『爺(じっ)ちゃんからの直伝・文化社会学の極意』


 「皆で話し合って物事を決めていくというやり方は、ボトムアップ型だよね。ボトムアップ型は、平和で

特に大きな問題がないときは、うまくいくと思う。しかし、社会秩序に大きな矛盾を抱えたときや、深刻な

外圧を受けたときなどは、社会が混乱するだけで課題解決ができにくいというマイナス面がある。その

ようなとき、日本人離れしたトップダウン型の英雄が現れて何とか課題解決に向かったとしても、その

英雄は民衆に受け入れられずに非業な最期を迎えることが多い。

 また、話し合うのは、自分たちが所属する共同体内で行われる。したがって、話し合いの結果、その

共同体内で正しいとされたことが共同体の外にいる人々の人権を損ねてしまうということが多々ある。

そして、日本のこのような共同体内の和を大切にした話し合いの文化は、社会に一旦できてしまった空

気に対する抵抗力が非常に弱いというマイナス面がある。」

 「じゃ、どうすればいいんだろう?」


 
     

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