2001年 冬季日帰り山行 山行記

筆者 R・U (1年生)

2月4日(日)

 はっきり言って、今回の山行は日帰りということだったので、けっこう余裕だと思っていた。がしかし、こんなにも波瀾に満ちた山行は多分、今までなかっただろう。(少し大げさかな。)

 集合は武蔵五日市となんとも都合がよかった。けれど、自分とM・K、Y・Kの3人は新宿駅のホリデー快速秋川1号の車内で待ち合わせ(と言ってもそれぞれに待ち合わせをしているっていう意識はないんだけどね)をした。第1の事件はここで起こったのである。なんと、M・Kのポリタンのフタがきちんと閉まっていなかったので、ザックが水浸しとなってしまったのである。(別に水浸しのおにぎりもらったってうれしくねーよ。)立川で部員はそろい、武蔵五日市に到着。バス乗り場に走ったけど、もう数馬行のバスには長蛇の列が。幸い先生方が早くきていたので、列の真ん中辺りに入ることができた。けれど、乗客は全員乗ったんだけどね。

 満員の車内の中1時間以上、仲ノ平に到着した。けれど3人バス酔いでダウンという始末。しかも、「もう少し休もう。」という部員の意見を軽く聞き流し、休憩もそこそこに体操もせず出発という暴挙に出たCLが1名。あえて名前は出さないけど。ねえM・K君。 林道を15分位歩くと、登山道に入った。ここでアイゼンとロングスパッツを装着した。初めてということもあって、時間がかかってしまった。2つのパーティーに抜かれ出発。かなりのハイペースで登っていった。すぐに追い越し、少しずつ急登になっていた。そのハイパースとバス酔いのせいで1本目からバテてしまった。休憩後20分位で西原峠に着いた。もう午前11時を過ぎていたのでここで昼食をとってはどうかという意見があったけれど、あくまで予定通りということで三頭山避難小屋まで歩くことにした。

 西原峠から槇寄山まではひと登りだ。この登りは日が当たっている尾根だったためか、道は凍結していた。アイゼンの効果が発揮されたわけである。槇寄山からは急な下りが続いた。依然としてハイペースで下っていたため先生方をおいていってしまった。1本入れている間に追いつき、出発した。この間は目の前に大沢山が見えていて、登る目標がはっきり見えていた。

 尾根が狭くなり、急登に入った。展望もなくなりさらに雪深くなった登りを登ると大沢山の山頂に着いた。けれど、またしても、K先生、F先生を置いていってしまった。僕はハイペ−スを続けるCLに憤りを感じつつ、「少し待つ?」と問い掛けてみたものの、「後少しで避難小屋だから先に行って、食事の用意をしよう」というY・Kの鶴の一声で行くことになった。(というより自分がバテていたから待とうと言っただけなんだけど。)

 急な下りを下り、小屋に着いた。昼食は各自持ちだった。僕の昼食はカレーうどんだった。ここでこの山行最大の事件は起きてしまった。なんとカレーうどんの容器に穴が空いていて、汁がこぼれていたのである。おかげで、熱々のうどんを味わうことなく1分ちょっとで食べるはめとなった。

 食後の紅茶もほどほどに午後5時のバス目指して出発した。

 実は途中まで午後3時のバスを目標にしていたのだが、そもそも、雪に加え、コースタイムより1時間位カットしなければならないというものだった。そんなことそもそも無理に近いのに計画では午後3時のバスだったのである。しかも、このままでは午後5時にも間に合わないかもしれない状況だった。

 そして三頭山への最後の登りにさしかかった。急な登りも一息で山頂の三頭山西峰に着いた。北側の斜面からは奥多摩の山々が一望できた。石尾根から雪に覆われた雲取山まで、見渡すことができた。なんとも爽快な気分で下りに入った。途中東峰に行く道との分かれ道にたどりついたが、迷わず巻き道を通ることに決定。尾根道からはときおり奥多摩湖なんかが見えたりした。

 急な下りに苦戦(なかには「スキーだ!」とか言って楽しんでいた人も)しつつ鞘口峠に着いた。一休みするとここからはゆるやかな下りだ。2,3分下ると都民の森のコースに入った。管理人のおじさんに「どっからきたの?」という問いかけに答えつつ、雪道をひたすら下った。

 しかし、この山行で最も重大な事件はここで起きた。なんと都民の森から数馬までの登山道が雪で崩壊しているため通れないとのことだった。おかげで5キロほどの車道歩きが課せられることになったわけである。さらに、このままでは午後5時のバスさえも逃してしまうかもしれないという状態だった。K先生は僕らがアイゼンをはずしている間に先に出発した。それまでに増してハイペースに下り始めた。途中でK先生を追い越した。もうこうなったら列を気にしている余裕はない。とにかくバスに乗らなければ、今日中に帰れないかもしれないのだから。みんな血相を変えて一様に下った。

 もう日が沈んでしまった頃、僕らはある標識を見つけた。「人里4キロ」思わず面白くて写真をとってしまった。つーかこれは「へんぼり」って読むんだけれど。それから10分位、なんとか数馬のバス停に着いた。しかしここでも事件が。なんと部員U君(ちなみにこの山行記を書いてたりする)が犬のう○こを踏んでしまったのだ。まぁ後の処理に苦戦したことは言うまでもない。やがてバスがきて、1時間程で五日市駅に着いた。解散式のあと、拝島行の電車に乗り込むのであった。

 そういえば、数馬から乗ってきた女子高生、実は立川まで一緒(のバスと電車)だったんだよね。あんなとこまで何しにきてたのかな? 制服で。

 最後に、先生の一言、「俺はもうワンゲルの部長辞めようかと思ったよ」。つーか、歩くペース速過ぎ!!



《「稜線」第23号(2001年度)所載》



大沢山への登り ――休憩中 三頭山避難小屋 ――昼食

三頭山山頂 三頭山山頂から雲取山(左)と鷹ノ巣山(右



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