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スピーカーを駆動するまでの信号伝送系について  ツイーター駆動に重要なタイムアライメント調整はこちらへ

 価格comで調べてみると、オーディオが活況を呈していた頃の従来型の2chプリメインアンプは、少なくなったとはいえ、5万円以下の廉価判が、そこそこ有るようで、入門用には十分です。さらに、最新テクノロジーによる、20万〜50万円の高級機もあります。
さすがに、高級機は、ある種の覚悟がいる価格なので、オーディオ新規参入者は、そこでためらう事になってしまいます。それでも、音楽好きならば、何らかのオーディオ環境を求めるとは思います。そこで、TVデジタル放送や、映画用DVD、ネットのハイレゾ音源等に対応した、AVアンプが、選択として、非常に合理的だとも考えられます。


最近のAVアンプ
プリアウト出力
 平成25年6月 ONKYO TX-NR616を入手しました。すでに、市場には、後継機のTX-NR626が出回っており、敢えて旧式を高い価格で購入したのか、理由はいたって簡単で、プリアウト出力が、新型ではコストダウンにより無くなってしまったという理由です。SONYのESシリーズも健在である中、仕様の比較をさんざん行って決断しました。プリアウト出力は、4WAYマルチアンプ駆動システムと、映画、TVソースをつなぐ為に必要不可欠な物です。プリアウト出力は、ESシリーズでは、堂々の2Vと、ピュアオーディオのコントロールアンプ並なのに対し、ONKYO、DENON、YAMAHA等では、定格表示は無いのですが、実測で0.3V前後です。100%の要求を満たせる製品は、最近では皆無なので、どこかで妥協する事となります。なお、上位機種TX-NR727では、プリアウト出力が有ります。
デジタル音源対応
 選択に大きく影響したのが、デジタルソースへの対応で、96kHz24ビットWAVファイルが、24ビットのままで再生できるか否かでした。96kHz24ビットWAVEファイルといえども、16ビットとして、DA変換を行う機種もありますので、取扱説明書を注意して読まないといけません。この機種では、光デジタル、同軸デジタルに対応は勿論のこと、iPod/iPhoneや、USBメモリにも対応で、この点では非常に満足です。WAVEファイル再生には、従来、PC+USBオーディオキャプチャが必要で、大がかりになっていましたが、AVアンプ1台で対処できるので、便利です。更に、96kHz24ビットWAVも、44.1kHz16ビットWAVが、同じUSBメモリ内に混在していても、そのまま再生できるので、パソコン音痴の方でも安心して使用できます。使用機会が無いカセットデッキや、修理できない、MDデッキに代わるメディアとして、USBメモリが、活躍の場を広げるでしょう。
 WaveGeneで、-90dBの正弦波を作り、AVアンプで、16ビットと24ビットの音の違いを聴いてみると、これは誰の耳にもはっきり判る差があり、16ビットでは、有害な奇数次高調波の集まりである矩形波と良く似た音が確認できます。-90dBの音量で確認可能という事は、逆説的に、それだけのSN比が確保されているということです。16ビットソースでは、90dB以上に音量を上げると、可聴限界以下に存在している、歪み成分が、可聴限界を超えて確認できるレベルとなります。メーカー広告のノイズ説明で、滑らかな正弦波が使用されていますので、微少信号でもこのとおりと、思い込み勝ちですが、
16ビットで音表現という原理上の波形歪みなので、どのような技術でも防ぎようが有りません。 16ビット音源の歪み
Wi-Fi対応
プロ音響でも、ネットワーク化や、Wi-Fi対応がされるようになり、ワイヤレス端末で、音響調整卓を制御する事も可能になり、もしやと思っていたら、AVアンプも対応で、ワイヤレス再生が可能になりました。次にAVアンプを求めるのなら、是非ともこの仕様の物をと考えています。

 AVアンプには、直接関係無いのですが、レコーダーが現在、カセットデッキ、MDデッキ、DAT等の従来型がほぼ生産完了となり、メモリーを使用したレコーダーへの過渡期となっています。最新型とはいえ、全幅の信頼を寄せられない事例が発生しています。メモリーメディアとは、USBメモリーなのですが、微妙なバージョン違いで、有名ブランド最新のメモリーでも、不具合が発生しており、貴重な一発録音には、方式の違う複数のレコーダーを用意するか、使い古して実績のあるメディアを使用するかの対策をした方が良いでしょう。録音後のメディアの保管も要注意で、HDDは、耐用年数が有り、ディスクメディアは、同心円の傷に弱く、メモリー系も書き込み回数は有限です。平成26年確認。


HDMI対応
 最近のAVアンプは、豊富なHDMI入力数があり、数の点では満足できます。ただ、出力面で、5mのHDMIケーブルを使用したら、少し古い、AQUOS LC-37GX1Wで映像が不安定になり、3m物に変更しました。設備用とは違い、家庭用では、このぐらいの長さで十分ですが、少し気になりました。5m以上のロングケーブルを使用する場合は、必ず、実際の組合せで試した方が良いでしょう。新築の住宅に設備する場合、ここは、ミスできませんので、丁寧に実験をするに限ります。
AM/FMチューナー NET対応
 AM/FMチューナーを内蔵していますが、AMの実用性能は高く、適切に高音がカットされて、ストレスなく聴取できます。FM放送も問題なく、NET対応もできますので、AVアンプ自身でも、入力ソースは豊富です。FM放送は、地上デジタル放送を主とするTV共聴設備には、含まれていませんので、高音質で受信するには、受信距離に応じた、FM専用アンテナが必要となります。近距離ならば、3素子、中距離5素子となります。アナログ放送なので、時報はリアルタイムであり、NHK-FMでは、地震速報や、気象警報もあります。

ちょっとお困り点
 動作温度がかなり高く、ファンが付いていても、不安です。ファンの有る辺りの温度は、53℃で、電源トランス下部も、触っていられない高温になっており、トランス鉄心容量不足のような印象です。この為、ガラスケースなどの通風の悪いキャビネットに収納するのは避けた方が良いでしょう。機器類の最上段に設置する事をお奨めします。これだけの、温度上昇は、消費電力が60Wと大食いではなくても、品質感に悪影響となります。消費電力は、1時間後に75Wにまで上昇しており、電源投入直後と15Wの電力差となっています。樹脂を多用した最近のアンプが、こうした激しい内部温度上昇による、熱ストレスで、20年30年経って動作するか、疑問です。もしかしたら、グローバル化により、OEMの弊害として、品質を重視した製品は、生産してもらえない段階まで来てしまったのかもと、考えられます。

TX-NR616が故障
 TX-NR616は、平成29年8月15日 FM放送のサザン特集を聴こうとしたら、電源が入らなくなりました。4年と2ヶ月での故障なのですが、最近の電気製品はこのような早期の故障事例が増えています。故障の原因は、電源起動リレー"
SDT-S-109DMR2"のコイル断線でした。リレーの故障としては、滅多に無い故障で、運良くか悪くか、保証期間を過ぎての故障で、メーカーサービスには恵みでも、ユーザーには迷惑な故障です。ONKYOサービスにメールを送り、同リレーの出荷をお願いしましたが、契約が無いことと、勝手に蓋を開けないないように書いてあるので、修理に出すようにと言われましたが、この様子では、又も、同じような故障が起きると判断しました。使用部品のスペックや信頼性は、メーカーに依存するしかないので、このような、中途半端な破損は、やはり○○○タイマーと言われる元でしょう。それよりも、前に購入した、DENON AVC-1620は、2台とも元気に動いているし、サンスイアンプは8台全部25年経っても動いています。早々に壊れてしまう、汎用部品で修理できない機器こそ、ユーザーには迷惑です。かつての日本製品は、こんな簡単には壊れませんでした。
SDT-S-109DMR2は、一般の通販では入手できなかったのですが、Digi Keyで形状、コイル定格が同じSDT-S-109LMRがありましたので、これを発注しました。6,000円以上で送料無料なので、TIの超低雑音OPアンプOPA1611(1回路)とOPA1612(2回路)を注文して、6,000以上とし、送料無料としました。かつては、OMRONかPanasonicのリレーが定番で、腕自慢の家電屋でも、部品を入手して修理ができたのですが、”囲い込み”で、世間に、悪い噂が流れなくなり、良からぬ故障が増えて、メーカーのステータスが低下したと感じています。
TX-NR616 赤枠に取り付けられている、電源起動リレーのコイルが断線 
2017/08/15

