絵画療法の理論と実際 -子どもの絵は心の表現
「あーちゃん,なに描いているの?」
「ゾウさん。」
「ゾウさんならお鼻が長いでしょ。ずいぶん短いんだね。」
「これでいいんだもん。」
「もっと長く描かなきゃ,これくらいに・・・・。」
母子の間で,子どもの絵を囲んでこんな会話が,よく交わされます。
心の交流をすることは大切なことですが,たまたま子どもが表現したいと
考えていることにケチをつけたり,飛躍しようとする心にフタをしない
ように,十分注意したいものです。
「あーちゃんの絵,ずいぶん下手なのね,お父さんに似たのかしら。」
「お母さんの子なら,もっと上手なはずなんだけど。」
「やっぱりだめね,先が思いやられるわ。」
などとたびたび言われると,信頼している父親もだめ,自分もだめ,
くさしている母親もだめ,みんなダメ人間になってしまい,創作意欲,
表現意欲が抹殺されるばかりか,ストレスがたまって憂さ晴らしの
はけぐちを弱いものいじめに求めるかもしれません。
「人はなぜ働くのか?」「なんのために生きるのか?」
という問題も,やさしく言い換えると,自己表現をしたい,自己実現
をしたいなど,心の表現をしながら,いきいきと働くことを楽しむ,
ということでしょう。
子どもの絵をとおして,よき話し相手になりましょう
さらに深く知りたいですか。
はい,さらに深く知りたいです。
いいえ,もう,結構です。