話の舞台
スサノオは姉のアマテラスが治める高天原で乱暴狼藉を働き、そのせいでアマテラスは天の岩戸に身を隠し、世界は真っ暗になってしまう。困った神々は智恵を出し合い、アマテラスを岩戸から引きだすと世界に光が戻った。
そして神々は相談し、スサノオに罰を与え、高天原から追放した。
絵について
日本には昔から皆で相談して物事を決めようという思想があり、これを民主主義の原点だという向きもあるが、一方で危険な解決方法でもある。確かに神々は集まってスサノオの処分について話合ったと神話にはあるが、スサノオの言い分を聞いたとは書いていない。よってこれは裁判ではない。下手するとリンチである。
話の筋を見直すと、最初は別れの挨拶をしに来ただけだと言うスサノオが乱暴を働くに至った経緯が不明である。田んぼの畦を壊したとか、機織小屋に馬の死体を投げ込んだとか、これらは本当なのだろうか。もちろん懲罰委員会が非公開なら部外者は出された結論を鵜呑みにするしかない。
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