今後、期待したいこと・・・2ch実装型AVアンプの実現 (8kテレビの22.2ch音響にも、2chで対応とする)
 AVアンプのパワーアンプ数が、5.1〜11.2までと各種有り、多チャンネル=高級機という図式のようですが、ハイエンドオーディオでは、2ch用が圧倒的です。ならば、AVアンプも2chのみを実装しておき、他のチャンネルは、別置きパワーアンプに依存する仕様も考えても良いのではと、思います。センターチャンネルには、放送局によっては、主となるアナウンスが充当されていますが、2ch仕様AVアンプであれば、Cchを、LRに振れば、定位は真ん中になり、敢えてスピーカーが無くても、LR分の2個で済みます。スピーカー設置スペースもTVの両サイドだけで済みますので、一般家庭でも、設置する機会が増えると思います。オーディオ初期に有った、レシーバーアンプのようなイメージで、現代に適合するように、ラジオ、TV放送、映画、CD、デジタルオーディオプレーヤー、スマートホンなどを一括で処理できるAVアンプならば、かつての隆盛期とまでは行かぬとしても、そこそこ需要が見込めるのではないでしょうか。無理矢理、ハイレゾで新2chステレオに引っ張り込むより、新旧のオーディオ資源を有効活用できる方が、ユーザーには歓迎される物だと考えます。リビングルームがスピーカーで占領されてまで、映画を楽しむユーザーは、レアで有り、そのような、ヘビーユーザーは、郊外シネマに足を運ぶのも一考でしょう。ハイレゾと称し、聞こえぬ帯域を強調しても、大多数のユーザーは、感じられない音なので、15〜6kHzまでしか出ないような、古い名器で、楽しむオーディオライフが有って良いでしょう。
かつて、4chステレオが、無理矢理に持ち込まれ、やがて、オーディオの衰退を招いた原因ともなりましたが、5.1サラウンドも、似たよう物です。大多数の専用のリスニングルームを持てないユーザーは、ヘッドホンステレオやカーオーディオで楽しむしか無く、5.1サラウンドは無縁でしょう。
8kテレビでは、何と22.2chだそうです。こんな恐竜化したようなオーディオ環境など、誰も欲しないと思います。田舎道に迷い込んだ幅広外車とも、感覚が似ています。素直な2chステレオこそ、原点であるべきでしょう。


AVアンプによる2WAYマルチシステム廉価版
 趣味としてのオーディオは、もはや金がかかり過ぎると諦めず、中古品を活用で、完成度の高いシステム構築が可能です。自己所有の少し古いAVアンプ DENON AVC-1620を活用して、B社 CX3400と、KEF Q15.2による、2WAYマルチアンプシステムを構築してみました。
AVアンプは、DVDによる映画鑑賞の必需品で、普及価格帯では、7.1サラウンド対応となり、7chのアンプで、スピーカーを駆動します。AVアンプは2chステレオアンプと比較し、中古価格が安いので、この点にに着眼してみました。手持ちのAVC-1620は、新品特価で、¥29,800で購入しましたが、現在のオークション価格は、更に安く、この機能と性能が、高校生の小遣い程度でも購入できます。このアンプには、DVDアナログ出力に対応する、5.1入力端子があり、内部のエフェクトをスルーして、それぞれの対応chのパワーアンプから出力が出ます。その中から、フロント用と、サラウンド用の4ch分を使用し、2WAYマルチアンプとして使用してみました。フロントは、LOWに割り当て、サラウンドは、HIGHとして、それぞれの遅延時間は、ゼロで、スピーカー設定は、Largeです。チャンネルデバイダーは、B社CX3400で、オークション価格は、1万円を切っています。新品でも、\11,800ですので、購入しやすく、必要な機能は全て揃っているアナログチャンネルデバイダーです。接続コードは、全てキャノン仕様で、AVアンプ側がピン仕様という、ホームセンターでは、販売していないコードが必要ですが、インターネット通販で容易に入手できます。高級品も有るのですが、プロ定番のカナレ製品を選んでおけば、無難でしょう。キャノンオス−ピンが2本、キャノンメス−ピンが4本で、Lch用、Rch用の長さは同じにします。音源は、チャンネルデバイダーに入力しますが、私の場合は、パソコンから、USBキャプチャーのUA-25を経由して、入力しています。スピーカーは、以前にオークションで入手した、KEF Q15.2という、同軸2WAYスピーカーを使用しました。
 同軸スピーカーといえども、LOWユニットと、HIGHユニット間には、時間的なズレがあります。バタワース18dB/octでは、遅延ゼロで使用できたのですが、リンクウィッツ24dB/octでは、LOW側に、0.15ミリ秒の遅延時間を設定しています。調整は、WaveGeneで、2.5kHzゲート 1 間隔 24のトーンバースト波で行いました。耳で聞いて判りますので、チャレンジしてみてください。最良点は、音量が最大で、全帯域の音が良く聞こえるところです。AVアンプ側でも、遅延が設定できますが、10cm(3msec)単位なので粗すぎて使い物になりません。電源管理は、アンプのサービスコンセントが、スイッチ連動なので、チャンネルデバイダーの電源はそこから取ります。CX3400は、電源ON-OFF時のミューティングが無く、本来ショックノイズが出ますが、このような接続をすると、AVアンプの電源スイッチの操作だけで、ノイズレスで使用できます。スピーカーコードは、カナレの4S6 ¥60/mを全て同じ長さとして使用します。長さは3m以内がお勧めです。コードの先端は、バラのままで構いません。当然ですが、スピーカー側のショート金具は、外してください。ボリュームは、AVアンプのマスターVRがそのまま使え、ミューティング機能も使用できます。AVアンプの付属リモコンで、フルリモート可能である事と、音質の良さで、ディスクトップモニターとしては、申し分の無い性能です。ヘッドホンは、AVアンプに接続しても、LOW側の音だけしか聞こえませんので、オーディオキャプチャの方で使用します。ヘッドホンでは、大出力パワーアンプよりも、オーディオキャプチャや、CDプレーヤーのヘッドホン端子の方が、直列抵抗が小さく、定電圧駆動に近づき、入力に忠実となります。オーディオキャプチャは、コンデンサマイクが使用できますので、宅録に応用できます。(宅録は、コンデンサマイク2本で、XY録音すると、自然なステレオ録音ができます。)光入力からPC録音をしたり、別システムに光出力することもできます。使用したスリムタイプ光ケーブルは、外径が2.15mmと細いので、じゅうたんの下を通しても膨らまず、スマートな配線が可能です。価格も10m物HK100が ¥1,550 とお手頃です。
平成26年4月まで使用

下は、CX3400を2WAYで使用した場合の歪率特性です。SN比は96dBです。Lowチャンネル50Hzでの特性は、お世辞にも良いとは言えませんが、アンプへの出力は、図の1Vrms以下の範囲ですので、それでも、0.1% はキープしています。1kHz 10kHzは、2WAY仕様時の結果ですので、High チャンネルでの測定です。ピュアオーディオ用としては、物足りませんが、現場で多くの機器を測定していますと、業務用機としての性能範囲を逸脱しているとは言えません。
CX3400歪率特性 2015/06/25

