近未来編

香奈スペシャルwith コシロプラスNo.1

香奈とコシロの日々

香奈はこんな女の子だった。
香奈は、恭助と和子との間の長女だった。母の和子は経済学でも助手になって大学に残ろうとしていた才媛であった。ただ和子は、深く感じない事や強する性欲の発散の為の、成金さんたちの精液も吸い、お金も吸っていた。やっばり香奈も、同じような事をしていた。香奈は、幼い言葉使いと童顔ではあったが、成績もよかったけれども、性欲も強かった。香奈も高校時代からお金が沢山くれるといって、こっそりバイトに行って、お金持ちさんたちの精液とお金も吸っていた。

普通のサラリーマンの倍以上くれた。そんなに胸を大きくなかったが、フェラは得意であった。木下由美子19才と云う話をでっち上げ、怪しげな店で働いていた、フェラの由美子とも呼ばれた。ブラジャーの中にお金を入れてくれれば、誰でもしてあげた。精液も飲んだ。もっとお金も呉れた。学校が終わってからの短時間だったので、ブラジャーの中にお金を入れてくれれば、顔も見ずに、フェラをしてあげた。勉強は、頭の中の別回路になっていて、成績は良かった。東大にも入った。大学に入ると時間も自由になり、益々お金が入ってきた。もう高給取りのサラリーマン以上の収入があった。香奈の中に男のものも入ってきた。お金のためか、その事が好きなのか分からなかったが、高校時代から通算する4年ほど稼ぎ、一杯お金も入り、一杯突っ込まれ、一杯しゃぶり、精液も一杯飲んだ。お金を使う暇もそんなになかったので、お金は段々貯まってきた。その上和子からやっぱり香奈はお小遣いも一杯貰っていた。二十歳になった時に、親戚の清美に頼んで、こっそり証券会社に口座を作って貰い、こっそり株にしておいた。そのまま現金で持っておくとばれると思った。なぜか銀行は考えなかった。清美は家の近くで運用会社を作って、一族からお金を預かり、運用をしていた。そこそこの配当を和子が貰っていたからも知れなかった。香奈のお金は、秘密のお金だったので、清美には、お小遣いを貯めて買うとしか言わなかった。そんな香奈だったが、大学に行って勉強はちゃんとしていた。大学の帰りに猫が香奈の後をついてきた。小さい真っ白な猫だった。

真っ白な小さい猫
真っ白な小さい猫は、大学に住んでいた。大学には、馬鹿な学生や猫を虐める人も多いのですっかり人嫌いになった。この大学は、日本でも優秀な大学だそうだ。それでも馬鹿が多かった。この猫には、親がいなかった。母親の記憶もなかった。小さい時から一人だった。大学食堂での残飯を一人でこっそり食べて暮らしていた。つれづれに大学の授業を聞いていた。この白い猫は信じられない程頭が良かった。大学の授業も 良く判っていた。勿論断片的な知識ではあったが、多様な知識は知っていた。自分の本を棒読みする先生もいたし、酷い人は他人の本を棒読みする人もいた。この猫は色んな授業を受けた、といっても教室の窓越しに聞く程度だった。更に信じられない事に、この猫は、日本語だけでなく、英語もドイツ語も判った。

自分が猫とも思わなかった。猫と見られるのも嫌いだったので、猫が嫌いな猫だった。色々な授業を聞いていたが、経済学には興味があった。大学の食堂の残飯を食べ、食うや食わずの生活ではあったが、志も気位も高かった。雌猫を見ても何も感じなかった。経済学部に熱心な若手の先生がいた。熱意のこもった授業をする先生だった。大学の先生はこうでなくちゃと猫は思っていた。しかし聞いている学生はコピー機のようにノートを取る奴や先生の熱意のこもった話を上の空で聞いている奴が多かった。猫は熱心に聞いている女子学生に興味を持った。雌猫を見ても思った事のない感情だった。

猫は、その学生の後をつけ回し、同じ授業を受けた。なかなか頭はよさそうだった。久しぶりに優秀な学生に会ったと猫は感心していた。更にその女子学生の後をつけ回した。大学から帰る時も見えず隠れずつけ回した。猫の足なので、バスや電車に乗られると追跡は容易ではなかったが、その学生の生活リズムは一定だった。週に3日怪しげな店に寄り、数時間後店から出てきた。それ以外ではどこか遠くの家に帰るようだった。店のある場所は、縄張り外だったが、その学生が店にいる時間はこっそり残飯をあさる事にした。まだ夜としては早い時間なので、猫には早い時間だった。結構勿体ない食い方をする奴が多い場所だった。その女子学生が店の裏口から出て最寄りの駅まで歩いて帰るのを見守ってやる事にした。その女子学生が駅に入ると大学の汚い部室の裏の寝床までトボトボと歩いて帰った。段ボールが山積みになっており、風も当たらず、段ボールの中に潜り込めば、結構暖かかった。猫の足なので大変だったが、猫は気にならなかった。見ているだけで心の中が熱くなった。その熱い想いの中、猫は家路を急いだ。猫は、ふと思った。その店に入った事は、なかったが、怪しげな店である事は判った。猫の心は乱れた。何とか止めさせなければ、いけない。猫は、香奈と一緒に大学の授業を受けて、香奈が妖しげな店でバイトするのを心配そうに見る日が続いた。

香奈は猫好きでなかったが、猫が香奈を好きなようで香奈の後をついて回った。妖しげな店でバイトしている時もじっと出てくるのを待っていた。

香奈「ありがとう、一杯溜まっている?」
「この頃していないから、溜まっているよ。」
香奈「飲んでもいいよ。」
「本当に飲んでくれるの。じゃあもう少し出すよ。」
「さすがフェラの由美子、うまいもんだ。又頼むよ。」
香奈「又ね。」
別の客「由美子、又頼むよ、今日は中に入れたい。お金も持ってきたよ。」
香奈 「今日は一杯飲んだから、中でもいいよ。トイレは場所も狭いから、後から入れてね。ゴムを使ってね。お掃除もしてあげるよ。」
偶にゴムがなく、外に出して貰う事もあった。

香奈、真っ白な猫を家に連れて帰る

その女子学生が、毛利香奈と云う名前である事も判った。ある時香奈と目線が合った。香奈もついにこの猫を家に連れて帰った。猫は人嫌いでもあったが、何故だか動けず、香奈と一緒にタクシーに乗り、香奈の家に向かっていた。大学からは相当離れていた。猫の足では往復するのに一晩かかりそうだった。

和子「香奈、猫なんか連れて帰って、自分の世話も出来ないのに、飼えないでしょう。猫の世話なんかしないわよ。」
香奈
「でも、いつもついてくるのよ。猫の世話くらいするわよ。」、
和子「本当にちゃんとしないさいよ。」

この猫は小さくて真っ白な猫だったので、コシロと呼ばれた。コシロは、自分の名前と判らなかったが、やがてその名前に慣れた。香奈は、約束した猫の世話はしなかった。お手伝いさんが、キャットフードと水を毎日与え、猫のお便所まで掃除する始末だった。

和子「香奈の馬鹿が猫を拾ってきたのよ。世話するといって約束したのに、何にもしないのよ。」、
美佳 「いつも香奈さんが出かける時に出てくる白い猫ね。」、
真智子 「香奈さんが敷地を出るまでついていっているわよ。犬みたいな猫ね。」
和子 「香奈以外には懐かないのよ。餌とお便所はお手伝いさんが世話しているのに、じっと見てるだけなのよ。手も触れられないのよ。香奈以外は触れないのよ。私も触った事がないのよ。」
美佳 「香奈さんが出かけるのを心配そうに見ているわね。」
和子「香奈が帰る時間には、玄関で待ってるのよ。香奈はなんか帰るのが遅い時もあるのに、あの猫には判るみたいなの。」

香奈の怪しげなバイトはバレ、反省文を出し、真面目な学生に戻る
香奈の怪しげなバイトは続き、証券会社の口座にあるお金や買っている株は増えてきた。コシロは、香奈を心配していた。コシロは、ついに和子の側に行き、香奈の事を話しかけた。にゃーにゃーと言ってるだけだったが、その日の香奈の帰りが遅く、和子も心配になって、香奈が遅く帰ってきたのを問いつめて、香奈の怪しげなバイトが判った。やたらとゴムも持っていた。和子は香奈に怒ったが、和子も身に覚えもあることなので、座敷牢とは言わなかった。コシロは、尚も和子に、にゃーにゃーと話しかけ、和子は、念のため香奈に検査に行かせた。香奈は、性病にかかっていた。香奈は、治療しながら、お風呂は一番最後に入り、洗わされていた。最後に消毒液を振りかける役目もされた。反省文も書いて、真面目に勉強した。コシロは知らない顔で香奈の側で寝ていた。和子は、香奈が怪しげなバイトでお金を稼いでいた事を知って、持っていたお金を取り上げて、香奈名義で預金した。思った程大きなお金ではなかった。香奈は色々と言い訳をした。和子はすべて信じていた訳ではないが、自分にも身に覚えのある事なので深く追求しなかった。香奈のお金は、ほとんど証券会社の口座に入っていた。実は和子も若い頃同じような事をしていたが、香奈も同じようにお金を株に替えているとまでは思わなかった。清美は黙っていてくれていた。香奈は、又お小遣いを貰い、普通の学生生活に戻っていた。内緒のお金はそのままになっていた。香奈はコシロの世話も少しはして、静かな生活になった。コシロは香奈の部屋にいて、香奈の本をゆっくり読む時間ができた。今までの断片的な知識をつなぎ合わせていた。香奈は勉強はしっかりして、成績は優秀な学生だった。

香奈は徹を挑発し、結婚! アメリカへの留学も決まる。
しかし、むらむらとした気持ちが押さえきれず、和子と同様に半年程度しか持たず、恭助の部下であった、堅い家の次男である大岩徹を挑発して、関係を持った。徹のものも大きく硬かった。子宮直撃弾が当たる快感も味わった。コシロは、残念だったが、香奈の為に、恭助と和子に、にゃーにゃーと珍しく話しかけ、徹との関係が判った。和子に散々脅かされていたが、何とか徹の理解もあり、大学を卒業すると直ぐに徹と結婚する事になった。徹は、海外研修に行く事が決まり、香奈も海外のビジネススクールに行く事も決まった。徹と海外に行く前に、清美の元で運用のプログラムである良子のプログラムの改良のお手伝いをしていた。良子は、株のさや取りに近い計算をして、運用をしていた。上がりすぎを売って、出遅れを買うプログラムであるが、株価も会社の成績だけでなく、景気も反映して上がる時はどんどん上がるので、経済予測を加味してはどうかと提案し、経済予測を付け加えるモジュールを作り、本プログラムに付け加えた。良子は息子の結婚で忙しく、香奈が一人で作業した。単なる確率ではなく、経済理論を入れたと香奈は、鼻高々だった。コシロは、相場なんかは、判らなかったが、本能的な危険を感じていた。香奈は、家でもこの作業をしていると、コシロがにゃーにゃーと鳴くので、持っていた株を一旦お金に換えた。もうすぐ海外に行くので、いずれにしてもお金に換えなくてはならなった。お金は相当増えていた。株はまだまだ上がっていた。惜しい事をしたと思っていた。突然アメリカで株が大暴落した。香奈がプログラムにモジュールを付け加える時に、香奈は本プログラムで桁数を動かすミスを犯していた。ところが逆に、このミスのお陰で、清美が歴史的な大儲けをした。あまり儲けたので、昔からの井戸水を、みんなで使えるように簡易水道の設備を作った。井戸水は美味しかったが、いちいち汲みにいくのが、大変だった。洋之助が提案して、運用会社でその費用を持つ事になった。コシロのお陰で香奈は、儲けのほとんどをなくす所だったが、大暴落の前に株を処分する事が出来た。日本の株がアメリカの株と連動していると香奈は改めて実感した。香奈は稼いだお金をこっそりアメリカに持っていった。

コシロは滅多に口をきかず、にゃーにゃーとも言わない猫だった。猫のくせに猫が嫌いで香奈の部屋で一日中寝ている猫のように思えた。ただ猫のくせに、水をよく飲んだ。香奈の失敗で思わず入ってきた金で、敷地内の井戸を簡易水道にして、使えるようになった、井戸の水が気に入り、もっと水を良く飲むようになった。3年間の研修だったので寂しがるとみんな思ったが、コシロは案外平気で香奈の部屋で大きくなって寝ていた。コシロも忙しかった。断片的な知識を一つの統一された知識にしなくてはならなかった。香奈は本を一杯部屋に残してくれていた。本棚の本は、猫には、取りにくいが、それら中に本はあった。香奈は掃除も片付けもしなかった。香奈は、コシロに徹の研修でアメリカに3年間行くと何回も言っていた。香奈は、徹の海外研修に一緒について、アメリカに渡り、ビジネススクールで勉強しながらも、運用についても考えるようになった。香奈は、時々家に電話したが、そんな時には、香奈の部屋から出てきて、不思議と電話の側にいた。香奈もコシロは元気と、いつも先に訊いた。香奈の声を聞き、にゃーにゃーと言って、香奈の部屋に帰った。

和子「香奈から時々、電話がくるけど、いつも一番先に、コシロは元気と訊くのよ。香奈は、世話もした事がないくせに。」、
美佳「あの猫は、香奈さんのお姉さんやお兄さんの積もりなのよ。寂しがっていないの。」、
和子「香奈が何度も3年間アメリカに行くと言っていたみたいなの。平気そうな顔をして寝ているわよ。香奈の馬鹿は掃除せずに、部屋のそこら中に本を積んでいるのが、猫はそんな雰囲気も気に入っているみたいなのよ。お手伝いさんが片づけようとすると読みかけの本みたいに怒るらしいのよ。それ以外には、ほとんど鳴かない猫なのよ。お手伝いさんが餌と水を準備してお便所の掃除をするのを見ているよ。お便所の世話すると直ぐにするのよ。水を良く飲むから、掃除するのを待っているのよ。いつも2回も掃除するのよ。全然平気よ。」、
真智子「あの猫は雌なの、雄なの。」
和子「触らせないから、判らないのよ。」
真智子「雌なら手術しないと子供を産むわよ。」
和子「コシロは猫が嫌いなのよ。それに部屋にいるか、庭ぐらいしか出ないのよ。猫が通っても見向きもしないのよ。香奈の部屋でほとんど寝ているわよ。」
美佳「自分も猫のくせにね。」

香奈、秘密のお金で運用する
ビジネススクールで知り合ったアメリカの友人たちに誘われて、投資をしながら理論の実証もする事になった。その運用は面白いように儲かった。香奈は2年近く保有して漸く2倍になったのに、みんなと一緒にした運用は瞬く間に3倍になった。ぼーと株を買うだけではなく、それなりに計算や会社の選択が必要と実感した。アメリカの友人は妖しげな情報も入手して、急騰する株を突然買ったりしていた。香奈は大暴落も体験したので、余程の事がないと、株を長く保有する事は慎重になった。数人で集まって投資した運用も勝ち逃げするような運用だった。大きく儲けられる時、全力で買い、上がると売り飛ばすような荒っぽい運用だった。香奈と徹はお正月などには、時々は日本に帰った。香奈は家に帰る時にはコシロは玄関で待っていた。香奈が後2年ねとか後1年ねと言うとコシロはにゃーにゃーと返事をした。香奈が友達と運用していたものは大きく儲けて、香奈にはお金が貯まってきた。香奈には、定期的に生活費と学費は不自由しないように和子が送っていた。和子は香奈が直ぐに妊娠すると思い、生活費は多めに送金してくれていた。しかし徹の給料でなんとかやっていたので、和子から送って貰った生活費は、ほとんど残っていた。それも使った事にして、香奈はほとんどそれを運用に回していた。ビキナーズラックか、怪しげな情報が正しいのか、計算が正しいのか、単に時代がいいのか判らないものの倍々ゲームを超す勢いで増えていった。香奈達が作った運用グループはいつも運用していた訳ではなかった。儲かる機会を待って、襲いかかるように儲け、ぱっと逃げる運用だった。じっくり研究して、機会を待って儲けるやり方だった。香奈は計算できないだろうかと考えていた。元金近く利益分配金があった時に、それを元手に、香奈は時々自分の計算をプログラムにして、自分だけでも検証してみた。儲かる時もあったが、儲からない時もあった。怪しげな情報を元に運用すると大儲けした。情報は結構当たっていたようだった。やっぱり相当増えていた。儲けたお金も結局、運用グループでの運用に追加した。


香奈と青不動さんと出会う!
香奈が徹と一緒に和子からの送金を受け取って帰り道で、偶々見かけた街の骨董品屋で徹が見ていた、古い青い顔のお不動さんの掛け軸に呼び止められ、気がつくと買っていた。

青不動さん「こら、そこの女、わしを日本に連れて帰れ、わしも日本に帰りたくなった。アメリカの景色も見飽きた。」
香奈「私は、絵なんか分からないし、少し高いわよ。」
青不動さん「ここの主人には価値など分からないから、こんなに安い値段を付けている。わしは吃驚するほど高いんだよ。それにお前のためにもなるぞ。悪い事もしたし、危ない事もやっているだろう。わしが守ってやるから、さっさと買え。お前の甘い母親が送ってくれた金を今持っているだろう。それで買える。」
香奈「分かりました。買いますよ。本当に守ってね。」、
青不動さん「不動明王は嘘つかない。大事にしろよ。」

