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さて皆様、私はだいたい5:00AM過ぎに入院し、6:00AM過ぎ頃に分娩室に入ったのですが、
それからどれくらいの時間で出産したと思いますか?
助産婦さんが言いました。
「宝塚さん二人目だし、たぶん7:00AM頃までには生まれるんじゃないかなー。」
(え~~~!?!?ホント~~~~!?!?いくらなんでもそんなに早く~~~~~!?あ、陣痛来た!!)
「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
心に疑問を抱きつつ、陣痛とともにいきむ私。ときどき産道に指を入れて、赤ちゃんの状態をみる助産婦さん。
そのうち助産婦さんが「よっ。」と言って、何かを引っ張ったような気がしました。
同時に「ぷつっ」と羊膜が破れ、暖かい羊水がさーっと流れ出してきました。
「これで産道が滑らかになるからね。赤ちゃん、出てきやすくなるよ。」
と助産婦さん。
前回は自然に破水しましたが今回はなかなか破水しなかったので、助産婦さんが手で羊膜を破ってくれたのです。
これを「人工破水」といいます。6:38AMでした。
大きなライトの下で、助産婦さんが赤ちゃんの様子をみてくれています。
「おー、上手い上手い。動いてるよ。」
「えっ?動いてるの、わかるの?」
「うん、ほら(と言って指を産道に入れ)、またぐるっと回った。降りる道をさがしてるんだねー。
赤ちゃん、どういう向きで降りるのが一番いいか、まるでわかってるみたいだね。」
「!!!」
凄い!!凄すぎる!!
赤ちゃんは母親のお腹の中ででんぐりがえしをしたり、指をしゃぶったり、
へその緒で遊んだりしてるってのは知ってたし、産道を回りながら降りてくるってのも知ってたけど、
それってはじめから道が決まってるんじゃなくて、
赤ちゃんが自分で考えて探して降りてきてるかもしれないものだなんて!!
(やるじゃん!!赤ちゃん!!)と感動しつつさらに数回いきんだ後、
「あと2回くらいもいきめば生まれるみたい。」との助産婦さんの連絡をうけて、E先生が登場。
(ホントか!?おい!?!?)と思いつつ、さらに
「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
といきむ私。
ふと助産婦さんのなにやら不振な動きを感じ、途中で力を抜きました。すると横についていた補助の助産婦さんが、
「あ、今力抜くと痛いよ。会陰切開するから。いきんでいきんで。」
と言うじゃありませんか。メインの助産婦さんも
「あー、今いきんでてー。あわせて切れば痛くないから。」
なんて言うのです。前回の悪夢が蘇り、急いで力を入れる私。
陣痛よりも少し長めにいきんで恐る恐る力を抜くと、もう切開は終わっていました。
(すごい!全然痛くない!!)
とすると前回のあれは、一体なんだったんでしょうか。
その後少しして赤ちゃんの頭が見えました。
そして先生がお腹に手を置いてぎゅ~~~~~~~とすることもなく、6:57AM、赤ちゃんが生まれてきたのです。
助産婦さんの言ったとおり、7:00AMまでに生まれましたね。
「宝塚さん、女の子だー。おめでとう。」
「ほんと!?やったー!!!」
と、まるで元西武ライオンズのデストラーデ選手のようなガッツポーズを、寝たままする私。
「えー?宝塚さん、女の子欲しかったのー?すごい喜びようだー。」
「上、男の子だし、実家の方じゃ30何年かぶりの女の子だしさー。はー、そっかー、女の子かー。」
などと言っているうちに胎盤娩出。と助産婦さんの「あれ?」と言う声。「?」
「あー、シンケッセツだー!!!初めて見たーーー!!!」
「シンケ‥‥‥‥‥???」
「うん、ほら。」
そう言って高々と持ち上げられた今出てきたばかりのへその緒は、一ケ所ぐるっと玉結び状態になっていました。
お裁縫の時に、針に糸を通してから糸が抜けないように糸のお尻を玉に結びますね。
へその緒の途中がああいう状態になっていたのです。
「こんなふうに真結節(シンケッセツ)になってるとさ、胎盤が小さくてへその緒の短いお母さんだと、
へその緒を酸素が通らなくて、赤ちゃんが窒息して死んじゃうこともあるんだよ。
たまたま宝塚さんの胎盤とへその緒が大きくて立派だったから良かったけど。
宝塚さんの赤ちゃん、運が強いねえ。」
「!!!・・・・・・・・・・」
私は、今お産を終えた脱力感と、ひょっとしたら無事に生まれてはこなかったのかもしれないという思いから来る脱力感と、
脱力感をダブルで感じていました。
はあ、生まれた生まれた、とにかくよかったですね。一安心です。では、お産の後の話はまた次にしましょうね。
(2000/1/7)


