小 説 三国史それから 2 幽州刺史カン

この物語は,フィクションです。by あき よしき

遼東を越えて丹東へと兵を進めるカンキュウケンの胸に
苦々しい記憶があった。
かって遼東は「黄巾の乱」以後,公孫淵の支配下にあり,
呉の孫権も討伐に失敗,
また魏の忠臣であるカンキュウケン自身も破れた。
それほど,黄巾族の根は広く張っていたのだった。
しかたなく,魏の三代皇帝明帝は司馬懿を遣わし,
ようやく公孫氏を滅ぼすこと成功する,
が魏は司馬懿によって食い荒されていくのだった。
その現状に,カンキュウケンは胸が傷んだ。
「俺は明帝のために進むぞ」
今,国境を侵さんとするトウセンに対し,
全力であたることを誓うのだった。
世は肉食系人種の時代,
乱世だったのだ。

司馬懿は魏の中枢にあって,虎視眈々玉座をねらっていた。
現皇帝である,明帝の力を削ぐには,カンキュウケンの存在は
邪魔意外の何者でもなかった。
知恵者である司馬懿は一計を案じた。
「高句麗のトウセンを遼東にあるカンにあたらせれば,釘付けになろう。」
心のなかで司馬懿はにやりと笑った。
司馬懿は早速,トウセンに使者を送った。
結果,もともと野心家である,高句麗王トウセンは遼東を侵し,
自分の領地をせっせっと拡張することになった。
一方で,司馬懿はこころおきなく,蜀,呉に兵を向けることができるのだった。
司馬懿の目の前には,蜀の軍師,最大のライバル,
「諸葛亮孔明」
がいた。


  • 三国志それから 3 三顧の礼
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