人間は、誰かから褒められたい動物なのかもしれない。それは、<自己>というものが不安定で、
安心のためには誰かから肯定してもらう必要があるからである。乳児期に、自他未分化だった状態
に戻りたい、あるいは、母親の優しい眼差しによって肯定されていた頃に戻りたいという無自覚的な
願望があるのではないかと思う。
ユダヤ教・キリスト教文化圏では、父親からの肯定が優先されているようである。父親の代わりに
父なる神による義認を得るということが、キリスト教でも、イエス・キリストによる赦しの前提となってい
る。
確かな世間があり、そこに属することにより、<自己>を肯定してもらうということができなくなって
きている。また、絶対的な唯一神を信じることも難しくなってきている。そのような中で、不安定な<自
己>をどうしたらいいのか。まずは、それが不安定なものであることを認め、それに耐えていくしかな
いのではないかと思う。そして、どのように<自己>が形成されてきたのか、自分の歴史を振り返り、
できるだけ自覚して、今後の自己形成をしていくしかないのだろう。乳幼児期の自己形成には、自分
の社会の文化が大きく関与しているので、日本の歴史、そしてそれと比較するため、また大きな流れ
を把握するため世界史も知る必要があるだろう。
日本では、世間が崩壊しつつあるので、趣味のサークルなどに参加するのも、不安定な<自己>
の不安定さを和らげる一つの方法であると思う。そして複数のサークルに参加した方が良いと思う。
座禅を組むのも、非常に有効であると思う。私は、毎日40分ほど座禅をしている。
(2021/4/26)-13-