徹はそんな高いものと言ったが、気にしなかった。香奈はアメリカにいる時に、何点かのお不動さんの絵や掛け軸を買った。いつも向こうから話しかけてきた。お不動さんの絵や掛け軸を買う時は、いつも利益分配金が入った時とか和子からの生活費が入った時だった。

大きなお不動さん「こら、わしはここの店の奥にいる。中に入って見ろ。お前は危ない事をやりすぎているから、友達が欲しいと連絡があった。」
香奈 「こんな店に、お不動さんの絵があるの?」
大きなお不動さん「価値の分からない馬鹿が日本で買って、こんな大きな不動明王の絵は珍しいと言って、買って持ってきたが、安く叩き売った。中に入って、ここの店の主人に話して見ろ。値段はこれくらいの値を言え。それで売る。」

香奈は、ビジネススクールを卒業したが、友達の運用グループは、出資者も増えて、本当の運用会社となった。香奈もその運用会社に投資したが、暇になった香奈は、全部を運用会社に預けるのではなく、和子からの生活費と運用会社からの利益分配金を、自分でも本格的に運用していった。運用会社の投資方法も参考にして自分なりの運用方法を検討してみた。香奈のプログラムも少しずつ改良していき儲けは次第に増えてきた。しかし、友達と作った運用会社ほど儲からなかった。変な裏情報に強い友人達だった。香奈には、まだまだ情報が不足していた。香奈は自分の投資方法には、何かが不足していると思い、更に勉強する事にした。徹の研修が終わり、徹と日本に帰る日が近づいた。アメリカでの投資のお金は内緒のお金だったので、ほとんどを運用会社に預ける事にした。自動更新の手続きを取り、利益分配金も運用に回すようにしておいた。運用会社の利回りは、少し赤字の時もあったし、何倍にもなる事もあった。少し不安もあったが、内緒のお金だった。情報だけは交換する事を約束して日本に帰った。

徹とは3年以上、生でやって感じて喜んでいた。しかし子供ができなかった。徹と香奈は日本に帰ってきた。家に帰るとコシロが不思議にも玄関でいつものように待っていた。徹と香奈は、一応新婚なので、徹が探してくれた安マンションに移った。猫も飼えないマンションだったが、コシロは、特に寂しがるわけでもなく、香奈の部屋で暮らしていた。

しかし、和子は3年以上子供が出来ない事を不審に思って、友人の真智子の紹介で専門医にかかり、子宮の膜の炎症を治療する事になった。香奈は安マンションの自分の部屋に青不動さんの掛け軸をかけた。心が安らぐ感じがした。大きなお不動さんの絵はかけられず、部屋の隅に置かれていた。香奈は時々和子と恭助の家の自分の部屋に来て、コシロと遊んでいた。コシロは、又来てねと云うような顔をして、帰る時も見送ってくれた。病気も治り、漸く妊娠した。その時は香奈は大学院で勉強していたが、和子の命令で大学院は早々に休み、家に引き取られていた。その時もコシロは玄関で香奈を待っていた。

香奈、香奈プログラムを改良して、実践で研究
香奈の性欲は強く、毎日のように迫られていた徹は、一休みと喜んでいた。香奈は、安静にしている筈が、家に戻るとアメリカでの経験を元に、短期間で大きく儲けられる香奈プログラムの改良を考えた。コシロは横で見ていて、時々にゃーにゃーと鳴いて香奈を手伝ってくれた。一生懸命に考えていた香奈を見て、和子は清美の運用会社から振り込まれた配当の半分を貸してくれ、清美と相談して慎重にしなさいと条件を付けた。
その時は良子のプログラムは好調で一年で、運用利益は、元の出資金の2倍を上回り、配当は元々の出資金以上にもなっていた。清美は、元々慎重な運用をしていて、上がりすぎを売り、出遅れを買い、先物でも更にリスクを取る良子プログラムを使用していた。二ヶ月で2割の儲けが目標で、損も1割程度とするプログラムだった。いつも動かす訳でもなかったし、常勝でもなかったが、この時は好調だった。ほとんど2割以上儲けて終わっていた。それに今までの利益も元金に追加されていた。清美は、買い一辺倒の香奈プログラムには不安を感じていたので、香奈が出資したお金に、少しだけ運用していたお金を加えて、実験的に香奈プログラムを併用して、使ってくれた。特別運用の形だった。損しても知らないよと言いながら運用してくれた。清美は料理店チェーンを経営していて、忙しかった。良子プログラムは時々確認するだけの手間のかからない運用だった。良子プログラムは、通常二ヶ月毎に更新するので、良子プログラムを精算する時に、香奈プログラムの運用も見てみると、それは、倍にもなっていた。良子プログラムは2割程度の儲けだった。清美は逆に不安を感じ、香奈プログラムは仮想テストをしてから確認する事になり、香奈プログラムの使用を中止し、良子プログラムだけを使用する事にした。そんなうまい話は、どこかに問題があると清美は思った。香奈は出産間近であった。香奈は、男の子の徹彦を出産したが、産後の回復も遅れていた。徹彦の面倒もあり、家で休んでいた。和子の家は、近くに一族だけの託児所、幼稚園や小児科医院もある環境であり、香奈と徹は恭助と和子の家の離れに、家を建ててもらっていた。香奈と徹は、徹彦と共に住むようになった。当然のような顔をして、コシロもその家に行き、その家にはコシロの部屋もあった。

コシロと青不動さんに出会う!
香奈はアメリカで買った青不動さんの掛け軸を自分の部屋に掛けたが、コシロもやっぱり猫であり、傷つけると困ると思って高い場所に掛けたが、コシロは香奈の部屋に来ても、じっと青不動さんの掛け軸を眺めているだけだった。青不動さんも特に何にも言わなかった。香奈が出かけた時にコシロは、青不動さんの掛け軸を眺めていた。コシロの心に響く声がした。コシロはにゃーにゃーと言った。

青不動さん「その白い猫、何でじろじろ見るんだ。」
コシロ 「僕の事なの。僕はコシロと云うんだよ。香奈がそう名付けたんだよ。青い顔のお不動さんは、珍しいなあと思っていたんだよ。でも猫の言葉は、判らないだろうな。」
青不動さん「わしは、心で会話するから言葉は関係ないんだよ。コシロと言ったかい。お前は香奈が好きなんだね。これから、長い付き合いになるから、宜しくね。香奈はやるべき仕事が多い奴なんだよ。お前も助けてやってくれ。」

コシロと大きなお不動さんとも出会う!
コシロの爪とぎには、猫用の爪とぎを買ったが、猫扱いされて、コシロは不服そうだったので、小さい絨毯を丸めて、コシロの部屋に置き、コシロは、カーペットで爪を研いだ。爪を研ぐと絨毯に穴が空き、絨毯からゴミもでるが、それもお手伝いさんの仕事だった。猫なのにそんなに毛も落ちなかった。コシロの部屋にも、大きなお不動さんの絵が掛けられる予定で、床の上に置かれていたが、コシロはなぜかその絵が気に入り、その絵の裏で寝るようになった。

大きなお不動さん「コシロ、ここでおしっこするなよ。」
コシロ 「なんで、僕の名前を知っているの。おしっこはお便所でちゃんとするよ。お手伝いさんがちゃんと掃除してくれているよ。」
大きなお不動さん「名前は仲間から聞いた。お前は香奈が好きだそうだね。わしが守ってやるから、ここでゆっくり休めよ。」

コシロの世話は、和子の家のお手伝いさんがやはりしていた。コシロは当然のような顔をして、それを見ていた。大抵は絵の裏で寝ているので、気がつかない振りをしていた。コシロは、水が好きなので、毎朝、大きなボールに水を一杯入れて、コシロの部屋においておいた。コシロの部屋には洗面台や床があった。コシロのお便所はその近くにおかれ、エサと水は反対方向におかれた。ある時大きなコップに水を入れ、おいて置き、振り返るとコシロがコップから水を飲んでおり、やがてコシロはコップの水を飲むようになった。小さい体なのに、毎朝コップ一杯の水を飲んでいた。水が好きなのでボールにも水を入れておいた。

香奈プログラムに欠点が判明!
香奈が漸く回復し、余裕が出来て、運用会社に行くと、香奈プログラムは使用を中止され、良子プログラムだけが使用されており、又2割程度増えていた。香奈プログラムは、仮想テストでは、相場の激変期に大きく損をしていた。香奈はその原因を探りながら、研究も続けていた。コシロが見てもまだ不満そうだった。清美は、儲けた分の約半分は配当として出していた。清美は、香奈プログラムでの運用の儲けを加味して、香奈には香奈プログラムで儲けたお金の多くをくれ、みんなより配当を多めにしてくれた。運用委託の形にしてくれた。

香奈プログラムでの仮想テストでの結果も告げられ、まだまだねとも言われた。貰った配当はもう和子から借りたお金を超えていた。香奈は、和子に借りたお金を返そうとしたが、和子は貸したお金は当分貸してあげるといい、香奈は和子から借りたお金は、そのまま清美に預け、今後の配当で返す事になった。清美は良子プログラムだけをやはり使用する事になった。仕方なく、香奈は、貰った配当とアメリカから少し持って帰ったお金で、香奈プログラムの改良を実践で研究する事になった。

香奈は再び大学院に戻り、日本では比較経済学の勉強をする事になった。本業は比較経済学であったが、香奈プログラムの研究も進めていた。
徹彦は託児所に預けられる時間が増えた。コシロと改良型の研究を進めるうちに香奈プログラムの欠点も少しは判ってきた。清美は親戚から預かっていたお金の運用で儲けたお金の大体半分は配当として出資者に渡し、半分は更に運用資金に加えていた。香奈は貯めていた配当で実践で性能を評価していると、大きく儲けられる時とあまり儲けられない時そして損をする時などがあった。香奈は相場の変動期や低迷している時にはまったく弱い事がわかった。ただ時代は上がり調子である事も幸いして、いくつかの補助的な計算をすれば、有効な時期が多かった。信じられないような会社の株が上がる時代であった。清美も仮想テストをしていると大きく儲けられる時が多いので、少しは使ってくれる事になった。少しは香奈にもシステム代といってくれた。一方アメリカでの運用は、友人たちの情報によるものかは判らないものの、大きく儲けていた。友人たちの情報で、香奈も国内で半信半疑で試してみると大きく儲かる事があった。香奈の投資方針はまだ確定された方針はないものの、資産は着実に大きく増えていた。猫のコシロは子供は苦手なので、徹彦が歩くようになると、自分の部屋の絵の裏に逃げ、ゆっくりしていた。

香奈は学究生活をしながら、投資の勉強もコシロと一緒にしていた!
和子は、香奈を鉱業の跡継ぎにする積もりだった。香奈は、出産後、徹彦を一族の託児所に預けながら、大学院に戻り、更に研究してついに博士になった。清美からの配当に加え、和子は、香奈がそんなに儲けているとは思わず、少しは経済的に応援して援助してくれていた。徹も安月給ではあるが少しは稼いでいた。香奈は、家は親がかりで立てて貰い、学費も親がかりで、徹の給料だけで暮らし、自分が相場で稼いだお金も、運用会社からの配当も、すべてつぎ込んで又相場で稼いでいた。和子は香奈が鉱業に入り、後を継いでくれるものと期待していたので、甘かったのだ。ところが、香奈は和子の期待とは別に、助手として大学に残り、更に研究を進め、比較経済学の勉強を進めていた。本業の比較経済学も勉強したものの、相場についてはもっと勉強し、香奈プログラムはどんどん進歩していた。有効な時は大きく儲かり、損をしそうな時も分かってきた。清美もその事は認めてくれるようになった。清美の運用の成績もあがってきたが、やっぱり時々止められた。大きな相場変動はそんなに計算できるものではないと清美は直感的に思っていた。そうなら、損する奴はいない。確かに、香奈の株式投資も儲かる時ばかりではなかった。そんな時はコシロは、にゃーにゃーと鳴いて香奈に注意していた。香奈自身も、コシロの警告を受けて、修正したり、損を切っていたのだった。コシロは猫ではあったが、堅実な理論家でもあり、本能的な危険を察知する事ができた。アメリカからの情報も役に立ち、大きく儲けられる時もあった。コシロはそんな時にも香奈に、にゃーにゃーと鳴き、買えと言ってくれた。良子プログラムも使用する頻度は、通常はそんなに多くないが、香奈プログラムはもっと少なかった。そんなにいつもいつも儲ける事は出来ないのだ。研究しながら、たまにする投資で、香奈はのんびりと生活していた。コシロの世話は和子の家のお手伝いさんに大きく頼っていたが、平穏な生活だった。コシロものんびりとした日が続いた。香奈は徹の部屋に襲いにいく事はあっても、コシロと一緒の時間は長く、コシロにとっては、香奈と一緒に相場をする時間は、香奈と二人一緒の時間だった。コシロには、大切な時間でもあった。

香奈、大学を辞め、資源開発に入り、運用も進める!
海外の友人たちとも、メールでの連絡も取っていた。香奈の夫である徹は役所を辞め、和子の会社である鉱業に入っていた。徹は、日本独自の資源開発の重要性に気付き、中東との産油国と連絡をとりながら、レアメタル中心だった鉱業を、はじめは鉱山と付き合いながら、鉄鉱石やその他の鉱石を扱いながら、少しずつ大きくしていった。そんな時に、香奈は再び妊娠している事が分かった。香奈は講師になったばかりであったが、教授とは論文を勝手に学会に提出した事もあり、上手くいっていなかった。元々香奈は言葉使いも出来ないし、その上教授は、女を馬鹿にしている感じの人だった。香奈は、早々と大学を休み、家で香奈プログラムの一層の改良を進めた。香奈は株ゴロの姉ちゃんではあったが、アメリカの友人たちの中に、資源関係の会社の経営陣の一角に入っている人もいた。そんな人たちと連絡を取ってると幾つかの鉱山利権の話も聞けたし、資源の利権に詳しい人も紹介してくれた。香奈プログラムも動かしていくと、更に精度も上がり、儲けられるようになり、資源利権に詳しい人にもネットワークも出来て、二番目の子供の瑠璃が生まれた後は、大学も辞めて、鉱業を手伝う事になった。瑠璃の世話が一段落すると、鉱業に入り、自由な勤務を認めさせて、鉱業の経済アナリストと経営管理室の参与として、鉱業に勤める事になった。香奈は、ビジネススクールでの友達から人も紹介して貰い、アメリカで鉱業の連絡事務所を作り、更に資源情報を集める事にして、鉱山利権も安く取る事が出来た。更に働いてくれた人の紹介で、ロンドンにも連絡事務所を作り、より多くの鉱山などの資源情報を集め、株式の情報も集まった。鉱山の情報はヨーロッパに集まっていた。香奈自身も株式でたまに大儲けした。鉱業は大きくなってきたが、徹はついに中東の産油国の政府関係者と親しくなり、少しずつ原油を日本に入れていたが、ついに、大きな油田の権利を取った。産油国の出資も条件だった。香奈の友人の資源メジャーに勤める人とも協力して、メジャーも資本参加させる事で折り合った。鉱業は原油を本格的に取り扱う会社になってきた。産油国の資本と海外資本も入れて、鉱業は上場して、資源開発となった。原油、原油と言っていた時代だったので、和子や和子の管理会社の上場益は莫大な金額になった。香奈たちは和子の管理会社にも出資させられ、香奈の管理会社にも鉱業の株を持たされていた。香奈にも大金が入ってきた。香奈の作った海外の連絡事務所も資源開発の連絡事務所になったが、中東依存の高くなった資源開発にとって、レアメタルや鉱山の比重は小さくなり、資源開発にとっては、別会社のようになった。香奈は自由に情報収集を進め、自分でもこっそり海外相場もしたくなったので、ついに独立し、資源開発から情報調査を請け負う別会社にした。香奈には、上場益もごっそり入り、お金もあった。香奈は資源開発の役員にもなっていたが、香奈は数人の人たちを指揮して、別個に香奈オフィスを作り、それぞれ別会社にした。香奈オフィス日本が親会社となり、香奈オフィスニューヨークそしてロンドンが出来た。香奈オフィス日本は、香奈の家の、香奈の部屋の事ではあったが、とりあえず独立した。香奈オフィスは、ニューヨークとロンドンで小さい事務所を借り、数人ずつしかいない小さな事務所だった。

