『爺(じっ)ちゃんからの直伝・文化社会学の極意』

 「僕が学校の先生によく言われることは、学校のルールを守ることが大切だというような

ことだけど、やはり、集団のルールを守ることじゃないの。」

 「そうだね、ヤハウェは、誓約連合に加盟した部族の民を神の民として選び、彼らにカナンの地を

与えることを約束する。そして、その代わりヤハウェが与えたルールを遵守することを誓わせるという契約を

結んだんだ。しかし、集団のルールは、次世代へと継承させていくことは難しいことなんだ。

例えば、豚肉を食べてはいけないというルールがあった場合、子どもたちに何と説明したらいい?」

 「みんなで決めたルールなら、その集団内で話し合って、どうしても食べたいなら、

食べてもいいというルールに変えればいいんじゃない。」

 「日本人の考え方ではそうなるよね。聖徳太子の十七条の憲法にあるように、

和やかに皆で話し合えば、全てがうまくいくという考え方が日本の文化の底流にあるよね。

そういう考え方と対照的なのが、神・ヤハウェが決めたことだから、絶対に変更はできないという

原則主義の考え方なんだ。ここが、日本文化とユダヤ教・キリスト教・イスラム教文化の決定的に

異なるところなんだよ。」

 「それでも、ヤハウェは未知の神・外来の神だったんでしょ。そのヤハウェが与えたルール(律法)に

馴染めない人もいたんじゃないの?律法はちゃんと守られたの?」


  

(2018/6/8)

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