『爺(じっ)ちゃんからの直伝・文化社会学の極意』


 「義持・義量の代に、将軍の権威はかなり弱体化してしまった。そこで、義教は将軍直属軍である

奉公衆を再開する。そして、その軍事力を維持するために財政基盤を確かなものにしようと、義持が

やめていた日明貿易を再開する。

 また、守護大名などの家督争いに介入し、自分の意に沿う者がその争いに勝利するようにして、将

軍権力を強化しようとした。

 それから、料理がまずいと言って料理人を殺したり、自分を見て笑ったというだけで、その公家の所

領を没収したり、自分の意に沿わない者が主催した宴会に出席したということで、出席した者たちを

処罰したり等々、人々を恐れさせることによって支配しようとする恐怖政治を敷くんだ。」

 「それは成功したの?」

 「支配権の及ぶ領域を広げたということでは、一次的には成功したと言えると思う。九州北部を制圧

し、義教に敵対した鎌倉公方(くぼう)の足利持氏(もちうじ)を倒し、比叡山延暦寺を焼き討ちして支

配権を拡大した。」

 「宗教組織まで攻撃したの?」

 
     

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