香奈プログラムは精度も上がり、運用も好調に!
香奈プログラムは幾つかの改良を繰り返す内に、更に精度は上がっていた。コシロも不満そうな顔をしなくなった。香奈の部屋は、コシロの部屋の隣にあり、コシロは自由に行き来していた。香奈はやりたくなると徹の部屋に行き、徹を襲っていた。一緒の部屋にいると香奈の旺盛な性欲につきていけず、徹の身体は持たなかった。徹はそれぞれの部屋にする事を提案していた。香奈プログラムは、問題点や有効かどうかの判断基準も明確になりつつあり、時々大きな利益が見込める時は、性能評価のために動かしていた。清美も運用会社で常時、等分とはいかないものの、少しは良子プログラムと併用してくれるまでになっていた。香奈の部屋は、トレーディングルームと化し、コシロと香奈が、画面を覗いていた。コシロがパソコンのキーを押すのは苦手のようで、にゃーにゃーと香奈に催促する事があった。コシロは目の健康のため、30分以上、画面を見ると、休息するので、香奈もそれを見習った。香奈が参加している海外の運用会社の投資ファンドも好調であった。香奈は香奈プログラム以外にも、海外からの情報を元に、時々ボロ株が急上昇する時にも加わって、大儲けをする事もあった。香奈は海外のオフィスの仕事で時々海外に出かけるが、コシロはお休みの時と思い、ゆっくり絵の裏で休んでいた。香奈は海外情報と節税対策を身につけ、海外オフィスの人も使い、実はこっそり海外で自分だけの運用会社も作り、香奈は、この運用会社でも香奈オフィスでも時々大儲けしていた。香奈オフィスは、利益比例の報酬にしていた。株ゴロ、相場ゴロの連中もそれで大いに稼ぎ、香奈オフィスも儲かった。そのため、利益を分散させるために、香奈オフィス以外にも相場運用するための運用会社を作っていたのだった。いわば複数の会社は一体となって儲けていた。香奈は先物は苦手だったが、コシロは得意で特に外国先物の達人だった。オーバーナイトはピタリと当たり、香奈オフィスの株ゴロ達も香奈の判断と思い、香奈には畏敬の念を持っていた。香奈は海外では資源やエネルギー関連で、幾つかの興味ある株を注意して、大きく儲けられる時に買う手法で株式投資をしていた。商品相場も香奈が知り得た情報の範囲内で取引をして儲けていた。なんでもかんでも儲かるなんて事はなく、チャンスを生かして、大きく儲ける事に専念していた。先物のように細かく揺れる相場は、苦手だったが、コシロは先天的な反応をして、下がるとか上がるとか香奈に知らせていた。香奈も初めはそんなに信じていたわけではないがピタリと当たり、香奈はコシロの表情を見て考えるようになり、相場勘を養うために、時々先物に挑戦した。コシロの表情を見ながら先物取引をする事は、やがて習慣となった。この二人、正しくは一人と一匹の猫は、それぞれの得意分野で、やたらと稼いでいた。


コシロは好き嫌いのない猫?
香奈は香奈オフィスの商売の都合から、海外に出かけると、コシロの世話は完全にお手伝いさん任せとなった。コシロは特に好き嫌いはなく、キャットフードで大抵我慢した。コシロは、週一回程度は白身のお魚、鯛やヒラメのお刺身をたべる程度の好き嫌いのない猫だった。お手伝いさんは、コシロのために、お刺身を週一回以上献立に入れ、コシロのお相伴をみんながした。コシロは寒いのが苦手なので、冬には、コシロと香奈の部屋は、20度以上に保つようにしていた。コシロは、カニは好きなので、冷凍のカニを用意して、コシロ用に用意した。崩れたほぐし身なんかは、食べないので、コシロ用には、綺麗に身を取らないといけなかった。

和子「香奈も困ったものだ。あんな難しい猫をおいて、よく海外に出かけるのよ。」、
美佳「大人しい猫だよ。鳴き声も聞かなかったよ、この間香奈さんの家にいったけど。」、
和子「大変なんだよ。朝、猫の部屋を掃除して、キャットフードを準備して、水を一杯交換するのよ。水一杯飲むから猫のお便所の世話も大変なのよ、猫のためのお手伝いさんみたいなのよ。週一回以上はお刺身をたべないと機嫌が悪いのよ。じっと睨むらしいわ。」
美佳「余ったものをやればいいじゃないの。」
和子「あの猫はほんの少し食べるだけだけど、新鮮な鯛とかヒラメとか、生きのいいイカが好きなのよ。冷凍ものなんて食べないのよ。冷凍品はカニ身だけなのよ。人間が、猫の食べた後食べているのよ。カニも綺麗に身を取らないと怒るのよ。恭助なんてコシロはちゃんと食べたと訊いてから食べるの。コシロが食べれば、鮮度は問題ないから。勝はコシロが食べないものでも平気で食べるのに。」、
美佳「贅沢な猫なのね。」  

香奈の運用は好調だった!
そんな生活を続けて、儲けていた香奈だったが、香奈のお金の管理はあまりに適当だった。徹は、資源開発の社長になり、かなりのお金を入れており、銀行引き落としを出来るだけ使っていたが、それでも要る金額は有る筈だが、徹が見ると増えている事もあった。香奈にはアメリカでお不動さんの掛け軸を買ってから、もうそんなに声をかけられる事は少ないものの、何故か香奈はお不動さんの絵を見ていると心が安まったので、お金が出来てくると、お不動さんの絵や掛け軸を買う事が趣味となっていた。晩ご飯は和子の家でみんな一緒に食べるけど、それでも増えるのはおかしいと思って香奈に聞くと、お不動さんの絵を買う時に使ったので、補充したけど多かったかしらと言う。香奈は国内でも、海外と同様に複数の運用会社を作り、運用を続けていたし、個人名義でも運用していた。徹は、香奈が運用して儲けたお金の一部と、毎月余った金額は勝に預ける事になった。弟の勝は恭助と和子一家の会計のお世話係でもあった。勝は妻の真理が、お金を仕事以外では扱う事を避けるので、勝は一族や両親の管理会社、清美の運用会社そして貯金などに割り振っていたので、兄弟のお世話係になっっていたのだった。香奈が儲けていた事は、やがて和子にも判り、香奈が高収益を追求する手法も研究している事も知っていたが、和子は安定性を心配していたので、運用するお金の上限を決め、現金をしっかり貯金しなさいと言っていた。香奈は、こっそり決められたお金の上限を相当あげていたが、それでもあの程度は、勝に渡していた。アメリカの運用会社にも、こっそり追加出資して和子を誤魔化していた。アメリカはお金の入りには寛容で、出るのには厳しい国だったので、香奈のアメリカでの資産は増える一方だった。着実に香奈のアメリカでの資産は着実に増えていた。やがてその運用会社は、多くの出資者も集め、大きくなった。香奈は日本マーケットに詳しかったので、時々レポートを送った。アメリカやその他の海外の動向については、香奈も入手していた。徹は自分の情報との整合性を取り、資源開発の参考にしていた。海外での自分だけの運用会社でも大いに儲けていた。アメリカの運用会社は、投資ファンドを作り、日本でも運用し、ハゲタカとも呼ばれるようになった。香奈は投資ファンドの動向もある程度は分かり、益々儲けやすくなった。  

香奈は、資源開発の役員となっており、父の恭助も部長級から局長級と政府の高官になり、香奈も自分個人名義での運用は限定的となった。香奈は正直な人ではないが、法に触れる事はしなかった。法の抜け道を探すのは好きだった。それでも父が政府高官になると自分の名前が直接出ないように心がけた。個人名義での運用は避けるようになった。香奈は会社としてこっそり運用するようになっていった。資源開発は中東の原油関係の利権を手に入れ、大きくなったが、鉱山関係には力を入れなくなった。香奈オフィスは、その情報を生かして、独自に海外間の資源利権の仲買もするようになった。香奈や香奈オフィスにお金が貯まっていくと、資源利権のグループの中にも入って、又儲けだした。資源開発が動けない時は、こっそり海外資本と組み、こっそり儲けていた。香奈オフィスは情報収集が主な仕事ではあったが、その情報を使い、チャンスが来れば、香奈はこっそり自分の運用会社でも香奈オフィスでも、海外でも様々な相場をして、もっと大きく儲けだした。自然と香奈オフィスは、相場にも強い人たちが集まりだした。始めはニューヨークとロンドンにオフィスを作ったが、市場のあるフランクフルト、シンガポールまでオフィスを持つようになった。それぞれのオフィスは独立した会社になった。海外の香奈オフィスはいつしか大きくなって、香奈の海外資産は膨らんでいった。シンガボールは香奈オフィスの金庫会社として、調査料や情報料とか云って、香奈オフィスの利益の一定比率が自動的に振り込まれるようにした。その上、運用すると云って各地の香奈オフィスからのお金を預かった。香奈は海外で儲け出すと秘密の財布も持った。ケイマンに運用会社と銀行口座を持っていた。現地には、香奈だけの運用会社を作り、その運用会社の口座とした。その運用会社には色々な証券口座や相場の口座も作っておいた。安いお金で会社の面倒を見てくれる会社もあった。  


香奈、コッソリートと出会う!
香奈がロンドンに行って、香奈オフィスで大儲けして意気揚々とホテルに帰る途中に乞食みたいな青年にあった。日本でのコシロを思いだしていた香奈は親近感を持った。その青年は何故かコシロそっくりの顔だった。お腹がすいてるようなので、水とエサではなく、コーヒーとサンドイッチをおごり、話を聞いた。その青年は、コッソリートと云い、スイスの若い一匹オオカミの株ゴロだった。大きく儲け、調子にのって、闇の金まで借りて相場を広げ、一瞬大きく儲け、やがてすべて無くし、借金取りから逃げてロンドンに流れてきた青年だった。香奈は何故だか酷く同情し、偶々その日、大儲けしたお金が1億円相当もあったので、無謀と思いながらも、なかった事にして、コッソリートに預け、香奈個人の運用会社をスイスで作らせ、コッソリートに運用を任せてみた。利益が上がれば、コッソリートが半分取ってもいいと言った。コッソリートの名前ではもう相場もやれなくなっていた。 

コッソリート「負け出すとつい損切りが遅れて、危ないお金まで借りて、つぎ込んだけど、結局負けてしまって、借金取りに追われて、スイスにもいられなくなってしまったのです。」
香奈 「株で負けたものは、株で取り戻しなさいよ。良い経験をしたのだから、もう一度やってみたら、貴方も男でしょう。」、
コッソリート 「でもお金もないし、僕の名前ではもう株も出来なくなってしまっているんです。」、
香奈 「私の運用会社をスイスで作って、その会社として取引しなさいよ。今日儲かったお金を預けるから、今度は最後のチャンスよ。利益の半分は貴方の運用手数料としなさいよ。色々な処理もしてね。」、
コッソリート 「でも見ず知らずの僕にそんな事をしてもいいんですか?」、
香奈 「何か他人のような気がしないのよ。でも資源関係の情報も集めてね。その情報代と言う事にしてね。」、
コッソリート「そのくらいしますよ。僕も頑張ります。」  

コッソリートはその金を使い、今度は慎重にリスクを取る方法で相場取引し、儲けだした。香奈は儲けた自分の取り分のお金は、回収せずにそのままコッソリートに任せ、更に業界情報を連絡して欲しいと言った。こうして香奈のスイスの運用会社とスイスでの情報網が出来ていた。コッソリートは案外、節税工作や業界内部の秘密情報に詳しく、香奈の隠れたブレーンとなった。 

香奈オフィスは情報が命!
これは、別に香奈の考えでもなかった。資源関係の情報をくれた、さるメジャーの経営陣の人に情報料を渡そうとしたら、ケイマンの会社名義で情報料を出してくれと云われ、それに従った。その人は親切にもケイマンでの運用会社を作ってくれる会社まで紹介してくれた。香奈も情報を貰うだけでなく、少しは教えてあげた。すると試しに作った香奈のケイマンの会社にも色々な名目をつけてお金を回してくれるようになった。情報はそれだけでは単なる噂だったり、ニュースに過ぎないが、生かせばお金になるし、情報交換すれば更にお金にもなった。やがて香奈には、色々な情報が集まり、その情報で儲けたり、その情報を人に話をして、お金が入ったり、今度は違う情報をくれたりした。情報の交換でもお互いにお金を貯めてあっていた。兎も角、香奈オフィスは、色々な情報を集め、情報料も払い、その情報料よりも大きく儲ける事が出来ていた。 

このようにケイマンとスイスに、香奈の運用会社が出来、色々な処理まで安くしてくれる会社まであった。香奈は香奈オフィス以外にも秘密の財布を、持つ事が出来ていた。

銀や銅などの鉱山利権も取り、金属相場も手がけ、原油関係の利権や情報を集め、原油関係の相場などにも手を出して、香奈オフィスもお金が貯まりだした。香奈は資源開発と名前の変わった会社にも時々昼頃出かけたが、概ね自宅勤務をしていた。夜半まで海外の人と連絡を取っていた。香奈はアメリカベースの生活であったので、夜は忙しかった。性欲のために徹としていても、夜中も金儲けをしていた。男と金が香奈を支えていた。  

コッソリートもこっそりと復活!
やがて香奈のスイスの運用会社も少しはお金が貯まってきた。コッソリートは慎重にリスクを取って、取引していた。大儲けとはいかないものの、当初の運用金額の半分程度を年間利益として、上げるようになっていた。コッソリートは自分の取り分から生活費を取り、残ったお金を貯め、自分の取引もできるようになった。香奈は、残りの利益は取らず、スイスの運用会社の元金として更に追加されていた。  

コッソリート「お陰で、僕も少しはお金が出来て、なんとか借金も目途がついて、自分の名前でも取引が出来るようになりました。あの会社は香奈さんの会社ですから、お返しします。」
香奈 「そんな事いってもそんなにお金も貯まってないでしょう。まだあの会社でも取引してもいいわよ。情報も役にたっているわよ。口座残高の半分程度は、私も取引していくわ。世話してね。」
コッソリート「それでも良いんですか。」
香奈「貴方からの情報は役に立っているわよ。今後も御願いね。」、
コッソリート 「情報は集めて、香奈さんに連絡します。香奈さんもスイスで運用してください。会社の面倒は、僕がします。」、
香奈 「私の取引も、貴方の取引として、運用手数料を取ってもいいわよ。」
コッソリート 「そんな事して貰っていいんですか。」
香奈 「いいわよ。頑張りなさいよ。一回、地獄を見たのだから、今度は慎重にね。」
コッソリート「判ってます。慎重にします。」  

香奈も取引できるお金が出来、コッソリートは、香奈の取引も自分の取引として運用手数料を取ってもいいと言われ、会社として税務処理をしていった。コッソリートは、運用で儲けた自分の取り分を、今度は慎重に金を貯めていった。闇の金貸しともいつしか話をつけていった。香奈とコシロは夜中も取引をしており、コシロの海外での先物の稼ぎは大きかった。香奈もたまには、一発倍増の荒技も出した。コッソリートも大儲けのおこぼれに預かり、コッソリートの再生も速くなった。香奈は、感謝したコッソリートの情報で、香奈オフィスや自分の運用会社で、大きな利益を得られた。コシロは、果敢に先物に取り組み、大きな利益を香奈のスイスの個人会社や香奈オフィスをはじめとする海外の会社に利益を残してくれた。 


香奈、相場三昧の日々
香奈は香奈オフィスや自分の運用会社では、株式投資や商品相場に取り組んでいた。香奈は、アメリカでも運用をしていた。香奈は、香奈オフィスアメリカとアメリカでの運用会社、ケイマンでの運用会社を複雑に使い、チャンスとなれば、大儲けをしていた。アメリカのマーケットが終わるとコシロのコップの水を一杯にして、香奈は眠り、コシロも水を飲んで、自分の部屋の絵の裏で眠る。徹が朝起きると香奈は寝ている。いくつかの資料は整理されている。徹は子供たちをつれて、保育所に送っていった。香奈は昼前には起きて、コシロがコップから水を飲み、香奈がコーヒーを飲んでいる。そうして香奈はゆっくりと徹彦や瑠璃を迎えに行った。そうした日が続き、徹彦や瑠璃も一人で学校に行くようになり、手がかからなくなった。香奈は自由な時間が増え、益々儲けていった。香奈はチャンスとなれば国内でも時々香奈プログラムも動かしているので、コシロと香奈は交代で画面を見る。コシロはやはりキーを押すのは得意ではないので、にゃーにゃーと香奈を呼ぶ。香奈は、ほとんど短時間しか寝ていない事もあった。服装は、益々いい加減になった。家の中の家事はお手伝いさんを頼み、ほとんど任せ、自室で仕事をしていた。コシロは、夜は盛んに頭が冴えるが、昼間は働くと疲れるので、休む事が多かった。猫は睡眠時間を多く取る必要があるのだ。
香奈は香奈オフィスからかなりの報酬を貰ったが、それでも香奈オフィスには金が貯まり、一部は自分の運用会社で取引して、利益の分散化も図った。香奈の海外の運用会社は多くの場合出金せず、税処理するだけだった。香奈個人の所得にはしなかった。香奈オフィスが大きなお金が必要となれば、香奈の個人会社からお金を借りた。香奈オフィスは相場で儲け、資源利権を持ち、利権の売買や利権からの口銭などを貰い、チャンスになると大儲けを狙う会社だった。香奈は使うために儲けるのではなく、もっと稼ぐために儲けていた。お不動さんの絵や掛け軸を集めるのと管理会社に出資するぐらいしか使わなかった。生活費も徹の給料を併せるので、あまっていた。香奈は、香奈オフィスからも高額の報酬を取っていた。香奈オフィスの仕事で海外に出かける事も多かったので、コシロはそんな時はゆっくり休んでいた。 

やがて、そのうちに、スイスのコッソリートは完全に立ち直り、自分のお金を貯めて、コッソリートは香奈と一緒にした運用から、やがて小さいけど証券会社を作るまでになった。香奈のスイスの個人の運用会社は、香奈だけのものとなったが、コッソリートはその後も面倒も見てくれ、香奈自身が運用する事になり、コッソリートはもう情報料も貰わず、自分の証券会社として、香奈の運用会社の面倒も見てくれるようになった。香奈は、それでもコッソリートにお世話代として、運用利益の5%を渡すようしていた。コッソリートは全ての面倒をみて、資源関係や株式情報もお金関係なしにこっそり香奈に連絡するようになっていた。  

日本マーケットの外資の内情は、案外、黒い目の外資が多いが、詳しくは分からない。日本のファンドも外資が入り、海外のファンドには日本の資産家や機関からのお金も入っている。香奈の資産は、相当部分が海外ベースであり、外資の一員と区分されていた。  

