『爺(じっ)ちゃんからの直伝・文化社会学の極意』


 僕はある私立大学の附属高校に通う高校生です。僕の家族は、母と母方の祖父の三人家族です。

僕は祖父を「爺(じっ)ちゃん」と呼んでいます。爺ちゃんは85歳ですが、大腸がんが他の臓器にも

転移し、あと3年ほどの命と言われています。爺ちゃんは自分の寿命を受け入れているのか、がんの

告知を受けたあとも今までと少しも変わらない様子です。

 その爺ちゃんが、僕に、「私がいなくなる前に、何でもいいから聞きたいことがあったら遠慮なく聞き

なさい。」と言ってくれました。僕も前から爺ちゃんには聞きたい事がいっぱいあったので、まだ元気

なうちに聞いてみようと思いました。

 僕はまず、自分が一番気になっていることを聞きました。

 「人間は、死んだらどこに行くの?」




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