「誕生日はイルカ先生のうちで、俺がご馳走を作りますね!どんな料理かは秘密です〜腕によりを振るいますんで、楽しみにしていてください!」
「いや、そんな気を遣わなくても・・・」
「気は遣ってません!俺がそうしたいんです!!」
何を準備したらいいかな、ケーキとワインと・・・クラッカーとかもいるかな・・・・
嬉しそうにぶつぶつと独り言ちるカカシに、イルカは笑顔を浮かべながらも戸惑いを覚えた。
こんなに嬉しそうな顔をして・・・俺の誕生日の計画を立ててくれているのに・・・それは嘘じゃないと思うのに・・・
イルカはハアと溜息を吐く。
イルカはちらと壁時計を見遣って、一回深呼吸をしてから言った。
「カカシ先生・・・・今日はもう遅いですし・・・泊まっていかれるんですか?」
言いながら少し頬が赤くなる。何だか誘っているようにも聞こえる。いつものカカシだったらこんなこと訊かなくても答えは決まっている。それなのに。カカシは頭をガシガシと掻きながら、あ〜・・・と言い淀んだ後、
「今日は帰ります。明日早くからちょっと用事があって・・・ごめんね、イルカ先生?」
困ったように笑顔を浮かべた。
「そうですか・・・」
イルカも落胆する心を取り繕うように、作り笑顔を浮かべる。そうなのだ。誕生日を間近にして、カカシの様子が変なのだ。変と言っても挙動不審なわけでなく、今日のように次の日に用事が、任務が、と言ってイルカの家に泊まらなくなってしまったのだ。そんな事今までなかった。
「また来ます。おやすみなさい、イルカ先生。」
カカシはイルカの唇にチュッと軽い口付けをすると、急いでイルカの家を出て行った。
何で帰るんだろう・・・あんなに急いで・・・前は帰れといっても帰らなかったくせに・・・・
考えたくも無い嫌な想像が頭の中を勝手に過ぎる。イルカはそれを払うように頭をブンブンと振りながら、
「カカシのばかやろー・・・」
一人ぼっちの部屋でポツリと呟いた。
誕生日を待ち遠しいと思う気持ちは何時の間にか萎んでしまっていた。
三日目終了 四日目へ
おまけ
カカシ先生の様子がいつもと違う事に悩み気味なイルカ先生・・・。イルカ先生は一人寂しく取り残された部屋の中で・・・!?
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