『爺(じっ)ちゃんからの直伝・文化社会学の極意』
「正三の思想は石田梅岩(いしだばいがん)という人を通して普及することになる。」
「石田梅岩ってどういう人なの?」
「石田梅岩は、1685年(貞享2年)に丹波国桑田郡東懸村、現在の京都府亀岡市に百姓の次男と
して生まれている。当時、百姓の次男・三男などは商家の丁稚奉公(でっちぼうこう)に出るのが普通
で、梅岩も11歳の時に丁稚奉公に出て商人になった人なんだ。35~6歳の頃、在家の仏教者の小栗
了雲(おぐりりょううん)と出会い師事する。42~3歳の頃、商家を退職し、了雲が亡くなった1729年
(享保14年)、梅岩45歳の時に、無料の講席を自宅の一室で開いた。」
「小栗了雲の影響は大きかったの?」
「梅岩が思想家として歩むことになる、きっかけにはなったと思うけれども、それ以上ではなかった
と思う。梅岩という人はかなりの読書家で自学自習の人だったようだね。そして、自ら考え、自分の思
想を述べる、独立的な思想家だったようだ。」
「じゃ、梅岩と正三の関係はどうなの?」
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