香奈、相場に熱中、生活も不規則になる。コシロが心配する。
やがて、香奈の父親で大蔵省の局長まで上がった恭助が退官した。それまでにも、香奈は貯まっていた海外での資産を使って、株や先物そして為替まで手を広げ、海外の自分の会社も複雑に使い、節税対策もフルに使い、こっそり稼いでいたが、今度は全力で夜も昼もお金を稼ぐ事ができるようになった。コシロはにゃーにゃーと休むように警告したのに、香奈は振り切って金儲けに没頭して、コシロは、仕方なく、夜は香奈に付き合ったものの、自分の部屋で昼間は休んだ。コシロは海外先物が得意だった。香奈は、香奈だけの運用会社や海外の香奈オフィスそして香奈オフィスの別会社のような運用会社で取引していた。コシロは夜には手伝ったが、お昼はゆっくり休んだ。香奈は細かく儲けるよりもチャンスを待って、大きく儲ける姿勢だった。たまたまそんな機会が集中して、数年間で驚く程貯まった。一挙に10倍にもなった。香奈オフィスは株ゴロ、相場ゴロがあつまった事務所だった。やたらと節税方法も詳しく、香奈もそれを利用した。スイスもコッソリートが上手く処理してくれた。海外の会社も、細かい各種の資源利権を手に入れたりしていたが資源開発と共同して大きな利権を手に入れたり、他の海外の会社とも協力したりしていった。いわばブローカーのような仕事だった。香奈は香奈オフィスから高い報酬を取っていたが、それはほんの一部だった。香奈オフィスにはお金が貯まっていった。香奈は子供たちを放任しており、徹彦や瑠璃も大きくなり、そんなに手間がかからなくなっていた。香奈はひたすら、金を儲けていた。ただ香奈の身体は着実に弱っていった。コシロは香奈の身体を心配して、香奈の部屋の青不動さんと相談していた。コシロは青不動の掛け軸に向かって、にゃーにゃーと鳴いて相談しているようにも見えた。  

コシロ「香奈が、無理してお金を稼いでますが、このままだと無理が重なり身体も悪くして、判断も鈍り、結局損もします。いい方法はないでしょう?」、
青不動さん 「香奈は、まだまだやるべき事があるのだ。暫く休ませそう。良い考えがある。儲けるだけ儲けさせて、香奈を倒れさせて、そこで和子を使って、香奈を休ませよう。」
コシロ 「大丈夫ですか?」、
青不動さん「香奈はああ見えても身体の芯は強い。そうする事が、結局香奈の為になる。」 

香奈はやたら忙しく、ほとんど寝ないでおにぎりとかインスタントラーメンだけで暮らした時期があった。やたら儲けたが、香奈はフラフラになった。コシロもなぜか積極的に手伝った、香奈が寝ようとするとにゃにゃーと鳴いて、香奈は更に儲けた。香奈はそれでも大きなお金の動く、商売の話があり、香奈はコシロの見送りを受けて、渡米した。コシロも疲れて水を一杯飲んで、青不動さんに、にゃーにゃーと挨拶してゆっくり休んだ。  

コシロ「香奈はフラフラしながら、アメリカに行きました。大丈夫でしょうか?」、
青不動さん「香奈は、アメリカで倒れて、和子に注意させるようにしてやる。コシロも疲れただろう。ゆっくり休め。」  

香奈倒れる!
ニューヨークの自分の会社でうち合わせをしている時に香奈はついに倒れた。睡眠不足で食事もあまり取ってなかった。日本語が分からない現地スタッフは慌てて、病院を手配したが、たまたま日本語の話せる医師もいなかった。香奈は貧血になり、倒れ寝ていたが、話は大きくなり、徹には、香奈は突然倒れ、昏睡して病院に寝ていると伝わった、徹は慌てて、ロンドンに到着する筈の恭助と和子に緊急連絡して、様子を見て欲しいと言った。恭助と和子は吃驚して、直ぐにアメリカ行きの飛行機に飛び乗り、ニューヨークに行った。そこで偶然、洋之助と美佳に出会い、洋之助が用意していた車で病院に急行して、香奈を見舞った。  

香奈「お父さんとお母さんは、ヨーロッパで観光しているじゃないの?」
和子 「馬鹿、お前が突然倒れ昏睡していると連絡があったの。徹さんが心配して、飛行機の中の私たちに緊急連絡が入って、ニューヨークまでの飛行機を頼んで飛んできたのよ。」
香奈 「このところ、為替も動いて、相場も動いていたから、ほとんど寝てなかったの。ものすごく儲かったよ。資源利権の入札の最終打ち合わせがありその会議の最中に貧血で倒れただけよ。」
恭助 「日本人のお医者さんに会ったら、身体も弱っていると言われていた。まあ大事には至らなかったから、良かったけど、身体の事も考えなさい。徹くんと真理さんには、連絡して置いた。」
和子「暫く、ここで休養を取りなさい。入札は資源開発も絡むので、徹さんが決めたからね。」  


和子、香奈に相場禁止令を発動!
その後、和子は香奈と話していると、香奈は夜も昼もひたすら相場で儲け、ほとんど眠らず、食生活も酷くなっていた。そう言えば晩ご飯にも忙しいと、徹と子供たちだけが来ていた。和子は話を聞く内に怒りだし、相場を止めないと、伝統の座敷牢に入れると脅した。和子の怖さは香奈は良く知っていた。今度は諏訪の山の中に作ると言って、和子は更に脅した。香奈はついに降参して、すべての相場から撤退すると言った。原油や貴金属関係の先物は、ヘッジの必要もあると言って例外として貰い、商売用の長期保有の株を除いて、すべて整理するともいった。  

和子の強硬な相場禁止令には、恭助の心配もあった。
香奈は、海外資産は半分程度しか言っていなかった。香奈オフィスは、貴金属や商品相場では、既に欧米では大手仕手筋として知られるほど、大きくなっていた。隠れてこそこそしている時から仕手筋と知られて、恭助の対抗馬が、恭助の次官就任を阻止しようと、言い立てた理由の一つでもあった。恭助は、それで香奈の相場活動の実態も知った。別に次官にそんなになりたかった訳でもないが、香奈が仕手筋と言われていた事は心配していた。恭助は、香奈の健康だけを心配していた訳ではなかった。仕手筋の末路は哀れになる事が多いからであった。

香奈は隠しているつもりであったが、香奈筋と言われ、この数年でマーケットの波乱要因と云われる程大きくなっていた。和子よりはむしろ恭助がその事を心配していた。和子は恭助の心配も汲み、香奈に強硬に相場を止めるようにいった。香奈は元々強引な和子が更に、強硬に相場を止めろと言うのに、怯え、ついにアメリカでの運用会社からも資金も引き揚げた。スイスやケイマンの運用会社は流石に知られていないと思っていた。しかしこれらの会社も開店休業状態となった。形だけの事務所なので、維持費だけならそんなに要らなかった。ケイマンの運用会社の維持費は、香奈オフィスニューヨークからこっそり支払うようにしておいた。スイスとケイマンの運用会社の銀行口座もこっそりそのままにしておいた。コッソリートにも密かに頼んで、そのままにして休業すると知らせた。コッソリートは、こっそりと株式口座などのお金の相当部分を銀行の口座に移して、スイスの運用会社はコッソリートの会社に間借りするようにしてくれた。スイスでは維持費も要らなかった。コッソリート自身も、香奈の話を聞き、コッソリート自身も香奈の仕手筋の提灯持ちとしても稼いでいたが、自分自身の売買も控えめにして、口銭稼ぎに、比重を置き、手堅い証券屋になった。

運用会社は、堅い良子の運用手法で好調だった。
運用会社は良子と清美の運用が好調だった。もう当初の資本金の10倍以上にもなっていた。運用会社は、三家族の財産管理会社のようにもなっていた。この時の香奈の出資を巡って、和子と洋之助そして真智子は相談して、三家族で等分の出資とする事になった。香奈が出資するまでにもほぼ等分に近いものになっていた。始めは和子の出資が少なかったが、和子が真理にも出資させていったので、ほぼ等分に近づいていった。しかしそんなに意識したものではなかった。なにしろ、香奈のお金は巨額だったので、単なる貯金だけでは可哀想と和子が思って、かなりのお金を香奈に出資させる事にしようとして洋之助に相談していた。ここで、三家族を完全に等分にしようと計画していた。子供たちに資産継承の意味をこめて、追加出資を振り分けていった。洋之助一家では、大きく有希と俊子が稼いでいたので、二人で半分出資させようとしたが、洋治は株式保有よりも現金で保有したいと、なんとなく乗り気でなかった。洋之助は計算も出来ないのかと呆れたが、洋之助がまだ管理していた清香や彩香の管理会社からも清香と彩香の分も出資、同額を有希名義として洋治に出資させ、結局、俊子が7割近く出資した。洋治は有希のお金を管理しているだけにリスクには敏感だった。今は株価は高いし、配当はいいものの、株の資産価値は、常に上下すると考えていた。それに運用会社の保有株式が出資金に比べて遥かに多いとも思わなかった。俊子は運用会社での運用成績がたとえ悪化しても、運用会社が保有していた株式総額を知っていたので、好調だったホテルの管理会社から俊子が借りた形にして、管理会社から少しずつ配当を高くする事で返済する事にした。洋之助も俊子の堅実性を知っていたので、了承した。真智子も由香、恵、真美そして宏美に等分に出資させようとしたが、恵以外はグダグダ言った。真智子は私が貸してあげるとまでいったが、そんなお金があればなんとかと言って、三人はゴネた。恵は何も考えず、いいですと言った。ビルもお店も好調だった。恵はビルの総括みたいな立場だったし、ビルのお金も自由に使えた。借りた事にして、ビルからの報酬で返していこうと恵は思っていた。真智子も親分肌の恵を認め、結局、恵が7割近く出資した。後の三人が1割程度の出資になった。香奈が出資するお金は相当多く、真智子に続く第二番目の出資者、洋之助、和子そして美佳と続き、俊子、恵と言う出資順番となった。俊子も恵も甘かった。出資した後の運用会社では、運用成績がやたらと好調になった。清美が香奈プログラムも使い出し、それが面白いように儲け出していた。出資したお金は直ぐに出資金以上の配当になり、香奈への配当は和子が香奈名義の通帳もカードも預かっていた口座を受け取り口座にさせて、香奈の自由にはさせなかった。わざわざ年月の長い定期にもした。この時代は利子も高かった。

しかし、洋治のいっていた事も満更間違っていなかった。運用会社の好調さは、ずっと続くものでもなかった。何年かすると、株価は、味噌もくそもみんな上がりだす時代になり、良子のプログラムもあまり使えなくなり、香奈プログラムがやたらと儲けてだしていたが、清美は最初ほくほくと思っていたが、次第にやたらと怖い状況になってきた。洋之助や和子もそろそろ危ないと言い出して、通常保有株の処分まで言い出す状況がやってくる事になった。俊子や恵の出資した直後の数年間は至って、ハイペースの配当が続いていた。清美は、この時期は、運用会社の内部留保を多くして、配当率も下げ、運用会社としても定期預金までしていたが、それでも数年の間は、配当は多かった時代であった。

香奈の小細工、次々と発覚!
香奈オフィスも当座に必要な金も要ると云って、海外オフィスにお金を置き、その上こっそり別財布であるシンガポールに隠していた。それでも海外オフィスの半分程度は整理して、海外の香奈オフィスが香奈にお金を貸す形にして、日本に戻していった。香奈は整理していると素振りを見せるために、相当のお金を和子に渡した。和子はこんなに持っているのと驚いて、香奈名義として預金し、清美の運用会社にも預けていた。香奈は、少しは、こっそり複数あった自分だけの運用会社に移動して、和子の怒りが冷めるのを待って、静かにしている事にした。コシロは和子に、にゃーにゃーと鳴いて、香奈が隠していた事が分かり、隠し金は見つかり、一つの運用会社を除き、隠していたお金は、和子の管理会社に出資したり、株や機械、資源開発そして貴金属の和子名義の株を買わされてしまった。

香奈はアメリカの運用会社からのお金と香奈オフィスの保有していたお金の半分を日本に回収した。しかし配当とか報酬とかの形をとらず、香奈が香奈オフィスから借りた形とした。借りたお金は香奈が香奈オフィスから貰う報酬で支払う事になった。香奈の報酬は高額だったが、香奈が借りた形にしたお金は莫大なものだった。香奈には、海外の香奈オフィスからお金から実際にはほとんど入らなくなった。生活だけなら、新しく機械の役員にも和子はしてくれたし、資源開発の役員でもあったので十分だった。清美の運用会社からの配当は香奈名義ではあるが、香奈の自由にはならず、和子が管理している、香奈の口座に入った。しかし海外の香奈オフィスの指導すると言って作った香奈オフィス日本も持っていた。香奈は次第に海外にもそんなに行かず、報告をメールで受ける程度になった。 

そして罰と言われて、和子一家の健康管理や献立の作成について、洋治に弟子入りする事になった。真智子の長男の健太郎の妻である由香も弟子入りする事になり、洋治は細かく教えていった。香奈も由香もそれぞれ、一家の好みや自分風のアレンジを加えて、食事はバラエティが増えていった。三家族とも孫も入れれば相当の人数だったので、おかずの融通もして、更に内容は充実していった。香奈も規則正しい生活と食生活が安定して、体調も回復していった。  

機械がドイツの機械会社を買収したり、資源開発が、イギリスで海外の資源利権を買い取る事が起きた。香奈の海外会社が仲介して、肩代わりしてスムーズに出来た。和子に向かってコシロはにゃーにゃーと鳴いて、やはり和子にはそれぞれの香奈オフィスの隠し金が見つかり、それも半分は香奈オフィスの出資にされた。香奈オフィスだけのお金ではなく、香奈の個人の運用会社から、いつものように香奈オフィスが借りたものだった。

アメリカでの宝石店を買収したり、貴金属会社を買収に近い程に資本参加する時も香奈オフィスが斡旋し、交渉し、おまけに資金を肩代わりまでした。和子に向かってコシロはにゃーにゃーと鳴いて、やはり和子には香奈オフィスの隠し金が見つかり、貴金属会社は、半分は香奈のニューヨークオフィスの出資にし、その会社の保有している金の四分の一まで香奈オフィスに売った。香奈は欲しくもない会社に出資させられ、香奈の個人の運用会社のお金はなくなり、香奈オフィスは香奈の個人会社に借金する形となった。金は安かったので、長期に持っていれば、上がるよと和子は言った。暫くじっとしていなさいとも、和子は言った。

和子「大きなお金を取り上げたのに、香奈はまだお金を持っていたのよ。まったく、どこまで稼いだのかね。コシロが何故か鳴くのよ。それで分かったのよ。コシロも心配していたみたいだよ。これが良い機会だよ。何時までも儲かる事もないしね、身体も大切だよ。なんでも潮時があるのよ。」、
美佳 「そうだよ。お金があっても、病気になれば仕方がないわよ。洋之助さんも、もう相場なんかしてないわよ。清美さんに任せているわよ。でもあの猫も心配していたのね。」、
真智子 「感心な猫なのね。」、
和子 「香奈の保護者みたいな猫なのよ。」、
美佳「やっぱり、香奈さんのお兄さんやお姉さんのつもりなのよ。」 

香奈オフィスはカタギの会社へ!
仕方なく、香奈の海外の会社も、機械や資源開発との共同出資する事による実業部分のサポートの仕事をしたり、香奈オフィス自身がアメリカで貴金属の会社を持ち、金を保有するようになった。香奈オフィスの相場好きな連中も、元手が少なくなって、渋々、カタギの商売をするようになった。

コシロは青不動さんの掛け軸に向かって又にゃーにゃーと言っていた。コシロは香奈がゆっくり寝るのを見届けて、自分の寝床に帰っていった。 

香奈も気持ちよく、相場を断念!
和子は、本当に諏訪の山の中に山荘を作り、香奈に圧力をかけた。山荘にコンクリートむき出しの地下室もあった。物置と言われていたが、香奈は怯えた。香奈には、和子が怖かった。香奈は、和子の怖さを一番良く知っていた。香奈はついに無条件降伏して、相場への復帰は気持ちよく、断念した。

香奈「小百合、まだこっそり持ってるお金も少しはあるよ。お前は今はノーマークだからやってみない。直ぐに倍になるよ。利益の半分は渡すから。」
小百合「やだよ。諏訪の山荘には地下室も出来たらしい。道之助さんにも約束したんだよ。もしもう一度相場に手を出せば、どのような仕打ちにも甘んじて受けると。諏訪の地下室は怖いよ。」
香奈 「ばれないと、大丈夫だよ。」
小百合 「じゃお姉さんがやれば。私は密告するかも。」
香奈 「もう根性ないね。今の話は内緒だよ。お前がこっそり株に手を出しているのも知っているからね。二人で地下室暮らしになるからね。」
小百合 「株主優待に釣られて、少し化粧品会社の株を買っただけなのに。お母さんに止めると約束したんだろう。姉さんも往生際が悪いね。差し入れには、やっばりアダルトビデオがいい?あれは辛いよ。」
香奈「分かったよ。今の話は忘れて。」


香奈は、健康的な生活に戻った!
香奈は、スイスとケイマンの運用会社は隠したし、シンガポールの香奈オフィスでのお金も隠し通した、日本の一つの管理会社に置いてあるお金も触らなかった、いや触れなかった。和子の追及も鋭く、相場は撤退せざるを得なかった。

香奈の黒い目の外資の道は閉ざされ、健康オタクの洋治の弟子の道と実業の道しかなかった。香奈は子供達と徹との生活を楽しみ、時折海外や国内の自分の会社との連絡を取り、資源開発にも頻繁に出かけるようになった。

