『爺(じっ)ちゃんからの直伝・文化社会学の極意』


 「それは、結論から言うと、《天職》に成功すれば良いという考えなんだ。」

 「《天職》って何なの?」

 「当時のカルヴァン派の考えの中に、自分の職業は神から与えられたものであり、その職業を通し

て、神の道具として、この地上で神の栄光を増し加えていかなければならないという考えがあった。

その神から与えられた職業を《天職》と言うんだ。」

 「どうして《天職》に成功すれば、救いの確信を得ることができると考えたの?」

 「自分の職業に成功しているということは、それは、神の意思であり、自分は神の道具として神に認

められている。そして、それは救いに予定されていることの証しであると考えた。」

 「じゃ、そのことと、資本主義経済の成立と、どう関係するの?」


     

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