パワハラ


仕事をしていると、突然教務のT が私を呼んだ。
なんだろうと第2会議室へついていくと、大声で私を非難し始めた。
よく聞いて見ると、2年5組の男子生徒が体育の時間の態度が悪い
、 持久走で歩いている、ふざけているというのである。
「いや、生徒はそれなりに一生懸命やていると思いますよ、」
というと彼はついに怒鳴り始めたのだった。
「なんで、そんなに平然としていられるんだ。
どんなけみんながんばっとるのか知っているのか。」
私はむかっと内心来ていた。
なにかというと私をはずして,私から仕事を奪って活躍させないように
しているのはそっちだろ。公務分掌の内容を見れば明らかだがや。
-おまえ,よう,それで組合幹部に立候補したな。-
と思ったが、その先も聞いてやった。
「体育の時間のことだ、おまえの責任だろ。」
そうだ、わたしの責任もあるだろう、しかし、すべてが私ひとりで
決まる訳ではない。それに、総務会(生徒の)の報告では、
「理科と音楽の時間がもっともうるさい,」と報告されている。
ついに、彼は立ち上がって怒鳴りつけ始めた。
「おまえは、タバコをすっている生徒を羽交い締めにしたことがあるのか。」
おっとそんなことはしたことはない。しかし生徒指導は
私なりにベストをつくしている。
私も同じように立ち上がって怒鳴りかえした。
「そんなもん、やっとるわ。」
「しっかりやっている証拠を,見せて見ろ。」
わたしはしぶった。なぜなら、100%の自信などないからだ。
だれが,自分の授業に100%自信が持てるというのか。
「やっとるんだろ、見せて見ろ」
わたしはしぶしぶ彼と職員室に戻ることになった。
そして、かれに生徒の授業記録を見せた。
彼は数枚読んでいたが,ある生徒の記録になると勝ち誇ったように言った。
「これはどうなっとるんだ、ちゃんと教えとるんなら、記録があがっていくはずだ。」
とかれがゆびさした生徒の記録が極端に途中で悪くなっている
プリントをわたしは皆のいるまえで読み上げた。
「これまで頑張って来たので、一生懸命走って来たが、
途中でお腹がいたくなったこともあり、走りから離れてしまった。
次からはがんばりたい。」
これがプリントの内容だった。要するにその生徒は体調不良だったのだ。
私に対し,
「先生,お腹が痛くなったのでトイレ言っても良いですか。」
と許可を求めて授業を離れた生徒だった。
頭ごなしの怒鳴りつけ,さすが管理職,
と思った。