コシロも猫としては歳なので、香奈がのんびりと水やエサを替えてくれるようになり、お便所も頻繁に掃除してくれ、食事もお刺身が多くなり、カニも増え、満足そうであった。香奈とコシロの平穏な日々は続いた。

香奈の名前は、後にお不動さんのコレクターとして、真理のお地蔵さんコレクションとともに一族の美術館で特別展として一部公開される事もあった。洋之助が戦後の混乱期に絵画と共に入手していた日本刀も展示された。誰かがこれは明治維新の混乱期に松江の原家からなくなった家宝ではないかと言ったが、真偽は分からなかった。

その後、香奈の相場ネットワークは壊滅したかのように見えた。実際、香奈の海外の会社では機械や資源開発と協力する事が多かった。又、国内への資源、特に原油関係の輸入は、資源開発が進めていたが、海外間の輸出入には、香奈オフィスの海外会社が絡んでいた。その後、それに対する配当や協力する事による利益が少しずつ増えていった。香奈オフィスもやがて仕手筋と云う名称が取れて、株ゴロ、相場ゴロのうさんくさい事務所から、カタギの実業のオフィスに変わっていった。特にフランクフルトのオフィスは、資源関係の機械を研究して、ドイツの機械会社に機械を作らせ、資源関係の機械の販売会社のようになった。和子がドイツに投資していったのは正しかった。ドイツの機械は競争力もあり、機械受注も楽だった。ニューヨークの香奈オフィスでは、金を保有していたので、少しだけ貴金属相場の先物相場も真理と協力してやっていた。ただ真理は実需ベースの先物売り、現物買いのスタンスであり、今まで仕手筋のやり方ではなかった。ニューヨークの香奈オフィスも当然そんな貴金属会社と協力して、実需ベースのビジネスを展開していた。香奈オフィスは、実業ベースの会社になっていた。

少しずつ、香奈は香奈オフィスにお金を返し、香奈オフィスも香奈の個人会社にお金を返していった。

規則正しい生活と健康的な食生活を心がけ、香奈は徹や息子の徹彦や娘の瑠璃ともゆっくり楽しむ事ができた。コシロは、徹彦や瑠璃が大きくなるのを満足そうに眺め、香奈たちと一緒に和子の家に行き、みんなで晩ご飯を一緒に食べるようになった。遅くまでこっそりと海外相場で取引する事もなくなった。コッソリートからは、お金も払わないのに、資源関係の情報を送ってくれていた。香奈は、コッソリートの情報も得て、香奈オフィスからの報告もゆっくり読む事が出来、香奈も資源や経済について考える事が出来るようになった。コシロは香奈の横でメールも読み、香奈と話して、コシロの経済の知識も深くなった。香奈は、真理とも「小さな命は貴方のものではない」運動で、こっそり秘密を共有して以来、親しくなり、仕事でもアメリカや国内での協力関係は深まっていった。


香奈は、経済学も勉強し直し、コシロとも議論する!
コシロは香奈に触発され、近代数学を多用した、数学だか経済学だか判らない経済学も勉強したが、コシロは古いタイプの人、いや猫だった。経済学は人間そして人間をベースにした企業活動、正しくは経済行動を分析し、予測する学問だと思っていた。数式を解く事で、人間や社会の活動を理解できるとも思えなかった。それはあくまで分析的な手法の一つにすぎず、人間や社会の経済活動に対する洞察が経済学の基本ではないかと考えていた。香奈の相場や仕手としての活動、ボロ儲けには、コシロの香奈への想いそして動物的な感覚を加味して協力してきたが、この時期の香奈は和子に相場を止められ、香奈とは、経済学について議論できたと思ってきた。香奈も経済学を勉強し直していたし、コシロも話した。もっともにゃーにゃーとしか言わなかったが、香奈の心の中には届いたと信じていた。香奈も全て判った訳ではなかったが、ある程度はコシロとの議論をして、香奈の知識や見識を広めていた。刹那的な相場だけでなく、長期的な展望と大局観が、コシロとの議論で深まっていった。

和子「香奈の猫は、この頃、香奈と一緒にご飯を食べにくるのよ。前は、一人で、自分の部屋でゆっくり食べていたのに、食堂にもコシロの椅子があるのよ。だから、献立には、お刺身や魚料理が一つは入るのよ。コシロの好きなカニ料理も増えたの。」、
美佳 「もう大分歳でしょう。元気なの。」、
和子 「元気だよ。でも昔ほど気むずかしくはなくなったの。恭助とも話しているのよ。」、
真智子「猫と話なんかは出来ないわよ。」、
和子「それが恭助に云わせると、経済の事は詳しいみたいなの。いつかの案を考えているとにゃーにゃーと云って、表情で返事するらしいのよ。恭助が極秘に相談を受けた事だから、極秘事項も多いのよ。食事の後、恭助の書斎で二人で話しているのよ。私には、何の話をしているか判らないのよ。コシロは夜は強いから、晩遅くまで話込んでいるわ。恭助がコシロを家に送っていくのよ。コシロはドアは開けられないの。香奈の馬鹿も相場していた時に手伝って貰ったみたいなの。コシロは外国先物が強いので、コシロのおかげで大分儲けたと香奈が言っていたわ。」、
美佳「凄い猫なのね。」

恭助は、次官レースに負けて退官する事になったが、最も次官に近い立場にいた。妻である和子が機械という大きな会社を経営している事や娘の香奈が、海外で仕手筋として有名だった事も影響しているのかも知れなかった。又、政界である勢力に近い事が仇になったのかも知れなかった。事実、政界入りの話は何度も薦められていた。大学の先生の話もあった。恭助は傲慢不遜ではないものの、お殿様の家系なので、選挙になると突然ペコペコする気にもなれなかった。自由な立場で海外の友人たちと交流したいという気持ちが強かった。それでも、色々と秘密の相談が持ち込まれ、一人で海外の動向なども考えていた。恭助は、香奈のようにはコシロの声がひびく事はなかったが、コシロは恭助の見識には敬意を持っていたので、コシロの念が送られるとなぜか自分の考えが整理できるような気がした。特に経済関係の事にコシロは強かった。コシロも恭助の大局観や経済の大きな流れについての知識を吸収し、深めていった。

香奈は、資源開発や機械の役員にもなって、役員会で海外動向について、能書きを垂れた、いや意見を言った。偉そうに言っていると和子が、鋭い突っ込み、いや質問をしたので、少し慎重になった。香奈にとっては、和子は、いつまでも怖い存在だった。

香奈、恵と親密になる!
若い女の子の啓蒙活動を恵とするようになって、イケイケどんどんの恵と、金、金の香奈は接点は少ないように見えたが、話をしてみると案外気は合った。恵も真智子から任されたビルも好調に推移し、元々そんなに熱心ではなかった由香の店や独自に店を広げていた満や宏美のビルも管理していくようになった。恵には三人の子供がいたが、長男と次男は大人しく、一流私大に入り、普通の学生生活を送っていた。やがて長女も同じように一流私大に入った。特に恵や健次郎のように活発に異性と付き合うような事もなかった。恵は自分のビルで、女の子たちの相談に乗っているうちに、ビルを増そうとせず、女の子たちとの相談に多くの時間が割かれるようになっていった。

「香奈さんは、不良だったんだ。金貰って身体も売るなんて、本当の不良だよ。今の風俗の女の子は、そんな事はしないよ。」
香奈「スケ番の恵には言われたくないよ。私は同時に何人の男の相手なんてしないよ。」、
「あれは、向こうから襲った来たから、絞り出し、膣で締め付けて、逆襲したんだよ。でも香奈さんは、何故、和子おばさんがそんなに怖いの。本当に座敷牢なんてする筈がないのに。」
香奈 「お母さんは分からないよ。本当にするかもしれない。戦後の混乱期にワルと渡り合ってきた人だから、小百合も怖がっているだろう。本当に雑巾がけや店の掃除もやらされていたんだよ。東大出てもそうだったんだよ。刑務所でも勤まるほど辛かったと今でも言ってるよ。」
「今は上品そうなお祖母さんになっているのに。真世さんも怖がっているわ。直立不動で話しているのよ。美佳さんの保育所と小児病院の事で、清香さんたちと一緒に話をしている時に、伯母さんが来ると、ご無沙汰しておりますと凄い丁寧な挨拶しているのよ。」、
香奈 「乳幼児施設は、ここだけじゃなしに、都心や郊外にある施設も預かり時間を長くした方がいいかもしれないよ。」
「真世さんも同じ事を言ってた。お金とか施設の問題もあって清香さんと話しているよ。子供が生まれたら、逃げる男なんて最低だよ。玉抜いてやればいいんだよ。でもどんどん成長しているよ。日本はもうすぐ世界一だろう、みんなウハウハしているよ、今は。派手な服装も売れているよ。香奈さんも儲っているでしょう。」
香奈 「今は、株は清美さんの所でしかしていないよ。経緯があったり長期保有以外に持っている所はみんな売るらしいよ。プログラム売買も控えめらしい。洋之助おじさんやお母さんがもう危険と言ってるらしいよ。もうすぐ大変になるかもしれないよ。それとは別にね、アメリカでは児童虐待が問題になっているよ。ネグレクトタイプが多いけどね。日本は堕胎が多いから、生まれる前に殺すから、目立たないだけだよ。でもいずれは一時預かりの制度も充実しないとね。お金はなんとか考えているよ。真理さんも恒久的な財源をつけようと、俊子さんにも話しているよ。俊子さんが、貸しビル以外にもビル管理や土地の売買もやっているから。土地も少し売るみたいだよ。」
「俊子さんは土地の手当ては、今は高すぎるからしないと言っていた。今は美佳さんの乳幼児施設の一つで、託児所と保育所の預かり時間を広げているのよ、もっと広い所が欲しいけどね。色々と批判もあるんだよ。子供は親の手元にいるのが一番と言うんだよ。清香さんに役所と折衝してもらっているよ。色々と文句だけうるさく言うのよ。」
香奈「仕方ないよ、だれか死なないと動かない国なの。責任回避しか考えないからね。小さい命を助けようとしても、戸籍がどうの、親権がどうのとかうるさいのよ。育てられないから堕胎はいいけど、助けて、誰かに預けるのは色々と文句言ってくるよ、金も人も知恵も出さないくせに。命よりは自分の責任回避しか頭にないのよ。それはそうとして、やっばり経済は波があるよ。山高ければの例え通りよ。恵の所もイケイケどんどんでは行き詰まる事もあるよ。」
「それはそうだろうね。第一、私は、金ビカの服装も少し飽きてきたの。女の子チックとか、男の子っぽい服装もやっていこうと思っているの。宏美さんの店では貴方もレディとか云って、美佳さんの服も売っているよ。もっと安いブランドを有希さんに頼んでいるよ。有希さんは、今は高級服が売れるのに、どうしてと言っていたけど、少し贅沢な中級品も悪くないわねとか言って、検討して貰っているよ。」

香奈は、無理矢理、機械や資源開発や貴金属に追加出資させられ、香奈の海外の会社も、海外の機械や資源開発そして貴金属の会社にも出資させられた。それが実業の香奈オフィスに重みがつき、実業の仕事は増え配当も入り、香奈オフィスも利益が上がり、少しずつ返済は進み、香奈の個人会社を含めて、香奈オフィスにはお金が貯まっていった。その上香奈オフィスは、株ゴロ、相場ゴロの胡散臭い事務所から一変した。海外の仕事も順調だった。香奈は時々海外に行っていたが、香奈は、相場で一発倍増などの荒技をしていたので刺激が減り、メールだけで連絡する事も多く口銭稼ぎや資源利権の売買は現地オフィスでもできるようになった。次第に香奈も海外に出かける頻度も減っていった。コシロも香奈がいないと以前とは違い寂しそうな表情をする事が増えた。国内でも、和子から株を買わされたので、和子の命令で、資源開発だけでなく機械の役員にもなっていた。香奈は株ゴロの姉ちゃんから、学究肌の上場企業の役員と云うカタギの生活になっていた。真理と一緒に、「小さい命を救おう」運動や恵と一緒に女の子たちへの啓蒙運動を行っていくようになった。恵は託児所などの乳幼児施設の運営についても参加するようになった。恵の子供達は、恵の活動を気づき、異性への接触には注意をしていくようになった。一方香奈の子供達は、気配りのない事は香奈譲りだったので、知らなかった。

香奈、相場復活?
香奈の息子の徹彦が、香奈譲りの気配りのなさと言葉使いの悪さにより、和子の怒りを買い、香奈は、和子から国内で株を再開するように言われ、お金まで出してくれた。もっとも香奈名義の銀行口座の金だったが、香奈はそこにカタギの役員として貯めたお金を足して見つかってしまっていた自分の運用会社の口座に入れ、堂々と相場をやる事になった。こっそりと隠していたお金は、違う運用会社の口座にまだ隠して置いた。

「香奈さん、又相場をやってるという話だよ。まだ儲けたいの。」
香奈「これは違うのよ、徹彦の馬鹿が東大に入ったと言って、偉そうに言っていたの。よかったねで終わっているだけだったのに、あの馬鹿が真理さんは高校しか出てないのに、貴金属の相場の事はよく判りますねと、お母さんとお父さんのいる場所で喋っていたの。私は小百合と馬鹿話していたけどね。勝と小百合が一瞬凍り付いたのよ。私も少し遅れてこれはヤバイと思ったけどね。小百合が銀座の店で少し働いて小遣いをつくらないと言ってくれたの。でも私も徹さんも後で呼ばれて、どんな教育していたのかと怒られて、徹彦に思い知らせてやれと言われたの。それで私も相場を再開する事になったのよ。徹彦は銀座の店でこき使われ、バイト代に私がお金を貸して、相場で損させる積もりなのよ。清美さんたちにはもう危ないと言って、みんな処分させている最中よ。徹彦の損程度は稼がないといけないのよ。いつ暴落するかも分からない時期でしょう、私も必死なの。」
「でも真理さんの所の勝彦くんも東大でしょう。」
香奈「勝彦君は、そんな事は言わないよ。真理さんが大切に育てた男の子だもの。」
「徹彦君は、香奈さんが大切に育てていないの?」
香奈 「一々つっ込まないでよ。私が相場で必死になって儲けていた時に大きくなった子供だから、私も反省しているの。恵の所の健一君や健二君は、大人しい青年になったわね。」
「あいつらは、そんなに賢くないし、身体だけが取り柄みたいな奴らだよ。飯は一杯食うよ。ラクビーばっかりしているよ。由香さんの健太君も良く似たもんだよ。」 

徹彦は、銀座の店で、朝早くからこき使われた。大学に入っても空き時間は店員に混じって働いていた。その間、香奈は注意しながら、香奈ブログラムを再開した。コシロも仕方なく香奈の横で、香奈に指図して、にゃーにゃーと言った。バブルがはじける寸前ではあったが、それだけに面白いようにお金が貯まった。徹彦に香奈はこんなに儲かるよと誘って、数ヶ月後、貯まったバイトの金と今までに貯めたお小遣いに、香奈はお金を貸して、徹彦に、香奈の運用会社に徹彦用に口座を作り、株式投資をやらせてみた。コシロは、徹彦が取引するのを怪訝そうな表情で見ているだけだった。香奈はドキドキしながら、徹彦をある程度指導しながら、香奈自身も又儲けていた。見る見る間にお金は倍々ゲームのように儲かりだした。ここから計画が狂った。半年程すると突然、徹彦は株を止めてしまった。香奈に借りたお金も返した。付き合っている銀座の店の店員の智恵子に、止めなよと言われたのが、原因だった。儲けたお金は、智恵子と共に真理に預けた。「金を、真理叔母さんの判断で少しずつ買って欲しい。そして結婚資金にしたい。これからも少しずつ貯めていくから、お願いします。」と言った。徹彦は「僕には、相場なんかはよく分からない。叔母さんはどこで、そんなに勉強をしたのですかと聞くつもりが、変な言い方をしたと小百合叔母さんや智恵子にも怒られた。叔母さんの判断で買っていって欲しい。」と言った。和子や恭助の怒りは一応溶けたが、香奈は怒られた。言葉の使い方や気配りが出来ないのは、お前譲りだと言われた。そして智恵子の評判は上がった。 

香奈「ドキドキしながらやっていたのに、馬鹿みたい。今は本当に危なそうだし、私ももう止めるわ。コシロも歳なので、パソコンの画面も長い間見るのは、辛いみたいなの。もうやめようと言うのよ。」、
「あの猫はまだ生きているの。もう20才以上でしょう。」、
香奈 「元気だよ、ただ目は疲れるので長い間はしないのよ。」
「でも智恵子さんは、いい人よね。真理さんも和子おばさんも誉めていたわよ。智恵子さんに任せようと言っていた。」
香奈 「私はかえって怒られたわ。智恵子さんのようにちゃんと教えなさいと、まったく智恵子さんには何でも相談するくせに、私には何にも言わないのだから。」
「でもよかったじゃないの。いい人に会えたのだから。」
香奈「それはそうよね。お金も思わず入ってきたのよ。今は異常よ。何でこんなに高くなるのか。洋之助おじさんやお母さんの判断は正確よ。清美さんもほとんど売ったらしいよ。プログラム売買も暫くお休みすると言っていた。後は売りベースで展開する時期を待つと言っていたわ。私が、今回儲かったお金は、小さな命を救う運動や乳幼児施設にも回そうと思っているの。」
「それは助かるわ。乳幼児施設の運営は、俊子さんが面倒見てくれる事になったの。時期みて、もっと広い場所にも移す事を考えると言っていたの。小児病院でも理事になってくれるらしいの。」、
香奈「俊子さんは、運営には強いからね。でも有希さんも何か動いていたね。有希さんは、利益至上主義でしょう。よく口説いたね。」
「それが笑っちゃうわ。俊子さんが洋治さんに少し話したの、突然有希さんが協力的になったの、売れ残りの子供服や衣料を安く分けてくれの。有希さんの弱点は洋治さんなのね。」  

