『爺(じっ)ちゃんからの直伝・文化社会学の極意』
「当時のユダヤ人の社会には、裁判において人を死刑にする権限が与えられていなかった。そこ
で、ローマ人の総督による裁判で死刑にしてもらおうと思ったんだね。」
「ローマの総督ピラトは、はじめ、イエスは無罪だと思ったんでしょ。なぜ、イエスはローマに対する
反逆者であると判断したの?」
「それはね、ユダヤ人たちがイエスを十字架にかけろと騒いで、暴動になりそうになったからなん
だ。だから、有罪判決を出さざるを得なかったんだよ。暴動が起こっては、自分に統治能力がない
ことを示しているようなものだからね。イエスは、ローマに対する反逆者として十字架刑に処されて
しまった。
「ユダヤ人たちは、どうして十字架にかけろと騒いだの?」
「人間というのは、相手に期待していたものが大きければ大きいほど、期待を裏切られたと感じた
時、その人に対する大きな憎しみを持つ傾向がある。この場合がまさにそれだった。」
「普通、教祖様が処刑されたりしたら、その宗派は解散して終わりじゃないの?なぜそこから世界
宗教へと発展していくことになったの?」
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