『爺(じっ)ちゃんからの直伝・文化社会学の極意』
「そのことに関して、マックス・ウェーバーの説を紹介してみようね。」
「マックス・ウェーバーってどういう人なの?」
「彼は、19世紀末から20世紀初頭にかけて偉大な業績を残した、ドイツの社会学者であり、経済学
者なんだけれども、彼の『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』という著作を、私なりに理
解した内容をこれから話してみることにするね。彼の言うところによれば、資本主義経済成立のため
の諸条件がそろっていても、資本主義の精神を持つ集団が存在しないところでは、資本主義経済は
成立し得ない、ということなんだ。」
「資本主義の精神って、どんな精神なの?」
「それは、一言で言うなら、目的合理的な精神であり、それと対照的な精神は伝統主義的な精神と
言うことができるね。」
「伝統主義的な精神って、何なの?」
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