香奈は、今度はあっさりと相場を撤退して、カタギの生活に戻った。
香奈は儲かったお金の相当程度は、「小さい命を救おう」運動や施設への寄付をして、残りは、税金等諸経費を引いて、自分の運用会社にこっそりそのままにしておいた。こっそりの運用会社は二つになった。そして又カタギの生活に戻った。コシロも昼はゆっくり、絵の裏で寝ている事が出来た。「小さい命を救おう」運動や施設も予想外の寄付が入り、運動の展開も楽になった。香奈オフィスも忙しくなり、日本の機械や資源開発の仕事も、そこそこあって、運動の役員会にも出て、コシロともゆっくり遊び、それなりに充実していた。


恵の長男の健一も、由香の長男の健太も、ラクビーでは有名な選手であったが、成績はそれほど優秀ではなく、引退したとは云え、まだ影響力もあった清彦や父の健太郎や健次郎を頼って、鉄鋼に入った。健二は大学でまだ活躍していた。清彦は、孫たちが自分がいた会社に入り、喜んでいた。

香奈「健一君も健太君も、鉄鋼に入ったね。清彦おじさんも喜んでいるだろうね。」
「そんなに頭も良くないし、身体だけが取り柄の男だからね。お義父さんがいたし、健太郎さんや健次郎さんのいる会社ならまだ入りやすいと言って、入ったんだよ。それにラクビーも出来るとか言っているよ。健次郎さんは、本社に入れるとか言ってるから無理みたいだけど。」
香奈 「女の子はいるの。恵や由香さんの子供にしては、大人しいし、噂も聞かないね。」
「あいつらは、そんなにもてないし、それほど、女の子にもまだ関心ないようだよ。」 

「小さい命を救う運動」は、正式に財団になる!
恭助が、勲章を貰った。恭助は固辞していたが、不良三人組の三家族を中心に、お祝い会が開いた。その席上で、香奈や恵がウロチェロして、「小さな命を救おう」運動の打ち合わせもしていた。和子や真智子が見かねて、理由を聞き、恭助も関心を持って聞いた。洋之助や美佳も聞いた。運動の代表に恭助がなり、病院関係の協力も得られる事になった。そして運動費や運営資金を、洋之助と和子たちが多く追加して、清香に手伝わせて、組織だった財団にした。洋之助と美佳は、俊子を乳幼児施設の経営に参加させる共に、それに恒常的に寄付していく、不動産会社を作った。洋之助は、乳幼児施設の赤字補填用に作った貸しビルと洋之助の不動産会社群の一つを合併させ、財団に寄付をするための新しい不動産会社赤ちゃんスキ不動産を作った。この会社には、一族の会社が新たに出資してくれた。そして俊子が、赤ちゃんスキ不動産を運営した。紡績、化学、鉄鋼そして機械、貴金属などの一族の会社は、更に無理のない範囲で、少し財団に寄付をしてくれる事になった。一族以外にも恭助は各方面に働きかけ、細かい寄付を集めた。財団は乳幼児施設に寄付もした。こうして財団と乳幼児施設の財政的な安定を図った。 

美佳の乳幼児施設は、一族用の敷地内のものとは別に、郊外の駅の近くに、幼稚園も含めた乳幼児施設を数カ所持ち、都心の近くのビルの一角に乳幼児の託児所も数カ所造っていた。これには、洋之助は都心のビルを貸しビルにして、乳幼児施設の赤字を補なおうとしていた。美佳は不慣れな事業なので、慎重に進めていたので、大きな赤字は出さず、不動産会社からの寄付は相当貯まっていたが、規模はそれほど大きくなく、託児所での預かり時間はそんなに長いものではなかった。恵たちは、俊子を口説いて、美佳の乳幼児施設の運営に参加させ、都心近くの乳幼児施設の預かり時間を延長し、スタッフを揃えた。更に乳幼児施設を広げるために、優秀なスタッフを自分たちが育てる必要があると俊子は思っていた。洋太郎の人を育てる姿勢に共鳴も持っていた。当面赤字でも、やがて拡張する時には、人は必要なのだ。俊子は広い場所が欲しいとは言われていたが、今は不動産の価格が高すぎると思っていた。スタッフを揃えながら、逆に赤ちゃんスキ不動産が持っていた都心の土地を高値で売った。赤ちゃんスキ不動産がはかなりの資金を持って、人を育て、機会を待っていた。俊子は価格が高騰している時には、それ以外にも、洋之助が買い、治部東京不動産が所有している都心の不要の土地を、洋之助と相談しながら売っていた。  

香奈はまたも怒られた。何かしている事は知っていたけど、相場でもやっているかと思った。ちゃんと話せないのと和子に怒られた。

香奈「何で、私が怒られるのよ。真理さんには、遠慮しないで言いなさいで終わりなのに、私には、いつになったら、ちゃんと話す事が出来るのと怒るのよ。」
「仕方ないよ。香奈さんは、怒られやすいのよ。私と一緒よ。あの恵さんでもといつも引き合いに出されるのよ。でもよかったわ、ちゃんとした組織になって。少額だけど援助金も出せるようになった。俊子さんは、老人施設も併設したいと考えているらしい。老人施設は郊外になりがちだけどね、乳幼児が見られる施設で、便利な所にあった方がいいと考えているの。」
香奈 「そんな事すると、もっと大がかりになるわ。出来るかしら。」
「俊子さんは、この一族が長生きなのは、いつも子供たちが走り回っているのを見るからだと思っているの。出来る範囲でしかやれないけどね。」
香奈 「そうよね。それしか出来ないわね。」
「私も、女の子たちに乳幼児施設のボランティアも頼んでいるの。何も大した事は出来ないけどね。でも人が多いのは良いことじゃない。」
香奈 「キャピキャピの派手な子ばっかりでしょう。イメクラやキャバクラじゃないのよ。」
「そんな言い方はないわよ。キャバクラのトイレで、男のものをしゃぶってお金貰う子ばっかりじゃないのよ。真剣に考える子も多いのよ。それに男の子も寄ってくるわよ。満君のお店もそうだったし、色々な人が参加して、やっている方がいいわよ。出来る範囲で、私は良いことしていると、変に気取らず、やれるようにしたいと思っているのよ。」
香奈 「それはそうよね。恵も私も、所詮不良だし、男とするのも本能だしね。」
「そうよ。しゃぶたり、あえぎ声も出している不良だよ。でも何かしたいと云う気持ちも大切だね。それでいいと思うよ。」 

財団の運動も少しずつでは軌道に乗って、何人かの官僚上がりや政財界の引退した人も協力してくれた。しかし小さな命を救っても、もっと乳幼児の預かり場所を確保して、若い女の子たちの子育ても応援していかないといけなかった。

財団の活動
俊子の予想より遅れたもの、地価は下がり始めた。都心はずれの古いビルが、安く売りにだされた。赤ちゃんスキ不動産は、手元資金で、ビルを丸毎買い取る事が出来た。構造を専門家に見て貰ったが、骨格は頑丈だった。それでも幾つかの補強工事をして、内装を一新して、新しい機能型の現代ビルに変えた。そして途中の一つの階をすべて窓をマジックミラータイプの広々としてオープンスペースを作った。建物の中には柱が多い、昔風のビルだった。その柱を利用して、幾つかの小部屋を作り、そして産婦人科と小児科と内科の医院と一時預かりの託児所を、預かり時間を延長させて作った。更に都心での老人施設の可能性を確認するために、2つの小部屋を畳のある部屋と絨毯が敷き詰められている部屋を作り、お茶やコーヒーも飲めるようにした。寿クラブと称して、老人たちには、低価格で提供した。清美の料理店から料理の出前も出来るようにした。外観的には風格のある、オフィスビルだった。運動を行う財団の事務所も作った。寿クラブは初め、老人以外の人も来ていたが、低価格に釣られて、老人たちが多く来て、テレビを見たり、新聞や本を読んだり、将棋や碁などをしていくようになった。子供の声がするのが嫌いな老人は来なくなった。でも子供たちが走ったり、笑ったりしているのを眺めている人たちもいたし、寿クラブの乳幼児施設への窓や仕切りは開けられている事も多かった。

この商業ビルは成功した。乳幼児施設や寿クラブもそんなに大きな赤字は出さなかった。

赤ちゃんスキ不動産は、「小さな命を救おう」財団への寄付や乳幼児施設への寄付もしていたが、それでも出資者への配当も少しは出せた。「小さな命を救おう」財団と赤ちゃんスキ不動産の事は、新聞が記事に枯れた時に、小さい記事だったが、紹介された。 

洋之助は、商会の役員でもあったが、商売にも関係しないし、自分と関係の深い紡績、化学そして清彦と真智子の関係が深く、洋之助の管理会社が大株主でもあった鉄鋼には、話していた。  

そして計画を聞いた製薬や商会そして他の一般の会社も新しく出資した。洋之助と個人的な関係の深い安倍海運も相当の出資をしてくれた。赤ちゃんスキ不動産会社の手元資金は多くなった。俊子は、スタッフを更に増員し、教育していった。俊子は本格的に、色々なルートで駆使して、都心の古い大きなビルと郊外の駅の近くの空き地を、治部東京不動産会社で安く買い取り、現代的な高層の商業ビルと複合ビルを作った。そして都心のビルは途中の一階部分を託児所と寿クラブと医療スペースにした。郊外のビルは、一階の半分は、託児所として、小さな庭は運動場に変わった。2階すべては産婦人科、小児科、内科、歯科などの医療スペースと宿泊もできる老人施設にした。直美の中流タイプの料理店をビルの中に入れた。そうして今までやっていた乳幼児施設に中核的な場所を作った。上層階は住宅は賃貸とした。そしてこの二つのビルの建物部分だけを、赤ちゃんスキ不動産会社に貸した。俊子が洋之助から引き継いだ不動産会社は、豊富にあった資金は少なくなったし、都心に保有する土地も少なくなっていた。俊子は洋之助を説得して、貸しビル業をしながら、財団や施設の支援をするための最後の行動の積もりであった。洋之助の持っていた複数の不動産会社の内、関東の土地を保有していた他の会社をこのビルを建てた治部東京不動産会社に合併していった。財団を支援する赤ちゃんスキ不動産会社は安くビルを借りて、ある程度の資金を持って運営できたが、俊子が洋之助から引き継いだ治部東京不動産会社は、かなりの土地を売って、ビルを建てたが、ビルそのものの家賃をそんなに高くしなかったので、不動産会社としては、低収益になってしまった。洋之助は、この合併の時に、子供たちの管理会社に、自分の個人名義の幾つかの土地を買わせ、新しい不動産会社を幾つか作り、合併させて治部東京不動産会社とした。治部東京不動産会社は、洋之助個人及び洋之助の管理会社たちの比重は少なくなっていた。洋之助の不動産会社は、関東を中心だったが、製薬から買っていたので、大阪と西日本にも土地はあった。新しく作った子供たちの会社を合併させ、治部大阪不動産と治部西日本不動産を
作っていた。洋之助が保有していた個人名義の土地は、敷地内の土地を管理する治部ホーム不動産を除いて、3つの不動産会社名義の土地に、変わっていた。  

乳幼児施設も「そして小さな命を救おう」財団との連携も強めた。赤ちゃんスキ不動産会社も好調であった。財団や乳幼児施設に寄付しながらも、少額ではあったが配当も出していた。財団は出産費用の立て替え、出産後のケアーを含む相談そして協力してくれる産婦人科医や小児科医のネットワーク、どうしてもの時の里親探しやその後のケアー、そして若い女の子たちへの啓蒙活動などを行っていたが、恒常的な費用はなんとかやりくりが出来た。 

清彦、洋之助 相次いで亡くなる!
長生きした清彦であったが、病院に検査入院しているうちにそのまま亡くなった。真智子も気落ちしていた。半年も経たないうちに今度は洋之助も風邪を引き、念のため入院していると突然亡くなった。美佳も寂しくなった。そして、「小さな命を救おう」財団とそれに連携を持つ乳幼児施設に協力してくれた。 

洋之助は、清彦の死後、かなりの自己名義資産を各管理会社に移していた。それでも相続税などの税金は多かった。  

恭助と和子、突然の事故死!
恭助と和子は元気だった。二人を慰めていた。そして動ける内に、旅行しようとよく海外に行っていた。珍しくコシロは、海外旅行に行く前日の晩に、恭助や和子に、にゃーにゃーと話しかけたが、和子と恭助はヨーロッパに行き、ドイツのフランクフルト郊外で空港に急いで帰るタクシーに乗って、大きな交通事故に巻き込まれ、二人とも亡くなった。

「香奈さんも大変だったね。突然の事故で。」
香奈「コシロが不安そうな顔をしていたけど、いつもの旅行と言ってたのよ。本当に大変だった。ドイツまで遺体を取りに行って、葬儀もしたし、会社も混乱していたわ。もうあまり出ていないけどね、やっぱりいるのといないのは違うのよ。実際には、ほとんど何もしていない資源開発でも、混乱していたの、創業者だから。徹さんも存在の大きさを痛感したと言っていたわ。機械はもっと大変だった。役員会でも何も決まらないのよ。海外関係はお母さんの顔で繋がっていたらしいの。ドイツでは日本よりも大きな記事で報道されたらしい。勝がドイツに行って動揺を抑え、これからも協力していくとか買収した会社でも、これまでと同様にしていく事をみんなの前で話したらしい。ドイツはファミリー企業が多いからね。マダム和子の息子の勝が役員になっていて、みんな漸く納得したらしいの。お母さんは観光だけで行っていたみたいな事言っていたけど、みんなとよく話もしていたのよ。 勝もこれからヨーロッパへ、特にドイツに行くと言っていた。真理さんもロンドンに行って、話もしてきたらしい。」
「お義父さんの時はとっくに引退していたけど、会社関係は、大変だったの。それに鉄鋼の株を多く持っていたのは、洋之助おじさんだったから、おじさんが亡くなった時も大変だったの。洋治さんが、株は処分しないし、今までと同様経営陣を支持すると言ってくれた。お義兄さんと健次郎さんが役員になって一段落したけどね、お母さんも美佳伯母さんも気落ちして大変なのよ。運動には協力してくれているけどね。私と真美さんがお義母さんを旅行に誘っているの。美佳伯母さんは清香さんが誘っているけど、俊子さんが動くと洋太郎さんがついてくるし、有希さんは洋治さんを連れて行く。みんな忙しいから、時間調整も難しくなるのよ。」
香奈 「もうみんないい年なのに、変わらないのね。」
「貴金属と時計は、和子伯母さんの直轄で、大変じゃなかったの。」
香奈 「衝撃はあったけどね。貴金属はお店を含めて、真理さんと小百合がやっているし、真理さんはあまり表に出たくない人だから、小百合を出すでしょう。それは変わらないし、時計は道之助さんに任せるとお母さんが言っていたし、それほど大きくもないしね。遺産関係はこれからよ。色々と考えていたみたいだけど、突然だったからね。相当お金を出す事になると思うのよ。」
「これからは、香奈さんが纏め役になるのね。」
香奈 「それは無理だよ。色々多すぎて、みんなでやっていくしかないよ。洋之助おじさんも洋太郎さんを商会に入れたかったけどね、結局お仕置きがお仕置じゃなくなって、紡績でしょう。今は有希さんが出ているけどね。計画してもそのまま行かないよ。」
「運動も少し停滞ね。みんな動けなくなって。」
香奈 「乳幼児施設は動いているし、財団も動いているわよ。私たちはまだ動けないけどね。俊子さんはそういう運営をしていく人だよ。」、
「さすがだね。俊子さんが入ってよかったね。」 

とは云え、盛んに活動していた中核メンバーの活動が落ちて、既存の施設だけが動き、他の組織との連携も出来なくなってしまった。俊子は乳幼児施設には、当面の赤字は問題は別に、スタッフの育成などを進めるに指示していたが、洋之助亡き後の整理を洋治ともに行っていた。洋太郎はみんな俊子に一任する癖がついていたし、有希も、会社以外の事は洋治に一任する習性になっていた。洋之助は、現金も多かったが、洋之助は数多くの会社に関係し、管理会社も多かった。洋之助は敗戦後の混乱期に金を儲け、多くの会社の株も持ち、その株も管理会社に分散し、子分だった人たちの面倒もよく見て、不動産も貸したり、借りたり、利益を上手く分散させていたので、相続の処理は複雑を極めた。

和子の管理会社の数も多く、それに和子の父の功二郎や母の静香が遺産として貰っていた土地、恭助名義の土地なども多かった。和子も恭助も現金を多く持っていたし、和子の非上場の株もほとんど管理会社が保有もしていた。しかし、諏訪の土地や長府の土地など和子が遺産として貰っていた不動産の個人名義は、予想外に多く、そこまでは和子も考えていなかった。香奈や真理以外には多く稼いでいる人もいなかったので、処分できない土地などは、香奈が多く相続するようになった。和子が、香奈のお金を取り上げ、香奈名義で預金していた金は、運用会社からの配当も入り、膨らんでいたが、計ったようにほとんど消えた。和子や恭助の残した遺産も膨大なものだった。

