『爺(じっ)ちゃんからの直伝・文化社会学の極意』
「文化人類学者・花渕馨也氏の『東アフリカの憑依現象』についての報告によると、
東アフリカのコモロ諸島の住民は、『ジニ』と呼ばれる憑依霊を信じており、
『ンゴマ』と呼ばれる一種のイニシエーションが行われているそうなんだ。」
「『ンゴマ』って何なの?」
「コモロ諸島では、バンドゥー語系のアフリカ系、アラブ系、マダガスカル系、コモロ土着系の人々が
一体化して生活している。従って、『ジニ』と呼ばれる憑依霊も多数存在すると信じられている。
思春期の子供が『ジニ』に憑依されると、シャーマンによる『ンゴマ』と呼ばれる儀式が7日間行われ、
最後に、シャーマンが憑依している霊の名前を言わせることによって終了する。
そして、憑依された者が、儀礼を通じて憑依の振る舞い方を身に付け、精霊との関係を
学習することで、『ワナワリ』という精霊を持つ者の集団に加入することになる。」
「まさに通過儀礼(イニシエーション)になっているんだね。そのようなアニミズムの観念から
神観念の宗教意識、さらには唯一神教の神観念がどのようにして出現したの?」
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(2018/5/28)
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