話の舞台
この世の初め天と地が別れ、最初の神々が誕生した。神々は相談しイザナギとイザナミの神に地上の国を作れと命じた。
世界の創造主は最高神であると誰もが思うだろうが、日本の国土と八百万の神を生んだイザナギとイザナミの神は決して最高神ではなく、それどころか天の神々の中では最下位にすぎない(それでも相当偉い神様であるが)。絵の中の神々で一番手前で矛(ほこ)を受け取るのがイザナギとイザナミである。かといって絵の最上段の神が最高神であるかというとそうではなく、神話に詳しい人ならイザナギとイザナミが属する「神代七代」の更に上にも姿を見せない神々の世代があることをご存知だろう。
絵について
実際に国を作ろうと動いたのがイザナギとイザナミであるにも関わらず、その地位が低いのは実務職である所以である。上位の神々の名を知っている方などごく僅かであろうが、これが中間管理職であると言えば何とその数の多いことか。最上段の神ですら何やら後ろの様子を伺っているが、大企業の社長と言えど会長、株主、政治家、はたまた裏社会の意向には逆らえない。
これぞ社会の縮図である。要するに人の営みなど人類の歴史が始まっていらい何も変わっていないのだ。
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