浦島太郎と玉手箱
浦島太郎と玉手箱
930×580mm 布 アクリル絵具 2012年12月
話の舞台
 「♪昔、昔、浦島は〜」日本人ならおなじみの昔話である。浦島太郎は浜辺で助けた亀にお礼に海底の竜宮城に招待される。そこで乙姫からの厚いおもてなしを受けた。気づけばはや3年。故郷に帰りたくなった太郎はお土産に乙姫から玉手箱を渡される。しかし「決して開けてはなりません」と約束された。
 故郷に戻るとそこはまるで別世界。村人に話を聞くと、300年前に浦島太郎という人が漁に出たまま帰らなかったという。なんと地上では300年もの時が過ぎていたのだ。途方に暮れた太郎は玉手箱を開けてしまった。中から白い煙が立ち上がり、太郎は老人へと変わってしまった。

絵について
 なぜ浦島太郎は玉手箱を開けてしまったのか? 開けるなといわれると余計に開けたくなるのが人情だという人もいるだろう。
 しかし、太郎の境遇を考えると玉手箱を開けてしまった心情も分かる。竜宮城での3年は陸では300年。当然故郷には誰も知り合いがいない。この広い世界にたった一人残された太郎に竜宮城や乙姫への手がかりは玉手箱だけ。そう、太郎には玉手箱を開けるしかなかったのだ。
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