人は,弱い生き物です。身体的にも精神的にも。一見,強そうに見えてる人も,実は,何かに依存して
いるに過ぎません。例えば,何らかの宗教団体の神とか,政治団体のイデオロギーとかに依存して虚
勢を張っているので強そうに見えるだけに過ぎません。一皮むけば,その人も弱い存在に過ぎません。
特に,人は自分の死に対して,強い不安や恐怖を感じています。その弱みにつけ込んで,信者から財
産を搾り取っている宗教団体もあるようです。
では,どうすれば良いのでしょうか。まずは,人の心というものは,何かに依存しつつ成立してきたも
のであることを自覚しておくことでしょう。母親への依存関係,家族への依存関係,その他,その人にと
っての重要人物への依存関係,そのような人たちが無自覚的に身に付けていた日本の伝統的な文化
を,彼らを通して吸収してきたという,日本文化への依存関係。そのようにして形成されてきた自分の精
神の生活史をできるだけ自覚するようにしましょう。
そして,自分の心を再確認できる場を複数持つことです。自分の居場所作りを意識的に行うのです。
それが一つだけだと,それが失われたときの精神的喪失感が大きくなるので,できるだけ複数作ってお
くといいと思います。
確かに,死は不安で恐怖を感じさせます。しかし,いつ死んでも悔いのないように,今のこの生を充実
させながら生きていれば,その不安や恐怖を乗り越えられるのではないでしょうか。死があるからこそ,
今のこの命を感謝して生きていけるのではないでしょうか。
(2022/8/1)-18-