プーチンは時代錯誤も甚だしい。彼は好んで歴史を学んだと言われているが、歴史を学ぶということ

は、現代へと流れている歴史の流れを理解することによって現代の状況を正確に把握するためであっ

て、自分の好むように歴史を繰り返すことではない。彼は、ピョートル大帝やエカチェリーナ2世と同一化

し、自我を異常に肥大化させ、ソ連時代の版図を再現しようとしている。アメリカが、テキサスやカリフォ

ルニアやハワイを奪取した時代と現代は、国際状況が全く変わっていることが、彼には見えなくなってい

るのだと思う。ジョージアやクリミア半島における成功体験によって、現実を見る目を失ってしまったのだ

ろう。ソ連時代の専制的な支配を嫌うウクライナやポーランド、バルト3国の人々の心を読み間違ってし

まった。また、西側諸国がこれほどまでに結束するとは思いもよらなかったのであろう。彼の肥大化した

自尊心は、引くに引けない状態になっている。追いつめられると、生物・化学兵器や核兵器に手を出し

てしまう危険性がある。彼に逃げ道を用意し、一旦は停戦合意に持って行き、あとはロシア国民の良識

に委ねるしかないのではないかと思う。

        (2022/3/23)

         

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