●プロローグ〜マリオを救え!〜
ファミコン大好き人間のボク。いつものように、学校から帰ると、オヤツもそこそこにファミコン
のスイッチをON。カセットはもちろん、大人気の「スーパーマリオブラザーズ」さ。クリボーやノ コノコは簡単にクリアしたし、ゲッソーもプクプクもやっつけた。ウーン、今日はとっても調子が いいぞ。これなら自己新記録も夢じゃない。
と、その時!! 突然、テレビ画面に異変が・・・・・・!! 敵キャラはもちろん、大好きなマリ
オまで消えてしまったんだ!
あれっ!?何かまちがった操作をしたかな・・・・・・? それとも、誰も知らなかった隠れパタ
ーンなんだろうか・・・・・・? あまりにも突然の出来事に呆然として、コントローラーを握りしめ たまま、何も映っていない画面を見つめていた。こんな事は今まで一度もなかったんだ・・・・・。
その時、ボクの頭の中に、誰かの声が飛びこんできた。何か、追いつめられたような、苦しそ
うな声だった。「SOS・・・・・・SOS・・・・・・私はマリオです。敵に捕まってしまったんです! 私 の声が聞こえますか? もし、私の声がキミに届いているのなら、どうか私とピーチ姫を助けに 来て下さい。キミの力を借りたいんです!!」
声の主は確かにマリオだった。何でマリオがボクに助けを・・・・・・? それに、助けてあげたく
ても、いったい、どこにどうやって行けばいいのだろう?
次の瞬間、ボクは体が宙に浮くような感覚に襲われてフッと意識を失った。何が起こったん
だ・・・・・・・!!
気がつくと、まるで別世界に立っていた。注意深くあたりを見回した。
「どこかで見たことがあるゾ!」ーな、なんとそこはキノコ王国だったのだ。ゲーム世界の中へ、
つまり「スーパーマリオブラザーズ」の世界へ入りこんでしまったのだ!!
これから先は読者自身が、バトル表を元に敵キャラ達と対戦し、物語を展開していきます。
●プロローグ〜ルイージの大冒険〜
ボクは、マリオの弟、ルイージ。兄貴に比べると、ちょっとオッチョコチョイ、なんて言う人もい
るけど、ジャンプ力には自信があるんだ。
兄貴のマリオは、ちょっと骨休みの旅に出かけていった。僕に、「くれぐれも留守中のことは
お前に頼んだぞ」と言い残して・・・・・・。その気になれば、ボクだってクッパの1人や2人、なん て思ってたその時だ!!
大変な事になってしまった。ピーチ姫が、またもやカメ族の手に落ちてしまったのだ。
この手で倒したはずのクッパ大王は、実はひそかに生きのびていて、反撃のチャンスをうか
がっていたらしい。キノコ王国の平和は、またもやクッパ大王とカメ一族によって乱された・・・。
なんとしてもピーチ姫を助け出さなければならない!
ボクは、兄貴にかわってクッパ大王に挑む決心をした。
憎っくきクッパ大王を倒し、必ずやピーチ姫を救わなくてはならない。
たしかにクッパ大王やその手下どもは強敵だが、こちらも以前よりジャンプ力、パンチ力とも
に数段パワーアップしているのだ!
こうして、新たなる冒険の旅が開始された。目指すはクッパ大王の城だ!
感想
この物語は、まるで読者がゲームの中を実際に探検しているように書かれています。ですか
ら、テレビを通して見ても違和感のないのに、実際に重力に逆らってブロックが空中に浮いて いると、とても不思議に感じます。さらに、登場キャラもとてもユニークで、全身が硬いからで覆 われたアーマード・クリボーや、トゲが生えたトゲボーが登場します。さらに、ラスボスはクッパ ではなく、鋭いトゲを体中に生やしコウラにはコウモリのような翼を持って頭が二つあるカメの 化け物、バグ大魔王です。しかも、ご丁寧に、ルイージファンのためにルイージが主役の物語 も用意されています。続いてマリオキャラの絵についてですが、なぜか、この本はカバーイラス トと本文中の挿絵を描いている人が違うのです。挿絵には、クッパにさらわれて叫んでいるピ ーチ姫やギロッ!とにらみつけるゲッソーがとてもリアルに描かれています。特に、パックンフ ラワーの挿絵は、今にも土管から飛び出して噛みついてきそうでとても臨場感あふれていま す。これらの挿絵が、いっそう読者の想像をかき立て、「マリオブラザーズ」の世界をより楽しま せてくれます。
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