ある日のバス、バス内は女子学生で一杯であった。
授業を終わって変えるバスの中であるから、
おしゃべりの声で満ちていた。
そこで、「おい!静かに!」
と叫ぶおじさんがいた。
そのたびに静かになるのだが、実はこのおじさん
バスを待つ長い列を尻目に横入りをして乗った
じいさんだった。
こちらは、長い列の最後尾からやっとたどりついた、
若い方のおじさんであるし、大半の若者、学生は
がまんして並んで待っていたのだった。
その横入りしてずる,したおじさんが
「おい!静かに!」
と叫ぶのである。
だんだんそのおじさんの叫ぶ声が鼻について
うるさくなってきた。うるさいのはおまえだろ。
と思い始めたころに、そのじいさんの前に立って
いた若者、男子学生が、かばんをどん!と鳴らし
そのじいさんをにらみつかたのだった。
じいさんは静かになった。
若者に、こころの中で拍手。