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さて、私は平成4年6月4日、長男ムスコを出産しました。出産したのは実家の近くのM総合病院です。
その日、3:30AM頃の事、トイレに起きた時に薄いピンク色のおりものがありました。
「ほほう、これはいわゆる”おしるし”というものだな。
ということは、2〜3日中にお産が始まるかもしれないということか?」
とマタニティー雑誌で仕入れた情報を思い出し、少々緊張を覚えたものです。
そのまま布団に入りましたが、身体の奥に痛みともなんとも説明しがたい刺激を感じました。
でも眠っちゃいました(←‥‥‥‥)。
とはいえ熟睡できるはずもありません。
5:30AM頃からは気持ちがそわそわして、布団になんか入っていられなくなりました。
もともと普段から生理痛のひどい方なんですが、ふと気付くとその生理痛のようなものがあるじゃありませんか。
ただ不思議な事に生理痛程痛くはなく(実際この時は”痛い”とは思いませんでした)、時々「休み時間」があるのでした。
まさかこれが「陣痛」の第一歩だとは、このときは想像もしませんでした。
だって雑誌には、「”おしるし”から2〜3日でお産が始まる事がある。でも始まらない事もある。」とは書いてたけれど、
「その日のうちに始まる事もある。」とは書いてなかったんですからね。
そんなわけで”生理痛”がだんだん強くなってきて、「もしかしてこれは”陣痛”じゃないのか?」と思った時には、
陣痛の間隔はすでに10分を切ってしまっていました。
これが初産に臨む妊婦にとってどれだけデンジャラスな事か、出産経験のある方はお分かりいただけるだろうと思います。
なぜなら「陣痛が10分おきになったら病院に電話、入院する。」というのが初産の常識だからです。
この「10分おき」というのは「毎回きっかり10分おき」という意味ではありません。
人間はロボットじゃないんですから、8分おきだったり11分おきだったりします。
だいたい平均してみて「10分おき」と考えるのだと覚えておきましょう。
さてこの頃になると陣痛のある間は普通に正座をする事が出来なくなっていました。
座卓のふちに掴まって、剣道やおすもうの前にとる「そんきょ」の姿勢をとるのがラクでした。
今「ラク」と書きましたが、はっきり言っちゃうとそれ以外の姿勢なんて、すでにとれる状態ではなかったのです。
しかも私ときた日には、「そんなになってるのになんでもっと早く電話してこないのっ!?!?」
と看護婦さんに怒られるのが恐かったのと、なるべく正確に陣痛の間隔を掴みたかったのとでもたついてしまい、
やっと病院に電話をした8:00AM過ぎ頃には、陣痛は短い時だと4分おきにまでなっていたのでした。
OH!No!!
でも今さら慌てるわけにもいかないし、かといって正直に言ったらますます怒られそう・・・・。
で、小心者の私は電話の向こうの看護婦さんに、
「・・・今、だいたい7〜8分おきぐらいです・・・。」と言ったのでした。
ところでここで疑問が生じる方もいらっしゃることでしょう。それは、
「里帰り出産なんでしょ。陣痛が始まってるのに親は気付かなかったの?」という事だと思います。
陣痛が未明に始まってちょうど朝食時にかかっていたこと、私が「痛い痛い痛い」と大騒ぎしないタチである事、
そして何よりどんな深刻な事でも「照れくさいからついはぐらかしてしまう」というもって生まれた性格のせいで、
7:30AM過ぎ頃に「あのさー、ちょっと思うんだけどさー、これってもしかして陣痛かなーと思うんだけどー。」
と「そんきょ」の姿勢のままでポソッと言うまで、娘に陣痛がきている事に親ははっきりとは気付かなかったのでした。
ともあれそんなワケで8:30AMの受け付け開始時に父の運転で母と共に産婦人科病棟に入りました。
実家から車で1〜2分という近い距離に病院はありました。ありがたやありがたや。
さあ、いよいよお産だ!と思うでしょ。いいえ、まだまだ。初産ですよ、初産。
では病院に入ってからいったい何があったのか。次号をお待ち下さい。
(♪ちゃららっ、ちゃらららっ、ちゃ〜ら〜〜〜〜♪by”火サス”)
(99/12/7)


