三国史に終わりを告げさせたのは,司馬懿仲達である。
彼は曹操に見いだされ魏の臣となる。
が,初めは嫌がっていたのだ。
それが,次々と戦功を上げ,魏の大黒柱となり,
魏に取って代わる。
私にとっての疑問は,彼が古い家柄だということだ。
中国の大地には巫術という宗教が長い間横たわってきた。
旧約聖書ではないが,はじめに呪ありき,なのだ。
その,呪に司馬家はどこまでかかわっていたのだろう。
古い家柄というのはそういうものだ。
また,宮中における生存競争の影響も,
まるで,遺伝子のように旧家には残るだろう。
生存競争に打ち勝った旧家にはどんな策謀が横たわっているのか。
暗殺の歴史がそこにあるのではないか。
第一の疑惑は諸葛亮孔明の死にある。
彼は本当に過労死だったのだろうか。
「彼は,長くない。」
と,なぜ予言できたのか。
中国の古い戦争はまずもって「呪」から始まる。
あるいは,忍者のような暗殺者を送り込んだのではないか。
なかなか正面きって戦いに挑まない司馬宣王。
それは本当に孔明の手腕を恐れてのことだったのだろうか。
第二の疑惑は魏の明帝の若すぎる死である。
まるで,熟した実が落ちるように,魏は彼の手に落ちた。
まるで,阿修羅のように見えない手を四方八方に伸ばし,
権力を手にしていく。機会はそこら中にあったのだ。
司馬懿仲達がその死を迎えたとき,彼の枕元に多数の死者が立ち,
彼を責めたという。
死者があるものを責めるのは,呪われたことを知るからである。
さて,真実はどこになるのか。