『爺(じっ)ちゃんからの直伝・文化社会学の極意』
「実は、コンスタンティヌス大帝や息子のコンスタンティウス帝はキリスト教優遇策を採ったとは言え、
伝統的なローマの神々をおろそかにするわけにはいかなかった。その頃は、非キリスト教徒の
ローマ人も多かったからね。だから、キリスト教公認という形に留めざるを得なかったんだ。
それに、ニケーア公会議でアタナシウス派が正統とされ、アリウス派は異端とされたのだけれども、
アリウス派の勢力はローマ帝国の東方では依然として根強く、コンスタンティウス帝自身がアリウス派の
共鳴者だった。だから、テオドシウス帝以前は、異教や異端を厳禁するという政策は採れなかったんだ。」
「じゃ、テオドシウス帝は、どうして異教や異端を厳禁するという政策を採れたの?」
「彼の頃には、公職に就いているキリスト教徒の数も多くなっていた。そういった状況において
ある事件がきっかけとなったんだ。」
「その、ある事件ってどんな事件だったの?」
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(2019/3/21)
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