『爺(じっ)ちゃんからの直伝・文化社会学の極意』
「いや、やはり、旧来の神礼拝に戻ったり、カナンに定着してからは、土地の神を礼拝したりする者が
かなり現れている。」
「それに対しては、どう対処したの?}
「そこで登場するのが預言者なんだ。」
「預言者って、ノストラダムスの大予言の予言者とは違うの?」
「預言者は、神の言葉を預かる者という意味で、私は一種のシャーマンであると考えている。預言者は
イスラエルの民に面と向かって、律法を遵守していないことをなじり、将来、神がイスラエルの民に禍
(わざわい)をもたらすであろうと予言するんだ。」
「そんなことを言ったら、迫害されて殺されてしまうんじゃないの?」
「確かに、ほとんどの預言者は、迫害されている。」
「そんなことは予測できることなのに、なぜ、預言者たちはイスラエルの民に面と向かって律法遵守を
叫んだの?」
「彼らも、どうなるかは分かっていたんだ。だから、ほとんどの預言者は、預言者になることから逃げよ
うとする。しかし、神の霊にとらえられてしまい、神の言葉を言わざるを得なくなるんだ。」
「それって、どういうことなの?」
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