サラウンドが本体の用途である、AVアンプですが、5-1入力を使用して、2chステレオをハイクォリティで、鳴らす事ができます。スピーカーは、2WAYで、スピーカー毎に独立したターミナルがあれば、KEFに限らず使用できます。音に艶がありながら、高解像度という、マルチアンプシステムが完成します。ホーンスピーカーの音を知らなければ、このシステムで、相当なレベルまで使用できます。残念ながら、AVアンプの残留雑音が0.8mVと大きめで、ホーンスピーカーを鳴らすには苦しいのですが、タイムアライメント整合の重要さが簡単に理解できるシステムです。現在では各メーカーとも、測定値は公表していませんが、残留雑音が0.1mVクラスの高性能AVアンプであれば、ホーンスピーカー直結可能です。  KEF同軸2WAY Q15.2 や、他の同軸2WAY DCU-C172PP

AVアンプ本来の機能 バイアンプでの使用
KEF Q15.2による、マルチアンプを上では取り上げましたが、このクラスのスピーカーでは、ネットワークが内蔵されており、チャンネルデバイダー無しで、2台のアンプで駆動する、バイアンプ用端子が備えられています。3WAY,4WAY製品でも、バイアンプに対応したスピーカーがあります。2台のアンプで駆動するメリットは、歪みの低減にあり、チャンデバ無しでも、その効果は有ります。1本100万円超のスピーカー製品でもバイアンプ対応した物があり、フィルターや、調整機材が無くても、スピーカーメーカーが意図する駆動ができます。
下は、手持ちのAVC-1620の出力−歪率特性で、ハイエンドアンプには劣りますが、高級スピーカーを駆動しても、問題無いレベルです。パワーアンプ部は、普通のNFBアンプなので、スピーカーから逆送されるノイズを軽減できます。AVアンプを、バイアンプで使用して、気軽に高音質化するのも一考です。
AVC-1620 F-Lch歪率 2015/05/14

入力感度が高すぎるAVアンプのアナログ入力
 一般に、プロ音響では、ミキサー出力、パワーアンプ入力感度は、+4dB(1.23V)が多く、ホームオーディオでは、150mV〜200mVという入力感度なので、CX3400のようなプロ音響製品を使用するには、ゲインオーバーとなり、残留雑音が目立つようになります。150mV機では、18.3dB、200mV機では、15.8dBオーバーしていますので、その分だけSN比が悪化します。単純に、SN比が90dBという定格であった場合は、実際のSN比は、90-18.3=71.7dBとなります。AVC-1620では、幸いに、アナログ入力感度が、±12dBの範囲で設定できますので、90-(15.8-12)=86.2dBというSN比で運用できます。プロ音響機器を家庭用で使用する場合は、そういったレベル配分にも注意しなければなりません。この点を間違えておいて、B社製品は雑音が多いとかの評価は正しくありません。各社とも、仕様が異なっていますので、購入前に、サイトにある、取扱説明書のpdfをダウンロードして十分確認をする事が大切です。アンプの入力感度は、CDや、DVDで、150mV〜200mVなのに、CDプレーヤーのアナログ出力は2Vです。これでは、完全なミスマッチングで、0dBに近いCDを再生したら、当然入力オーバーで歪んでしまう機器も実在します。これを、測定器で確認して販売している店は、たぶん皆無でしょう。できれば、CDやDVDプレーヤーは、デジタル接続して、そうした問題を避ける方が賢明でしょう。


現在のデスクトップモニターシステム 2017年2月現在

KENWOOD M-AXD7は、改造して使用し、CDレシーバーアンプを低音用に追加

 AVアンプAVC-1620は、本来のTV用として、他の場所で使用することになり、コンパクトな4chアンプを探し、KENWOOD M-AXD7をオークションで購入しました。電源立ち上げは、左上のプッシュスイッチで、手動です。最初は、必ず2ch−BTLで立ち上がりますので、4chアンプとして、使用するには、起動ミューティング解除後に、中央下のチャンネルセレクターを押すという2度手間となり、不便です。改造を行い、ワンアクションで動作するように改造しました。それでも、スイッチ付きタップを手動ON、M-AXD7電源ONと、毎回2段階操作していす。OFFは、電源タップだけの操作です。
KEF Q70は、超低域を改善する為、AR SRT170という16cm2WAYスピーカーをプラスし、CDレシーバーアンプ(1000円で入手)で鳴らしています。DCX2496の設定は、
ch1(SRT170) LR-24 LPF 86Hz φ=INV ch2(Q70 LF) None ch3(Q70 HF) None。
現在使用中システム 
2017/02/23 Q70 3個等間隔配置2014/03/28
M-AXD7は、結構、低歪率です。
2015/04/05
KEF Q70について
 オークションで安価に購入しました。音圧特性から想像する音に比べ、聴感での、低音特性が良いので、3個のスピーカーがアレイ動作をしている事が、その理由として考えられました。スピーカー間隔は、ユニット間隔33cmで、コーン両端で78cmです。ユニット間隔から、1kHz以下は、アレイとして動作しており、低音域が同相で駆動されれば、78cmウーハーと等価な低音となり、しかも、点音源ではなく、線音源として動作しています。従って音圧観測結果よりも、聴感で、低音再生が強力に感じられると推測しました。バイアンプ使用時のクロスオーバー周波数は、210Hzであり、アレイの、干渉動作は1kHz以上なので、十分に低い周波数で使用できています。KEF社の数ある製品中、Q70のみが、16cmコーンスピーカー3個による、ラインアレイを形成していた事となり、奇しくもそれが入手できた事に不思議な縁を感じます。
Q15.2では、2WAY同軸スピーカーとしてのまとまりは、感じますが、低音の躍動感では、Q70の比ではありませんでしたので、現在のディスクトップモニタースピーカーをQ70としました。アライメントずれは、Q15.2では少々有りましたが、Q70のユニットでは、ゼロでした。

Q70は、下図の緑色の特性で、100Hz以下では、小口径スピーカーの弱点が目立ちますが、Q70は、フィルターをかけずに、単純な2分配による、バイアンプ駆動とし、そこへ、86Hz以下のを増強する為に、写真のようなAR SRT170を追加し、マゼンタ色の特性に改善してみました。
16cmユニットの組合せで、40Hzまでフラットな特性となり、別次元の音になりました。。


     2016/12/09

デスクトップモニターシステム リニューアル 2018年8月
DACをPCM1794A搭載した FX-AUDIO-DAC-SQ5Jに更新しました。スピーカーは、KEF Q70を継続使用しています。実測定にて、手持ちのDACの中では、一番性能が良いので、Q70は、自作純A級5Wアンプで通常駆動にしました。このDACは、録音機能が無いので、PCからUA-5に一旦出力し、同軸デジタル接続をしています。SQ5Jは、デジMAXまでスイングしても、歪みが増えないので、重宝しています。ただし、ボリューム機能がDACと、A級アンプ双方に無いので、6連の自作電子ボリュームで音量制御しています。


