山ノ内町立東小学校での歩み
    

心に残ったこと(研究授業の概略):NO4←ここをクリック   平成21年12月31日(木)

●「研究授業の概略」6年生:男子20名、女子15名計35

1.本時の位置  単元「式の表す関係」6時間扱い中第1

[問題提]
「はじめの日に1円、2日目に2円、3日目に3円、4日目に4円というように、前より1円ずつ多く毎日貯金をしています。20日間でいくらになりますか。また、50日間ではいくらになりますか。」

T. 「どのようにしてもとめたらよいでしょう。」

C1. 12=33+3=66+4=1010+5=15、・・・のように順に加えていけば求められます。」
*児童に確認すると36名全員納得したので、各自に計算させて210円になることを確認する。

T. 50日間のときは何円になりますかと問い、たいへんであることに着目させる。

T. 「もっと簡単に求める方法がないだろうか」と問い、各自に考えさせる。

・児童の反応     *X日=X円とYは貯金高であることを確認する。

@ 数表を作る  

日=円

1

2

3

4

5

6

7

8

9

金額

1

3

6

10

15

21

28

36

45

   A 最初と最後の数を加えてみる。

 1234567891011121314151617181920

1+20=21

  @ の児童5名〜この児童たちには机間巡視でよいことに着目したと賞賛し、Aの方法で考えるように助言する。@の考え 方は下記のようになる。

* X日=X円とYは貯金高とする。数表よりYの増分の増分が一定になるので、YXの二次関数となる。
 これは当時中学
3年生で学習する二次関数である。

 C2  「先生、両端の2番目を加えると21になり次も21になります。最後は10+11=21になり、全部で2110個あるよ。だから
 21
×10=210です。」

 T.「では50日間の貯金は何円になるでしょう。」と問い各自に考えさせる。

 C. 29名の児童が次のように計算する。6名の児童には個別指導で20日間の場合の方法に着目させる。

   501=51  50÷2=25  51×25=1,275  答え1,275


 T.X日間の貯金は何円になるでしょう。」と問い各自に考えさせる。

 C3  20日間と50日間同じように考ええると式は次のようになります。」

   (X+1)×X÷2になります。

   *児童の発見したきまりは数学的帰納法である。演繹法による証明は、前に述べた二次関数と次のような方法で証明できる。

    一般的な正の整数nを用いると、初めのn個の正の整数の和Sを求めよという問題に達する

     そこで、和

S=1+2+3+・・・・・・・・・+n

   この計算方式は容易に次のように変形される。

     この和を二度書く、ただし二度目はもとの順序を逆にして:

    S=1  +2    +3 ・・・・・・+ (n−2)+(n−1)+n
       S= n(n−1+ (n−2)+・・・・・ +3    +2  +1

   この二つの等式を加えると

     2S =(n1) (n1) (n1) +・・・+(n1) (n1) (n1)

      S=1/2n(n+1)                                           以上

    T. 「では21日間の貯金は何円になるでしょう。」と問い各自に考えさせる。

123456789101112131415161718192021

    C4「両端の数を順にたして、例えば1212222022・・・・・・・・・・

    この和を2で割ると中央の数の11になる。この数が21あるから

  つまり  (21+1)÷2×21(21+1) ×21÷2 で偶数の場合と同じ方法で求められる。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

   35名の児童は自己の課題を明確にして、その課題を解決するために生き生きと追求していた。

  教師の出は発問9回と個別指導だけであり、参観者は研究会で児童の活動を絶賛されていた。

次回からは「下高井算数・数学同好会」の歩みについて掲載します。