『爺(じっ)ちゃんからの直伝・文化社会学の極意』
「そうだね。軍の編成権などは、実は内閣の補弼(ほひつ)事項であり、何ら統帥権の干犯ではなかっ
たのだけれども、彼らは、これは使えると思ったんだろうね。そして、海軍の青年将校や国粋主義者な
どが盛んに統帥権干犯であると政府を攻撃しだした。そのような状況の中、浜口首相は東京駅の構内
で、国粋主義者に至近距離で撃たれてしまった。即死ではなかったけれども、その傷が元で翌年命を
落としてしまう。」
「次の首相には、誰が就任したの?」
「ロンドン会議の全権だった若槻礼次郎が首相になったのだけれども、すぐに柳条湖(りゅうじょうこ)
事件が起こり、1年ももたずに閣内不統一で総辞職してしまう。」
「柳条湖事件ってどんな事件だったの?」
「柳条湖事件とは、満州事変の発端となった事件で、1931年(昭和6年)に関東軍の謀略によって起
こされた南満州鉄道爆破事件なんだ。」
「関東軍はなぜそんなことをしたの?」
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