。」
というわけで、近くに住んでいた義父母のうちに親子で転がり込んで、義母にムスコを見ていて貰うことにしたのです。
見てもらうと言っても、別にミルクをやってもらうとか外遊びに連れて行ってもらうとかいうことではありませんし(ムスコはあまりミルクを飲みたがらない子でした。だいたい母乳があふれる程出ていましたし)、まして嫁の看病をしろというのでもありません。おっぱいは私でないとダメだったので、授乳から授乳の間の時間をテレビでも見ながら、ムスコが危ないことにならないように見ていてもらう程度の事です。あ、たまにおむつの交換がありますが、こんな時のための紙おむつですしね、ばんばん使ってもらっていいわけですし、孫とお風呂に入る喜びも味わえるわけですから、そうたいした負担でもなかったでしょう。
ですが何と言ってもこちらは「お願いする」身。「うちかて仕事があるのに‥‥‥。」と迷惑そうな顔で仕事先に欠勤の電話を入れる義母の姿にムカついても、ここは低姿勢に徹しましょう。

で、翌月曜日の朝、開院時間の30分も前に、日頃からムスコと親子でお世話になっているT小児科(母親と子どもがかかる病気には深い関係があるので、小児科といっても母親も診てくれるところは少なくないのです)に行ったのでした。
玄関が開くまでの30分の長かったこと長かったこと。40度近い熱がありながら寒風吹きすさぶ玄関の外で立ったまま30分を耐えぬいた私は、「もしかしたら私はものすごく強い人間なのかも知れない‥‥‥。」などとワケの解らないことを考えていました。T先生は何の躊躇もなく「インフルエンザですね」と言い切りました。
「あー‥‥‥やっぱりそうですかぁ‥‥‥。」
「インフルエンザは免疫が出来ますからね。向こう10年くらいはもうかかりませんよ。」
「そうですかぁ?あー‥‥‥、それはたすかりますぅ‥‥‥。」
熱のせいで平仮名しか話せなくなってしまったような感のある私は、よろよろと薬を貰って義父母の家までたどり着き、ムスコに授乳する以外は、とにかく安静に努めたのでした。
インフルエンザだから3〜5日は高熱が続くだろうとは思っていましたが、熱のせいで不規則ながら大量の汗が出るのには参りました。私は小さい時から平熱が低くて、そのせいかどうか「わざと汗をかいて熱を下げる」という方法がものすごく苦手でして、汗をかくと風邪をひいていてもお風呂に入りたくなってしまう方でした。そんなこともあって4日目の晩にとうとう我慢できなくなって、まったく熱が下がっていない状態で思いっきりお風呂に入ってしまいました。
体温とほぼ同じ温度のお風呂‥‥‥。なんてことをぼーっと考えながら髪と身体を洗って、もっとぼーっとしながら布団に入って眠ったんですが、皆さんはこんな下手をしたら命に関わるような入浴はしてはいけませんよ。いいですね?(←説得力無し)
6日目にやっと熱が下がり出して、T先生に「もうお風呂に入ってもいいですよ。」と言われた時、「げげ!先生、シャンプーの匂いに気がついたんでないべのー?」と心臓をばくばく言わせながら、「はい、あ〜、よかったぁ♪」などとにっこり微笑んでしまったのでした(←こういうヤツなんです)

そうこうしているうちにインフルエンザもすっかり治って、大寒が過ぎ、春の足音も聞こえてきそうな3月のある晩の事。私はまたしても1月のような悪寒戦慄(猛烈な寒気と震え)に襲われたのです。
「こっ、これはひょっとして‥‥‥!?」今回も義母に助けを求めつつT小児科を受診した私に、T先生はこともなげに「インフルエンザです。」と言い切ってくれたのでした。
「せ、せんせい‥‥‥たしかむこうじゅうねんはめんえきがあるからだいじょうぶなのでは‥‥‥???」
「ああ、ウイルスが違うんですよ。向こう10年大丈夫なのはこないだのウイルスです。でもこれで2種類のウイルスに向こう10年免疫が出来ましたね。
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(やはりそうか)。」
まるで漫才のようなオチですが、本当の話です。

ひと冬に2度もインフルエンザにかかると、さすがに辛いものがありますね。妊産婦の皆さんは、どうか手洗い、うがいをしっかりやって、インフルエンザにかからないようにしましょうね。うがいだけではダメですよ。以外と手洗いが大事なのだと、ムスコとムスメを産んだ病院の助産婦さんに聞きました。
あ、ムスメといえば、5月にムスメを産んで年が明けた2月、私は3種類目のインフルエンザウイルスにやられてしまいました。やはりお産の後というのは身体が疲弊していて、いつもならはねかえしてしまうようなウイルスにもやられやすくなってしまうのでしょうか?「殺しても死なない宝塚の女」の異名をとる私ですが、さすがにこの時ばかりは「ああ‥‥‥なんか私って、じつはすごく弱いんじゃないかしら‥‥‥?」などと、後から思い出すとあまりのこっ恥ずかしさにかえって熱が出てしまうような気持ちになったりしました。わはははははははは(いいぢゃん!たまには!!)
それでは妊産婦の皆さん、身体に気をつけて、寒い冬を乗り切って下さいね。

(2001/1/13)

osumesu_.gif

1.gif3.gif