和子が運営していた機械は世界的な規模の会社にまで成長し、和子の個人名義にまだ残っていた株や個人名義の不動産の評価額は膨大だった。
それでも和子の香奈相場禁止令による、香奈の各会社や管理会社への出資も効いて、なんとか乗り切る事ができた。

清彦もそれなりに資産があり、恵は義母の真智子の指示で、分からないまま、走り回っていた。しかし真智子の方が資産は多かった。これらの三家族がこれらもどこまで持ちこたえる事が出来るのか、俊子、香奈、恵たちにも分からなかった。お金も無くなり、一族を牽引してくれた洋之助や和子たちも亡くなり、一族は、過去の遺産やファミリー企業の稼ぎで暮らすようになるのだうか。資本の力はあっても、上場会社では、会社を指導するのは難しい。本来、企業を大きくする事も出来た、俊子、香奈、恵たちは、多くの時間とかなりの利益機会を、これらの運動にはつぎ込んでいた。そして、彼女たちも本来の利益を稼ぐ自分の事業を見る時間も必要であった。企業や財団も世代交代の波や判断基準の更新が必要となっていくだろう。それらの波を乗り越える事が出来るだろうか。不安は残っていた。 

美佳と真智子は、一時気落ちしていたが、子供たちの笑顔に元気づけられ、長生きをした。敷地内の一族の乳幼児施設は、一族から少し出資してもらって、完全なプライベート会社、治部ホーム託児所、治部ホーム保育所そして治部ホーム幼稚園にして、少人数限定の理想を目指す乳幼児用施設とした。保育料等はその時の実費に近いものを貰っていた。一般用の乳幼児施設(治部託児所、治部保育所そして治部幼稚園)と連携を取っていたが、施設としての考え方に大きな差異があり、同じ組織内にしておく事は難しかった。 

俊子、香奈そして恵も、ここが、一族の明日を保障する場所だと信じていた。一族の女たちは、ここで助けてもらって、仕事をしていく事ができたし、一族も女たちに支えられていた。しかし先進的で十分な人手をかけた託児所や保育所そして幼稚園は、いくつかの知見を財団や一般の乳幼児施設に与えた。  

「小さな命を救おう」財団の財政的な基礎は固まり、乳幼児施設も運営していく事が出来るようになった。そして財団も模索しながらその具体的な活動を始めていた。乳幼児施設も少し、軌道に乗ってきた。赤ちゃんスキ不動産もなんとか財団への寄付を続けながらも、少額の配当を出していく事が出来ていた。ただ、まだ限定的な小規模な存在である事は否めなかった。 

恵教が出来た!
恵の「恵姉さんとなんでも話そう」ボックスは、恵は女の子たちの相談にのっている内に、カリスマ的な存在になり、ついには、恵は教祖になり、男の子との絶頂感を味わう事が魂の救済になるとか、楽しく男の子をセックスするための方法とかを、教祖恵のお告げとして、流布されていった。乳幼児施設での奉仕活動も何故か、絶頂感を味わうための修業と位置づけられるようになった。 

乳幼児施設には、恵教のキャピキャピの派手な格好の女の子たちも奉仕活動に来て、おしめの洗濯や子供をあやしたり、遊んだりしていた。そして男の子も、女の子をものにしようとする不健全な目的を持ったり、子供たちを単に助けようとする健全な目的を持って、参加するようになった。ただおしめの替え方やおしめの洗濯や力仕事をさせられて、キャバクラに遊びにくるような気分は、一新されられた。ただゴムを貰って、帰る時に、そのまま、どっかに行ってしまう女の子もいた。 

女の子A「昨日、体格のいいイケメンの男の子が、俺のものは大きいよとか言うから、ラブホに行ったの。全然大きくならないのよ、鬼頭攻撃をしたら、もう出しちゃうの。あんなのが、見かけ倒しと言うのね。」
女の子B「昨日のあいつか、あいつはボランチィア参加の時の検診で病気が見つかり、断れた奴だよ。外で待ってやる奴は危ないよ。咽喉感染というのがあるらしいよ。検診してもらわないと。」
女の子A「それは大変。直ぐに見て貰うわ。」
女の子C 「そうしなよ。私もここに参加する時に、検診があって、妊娠や病気も診て貰ったの。昔のワル時分に病気貰っていたのよ。病気は自然に治っていたみたいだけど、子宮の膜に炎症があると言われたのよ。ゴムつけないと、出来なくても病気を貰う事もあるのよ。恵のお告げでもそう言っていたよ。」
女の子B 「ここで昨日働いていたひょろひょろの男の子がいたろ。」
女の子A 「いかにも神経質そうな奴だったね。」
女の子B「 でもあいつのものを大きかったし、硬かった。舐めると驚くのよ。そんな事は汚いとか言うのよ。まだ童貞だったと言ってたよ、お初頂いて、十分楽しめたよ。私みたいな不良でもいいと言うから、又会うんだ。」
女の子A「私はカス取ったのか」
女の子C
「見かけに騙されるからだよ。」 

恵は、派手ギャルや女目当ての男の子をボランティアにする時の条件として、検診を義務づけていた。  

恵は、中年になったが、派手な格好で店に時々来て、キャピキャピギャルのお姉さんから伯母さんになり、相談ボックスは、恵教の集会所になった。男と楽しくセックスする事が魂の救われる道とする本覚の亜流を名乗り、絶頂感を味わうためのフェラや腰の使い方や舐め方を詳しく流布された。絶頂感が魂の浄化に繋がるとか言い出した。恵への相談の回答はお告げ集として、流布されていった。 

女の子A「ここはインチキくさいね。貴方も何度も絶頂感を味わえるとか言うから、入ってみたら、夜は12時前に寝なさい、朝は牛乳やヨーグルトと野菜やフルーツを取りなさい。腰を使う前に体力つけなさいとか言って体操させるし、おまけに、奉仕活動だと言って、乳幼児施設で、おしめの洗濯もさせられる。恥ずかしい格好で検診もさせられる。健康オタクみたいで、インチキよ。」、
女の子B「でもね、奉仕中の男の子とラブホでやった時には、凄く感じたよ。ゴムつけたけど、生の感覚で逝ったよ。恵教の集会所で、ラブホの割引券とゴムも呉れるよ。あんたもやったの。」
女の子A 「まだやってないの。みんなひょろひょろの優等生っぽい男なのよ。何か不味そうな気がして。」、
女の子C 「お告げ読んでないの。見かけとは違うわよ。」
女の子A「あのお告げもインチキよ。愛は貴方を変えるなんて、昔の歌の文句よ。私みたいなワルはレギュラーの女にはしてくれないよ。だから今を楽しもうと思って入ったのに。」
女の子B「私は、今は宏吉のレギュラーになったわよ。絶頂感らしきものも味わったよ。宏吉も過去は問わないと言ってくれたよ。」
女の子C「何か昔風の名前の子ね。大きいの。」
女の子B「大きくはないよ。中程度かな。でも凄く感じてきたの、この前なんか意識も飛んで2回も逝ったのよ。あれが絶頂感かもしれない。」
女の子A 「いいな絶頂感、私は数人に回された事もあるけど、そんなに感じなかったよ。ビデオとは違うわ。」
女の子C 「ビデオなんか演技に決まっているわよ。あんたも一度やってみたら、奉仕中の男は病気はないよ。」
女の子A「言い寄ってくる奴はいるけどね。試食されて終わりじゃないの。」
女の子C 「いいじゃないのよ、処女でもないくせに。」、
女の子A「やってみるか。」

女の子C「どうだった。逝ったの。」
女の子A「あいつ、童貞だったらしい。ラブホも始めてみたい。」
女の子C
「で逝ったの、はっきり言いなさいよ。まさか童貞の子に逝かされたの。」
女の子A 「それが情けない事に逝かされたの。もう一度数日後にやったら、今度は私の意識が飛んでね。絶頂感かもしれない。あそこが熱くなったの、ものすごい不安感の中で意識が消えたの。2回も逝かされたの。いつも掃除なんかいやだったけど、綺麗にして、キスしていたのよ。」
女の子C 「偉く地味な格好ね。」女の子A「今日も会うの、地味な格好しろと哲郎が言うの。仕方ないわよ。親にも会え、でないと生はしてやらないと言われたのよ。 Bはどうしたの。東南アジアでも売り飛ばされたの。」
女の子C「あいつは、売り飛ばされたよ、宏吉の家に。ただで毎日、宏吉に逝かされてよがっているよ。」
女の子A「それって結婚したと云う事。」
女の子C 「そうとも云う。Aもそうなりそうだね。」
女の子A「私は不良だからね。補導歴もある不良なのよ。まず無理だよ。哲朗の家は、親は教師なのよ。せいぜい遊び相手だろう。でも絶頂感も味わったし、シングルマザーでもいいかと思って、生でやってみるよ。ここの施設は赤ちゃんも預かってくれるし。赤ちゃんを欲しくなったよ。」 

女の子B「おひさ。元気にしてた。」
女の子C 「不良がばれて、離婚されたか。」
女の子B「そんな事は最初から知ってるよ。ここの医院に検診に来て、ついでに奉仕に参加しただけだよ。私の赤ちゃんの練習のためにも。Cもやってるらしいね。」
女の子C「妊娠したか。私は、恵教の信者だから、やる事は本能だよ。でも私もそろそろ専用になってきたの、君郎の。もうすぐ売り飛ばされるの、君郎専用の性処理に。」
女の子B 「それって結婚するの。Aも結婚したの。」
女の子C「あいつは、お告げ通りに人間が変わって、哲朗が結婚してくれって云われたら、お尻を振って、喜んでいたよ。何がシングルマザーの覚悟だよ。格好も地味になったよ。乳房の谷間も見えない服装してたら、恵教からは破門されるよ。ああいう奴がPTAのうるさいおばさんになるよ。」
女の子A「私の悪口を言ってなかった。C、君郎が迎えに来てるよ。今日は飯食う約束だろう。」
女の子C「そうだった、お疲れ。」
女の子A「Cは、この頃女の子らしいフリルなんかついてものを来てるよ。バイトも風俗から変わって、コンビニのバイトになった。口調は変わらないけどね。」
女の子B 「そういうAも不良の面影がなくなったね。風俗でシングルマザーとして生きていくのじゃなかったの。」
女の子A「哲朗がうるさいの。保育士の勉強をしろと命令するのよ。ここで学校の案内してくれるの。学費も援助してくれるのよ。」
女の子C「それは事務所に聞けば教えてくれるの。私も聞いてみよう。宏吉の家の近くにも乳幼児施設が出来るらしいの。」
女の子A「お告げ通りにみんな変わったのね。」 

恵のインチキくさい恵教は、密かに不良少女たちに広がり、識者は眉を顰め、社会的な不安要因とまで云われた。そして哀れな信者たちは、絶頂感を味わったばかりに、多くは男の子たちに、安い結納金で売り飛ばされ、主婦と云う名の性処理用にされ、ただで股を広げてよがり、その上家事もやらされ、旦那の下着の匂いを嗅ぎ、洗濯して、家を掃除までしていた。夜には逝かされる事を喜びと感じるように洗脳され、その中のあるものは風俗では大金を得られるのに、安い給料の保育士や介護士になり、家庭でのんびり昼寝したり、浮気もできるのに、幼児施設や老人施設でこき使われた。中には、旦那が夜働いているので、子供と一緒に施設に来て、子供が寝ている夜中にも働く変人もいた。宗教は恐ろしいものだと識者は言っていた。そんな哀れな信者たちを試食しようとやってきた男の子たちも、宗教の魔の手の中で、幼児施設や老人施設で力仕事をして、洗脳され、真面目に働く事が正しいと信じさせられた。中には不良少女たちの餌食になり、不良少女たちの主人と云う名の働きバチに変えさせられた犠牲者もいた。 

教祖の恵は、平然とした顔で、こき使われながら楽しそうな信者たちに、更に男を成長させなけれは、女の甲斐性がないと更に扇動していた。男が成長すれば、より感じやすく、絶頂感を多く得られると言って、過酷な修業を信者たちに強いていた。利益至上主義の有希と手を組み、派手な服装や女の子らしい服装そしてちょっと豪華な中級品を売り、儲けていた。 

清彦が亡くなり、健太郎や健次郎だけになると、次々と息子を入れるのは難しく、恵の次男の健二は、鉄鋼でなく、化学に入り、由香の次男 信治は商会に入った。恵の最後の娘の千恵は、一族の銀行ではなく、普通の銀行に入った。香奈の長女である瑠璃は、やはり頭が良く、東大に入った。ただ瑠璃は、和子や香奈の血を引いて、遊び回っていた。徹彦と智恵子は長い間付き合っていて、結婚するきっかけが掴めず、時期が延びていた。子供でも出来れば早くなったかも知れないが、なぜか出来なかった。徹彦は、徹の薦めもあり、資源開発に入っていた。智恵子は宝石や貴金属、時計などを販売している銀座の店でも古株になり、小百合の補佐をしていた。 


瑠璃、海外逃亡!
香奈
「瑠璃にも困ったもんだ。大学に入っても遊び歩いていて、今度は突然イギリスに留学するとか言い出すんだよ。高校の時には補導されたんだよ、盛り場を夜遅く、派手な格好でウロウロするから。警察にも呼ばれたんだよ。恵の所はみんな大人しいね。」
「私の家の子供たちは、大人しいと云うより覇気がない気がするよ。瑠璃さんはなんか危ない子だね。頭はいいのかも知れないけど。へんなグループに入っているらしいよ。イギリスに行くのはいいことだよ。恵教の信者からも相談されたよ。そんな売春まがいなグループから抜けるように、私は言ったのよ。でも東大生の綺麗な子もいる噂があると言っていたよ。あれは瑠璃さんの事じゃないの。そろそろ手入れもありそうだよ。」
香奈「本当なの。瑠璃は、学校も途中で辞めるとか言ってるよ。留学するにしても卒業してからにしたらと言っても、もうお金も振り込んでいるとか言って、直ぐにイギリスに行くつもりらしいよ。バイトでも当座の金貯めたけど、留学時の生活費と学費とかは頂戴と云うから、ロンドンのオフィスに連絡したおいたよ。あいつ、やばくなって逃げるつもりかね。」
「さすが、香奈さんの娘だね。逃げ足は速いね。でも賢いよ。このままいれば本当に大変みたいだよ。」 

瑠璃は、頭も良く、綺麗でスタイルも良かった。ただ問題は男と金が好きで、高校時代から怪しげな店に出入りし、お金を稼ぎながら男と遊んでいた。ただ瑠璃は単にそれだけではなかった。和子や香奈と違い、組織工作が得意で、遊び好きの不良娘たちとネットワークを持ち、いつでも遊び、稼げるような組織を作った。それが有名になりすぎて、瑠璃は危険を察知し、組織も解散して、逃げる事にした。瑠璃は、さっさとイギリスに留学してしまい、日本から離れた。コシロは、平然と見送り、さっさと出ていけと言わんばかりの顔をしていた。数ヶ月後、大学生の女の子たちも絡む大がかりな売春グループが一斉に摘発された。グループの中で、中心的な女の子たちは、多くはもう止めていて、名簿や連絡先などを記録は残されていなかった。噂ではグループのリーダー役の女の子が危険を察知して、解散を提案したらしい。ただ一部の末端は動いていて、警察も逃げようとする気配を察知して、摘発したようであった。女子大生の組織的な売春と三流週刊誌にも話題になり、謎のリーダーの存在も取り沙汰されたが、やがてその話題も枯れてきた。捕まった女の子たちも、せいぜい末端の女の子で、全体の規模や人員の構成も知らず、指導程度で済んだ。捕まった女の話から数人の女の子の名前も出てきたが、女の子たちも単にデートの斡旋だとのらりくらりと言い逃れをして、巧妙な細工もしているようで証拠もなく、やがて事件はいつしか消えた。 

有希の息子、洋一郎 結婚騒動
有希は、単純に金儲けだけを目的として、稼いだ金を洋治に貢いで、被虐的な喜びにふけっていた。それが50才を超えても変わらないどころか、益々被虐性は強くなった。有希自身は自分のための出費はほとんどせず、ひたすら貢ぐだけだった。子供たちは大学を出て、働き始めたが、有希は益々若くなり、洋治とのセックスしか頭にはなかった。有希の長男の洋一郎が恋人の悦子を家に連れて来た時に、悦子は有希を見て、洋一郎の母親とは分からなかった。洋一郎もいつしか有希に友達言葉で話していたし、洋治は外出中だった。そして洋一郎は中座してしまった。洋一郎には妹の慎子がいると聞いていたので、てっきり慎子だと思っていた。そして友達言葉で雑談していた。もうやったのとか感じたのとか有希が聞いてくるので、何回かやって感じたとか話していた。妹はそんな事しか頭にないのかと馬鹿にしていた。散歩していた洋治と美佳がかえってきて、てっきり美佳がお母さんと思っていた。

洋一郎「お祖母さん、お父さん、お母さん、この人が汐見悦子さんです。会社の同僚なんです。」
悦子 「汐見悦子です。宜しくお願いします。洋一郎さん、お祖母さんはどこにおられますか?妹さんにも、紹介してください。」
洋一郎 「前にいるじゃないの、妹の慎子はアメリカに留学しているよ。」
美佳 「私が洋一郎の祖母の治部美佳です。悦子さんは、綺麗な人ですね。」
悦子 「治部美佳さんは、お若く見えます。吃驚しました。」
有希 「洋治さん、悦子さんと洋一郎はもう何回かやっているらしいよ、結婚は早めにしないといけないと思うわ。」
洋治「本当か、洋一郎。仕方ないやつだ。まさか妊娠はしてないね。悦子さん。」
悦子「いえ、してません。」

