2002年 1年生山行 山行記

筆者 T・N (1年生)

8月20日 〈1日目〉

 本当は8月19日〜8月21日の2泊3日の予定だったが、台風の上陸により急遽8月20〜8月22日という日程に変更になった。

 初めての一年生だけの山行だ。少し張り切って、予定時刻の40分前くらいに新宿駅に着いた。Iはその15分後くらいに来た。結構待ったら特急「あずさ」51号が来たのでその自由席の1号車に乗った。八王子ではK先生がわざわざ確認に来てくれた。

 小淵沢に着きそこで駅弁を買った。小海線に乗り換えた。途中にJRの最高地点を示す立て札もあった。野辺山はJRの駅の中で高度が一番高い駅だそうだ。そのあと、予約しておいたタクシーに乗り、モウキ平に着いた。予想していたものと違い、何かの工事をしていて砂利が多かった。工事の人が結構いてその砂利を平らにしていた。キャンプ場でも作るつもりなのだろう。そこで昼飯を食べ、トイレを済ませ、12時くらいに出発した。

 オーダーは僕、I、K先生だ。特につらい登りは無く、緩やかな登りが続いた。川沿いに歩いていきなかなか涼しかった。何回も川を渡った。そして2本で千曲川の源流に着いた。「稜線」21号には「Dウォーター(危険水)」と書いてあったが、そこまで汚い水でもなかった。ここから甲武信の頂上まではなかなかつらかった。そこを1本で行き、甲武信の頂上に着いた。

 頂上はとても寒かった。眺めはまあまあだった。写真を撮り、甲武信小屋にむけて出発した。甲武信小屋には20分くらいで着いた。小屋の人は温かいお茶をくれた。体がとても温まった。そこにテントを張って、すぐに食事作りに取り掛かった。部員が2人しかいなかったので、先生の協力なしには食事が作れなかったので、手伝ってもらった。コッヘルが小さくあまりうまい飯が炊けなかった。味噌汁のほうはうまくできたが、やはりこっちもコッヘルの小ささがネックとなり、野菜をいっぺんに煮ることができなかった。食事を食ったら、水を汲みにいった。小屋からは歩きで10分くらいの距離にあった。それが終わったらミーティングをした。明日の昼食と明後日の昼食を入れ替えるということが決まった。寝袋に入った。とても寒く、よく眠れなかった。



8月21日
〈2日目〉

 朝起きて、テントのなかで朝食を作った。水を汲みにいき、戻って出発しようとすると、小屋の人が出てきて今日の気温を教えてくれた。5℃を切っていた。約3℃というところだろうか。とても寒い。昨夜よく眠れなった理由がよくわかった。

 今日のオーダーはI、僕、K先生だ。昨日通った道を行き、甲武信の山頂を通りすぎて行った。

 ここからがこの山行の中で一番つらいところだった。第一に、とても寒いということ。トレーナーを着て歩いているのに汗ひとつかかなかった。風がとても冷たかった。台風の影響だったのだろうか。第二に、人が1人もいなかったところ。さびしかった。第三に、歩いても歩いても風景が変わらず、何度も何度もダミーにだまされて、本当に疲れ、脱力感に浸ってしまったところ。何度もアップダウンを繰り返し、いつまで歩けば頂上に着くのだろうかと、ふと思うほど歩きつづけた。

 国師ノタルに着き、あと2本で国師の頂上に行こうと先生が言った。1本目が終わり、あと1本で頂上に行く予定だったのだが、頂上にもうすぐ着くと思いながら、高い部分を登っても登ってもそれは頂上ではなくダミーだった。1時間強登っても頂上が見えなかったことと、昼の時間も近づいてきたということもあり、そこで1本休憩を入れた。

 そこで、昼ご飯となった。スライス・ハムはいたむという理由で次の日の昼食とホットドックパンを入れ替えたので、今日の昼は食パン・サンドイッチを食べた。紅茶はとてもおいしかった。食事も終わり一息ついていると、どこからともなく人の声がしてきた。どうやら、国師の頂上はもうすぐのようだった。片付けをして、出発した。

 そこから20分くらいで国師岳の頂上に着いた。そこでも、10分の休憩を入れた。ここからはとてもゆったりと行った。まず、頂上から人が見えたので、奥秩父の最高点である北奥千丈岳へと行った。途中でザックを置きピストンをしたが、別にピストンをするというほどの距離でもなかった。すぐに、着いてここでも軽い休憩を入れた。北奥千丈岳の頂上にはかなりの人がいた。おそらく、近くに林道が通っているため、甲武信から国師のルートで来る人は少なく、ここにいる人は大弛に車を止めて来ているのだと思った。そこから、ザックを背負い、途中の夢の庭園というところでも休憩を入れ、大弛峠に着いた。

 大弛峠にはたくさんの車が止めてあり、普通の車道が通っていた。テントを立ててちょっと昼寝をした。16時くらいから夕食を作り始め、余裕を持って行動することができた。



8月22日
〈3日目〉

 朝、起きて朝食を作り、すぐに出発した。1本では朝日岳の頂上にはいけず、下が岩の広い場所で休憩を入れた。そこで富士山をバックに写真を撮り、出発した。朝日岳を通り過ぎ、鉄山を巻いて金峰山に着いた。金峰山まではきつい登りもなく思っていたよりずっと早く着いた。五丈石も登ろうとしたが、危なかったので断念した。

 山梨県側の絶壁は危険と地図には書いてあったが、気をつけていけば別になんてことのないところだった。でも、左を見ると本当に絶壁のところがあって、そこではさすがに足が竦んだ。そこから、大日岩を越え、大日小屋に着いた。そこで昼食を取り、富士見平を越えて瑞牆山荘に着いた。

 増富鉱泉で温泉に入り、この山行での疲れを癒した。そこから、バスで韮崎まで行き、甲府から高速バスで帰った。

 この山行は2人という少人数の中での、とてもきつい山行だったが、無事に終わることができてよかったと思った。



《「稜線」第24号(2002年度)所載》

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