日程
田名部祭は8月18日から20日に行われるというのは今までしつこいくらいに書いてきましたが、三日間とも同じスケジュールで運行されるわけではありません。三日間のスケジュールを簡単にご説明します。
18日、花火の音とともに朝8時に山車がそれぞれの町の集会所を出ます。初日はそれぞれの町内を、できるだけ細かくまわります。新しくできた道路や橋、観光名所なども通ります。義勇組の場合は集会所付近で昼食をとって、2時頃までに郷社に入ります(これを「山車参社」と呼びます)。
山車の運行はそのまま休みになり、夜9時30分、花火の合図で郷社を出ます(これを「山車退社」と呼びます)。昼間と同じようにそれぞれの町内をねり歩き、夜中の2時頃までには集会所に戻る事になります。
19日、やはり花火の合図で朝9時に集会所を出発します。今日もそれぞれの町内をまわるのですが、昨日ほど細かくはまわりません。小休止をとりながらお昼頃までに郷社に入って、そこでお昼ご飯の配給を受けます。
夜は10時に郷社を出発し、やはり昼間のように町内をさらりとながして夜中の1時頃までには集会所に戻ります。ここで組の若衆は山車の装飾を全てはずします。明日の合同運行は集会所ではなく郷社出発なので、少人数でも集会所から郷社まで運べるように、こうして山車を軽くするのです。
20日、今日は「五町引き(ごちょうびき=合同運行)」の日です。郷社を出発するのは以前は朝10時でしたが、平成11年からは昼の12時頃になってしまいました。まわるコースと郷社に入る時間は同じなので、その分休憩時間が減る事になります。
五町引きでは五つの山車が、山車を持つ五つの町全てをまわります。以前書いたように、山車の並ぶ順序はきちんと決まっていて、順序が乱れる事は決してありません。
3時過ぎ、新町で「大休止」をとって、夕方6時頃に田名部川のほとりに到着、ここで山車は昼の顔から夜の顔へと「お色直し」をします。
夜7時、あたりがすっかり暗くなった中を、「額(がく)」と呼ばれる絵灯籠が美しく浮かび上がった山車を引いて出発。「おしまこ」を踊ったり組の若衆の「出し物」を見たりしながら(これは義勇組だけのことかもしれませんが)、8時頃までに郷社に入ります。
夜の11時から、いよいよ「五車別れ」が始まります。花火の合図で郷社を出た五台の山車が、青森銀行前の十字路に見送りをあわせるように並びます。五体の神様達が今年の祭の賑やかだった事を喜び、また来年もきっと会いましょうと約束の酒を酌み交わす、それが「五車別れ」です。山車のそばでは「おしまこ」の輪ができています。いったいいつまで続くのか判らない、いえ、いつまでも続いて欲しいと願わずに入られない「おしまこ」ですが、夜中の1時頃、山車はとうとう動き出します。
次は本町「小嶋酒店」の前で、義勇組、共進組、明盛組の「三車別れ」「二車別れ」が行われます。ここでもやはり「おしまこ」の輪ができます。三日間の運行で身体は疲労困ぱい、脚はがくがく、目はかすみ声は枯れる、それでも歌って踊るのですから、「何かに取り憑かれている」と思われるのも無理がありません(笑)
そうして2時も近くなった頃、とうとう山車は動き出して、いよいよ最後はそれぞれの町内を「おしまこ」を歌いながらゆらりゆらりとねり歩くのです。誰も終わりたくないからゆっくりゆっくりゆっくり歩いて、それでも3時近く、とうとう集会所に着いて、田名部祭は終わるのです。
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