マルチアンプシステムでソース切換を行うには


 上は4WAYマルチアンプシステムの接続図です。SRC2496で、アナログ系とデジタル系を切り替えて使用しています。アナログ系は、従来の2chステレオと同じく、プリメインアンプのプリ部に、アナログ系の各ソースを入力しています。もちろんカセットデッキや、DAT等もあれば、従来と全く同じ接続にします。プリメインアンプではなく、セパレートタイプの高級プリアンプでも同様です。高級プリアンプの場合、出力は、XLRコネクタによるバランス出力が最近では多くなっており、プロ音響機器との接続が容易になっています。出力電圧は、2Vぐらいが一般的な値のようで、SRC2496で、まだかなりの増幅を行わないと、デジMAXまでの運用ができません。その為、こうした高級オーディオ機器の音がちゃんと生かされないで、SRC2496のOPアンプのウエイトが高まります。一方、プリメインアンプのプリ部でアンプが有るのは、PHONO入力のRIAAイコライザ回路のみで、他は、スイッチによる切換が有るのみで増幅を行いません。元々音質と関係しそうなアンプが入っていないので、SRC2496のアナログアンプが動作することに、諦めがつきやすいでしょう。参考までに、OPアンプJRC4580、DAC旭化成AK4393ハイエンドでは有りませんが、117dBというレンジで、オーディオ用途でも、必要にして十分な性能が確保されていると思います。デジタル出力は、3種類有りますので、AES/EBUは、DCX2496に接続し、残りの同軸、光でUA-5のようなオーディオキャプチャを介してパソコン録音できます。ヘッドホンが使用できますので、深夜などでアンプの電源をOFFにしても音楽を聴くことができます。アナログ入力時のレベルメーターが黄色点灯すると、正弦波でクリップが始まりますので、赤や黄が点灯しないレベルで使用します。光デジタルでは、TVや、DVD映画ソースのように、2chステレオでない信号もありますので、そうした信号は、一旦AVアンプに入れてデコードし、PRE OUTからのFL,FRアナログ信号を使用します。

入力機器間のレベル差について
手持ちのFMチューナーの出力は0.75Vとなっており、SRC2496にアナログ入力して、デジMAXまでの運用が可能です。注意しなければならないのは、AVアンプ使用時、フロント信号のプリアウト出力レベルが不足という事です。手持ちAVアンプは、実測で0.3V程度の出力で不足気味であり、現在販売中のAVアンプ取扱説明書には、プリアウトレベルが明記されていませんので、新品を買い求めての問題解消はできません。こうしたジャンルには、AVプリアンプ(1.2V出力)が有るのですが、MCカートリッジが使用できないのと、恐ろしく高額なので、貧乏マニアには縁がありません。AVアンプは、入力毎のレベル設定があり、非常に便利なのですが、パワーアンプ部が邪魔で、5万円前後のAVプリアンプの発売が待たれます。
レベルダイヤグラム



 デジタルパッチベイSRC2496のアナログ定格入力は、日本語版で、-4dBV〜+22dBuとなっていますが、英語版では、-4dBu〜+22dBuとあり、英語版が正しいと思います。-4dBuは、電圧値では、630mVとなり、FMチューナーSONY ST-SA5ESの定格出力で十分です。アナログ入力は、SRC2496で増幅し、デジタル入力系と同等のレベルにまで引き上げられ、AES/EBUデジタル出力として、DCX2496に入力します。DCX2496からは、DA変換した出力となり、+22dBuというアナログ出力値となります。+22dBuというのは、デジMAXにおける規定アナログ出力よりも小さく、YAMAHAなどでは、+24dBuとしており、内部の電源電圧は最低でも±18V必要で、ベリンガーの±15Vでは実現できません。
6連電子ボリュームでは、4dB表示時に最大出力の2.5Vを出力するように設計しました。ボリューム0dB表示において、アンプの定格出力となるように一番能率の低いスピーカー用のパワーアンプの入力レベルの調整を行い、差分4dBはシステムの余裕です。この4dB分をヘッドルームとう言い方も有りますが、通常のアナログミキサーでは、18dBぐらいです。有名なNEVEのRECアンプは、もっと高い28dB(実測値)というマージンがあります。高いマージンは、接続トラブル時に、危険ですので、パワーアンプに対しては、これほど高いマージンは必要ではなく、4dB程度ならば、極めて適切な値と考えます。従来の100W出力アンプから、小出力A級アンプにシステム変更しましたので、6連電子ボリュームでは、0dBを使用しなくなります。最大出力が4.5Wになりましたので、-14dBまでが、運用可能レベルとなります。実際に、-20dB時で、90dBほどの音圧が出ており、これでも過大音量です。家庭での平均レベルとされる、0.1Wは、VRが-30.5dB時となります。


 下は、DEQ2496とSRC2496です。DEQ2496は、現在デジタルイコライザの機能は使用せず、専ら音量の監視や、リアルタイムアナライザとして使用しています。イコライザ機能を使用する場合は、SRC2496とDCX2496との間に接続します。デジタル信号は、DEQ2496で何も補正しないで通過させても、アナログ信号のような劣化はありません。1,2,3,4という数字の変化は、出力でも、1,2,3,4という数字で出力されるという原理です。デジタル伝送で、光と同軸の音質比べなどの記事を見かけますが、DACの性能が音質に影響する事があっても、伝送経路は音質に影響しません。

上DEQ2496下SRC2496の写真

DEQ2496の音圧レベルメーターとリアルタイムアナライザ(RTA)の液晶ディスプレイ
 
 RTAにて音を常時監視して、TV放送の低域信号が、かなり強調され、FM放送とのレベル差があることが解りました。小型スピーカーでは、さほど問題でなくても、大型スピーカーシステムでは、120Hz以下でも、しっかりと再生するので、レベル差が鮮明になります。特にアクティブサブウーハーでは、超低域で歪みが大きく、TV放送の低音が耳障りとなります。LFEを放送側で+10dBしないで、ブーストして使用するのは、視聴者に任せる方が良いと思います。音圧レベル監視は、dB(C)で行っています。

 マイクは、ECM8000を音量監視やRTAの為、常時、設置しています。

DEQ2496にて補正後の位相特性で平坦ではありません。ブーストで進み、ダウンで遅れます。ピュアオーディオでは、このような位相変位は嫌われます。特にアナログイコライザでは、補正量の誤差がステレオチャンネル間の位相誤差に直結しますので注意が必要です。デジタルイコライザの場合は、左右の違いは微少ですので、問題はありませんが、補正量を多くすると、音の鮮度が損なわれることがヒアリングで確認できます。
DEQ2496のGEQを使用した時の位相変化のグラフ 


16ビットデジタル音源は、レベル低下時に、DA変換波形が劣化しますので、CDのデジタル出力レベルのままDCX2496に入力し、最終のDA変換後のアナログ段階で、ボリュームを絞るのが理想的です。例えば、CDの場合、理想的録音でダイナミックレンジは、96dB有りますが、デジタルイコライザや、デジタルチャンネルデバイダの利得を、平均的な聴取レベルとなるように、30dBダウンさせた場合は、再生できるダイナミックレンジは66dBに減少します。簡単に言えば、音量が小さい方側30dB分の繊細な音が、ホワイトノイズの中に消されて聞こえなくなります。反面アナログ機ではボリュームを絞っても、アンプのSNさえ良ければ、小さな音でも、再生が可能です。このことは、デジタル機でも使用方法を誤れば、アナログ機よりも劣る音が出るという事を意味しています。フルデジタルならば全て良しとする、極端なデジタル信仰は控えるべきでしょう。
 下は、1kHzの低レベル時の正弦波ですが、徐々に音を小さくしていくと-90dBまでは、順調に音が小さくなります。ところが、-92dBになるとそれまでとは違う周波数の歪み音が聞こえ、その状態が-96dBまで続き、-97dBでようやく静かになります。24ビットで、同様のレベルの正弦波を出した場合は、このような聞こえ方はせず、全く静かに音が出ます。これが、
砂を噛んだような16ビット音源の特徴であり、24ビット音源が静かでありながら力強い音も出るという差の原因です。もう一つの例、右側16ビット-86dBの音を、96kHz24ビットにアップサンプリングした場合、24ビットの恩恵はなく、16ビット波形のままで、24ビット化されるので、音質向上効果はありません。CDの場合、90dBを越えるような音圧レベルで再生した場合、音が急速にやかましく感じるようになりますが、アナログレコードでは、そのような限界点は無く、スクラッチノイズによる、スピーカーの破損に気を付ければ、100dBオーバーの大音量再生も可能です。
16ビットでの、低レベル時の正弦波


