(2)

組み敷かれても少年は何をされるか全く理解していないようだった。
それどころか、吹き飛んだ背負い篭からこぼれる栗の心配をする。

「何するんだよ!?栗がこぼれちゃったじゃないか!」

見当外れなことを言ってカカシを睨みつける少年の目に、カカシは興奮でゾクゾクした。
その曇りを知らない瞳が、いつか自分への服従と恐怖で濁る様を想像しただけで、カカシは前を張り詰めさせた。

少年の、誰も割り開いたことの無い未熟な場所に、カカシは何の前戯もなく強引に自分のものを埋め込んだ。
悲鳴を上げ逃げようとする身体を押さえつけ、容赦なく腰を打ちつける。
苦痛と恥辱の涙に濡れる少年はとても可愛かった。

「ああ、あんた、とっても可愛いね...すごくいいよ...」うっとりとカカシは何度も呟いた。

何度か少年の中で吐き出してようやく身体を離した時には、辺りはすっかり暗くなってしまっていた。
少年は血と精液で汚れた下肢を露にしたまま、ぐったりとその場に身を横たえていた。

う...く...うぇ...ヒック...

少年は堪えきれずに嗚咽を洩らした。その声にまた下半身が熱を持ち始めるのを感じながら、カカシは伏せた少年の顔をこちらに向けさせた。
泣きながらもカカシを見返す瞳は憤怒と抵抗でぎらぎらとしていた。カカシはそれを見て口の端を吊り上げて卑下た笑みを浮かべた。

「あんた名前はなんていうの?」

カカシの問いに少年が無言でいると、カカシは少年の股間を力を込めて握った。

「....っつぅ!」

あまりの激痛に少年の身体が大きく跳ねた。

「答えないと潰しちゃうよ?」本気だった。

少年はカカシの狂気に初めて怯えた色を浮かべた。カカシはそれに満足を覚えた。こうしてどんどん少年を浸蝕し支配していけばいい。

「ねえ、名前は?」

繰り返されたカカシの問いに、少年は今度は抗わなかった。

「....イルカ。」

「イルカ...あんたにぴったりだね。」青い海原を自由に泳ぐ生物の姿を思い浮かべて、カカシは嬉しげに言った。
でも自由に泳いで行かない様に気をつけなくちゃね。
カカシはイルカの鼻梁を横に大きく走る、薄い傷跡を指でなぞった。

「この傷、どうしたの?」可愛い顔に、勿体無いなあとカカシは思った。
握られたままのイルカは大人しく従順だった。

「え、演習で友達に...よ、よけきれなくて。」

その言葉にカカシの血はザワと沸き立った。俺より先にイルカを傷つけた奴がいる。そしてその印をこれ見よがしに残している。一番目立つところに。イルカが鏡を覗くたびにその瞳に傷跡が映る。他人がつけた傷跡が。許せなかった。そんなもの消してやりたい。消せないのだったら。

俺が刻み直してやる。
もっと深く。もっと鮮烈に。

え、とイルカが思った時にはクナイを握ったカカシの手が、イルカの鼻の上を鮮やかに切り裂いていた。

「あああぁぁぁ....っ!!」

噴出す血と切り裂かれた鋭角的な痛みに、イルカは思わず甲高い悲鳴を上げた。無意識のうちに身をよじってカカシから離れようとする。カカシはそれを許さずイルカを掻き抱くと、血が流れ出ているのも厭わず、切り裂かれた痕を愛しげに舐め上げた。あまりのおぞましさにイルカが身を震わせた。

これでいい。

これで。

「可愛いよ、イルカ....」

カカシはうっとりと呟いた。


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