『爺(じっ)ちゃんからの直伝・文化社会学の極意』

 「その事件とは、テオドシウス帝が民衆の暴動を、軍を派遣して鎮圧したという事件なんだ。

アンブロシウスは、軍による制圧が限度を超えて残酷であったという抗議文を皇帝に送りつけた。

そして、公式に罪を贖わない限り、教会に入ることを禁じたんだ。テオドシウス帝も8ヶ月間抵抗した

のだけれども、ついに自分の方から和解を申し出たんだ。『カノッサの屈辱』を思わせる事件だよね。」

 「だから、コンスタンティヌス大帝もコンスタンティウス帝も死の直前まで洗礼を受けなかったんだね。」

 「この事件により、アタナシウス派キリスト教が、政治的に完全に勝利し、アリウス派や他の諸宗教を

弾圧するようになったんだ。そして、アンブロシウスは新たに『聖人』という制度を創設したんだ。」

 「『聖人』って何なの?」


  

(2019/4/2)

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