44.1kHz16ビット 1kHz正弦波 -94dB を96kHz24ビットにアップサンプリング
点の数は増えますが、矩形波のような波形はそのままで、想像した滑らかな正弦波にはならず、変換による音質向上は有りません。アップサンプリング後のGEQ,やチャンネルデバイダにおける、音質劣化を少なくする効果は期待できますが、原音以上の良い音にはなりません。
 24ビット化で点が増えても、16ビット波形のままで、どちらかといえば、矩形波です。

JEITAがハイレゾと定義した、96kHz16ビット 1kHz正弦波 -94dB
ハイレゾの定義を、周波数範囲に広めたいのは、業界の戦略としてわかりますが、16ビット1kHzの正弦波は、ご覧のとおり矩形波であり、24ビット音源でないと、CD同様のざわついた音が再生されてしまいます。


同じく16ビット1kHz正弦波波形 -60dBでもまだ波形が歪んで見えます。-40dBでは、見慣れた正弦波になります。


24ビットの場合は、-92dBはもちろんのこと、-100dBでも正弦波が崩れません。これならば、アナログレコードよりも音が良くなると思います。将来のデジタル音源の24ビット化に期待したいと思います。特にNHK−FM放送のライブ中継などは、24ビットで録音できる最大のチャンスですので、番組表を見逃さないようにしておきたいものです。
FM放送は、FFTで見る限り、帯域が14kHzまで、SN比が50dB台と、お世辞にもハイレゾ音源とは言えないのですが、それでも、24ビット内に収める価値がある大切な音源です。19kHzパイロット信号を一緒に録音しても、聴感上の差し障りはありません。


ハイレゾ(Hi-Res Audio)

 最近、定着した感がある用語ですが、CD音源と比較して、解像度の高い音源という意味で使用されており、44.1kHz16ビットよりも高い解像度であれば、ハイレゾ音源と称するようです。JEITAとオーディオ協会の定義を読んでみました。JEITAの定義で、96kHz16ビットがハイレゾとなっていましたが、CDと同等のビット数では、上の波形中にあるように、やはりCDの音じゃないでしょうか。16ビットでは、サンプル周波数を上げても、低レベルでは、波形が歪んで聞こえます。逆に、44.1kHzでも、24ビットならば、波形歪は起きませんが、機器によっては、可聴帯域まではみ出す折り返し雑音の影響が避けられません。そこで、やはり、96kHz24ビット以上をハイレゾの定義とした方が、無理がないと思います。曖昧な定義を残すことは、又しても、
オカルトオーディオの餌食となる、オーディオファンが続出しそうです。
 検索したサイトで、気になったのは、24ビット、192kHz、96kHz、48kHzと、ビット数が同じで、サンプリング周波数による差を強調した、ブラインドテスト記事で、この順番を判定することは、無理難題に近いと思いました。96kHzと48kHzでは、イの音を聴いていれば、差が感じられても、192kHzと96kHzでは、差を感じる事ができるのか疑問です。この場合、可聴帯域外の高周波音が、脳に与える影響などを持ち出して、解説を試みるのですが、CDなどのデジタル音源に対応したという意味で、100kHzあたりまでの再生特性を要求し、for Digital などの表現のあった一昔前のような解説です。実は、昔のアナログレコードでは、20kHz以上の音がきちんと再生されており、その後のCDでは、そのような帯域の音は、理論的に出せないにもかかわらず、デジタル対応と称して、高周波特性を強調した製品が多くありました。CDが、アナログレコードにとって代わったのは、雑音が増加しないことの利点によるものであり、アナログレコードを細心の注意を払って、再生する技術を持ったオーディオファンの声は、利便性重視に抹殺されたと言えます。
40kHz再生の意味
 オーディオ協会の定義が、アナログ系に求める要件として、40kHz以上の再生とありますが、高周波特性に囚われ過ぎという印象です。特に録音マイクにもそれを求めている点で、有名なノイマン U87Aiといえども、20Hz〜20kHzとあり、無理な要求でしょう。マイクやスピーカーでは、20kHzが、きちんと録音再生できれば、良いと思います。しかし、アンプの場合には、原理上、20kHzでの、位相ズレを少なくする為に、100kHzあたりまで帯域が伸びる必要があると思います。30kHzが入っている、CD4規格のアナログレコードを再生した場合、音のエネルギーは、マイクロホンで確認できても、耳では、何も感じません。FM放送の19kHzパイロット信号も、同じく何も感じません。感じない音(サンプリング周波数に関係)を出してやると言われても、ありがた迷惑で、それよりも、水晶のような透明感のある音(ビット数に関係)が、ありがたいと思います。ハイレゾ音源で、重要なことは、非圧縮で、96kHz以上のサンプリング周波数と、24ビット以上の規格を満たすことでしょう。
特に、ビット数はおまけできませんので、24ビット以上にこだわりましょう。又、44.1kHz16ビットCD規格の音源をアップサンプリングして、96kHz24ビットとしても、ファイル容量が増えるだけで、音質向上は無く、ハイレゾ音源の定義とはかけ離れたものとなります。逆に古いアナログレコードでも、スクラッチノイズが無ければ、96kHz24ビット非圧縮ファイルでデジタル化する場合は、ハイレゾ音源と呼んでも良いかと思います。FM放送では、音源により異なりますが、ライブ中継や、スタジオ録音の場合は、ハイレゾ音源で保存する価値がありそうです。
2015/06/03
アップサンプルと呼ばれる処理で、CDフォーマット,DVDフォーマットを96kHz24ビットにアップサンプリングして、DCX2496に入力し、そのアナログ出力を測定しました。16ビット音源と、24ビット音源の差は明白です。


USBオーディオキャプチャ 録音再生特性
手持ちのUSBオーディオキャプチャでは、UA-5 UA-25 UA-25EXの3種類があります。UA-5は、デジタル音響を理解する為に随分役に立ちました。UA-25は、ノートパソコンにて、野外録音ができるように購入しましたが、その後、改良版のUA-25EXも購入しました。本格的な録音では、01V96V2という、デジタルミキサーを使用していますが、プロ音響では、48k機が多い中にあって、96kHz24ビット動作する、コストパフォーマンスの高い製品です。UA-5は、PCオーディオのの草分け的存在で、3万円台で購入し、デジタル音響の理解を深める為に、随分活躍し、現在でも現役で動作させています。

UA-5
キャノン2入力で、48Vファンタム電源があり、96kHz24ビット動作ができます。同軸、光共に、入力、出力があり、入力は、どちらか一方をスイッチ切替で、出力は、同時出力です。その為、ディスクトップシステム(同軸で出力)と、メインシステム(光で出力)の両方を同時に鳴らせるように使用中です。アナログ入力は、ピークLED点灯(-4dB)と同時に、歪みが増え、芳しい特性ではありません。UA-25、UA25-EXではそのような事がなく、-1dBまでは、使用できます。録音で使用する場合は、必ず-1dB以下とし、その後、デジタルファイルで、増幅すると、歪ませないで最適レベルが得られます。デジタルファイルを増幅する場合は、電気的な増幅では、歪みが増えますが、デジタルファイルでの操作+10dB程度では、そのような歪みの増加はありません。
 UA-5 アナログ入力 ファイルPC保存 ファイルをUA-5で再生 
2015/05/28

100Hzでは、早期から歪みが増加し、1kHzでは、ピークLED点灯と同時に歪み、10kHzでは0.12%まで歪みが低下します。入力ソースは、オーディオアナライザーの発振器で、0.001%以下を使用。
下は、WaveGeneで、正弦波を作り、UA-5のアナログ出力の歪率を測定したものです。違いがはっきり判ります。低域で歪みが多くなりますので、アナログ性能を求めず、デジタル変換のみとするのならUA-5が活躍する場面は今でも多くあります。
2015/05/28