単に紹介するつもりだったが、急に結婚の話まで決まってしまった。洋治と有希が悦子の家に挨拶に行く事まで、有希が電話で連絡してしまった。悦子の両親もまだ悦子から何も聞いていなかったので、慌ててしまった。有希は電話になるとやたら事務的に喋る癖があり、かなり威圧感があった。汐見は商会に勤めていて、娘の悦子を関係のある鉄鋼に入れた。有希はうるさ型の役員ではあり、事前の根回しをしなければなかない存在でもあった。汐見禎治郎は部長だったので、時々有希に優しく質問され、禎治郎はその度に冷や汗をかいた。有希は尚かつ、悦子が妊娠しているような話しぶりだったので、汐見禎治郎と木江は、直ぐに美佳の家に来た。結婚が決まり、日取りの相談している所に俊子が来て、ホテルのホールで突然空きが出来たといって、2週間後に結婚式を挙げる事まで、1日で決まった。妊娠しているならといって、今の洋一郎の部屋に住む事まで決まった。  

汐見一家は親類にも連絡しないといけないと言って、慌ててかえった。

禎治郎「悦子、どうして早めに言わないのだ。治部有希さんは、商会でもうるさ型の役員だよ。こちらから、挨拶に行かないと行けないのに。仲人はお前と洋一郎さんの鉄鋼の社長、商会の社長にも報告しないといけない。本当に妊娠しているのか。」
悦子 「まだお付き合いして、三ヶ月よ。お酒飲んで、ついやってしまったのが、1ヶ月前なのよ。」
禎治郎 「有希さんは、出来たような事を言われていたが、何か話していないのか。」
悦子「有希さんはとても若く、妹さんのように友達言葉で、生で奥に出す時は当たったと云う感じしなかったと聞かれたの。凄い事云う妹さんと思って、そうよね、ゴムとは快感が違ったわとか言ってしまったの。あんなに若い人なんて嘘みたい。」
禎治郎「お前は会社での有希さんを知らないからだ。怖い人だよ。洋服の会社では、みんなビクビクしているよ。私も家の有希さん見て、別人と思うほどだよ。明日会社では大騒動だ。それに披露宴の会場は大変な所だよ。確か取った日はどこかの国の大統領のレセプション用に予約されていて、急に来日できなくなった筈だ。俊子さんは部屋も空いてるとか簡単にいったけど、部屋の絵画とか骨董とかの備品は一億以上だよ。備品には触るなよ。」  

商会では誰が披露宴に出るべきか会議まで開いた。化学では洋治が副社長だったので、社長と会長が出る事に決まった。どたばたしながら、直ぐに結婚式が始まった。新婚旅行は、悦子がヨーロッパがいいと言うから、機械や香奈の海外の会社があっと云う間にプランを決めた。  

というような事もあったが、有希はまだ、洋治の支配下にあった。洋治が考えた食事を食べて、洋治が朝食を作る間も快楽の余韻の中で眠っていた。毎月貢ぐ金はさすがに事務手続きから月毎の変動はなくなったが、紡績も有希の洋服事業等も、給料は有希の我が儘で利益比例の現金で支払われていた。その上、商会の役員になり、商会の内部まで食い込み、更に洋治に貢ぐ金を増やしていった。貢いだ後動けなくなるまで逝かされ、洋治が持ってきてくれる冷たいビールを飲んで、眠るのが最大の喜びである事には変わりなかった。美佳ももう呆れていた。

洋治はもういい年なのに、生まれついてもっていた巨大なもので、有希を支配して、有希から金を巻き上げ、無慈悲にも管理会社の株や運用に回し、あまつさえ、「小さな命を救おう」財団にも寄付をしたりしていた。洋治は、化学でも首脳陣の一部となり、共存路線と云う名前で関係会社を大きくし、利益を稼ぎ、収入も多かった。それなのに、有希への仕打ちは冷酷で、食事の支度や家事をさせなかった。単に性処理だけに使用していた。有希は性処理用に使われる喜びだけで、稼ぐ事だけを強いられた。有希は下着すら選ぶ意志がなくなっていた。いつも洋治が下着から服まで用意していた。有希は美佳の洋服事業である治部洋服を勝手に大きくしてしまい、グッズや小物まで広げていた。始めは単に有希に金を渡して、間接的に洋治にお金を渡そうとしていた利益比例の報酬が莫大な金額になっていた。有希はそれを貢ぎ、洋治の性処理に使用される以外は考えられなくなっていた。有希は、信じられないほど若く見えた。  

俊子は、洋太郎の性処理奴隷まで落ちた後、洋太郎を養う事を洋之助や美佳から押しつけられ、洋太郎と子供たちのために、更に働いた。洋治を助け、洋之助一家の家事まで、お手伝いさんを指揮してするようになった。洋之助亡き後は、愛や人を育てるのも会社の役割と公言するようになった洋太郎をサポートするように有希に頼んだ。俊子は性処理奴隷だった経験から、まだ洋太郎に強く意見する事は出来なかった。その代わり、敷地内の土地を管理する治部ホーム不動産以外にも洋之助の不動産会社を受け継ぎ、「小さな命を助けよう」財団を援助するための赤ちゃんスキ不動産会社も作った。俊子は洋之助の裏技もいくつか身につけ、事業会社群の管理会社らの株を管理する管理会社などもつくり、有希の貢いだ金も借りた事もあった。哀れな有希の子供達の世話もしてきた。ホテルは堅実に運営し、東京で新館を作り、伊豆のホテルを増設していた。俊子は給料として貰うお金は一部は生活費や食費といって治部ホーム不動産に出資して、多くのお金はホテルの管理会社や紡績などの洋之助の保有していた株を管理する管理会社に出資していた。洋之助は俊子にお金を渡す目的で、ホテルの利益の一定比率を給料として俊子に渡していた。時々運用会社にも出資させた。運用会社は、利益の半分を配当として出していたが残りは運用会社に貯めており、いわばお金をあげるための出資だった。

俊子が運営していたホテルは、この増設時にも借金もせず、ホテルの貯まっていたお金や子供たちの増資で対処していた。今度はその利益も増えて、ホテルの管理会社やホテルそのものにも、利益の保留は貯まる一方であり、周辺の土地も幾つか売り物があれば買っていた。ただ洋之助の突然の死亡により、その後相続税を払うために、ホテルの管理会社は、大きな配当を出し、貯めていたお金は、かなり減った。その後は洋之助の財産も、洋太郎たちの子供に入り、再びお金は貯まり始めた。ホテルの備品や会社の備品を販売したり、オフィスサービスを行う会社は、治部サービスとして、ホテルや関係会社を中心に細かく稼いでいたが、これは俊子が作った会社で、俊子の管理会社が100%の株を持っていた。


二郎と聖子の結婚 

洋太郎の俊子依存症も酷くなった。長男の太朗はあまりの依存症に手を焼き、自分の恋人選びにも慎重になった。太朗は紡績に入れと言う洋太郎に、俊子に頼み、商会に入りたいと言った。俊子が洋太郎に言うとそれで洋太郎も納得していた。ただ次男の二郎は、大人しく、紡績に入ってたが、水着のモデル 夏木聖子の魔の手に係り、あっさり結婚した。聖子は、大人しい二郎は御しやすいと思っていたが、二郎の下半身は洋次郎と洋之助からの血筋がはっきり現れて、かつ大きくなっていた。聖子は資産家一族に嫁に入る事を甘く考えていた、九州の大学在学中に、モデルになり、下着のキャンペーンガールに選ばれた。そこそこ遊んでいたし、経済学には詳しかった。家もそこそこの資産家であった。一人娘なので、我が儘一杯に育ち、みんなにちやほやされ、ミスキャンパスにもなった。スタイルも顔もよかった。婿養子の話に逆上して、キャンペーンガールに応募してしまった。選ばれると、父の祐介は逆上して、聖子は勘当同然に東京に追い出されると思っていた。安倍紡績と聞くと、父の祐介は不思議に何も言わなかった。

東京の叔父の家に住む事だけを条件にされた。キャンペーンガールを切っ掛けに芸能界デビューも夢見ていたが、聖子は綺麗だったが、整いすぎた顔立ちと整いすぎたスタイルそして育ちのよさ、頭のよさが誰にも判る女の子だった。何事もなく、約束の1年が過ぎようとしていた。大学も休学しての積もりだったが、経済学部の4年では、残り単位も少なく、特に卒論もなかった。すんんり卒業できそうだった。このままでは、九州に戻り、婿養子の話が復活すると焦った聖子は、紡績の総務にいた二郎に、何かと迷惑かけていたので、お詫びと称して、最大の迷惑をかける事にした。二郎を酔い潰して、裸になり、二郎の横で泣く事にした。二郎は酔いが醒めて、裸の聖子が横で泣いているのを見て、すっかり誤解して、直ぐに結婚を申し込んだ。元々聖子には好意以上のものも感じていた。聖子はくさい芝居が通ったと思いこみ、「ありがとう、二郎さん」と裸で抱きついた。洋太郎は話を聞き、俊子に相談した。冷静な俊子も、少しおかしいと思いながらも、結婚したいと云う二郎の話に乗ってしまった。美佳も話を聞き、夏木と言われると、黒田の兄の息子たちに確認して、黒田家由来の家と分かり、美佳自身が夏木祐介に電話した。話はとんとんと進み、夏木の家は親類の子供を養子に迎える事になり、洋一郎の結婚式の直ぐ後に結婚する事になった。聖子は策略通りに事が進み、新婚旅行でニューヨークに行った。ここで計画が狂った。聖子が経験していないサイズを二郎が持っていた。それに硬くて、長い。やった事になっているので、怯えるわけにもいかない。入れられると身体が動かなくなった。それに二郎は動いた。有希と俊子の話も聞き、こっそり見ていた事もあり、力の限り動いた。聖子は押し寄せる快楽の波に耐えきれず、大きな声を出していた。それに反応して二郎が奥に入れたまま、発射した。聖子は子宮に穴が空いたような衝撃を受けて、そのまま意識が消えた。直ぐに記憶が戻ったが、元気な二郎は又、復活して、2回戦が始まった。感じだしていた聖子には、惨敗だった。
何を言っているのか、どんな声を出しているのかも分からなかった。その上二郎の動きは今度は長かった。聖子は記憶が薄いまま、身体だけが反応していた。でも限界が来た。凄い不安感と膣が燃える感じの中で、聖子は燃えていた。その上、そんなに多くはなかったが、火が投げ込まれて、聖子は灰になった。記憶が戻っても動けなくなっていた。とても喉が乾いた。二郎に口写しで水を貰った。そして疲れが吹き出して、そのまま眠った。 

翌朝も身体が重たかった。二郎は昨晩は良かったかと不安そうに言った。何しろ酔っぱらって聖子さんにした時の記憶がない。これが覚えているのでは最初だから、下手でごめんね。次ぎからは、もっと頑張るからねと言った。そして1週間、二郎は約束通り、頑張り、聖子は何回も燃え尽きて灰になり、再生していった。アメリカ一週間は、聖子の精神まで変えた。治部二郎の優雅な奥様の筈が、二郎のものに服従している女になり、ルームサービスで持ってきた朝食の間も、いきなり裸になり、食事ではなく二郎のものを舐め、二郎の口の中の噛んだものを欲しがる女に成り下がっていた。日本に帰ってきた来た時に、あまりの美しさにみんな驚いた。俊子と有希は、直ぐに分かった。特に有希は、細かい所まで実感した。

有希「聖子さん、すっかりやられたね。二郎君も大きかったの?」
聖子 「何で知ってるんです。」
有希 「ここの家の男は危険なものを持っている事が多いのよ。人生が狂うわよ。私も優雅な生活を夢見たのよ、昔はね。でも洋治さんに支配されたい、管理されたいと思い出して、仕方がないから、お芝居でもね、お金を出すために懸命に働くようになったのよ。聖子さんも危ないよ。」
聖子 「危なくは、ないですよ。もうとっくにそうなってます。。アメリカでの最後はルームサービスで朝を食べたのですが、私は二郎さんのものを舐めてました。そしてお願いして、二郎さんが口で噛んだものをお皿に入れてもらってそれを食べてました。最後に二郎さんが出して貰ってそのまま飲んで逝ってしまいました。もう重症ですよ。おしっこも飲みたいけど、怒られそうで言い出せないの。」
有希 「それは大変だよ。俊子さんとも相談してしよう。」
俊子 「有希さんから、話聞いたわ。貴方、結婚前に、二郎としたわけではないのね、アメリカで始めてなの。それで危険なものを入れられたのね。甘く見たわね。」
聖子 「こんな事になるなんて。大人しい人だと思ったのに。」
俊子 「仕方ないわね。私も有希さんもそうなのよ。」
有希 「私よりも重症よ、私は数年かかったのに。」
俊子 「私も数年ね、洋太郎さんは別れようと脅すのよ。それでどんどん重症になったの。」
聖子 「そんな脅しには私耐えられません。今でも晩になるとお願いして入れて貰っているんですよ。毎朝しゃぶらないと不安なんです。」
有希 「抱いて貰えず、背中向けられたらどうするの。」
聖子 「そんな事は二郎さんはしないと思います。私には耐えられませんよ。」
有希 「洋治さんが私に怒ってね。晩が、忙しく、いい加減な夕食食べていた時に、1時間抱いてくれなくなった事あるの。あれは辛かったよ。まだ私若い時だったから。聖子さんにも過酷な刑罰になるね。」
聖子 「考えるだけでも、ぞっとします。」
俊子 「このままだったら、益々感じやすくなるわよ。」、
有希「髪の毛を触られただけで、濡れてくるの。入れられるだけで逝くようになるわよ。」、
聖子「もうなってます。晩は疲れて死んだように寝るんですが、朝には、二郎さんのものに頬ずりしています。一日中、入れられる事だけ考えています。晩には又入れて貰う。あの日は苦痛なんです。気が狂いそうになるのですが、口でしゃぶって喉の奥に突っ込んで、息ができなくなるまで我慢していると凄く感じるのですが、この頃平気で奥まで飲み込めるようになってしまいました。」
俊子 「それは危険だよね。」
有希 「短期間で危険な所まで来たのね。」、
俊子 「何かしないと危険だよ、接客は出来るの。」
有希 「洋服店でもホテルでもいいから働いてみない。」
聖子 「私に出来るでしょうか。」
有希「何かしないと妊娠するとそんなには出来なくなるわよ。」、
聖子「驚かせないでください。」、
悦子 「三人で何の話しているんです。」
有希 「お医者さん、どうだったの。」
悦子 「赤ちゃんが出来たそうです。」
有希 「よかったね。やっばり結婚を遅くしていると大変だったね。でも悦子さん、そんなに喜んでないのね。」
悦子 「でも暫くは、夜は、控えるようにと言われました。私、耐えられるか不安で。」
有希「何よ、少しは出来るわよ。」
悦子 「でも私は流産しやすいから安静にと言われました。」
有希 「だったら、そっと抱いて貰って我慢しなさい。」、
悦子 「それが、毎日のようにしている内に、して貰えないと不安で。」
俊子 「悦子さんも、毒が回っているのよ。まったくここの家の男たちは危険なのよ。」
美佳 「四人で何話しているの、有希さん、いつになったら会社に出てくるのと電話があったよ。少し遅れるといっていたのに、もう11時よ。会議は2時からだから、早く来てください、車が1時に来ると言ってるわよ。」
有希 「今日は大した議題もないのに。」
俊子 「早いけど、お昼にしましょう。」
美佳 「料理屋に電話してよ。お昼にはお弁当を頂きましょう。今日はお手伝いさんもお休みだしね。」
俊子 「私、もう電話をしました。もうすぐ持ってきますよ。ステーキ弁当とお昼の懐石弁当。」
美佳「私はステーキ弁当だよ。」、
有希 「お義母さんは、お肉好きですね。」
美佳 「それで何の話なの。」
有希 「悦子さんに赤ちゃんが出来たのです。」
俊子 「それと、聖子さんと悦子さんが、この家の男の毒が回って、聖子さんは危険なレベルに、悦子さんも危ないようです。」
美佳 「本当にみんな危険な男が揃うね。働かないといけないね、聖子さんも悦子さんも。でないと壊れるよ、心も身体も。」
聖子「それでみんな働いているんですか?」
有希「そうよ。毎日壊れる程突いて貰っても、直ぐに欲しくなるのよ。聖子さんは私と一緒ね。もっと管理されたいでしょう。なかなか治らないよ。二郎くんも優しいから、そんなに激しくしてくれないしね。私はね、働いてお金を渡す時は、全力で突いて貰うようにしたの、手加減なしね。壊れる程激しく、完全に逝って、動けなくなるの、今でも。最後にビールを抱いてもらって飲むのよ。その時が生き甲斐で、ここまで来たのよ。」
美佳 「有希さんも、もう年なのに、まだ、やっているの。」
有希 「洋治さんは、まだ頑張ってくれてますよ。私も益々深く感じますよ。」
俊子 「私も深く感じるし、洋太郎さんも頑張ってくれていますよ。」、
聖子「私も、そうなりそうですね。」
有希「聖子さんはちょっと早く毒が回ったから、早く抜けるか、どっぷりこのまま酷くなるか分からないよ。」
俊子 「お弁当が来たわ、お茶を入れてね。」
有希 「私がやります。」
美佳 「洋治がいなくても大丈夫。」
有希「お茶ぐらいは、大丈夫です。」


香奈スペシャルNo.2に続く
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