何処か浮かないままのイルカ先生は・・・・
カカシ先生、どうして泊まっていかないんだろう・・・
イルカはベッドの上で寝転がりながら、一人溜息を吐いた。泊まっていかないからと言って、勿論セックスを全くしなくなったというわけではなく、カカシが帰るまでの間に睦みあう事もある。しかし回数は断然減った。今までは毎日求められ、しかも一日に三回はしていた。更に言うなら三回は最低限の回数だ。正直体がもたないと、イルカにとっての悩みの種であったが、それがどうしたことか。今その悩みが解消されたというのに。今のセックス回数が一般で言う普通程度だと思うのに。
いつもと違うと、何か不安になるな・・・
目覚めた時カカシが隣にいない朝は酷く寂しい。いつもは感じる背中の温もりが、自分の体に回された腕が、耳元をくすぐる安らかな寝息が。イルカ先生、と寝惚け眼で鼻先を擦り付けてくる愛しい人が。イルカだけを置き去りにしている。
こんな狭いベッドで大の男が二人でくっつきあって眠るなんて・・・暑苦しいんですよ!
カカシがイルカのベッドに潜り込んでくる度に、イルカはうんざりと怒鳴りつけたものだ。そして銀髪の男もその度ごとにいけしゃあしゃあと、
「え〜俺はイルカ先生とくっつきあっていないと眠れません〜」
と嫌がるイルカにわざとぴたりと身を寄せてくるのが常だった。それなのに。
「なんで泊まっていかないんだよ・・・」
ひょっとして飽き始めているんだろうか・・・?
そんなことをふと考えて、イルカは顔を曇らせる。セックスの回数が減った。それはカカシが自分の体に飽き始めている所為かもしれない。イルカは至極真面目にそう思った。それは常々感じていた事だった。カカシはセックスが上手い。セックスだけじゃなくキスも。その上臭い台詞を臆面もなくサラリと吐く。
「イルカ先生、愛してる・・・俺が世界で一番、宇宙で一番、誰よりもあんたを愛してるって自信をもって言えます!あんたの俺を見つめる瞳が、俺を呼ぶ声が、俺に向けられる柔らかい笑顔が・・・全部俺の宝物ですよ。」
それに対し、イルカは顔を真っ赤にするばかりで、「よくもまあ、そんな気障な台詞を・・・」と呆れたように呟くだけで、何も応える事が出来ない。セックスにしてもそうだ。どうしても恥ずかしさが勝って、カカシの要求に応えてあげる事ができない。本当は毎回は無理にしても・・・少しくらいは応えてあげたいと思っているのに。
今からじゃもう遅いのかな・・・・
イルカは自分の股間にそっと手を伸ばした。カカシは最近ずっと自分が自慰をしているところが見たいと言っていた。とんでもない、と思った。そんな恥ずかしい事、とんでもないと。死んでも嫌だと思ったが、今ならば見せてもいいような気がしていた。
「カカシ先生・・・・」
イルカはカカシの名を呼びながら、自分のものをゆっくりと扱き出した。目の前にカカシがいて見ているような気がした。すると腰の辺りが突然甘く重く痺れた。イルカはその衝撃に煽られて、扱く手を激しくした。
イルカ先生・・・・もっと足を広げてこっち見て・・・
すごくやらしくていいよ・・・・ね、俺のもしゃぶって・・・・だって、我慢できない・・・いいでしょ、ほらあーんして・・・
イルカは扱く手を止めぬまま、片方の手の指を自分の口に差し入れた。その指先に一生懸命舌を這わせ愛撫する。これはカカシのものだ。口の中にあるのはカカシのものなんだ。そう思うことによって興奮は増した。指を舐め上げる舌先はぴちゃぴちゃと唾液に濡れた音を立て、手の中に握られたペニスは溢れる淫液にぐちゅぐちゅとぬかるんでいる。
ん・・・イルカせんせ・・・・・いい?出すよ。
「カカシせんせ・・・あ、ぁあっ、あぁぁあぁぁ・・・・・っ!」
イルカは想像の中でカカシの精液を口で受け止めながら、自分の前から白濁した汁を勢いよく撒き散らしていた。
今だったら・・・なんだってしてあげるのに・・・
荒い息を吐きながら、イルカはぼんやりと思っていた。
イルカ先生、判断力が鈍っています。