UA-25
2013/11/19
コンプレッサー機能を強化したUA-25EXよりも、クロストーク特性で優れており、FMやアナログレコードの録音には最適です。TRSにてバランス出力できますが、デジタル系は、光の入出力だけで、同軸デジタルは使用できません。以下は録音再生特性で、一旦デジタルファイルで保存して、そのファイルを再生したものです。
2015/05/28
UA-5と同じ方法で、16ビットでの録音再生と、24ビットでの録音再生では、24ビットが有利であることが、良く判ります。
2015/05/28
上は、UA-25で、WaveGeneによるデジタルソースだけを再生したものですが、歪率特性の違いがわかります。更に、ここに、アンチエイリアス雑音が加わりますので、デジタルファイル再生での、96kHz24ビットの優位さが証明できます。
UA-25歪率周波数特性からは、44.1kHz16ビット再生では、高域の改善、96kHz再生では、低域が、UA-5より改善されている様子が判ります。
2015/05/28


YAMAHA 01V96V2 本格的なデジタルミキサーでの、アナログ入力−同軸デジタル出力−UA-5からUSBでPCにデジタル保存、PCからUSBでUA-5へ、UA-5同軸デジタル出力から01V96Vへデジタル入力し、01V96V2 STEREO OUTまでの総合特性
2015/05/28
さすがに、民生用とは違い、直線的に歪みが推移し、ほぼ、80dBというレンジを確保しています。電源トランスのうなり音があり、家庭用には不向きです。


PCM1794A搭載 SQ5J
2018/09/01
再生専用DACで、2018年に入手しましたが、思い通りの性能です。スイッチング電源で動作させています。デジMAX時の出力電圧は、1.82Vrmsです。市販のパワーアンプと組み合わせて、96kHz24ビット PCオーディオを楽しむには最適で、手軽にハイエンドと同等を実現できます。
-120dBの信号も、雑音に埋もれず出力電圧に反映しますので、後は、音源と、高性能アンプのお仕事です。


UA-25EX
 
2015/05/28
UA-25よりも、リミッター、コンプレッサー機能を強化したという、ふれ込みですので、-1dBポイントで、リミッター、Comp1、Comp2と機能を切り換えて測定しました(左側)。過大入力に対しては、期待どおりではなく、歪みが増加しています。右側の、ダイナミックスOFFの方が特性が素直です。ダイナミックスを使用しないのであれば、UA-25の方が特性が優れています。下の歪率周波数特性では、44.1kHz16ビット、96kHz24ビット共に0dB時の歪み増加が無くなり、改善されています。

2015/05/28
アナログ出力で、音を聴きたい場合は、UA-5,UA-25よりもお奨めできます。


常に0dBで運用したいデジタルチャンネルデバイダー

 下はDCX2496 DA変換後の1kHzの波形です。DCX2496では、一番下のLED1個点灯で-40dBなので、右側のノイズに埋もれた波形が出力されます。アナログ入力の場合や、デジタル入力でもチャンネルデバイダ前段でレベルコントロールをしていれば、このレベルでしか使用できないと思います。3個点灯で左側の-10dBの波形ですが、ここまで来れば完璧です。CD音源でも86dBのダイナミックレンジとなり、CDをレコーディングした時の環境を再現するには充分となります。24ビットで処理するからと言っても、入力が-40dBでは、相当にノイズが多くなります。
−10デシベルの波形写真はっきりとオシロに映るが、−40デシベルの波形はもやもやに映る

WaveGeneにより正弦波を作り、DCX2496アナログ出力の歪率特性を測定しました。PC〜(USB)〜UA-5〜(同軸デジタル)〜SRC2496〜(AES/EBU)〜DCX2496〜アナログ出力、右はさらに6chマスターVRへと接続したパワーアンプへの出力
2015/06/03
デジタルであれば、複雑な経路を通しても信号劣化は無いようです。運用レベルを-40dBに下げると、雑音が多くなり、検知可能な60dB以内となってしまいます。


パワーアンプの入力レベル調整
 駆動する各スピーカーの能率差がありますので、使用する帯域毎に異なった入力レベル調整値となります。各帯域のバランスの取り方は、ホーンシステムでは、能率の低いコーンスピーカーを使用しているLF帯域を基準にして、0dB(デジMAX)で、クリップする直前の感度に設定します。今回は、8Ωの抵抗負荷に対して、片ch駆動時の最大出力をオシロスコープで波形を確認しながら設定を行いました。調整値は、200Hz正弦波にて、+31.97dBmで、8Ω時の出力換算では、118Wとなりました。
次は、1オクターブ幅で周波数変調した正弦波を使用して、SLF、MF、HFのレベルを設定しますが、部屋の定在波の影響があり、フラットにはなりません。測定でフラットにしたからといっても、音が最良になるという保証にはなりませんが、各帯域のバランスを取ることが、目的ですので、凸凹を平均化して、フラットになるような調整値を求めます。この時、アナログアンプでは、左右の感度の誤差がありますので、帯域毎にピンクノイズを鳴らして、左右のバランスも取っておくとより完全です。

直近の各アンプの調整値(平成26年11月25日調整)
 HF -8.8dB MF -12.0dB LF -4.6dB SLF -2.6dBです。
 基準とした、LFとの感度差は、HF -4.2dBで、公表されている能率 LF 102dB/W
 HF 106dB/W が反映されています。
 MFとは、7.4dBの感度差なので、102+7.4=109.4 との結果で、能率が公表されていませんが、1インチドライバーのホーンスピーカーとしては、妥当な能率です。
 SLFは、103dB/Wであり、本来ならアンプの感度は、LFより1dB下げても良い筈ですが、実際には、2dB高くしなければなりませんでした。これは、クロスオーバー周波数が、100Hz以下なので、その周波数帯では、SLF用スピーカーの能率が、99dB/Wであるという裏返しとなります。
 
このように、パワーアンプのゲイン設定では、各スピーカーユニットの能率差がよく反映されています。この結果より、ウーハー、スコーカー、ツイーターのレベル設定は、カタログデータを参照しても間違いないということも伺えます。しかし、SLFにおいては、使用するクロスオーバー周波数によって、能率が変わりますので、実測した方が良いとの結論となりました。


マルチアンプシステムの使い勝手を左右するボリュームシステム 6連ボリューム
 マルチアンプシステムで、聴取レベルを変える為に、精密に調整してある、各パワーアンプのボリュームを、その都度で調整することは非常に大変です。プロ用設備では、調整卓のメインフェーダーを操作すれば済みますが、オーディオ用プリメインアンプでは、調整できません。このようなボリュームの問題をクリアするには、DA変換をするまで、レベルを変更しないでイコライザなどの補正処理を行った後、すなわち、DCX2496の出力後の音量を、6連VRを用い、ステレオ2ch分を一括で可変する必要があります。仮に4WAYマルチであれば、8連ボリュームが必要となります。私の場合は、3WAY+2WAYマルチですので、3WAY部分に、6連ボリューム(ALPS RK16816MGA04 \1,470)を使用しました。機能的には、マスターボリュームという名称が適当でしょう。ボリューム抵抗値は、最大減衰量が最も大きい100kΩを使用しましたので、バッファアンプが必要で、廃棄処分予定だったYAMAHAイコライザQ2031AのIC(RC2043SE)バッファアンプを流用しました。残念なことに、現在、アルプス電気の直販サイトでは、このボリュームが入手できず、自作することが不可能になりました。現在では、JRC製MUSE72320や、BB製PGA2311PA、PGA2320といった電子ボリュームICを使用する方法があります。  PGA2311PAを使用した製作記事はこちら

