平成21年の桃の開花、結実と着果状況は順調に推移し、岡山県東備農業普及センターの今年の総括では、
「5月〜6月の降雨が少なかったため硬核期の生育肥大が緩慢となり(この時期に急に桃が大きくなると
核<種>が割れる)また、7月上旬の修正摘果(着果量を少なくする)を行ったことにより主力品種である
清水白桃の核割、生理的落果が例年より少ない」とのことでした。
7月初旬までの好天気に恵まれて、早生品種の「加納岩白桃」、続く「白鳳」までの出荷は順調で、
また、糖度も12度を超えておりました。
しかしながら、今年の問題はここからでした。
清水白桃の出荷が始まった7月20日から3日間豪雨に見舞われ、果肉が先熟し、いわゆる「柄ぼアタリ」が続出すると共に
糖度が一気に落ちてしまいました。
その後も下旬、8月上旬と雨が降り、今年の主力品種「清水白桃」の収穫は散々な結果となってしまいました。
そうした中でも排水対策に努め被害を最小限に食い止めたと思っていますが、暗渠など排水対策に万全を期している農家では
かなり頑張られたようですので、やはり更なる排水対策が必要と痛感しております……
栽培している桃の種類
“加納岩白桃、白鳳、清水白桃、おかやま夢白桃、白桃、白麗、サンゴールド”
それぞれの桃の紹介は、「桃の栽培品種」をご覧下さい。
“苗木の植え付けと二段接ぎ”
桃は20年〜30年と言われていますが、樹齢が20年を過ぎると、やはり木に勢い
がなくなってくるので、その頃には次の若木を育てていくことになります。
写真の苗木は昨年の冬に植えたものですが、右の写真にもあるように二段に接いでいます。
線虫に強く糖度も高くなるとのことで植えてみました。
冬季(12月〜1月)の剪定です
冬季の剪定は、収穫後に徒長枝(真っ直ぐに真上に勢いよく伸びた枝)
を中心に剪定を行う夏期剪定に比べて 弱めの剪定を行い 主に中果枝(10cm〜30cm)
や短果枝(10cm未満)を大事にした切り返し(剪定)を行います
写真は、上に伸びた勢いのある長果枝を切り取っているところです
花芽と摘蕾
右の写真に見るように、2月になるとはっきりと花芽が膨らんできます。
花芽に比べて小さく尖っているのが葉となる「葉芽」です。
花芽が一杯付いたままにすると、成長が悪くなることから、この時期に花芽の間引きを行いますが、これが「摘蕾」です。
摘蕾をすると、この後の成長が促され、また、摘花や実の間引きが楽になります。
春の芽吹き
サクラら前線が北上し、開花宣言が出るこの頃になりますと、桃も芽吹いてきます。
ここ数日の暖かさで、27日(土)の今日、私の「桃枝 リトルファーム」でも開花がちらほら見られました。
この後、花から花粉を採取して、受粉が必要な「夢白桃」「白桃」に受粉する作業が始まります。
また、開花前には「摘蕾」に続いて花芽を間引く「摘花」を行います。
開 花
27日(土)に桃も芽吹いてきましたとご紹介しましたが、ホームにも紹介しているとおり、。
それから約10日後の4月7日には全ての桃が開花しました。
これから花が落ちる頃には、もう小さい実がなるようになります。
実が付き始めました
今日、4月26日(日)桃の着果状況を写真に納めました。
数日前から落花した後に“ぽつっ”と実が見えるようになっていましたが、
今日の写真では、もう小豆くらいになっています。
「摘蕾」「摘花」をしていますので、一枝(短果枝〜中果枝)には、実は三つ位しか付いていません。
これから一番良さそうな実を選別して袋かけをしていくようになります。
予備摘果から仕上げ摘果へ
5月からいよいよ「袋かけ」の前哨戦となる予備摘果から仕上げ摘果が始まります
