裸の殿様
話の舞台
 西洋のお話に「裸の王様」というものがあるのはご存知だと思う。大半の人は裸の王様というとうぬぼれ家というイメージを持っているだろう。ここでは改めて紹介しないが、「裸の王様」とはそういう話ではない。
 王様を裸にしたのは自分がバカだと思われたくなかった家臣たちであるが、最終的には自分で判断せずに裸で街を歩くことにした王様自身の責任である。メディアが、急成長した企業の経営者や大派閥の長となった政治家が不祥事を起こしたときに、彼らを称して裸の王様と言うのは的外れであり、責任追及するならむしろ暴走を止めなかった側近たちであろう。

絵について
 童話や昔話は寓意にあふれている。しかし子どもの頃にそういった絵本を読んでもらったことも、親になってからも読んだことがないのか、本当の意味を知らない人が増えている。
 「裸の王様」をここでは場面を日本に置き換えて「裸の殿様」として描いてみた。殿様のイメージは秀吉である。しかし側近の責任を追及するのがテーマであるため、裸で街を練り歩く前におね(秀吉の妻)やなか(秀吉の母)に阻止される場面にしてみた。
裸の殿様
B4 イラストボード アクリル絵具 2011年5月
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