JRC製MUSE72320は、平成25年11月現在、秋月電子通商で、キットが廉価で販売されており、高SN比の電子ボリュームが製作可能になりました。

6連ボリュームとツマミの写真
マスターボリューム常用レベルは9時の位置で-31デシベル

 左は同時に注文したツマミで、D形シャフト用です。ボリューム軸が半円形ですので、市販のツマミではうまく合いません。RAMSAなどの業務用のミキサーツマミなどはこの形状です。ボリューム後部には、駆動用DCモータが有ります。減衰量の連動誤差はかなり有り、相互偏差3dBMAXという規格です。レベルセッティングは、VRを右一杯に上げた時、デジMAX0dBにて、一番能率の低いスピーカーを駆動するアンプの最大出力(クリップ寸前)が得られるようにします。

連動誤差(ギャングエラー)
上のボリュームの連動誤差を測定しました。ボリュームセンターは、最大値から-8dB絞った値ですが、音量的には、到底使用しないポジションで、これ以下の位置で使用する場合がほとんどでしょう。ちなみに上図の-31dBポイントは、グラフの -20 辺りで、連動誤差も比較的少な目です。-20ポイントでの、誤差範囲は、1.3dBで、耳の良い人は検知できると思いますが、実用範囲内と考えて良いでしょう。常用レベルである、-30dB以下で、誤差範囲は 5dB以上となり、相当にバランスが崩れますので、使用できないと考えた方が良さそうです。


以下は、アナログボリュームのクロストーク特性で、OPA2134を使用し、低インピーダンスで駆動していますが、高音域では、このようにクロストーク量が上昇します。緑が、信号レベルで、マゼンタが、隣chへのクロストークです。



デジタル制御電子ボリューム
 周波数特性は、DC〜1MHzまでフラットです。デジタルマルチメーターの測定範囲を越えてフラットである事はオシロスコープで確認できます。100kHz矩形波も怪しい波形崩れは無く、減衰特性、クロストーク特性とも非の打ち所が有りません。
 
写真左側は、平成23年に製作したデジタル制御電子ボリューム1号機です。右側は、平成24年10月に、平衡入力に対応できるように、追加した基板で、PGA2311PAの前に有った抵抗ATTを廃止し、マイナスゲインの差動−シングルエンドコンバータに置き換えた物で、抵抗選別により、高い利得偏差と、高CMRRを実現しました。OPアンプは、OPA2143が、位相補償コンデンサが無いと発振気味であったので、コンデンサを必要としないLME49720を使用しました。これにより、周波数特性DC〜550kHz(-3dB)で、利得偏差0.01dB以内を実現できました。100kHzにおいても、位相ズレが無く、理想的なボリュームとなりました。
2015/06/03
写真のDCX2496にWaveGeneから、正弦波を入力し、マスターVR出力での歪率を測定しました。



6連マスターボリュームが無い場合 固定式アッテネーターを使用
  若干、不自由なのですが、音量変化を大きく求めなければこの方法もありです。



DCX2496が、フルビットで動作するには、アナログ入力においても+22dBmの電圧が必要です。オーディオ用プリアンプや、AVアンプのプリアウトを使用した場合、電圧不足にならないようSRC2496アナログ入力部で、必要な増幅を行います。

XLRコネクタ内部に組み込んだ抵抗アッテネータの写真 

固定ATT

 上の写真では、キャノンコネクタ内部に5.6kΩと1kΩを組込み固定ATTとして、-16.4dBの減衰量を得ています。この分だけ使用できるデジタル量が上げられますので、アナログ変換波形がきれいになります。抵抗2本(20円)で、効果絶大です。キャノンの2番が5.6kΩで、3番が1kΩで、2番の入っていた線を抵抗同士の接続部にはんだ付けし、3番の線を抵抗と並列にはんだ付けすれば出来上がりです。シールドの網は1番に接続し、3番の白線とも接続をしておきます。RCAピン側に抵抗2本を入れるのが、スペース面で無理なので、DCX出力キャノン側で抵抗を入れた場合、5.6kΩ以降にシールド線の容量が入り6dB/octのハイカットフィルタになりますが、シールド線長が2mの場合70kHz以上ですので、問題は有りません。1kΩの抵抗を更に小さくすれば、減衰が大きくなります。ホーンスピーカーシステムの場合ですと、150Ωぐらいが最適地でした。5.6kΩ側は、DCX2496の出力アンプの負荷となりますので、数値をいじらない方が良いです。6連ボリュームと比較すれば、最適動作範囲が狭いのですが、90dBぐらいまでの音圧がターゲットの場合は、実用に耐えられます。又、AVアンプという資源が無駄にならず、そのボリュームやリモコンが使用できます。ところで、直列に入る5.6kΩは、それ以降のキャパシタンスの影響を受け、高域劣化を招きますので、シールド線長は、できるだけ短く(3m以内)、長さもLR同じにする必要があります。


アンプ出力インピーダンスとシールド線キャパシタンスの関係
 アンプの出力インピーダンスは、アンプの用途や、使用素子によって変わります。プロ音響機器の出力インピーダンスは、50Ω〜100Ωで、伝送線路は600Ωが多いです。1kΩは、一般的なオーディオアンプのライン出力で、4.7kΩは、録音出力に多い値です。10kΩは、半導体アンプのボリューム値として多い値です。47kΩは、ハイインピーダンスマイクロホンや、MM型カートリッジの負荷抵抗値です。100kΩは、真空管アンプのプレート抵抗でよく見る数値です。真空管アンプのボリュームでは、500kΩ、1MΩもよく使用されます。


アンプ出力抵抗を変化させて測定しました。
市販3mRCAピンコード

10kΩを越えると、高域での減衰が大きくなります。プリアンプ三極管のプレート負荷抵抗に多い100kΩですと、10kHzを少し越えたところで、-3dBポイントとなっています。真空管式無帰還アンプは、この点に注意して製作しなければなりません。マランツタイプのように、カソードフォロアを付加した場合は、このような高域劣化はしません。アナログ6連ボリュームをバッファアンプ無しで出力すると、ボリュームを絞り込んだ場合このような特性となってしまいます。大がかりなシステムになると、3mくらいのRCAピンコードはよく使用しますので、送り出しインピーダンスを十分に下げる必要があります。それと、左右のバランスを保つのに、同じ長さの接続コードにしないと、思わぬ位相ズレに見舞われる事になります600Ω時の僅かな垂れ込みでも、10kHzで、位相ズレが観測できます。


