スーパーマリオ 魔界帝国の女神

製作年:1993年  製作国:アメリカ  制作会社:日本ヘラルド映画配給 
●スタッフ
監督:Rocky Morton ロッキー・モートン / Annabel Jankel アナベル・ヤンケル 
製作:Jake Eberts ジェイク・エバーツ / Roland Joffe(2) ローランド・ジョフェ 
脚本:Ed Solomon エド・ソロモン / Parker Bennett パーカー・ベネット 
     Terry Runte テリー・ランテ
撮影:Dean Semler ディーン・セムラー 
キャラクター・デザイン:Shigeru Miyamoto 宮本茂 / Takushi Tezuka 手塚卓志 
音楽:Alan Silvestri アラン・シルヴェストリ 
美術:David L. Snyder デイヴィッド・L・スナイダー 
編集:Mark Goldblatt マーク・ゴールドブラット 
衣装(デザイン):Joseph Porro ジョゼフ・ポロ / SChris Woods  
字幕:戸田奈津子 トダナツコ 
●キャスト
Mario マリオ:Bob Hoskins ボブ・ホスキンス
Luigi ルイージ:John Leguizamo ジョン・レグイザモ
Koopa クッパ:Dennis Hopper デニス・ホッパー
Daisy デイジー:Samantha Mathis サマンサ・マシス
Iggy イギー:Fisher Stevens フィッシャー・スティーヴンス
Spike スパイク:Richard Edson リチャード・エドソン
Lena レナ:Fiona Shaw フィオナ・ショウ
●ストーリー
 6500年前、巨大隕石の落下によって、恐竜世界と人間世界が2つに引き裂かれ、絶滅した
と思われていた恐竜は進化し、独自の世界を地下に作りあげていました。そして現代、ニュー
ヨーク、マンハッタンの地底には人間に似た姿形を持つ爬虫類たちが生き続ける恐竜帝国ダ
イノハッタンが建設され、そこを支配する魔王クッパは、地上に逃亡したプリンセスが持つクリ
スタル石を狙っていました。その石には人間世界と恐竜世界を融合する力が備わっていたの
です。その頃、ブルックリンで配管工を経営していた(破産寸前!)マリオと弟ルイージは、ルイ
ージがひと目惚れした考古学を専攻するデイジーと、マリオの恋人ダニエラと共に楽しく食卓を
囲んでいました。その様子を遠くからクッパの手下イギーとスパイクが見つめていました。それ
はデイジーこそがクッパの反乱を逃れたプリンセスだからです。そして、彼らはデイジーと間違
えてダニエラを誘拐し、続いて化石発掘現場でデイジーをさらって行きました。マリオとルイー
ジは恐竜世界と地上とを結ぶワープトンネルへ2人を助けるため飛び込みました。マリオとル
イージは不気味な爬虫類たちが歩くダイノハッタンにたどり着きました。2人が帝国に侵入した
ことを知ったクッパは、親衛隊のグンバ軍団に2人をさがさせました。しかし、デイジーがワープ
する直前、ルイージがクリスタルを手に入れたのでした。とらわれの身となったデイジーは赤ち
ゃん恐竜ヨッシーの力を借りて、クッパの愛人レナに立ち向かったのでした。レナはクッパを裏
切り、クリスタルを使って王位に就こうとしますが、レナはクリスタルの強力な力に死んでしまい
ました。それから、デイジーとルイージはダニエラたちを助け、クッパとマリオが闘っている所へ
応戦に駆けつけました。マリオはボム兵型爆弾を使い、クッパを倒し、街に平和が戻りました。
キノコの姿にされていたデイジーの父は元の姿に戻りますが、デイジーは街の復興のため恐
竜帝国に残り、マリオとルイージは再び配管工に戻りました。数日後、2人の前に現れた戦闘
服姿のデイジーが「またあの世界が大変」だと叫び、マリオとルイージは再び冒険の旅へ出か
けるのでした。
●解説
 制作費50億ドルをかけたファンタジー・アクション映画です。しかし、当時の資料からは、テレ
ビCMなどの宣伝費に4億円をかけて利益が3億円しかなかったそうで、ハリウッド映画にして
はあまりヒットしませんでした。その要因としては次の事があげられる様です。
・実写なので、テレビゲームのビット絵の印象からかけ離れたリアルなキャラクターに違和感が
 あった。
・ギャグが笑えなかった。
・ヨッシーがリアルな恐竜だったので驚いた!
・兄のマリオより、弟のルイージの方が目立っていた。
・ピーチ姫が登場せず、ヒロインがデイジーだった。(しかもサラサランドのお姫様ではなく、な 
 ぜか考古学者)
・敵を踏んでピョンピョン跳びはねるはずが、ホバーブーツを使ってジャンプしていた。
・デニス・ホッパーが悪役を演じていた。(しかも、舌をは虫類のように口からビヨーンと出して 
 気持ち悪い。)
・マリオの本名が「マリオ・マリオ」(しかも、名前と名字が同じ)で、ルイージの本名が「ルイー 
 ジ・マリオ」とは本当か?
 などと、細かく指摘するときりがないのですが、以前ゴジラがアメリカで制作された時に、多く
の日本人がとてもリアルなゴジラに違和感を感じたように、日本人とアメリカ人の感覚というの
はずいぶんと違うようです。
 また、キャストでは、「ロジャー・ラビット」や「フック」などのファミリー映画に多くの実績を持つ
ボブ・ホスキンスが主役のマリオを演じました。彼は外見からしてマリオそっくりで、まさにうって
つけの人物だったでしょう。失礼な話しかもしれませんが、マリオがハゲ頭を隠すために帽子
をかぶっていると長い間噂されていたのは、ひょっとして彼の頭が薄かったからでしょうか?
(実際は、「スーマリ64」でマリオが帽子を脱いでフサフサとした髪を見せたので、噂は消えた
のですが。)続いて、悪役のクッパには「地獄の黙示録」や「スピード」に出演していたデニス・ホ
ッパーがバッテキされました。多くの人たちがなぜクッパが人間の姿をしているんだ?と思った
り、なぜカメではなくてティラノザウルスの子孫なのだ?と思わず首をかしげた人も多かったで
しょう。また、ルイージを演じたジョン・グレイサモは、まだこの頃は若い無名俳優でしたが、今
ではハリウッドスターの中でもかなり売れてきました。この映画に出演して以来、彼は脇役なが
らも「スポーン」や「ムーラン・ルージュ」と言った多くの大作に出演しています。また、ボブとホッ
パーのインタビューが攻略本「SUPER MARIO WARLD」に掲載されているので持っている方は
ぜひ見て下さい!
 このようにかなりの辛口解説でしたが、まあ、何はともあれ、この作品が公開されてから10
年が経過したのでそろそろメイキングバージョンが出ても良いのではとつくづく思うのです。もち
ろん、制作が決定したら、スタッフやキャストのインタビューの入った豪華特典付きDVDで発売
してもらいたいですね!このまま、ハリウッドのボツ映画と決めつけておくのはもったいないと
思うのですが、全国のマリオファンのみなさん、いかがでしょうか?

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