
4
妊娠・出産を控えた皆さん、こんにちは。なんと6月下旬からさっぱり更新していないこのコーナーですが、決して忘れていた訳ではありません。ええ!ありませんとも!!(←ちょっと心にやましいところがあるので、妙に声がでかくなる)
ここのところずっと季節ものとも言うべき「田名部祭」の方に力を込めておりまして、そのせいで他のコーナーまで手が回らなかったんでございます(←言い訳)。
さてさて、10月に入って特に朝晩は過ごしやすくなってきましたね。このくらいの時期になると、まぁ、人によっては長袖だったり半袖だったりと、実に様々な服装をしているワケでございます。今年の夏も暑かったですもんね。お腹の大きい妊婦さんには尚更、暑さがこたえたことでしょう。
酷暑の夏だからとノースリーブの薄手のマタニティ・ウエアを1枚着てるだけのような格好ですと、年寄り達は「妊婦は身体を冷やしてはいけない。何か上から羽織りなさい。」などと無理難題をふっかけてくれるものですが、なに、年をとると寒がりになりますからね。ただでさえ体温が高い上にお腹に大きな荷物を常に抱えて生活している妊婦がどれだけ暑くて大変か、もう何十年もの時の彼方の事なので、自分はどうだったかなんてすっかり忘れているのです。テキトーに返事だけしておきましょう。
実は「身体を冷やす」ことよりももっと重大な問題が、夏場のマタニテイ・ウエアには隠されています。それは一体なんなのか!?今回はそのあたりにちょっと触れてみましょう。
私は小さい頃からどちらかというと‥‥‥いえ、はっきりと申しましょう、「どちらかというと」というよりも、それはもう「はっきりしっかりくっきり」と「毛深い」方でございました。さすがにホモ・サピエンスの域を出ることはありませんでしたが、それでも幼心に十分にコンプレックスを感じる程度には毛深かったと思います。
成長してもそれは変わりませんで、特に「ワキ」(←エステティック・サロンのチラシでは、なぜか「脇」でなくて「ワキ」)の毛のお手入れには、毎日余念がありませんでしたし、「ウデ」や「アシ」も毎日とは言いませんが、頻繁にチェックしておりました。
毛深い妊婦の皆さん、ムダ毛の処理、大変じゃありませんか?私は妊娠期間がちょうど秋から春にかけてという「服に隠れる季節」だったのでそれほど苦労はしなかったのですが、もしこれが夏場にかかっていたとしたら、処理だ手入れだと、どれだけ大変だったろうと思います。ダンナ様に「ねぇ〜、足の爪切って〜〜〜♪」とは甘えられても(←私はこれもしませんでしたが)、「ねぇ〜、アシの毛剃って〜〜〜♪」とか「Vラインの毛、抜いて〜〜〜♪」とは、ちょっと言えませんもんねぇ。大きなお腹で毎日ムダ毛の手入れをするくらいなら、たとえどんなに暑くてノースリーブを着たくても、ワキが隠れる半袖で我慢していたんじゃないかと考えてしまいますね(←実は根がズボラなだけ)。
ところで私は妊娠中、「毛」に関して実に興味深い事実に気がつきました。それは、「妊娠中はいつも処理に苦労させられているムダ毛がうすくなる」ということです。いえ、気のせいなんかじゃありません。事実、ムダ毛の処理の回数がぐんと減りましたし、一回の処理そのものにかかる時間もずいぶん短くなりました。上の子のときも下の子のときもそうだったんです。
なんなんでしょう?やはりホルモンの関係でしょうか?ムダ毛の本数が少なくなって、毛の性質が細く柔らかくなったんですよ。いえ、本数をきっちり測って妊娠前と比べてみたわけじゃありませんし、毛を引っこ抜いて顕微鏡でこと細かく性質を調べてみたわけじゃありませんが、自分の身体のことですから、そのあたりはちゃんと分かるんです。
いや〜、これはありがたかったですね。いつもなら二週間に一度はお手入れしなきゃいけないアシのムダ毛を、月一回の定期検診の前だけすればいいようになったんですから。ましてお腹がどんどん大きくなってくれば、ほんの十数分の処理とはいえ辛いですからね。「毛に関係するホルモンだけ一生妊娠中のままでいられないかしら。」なんて半ば本気で願ったりしました。
ところがそこには妊娠前には予想だにできなかった大きな落とし穴があったのです。人の身体というのはなんとまあ、精巧にできているものでしょうか。妊娠前とはあまりに違い過ぎるホルモンバランスの成せるわざでしょうか、それとも大事な赤ちゃんが入っている腹部を守ろうとでもしているのでしょうか。なんと、お腹の産毛が濃くなってしまったのです。とは申しましてもお腹一面全部の毛が濃くなったわけではありません。おへその周りから下腹部にかけての産毛が、産毛の範囲を超えて濃くなったのですね。ですから一瞬「ギャランドゥ」を想像した方、残念でした、ちょっと違います。
ムダ毛がうすくなったように、この「お腹の産毛が濃くなる」という現象も、上の子のときも下の子のときもありました。妊婦友達何人かに聞いてみると、個人差はあるものの、やはりお腹の産毛が濃くなったということでした。
特にヒトの場合、体毛は生えている身体の部分を衝撃や摩擦から守るためにあると考えられているので、妊娠したためにそこにいる赤ちゃんを守ろうとして腹部の産毛が濃くなったと考えてもあながちウソではないだろうと思うのですが、こうも顕著に変化する様を見せつけられると、自分の身体とはいえ、なにか神がかったような不思議なものを見るような気がしないでもありませんでした。
ところで妊婦の皆さん、皆さんのおへその下に、縦にまっすぐ「線」が入っていませんか?いえ、「妊娠線」ではたぶんありません。妊娠線は裂け目(切れ目?)がギザギザですが、この「おへその下の線」は、まっすぐ綺麗に下腹部に向かってのびています。
おそらくは胎児だったころに身体の組織が左右両方からできてきて真ん中でつながった、その時の「つなぎ目」じゃないかと私は思っているのですが、普段はほとんど目立たないその「つなぎ目」がお腹が大きくなってきて左右から引っ張られちょっと顔を出した、そんな感じではないでしょうか(←でも確証はないのでツッコマないように)。
大きな丸いお腹の真ん中に走る一本の線と、その周りの濃くなった産毛。まるで「キウイ」のようでした。
お腹が「キウイ」状態になって、不安にさいなまれている妊婦の皆さん。大丈夫、お産が済めばいずれ元の柔らかくうすい産毛に戻ります。安心して下さいね。あ、それから妊娠前は毛深かったのに妊娠中の今はムダ毛がうすくなって喜びに満ちあふれている皆さん、残念でした、お産が済むとまた元の木阿弥です。だってそういう「体質」なんですから。すぱっとあきらめましょう。
(2000/10/7)


