『爺(じっ)ちゃんからの直伝・文化社会学の極意』
「基本的には社会は発展しない。世界のどの地域でも、古代〜中世〜近代〜現代と発展していくと
思ったら、それは大間違いだね。衣食住や技術の面では発展があったとしても、人間の精神構造や
社会構造の基本的な部分はほとんど変わらないんだよ。」
「でも、実際にそのような発展があったんじゃないの？」
「そのように発展したのは、実は西欧だけだったし、それはむしろ例外的な発展だった。ただ、西欧
がたどりついた近代は、普遍的な原理を持っていたので世界中に広まっていったということなんだ。
もちろん、世界のそれぞれの地域は、それぞれの歴史と固有の文化を持っているので、西欧近代の
普遍的な原理は、受容の過程でそれぞれの地域独特の形に変形していかざるを得ないのだけれど
もね。」
「じゃ、なぜ、西欧だけが自発的にそのような発展をしたの？」
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