アンプのコネクタ
RCAピン
民生用で多いのがRCAピンと呼ばれるタイプです。コネクタの脱着頻度が少ない場合、接触不良が起きたりします。アース側が浮くと、逆相感のある、サラウンドのような音になります。心線側の接触不良では、音が歪む、音量が不安定で、時には、出なくなったりします。
基板直付けのピンジャックでは、基板面での半田クラックが故障の大半で、接触状態の悪いプラグや、固いケーブルを接続する際のストレスが原因となります。
寸法が2系列あるようで、筆者がよく使用するカナレF10ですと、良品同士でも、アースが硬く、心線側が浮いてしまい、レベルダウンする現象もあります。そうした場合、アース側が薄くて、ジャックの寸法に馴染みやすいタイプのピンプラグを使用すると良いでしょう。
TRSプラグ
業務用の場合、エレキギターなどでお馴染みのTRSプラグが用いられますが、静止して接続される場合、心線側の接触不良が非常に多く発生します。症状はピンプラグと同様です。楽器等の動きがある接続では、ケーブル側の網が断線して、時々プチッとか、ジー音、ブーンというハム音が出ます。比較的新しいケーブルの場合は、不良部分から10cmぐらい離れた所でカットして、ハンダ付けをやり直します。網が黒く変色していたり、青錆がある場合は、ケーブルが寿命ですので、廃棄します。
キャノン
 一番信頼性が高いキャノンコネクタですが、民生機では、あまり使用されず、ホール音響で使用する、プロ用機器に多く使われています。ネジ止めタイプのXLRでは、このネジが緩みやすいので、1年に1回ぐらいの頻度で、増締めすると良いでしょう。又、ノイトリックなどの、ネジの無い製品を使用しても良いかと思います。普通に屋内使用するのであれば、接触不良のトラブルは皆無です。事故例は、TRSプラグと同じく、高頻度で、脱着を繰り返す場合の、シールド網線の断線、半田付け不良、ケーブルを踏んづけての断線があります。雨水のかかる所では、錆が発生しますので、防水、あるいは、防滴構造の端子盤が必要です。微細な音質にこだわる場合、接点を金メッキで統一するとか、逆に非金メッキで統一すると良いでしょう。金メッキの厚さは、ノイトリックの場合、0.2μmとなっています。
ユーロブロック
 最近コストダウンと省スペースの為に、プロ音響機器の信号入出力に多用されるようになりましたが、信頼性では、はるかにキャノンに劣ります。接続は、ケーブル導体を直付けが本来ですが、導体のバラケ防止の為に、半田メッキなどをした場合に、ネジをしっかり締めておいても、経年劣化による、レベルダウンに見舞われます。バラケ防止をするには、使用導体の太さに適合するフェルールを、専用工具(バリオクリンプ)で圧着する事が推奨されています。圧着の場合、スリーブ部からはみ出すように、ケーブル導体を入れてから行い、導体抜けが起きないように施工します。接続ケーブルが動いて、断線する可能性が有る場合は、べろ付きタイプを使用し、インシュロックで固定する事もできます。施工後、数年経過した物で、-6dBほどのレベルダウンした実例があり、正しく保守点検する必要があります。


DIY初心者向けコーナー
抵抗のカラーコード
は、第1色帯と第2色帯が抵抗の有効数字で、第3色帯が倍率、第4色帯が誤差です。1kΩの場合10x(10の乗)誤差 となります。
0:黒  1:茶  2:赤  3:橙  4:黄  5:緑  6:青  7:紫  8:灰  9:白    銀±10%  金±5%   1kΩ±5%抵抗では、茶黒赤金となります。
150Ω±5% 茶緑茶金  5.6kΩ±5% 緑青赤金です。
金属皮膜抵抗のような±1%誤差 F級抵抗では、色帯が5本有り、抵抗の有効数字が3桁となり、第5色帯は、1%の意味である、茶色となります。
ハンダ鏝は、ヒーターが2種類の電力に対応したプッシュSW付きの物が使い易いです。スポンジ付きハンダごて台に水を含ませ、こて先のカスを掃除しましょう。
古い機器であれば、ハンダは、Sn60%の物を使用して下さい。50%の物はこての引き加減が悪いと、ザラザラの鉛色になりますが、60%物は、光沢があります。比較的新しい機器で、鉛フリーの半田を使用している場合は、それに合わせると良いでしょう。
 リレー交換などを行う時は、ハンダ吸い取り線で古いハンダを除去します。電線を切るにはニッパを使用します。電線の絶縁外皮は、大型のカッターで、中の電線を切らないようにビニルだけを切りますが、円周の一部だけを切り、ニッパで引きちぎるような感じで剥きます。作業は焦げても良い板きれの上で行うと良いです。少し穴など開いていると、工作物が固定しやすくなります。電線と抵抗の接続部は、熱収縮チューブを被せますが、はんだごてで加熱して縮めます。ライターなどの直火は避けた方が良いでしょう。キャノンプラグの扱いは、ノイトリックのホームページのカタログをDLして参考にしましょう。

電線の色分け例
電話ケーブル 1.青  2.黄  3.緑  4.赤  5.紫   スターカッドの場合、1〜5の色の後ろに、白、茶、黒が付きます。例:青白茶黒 黄白茶黒
電力ケーブル 1.黒  2.白  3.赤  4.緑   クシアミと暗記しておきます。
弱電ケーブル 1.赤  2.白  3.青  4.黄   単純に暗記します。
弱電では、白が先であったり、色が先であったり、統一性がありませんでしたが、色線を優先とする考え方が多いようです。
機器内部配線では
赤 プラス電源 コレクター ドレイン プレート
緑 大地アース エミッター ソース カソード
青 マイナス電源 ヒーター電源
黄 ベース ゲート グリッド
茶 交流電源
紫 高圧部
黒 アース   というような色分けです。

キャノンコネクターでは、色線をHOT 無彩色線をCOLD に用いる方が一般的となっていますが、逆であっても、統一性が保たれていれば、何の問題もありません。もちろん音質が変わる事など絶対にありません。不平衡接続の場合は、2番HOTが一般的ですが、アメリカ方式では、アース、コールド、ホットの順番となります。ノイトリック製測定器などで、この順番が実在しますので、知らぬ間に逆相という測定結果を招く事もあります。こだわるのであれば、ウーハーに電池をつなぎ、コーン紙が前に出る場合が正極性です。お手軽な原器として活用すると良いでしょう。この場合、スコーカーでは、ネットワークとの関連もあり、反転している可能性もありますので、注意します。2WAY時のバターワースフィルターでは、6dB/octの場合正・正ですが、12dB/octでは、正・負、18dB/oct 正・正 24dB/oct 正・負となります。リンクウィッツフィルターの場合24dB/octでは、正・正となり、バタワースフィルタ−とは逆になりますので注意してください。

ハンダ付けの正しい方法
 ハンダごてを先にハンダ付け部分に当てて加熱します。加熱したところで、ハンダを溶かします。ハンダが綺麗に流れたところで、ハンダを先に引き、少し遅れてこてを引いて完了です。ハンダ付けする部品は、先にハンダを溶かして表面にハンダが広がった状態でハンダ付けするとミスが少なくなります。これをハンダメッキといいます。このアッテネータ入りキャノンプラグを製作する際の参考にしてください。
ハンダ付け初心者は、餅網の交差部分をハンダ付けして、正しい菱形になるまで練習(これが山水仕込み)して、感覚を掴んでください。ハンダをセメント感覚で塗りつけるのは厳禁です。



この音の違いが判りますか?
コンデンサマイクを使用しての録音ファイルがありますので、ダウンロードして比較してみてください。音源は、リサイクルショップで買ったオルゴール(\450)で曲は、有名な「エリーゼのために」です。録音は、1本のマイクでモノラル録音です。ミキサーは、YAMAHA 01V96V2で、96kHz24ビットでデジタル出力し、編集ソフトで、それぞれのピークレベルを合わせ、時間も18秒に統一してあります。音質を評価する難しさが解ると良いと思います。ちなみに、私は良く判りませんでした。それぞれのマイクの写真をクリックして、違いの判定にチャレンジしてみてください。
 BEHRINGER C2

AKG C3000B

RODE NT2A
いずれのマイクも単一指向性で統一しています。録音は2009年3月27日で、イベントの録音テストを自宅で行った時の抜き出しです。

このページの簡単なまとめ
1.GEQであれ、PEQであれ、周波数特性を変化させると位相が変化するので、ステレオ左右で同じ補正を行い、補正量を少なくすると良い。
2.デジタル部では音量調整を行わず、最終のDA変換後に行うと音質劣化を最小にできる。
3.DCX2496は、運用基準が+22dBmとアナログ機より約20dB高いので、普通の使い方でアナログ機に入力すると、SNが悪化する。デジタル機では、録音感覚で 0dBキープが運用条件。
4.デジタル制御電子ボリュームの初段にマイナスゲインの差動増幅器を使用し、平衡入力と、適切なドライブインピーダンスでPGA2311PAを駆動する事により、0.01dBという優秀な利得偏差を得られた。
5.アンプで劣化の少ない音とするには、ケーブルや、コンセント、プラグの材質よりも、ケーブル長の不揃いや、送り出しインピーダンスの低い機器の組み合わせに関心を持つべきである。



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