話の舞台
ヤマトタケルの一行は走水(はしりみず=現在の浦賀水道)に赴いたとき、海が荒れ、動くことができなくなった。同行してきた后の弟橘媛(オトタチバナヒメ)が海神の怒りを鎮めようと自ら入水。これによりヤマトタケル一行は難を逃れたのだった。
絵について
人間的な話と神の話が混在するのがヤマトタケルの話の特徴である。しかし、それにこそいろいろな事実があるのではないかと思わせる。
オトタチバナヒメの入水とは、実際はその地方の豪族への輿入れではないかと推理した。大和王権は服従の条件に大和の皇女を豪族の長と婚姻させようとしたが、意外にも豪族が気に入ったのはヤマトタケル(のモデルとなった使節団長)の后であったのかもしれない。オトタチバナヒメはタケルとの別れの際に「私は私の道を行きます。皇子は皇子の道をお進み下さい」と告げた。大和の発展の為にお互いがすべきことは何かを言い切ったオトタチバナヒメは日本神話の隠れたヒロインである。
480x480 板 アクリル絵具 2011年3月 |