長野と松本の小中の附属学校では、毎年教育学部の3年次生約70名(附属長野中学校の場合)の教育実習を6月下旬から8月下旬までの約7週間実施します(附属長野中学校の場合)。学生に授業参観や授業の準備をして実際に授業をさせるなどをして、学生が教員採用試験に合格して先生になった時、児童生徒の指導ができるように基本的な内容の指導をします。
私は、数学と道徳、学級活動クラブ活動等の指導をしました。つまり、朝生徒が登校して帰宅するまでの教育活動全てについて指導するのです。
この頃日本全国の国立大学等で学生運動が横行していました。しかし昭和50年のこの頃には学生運動も下火になり教育実習も正常に実施できました。
この7週間は大変でした。実習生の指導は夕方の5時30分頃までおこないます。そして学生が帰宅してから、公立等の小中学校と同じように、教科会、学年会、職員会、各種の委員会を行います。また、それらの会合がおわってから明日の授業や教育実習等のための準備をしますので、帰宅は夜の12時頃は日常茶飯事です。大変でしたが無我夢中で毎日が過ぎ実習が無事終了した時は、いろいろなことが脳裏に浮かび爽やかな気分でした。
附属長野中学校では、苦しいことも楽しいこともありましたが、とにかく教師として大切な多くのことを学びました。
次回からは、山ノ内町立山ノ内東小学校→長野県教育委員会教育事務所(上田、松本)→軽井沢町立軽井沢東部小学校→中野市立中野小学校→中野市立平野小学校の順で掲載します。
児童生徒にとって、義務教育は人生の土台を築く大切な時です。慎みや思いやりなどの心を持って人を尊敬することや教科の基礎学力を確実に身につけることができるかどうかによって一人々の人生が左右されます。
最近こんなことがありました。教え子が中学生の息子をつれて、数学ができないのでどうしたらよいかと相談にきました。その時持ってきた中間テストの問題をみて愕然としました。問題の一つに不完全な問題がありました。センター試験等ならその問題を全員正当にしなければなりません。それを見てその学校の数学の先生方がどんな教え方をしているのか想像がつきました。先生の力量がいかに低下しているかが分かります。
「教育実習と長野県中学校連合教科研究会について」