予備摘果は「袋かけ」する数の1.5〜2倍程度の実を残していきます(写真は予備摘果後)
その後、中旬から下旬にかけて仕上げ摘果(1.2倍程度)を行います
今までの説明でもお分かりの通り、一つの実をならせるために
摘蕾 → 摘花 → 予備摘果 → 仕上げ摘果 → 修正摘果 → 袋かけ
と大変な手順、労働を費やして実を育てていくことになります
袋かけ
5月25日からいよいよ「袋かけ」が始まりました
「袋かけ」は、明治18年に病虫害から被害を免れるために使われたのが始まりとされています
その後、病虫害被害から桃を守るだけでなく、桃の色など外観を美しくするために「有袋栽培」
(袋をかける)が全国で行われるようになりました
しかし、袋かけの手間ひまなどから無袋栽培(袋をかけない)でも病害虫に強い農薬の開発など
により、山梨県や福島県では全体の3分の2が無袋栽培となっています
岡山県では、市場での白く(一部かすかにピンク)美しい桃が好まれることから有袋栽培が広く多く行われています
はじまりました! 桃の収穫
例年より若干早く7月3日からいよいよ桃の収穫がが始まりました。
「加納岩白桃」は、早生種で我が農園では一番先の収穫となります。
ただ、1本だけしかないため、どちらかというと今年の桃の出来具合を見る指標桃というところでしょうか!
では今年のできはと言うと“上出来”でした。
天気がこのまま推移すれば今年は期待できそうですが、問題は「長雨」が続かないことです。
長雨が続きますと、どうしても糖度が落ちてしまいます。
どうぞ 晴の国おかやま!でありますように…
【7月6日 収穫は終了しました】
第二段 人気品種“白鳳”の収穫が始まりました
加納岩白桃に続いて9日から人気品種の一つである“白鳳”の収穫が始まりました。
“白鳳”は、岡山県の推奨品種の一つで、清水白桃に次いで人気品種の一つです。
頭の赤みもほどよく、美しい顔立ちをしています。
梅雨の雨も今のところ大したことはなく、甘みもまずまずの出来のようです。
天気がこのまま推移すれば、これからも期待できそうです!
さあ〜 これから清水白桃の収穫まで 突っ走ろう!
【7月20日 収穫は終了しました】
… いよいよ“清水白桃”の収穫 …
今年もいよいよ20日から岡山県で最も栽培面積が広く最高人気品種の“清水白桃”の収穫が始まりました。
写真で見るように“清水白桃”は、全体が白く、頭がほんのりと赤い非常に美しい姿をしています。
この白っぽくて気品が高い姿に進物としての人気が集まっているようです。
さて心配なのは梅雨の雨…
今年は8月2日現在、まだ 梅雨が明けはなし!
その長雨 右の写真に見るように果実が大きくなるときに枝に食い込む部分が痛んでいます。
もちろん、こうした桃は商品にならず、これが収穫の半分も占めている日は悩んでしまいます!
でも、これが自然なのでしょう…ある意味では、甘んじて受け入れなくてはと…
【8月3日 収穫は終了しました】
8月1日に白桃、サンゴールドの初収穫。我が農園では、白桃、サンゴールド、白麗は少ないため8月9日には収穫が終了しました。
これで、今年の桃の収穫は全終了となりました。
今年は、清水白桃でも紹介したとおり長雨の天候不良との戦い(園全体に防水シート敷いたり剥がしたりの繰り返し)でしたが、
最低限の糖度低下等に押さえられたのではと自負しております…
来年は更に良い桃の栽培になるようがんばりたいと思っております!
8月下旬には、今年の桃に対して「お礼肥」を施しましたが、この後、来年に向けての夏・秋期剪定、元肥の施肥と作業が続きます。
今後ともホームページをご覧いただきたいと思います。
桃の品種は、「桃の栽培品種」をご覧下さい。
